1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月九日(水曜日)
午後一時三十九分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
理事 今澄 勇君
今泉 貞雄君 小川 平二君
澁谷雄太郎君 中村 純一君
福田 一君 南 好雄君
村上 勇君 金塚 孝君
加藤 鐐造君
出席国務大臣
通商産業大臣 横尾 龍君
出席政府委員
通商産業事務官
(通商繊維局
長) 近藤 止文君
委員外の出席者
専 門 員 谷崎 明君
専 門 員 大石 主計君
専 門 員 越田 清七君
五月九日
計量法施行法案(内閣提出第百一四〇号)
四月二日
アルコール専売事業の機構改革に関する請願(
今澄勇君紹介)(第一六九四号)
只見川上流未開発電源を東北地区に編入の請願
(安部俊吾君外二名紹介)(第一七三四号)
舞鶴市に輸出缶詰検査機関設置に関する請願(
大石ヨシエ君紹介)(第一七九七号)
鉱業用自家用発電施設返還に関する請願(神田
博君紹介)(第一七九八号)
同月十三日
桐生繊維製品検査所伊勢崎支所設置の請願(藤
枝泉介君紹介)(第一八三七号)
水力発電所の帰属変更案反対に関する請願(岡
田五郎君紹介)(第一九二三号)
渡川発電所開発促進に関する請願(渕通義君紹
介)(第一九二四号)
川原、石河内第二両発電所復元に関する請願(
渕通義君紹介)(第一九二五号)
電気事業再編成に関する政令運用の請願(渕通
義君紹介)(第一九二六号)
の審査を本委員会に付託された。
三月三十一日
火力発電所設置に関する陳情書
(第四八五号)
四月六日
中小企業対策に関する陳情書
(第五六〇号)
公益事業委員会に関する陳情書
(第五六五号)
只見川電源開発に関する陳情書
(第五八二号)
五月四日
鉱業法中大理石掘採に関する陳情書
(第六二八号)
電気事業再編成に関する政令運用の陳情書
(第六四二号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
計量法施行法案(内閣提出第一四〇号)
繊維に関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/0
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001・小金義照
○小金委員長 これより通商産業委員会を開会いたします。
本日本委員会に付託になりました計量法施行法案の提出理由の説明を求めます。横尾通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/1
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002・横尾龍
○横尾国務大臣 ただいま議題となりました計量法施行法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
さきに提案して御審議をいただいておりまする計量法案は、その提案の際に御説明いたしましたように、現行度量衡法にかわり、計量に関する基本的統一的な制度を確立せんとするものでありますが、計量法施行法案は、計量法の施行期日を定め、及び同法の制定に伴う必要な経過的措置を講ずるとともに、関係法律の改正を行うことを目的とするものであります。これを計量法の附則としなかつたのは、七十数條にわたる大部のものとなつたからであります。
さて本法案の大要を御説明いたしますと次の通りであります。
一、計量法の施行期日及び度量衡法の廃止期日は、昭和二十七年三月一日と定めました。
二、尺貫法及びヤードポンド法による計量単位の併用期間を、土地または建物に関しては当分のうち、その他のものに関しては昭和三十三年十二月三十一日までと規定しました。但し、メートル法使用の率先指導の意味から、行政機関は、その期日以前においてもメートル法による計量単位を用いるように努めなければならないものといたしました。
三、度量衡法による免許を受けていた製作営業者、修覆営業者または販売営業者もしくは特殊販売者は、それぞれに計量法によつて、製造もしくは修理の事業の許可または販売等の事業の登録を受けたものとみなすことにいたしました
四、度量衡法の適用を受けなかつた計量器で、計量法によつて新たに計量器として追加された計量器の製造、修理または販売の事業を現に行つている者については、新法の施行の日から六箇月以内に届出をすれば、当該計量器について製造もしくは修理の事業の許可または販売等の登録を受けたものとみなすことにいたしました。
五、新たに追加された計量器の検定及び比較検査は、その準備の難易により、計量法施行の日から実施するもの、一年後から実施するもの、二年後から実施するもの及び三年後から実施するものの四段階にわけました。
