1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月二十一日(月曜日)
午前十一時十一分開議
出席委員
委員長 前尾繁三郎君
理事 野村專太郎君 理事 龍野喜一郎君
理事 藤田 義光君 理事 門司 亮君
大泉 寛三君 川本 末治君
佐藤 親弘君 田中 啓一君
吉田吉太郎君 鈴木 幹雄君
床次 徳二君 山手 滿男君
久保田鶴松君 立花 敏男君
大石ヨシエ君
出席国務大臣
法 務 総 裁 大橋 武夫君
出席政府委員
国家地方警察本
部長官 斎藤 昇君
国家地方警察本
部次長 溝淵 増巳君
国家地方警察本
部警視
(総務部長) 加藤 陽三君
地方自治政務次
官 小野 哲君
委員外の出席者
專 門 員 有松 昇君
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本日の会議に付した事件
警察法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
四二号)
地方公務員法の制定に伴う関係法律の整理に関
する法律案(内閣提出第一六七号)(予)
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001・前尾繁三郎
○前尾委員長 ただいまより会議を開きます。
警察法の一部を改正する法律案、内閣提出第一四二号を議題といたします。一昨日に引続き質疑を続行いたします。立花敏男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/1
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002・立花敏男
○立花委員 きようの新聞によりますと、政府は必ずしも警察法の通過を期待していない、と書いているのですが、私ども委員会といたしましては、政府は通過さす意図で出して来たものだと思つていたのですが、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/2
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003・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 きようの新聞の記事につきましては、われわれは全然存じていないのでありまして、政府といたしましては、できるだけすみやかに議会におかれて御審議を進められて、適当な御審議をいただきたい、今国会にぜひとも成立を希望いたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/3
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004・立花敏男
○立花委員 どうもきようああいう新聞記事を見ますると、何だか大橋法務総裁の顏を立てて、あるいは齋藤国警長官の顔を立てて、委員会が政府が通過さす意図のないものをやらされているような気がするのですが、お出しになる以上はああいう新聞記事が出ないように、ひとつ政府内部においてはつきりした態度をとつていただきたいと思う。私どもはそういう新聞記事をいたずらに信用するわけではございませんが、しかし政府といたしまして、法案の提出に重大な手落ちがあるという点から見まして、やはり政府として熱意を持つて出して来ていないのではないかと考えられる原因がある。と申しますのは、実はきよう議院運営委員会でも問題になつておりますが、この法案には予算の裏づけがないということであります。今までの国会の法案審議の建前から申しましても、また従来の国会における慣習から申しましても、法案には必ずそれを施行するに足るだけの費用の裏づけが不可分なわけでございますが、これに対しては何らないということが、政府としては熱意を持つてないのではないかと考えられる。またそういう新聞記事を私たちが肯定する重大な要素なんですが、その点は、きのう大橋法務総裁に尋ねましたが、もう一度国警長官にお尋ねしておきたい。何となれば、国警の五千名の増員は、おそらく予算措置が決定されるまではやらないというものではないと思うのですが、あるいは応援の規定あるいはその他の規定は、予算措置が次の臨時国会で規定されるまでは、おやりにならないという建前ではないと思うのですが、それはどうしておやりになるつもりであるか。これは便宜上何かの金を流用するということではなしに、ごまかせない問題で原則的に申しまして、やはりはつきりした予算の裏づけがなければならないと思いますが、その点はどうお考えですか。予算がはつきりするまで、おやりにならない見通しであるか、これを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/4
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005・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 たびたび御説明いたしておりまするように、臨時国会におきまして補正予算の御審議を願うつもりで、大蔵省とも打合せ済みであるのであります。従いましてそれまでの費用は僅少なものでありますから、臨時に既定予算の範囲内で支出ができると考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/5
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006・立花敏男
○立花委員 それはあくまでもあなたの方の見通しでありまして、私どもといたしましては、同じ国会で審議されませんで、いつ開かれるか、どうなるかわからないものを当てにしまして、法案だけを審議することはできないと思います。そういたしましたら、いつ国会が開かれて、どれだけの予算をお出しになつて、どうなるというはつきりした見通しがなければ、そういうことは言えないと思うのですが、その点についてどうお考えになつておりますか。国警長官は僅少だと言われましたが、国警長官が前に国会で御説明なさつた場合の額は、六十六億というような予算を一応考えておるということを説明なさつておられますが、六十六億と申しますと、これは決して僅少ではないと思うのであります。そういう額をどういうふうに具体的に処理されようとする見通しか、それを承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/6
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007・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 六十六億は五千人の増員だけの予算ではないのでありまして、警察強化に必要な施設装備その他の全部を含んでおるのであります。人員も当時の要求でありましたから、一万人を想定いたしておつた次第であります。この五千人の増員以外に伴う予算は、これこそ補正予算が通らなければ支出はできませんし、この増員とは必ずしも密接不可分というわけではないのであります。その点御承知を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/7
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008・立花敏男
○立花委員 どうして密接不可分でないのか、それをはつきりしていただきたい。原則として予算の伴わない法案は、実は空文であると思う。今まで予算があるから、それを新しく改正されました警察法に従つてのものに流用するということは、建前上は許されないと思います。一時的な便法でそういうことが許されるかわからないが、原則上は許されないと思います。何となれば今までの予算は、こういうことを予想しない予算であつて、新しくこういうものを追加するる法律の改正までやりまして新らしくできましたものに対しましては、当然新しい予算が組まるべきでありまして、そういうことはなくてもいいのだというお考えは、少し困ると思います。それから六十六億の問題ですが、これはあなたが警察法改正に伴う予算の増額として説明された額でありまして、決してほかの問題での費用ではないわけであります。しかもこれはあなたの説明によりますと、大体二万の増員に要する費用となつておりますが、今度の自治警察の吸収を入れますと、おそらく二万以上の増員が予想されますので、少くとも六十六億以上の金がいるだろうと思うのですが、その点どういうふうに予算の見通しをお立てになつておるのか。臨時国会でお出しになるとすれば、臨時国会でお出しになる案もきまつておらなければならないと思うのです。臨時国会にお出しになる予算の内容は、今度の改正法案によつて決定されるべき問題でありまして、どういうものをどれほどお見込みになつておるのか、それをひとつはつきりさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/8
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009・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 法律の改正に伴う不可分の予算として、六十六億あまり必要だという御説明は、私はいたした記憶はないのでございます。法律の改正によりまして警察の強化をやると同時に、予算面においても装備、施設、活動費等においてさらに強化いたしたい、さような意味においてこれらを合わせると相当数字の予算になるという考えで、今までおつたわけであります。この五千の増員に伴う予算の内容は、ただいま大蔵省と折衝中でありまして、まだこうきまつたということを申し上げる段階に達しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/9
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010・立花敏男
○立花委員 予算がきまらなければ、私ども法案は審議することはできないと思うのです。政府としても非常に無責任だと思うのです。予算の折衝がまだ大蔵省と片づかないのに法案だけを出して来るというやり方は非常に無責任だ。予算がなければ仕事ができないのは当然なんです。予算制度の建前上、予算がなければいくら法案が通りましても仕事ができないのは当然なんで、その予算の折衝がまだ政府部分で片づいていない。今あなたの御説明によりますと、大蔵省と折衝中だというようなことで、どうして私たちが真剣にこの法案を審議することができますか。またたとい通りましても、この法案は実施できない。大蔵省の意向によつて今後の折衝がどうなるかわからないという場合には、この法案は実施できないと思うのですが、それはともかくといたしまして、どういう案をお持ちになつて大蔵省と折衝中なのか、その案をひとつお示し願いたい。
もう一つ、国警長官は警察法の改正に伴う増額ではない、そんな説明はした覚えはないとおつしやつておられますが、四月二十二日の朝日新聞には、はつきりとあなたの国会における説明の内容が発表されております。これによりますと、やはり警察法改正に伴う増額として六十六億必要だということを言つておられる。しかもその内容をもつと詳しく申し上げますと、たくさんありますがたとえば旭川、函館地方における警察学校の増設というようなことまであなたは言つておられて、新聞ははつきり報道しておる。六十六億というような額まではつきり四月二十二日に国会で言つておられるのですから、現在どの程度の予算をお見積りになつてやつておられるのか、またそれが大蔵省と折衝中であるとすれば、どういう具体案を持つて大蔵省と折衝中なのか、それをひとつお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/10
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011・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 おそらくそれは警察法の改正によつて、人員増を計画するのと同時にいたしたいという内容を持つた予算でありまして、増員それ自身に不可欠なものが六十六億というわけではないことを御承知願いたいと思います。ただいま折衝中の案につきましては、他の政府委員より答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/11
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012・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 予算につきましてただいまお尋ねいただきましたが、これは大蔵省と折衝中でございまして、確定的にこういうふうになつたという点は、申し上げる段階に至つていないことは申し上げるまでもないのであります。ただわれわれの腹づもりといたしましては、警察官の五千人の増員に伴いまする人件費、事務費、それに五千人の増員に要する採用試験の関係の経費、装備の関係、施設の関係、旅費その他の増等を見まして約十億でございます。そのほかに自治体警察の方から何人国警の方に移ることになりまするか、これがもし決定いたしますれば、そのものの所要経費がさらにこれに追加して計上されることになるわけであります。大蔵省とはこまかい数字については打合せはしておらないのでありまするけれども、五千人の増員をすることについては、もちろん法案を提出するに際しまして、十分な協議ができております。そのための必要な経費は、この次の機会において予算に計上されることは確実であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/12
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013・立花敏男
○立花委員 五千人に十億では、これは大体給与でほとんどいつてしまうのじやないか。これは非常に過小なのですが、この点給与あたりはどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/13
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014・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 お尋ねの点はまことに、ごもつともと思いますが、給与も、最初は見習生として入れるわけでありまして、低いべースで計算しております。それから半年分でございますから、お尋ねのようなことは起つて来ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/14
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015・立花敏男
○立花委員 半年分といたしますと、国警の増員はいつからなさるおつもりなのですか。二十六年度には、中年分といたしまして十月ごろからしか御使用にならないのでしようか。それをひとつ。……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/15
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016・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 もし法案が通過成立いたしまする際におきましては、必要な範囲の準備にかかるわけでございますが、それにいたしましても、試験、採用等の期間に相当要しますので、大体九月から各県の警察学校に入校させるようなわけになると思うのであります。そういたしますると、六箇月間の教養をいたしますれば、明年二月まで学校に入つておるわけでありまして、三月から配置について行く、こういうことに相なるだろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/16
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017・立花敏男
○立花委員 私ども今までの警察官の費用を考えました場合に、給与は非常に低いのですが、それにいたしましても、警察官一人当り年三十万円ぐらいの予算だと思う。あなたが言われるように、半箇年分といたしましても十五万円、十五万円の五千人といたしまして七億五千万円という金が給与だけにいるわけですが、あと二億五千万円ぐらいで、五千人の試験まで含めて、装備なり何なり一切できるという見通しは、私どもできないと思います。装備の問題などは、半年ではいけないわけですね。給与は半年ということはできますが、給与以外の一切のものは一箇年分見込まなければいけないと思います。一箇年分と申しますと、装備などは最初の年は非常に莫大なものになると思いますが、あと二億五千万円で一体何ができるかという問題があるわけで、十億という金は非常に過小であると考えざるを得ないと思います。この点は一体どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/17
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018・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 まことにごもつともでございますが、国警の予算一人当り三十数万円と申しますのは、通信費用とか、鑑識の費用とか、こんなもの一切含めて総額を人数で割つたものでございます。このたび五千人増員に相なるといたしましても、それに応じて通信の費用、鑑識の費用などが増加するわけではないのでございまして、若干今までの一人当り平均数字より、少い金額で済むように思つておるのでございます。
〔委員長退席、龍野委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/18
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019・立花敏男
○立花委員 通信などは急速にふえるわけではないでしようが、装備の問題は、全然新しいものがおそらく数箇年分が最初の年にいると思います。この問題は二億五千万円では片づかないと思うのですが、その点は一体どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/19
