1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年十二月十一日(月曜日)
午前十一時五分開議
出席委員
委員長 前尾繁三郎君
理事 河原伊三郎君 理事 野村專太郎君
理事 龍野喜一郎君 理事 藤田 義光君
理事 門司 亮君
池見 茂隆君 大泉 寛三君
川本 末治君 小玉 治行君
中川 俊思君 福田 篤泰君
船越 弘君 南 好雄君
吉田吉太郎君 床次 徳二君
久保田鶴松君 立花 敏男君
大石ヨシエ君
出席国務大臣
国 務 大 臣 岡野 清豪君
出席政府委員
全国選挙管理委
員会委員 長 世吉君
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治庁次長 鈴木 俊一君
委員外の出席者
総理府事務官
(全国選挙管理
委員会事務局長
事務代理) 石渡猪太郎君
総理府事務官
(地方自治庁行
政課長) 長野 士郎君
專 門 員 有松 昇君
專 門 員 長橋 茂男君
十二月十日
委員橋本登美三郎君辞任につき、その補欠とし
て江崎真澄君が議長の指名で委員に選任された。
同月十一日
委員生田和平君、久野忠治君、田中啓一君、及
び中島守利君辞任につき、その補欠として船越
弘君、南好雄君、中川俊思君及び福田篤泰君が
議長の指名で委員に選任された。
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十二月十日
地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時
特例に関する法律案(内閣提出第五号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
小委員会設置に関する件
地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時
特例に関する法律案(内閣提出第五号)
行政書士法案起草に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/0
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001・前尾繁三郎
○前尾委員長 これより開議を開きます。
議案の審査に入る前に、この際行政書士法案の起草についてお諮りいたします。前国会におきまして行政書士法案を起草し、委員会提出の法律案として議院に提出いたしまして可決されたのでありまするが、参議院の関係により成立いたしませんでしたので、本国会においても、行政書士法案を起草いたしたいと思います。つきましては、以上のような関係でありますので、前国会の案をもとにして起草することにしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/1
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002・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは行政書士法安
を起草することに決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/2
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003・前尾繁三郎
○前尾委員長 次に昨十日本委員会に付託になりました地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案、内閣提出第五号を議題といたします。まず政府より提案理由の説明を聴取いたします。岡野国務大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/3
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004・岡野清豪
○岡野国務大臣 ただいま上程されました地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案につきまして、その提案の理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
全国大多数の地方公共団体におきましては、その議会の議員及び長の任期が明年四月に満了となり、従つて後任者の選挙は、公職選挙法の規定によれば、三月上旬ないし四月下旬の間、各地方公共団体が任意に定める期日に、施行されることになるわけであります。しかるにこの選挙の期日並びに選挙運動の期間は、たまたま地方公共団体の予算編成時期に当つているのでありまして、地方公共団体の議会の議員及び長をして選挙に煩わされることなく、明年度予算案の編成並びにその審議に当らしめるため、選挙の期日を四月下旬以降に定めるとともに、これらの各選挙を、できるだけ同時に行わしめて、選挙事務の合理化と、経費の節減をはかることが適当であると存ぜられるのであります。
以上の趣旨によりまして、公職選挙法に対する特例を設け、この法律施行の日から、昭和二十六年四月二十九日までの間に、その任期が満了すべき都道府県及び市町村等の議会の議員の任期満了による一般選挙は、四月二十九日に、この法律施行の日から昭和二十六年五月二十日までの間に、その任期が満了すべき都道府県知事及び市町村長等の任期満了による選挙は、五月二十日に、それぞれ同時に行うことといたしたいと存ずるのであります。また同一の趣旨に基きまして、議会の議員の数が、その定数の二分の一を欠き、議会が成立しない状態となつた場合のほかは、議員の再選挙または補欠選挙を行わず、またこの法律施行の日に、すでに退職の申し出をしている長の後任者の選挙のほかは、明年五月二十日までの間に長が欠けましても、その選挙はすべて五月二十日に行うこととしたのであります。
なお議員の選挙に立候補したものについては、同時選挙の趣旨の徹底と、選挙の公正とを期するため、同一区域について行われる長の選挙の候補者とはなれないものといたしました。
最後に、現在公職選挙法の規定中、地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了前に行う任期満了による選挙の告示後に、議員または長が欠けた場合の選挙の取扱い並びにそれらの後任者の任期の起算方法に関する部分について、この際規定を整備する必要を認めましたので、所要の改正を公職選挙法に加えることにいたしたいと存ずるのであります。