基準器検査の実施は、その準備の難易により、計量法施行の日から実施するもの、九箇月後から実施するもの、一年九箇月後から実施するもの、二年九箇月後から実施するものの四段階にわけました。
容量検査は、計量法施行の一年後から実施することにいたしました。
六、新たに追加された計量器については製造者、修理者または輸入者に対しては、その検定実施の日から六箇月後まで、販売事業者に対しては一年後まで、使用者に対しては五年後までは、検定または比較検査を受けないものであつても、販売または使用することができるごとにいたしました。
七、度量衡法による検定証印、検査済印、比較検査成績書、正味量表記もしくは記号または処分、手続その他の行為は、それぞれ計量法によつてしたものとみなしました。
八、通商産業省設置法、工業技術庁設置法及び地方自治法のうち計量法に直接関係のある規定に、所要の改正を加えることにいたしました。
以上、この法律案の提案の趣旨とその大要とを御説明いたしましたが、慎重御審議の上、何とぞすみやかに御議決あらんことを希望いたす次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/2
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003・小金義照
○小金委員長 次に去る三月三十一日本委員会に付託せられました計量法案につきまして、同日の委員会において提案の理由の説明を聴取した後、公聴会を開くことに協議決定いたしたのでございますが、去る五月七日の理事会におきまして、各派の理事各位と協議いたしました結果、公聴会の日時はこれを来る五月十八日午前十時よりと決定いたしましたので、御了承をお願いいたします。
なお公述人の選定等に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/3
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004・小金義照
○小金委員長 御異議ないようでございますから、そのように決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/4
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005・小金義照
○小金委員長 次に繊維に関する件について調査を進めます。
発言の通告があります。これを許します。南好雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/5
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006・南好雄
○南委員 通産大臣と繊維局長に、最近の繊維の情勢について御説明かたがたその対策についてお伺いしたいと存じます。
御承知の通り、最近繊維の状態は非常に困つたことになつておるように思うのであります。一時のように、非常に糸へん景気でもはなはだ困るのでございますけれども、このごろのように糸高の製品安ということが続きましては、何と申しましても中小企業の中核体になつております機屋に対する影響が非常に大きうございまして、私たちの国の北陸、あるいは静岡、岡山あたりでは休業のやむなき事情に至つておることは私申し上げるまでもなく、よく御承知のことと思うのであります。こういう問題について、とりあえずこういう事情がどうして出て来たか、大臣あるいは局長から一応の御説明を願つて、その御説明によつて私たちの考えておりますこと、また将来どういうふうにして対策を講じて行くかということについて、二、三御質問申し上げたいと思います。とりあえず最近の繊維界の非常に困つている実情の率直な御報告をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/6
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007・横尾龍
○横尾国務大臣 ただいま南委員からお話の通り、機屋その他非常にお困りになつていることはよく承知いたしております。これについての対策に関しましても、最善を盡したいという考えでありまするが、この点に関しまして、現在の情勢については繊維局長からよくお話いたすはずでありますから、さよう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/7
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008・近藤止文
○近藤(止)政府委員 ただいま南委員からのお話が、ございました最近の繊維の情勢につきまして、多少詳細にわたりまして御説明申し上げます。
