1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月十三日(火曜日)
午後三時八分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
理事 阿左美廣治君 理事 多武良哲三君
理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
理事 今澄 勇君
今泉 貞雄君 小川 平二君
神田 博君 澁谷雄太郎君
高木吉之助君 中村 純一君
福田 一君 南 好雄君
田代 文久君
出席政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
工業技術庁長官 井上 春成君
委員外の出席者
通商産業事務官
(通商雑貨局
長) 小野儀七郎君
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 大石 主計君
專 門 員 越田 清七君
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三月十一日
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九七号)
同日
丸山ダム電源帰属に関する請願外一件(千賀康
治君紹介)(第一一八三号)
同(早稻田柳右エ門君紹介)(第一一八四号)
北陸通商産業局設置に関する請願(南好雄君外
二名紹介)(第一二三六号)
鉱毒災害防除費国庫補助早急交付に関する請願
(佐藤重遠君外五名紹介)(第一二五八号)
電気事業再編成に伴う電気料金地域差縮小等に
関する請願(青野武一君紹介)(第一二八四
号)
農業用かんがい排水機電力料金改正に関する請
願(大石ヨシエ君紹介)(第一二八五号)
島原綿織業に対する原糸配分に関する請願(岡
西明貞君紹介)(第一二八六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
参考人招致に関する件
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九七号)
熱管理法案(中村純一君外二十九名提出、衆院
第九号)
地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、
日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求め
るの件(内閣提出、承認第三号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/0
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001・小金義照
○小金委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。
熱管理法案を議題といたします。昨日質疑は一応終了したことと認めまして打切りましたが、何か緊急あるいは補充の御質問があればこの際これを許します。別段御発言はございませんか——別段御発言がございませんようですから、これからただちに本法案を討論に付します。発言の通告がありますからこれを許します。中村幸八君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/1
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002・中村幸八
○中村(幸)委員 私は共産党を除く各党を代表いたしまして、本法案に賛成の意を表せんとするものであります。
本法案は石炭その他燃料資源の保全と、燃料費の節約による企業の合理化をはかることによつて、わが国経済の自立達成を推進せんとするものであります。欧米先進諸国、特に資源の豊富な国々におきましても、つとに熱管理の実施によつて著しい効果を発揮しておるのでありますが、わが国におきましては、これらの燃料資源は貧弱であり、しかもその利用に関する技術は比較的幼稚であり、結局これらの乏しい貴重な資源を濫費しているというのが遺憾ながらその実情であります。従つて、この際本法を制定して熱管理態勢を恒久的に確立することは、けだし当然のことと思うのでありまして、民間業界がこぞつて本法の急速なる実施を熾烈に要望して、これらの要望にこたえて、われわれ同僚議員が本法案を提出するに至つたゆえんもまたここに存するのであります。どうかすみやかに本法を実施して、その効果を収めんことを切望してやまない次第であります。
以上簡単ながら私の賛成演説といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/2
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003・小金義照
○小金委員長 次は田代文久君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/3
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004・田代文久
○田代委員 私は日本共産党を代表して本案に反対いたします。
熱を管理し、ロスをなくするという趣旨には大賛成でありますけれども、そういうことは国家的な社会的な見地からしまして当然そうあるべきでありますけれども、それに対しましては現在のような経済機構、社会機構のもとにおきましては、はつきり物質的な裏づけがなくてはならないのであります。すなわち熱管理を罰則まで設けてこれをやる、法律に効を持たせてこれをやるということになると、当然中小企業というようなものはその面から非常な圧迫を受けるわけであります。この熱を管理するためにいろいろな施設をするとか、あるいは費用がいるというような点につきましては、いろいろ政府なりあるいは地方自治体があつせんするというような説明が委員会でありましたけれども、実際上においてこれを融資するという、責任の方面を見ますと、復金の融資を優先的にするというような、そういう面は全然ないのでありまして、そういう裏づけなくして法律にはつきりきめまして、そうしてこれを罰則まで設けてやることになりますと、これは当然中小企業にとりましてはきゆうくつになつて参つて、その点から企業自体というものは非常に制約を受けることになります。こういう規則をきびしくどんどんやるということは、当然これは大企業育成という従来からの非常にへんぱな行き方がなお助長されることになります。こういう点からも当然われわれは反対しなければならないのである。また現在の経済情勢から申しまして、世界の再軍備態勢という面から、経済に対する自由な発展というものが非常に統制されるというような方向に向いております場合に、自由党としましても、自由経済を絶えず主張されておるのでありまして、しかるに実際におきましてはこれに逆行しつつあるこういう法案が次から次へ出るということになりますと、その方式自身というものが現実の上においてくずれて行くことになります。また自由党のいわれておる自由経済自身をこれは飜すということになりまして、われわれははなはだ危惧にたえないのであります。そういう事態から申しましても、これは単なる熱管理の、ロスをなくするという聞きよい法案のようでありますけれども、そういう中小企業に対する非常な圧迫ということにもなるし、またそういう現在の経済事態から申しまして、将来きびしくなる戦時経済動員態勢になるという危機から申しましても、私たちは断じてこれに対して賛成することができないのでありまして、共産党は反対する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/4
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005・小金義照
○小金委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。
これより採決いたします。本案に御賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/5