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020・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 国警の装備のうちで大きな予算は、御承知かとも存じますが車両の関係でございます。これは装備費十二億七千万のうち九億余りを占めております。その車両とても、五千人増員いたしまするから、すぐにそれに応じた車両を現在の通りに増加しなければならぬということには相ならぬので、いろいろな事情を考え合せまして、適当なる装備を増加すればよろしいと思つて、計画を立てておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/20
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021・立花敏男
○立花委員 齋藤長官が前にお示しになりました六十六億という増額は、齋藤長官は二万名として計算なさつて六十六億と言つておられるのであつて、五千人であれば、その四分の一になるので、少くとも十六億、十七億の金がいるわけなんですが、それが十億というふうに出て来ておるのですが、この差額は一体どこから生れたものであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/21
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022・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 前の案は一年分を見ておりましたのと、人員の点において非常に相違をいたしておりましたのと、それから直接増員に関係のない部分、いわゆる超短波無線の整備であるとか、あるいは他の鑑識施設の整備強化であるとか、そういうものも含んでおりましたから、金額がずつと上まわつた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/22
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023・立花敏男
○立花委員 それから国警の増員の部分ですが、自治体の吸収に要する費用はどうなつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/23
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024・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 自治体の吸収に要します費用といたしましては、大体どれくらい国警の方に移ることになるか未定なのでありまして、私どもといたましては、法律案にあります通り、移ります全員を国警の職員として予算を計上する方針でおるのでございます。たとえばこれが一万人国警の方に移るといたしますと、私の方の見積りでは——十月一日以降移るのでございますから、年間の半分と見まして十二億余りとなる予定でございます。これはこの次の議会におきまして、数字の確定したのに伴いまして補正予算として御審議を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/24
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025・立花敏男
○立花委員 そういたしますと、今警察側として大蔵省と折衝なさつておられるのは、十億プラス十二億の二十二億で折衝されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/25
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026・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 まだその具体的な数字をあげて折衝ということではございませんけれども、大体こういうふうなつもりでおるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/26
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027・立花敏男
○立花委員 この一万人というのは非常に過少ではないか、実際は二万近くあるのではないかと思うのです。
それから警察吏員のほかに、警察職員がたくさんおるわけですが、この職員はどれだけの数を見込んでおりますか。職員全部を国警に吸収なさるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/27
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028・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 職員の数は、お手元に差上げました資料でごらん願いますと、大体町村の警察吏員が一万九千くらいでございまして、職員の方が三千四百くらいになつておつたかと存じます。一万九千の町村の警察吏員のうち、約一万の者が国警に移ると考えますと、これに相当いたしまして一般職員の方も約二千くらいの者が移るのではないかと思うのであります。この職員の身分の取扱いにつきましても、初め提案理由の説明のときに申し上げました通り、大体警察吏員と同じような扱いにしたいと考えておるのであります。すなわち必要なる数を、全部国家地方警察の方の職員に切りかえるという方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/28
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029・立花敏男
○立花委員 御説明にはあつたか知りませんが、法案の中では、この職員を吸収するということは、はつきりうたわれてないわけですが、これはおうたいになる必要があると思います。これは職員にとりましては重大な問題なので、この法案にうたわれていない以上は、失業の問題があるわけであります。これをなぜおうたいにならないのか。これはぜひうたつていただきたいと思う。それからこれの費用も、一万人と予定されている以外に、二千人の費用は当然お組みにならなければいかぬと考えますが、これをどういうふうに処理されるつもりであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/29
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030・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 まずあとの方からお答えいたしますが、御趣旨の通りこれはぜひ組まなければならない予算でありまして、その点についても大蔵省に話をいたしております。
それから法案にこれをうたうべきであるという御意見も、まことにごもつともであると思うのでございますが、私どもといたしましては、行政機関の職員の定員は、行政機関職員定員法の中に本来うたわれるべものでございますけれども、警察官につきましては、特に警察法の中に三万人ということがございますので、警察吏員につきましては、警察法の改正の中にうたつたのであります。警察吏員以外の一般職員の扱いにつきましては、この法案の最後の附則についております行政機関職員定員法の改正の條項がございますが、第六項に「警察を維持する町村が警察を維持しないこととなつた場合においては、」「当該町村の警察職員を、予算の定める範囲内において、国家地方警察の職員として置くことができるものとし、この場合における職員の定員は、政令で定める。」こう書いてあります。ここに警察職員と書いてありますのは、警察吏員のみならず、それ以外の一般警察職員も含んでおるつもりでございます。しかし事柄といたしましては非常に重要な問題でありますので、特に提案理由の説明の中に取上げて、そういう方針であるということも御説明いたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/30
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031・立花敏男
○立花委員 今読み上げられました「予算の定める範囲内において、」でございますが、これもやはり予算が問題になつておると思ます。予算の範囲内においてやるといつておるが、予算がきまらないのに、予算の範囲内といつたつてだめだと思う。予算がきまらなければ首になるかもわからぬのだから、大体予算をきめないで、予算の範囲内でという法案を通そうとするのは無理じやないですか。これはやはり予算の範囲内でというのだから、予算を一体どれほど見積つて、どれだけの人員を吸収しようとなさるのか、予算からきめて行かなければ、きまらないと思う。それから警察吏員の方だけは全部吸収するということを言いながら、その他の職員については、定員法の範囲内でとか、あるいは予算の範囲でとか、こういうふうにほかの要素を持つて来て限定なさるのは、警察吏員と警察職員との間に差別待遇をいたしまして、平等の人権を認めていないということになると思いますが、なぜこういう差別待遇をなさるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/31
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032・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 まことにごもつともなお尋ねでございますが、先ほど申し上げました通り、警察吏員につきましては、特に警察法に警察官の定員三万人というものがきめてあるものでございますから、これとの関係におままして、警察法の中にはつきりうたつたのであります。今私が説明いたしました、行政機関職員定員法の改正條文の中にあります警察職員と申しますのは、警察吏員とその他の警察職員と両方含んでおるので、ございまして、具体的には、先ほどから御説明いたしております通り、町村から移つて参ります警察吏員は、すべてこれを一般警察職員と同様に国家地方警察の警察官及び警察職員とするつもりでありますけれども、具体的な措置は、すべて今申しました行政機関職員定員法第二條の第六項に定める政令できめて行く。これは警察職員だけを政令できめ、警察吏員は別だというのではございません。警察吏員も、それ以外の一般警察職員も、この両方を第六項の政令できめて行くという趣旨でございますから、御了承を願います。
また予算の点は重々ごもつともでございますが、私どもといたしましては、これまた先ほど申し上げました通り、大蔵当局との話合いの結果、町村警察の方から移りますものは、全員これを国家地方警察の職員とするという了解のもとに、事務を進めて参つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/32
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033・立花敏男
○立花委員 先ほどあなたは自治警察から移つて来るのは一万人と言われましたが、あとの御説明では、そのほかに二千人警察職員が移つて来るとおつしやつた。一万人で十二億とおつしやつたのですが、この十二億は、一万人のほかに二千人分も含めての十二億なのか、十二億のほかに二千人分の費用を別に大蔵省と交渉なさるおつもりか、これを聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/33
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034・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 ただいま確実なる資料を手元に持つておりませんので、はつきりいたしかねますけれども、あるいは十二億の中に二千人が入つておつたかと思います。いずれにいたしましても、これは具体的な数字ではありません。私の方の一応の計算でありまして、もし一万人が一万五千人になり、二千人が三千人になりますれば、必要な数字をつくりまして、正式に大蔵省と交渉しなければならないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/34
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035・立花敏男
○立花委員 そういたしますと、労働者的な言葉で申しますと、警察職員も今度の警察法の改正によつて、あるいは自治警の国警への移管によつて、絶対に失業の心配はないということを確信を持つておられますか、またそれに対して大蔵省との折衝の関係上、どういたしましてもやはりその予算は確保するという見通しを持つておられますか、確保できない場合はどうなさるお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/35
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036・大橋武夫
○大橋国務大臣 これは御趣旨の通り、一人もこれがために失業するというものはないわけでございます。従つてそういうことがあるであろう、あつた場合はどうするかということは、むろんそういうことはないのですから考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/36
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037・立花敏男
○立花委員 ないということを大臣が確言されましたので、なかつた場合はもちろん責任をとつていただけるお言葉だと解釈いたします。しかし私どもが考えますと、自治警の警察職員の数が非常に少いわけなんです。現在国警では大体定員の六割近くが定員外の職員の数になつておりまして、これで見ますと国警では六割であるが、自治警では二割足らずになつております。非常に自治警が少い。実は自治警の方がもつと多くなければならないのでありますが、この点大橋法務総裁のお言葉ですが、やはりある程度の淘汰が行われるのではないかと思うのです。非常に集中されております国警に吸収されますと、分散されております自治警の場合よりも、職員の数が減るのは当然なんですが、それをあえて全部吸収なさると今大臣は確言なさつたのですが、その点はどうなのですか、そこまでお考えになつてのお言葉ですか、その点をもう一度お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/37
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038・大橋武夫
○大橋国務大臣 あらゆる事柄を考えた末で決定した方針です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/38
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039・立花敏男
○立花委員 現在の国警の三万以外に、どれだけ職員がおるかということも、念のためにひとつ聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/39
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040・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 警察官以外の一般職員は一万六千百五十七名であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/40
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041・立花敏男
○立花委員 そういたしますと、やはりさいぜん申しましたように、国警ですら五割以上六割近い職員を持つておるわけなんですが、自治警の方では二割足らずだという数字はちよつと納得できないのですが、これは御想像なさつた数字なのか、実際についてお調べになつた数字なのか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/41
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042・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 一万六千百五十七名と申し上げましたが、御承知かと思いまするけれども、通信関係の職員は、国警の方で担当しております。学校の教育関係とか、鑑識の関係なんかも国警の方で主として担当しておりますので、自治警よりも定員の数が相当多くなつております。町村警察の方よりか、一般警察の数はお手元に差上げました自治体警察統計というものがございますが、その三十一ページに、町村の警察の一般職員の数といたしまして、三千七百十八名というのが出ております。これは昭和二十五年四月一日現在であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/42
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043・立花敏男
○立花委員 この定員の問題からいたしましても、予算の問題はぜひ決定しなければならぬ問題で、政府がほんとうにこの案を国会で審議し、決定し、通過さすことをお考えならば、ぜひひとつ予算の問題を裏づけとして出していただきたいと思います。
それから定員の問題で、もう一つ聞いておきたいと思いますのは、三万五千の定員外として、自治警から吸収された者を置くという御説明があり、また法案でもそうなつておるようですが、定員外とは、どういつた意味なのか、員数外的な扱いを受けましては、国警に参ります者が、安んじて国警に吸収される気持にはならないと思うですが、定員外とは、一体どういうことを意味しておるか、定員外という言葉は、ある時期、ある場合には、定員に限定して、定員外の者は適当な処分をするという意味を含んでおるのか、あるいはまた定員外と、定員内との間に、待遇上あるいはその他の職務上、何らかの区別があるのか、これはもちろん私はあるだろうと思う。正式に定員と定員外と区別があるだろうと思いますが、その点はどういう意味で、定員外という言葉を置かれておるのか、また具体的にどういう差異があるのか、これは吸収される自治警の警察吏員にとりましては、大問題だと思う。これをひとつはつきり御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/43