御承知のように、繊維産業におきましては、昨年の春一月、二月、三月ごろでございますが、これは非常な不況の底にございまして、しかも昨年の一月から織物消費税の撤廃あるいはその他、毛、人絹、スフ等の統制の撤廃が重なりまして、昨年の一、二、三、四月くらいの間は非常に不況であつたのであります。その後朝鮮の動乱を契機といたしまして、いわゆる糸へん景気というものが出て参つたのでございます。ただこの場合に、繊維につきまして非常に不自然な形の騰貴が行われましたのは、実は綿についてだけ統制が相当厳格に残されておりまして、その他の繊維につきましては統制が解除されておつたのでありますが、その時期に朝鮮動乱が起りましてこれは別に相当大きな特需が出たわけではないのでありますが、いわゆる朝鮮動乱による特需景気と申しますか、そういう人気も手伝いまして、統制の解除されております品物につきまして、いわゆる市場価格が非常に暴騰いたしたのであります。その顕著な例は、スフ糸、スフ織物の関係、人絹織物の関係、なお特に顕著でございましたのは、綿の中で落綿につきましては、すでに統制が解除されておりましたので、落綿関係の繊維につきましては、いわゆる特紡、ガラ紡製品でありますが、これらは非常な不自然な高値を呼んだわけでありますが、同時に綿につきましても、正規のルートでマル公で配給される以外のものにつきましては、相当高いやみ値が出ておつたのであります。しかしその間におきまして、あらゆる繊維につきましても、供給量は逐次増加いたしておつたのでございまして、だんだん繊維につきましても、国内の需給状況はあまり心配する必要もない程度まで実は生産が上つて参つておつたのであります。そこで結局問題は、今年の一月、二月の関係になるのでございますが、昨年中の景気の余波を受けまして、今年の一月、二月におきましては、従来の年にないような売行きを示しました。つまり相当海外の先高見越しもございまして、思惑的な買値が継続しておつたのであります。特に今年の二月におきましては、二月はいわゆる例の霜枯れどきでありまして最も商売の少い月であるのでありますが、本年は従来の例を破りまして、一月よりも二月の方が商売が大きいというような現象が起つたのであります。この問におきまして、綿についての国内向けの供給を増加するという問題も大体目鼻がついて参りまして、本年度の第一・四半期すなわち四——六月の間におきましては、従来月当り三万七千五百梱の国内供給量でありましたものが、月五万梱というところまで増加するということが決定をいたしました。そういう国内向けの綿が増量され、しかも近い将来におきまして相当増産になる見通しもございますので、綿の統制につきましても、それをあまり長く続けておく必要がないという状態がだんだん現実化するようになつて参りましたので、この朝鮮動乱のいわゆる特需ブームによる景気と、それからもう一つ、綿が統制されておるということによりまして生じました、落綿あるいはスフ、人絹等における、いわゆる繊維そのものとしての均衡のとれておらない価格というものが、逐次是正されて来るという状態になつて来たのであります。そこへ持つて参りまして、最も直接的な原因といたしましては、実は毛の関係が三月の初めに相当の動揺をいたしたであります。これはすでに御承知かと思いますが、特に紡毛織物のフラノにつきまして、三月の初めに非常な暴落を演ずることになつたのであります。この原因は昨年あるいは一昨年におきましては、羊毛の輸入が非常に少かつたために、供給も非常に限局されておりまして、特に合物といたしまして、紡毛製品であるフラノにつきましては、かなり強い需要があつたのでありますが、昨年の後半になりまして、羊毛は相当多量に輸入されるということになりましてから、かなりこういうものに対する供給も潤沢になつて来ておつたのであります。昨年の情性を借りまして、いわゆる需要期の非常に短い春物につきましてのフラノの生産が実は片寄つて増加したのであります。ところがこの品物につきましては、三月に入りますと、すでにもう実際の需要期を過ぎるという状態でございまして、生産者あるいは消費者におきましては資金繰りの関係もございまして、これを投げて参る。このフラノの暴落に始まりまして、毛の関係が一時的ではございますが、品物の流れがとまる。つまり商売が一時足踏み状態になるということがございます。それからもう一つの現象といたしましては、御承知のように米綿その他の各国の綿花の生産が、今年の新しい綿花年度におきまては、相当量の増産が見込まれるということがだんだん確実になつて参りまして特に米綿におきましては、現在期近の綿がニユーヨークの相場にいたしまして、四十五セント程度でございますが、本年の十二月なり、あるいは来年の三月ごろになりますと、三十八セントという相場を出しておるわけであります。