以上がこの法律案の提案理由並びにその内容の概略であります。何とぞ愼重御審議の上、御賛成あらんことを御願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/4
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005・前尾繁三郎
○前尾委員長 それではこれより質疑に入ります。質疑があればこれを許します。質疑はありませんか。—質疑がないようでありますから、質疑はこれで終局いたしました。
ただいま門司亮君より修正案が提出されておりますので、まず門司亮君の修正案の趣旨弁明を求めます。門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/5
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006・門司亮
○門司委員 ただいま議題になつておりまする地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案に対して、日本社会党は修正案を提出いたすのであります。修正案の内容を一応朗読いたします。
地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の一部を次のように修正する。
第二條第一項中「昭和三十六年五月二十日」を「昭和二十六年四月十六日」に改める。
第四條第一項中「第一條第一項の選挙における議員の候補者」を、第二條第一項の選挙における長の候補者」に、「第二條第一項の選挙における長の候補者」を「第一條第一項の選挙における議員の候補者」に改める。
以上が修正文の全文でございます。
こういう修正を出しましたのは、政府原案によりますと、議員の選挙を四月二十九日に行つて、長の選挙を五月の二十日に行うようになつております。長の選挙の期日は、本来ならば四月四日に行わるべきものである。これは提案の理由によりますと、予算の編成の時期にかかるからということで、これを五月二十日に延ばしたいという御説明でありますが、一応ごもつとものように聞えるのでありますが、いずれにいたしましても、三月には予算を編成しなければならないのでありまして、従つて知事あるいは市町村長が交代するということが、一応前提として考えられまするならば、当然来年の三月編成いたします予算というものは骨格予算であつて、單に経営費のみを予算に組まれるということは、これは私はどなたがお考えになつても当然だと思いますし、またそれ以上は当然出られないというように考えて参りますれば、予算期日を重要視いたしまして、知事の選挙日を変更するということも、ほとんどその意義がなくなると私は考えておるのであります。
それからもう一つの理由といたしましては、都道府県並びに市町村の長の選挙を先にやるということによつておのおの地方公共団体の一応進むべき方向というものが、その選挙において、はつきりきめられて参るのであります。その上で議員の選挙をするという方が、私は民主的の行き方から行きますならば正しいと考えておるのであります。さらに本案に対しまする反対の理由といたしましては、四月二十九日の議員の選挙が、どうしても動かすことができませんので、これをこの機会に行つて、その後に長の選挙を行いますと、先に議員の定数がきまつて参ります。定数というよりも大体顔触れがきまつて参るのでありまして、その上で長の選挙を行うということは、ちようど前の間接選挙と同じような形を示して参るのであります。従つてこの間接選挙と同じような形を示すような選挙は、やはり民主主義の選挙の形の上から行きますならば、これを避けなければならない。これを裏書きいたしますものは、御承知のように、全国市長会議におきましても、この事項をきわめて大きく取上げて参りまして、政府原案に対しましては、反対の意向を示しておるということは御存じの通りであります。従つてわれわれはこれを四月十六日にすることによつて、知事の予算編成に対しましては、十五日の期間を與えまして十分これの審議に当るようにいたしたいと考えるのであります。それからまた四月十六日に長の選挙を行いますならば、四月十六日の長の選挙から来る必然的の結果として、決選投票を行わなければならない段階があると思うのであります。そういう場合に、議員の選挙が四月二十九日になつておりますのに、これと同時選挙を行うことによりまして、大体地方選挙は二回で済むということに相なつて来るのであります。政府の原案によりますならば、当然五月二十日以後十五日以内に、もう一回決選投票を行わなければならない、こういう煩雑を一応避けるということと、さらに政府原案によりますと、選挙が五十日間行われることになるのでありまするが、私どもの修正案によりますならば、ちようど議員の選挙を通じて四十五日で、大体選挙の日数は足りる。従つて経費その他の点につきまして、決選投票が一回省かれることと、日にちを四十五日に縮めることによつて、非常に経費の点から申し上げましても、これの方が私は合理的だと考えているのであります。従つて、こういう意向で、第二條を、昭和二十六年五月二十日とありますものを、四月十六日に改め、第四條はそれに従いますところの條文の整理であります。
以上が大体私どもの修正案を提出いたしました理由でございますので、愼重審議の上、各員の御賛成を願いたいと考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/6
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007・前尾繁三郎
○前尾委員長 次に床次徳二君より修正案が提出されております。同君の修正案の趣旨弁明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/7
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008・床次徳二
○床次委員 一応民主党の修正案を朗読いたしまして、御説明いたしたいと考えます。
地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案に対する修正案
地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の一部を次のように修正する。
第一條の見出しを「(議員の選挙の期日に関する特例及び任期満了後における議員の職務)」に、同條第一項中「昭和二十六年四月二十九日」を「昭和二十六年五月十三日」に改め、同條に次の一項を加える。