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044・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 ただいま定員外ということをおつしやいましたけれども、これは六十七條の三をごらん願いますと、「第四條第一項の定員外の国家地方警察の警察官」と書いてございます。「第四條第一項の定員」に対する意味において定員外、こういう意味でございます。「第四條第一項の定員」と申しますのは、国家地方警察の本来の任務を遂行するために、自治警察を別に考えた場合の本来の任務を途行するために必要な職員でございます。ところが自治警察から移つて来ます者は、町村の方で警察を持たないという決定をいたしましたことに伴いまして、国家地方警察の警察官になるわけでございます。一応「第四條第一項の定員」とは別に定員を計上したというだけの意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/44
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045・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 今加藤総務部長から説明をいたしましたが、本定員であるか、あるいは定員外であるかといいますことは、これは定員のわくのきめ方であります。個々の個人がどちらのわくに入つているかというその区別はないのであります。三万の定員の外に自治体警察から来た員数を、たとえば一万人といたしますると、合計四万人の員数を国警に置くことができるということに相なります。自治体警察から国家地方警察の方に移つて来られた人も、それは四万の中の国家地方警察の職員でありまして、これが三万の方に入つているか、一万の方に入つているかという個人の区別は全然ないのであります。従つて待遇その他の上においても何ら区別はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/45
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046・立花敏男
○立花委員 長官と加藤君との説明は根本的に違うと思うのです。加藤君は町村の警察の仕事をしている者はやはり定員外である。国警本来の仕事をしている者は定員内であるから町村の仕事をしている者はこれは定員外だというふうに説明をなさつたのですが、国警長官はそうではなしに、職場では、あるいは個人では区別がないというように御説明をされているのですが、これは一体どちらが正しいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/46
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047・加藤陽三
○加藤(陽)政府委員 食い違いはないと思うのでございまして、定員として考えました場合には三万という定員が一つある。そのほかに自治体警察から移つて来る者の定員がある。これは移つて来ました以上は、いずれも国家地方警察の仕事をやるのでございますから、扱いその他についてはかわるところはない、定員のわくとして考えました場合に、二つのものがある、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/47
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048・立花敏男
○立花委員 これは言葉じりをとるわけではございませんが、地方自治体の関係の問題としては大問題ですからお聞きするのですが、あなたは国家警察の本来の仕事をしている者は定員内であると言われましたが、自治体警察から吸収されました者がする仕事は、国家警察の本来の仕事ではないのですか。あなたの今の御説明の中にも、やはり自治体警察から吸収された者は、別のようなお考えのお言葉があつたのですが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/48
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049・大橋武夫
○大橋国務大臣 この根本的な考え方について、たいへん精密な御質問でございまするが、一旦自治体警察が廃止せられまして、それが国家地方警察の管轄に入りました以上は、その区域内におきまする一切の警察事務と、他の従来からの国家地方警察の管轄区域肉における警察事務は国家地方警察にとつて何ら違いがあるものではございません。どちらも国家地方警察の事務そのものでございまして、この間に本来の国家地方警察の事務とそれから自治体から移管された事務というような観念上の区別をするものではございません。従いまして職員につきましてもどちらの事務をしておるかということは、何らかわりないのでございまして、国家地方警察といたしましては、自治体警察の移管に伴いまして増加せられた新しい定員をもつて国家地方警察の定員といたし、その範囲において人を使う。従つて職員の待遇等につきましても、その職務によつて区別があるということはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/49
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050・立花敏男
○立花委員 もつとくだけた言葉で聞いておきたいと思うのでありますが、では新らしく編入されました町村警察は、全体として定員外に置くということは全然ないわけでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/50
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051・大橋武夫
○大橋国務大臣 この定員外という言葉について、ちよつと御説明を申し上げる方がよろしいとかと思いますが、普通定員外と申しますと、一応ある役所について十名なら十名定員がきまつておる。しかし臨時の事由によつて定員外として置くことができるという場合には、その事由のあつたその人が在職中に限つて、定員外の扱いをするというのが、普通の定員外でございます。従つて定員外としておるのでございますから、その人がやめた場合においては、もはや定員外の人はなくなつて、本来の定員になる、これが普通行政上の用語として用いられる定員外という観念でございます。ところが警察法のこの條項において申しておりますのは、そういう扱いではありませんのでして、その人を定員外にするというのでなく、自治体においてあつたところの数そのものを第四條の定員のほかに、定員に新たに加える、こういう意味でございまして、それをも加えた全体が新しい国警の定員となるのでありまして、普通の用語における定員外という観念をさしはさむ余地は、この場合においてはないわけでございます。
〔龍野委員長代理退席、委員長着席〕
定員外という言葉をお用いになりますと、いろいろ誤解を生じやすいと思いますが、これは嚴密な意味においての定員外でございまして、これだけの新しい定員を本来の三万のほかに加えた、その合計をもつて国家地方警察の新たな定員とする、こういう意味にお読みをいただくべき言葉だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/51
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052・立花敏男
○立花委員 そうすると定員外という言葉はお使いにならない方が、はつきりとしていいのじやないかと思います。定員という言葉が二つありますので、これは困ると思う。そういう意味で、なんなら新しい者も含んで、全部が新しい定員だというふうにお考えになつて、定員外に置くというふうにはお書きにならない方がいいのじやないか。この言葉が一つありますために、せつかくあなた方がお考えになつておる自治警が入つて来ないという心配がありますから、これはお削りになつた方がいいと思う。
それからもう一つは、もつと具体的にお聞きしたいと思うのですが、そういたしますとここに書いてある定員と定員外、これは法案上にはつきりあるわけです。そこで一つの警察に例をとりますと、定員内の人と定員外の人とできるわけですが、一つの警察でこういう区別があるのか、それとも加藤君の言われる本来の国警と国警の吸収した自治警との間に、この区別の線が引かれるのか、一つの吸収された自治警の中で、区別の線が引かれるのか、これは必ずあるわけで、ないはずはない。この線は一体どこで引かれるのか、どういう基準で引かれるのか、これをはつきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/52
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053・大橋武夫
○大橋国務大臣 今私の申し上げたことを御理解いただきますと、国家地方警察の定員というものは一つしかないわけであります。自治体警察が加えられた場合におきましては、第四條の三万という定員は、それが国家地方警察の定員ではなくして、三万プラス自治体からのアルフアーというものが、国家地方警察の定員に自動的に切りかわるわけでございます。従いまして定員外という観念は、いかなるところにもないわけであります。従つてどの警察が定員外になるとか、あるいは警察のうちでだれとだれとが定員外になるとか、そういう扱いは一切ないわけでありまして、どれも新しい国家地方警察の正規の定員の範囲内において採用せられた正規の人員、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/53
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054・立花敏男
○立花委員 それではますます定言外という言葉はない方がいいと思うのですが、お削りになるお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/54
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055・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 第四條にきめた定員のほかに来た者をさらにそれだけふやす、こういう書き方になつておりますので、一方の方は幾ら来るかあらかじめ予想ができない。時によつて伸縮自在になりまするから、従つて何らかの言葉を使わないと、そこがちよつと表現がしにくいのであります。これを附加定員と申してもよろしいかもしれませんし、伸び縮みのある定員という別の何らかの符牒がそこにいると考えますので、そういう意味で簡単に定員外という言葉を使つたり、あるいは附加定員という言葉を使つたりいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/55
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056・立花敏男
○立花委員 そういうつもりならば、もう少し日本語をお考えになつたら幾らでも書き方はあるわけで、定員外というような今までも非常に誤解を招く言葉をお使いにならぬでも、定員の上にさらにこれを加えて新しい定員とするというふうにも書けるのでございます。定員外というような言葉をお使いになりますと、これは非常に誤解を招く。自治体から入つて参りました者はいつ首を切られるかもしれない、員数外の扱いを受けるというふうに考えられますので、そういうつもりであれば、はつきりこれは削つていただきたい。日本語は幾らでもほかにありますので、もつと適当な日本語を使つていただきたいと思います。この点をおかえになるお考えはないかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/56
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057・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 これは第四條第一項に定員外の警察官として置くことができる、こうありますので、その点はあらためて考えるという考えは持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/57
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058・立花敏男
○立花委員 第四條の第一項の定員にそうこだわる必要はないと思う。警察の定員のわくは全部はずされてしまつているので、実質上こんな第四條第一項の定員なんかは有名無実なので、そのことをもつとはつきりなさる必要があるのじやないかと思う。国民にいたしましても、三万五千というようなわくが、まだあるのだろうというような考え方を持つておりますと困りますし、国警でも幾らでもふやせるのだ、自治警でも幾らでもふやせるのだ、総体として十二万五千というようなわくはもうないのだということを、はつきりなさる必要があると思う。これを何かごまかしをなさろうとするから、実質上は定員外ではないが、定員外という言葉を使わなければならぬということになつていると思うが、それをはつきりなさる必要はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/58
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059・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 第四條第一項に三万の定員、それから第十九條に五千人を限つて定員外に置くことができる。もう一つ自治体警察を廃止した場合には、それがそつくり定員になる。この三つの要素がありまして、従つて全然定員のわくをはずしてしまつたというわけではなくて、それぞれの事実に基いて規制をするわくといいますか、前提條件があるわけでありますから、これを全部はずしてしまうということはよろしくないことだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/59
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060・立花敏男
○立花委員 とにかく私たちは働く警察官の立場といたしまして、定員外ということは実質上何ら差別待遇をしないということを御確約いただければ、根本的な問題は水かけ論になりますから、それくらいにしておきます。
それから大橋さんにお尋ねいたしたいと思うのですが、警察予備隊と警察との関係を、ひとつはつきりしておいていただきたいと思う。法務総裁は警察予備隊は地上軍に切りかえ得るというようなことを言つておられるのですが、またマツカーサー将軍もワシントンで、そういうことを言つておられるようですが、地上軍に切りかえることを予想して、国家地方警察あるいは全体としての警察の増強をお考えなのか。国家地方警察と警察予備隊との関係は、どいうふうにお考えになつておりますか。聞くところによりますと、新聞紙上でも発表されておつたのですが、吉田総理は治安省ですかを設けまして、警察関係、海上保安庁、それから警察予備隊、こういうものを統轄して、一つの総合機関をつくるというふうに発表されているのですが、こうなつて参りますと、やはり警察予備隊と警察との関連があるわけなのですが、どいうふうな関連においてお考えになつておるか、これをひとつ…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/60
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061・大橋武夫
○大橋国務大臣 まず最初に警察予備隊を地上軍に切りかえるということを、私が何らかの機会に申し上げてあるという御質問でございまするが、私は現在の政府の方針といたしましては、警察予備隊を地上軍に切りかえるということを申したことはございません。これはマツカーサー元帥の証言のうちに、地上軍に切りかえることが可能である、こういうことであるが、どうであるかという御質問が他の機会においてありました場合において、マツカーサー元帥がいかなる意図を持つて言われたかは別といたしまして、なるほどある程度の装備を持つておりますから、これを地上軍として編成して行くことが、物理的に不可能じやない、これは現在の編成も軍隊に類似をしたような編成を持つておりますし、装備といたしましても小銃、機関銃の装備を持つておりますから、その程度の戦闘力を持つておる地上軍、物理的にはそういう観念も成り立たないということはなかろうけれども、しかしながら地上軍ということになりますると、単に国内治安だけの問題でなく、海外にも出動するというようなことも軍の性質上当然考えなければならぬのでありますが、今日の警察予備隊の隊員諸君は、その募集の際において、警察予備隊としての性格ということを前提として、応募されたものでございます。従いましてこれらの諸君が、地上軍へ切りかえた場合に、当然に地上軍としての隊員ということで、そのままおるものかどうか、この点は大いに疑問があるわけでありまして、またこれを強制することが適当であるかどうかということも、いろいろな考えはあり得るわけであります。従いましてこれを地上軍に切りかえるということは、観念的には、あるいは物理的には可能であるといたしましても、しかし実際問題としてはなかなかそう簡単なものではない、また現在政府といたしましては、これを地上軍に切りかえるということについて、何らさような希望を持つておるわけでもない、またさような意図を持つておるものでもなく、また現実にさような計画をも持つておるものではないということを、はつきり他の委員会において申し上げてあるはずでございます。従いまして地上軍に切りかえるというようなことを申し上げたことは、私はいまだかつて一回もございません。
さてその次に御質問になりました、それではこの警察と警察予備隊の関係をどう見るかという点でございますが、ただいま方針といたしましては、警察というものはまず常時国の治安に当るものである。そしてでき得る限り、原則として国内治安はこれが当つて行くというのが考え方なのであります。どうしても警察予備隊の実力を借りなければ、処理できないというような非常の場合に至つて、初めて警察予備隊が国内治安のために補充的に出動する、こういう性質のものである、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/61