非常に先安の逆ざやの関係になつておるのでありますが、海外における買手の問題も価格の点においてつり合わないということになりまして、現状におきましても綿につきまして約一割程度の値下げをしなければ海外の方で買いつけて来ないという状態になりまして、そういつた原因も重なりまして、この三月の末から逐次各種の繊維につきましてだんだん値段が下つて参るということになつたのでございます。四月の二十日過ぎころまでこの情勢が続いておつたのでありますが、四月二十日過ぎから今日のところまでは多少持ち合つておるという状態であるかと思うのであります。ただこの場合に一番問題になりますのは、綿というものが相当量出まわつて参りますことにあるのでありまして、落綿なり、あるいはスフ、人絹というものがそれぞれ本来の価値によりましての価格のつり合いをとるという作用、これはある程度現在行われておるのでありまして、その影響も相当あるのでございますが、この場合にどうしても原料が高くて、製品がそれについて来ないということになるのでありまして、極端なことを申しますと、結局糸は機屋としては一応手当をしなければなりませんので、相当高い値段でも買います。ところが買つて織りました品物が、ある程度原価をまかなうような値段ではとうてい通らない、場合によりましては織れば織るだけ損をするという現象もあるわけであります。これは生産者なり、卸の段階においてある程度一月、二月ぐらいまでに多少行き過ぎた思惑の点もありますが、その反響といたしまして現在のところでは消費者層の方におきまして値段の問題をながめながら、見送り状態にあることが現状であると思うのであります、結論的に申しまして、日本の繊維の供給があり余るほど潤沢になつているということではないのでありますから、需給関係が正常な状態にもどりますれば、適正なる価格で消費者の末端まで流れて行くものと考えますけれども、過渡的な状態といたしまして、一時的に品物の動きがとまつている、しかもその品物の動きは大体この辺で安定するという見通しがついて、初めてそれから物が動いて行くということになると思われますので、結局普通の商売でよどみなく流れておりましたものが、一月ないし二月、その間に停滞が起る。従つてその間を資金の問題等におきまして極端に投げて行くということになれば、相場は非常に下落するのでありますが、これを何とかつないで行くという方法をどうしても考えなければならないということで、いろいろ品物によりまして、また産地によりましての事情も違うのでありますが、具体的の事情を調べまして結局結論といたしましてはどうしてもこの際、ある程度の生産をし、これを維持して行くだけの資金の手当をしなければならぬ。そこで問題は、相当大きな企業でございますと、これがそれぞれの銀行との間の取引の問題になつて参るのでありますが、特に中小企業の関係になりますと、個々の業者にとりましてはとうていそういつた融資を受けるということがむずかしいのでありまして、結局主として中小企業庁にお願いをしまして、急速な融資の問題をお話をしておるのでありますが、各産地あるいはそれぞれの組織化によりまして、機業組合というようなものを一通じまして、原料の購入資金ということで一時的に組合融資をするというような方法——もちろん信用保険とかその他の制度もございますが、それらに合せまして、そういつたことを極力推進する。ただ繊維は比較的最近まで資金関係も潤沢でありましたために、組織化が非常に遅れておるという点がございまして、急場の間に合わないといううらみも相当あるのでございますが、これを急速に実現したいということと、もう一つは、繊維の需給関係の問題につきましても、多少数字に即さず、実際の需要量なり供給量というものを考えずに、何と申しますか、人気的にだれも一応繊維は手を引くというようなかつこうになつておりますので、実際の需給関係その他につきまして十分認識をしてもらいますと同時に、大体この辺のところが適当だというようなことで、極力消費層まで物が流れて参るような方向に進めたい。そのために展示会なりその他いろいろな方法によりまして、需要の喚起ということも努めておるわけでございますが、ただ問題は、金融の問題が何と申しましても最も致命的な問題でございまして、これは日本銀行なりあるいは市中銀行、商工中金にいたしましても一定のわくがございますので、結局ある方面にちよつとふえますと、実はほかの方面のわくが減つて参るというような関係がございまして、現に愛知県地区におきましても、漁網の関係の金融を実は相当熱心にやりましてある程度資金をそちらにまわすようなことになつたのでございますが、その反面、毛の方の関係にまわる資金が非常に絞められて来たというようなことになりまして結局ある程度積極的に信用の膨脹を、期間的ではございますけれども認めてもらうよりしかたがないという考え方をもちまして現在日銀その他とも折衝をしておるわけでございますが、相当困難な事情があると思うのであります。