3 第一項の規定の適用を受ける地方公共団体の議会の議員は、その任期満了後においても、昭和二十六年五月十二日までの間は、引き続いて議員としての職務を行うものとする。
簡單に御説明申し上げまするが、今回のごとく全国的に行われます選挙におきましては、選挙民のでき得る限り便利な方法を講ずるのがよろしいのであります。わが国におきましても数回の選挙の実例によりまして、両選挙を短縮いたしまして行うことの方が、はるかに一般選挙民の便利でもあるし、また費用その他国民の生産力に影響するところにおきましても、利益が多いと存ずるのであります。選挙管理の事務等を調査いたしますと、この修正案の程度において短縮いたしましても、これが実施可能であることが明らかになつておりますので、われわれはあくまで選挙民の立場ということを考慮いたしまして、この五月十三日、五月二十日という両日に、選挙をいたすように修正いたしたいと思うのであります。
なお特に第三項に一項を加えましたが、これはあまりに議員の選挙の期日をあとに延ばしますと、議会の空白が多くなる。これに対しまして、地方自治法百七十九條の規定もありますが、ちようどこの際におきましては、首長もやはり欠員でありますので、自治法百七十九條をそのまま適用するということに対しましては、いささか疑念がありますので、この際選挙終了後におきましても、緊急やむを得ぬ場合におきまして、県会あるいは議会を開かざるを得ないという場合におきましては、議員は議員としての職務を行うことができるように例を開いたのでありまし、て、この規定は教育委員等におきましても、すでに同じような規定があるのであります。この追加條項によりまして、空白を遺憾なく埋めることができると思うのであります。この案につきましては、すでに自由党の各位におかれましても、かつて賛成せられたことがあるので、どうかひとつ満場の皆さんの御賛成を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/8
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009・前尾繁三郎
○前尾委員長 これより討論に入りますが、討論はいかがいたしましよか。
〔「省略々々」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/9
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010・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは本案に対する討論は省略いたしまして、ただちに採決いたします。
まず門司亮君提出の修正案について採決いたします。賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/10
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011・前尾繁三郎
○前尾委員長 起立少数。よつて本修正案は否決されました。
次に床次徳二君提出の修正案に、賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/11
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012・前尾繁三郎
○前尾委員長 起立少数。よつて本修正案は否決されました。
それでは原案についてお諮りいたします。賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/12
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013・前尾繁三郎
○前尾委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
なお衆議院規則第八十六條による報告書作成の件については、委員長に御一任願いたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/13
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014・前尾繁三郎
○前尾委員長 次に行政書士法案起草に関する件について、さらにお諮りいたします。本案の起草につきましては、先ほど申し上げましたような次第でありますので、前国会の案を本委員会の成案として、これを委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/14
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015・前尾繁三郎
○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/15
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016・前尾繁三郎
○前尾委員長 この際警察に関する小委員会、競犬法案起草小委員会、選挙に関する小委員会及び消防に関する小委員会の設置についてお諮りいたします。これら各小委員会を設置することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/16
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017・前尾繁三郎
○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
次にこれら小委員及び小委員長の選任は、委員長より指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/17
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018・前尾繁三郎
○前尾委員長 御異議なしと認め、委員長より指名することにいたします。後刻公報をもつて指名いたします。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X00219501211/18
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