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062・立花敏男
○立花委員 大橋法務総裁は疑心暗鬼で、私が言つたことをちよつと一字だけお聞き間違いがあつたように思う。私は大橋法務総裁が警察予備隊を地上軍に切りかえると申したのじやなしに、切りかえ得ると申されたと言いましたので——切りかえ得ると確かに言いました。あなたは物理的にという言葉を余分に付加されましたが、物理的には切りかえ得る、少くとも物理という言葉を除きまして切りかえ得るということを申されましたので、切りかえ得るということは、どういうことかとお聞き申したのであります。それから私がこういうことをお聞き申したのは、ダレス氏が参りましたときに、日米防衛協定の問題が発表されておりまして、これは四月下旬の朝日新聞でございますが、日本の地上軍二十万という発表を堂々と朝日新聞がしておりました。これは吉田総理もダレス氏とお会いになつて、お話をなさつておられますので、日本の地上軍二十万ということは、国民の頭の中に入つております。しかもそれと符節を合わすように、マッカーサーがワシントンにおきまして、日本の警察予備隊は四個師団であつて、軍隊の編成を持つておつて、地上軍に切りかえ得るのだということを言われました。ところがそれを裏書きするように、警察予備隊は地上軍に切りかえ得る——そういう意図があるかないかは別といたしまして、切りかえ得る態勢にある、今もあなたは物理的には切りかえ得ると申されたのでありますが、そういう関係で、私どもは日米防衛協定が講和條約と同時に調印されるということも、新聞紙上でわかつておりますし、講和條約は政府の企図されるところではもう来月、再来月あたりは調印されるというのですから、同時に防衛協定が調印され、同時に地上軍二十万がつくられるということも、全然根拠のないことじやございません。従つて国民はそういうことを考えておるわけです。地上軍二十万と申しますと、無から有を生じるわけにも行きませんので、これはやはり警察予備隊がどうしても切りかえられるのではないか、今の大臣のお言葉によりましても、物理上は切りかえ得るということを、はつきり申されておりますので、防衛協定が講和條約と同時に調印されて、二十万の地上軍がつくられるとすれば、これはやはりどうしても物理的に切りかえ得るところの予備隊を切りかえるほかには方法がないのじやないか、こう考えてみますと、今まで警察的な扱いを受けておりました予備隊が、地上軍となりますから、これを補強するには国家地方警察の増強が必要である。従つて実質には十二万五千のわくをはずさなければならぬということになつて来たのじやないかと思うのですが、この間の関係はどうですか。それにつきまして先ほどお尋ねいたしました治安省——吉田総理ははつきり言つております。治安省をつくつて云々ということがあるのですが、治安省をつくつてどういうふうに警察と警察予備隊とを関連させて統合されるおつもりであるか、総理大臣がはつきり言明なさつたのですから、政府は相当成案があると思うのですが、どういうふうにお考えになつておりますのですか。これをひとつ伺ひます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/62
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063・大橋武夫
○大橋国務大臣 警察予備隊を地上軍に切りかえるということは全然考えておりません。また切りかえることができるということを私は申したこともございません。物理的にできるということは、警察予備隊というものを地土軍に切りかえるということは、単なる物理たけの問題ではないという意味において、これはむしろ否定的な意味において私は用いたのであります。
それから警察の定員の増加の問題でございますが、自治体警察のわくをはずす、この問題は講和によつて日米防衛協定、そういつたことが世上でいろいろ論議せられます以前からの問題でございまして、すでにこの自治体警察の定員をはずすという問題は、警察法施行当時から時期の問題ということになつておつたのでありまして、何らさような地上軍云々の問題と関連した問題ではございません。これは全然別個の問題であります。
それから治安省の問題につきましては、私は何ら承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/63
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064・立花敏男
○立花委員 国会における政府の方の発言を権威あらしめるために、大橋法務総裁は否定されたのですが、そういたしますと、私たち、現在政府が許しております報道機関に対しまして、重大な疑問を持たざるを得ないのです。この間の五月十日の産業経済には、大橋法務総裁は民主党の並木君の質問に対しまして、五月九日衆議院でお答えになつて、地上軍に切りかえることができるということを答弁なさつておるのです。そういうことを言つた覚えはないとおつしやつたのですが、そういたしますと、私どもは産業経済新聞に対しまして、重大なる疑惑を持たなければいけないのです。これはちよつとおかしいと思うのです。今も大臣は物理的には切りかえ得るということを言つておられますし、切りかえ得るというお考えが、やはりほんとうじやないかと思うのでありますが、衆議院における大臣の御説明を、堂々たる報道機関が公然と発表しておるのですから、私どもはこれを信用せざるを得ないと思うのです。実際それを言つたことがないと言われるのですか、その点をもう一度明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/64
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065・大橋武夫
○大橋国務大臣 地上軍に切りかえるということは、単なる物理的な問題ではなくて、これはやはりそこに政府の方針というものがあり、切りかえようとする意図があり、またそれに対応いたしまして、警察予備隊というもはやはり多数の隊員から成り立つておるものでありますから、隊員がはたしてそれに対する適応性を持つておるかどうかということも、十分に考えて決定しなければならぬものであります。物理的に切りかえ得るということは、物理的に切りかえることによつてすべて切りかえ得るという結論を引出すべきものではなかろう、そういうむしろ否定的な意味において、私は物理的に切りかえ得るということを申したのであります。現実の問題といたしましては、さように簡単な問題ではない、こういう点を御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/65
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066・立花敏男
○立花委員 九日の衆議院での御説明は、そういう否定的な意味ではなしに、積極的に地上軍に切りかえ得ることは可能であるという御説明をなさつておるということが、新聞に載つておりますので、国民は非常に大きな衝撃を受けておるわけであります。この点きようの御説明で、少くとも新聞に出ております前言を否定するということであれば、それでけつこうであります。この点は否定なさつたというふうにとつておきたいと思います。
それから一昨日お尋ねいたしました、連合軍の総意であつたマツカーサーの警察に対する書簡の問題でありますが、これが公然と生きておるということを言われたのです。そうしますと、出て参りました警察法と、非常に根本的な点で、マツカーサー書簡と食い違いがあるという問題で、国民は重大な疑惑を持たざるを得ないと思います。一昨日お尋ねいたし、また数の問題でも警察の問題、軍隊の問題は、数が根本的な問題で、数の問題に重大な変更があれば、これに対して最も明瞭にすべきだと思うのですが、この点が何ら明瞭になつておらない。しかも従来におきまして、一九四五年におきましても、あるいはその後におきましても、政府から警察の増員の問題を、文書をもつてマツカーサーあるいはGHQに要請されまして、これに対してはつきり覚書をもつて拒否された例もあるわけなのです。それが今回に限つて何ら公然と行われておらない。国民の目の前に明らかにされていない。ただ警察法として、マツカーサー書簡とは非常に違つたものが出て来るということになりますと、その間にどういう交渉があり、どういう折衝があつて、こういう警察法が出て来たかということは、非常に不明瞭だと思います。この点をひとつお聞きしておきたいと思います。その具体的問題といたしまして、マツカーサー書簡の中には、国家警察と自治体警察は、おのおの完全に分離されて独立でなければいかぬということがあるわけですが、これも一つの大きな原則だと思います。数の原則と並んで、新しい警察制度を確立するための一つの大きな原則だと思いますが、この原則がやはり今度の法案で侵されておると思うのです。こうなつて参りますと、数の原則、あるいは自治警察と国警との各自独立の原則、こういうものが根本的に侵されておると思いますが、この間のいきさつをはつきり国民にわかるように御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/66
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067・大橋武夫
○大橋国務大臣 事実といたしましては、この法案を提案いたしますについて、司令部の完全なる了解を得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/67
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068・立花敏男
○立花委員 従来の慣習上は、一旦連合軍の総意としてきまりました警察制度の民主化の線に、多少とも異なつた改正なり、あるいは施策をやろうといたしました場合には、政府が文書をお出しになる。これに対して拒否あるいは許可の司令部の方の正式の文書の回答があつた上でやられておるわけなのですが、これをなぜ今回はおやりにならないのか。今大臣がおつしやいましたように、完全に了解があつたと言われますが、どういうふうな了解があつたのか、完全に私ども知りませんので、あつたあつたというだけでは納得できません。私どもが納得できないだけでなくて、国民全体としてどういう了解があつたかもわかりませんので、突如としてこの原則と違つた法案が出て参りますとこれからは原則などは認めなくてやつて行つてもいいということになると思いますが、この点をなぜはつきりなさらないのか。今回の改正だけに限つて、従来のようなはつきりした経緯をなぜ公然と発表なさらなかつたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/68
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069・大橋武夫
○大橋国務大臣 はつきり経緯を申し上げておるのでありまして、政府といたしましては、この改正法案につきましては、完全なる了解を得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/69
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070・立花敏男
○立花委員 あなたはわかつているか知らないが、国民としては、やはり今までのような手続で、こういう要請を政府の方から出して、こういう回答があつたということを、はつきりしていただいた方がいいと思います。この法案はGHQのお出しになつたものでない。政府がお出しになつたものでございます。これを通してはつきりしているとあなたが仰せられましても、これはあくまでも政府のお出しになつたもので、GHQの出したものでございませんので、答弁を聞いて推測できる程度にしかわかりませんので、これをもつとはつきりするようにやつていただきたいと思います。私どもはどうもこういうことで疑問を持ちますのは、今度の改正と同時に、実は追放解除が大量的に行われるのです。この解除の中には、元の特高、警察関係の解除も多分に含まれていると思いますが、これと今度の警察の増員とどういう関係があるか、マツカーサーのワシントンの証言の中には、日本の極東裁判が間違つておつたというような証言があるやうに新聞が伝えておりますが、政府ではこの問題をどういうふうにお考えになつておりますか、また追放解除に関しまして、警察の増員とどういうふうにお考えになつておるか、追放が解除されました元の警察関係の者を、即時採用なさるのか、ある程度の制限をおつけになるのか、これを一応聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/70
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071・大橋武夫
○大橋国務大臣 追放解除と警察法の改正とは全然関係がございません。また現在公職追放になつておらないすべての人が警察に採用されるということではございませんので、やはり従来の特高関係その他の特別の事務に従事いたしておりまして、現在の警察に迎えることが適当でないという人は、たとい公職追放になつておりませんでも、従来からこれを避けるという方針を立てております。この点は公職追放の解除という問題とは、また別個の問題でありまして、何らこの間には関係がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/71
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072・立花敏男
○立花委員 非常に一般的なお答えですが、もつと私ども具体的に聞いておきたいと思うのです。元の警察関係の追放解除者、これを無條件で新しく国警の増員あるいは自治警の方に採用なさる方針かどうか、何らかの制限をおつけになるかどうか、これを具体的に聞かせておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/72
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073・大橋武夫
○大橋国務大臣 無條件ではないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/73
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074・立花敏男
○立花委員 何か條件をお考えかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/74
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075・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 そういう者を新たに採用しようとする考えは別にありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/75
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076・立花敏男
○立花委員 大橋法務総裁は無條件ではないとおつしやつたので、その條件を聞いておるのですが、それでは齋藤長官の御説明の全然採用する意思がないとおつしやられるのは、警察関係の追放解除者は全然採用しないという條件だということに解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/76
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077・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 採用しようとする意思がないということを申しております。條件は何も考える必要はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/77
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078・立花敏男
○立花委員 もう一つ念を押しておきたいと思いますが、それでは今度増員なさる中には、元の持高関係あるいはその他の警察の方は一名も採用なさらない、採用なさつておつたとすれば、それは何かの間違いであるというふうに解釈していいのですか。と申しますのは、現在まですでに国警あるいは警視庁あたりには、元の持高関係が多数におりまして、何か二百何十名というような数字も私は聞いておるのです。そういう者がすでにおるということを聞いておりますので、この際解除になつて出て参りました者が、警察法の改正、増員と同時に大量的に警察に流れ込んで、元の持高警察あるいは政治警察が実質的に復活するおそれが多分にあると思いますので、これについて重大な関心があるのです。国警長官のお話では一人も採用しないというのであるから、したとすれば間違いであるというふうに解釈していいかどうか、念のためにひとつ聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/78
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079・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 ただいまの御心配は御無用に願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/79
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080・立花敏男
○立花委員 御無用に願いますとおつしやるのですが、では私が申しましたように、一人も採用しない、採用したのは間違いであるというふうに解釈しておきたいと思います。
それから私どもはマツカーサーの書簡あるいは連合軍の総意といたしまして、日本の警察制度の改革の根本精神は、民主化と地方分権であるというふうに考えておるのです。今回の改正案もその線はお守りになると思うのですが、一体その点はどうなりましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/80
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081・大橋武夫