なお今後の見通上の問題でございますが、大体先ほども申しましたように、繊維につきましてそう生産過剰という問題もございません。ただ問題は、原料と製品との間の価格のアンバランスということがございます。またその原料の価格でも、これをやたらに下げれば、また同時に製品が同じように下つてしまうということもございまして、この辺の価格をどういうふうに操作するかという問題が、非常にむずかしい問題でございます。それぞれ産地によりましても事情は違いますし、また業態によりましても実態がかわつておりますので、それぞれの実態に即しまして、できるだけのことはやりたいというふうに考えておるのであります。問題は、結局現在のところでは資金のわくの問題に帰着しておりますので、このわくの拡大ということにつきまして、私どもいろいろ折衝しておりますが、かように日銀あたりでもわくを広げることがむずかしい、むしろ絞めて行くような傾向に相当あるようでございます。これは何とか具体的に繊維界の実態をよく認識してもらいまして、その実際に即するような——どうせ長い期間の信用は必要といたしませんので、一、二箇月の、手形にいたしましても六十日を九十日にするという程度のことで大体切り拔け得るというふうに考えますので、そういつた方法で進めて参りたいと思つておるわけであります。ただいままでの大体の経過と私の考えておりますことは、さような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/8
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009・南好雄
○南委員 繊維局長の今までの経過、それからその経過に対する通産省としての対策は、結論は私もそうするよりほかないじやないかという気もいたしすが、しかし結論としてたといそうするよりほかないといたしましても、現在の状態において、御承知のような非常に困難な状況に立つておる。これは私から申し上げなくてもいいのですが、大体繊維産業と申しますものは、御承知のように日本の産業界においては一番大事な産業である。しかも紡績あるいは人絹メーカーというようなものは、これは日本の産業としても非常に大きな産業でありますから、この面についてのいろいろの心配は私はあまりないと思う。むしろそれからさらに関連しております、いわゆる機屋、そうしてそれが出て行く場合の輸出商、この最初と最後は、何と申しましても日本における一番大きな産業でありますから、これに対する対策と申しますものは、役所がやるよりもむしろ業者自体の防衛策で十分に行けるのであり、また困れば政治力も持つておるから、私は十分やれると思う。このまん中に挾まつております、しかも日本の産業といたしまして相当重要な役割を持つております、中小企業であるいわゆる機屋、この対策を、今繊維局長の言われた程度で現在放置されては、ひとり繊維産業のためにも、また社会問題といたしましても、私はこれは容易ならぬものではないかというふうに考えます。なるほど局長の言われる通り二、三箇月で需給のバランスがそう合うものではないからいずれ相場も直つて来るだろうという見通しは、私どもも持つております。しかし現在においては、何と申しましても糸高の製品安で、その日その日の工場の操業がでかねておるというのが、綿糸にいたしましても、人絹にいたしましても、スフにいたしましても、これがほんとうの実情なのです。しかも今まで六十日の手形で原線の糸の手当もやる、しかも現金でもらえるというような楽な商売のやり方だつたのが、糸は現金で買わなければならぬ、しかもできた品物は商手の割引は六十日ないし九十日ということになつて参りますと、一箇月ないし二箇月の原料手当の運転資金と申しますものは、どこから出て来るかという問題になつて参ります。この問題はもう少し真剣に考えていただかなければ、われわれの郷里の石川、福井、富山あるいは群馬、埼玉、静岡、岡山、愛媛というような所では、中小企業はみんな参つてしまう。七月、八月になれば生きかえるだろうといつても、この二、三箇月の間に何割というものが休業したりあるいは倒産したりしますと、まことにこれはゆゆしい問題じやないかと思う。もつとつつ込んで、どういうふうにこの問題を繊維局として考えておいでになるか、またこれにもつと有効適切なる方法があるか、ひとつつつ込んで率直な御意見を聞かしていただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/9
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010・近藤止文