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006・小金義照
○小金委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。この際、委員会報告書の作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/6
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007・小金義照
○小金委員長 それではさよう処置いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/7
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008・小金義照
○小金委員長 次に昨日提案理由の説明を聴取いたしました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。質疑はございませんか。——別段御発言がございませんので、本件につきましては討論の通告もございませんから、ただちに採決をいたしたいと存じます。本件は承認を与えるに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/8
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009・小金義照
○小金委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。この際報告書作成の件についてこれまたお諮りいたしますが、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/9
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010・小金義照
○小金委員長 御異議がないようでありますからさよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/10
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011・小金義照
○小金委員長 次に昨十二日当委員会に付託せられました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由の説明を求めます。首藤通産政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/11
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012・首藤新八
○首藤政府委員 今回提案いたしました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
中小企業等協同組合法には、商法の規定、特に株式会社法の規定を若干準用しておりますので、本年七月一日より実施になります商法の一部改正に伴い、所要の改正を行う必要があるのでありますが、なおこの機会に中小企業等協同組合法施行後一年有半の経験にかんがみ、所要の改正を同時に行おうとするものであります。改正商法につきましては、現在組合法において準用いたしております会社法の規定は、組合制度の本質に反しない範囲内において、あとう限りこれを準用する方針をとつておりますが、改正の條文を準用することが組合の性格上困難な場合につきましては、新たに規定を設けることにいたしております。
商法改正に伴う改正の主要な点を申しますと、まず第一に、改正商法に従い、理事会の制度を設け、組合の業務執行の決定は理事会が行うこととするとともに、各理事が組合を代表する現行の制度を改め、組合を代表すべき理事を選定することを要することにいたしております。第二に監査役に関する改正商法の規定を準用いたしまして、監事の権限を会計監査に限定いたしております。その結果、従来監事が有した業務監査的な機能を一般の組合員に認める必要が生じましたので、各組合員に対して、理事に対し責任を追究する訴えを提起する権限及び必要ある場合に理事の業務の執行の停止を求める権利を認めております。第三に、理事の責任につきましては、あとう限り会社の取締役の責任に関する規定を準用することにいたしておりますが、組合制度の特殊性にかんがみ、取締役の無過失賠償責任を認める改正商法の規定をそのまま準用することは不適当と認められますので、この点については、現行法同様任務を怠つた場合にのみ責任を追究する規定を新しく設けております。
次に組合法自体の改正中、主要な点を申し上げますと、現行法におきましては、公証人が定款の認証をすることになつておりますが、従来の経験にかんがみ、組合制度に関する知識経験の乏しい公証人よりも、組合に関する指導に多年の経験と多大の関心を有する行政庁にこの認証を行わせる方が適当と考えられますので、定款の認証は行政庁が行うことに改めておるのであります。この点は組合の大多数を管轄いたしまする全国都道府県より強い要望のあるところでありまして、その結果は、行政庁において組合の実態を常時把握することが可能となり、組合の健全な発達に資するところが多いと信ずる次第であります。
次に現行法におきましては、行政庁は組合員からの申出がなければ、組合の業務または会計の状況を検査することができないのでありますが、現在二方に上る協同組合の中には、その運営が適当でないものも相当見受けられ、その結果組合員である中小企業者に不測の損害を与えるばかりでなく、ひいては組合制度全般の普及発達に対する重大な障害となるおそれがなきにしもあらずと考えられますので、この弊害を除去するためには、組合の業務または会計が法令、定款に違反し、または組合の運営が著しく不当であると認められるときは、組合員の申出がなくとも、行政庁が積極的に組合を検査して、適当な勧告を行うことができる道を開くこととしておるのであります。
以上が今回の改正を必要といたしまする理由と、その内容の要点でございます。何分よろしく御審議のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/12
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013・小金義照
○小金委員長 以上をもつて中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案の提案理由の説明は終りました。質疑は次の機会といたします。1
この際お諮りいたしますが、明十四日午前十時より当委員会を開きまして、電気事業再編成に関する件について調査を進めることに、理事会において決定いたしましたが、その際参考人として、日本発送電株式会社総裁小坂順造君、同副総裁森壽五郎君、関東配電社長高井亮太郎君、東北配電社長内ケ崎賛五郎君、関西配電株式会社社長五島裕君、日本電気産業労働組合中央執行委員長藤田進君、以上六名の方より意見を聴取したいと思いますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/13
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014・小金義照
○小金委員長 御異議ないようでありまするから、そのように決定いたします。
なお、これらの方々が御都合の悪いような場合には、便宜代理の方に意見の開陳その他質問に答えさせるようなとりはからいをすることがあるかと存じますが、この点も御了承願います。
なおただいま申し上げました参考人として出席を求めております関東配電の高井亮太郎君からは、ただいま健康上明日、明後日等は出席できないという理由をもちまして、医師の診断書をつけて、お断りが参りましたから、さよう御了承願いたいと存じます。
それでは、本日はこの程度にて散会いたします。
午後三時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X01519510313/14
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