○大橋国務大臣 お述べになりました通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/81
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082・立花敏男
○立花委員 ところがその点は大臣の説明の中にも、はつきり出ていないと思うのでございますし、さらに具体的に申しまして、今度各條文を改正されておりますが、どの改正の條文で民主化と地方分権の精神をより改善されたのか、それをひとつ具体的に御指摘願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/82
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083・大橋武夫
○大橋国務大臣 その点につきましては、先般門司委員の御質問並びに床次委員の御質問に対して詳しくお答え申してあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/83
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084・立花敏男
○立花委員 門司君がそれで納得したかどうか、私は知らないのですが、改正のどの條文を見ましても、現在の警察法よりも民主化され、より地方分権化されたということは、一言も出て来ていないのです。これはどうもおかしいと思うのです。門司君、床次君に御説明なさつたから略すと言われればそれまでですが、遺憾ながら私どもは今度の改正案で、民主化と地方分権の線をより進めた條文は一つも見当りません。反対に地方分権と民主化の線が逆行しておるという点が、特に顯著に目立つわけです。この点大橋法務総裁が言われますように、改正案の各條項において、警察の民主化と地方分権のより一層の強化という点を、ほんとうにお考えになつた確信があるのかどうか、門司君、床次君に御説明なさつた一つでもいいから例をあげていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/84
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085・大橋武夫
○大橋国務大臣 先般門司君、床次君に御説明申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/85
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086・立花敏男
○立花委員 そういたしますと、こちらから聞かなければいけなくなつて来るのです。一番顯著な例をとりますと、自治体警察廃止の問題と知事の要求の問題ですが、自治体警察はどういう理由で廃止されるのか、この根本的な理由をお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/86
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087・大橋武夫
○大橋国務大臣 これは先般お答え申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/87
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088・立花敏男
○立花委員 自治体警察の廃止はどうも理由がわからないのです。自治体が自治体警察に対する費用の捻出等で不十分な状態にある。それに対して政府ではあくまで自治体が財政を確立するまでは、めんどうを見るべきであるということが、はつきり連合国の総意としての改正案にも載つております。従つて地方の小さいところでは、自治体警察を財政の困窮からもてあますということが、大きな理由になると思うのですが、それはあくまで政府が補助すべきが建前でありまして、財政の困窮を理由として、自治体警察に吸収するという理由は全然ないわけです、この点をどういうようにお考えになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/88
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089・大橋武夫
○大橋国務大臣 立花君のお述べになりましたところはまことに同感でございます。この点につきましても、先般門司委員の詳細なる御質問に対しまして、詳しくお答え申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/89
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090・立花敏男
○立花委員 同感していただけるのであれば、自治警の廃止と国警への吸収というような條文は、これはやはりおやめになつた方がいいのではないか、またこれを純粋理論的に公平にいたしますためには、この間自由党内部からも反対の意見が出て参り、川本君が反対しておりましたが、そういう理由で国警への編入の道を開くのであれば、組合警察の道をも開くべきである。なぜ国警への道だけを開いて、組合警察への道を開かないのかという強い反対の意見が、自由党内部からも出ておりましたが、こういう点で片手落ちがありますことは、さいぜん申しました警察民主化と地方分権の原則を守る、それを強化する方向に改正するのだと言われましたことと、非常に相へだたること遠いと思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/90
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091・大橋武夫
○大橋国務大臣 自治体警察を住民投票によつて廃止をする場合の道を開くこと、また府県知事の要求によりまして、国家地方警察が自治体警察の区域で活動する道を開く、これらのことはいずれも警察の地方分権という趣旨を一層伸ばして行くという意味においてなされるものであるという事柄は、先般詳しく申し上げたところによつておくみとり願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/91
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092・立花敏男
○立花委員 自治体警察存置の問題で、住民投票という道を開くとすれば、なぜ組合警察への道をお聞きにならないのか、組合警察こそ国家警察よりもより民主的であり、より地方分権的であると思うのですが、そのより地方分権的であり、より民主的である組合警察の道を閉ざしておいて、国家警察の道だけをお開きになつておる点に大橋法務総裁の言つておられることと、実際に出しておられる法文との間に、大きな食い違いがあるといわざるを得ない。この点はなぜそういうふにされたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/92
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093・大橋武夫
○大橋国務大臣 この点は川本委員の御質問に対して、お答え申し上げた通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/93
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094・立花敏男
○立花委員 知事の問題でございますが、一昨日総裁は知事は第三者であるというふうに言われたのですが、知事は第三者ではないと思いますし、第三者として住民は知事に——たとい第三者といたしましても、住民は第三者にまかすべきものではないと思う。いわゆる警察は中立的な第三者的な運用をやるべくつくられたものではございませんので、これはあくまでも人民の警察であり、民主警察でなければいけないわけであります。そのために公安委員が民主的に選ばれまして、それが警察を掌握するという形になつておるのですが、なぜこの人民のための警察であり、民主警察の象徴である公安委員を無視いたされまして、第三者とあなたはおつしやつておられますが、第三者的なものに警察をなぜゆだねなければいけないのか。しかも私どもが考えますときには、知事は決して第三者ではなしに、中央集権的な色彩を多分に現在は持つておるのですが、第三者としても私どもは問題があるのですが、しかも実質的には第三者でない知事に、なぜ地方の公安委員会の最も民主的な、最も人民的な運営を抑圧するような方法、あるいは少くとも地方自治体の長の自主権を侵すような権限を知事にお与えになつたのか。これこそまさに警察の民主化と地方分権を頭から否定する考え方だと思うのです。これのどこにあなたが尊重されるという地方分権あるいは警察の民主化の線が出ておるか、これを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/94
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095・大橋武夫
○大橋国務大臣 警察の民主化のためにどういう理由によつて、知事の権限が認められなければなならないかという問題につきましては、先般御説明を申し上げたところでございます。ただいま立花君から当時の私の答えに関連して、いろいろ批判的な御意見を承つたのでありますが、この点は意見の相違に帰着するので、お答えといたしましては、先般申し上げましたるところに附加すべき事柄はございませんと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/95
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096・立花敏男
○立花委員 前に答えた通り、答えた通りと言われて話にならないのですが、こういうふうな改正の重要な点をとりましても、まつたく逆行しておるわけなんです。これではいかに一般的に警察民主化と地方分権化を尊重すると言われましても、実際に出されました法案の全部が、こういうふうに実際の民主化と地方分権化の方向に逆行しておりますれば、私どもとしてはどうしても納得することはできない。委員会はあくまでも慎重に審議するという態度を貫いていただきたい。前に御説明なさつたかも存じませんが、やはり時間の許す限りでは、たとい重複いたしましても、質問するものといたしましては、前に質問したものとは別の角度から質問いたしておりますので、やはり相当の御説明はいただきたいと思います。現在のような状態では、どうも十分な審議はできないと思いますので、あとわずかな質問はとめておきたいと思いますが、最後に幹部教育として警察大学などにおりますものは、定員外にするということを言つておられるのですが、ではこれは警察官としての職務には当てないという意味にとつていいものかどうか。聞くところによりますと、この間のメーデーでは、警察大学への召集という形で、全国から応援隊を動員なさつて一万名近くのものが、メーデーの労働者を包囲し、警察官がメーデーをやつておるのか、労働者がメーデーをやつておるのかわからないような状態になつておつたのですが、これからは学校に入つております警察官は、警察職員としての職務——メーデーの警戒とかそういうことには使わないという意味で定員外にしておられるのか、これをひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/96
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097・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 先般のメーデーの場合に警察大学の生徒を使用したという報告は聞いておりません。しかしながら警察大学あるいは管区学校に入つております警察官が、臨時に出動しなければならないという事態が起りました場合には、これは出動することはあり得ると思いますので、さよう御承知願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/97
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098・立花敏男
○立花委員 齋藤国警長官は御答弁願えますので、齋藤国警長官にお聞きしたいのですが、知事に権限を持たしたことの根本的な理由といたしまして、齋藤長官が前にこの席上でお述べになりました現在の自治警あるいは自治体の公安委員会が、まつたく腐敗と申しますか役に立たなくなつている。これは東京都の三多摩に起りました麻薬取締りの場合を引いて国警長官が申されたのですが、その場合は実際上は麻薬は出なかつたということで、まつたく見込み違いだつたということになつております。ああいうふうに自治警が役に立たない、また公安委員会がまつたく役に立たない、地方の住民の圧力で無警察状態と申しますか、開放地区ができているという言葉でおつしやられたのですが、こういう建前から、こういう事実に基きまして、知事にこういう権限を持たせたらどうかというのですが、そうでありますと、全国にこういう実際開放地区的な、もう警察署長あるいは公安委員会がどうも手に負えないというところが実際上できておるのかどうか、これをひとつ齋藤長官からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/98
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099・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 前にも説明しておりました通り、何らかの理由で万一重大な治安の要請にこたえられないというような場合の規定であります。これは万一をおもんぱかつての規定でありますから、現在さようなことが生じているとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/99
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100・立花敏男
○立花委員 しかしあの麻薬の場合の例は、確かに長官はその事実があつたと署長の軟禁云々のお話までなさつたわけでありまして、決して万一でなくて事実あつたことを証言されたのですが、全国的にそういう例がたくさんあるのか、そういう例が全然なくして、まつたく万一を予想されて、こういうものをおつくりになつたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/100
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101・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 あり得るということは考えなければならぬと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/101
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102・立花敏男
○立花委員 どういう事実に基いて、あり得るということを考えなければならぬのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/102
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103・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 それは前にも申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/103
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104・立花敏男
○立花委員 どうも話になりませんが、もう一つ警視庁の問題と合せまして聞いておきたいのですが、東京の警視庁は何か條例によりまして公安委員の権限が警視総監に委任されておる。そうなつて参りますと、この法案によりますと、警視総監が東京都知事に勧告いたしまして、国警が警視庁管轄に入つて来ることが可能になるわけであります。こうなつて参りますと、かつて戦時中警視総監が持つておりました軍隊出動の要請と同じような権限を警視総監が持つて来るわけなんですが、警視庁と国警との対立、大橋・齋藤ラインと田中・鈴木ラインとの対立は、これは申どもよく知つておりますが、国民も知つておりますが、この対立が何か妥協点に達したということを聞いているのですが、知事にこういう権限を持たせるということによつて、その対立が解消されたとも受取れるのですが、一体この点はどういうふうに妥協がついたのか。この間鈴木警視総監がここへ参られまして、公聴会の席上で何か国警と自治警との間に了解ができたと言つておるのですが、どういう了解事項ができたのですか、御発表願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/104
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105・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 別段御心配になるような対立のような事実はございません。また了解事項というようなことは何をさすのか存じませんが、この警察法を提案することについて、完全に了解したということを申したものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/105
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106・立花敏男
○立花委員 しかしこれは鈴木警視総監は個人として申されたのではなくて、ここに公聴会の公述人としてお立ちになつて、国警と自治警との間に了解ができたというふうに言つておられるのですが、これは非常に責任のある御答弁だと思うので、国警長官としての責任者であるあなたが御存じないということは了解できない。こういうことはやはり祕密になさらずに発表していただきたい。
それからさいぜん申し上げました東京の警視総監の権限の問題ですが、この法案によりますと、実質上は東京の警視総監が国警に要請して、国警を都内に入れるということが可能になつて来ると思うのです。そういうことはないのかどうか。これは東京都民にとりましては重大な問題なんであります。自分たちの経費によりまして、自分たちの警察を持つておりますところへ、警視総監が単に独断的に要請いたしますと、すぐ国警が動員されて都内に入つて来る、もちろんその場合は国警は国警独自の職権を執行し得るということになるわけですが、その点についての御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/106