○近藤(止)政府委員 ただいまのお話でございますが、特に繊維にいたしましても、機屋さんの段階における中小企業の対策というものは、非常にむずかしい問題でございます。南委員も昔役所におられたころに相当におやりになつた御経験者でしようが、非常にむずかしい問題でございます。つつ込んだ対策はないかとおつしやられますけれども、実は綿につきましては、現在まだ実際に、機屋さんのところで仕事をやめなければならぬという問題になつておらない。特に現在影響のはげしいのは、人絹、スフ関係をやつております、特に先ほどお話のありましたように福井、石川あるいは両毛地方、そういつた所がはなはだしいのでございます。この辺におきましても、実は三月のはじめぐらいは、何とか原糸を手に入れたい、高い値段でもいいから役所で何とか世話をしろというぐあいにやかましく言われまして、私ども間に入りまして、相当量の人絹糸の共同購入のお世話をするつもりだつたのであります。ところが三月のはじめになりまして、あまり原料の値段が製品の価格と比べてみまして、その懸隔がはなはだし過ぎると考えましたので、私はむしろ組合の共同購入はやめた方がよいじやないかという勧告をいたしました。結局そういうことをやれば、高い原料をつかんで製品は安くなつたときに売らなければならぬということになつて非常に損をする、従つてそういう見通しのある現在においては、組合で相当量のものをまとめて共同購入をするということは、不適当だから、むしろやめた方がよいのじやなろかという勧告をしたこともあるのでございますが、これは勧告してよかつたと思うのであります。そのように実は製品もその後がたがたと下りました。原糸の下り方に比べますと製品の下り方は非常に極端でありますので、どうしてもこういつた問題では生産者よりは中小の機屋さんの方が損をするという可能性が多いのであります。またこの状態は実は相当前から中小企業としてはたびたび繰返し経験しておつたことなのであります。そこでこの中小企業に対する対策の問題でございますが、中小企業と申しましても、実は石川、福井方面におきましても、相当中規模と申しますか、かなり大規模の企業体になつておりまして、これが人絹会社なりあるいは相当有力な商社との直結的な態勢にあるのがあるわけであります。これらのものに対しましては、実は特に対策をいたすという必要は、現状におきましてもないと思うのでありますが、こういつた特定のひもつきでなくて、しかもそのときどきの相場によりまして、原料なり品物の売買が行われるという非常な不安定な、ほんとうに中小——特に小の企業者というものは相当多いのでありますが、これらの業者に対する対策がもう少し現状よりは強力なものでやらなければならないのじやないか、それをもう少し本質的に掘り下げて参りますと、現在の協同組合法をもう少し強力な組合法に改正いたしまして、ある程度、統制力というと語弊がございますが、組合の力が実質的につくような制度をつくる必要がどうしてもあるのじやないか、昔はああいつた小さな業者の集まりの組合に対しましては、かなり強力な権能を組合に與えておつたのでございますが、現在の組合制度ではそういつたものはございませんので、これをどうしても根本的に考え直す必要があると思うのであります。同時にもう一つ、最も重要な点と思いますのは、結局それらの個々の業者が、一人々々自分の計算や思惑によりまして原料を買い、製品を売るということは、必ずこういう問題を繰返すのであります。結局どうしてもそれらの業界の組織化と申しますか、団体化によりまして、お互いに利害をともにする立場におきまして、相当大きな力をたくわえて行くという方向に持つて行かなければならぬというように考えるのであります。現在でも、金融の問題につきましてはできるだけ機業組合というものを結成いたさせまして、それに対して原料の講入資金、共同仕入れ資金というようなものを融通する、そのかわり、できました商品につきましては、品質その他の点につきましても、できるだけ有用なものをつくらせるような指導なり、あるいは検査の機構をこしらえまして、それを今度は必ず相当有力な問屋なり、そういつた方面につないで行くという操作をどうしてもやつて行かなければならぬのじやないかと考えておるのであります。ただここ一二年の間におきましては、相当起伏がございましたけれども、ある程度繊維関係の業界の利益が多かつた関係もございまして、その組織化が遅れておるところに、今度の暴落と申しますか、調整作用が行われましたので、ある方面にとりましては不測のけが人を出しておるという状況であるのであります。具体的にもつとつつ込んだ案を訳せとおつしやられますが、中小企業に対する対策は、いろいろな案が出されおるのであります。ただそれが実効的に行い得るかどうかというところに問題があるのじやないかと思いますので、できるだけこれが実効の上るように今後促進して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/10
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011・南好雄