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107・大橋武夫
○大橋国務大臣 国警と自治警の間におきまして、いろいろ警察法の改正案の内容として伝えられたいろいろな事項について、その解釈あるいは将来の運用について、考え方のいろいろ食い違いがあるということがありまして、その間両者の間でいろいろ話合いが進んだ、そうして今回の案につきましては、両者ともこれは適切な改正である、また急速にこれは実施することが適当であろうというような完全な了解があつたということを、私どもは聞いております。それからもう一つ警視総監の要請によつて、国家地方警察が都内に入るということでございまするが、それは警視総監の権限ではございません。この国家地方警察に対する要請は、あくまでも東京都知事にこの規定によつて与えられているわけであります。その都知事が要請をするにあたつて、情報として警視総監からいろいろと情勢を聞く場合もありましようし、あるいは東京都の公安委員長から聞く場合もありましよう。他のいろいろな機関から聞く場合もありましよう。それはこの法律の関係外のことで、事実上の問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/107
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108・立花敏男
○立花委員 公安委員会が勧告することができて、勧告に基いて知事は要求をすることができるということになつておる。ところが東京の公安委員会は警視総監に権限を委任しておりますので、警視総監が知事に対して勧告をすることができる。知事がその勧告に基いて要求ができるということになつておりますが、実質上は警視総監が都内に国警を導き入れることができる。そういうことになるわけでありますが、これをお聞きしているわけなんです。そういうことは起り得るかどうか、それをお聞きしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/108
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109・大橋武夫
○大橋国務大臣 この点は立花さんにちよつと誤解があると思います。東京都には東京都の公安委員会というものと、東京都特別区公安委員会というものがありまして警視総監は東京都特別区公安委員会の付属機関になつております。東京都公安委員会というものは、東京都におきまする国家地方警察の機関ということになつておりまして、これがその権限を自治体警察の機関でありまする警視総監に委任するというようなことはあり得ないことであります。また事実そういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/109
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110・立花敏男
○立花委員 もう二、三聞いておきたいのですが、警察の強化と申されるのですが、私ども人民の立場から見ますと、警察は非常に強力である。さいぜん申しましたように、メーデーにも一万人くらい動員されているので警察は人民にとりましては、まことに強力なんであります。だれのために強力にするか。警察はこれ以上強力になつてもらう必要はないと人民は考えておるのですが、だれのために強力にするかということが問題だろうと思うのですが、やはりだれのために強力にするかが、はつきり現われておりますのは、公安委員の住所変更の問題です。公安委員がたといその町村にいなくても、同一府県にさえおれば公安委員の職はやめなくてもいいということになつておるのですが、これはやはり少しおかしいのではないか。公安委員はどういたしましても、その居住地区町村の代表であり、町村の民意の代表でなければいけないのですが、それが町村にいない場合に、町村の情勢もわからないし、町村の人民の意思もわからないのに、やはり公安委員としての重大な職にあるということは、これはおかしいと思う、これは警察の強化が、地方の住民のために行われるのではなしに、むしろ住民を押えつけるために、公安委員会が住民の意思から離れて外におりましても、何か権限を住民の上に及ぼし得るというふうにも考えられるのですが、これは一体なぜこの同じ町村にいなくとも、その権限を与えておるのか、その理由を御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/110
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111・大橋武夫
○大橋国務大臣 警察の強化はだれのために必要かという御質問でございまするが、これは国家、国民のために必要なのでありまして、警察力の強化につきましては、おのずから国民諸君の間に輿論として要請がある、こう私は考えております。
それから公安委員の問題でございますが、この点もせつかく立花君の御意見でございまするが、根本的な誤解に基いたもので、今回の改正案におきまして、公安委員が町村の住居を移しましたところで、同一都道府県内におる間はかわらないというのは、これは都道府県の公安委員について申し上げておるわけで、それについての規定であります。従つて都道府県の公安委員でありまする以上は、たとい従来の住所が町村としてはかわりましても、都道府県内におることはかわりないのであるから、従つて都道府県の公安委員としての地位を保持させよう、こういう趣旨であります。市町村の公安委員につきましては、さような改正を行う趣旨ではございません。この点は何か誤解があつたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/111
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112・立花敏男
○立花委員 市町村の公安委員は、市町村から離れれば公安委員の職をやめなければならないのですね。
それから北海道の公安委員の場合ですが、北海道の公安委員会をなぜ一挙に十四増設するのかということですが、北海道で民主勢力の知事が立ちまして、北海道の治安が特に危惧を感ぜられるというような建前から、北海道の公安委員会を、十四に分割なさるというお考なのでしようが。聞くところによりますと、北海道開発法案というようなものも、結局民主勢力の力に対しまして、別の法案による北海道の開発の権威機関をつくろうという考え方があるやに聞いておりますが、そういう意味で、そういう考え方と並行いたしまして、北海道の公安委員会を多数分割的につくり上げるというお考えなのか。北海道の問題と関連いたしまして、北海道に警察学校を特におつくりになる意向らしいのですが、増設されました国家警察を特に重点的に北海道に配置なさるおつもりがあるのかどうか、これをひとつ聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/112
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113・大橋武夫
○大橋国務大臣 最初の御質問について、私からお答え申し上げますが、実は北海道は警察の関係から申しますると、従来の内地の都府県とは違つた扱いになつておつたのであります。と申しますのは、内地の都府県におきましては、数府県を管轄いたしまする管区本部というものがございまして、そうしてそのもとに各都府県ごとに一つの警察隊というものを置いておつたわけであります。ところが北海道につきましては、従来の警察法によりまして、北海道だけを管轄する一つの管区本部というものを設け、そうしてその中に十四以内の警察隊を置く、こういうことに相なつております。従いまして内地におきましては、数府県にまたがつて管轄するところの管区本部というものが、北海道においては、北海道だけを管轄するために置いてあつたわけであります。そうして警察隊は、内地におきましては、各都府県に一つずつしかないのが、北海道だけは十四以内置くことになつております。現実には五つ置いてあるわけでございます。
ところでこれに並行的に置いてありまするところの公安委員会はどういうあんばいになつておるかと申しますと、内地におきましては、管区本部に対応いたしまする公安委員会というものはございません。そうして各都府地の警察隊ごとに、一つの都府県公安委員会というものが設けられておるわけでありまして、各都道府県の公安委員会はそれぞれ一つの警察隊の運営管理をやつて参るという仕組みに相なつております。ところが、北海道につきましては、管区本部に対応する公安委員会が一つしかない。従つて各警察隊に対応する公安委員会がない。こうして公安委員会だけが内地に比べまして、一段上の機関にくつついている。これでは実は北海道に多数の警察隊を設けた趣旨から考えまして、やはり警察民主化という建前からしますると、内地と同様に各隊ごとに一つずつの公安委員会があり、そしてそれが各隊の運営管理を管轄するというふうな建前が、一層公安委員会による警察の統制を可能にいたします。そこでそういうふうに、できるだけ内地と同様の制度にいたしたい、こういう趣旨で今回の改正案をお願いいたすに至つたわけであります。このことは別に北海道の知事がどうこうということとは、全然関係のない事柄でございまして、知事の権限はこれによつて何ら縮小するものでなく、むしろ今まで一つしかなかつた北海道の公安委員会というものが、各隊ごとに設けられる。すなわち五つ設けられるごとに相なりまするから、公安委員会がふえただけ、それだけ知事の権限が拡張されるということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/113
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114・立花敏男
○立花委員 内地と同様にするとおつしやられますが、内地とは同様にならないのではないか。現在の方が内地と同様じやないか。内地は今度は自治体ごとに公安委員会があるわけであります。だから内地と同様であるとすれば、北海道という自治体に一つの公安委員会がなければならないので、同じ自治体の中に、十も十五も公安委員会ができるということは北海道だけは内地とまつたく違つた形にするということになる。この点で何か大橋法務総裁のお考え違いがあるのではないか。自治体に一つの公安委員会があるということが内地と同じ建前になるので、同じ北海道という自治体の中に、十四も公安委員会ができましては、統一に弱いと思うのですが、何か別に十四の公安委員会を統一する機関をおつくりになるお考えがあるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/114
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115・大橋武夫
○大橋国務大臣 公安委員会というものは、それぞれ自主的に権限を持つておりまして、他の機関がこれを統一しないというところに警察民主化の特徴があるわけであります。これを統一するという考えは全然ございません。これは各隊ごとに公安委員会を設けるということが警察民主化という建前からいつて適当である、こういうふうに考えたからであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/115
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116・立花敏男
○立花委員 やはり建前といたしまして、自治体の民主的な行政組織なので、自治体が一つであればやはり公安委員会も一つである、一本であるという方が、私は妥当じやないかと思います。その意味で数年間北海道には一本の公安委員会でやつて来られたのだろうと思う。それが突如としてこうなりますのは不可解ですし、十四もある公安委員会がどうして統一されるかということも、やはり相当問題だろうと思います。これはやはり深くお考え願いたいと思う。
晝飯の時間になつておりますが、一つだけ聞いておきます。国家地方警察の自治体警察に対する援助の問題ですが、援助の範囲が、質的にも量的にもはつきりしてないわけなんですが、公安委員会の要求さえあれば、国家警察は自治体警察に対して、常住不断にでも援助し得るのかどうか。しかもこれは警察官だけではなく、警察職員となつておりまして、警察官以外の職員の援助も含まれておると思うのでありますが、国家警察の職員が常住的に自治体警察の応援をすることができるのか。これをひとつ聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/116
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117・大橋武夫
○大橋国務大臣 これは常住的というようなものは考えないのでありまして、ある特定の事案というものについての出動という考え方であります。それから職員というのも、これは警察官だけではございません。警察官以外の職員もあります。たとえば通信関係の職員とか、あるいは鑑識関係の職員というものもあります。こういうものについてもやはり必要があろうと思いまして、ひとり警察官だけに限らず、広く職員といたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/117
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118・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは午前中の会議はこの程度にいたしまして、午後二時から再開いたします。
午後一時一分休憩
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午後三時五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/118
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119・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは再開いたします。
警察法の一部を改正する法律案の質疑を続行する前に、まず去る十七日予備審査のため、当委員会に付託になりました、地方公務員法の制定に伴う関係法律の整理に関する法律案、内閣提出第一六七号を議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。小野政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/119
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120・小野哲
○小野(哲)政府委員 ただいま議題となりました地方公務員法の制定に伴う関係法律の整理に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
御承知の通り、第九国会において、地方公務員の身分取扱いに関する基本法である地方公務員法が成立いたしましたので、これに伴い関係法律に所要の整理を加える必要が生じて参つたのでありますが、このうち消防組織法については、すでに改正を見ているのでありますし、教育公務員特例法については、目下国会において審議中であります。従つて今回は消防組織法及び教育公務員特例法以外の関係法律、すなわち地方自治法、警察法、教育委員会法、労働組合法、及び恩給法の一部を改正する法律について、規定の整備を行おうとするものであります。以下法案の主要な点について御説明いたしま押す。
第一に地方自治法についてでありますが、同法は地方公共団体の長その他の執行機関の補助機関たる職員及び議会の職員のうち、吏員または書記等のごとく、いわゆる公法上の任命行為に基くものに関してのみ規定し、雇用人等のごとくいわゆる私法上の雇用契約に基くものに関しては、何ら規定するところがなかつたのであります。地方公務員法におきましては、統一的地方公務員制度の確立という建前に基き、吏員または書記等と雇用人との区別を廃することとせられておりますので、これに対応せしめるため、所要の規定を設けることにいたしました。なお同様の趣旨から地方公共団体の長、議会の議員の兼職制限の範囲につきましても、有給の職員を常勤の職員と改め、常勤の雇用人をもつてその対象とすることにいたしたのでありますが、現に地方公共団体の長または議員が雇用人と兼職しておる場合においては、その任期中は兼職を認めることとして、これに所要の経過規定を設けることとし、既得権の保護に遺憾なからしめることといたしました。
次に地方公務員法の制定を予想して、暫定的に設けられた規定を整理するとともに、地方公務員法と地方自治法との関係を明確にいたすため、字句の整理を行うことといたしました。
第二に警察法についてでありますが、都道府県公安委員会及び市町村公安委員会の委員の兼職禁止の範囲につきまして、地方自治法の場合と同様、有給吏員を常勤の職員と改めることにいたしますとともに、自治体警察職員の身分取扱いが、地方公務員法の適用を受けることになりましたのに伴い、字句の整理その他所要の改正を加えることにいたしました。
第三に教育委員会法についてでありますが、同法は従来教育委員会及び学校その他の教育機関の職員のうち、雇用人についてはその職の設置、定数及び身分取扱について規定を欠いておりましたので、これらについても所要の規定を設けることにいたしますとともに、若干の字句の整理をすることにいたしました。
次に労働組合法についてでありますが、一般職たる地方公務員に関して労働組合法の適用を排除し、警察職員及び消防職員の職員団体の結成及び加入を禁止する地方公務員法の制定に伴い、警察吏員及び消防吏員が労働組合を結成し、及びこれらに加入することを禁止する同法第四條の規定は不要となりましたので、これを削除することにいたしました。
最後に恩給法の一部を改正する法律についてでありますが、地方公務員法の制定施行により、人事委員会または公平委員会が設置されることとなりますので、これらの事務職員のうち、都道府県及び特別区の事務職員については、地方自治法施行に伴う恩給継続の特例を認めることにいたしました。
以上が本法案の提案理由及び内容の概要でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御議決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/120
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121・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは本案に対する質疑を許します。門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/121
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122・門司亮
○門司委員 この機会に聞いておきたいと思いますが、地方公務員法の制定に伴つて、必然的に公営企業並びにその他の関係法案が、今国会に提案されるものとわれわれは考えておりましたが、これの提案を見ておりません。これらを提案されなかつた理由はどういう理由であるか、あるいは政府においては立案がどの程度まで進んでおるのか、この機会に具体的に内容を承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/122
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123・小野哲
○小野(哲)政府委員 お答えいたします。御承知のように地方公務員法が第九国会で成立いたしたのでありまして、それ以来政府におきましては地方自治庁を中心としまして、同法の施行事務と並行いたしまして、地方公営企業関係につきましての法律案の立案に鋭意努力して参つたのであります。しかしながら何分にも一口に地方公営企業と申しましても、その規模、経営形態等が千差万別でありますし、単一の形態をとつておるものがほとんどなく、のみならず、企業と申しますからには、かねて御説明をいたしましたように、収益主義、独立採算制を建前としなければならないのでありますが、同時に公営企業の本質から申しまして、公益性をも考慮しなければならない。このように考えられておりまする法律案の対象である地方公営企業そのものの性格が複雑であります上に、かつまた多岐にわたつておりますために、これらの組織、財務及び職員の身分取扱いにつきましては、統一的規制を設けようとするこの法律案の立案も、技術的に非常に、多くの困難を乗り越えて参らなければならないというふうな状態でございまして、本案の成案を得るためには愼重な配慮が必要となつて来るのであります。従つて成案を得るために鋭意努力はしておるのでありますが、同法案の提案が実はこの国会に間に合わなかつたことを、一つの理由として申し上げたいのであります。さらに公営企業の組織、財務及び職員の身分取扱いをおもな内容といたすものでございますけれども、これらの事柄はそれぞれ密接不可分の関連を持ちますとともに、そのよつて立つところの原則につきましても、相当調整を要するものがあるわけでございます。この点に留意いたしました結果、地方公営企業に関する法律案の取扱い方につきましては、これを二本建にする、すなわち地方公営企業法案と申しますが、これが一つと、地方公営企業労働関係法案と申しますか、これが一つと、二本建のものといたしまして、これを提案いたしたいということに相なりました結果、前者、すなわち地方公営企業法案につきましては地方自治庁が中心となり、また地方公営企業労働関係法案につきましては、労働省が主としてその立案に当り、相互においてこの間にできるだけ連絡を密にとりまして、技術的な調整をいたして参りたい、かような考え方で進んでおつたのでありますが、今国会に提案するには、いまだ最終的な結論を得ることができないという状態がその二でございます。
次に申し上げておきたいことは、単純労務者特例法案と申しますか、これとの関係でありまして、単純労務者につきましては、別途地方公務員法に対する特例を規定することといたしておりまして、これに関してもできれば公営企業職員に関する法案と同時に提案をいたしたい、こういう考え方のもとに愼重に研究を進めておるわけでありますが、国家公務員である単純労務者の取扱いとの関連もありまして、まだ成案を得るに至つておらない、かような状況でございます。
以上申し述べましたような経過なり理由によりまして、遺憾ながら今期国会には同法案を提案するに至らなかつた、かような次第でありますので、御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/123
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124・門司亮
○門司委員 そうするとこれは大体いつごろ政府として成案を得られる見込みでありますか、その点をもう一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/124
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125・小野哲
○小野(哲)政府委員 目下政府部内におきまして、技術的な調整等に努力をいたしておりますので、その見通しがつき次第、できるだけ早い機会に提案をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/125
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126・門司亮
○門司委員 これらの法案は、すでに地方公務員法が出ておりまするので、これの取扱いの上にいろいろな支障とまでは申し上げなくても、関係を持つておる地方公務員にとつては、きわめて重大な関係を持つ法案でありまするので、もし政府でこれの立案をされておりまする過程において、内容の発表等ができ得る段階まで達しておるものがあるといたしまするならば、この際草案だけでも——文章になつておれば文章でひとつ出していただきたいし、また構想がおわかりでありまするならば、構想だけでもお話が願えれば幸いであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/126
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127・小野哲
○小野(哲)政府委員 門司さんの御質問はまことにごもつともでありまして、できれば草案のごときものにつきまして、内容の説明をいたしたいと思うのでありますが、御承知のごとく地方公営企業に関しましては、組織、財務及びその職員の身分取扱い等が、一体として考えられなければなりません。従つて、いまだ成案を得るに至らない部分もございますために、ここでその内容について申し上げるという段階には、実はいまだ達していないのは、まことに遺憾に存ずる次第で、できるだけ急ぎまして、お話申し上げるような時期に至りましたならば、草案についても事前に御説明をいたしたい、かように心がけておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/127
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128・門司亮
○門司委員 次に今提案されておりまする法律案の内容と、ちよつとかけ離れた問題でありますが、これはできるだけ大臣がおいでになれば、大臣にお聞きしたいのですが、大臣は、この会期中にここにおいでになる見通しがつきませんので、一応次官にお聞きいたしておきたいと思います。
かつての新聞情報その他を見ますると、総理大臣初め政府の閣僚が、地方の演説会等の話に、地方の庁と中央とのつながりが円満でないと、財政その他の関係で非常に都合の悪いことがあるという意味の演説をされたということが、新聞にしばしば書かれておる。われわれはこういうことあつてはならないと思いまするし、またあるべき道理もないと考えておるのでありまするが、新聞で伝えられることが事実といたしまするならば、地方の行政をあずかつておいでになる自治庁としては、そういうことが一体自治庁として考えられるかどうか。平たく申し上げますると、時の内閣に通ずる知事でなければ、たとえば平衡交付金が少くなるとか、あるいは補助金その他が非常に少くなるというようなことが、露骨に言われておるとわれわれは聞いておるのでありますが、これは当面の地方の公共団体に対する政府としての責任をお持ちになつておる自治庁として、そういう言葉が一体肯定できるのかどうか、この点をはつきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/128
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129・小野哲
○小野(哲)政府委員 そういうようなことを話をいたしました人たちからは直接聞いておらないので、従つて的確なことをこの問題に関しては申し上げられないと思いまするが、ただ自治庁という立場で、地方財政委員会と協力して地方の自治行政並びに財政の問題を取扱つておるものの立場としてのお答えを申し上げておきたいと思います。中央の政党と申しまするか、それと同じ系統の政党に属さなければうまく行かない云々のお話でございますが、私ども日常地方自治行政、財政を担当するものといたしましては、要はその地方公共団体の運営が適正に行われるための行政あるいは財政の問題を取扱つておるという点にかんがみまして、自治庁自体といたしましては、必ずしもただいま御指摘になりましたような考え方にとらわれることなく、日常の事務を取扱つておる、かように申し上げておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/129
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130・門司亮
○門司委員 これは問題になりますのは、はつきりしておきますが、四月三十日附の朝日新聞にそう書いてあるのであります。これは総理大臣の岡山における言葉で、ごく簡単でありますから一節だけ読みますが、「その旅行先の岡山で「わが党が三十日の知事選挙でも圧倒的勝利を得る」理由として吉田首相が「過去四年間の経験から、政府与党所属の知事でないと、中央との交渉が難しいことが明らかになつているからだ」と語つたそうだ」そう書いてあります。そういたしますると、地方自治体と政府との関係が、ことに国民の税金でまかなわれておりまするすべての補助金あるいは交付金というものが、政府に直接つながつた知事あるいは市長でなければ十分にこれが支給されないという裏書をされることを、総理大臣自身がお話されたということが新聞に書いてあるのであります。これは総理大臣ばかりではございません。最近は至る所でそういう話を聞くのであります。小野さんの答弁で満足するわけには参りません。いずれ地方財政委員会の人たちにもおいでを願いまして、このことはよく聞かなければならないと考えております。少くとも地方の自治体を指導し、監督する地方自治庁といたしましては、もう少しはつきり、絶対にこういうことがあるとかないとかいうことを、お聞かせ願つておきたいと思います。私はおそらく自治庁としてそういうことがあるのであろうということは言えないと思いまするが、しかし内閣のしかも首班でありまする総理大臣がこういう言葉を使われ、あるいは大蔵大臣もときどきこういうことを言われたということをわれわれは聞いておる。そうなつて参りますると、地方の住民の意思というものは選挙のたびにかなり大きく曲げられて来る。従つて政府は一つの権力を持つてあるいは地位を十分に利用して、そして住民の意思というものを曲げた選挙を行わせるということになりはしないかと思いますので、この際そういうことが絶対にあるとかないとかいうことを、簡単な言葉でよろしゆうございますので、もう一応お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/130
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131・小野哲
○小野(哲)政府委員 新聞の文言につきましては、その真否のほどは私何とも申し上げかねるわけでございますので、これは別といたしまして、先ほど申しましたように、地方自治庁なり地方財政委員会なりにおきましては、それぞれの関係地方公共団体の資料に基きまして、事柄の性質上できるだけ公正な処置をいたしたい、かような心がけでもつていたしておりますことを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/131
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132・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは本案に対する質疑は、本日は一応この程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/132
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133・前尾繁三郎
○前尾委員長 これより警察法の一部を改正する法律案を議題といたして質疑を続行いたします。大石ヨシエ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/133
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134・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 齋藤さんにちよつとお尋ねいたします。警察法の一部を改正する法律案によりますと、「「都道府県警察長」を「隊長」と改める。」とありますが、私たちは隊長という言葉を聞くとぞつとするのですが、なぜこんな軍国主義調の隊長というような名前に改められたのか。これはちよつと非民主的だと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/134
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135・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 この点は現在の警察法を施行いたします際に、さらに詳細な規定を、国家公安委員会を設けたのでありますが、その際に関係方面からの強い示唆によりまして、府県の警察長——法律は警察長となつておりますが、これは隊長という名称が適当であろうということでありましたので、われわれの方もしいて固持する必要もなかろうと考えまして、その名称を使つておるのでございます。ところが法律上は警察長となつておりまして、事実上は警察隊長と呼んでおりますのは、いかにも煩しくありますので、事実に合せたいと考えましたのですが、しいて申しまするならば、警察法にもありまするように三万を下らない警察隊を置くということになつておりまして、国家地方警察を一まとめに申しまする際には警察隊々々々というように呼んでおるのであります。府県におきまして、府県警察の一番のヘツド、府県の警察隊長、これが警察長でありますと、自治体の警察長とも非常にまぎらわしくなりますので、何々府県警察長と申しますと、その府県の自治警、国警を含めたいわゆる警察の長というような場合にも当りますし、また府県の警察本部の長だけでなく、警察署その他一切を含めた国家地方警察の警察隊の長でありますから、府県の警察隊長といたした次第でございます。別段深い意味はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/135
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136・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 それではそんなに深い意味があつて隊長という名をつけられなかつたのだとすれば、これはかえていただくわけに行かないのですか。私たちこの隊長という言葉を聞くと軍国主義的な気持でぞつとするのです。私が一番きらいなのを言うと、実は警察という言葉が一番きらいなんです。これは私一人だけではなく、おそらく日本の大衆は警察というものに対しては、一つの憎悪を持つておると思うのです。それにまた軍国主義調の隊長という名前をつけると、やはり名は体を表わすものですから、非常に形式的ではあるけれども、こういう軍国主義調の隊長というふうな言葉は改めてほしいと思います。どういうふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/136
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137・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 しいて名称でありますから、固執する意図は毛頭ないのであります。ただ国家地方警察は、機動性を持つた一つの警察隊というように観念をしておるものでありますから、さような名称をすでに三箇年事実上使つておるわけであります。従いましてただ隊長といいますと、今大石委員のおつしやるような感じもすると思いますけれども、まあ警察隊長、こう呼んでいただけば、そこにまたかわつた感じも出て来るのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/137
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138・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 それから五千人を、何ゆえにそんなに増員する必要があるのですか。だれかお聞きになつたと思うのですが、私休んでおりましたので、もう一度お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/138
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139・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 現在国家地方警察は三万の警察官を持つておりまするが、実際管区学校、警察大学に常時入学しております者が約五千ございます。従つて実働は二万五千ということでございます。この状況によりまして、国家地方警察の警察官の三万という数字が、当初から非常に不足でありまするところに、五千人常時とられておりますということは、一層それに拍車をかけておる次第であります。従いまして従前、たとえば駐在所が置かれ、そこに警察官が配置されておりましたところも、現在約千近くは常時欠員というような状況になつております。のみならず一般の警察の面におきまして、人数の手不足のために、国民の方にも御迷惑をかけておる点が多々あります。また治安の維持の上に欠くことのできない手不足を感じておりますので、この際実働を三万にしてもらつて、できるだけ能率を上げて国民の輿望にこたえたら、かように思つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/139
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140・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 それでは司法警察と行政警察、この面はどういうふうにこの五千人の人をお使いになるのですか。これも聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/140
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141・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 今日は行政警察の面は、御承知の通りやつておりませんので、おそらく今行政警察とおつしやるのは、警察部内における、何といいますか、現実に捜査あるいは鎮圧という、第一線の活動をしないで、警察の装備関係とかあるいは人事関係とか、そういう庶務をやる者等のことでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/141
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142・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/142
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143・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 私どもといたしましてはできるだけ第一線活動に役立てたいと考えております。会計あるいは人事、装備等の庶務的な仕事には、できるだけこれを使うことは避けたい、かように考えております。五千のうちでさようなものに従事いたしますのは、おそらく多くとも二、三百程度であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/143
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144・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 それではここで婦人警官を何人くらいお使いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/144
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145・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 国家地方警察は、警察官の手不足と、いま一つは、働きます面はきわめて機動的な部面であります。都市における日常警察のようなものは比較的少いわけであります。従つて都市警察におきまする交通整理でありますとか、あるいは児童の保護でありますとかいう部面が比較的少く、むしろ実際の捜査といつたような面が多くありまするので、従つて婦人警察官は国家地方警察といたしましては、あまり採用をいたしていないのであります。従つてこの五千の中で、婦人警察官をどのくらい採用するかというお尋ねでありますが、これはほとんど考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/145
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146・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 それでは海上保安庁とあなたの方の国家警察と、どういうふうな関係がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/146
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147・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 海上保安庁と警察との関係は、一応海上の警察は海上保安庁がやるという建前に相なつております。しかしながら陸の勢力範囲にある海上につきましては、国家地方警察もまた管轄権を持つ、ここは協同してやるという形になつておるのであります。ただ国家地方警察は、特殊の事情によりまして、海上の専属の船を現在持つていないということになつておりますので、その間海上保安庁と密接な連絡をとりまして、絶えず捜査その他の連絡をとりながら、遺憾のないようにいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/147
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148・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 齋藤長官にお尋ねしますが、公安委員の公選について、あなたはどういうふうなお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/148
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149・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 私は公安委員の公選も一つの方法であろうと考えまするが、しかし公安委員会の構成は、できるだけ一党一派に偏してはいけないというところから、御承知のように府県の公安委員は二名以上が、同一の政党に属してはいけないというような制限も設けられておりますし、今日の状況のもとにおきましては、現行法のように、知事または市町村長が、府県または市町村の議会の同意を得て、任命するという方法が一番よろしいのではないかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/149
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150・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 教育委員ですら公選しているのです。実際教育委員なんというものでも公選しているので、この民主時代の公安委員を何がゆえに公選にしないか。その点を私は聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/150
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151・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 今日の実情にかんがみまして、私は現行法が適当ではなかろうかと申し上げましたが、選挙によつて争いますと、やはり最も厳正公平でなければならぬこの警察の執行部が、選挙というものによつて何らか影響を受けるというようなことも、ひとつ心配をしなければならぬ点ではなかろうかと、かように考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/151
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152・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 私たちは常に見ておるのですが、やはりこれは公選にすべきものであると私は思うのです。どうも自治体警察の方を見ておりますると、地方のボスがみな公安委員になります。私は真に民主警察を要望するものであるならば、この際警察法の一部改正をされるならば、この際こそ真に民主主義の警察として生れかわる意味において、私は公安委員は国家も自治体も、ともに公選にすべきものであると考えますが、もう一度あなたのお考えを聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/152
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153・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 御趣旨の点はよくわかりましたが、私は現在の段階では、公安委員を公選にした方がなお弊害が多くありはしないであろうか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/153
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154・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 もう一度それを聞かして……。どういう意味で公選にしたら弊害があるか。その点を私は詳細に聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/154
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155・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 詳細にとおつしやいますと、ちよつと困りまするけれども、やはり警察権の行使に関係のある警察を管理をしている者といたしましては、公選も一つの方法であろうとは考えまするけれども、ただいま申しましたような同一政党所属の制限の規定を置かなければならぬという点から考えましても、選挙によつてはそういう制限は困難でありましようし、適当ではなかろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/155
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156・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 さつき立花さんがちよつと質問されましたが、警察の予備隊と国家警察、この二つの警察はどういうふうに違うのですか、そこをちよつと知りたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/156
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157・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 警察は日常の普通の警察事務の処理をいたすのであります。警察予備隊は、普通の警察をもつてしては、処理のできないような事態に出動して、仕事をするということに相なつておるのであります。従つて普通の犯罪の捜査あるいは普通警察官をもつて鎮圧のできるような犯罪の鎮圧あるいは予防、そういつたことはいたさないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/157
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158・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 私たちの一番忌みきらう特高——いわゆる昔の特高のような仕事をするものは、現在もあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/158
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159・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 昔の特高のような仕事とおつしやいますと、あれは御承知のように治安維持法に基きまして、ああいう仕事をやつておりましたが、治安維持法が廃止されました今日、ああいう仕事はありません。従つてああいう仕事をする者もおらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/159
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160・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 そうすると、私たちが演説会なんかをやつておりますと、演説会場に私服の巡査が来ておつて、あれは赤であるとか、あるいは右であるとか中であるとか言うのは、あれは一体どういう人が仕事をするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/160
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161・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 あれは右であるとか左であるとか、そういうことを言つておるか、その点は私よく承知いたしませんが、演説会場に入つているといたしますと、演説会場で何か治安上関係のあるような事態が起りはしないかというような事柄のために、入つておるのだろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/161
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162・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 それから私は郷里が舞鶴なんですがその舞鶴で海上保安本部のする仕事と、舞鶴の自治体水上警察のする仕事と、いつも衝突するのですが、この辺もう少しはつきり聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/162
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163・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 今の法律の建前は、私先ほど述べた通りになつております関係から、両方共管のような形になつておるのであります。従つてここはよく緊密に連絡をして、けんかをしないで、お互いに提携をしてやつて行くというより方法がないのでありまして、そういうようにやつて行かれることを望む次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/163
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164・大石ヨシエ
○大石(ヨ)委員 私はこれは自分の選挙区から特に依頼されておるのです。つまり水上警察の人が行つて仕事をすると、また海上保安本部が行つて仕事をする。先日もたいへんけんかをしておりましたので、その点一度海上保安本部と連絡をとつていただきまして、ひとつ調べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/164
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165・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 よく事情を調べまして、適当に連絡をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/165
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166・大泉寛三
○大泉委員 ちよつと一つ……。自治警察を廃止するに先立つて、自治体の希望なり、あるいは條件なりは、どんな程度まで受入れられるか。単に自治体を廃止するのも、存置するのも、これはこつちの方のかつてであるというようなわけには、私は行くまいと思います。およそ国警の方に対して、前もつて打合せをする、その希望の受入れられる内容の点において、ある程度その用意があるかないか。それは警察官の配置とか、あるいはまた警察官自体にとつても、待遇の問題とか、あるいは人員の問題とかいうことが、いろいろあるだろうと思います。そういうことを前もつて打合せがなくては、住民に対してどうも無批判的に存廃の投票を行えと言つても、なかなかこれは無理なのです。その点前もつての用意があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/166
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167・斎藤昇
○斎藤(昇)政府委員 私の方から進んでそういう相談に参りますと、かえつて悪いように誤解されるおそれもありますので、私の方といたしましては、そういうような御要望がありました際には、できるだけ詳細に事前にそれにお答えしたい。そういう態度でおります。おそらく今あげられましたように、当該自治体警察を廃止した場合に、その自治体の区域の中に、今度は国家地方警察の警察官として、何名ぐらい配置するか、あるいは警察署はどうするかとか、そういつたような御相談が必ずあるだろうと思つております。私の方といたしましては、事前に詳細にこれにお答えをするだけの用意を持つてお答えしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/167
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168・前尾繁三郎
○前尾委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004720X03519510521/168
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