○南委員 御当局としては、まあ今近藤さんのお返事なさつた程度で精一ぱいだと私思うのです。しかしほんとうにわれわれがいなかに帰つて参りますと、御承知のように組織化の問題も十分に行つております。各地とも二千ないし三千台くらいの織機を持つた程度に組合もできております。それから商工中金の関係も十分できております。しかし遺憾ながら金融のわくが千二、三百万円という程度で、今のように——われわれの郷里は人絹メーカーでありますが、人絹メーカーの七つか八つの社が非常にきつくて、そして織物はこの程度に安くても、糸はわれわれの採算上これしか売れないのだというふうに言われ、そしてその意見に従つてやると、工場は休んでしまわなければならぬ。そこにもう一ついやなことは、あなたが今言われたように、人絹会社直結の工場がある、これは技術が優秀かどうか知らぬが、従来の経緯上、人絹会社みずから織機を持つておるという工場がある。そこはじやんじやん、動いておる。こういうような状態のままに放置して参りますと、これは社会問題としてもまことに険悪な情勢をはらんでおるということだけは、帰つてみてしみじみと感じたのであります。組織化も、個々の二十台、三十台持つておる工場が、独立して糸を買つて品物を売つておるということは、それはお役所だけの見方であつて、今はそれほど業者は自己防衛に不完全じやないのでありまして、どこへ参りましても、ブロック別にちやんと工業協同組合をつくつて、そして市中銀行なり商工中金の各コンネクシヨンを十分に持つておる。ただそこに遺憾な点は、今までのように手形で糸を買つて、そして手形で品物を売つて行くという操作を失つてしまつた。現金でなければ糸を売らぬ、手形の場合は非常に高い割引でなければ容易に原糸の手当ができない。ここへ持つて来ると、どうしても大体二箇月くらいの運転資金は持たなければ、工場を休むか、工場の女工を散らしてしまうというようなことをやらざるを得ないような状態になつておる。そうしますと今後商売がしやすくなつても、急に織機を動かしたり、女工を集めたりすることはできない。これが資本主義、あるいは自由経済の常道だと言つてしまえばそれまででありますけれども、それでは今まで長い間通産省あたりが、中小企業というものに対していろいろな施策をやつておいでになつたその施策の建前から見ても、あまりにぼくは無策じやないかと思う。もつとつつ込んで、この際二箇月の運転資金をどういう方法で出し、どういう程度の組合に対してはどういうふうにやるというふうに、ベルを押せば鳴るような施策をやつていただかないと、われわれのところのように繊維で暮しておるような地元民をとても慰めようがないのであります。二千台の織機を持つている者が、わずか三百台くらい動かしておる。その三百台も今申しましたように商工中金のわくでまかない切れないというような状態では、繊維局長、りくつじやなくて現実面においてまことにかわいそうです。御承知のように人絹の織機としては石川県などは有数のところであります。しかも業界の指導者も、岸君などは代表的な人であります。あの先生がすでに自分の工場を三分の一体業しておるというような状態なのでありますから、もつてその一斑を知るべきなのであります。そこで私はこの際おぶされば抱かせる——と言うと笑われるかもしれませんが、運転資金なり商工中金のわくなりをもう少しやつていただく、あるいは協調融資をもう少し積極的に通産省として働きかけていただいて、急場に全部工場をやめてしまつて、一箇月、二箇月を待つて、また景気の来ることを待つというような、そんな悲惨な状態に追い込まないようにしていただきたい。この間もぼくは業界のいろいろな意見を聞いてみたのですが、人絹織機をやり始めて三十年に、今日ほどひどい目にあつたことはないと言う。これは丸三組合の当事者の理事長の話であります。もう一週間休んでみたけれども一向相場は直らない、二週間休んでも相場は下る一方で、もう思い切つて一箇月ないし、二箇月休業を宣告しても、おそらくこの状態だつたらいかぬ、どうしたらいいだろうか、こういう質問を受けて、私も、それから今までそこに出ておいでになつた横尾通産大臣も、私は繊維のことはあまり詳しくないので、あとは繊維局長によく言うておきますと言つて逃げ出されたというような状態で、まことに深刻なものがある。福井の方は、現在はほとんど全部休んでおるというのが実情であります。これではいかに半年もうけておりましても、三月女工に給料を払わずにおるわけに行かず、最低賃金はやはりやらなければならぬということになります。何が糸へん景気やらわからなくなつたというのが実情であります。結局私は結論としてあなたの意見に賛成でありますが、今の生活をどうしてくれるか、あしたの千円よりもきようの百円というこの痛ましい現実を——もつともこれは事務当局のあなたをそう責めても悪いのでありますが、何かもつといい方法を考えていただきたい。ぼくらにそれに協力せいと言われるならば、われわれも身を挺して御協力申し上げて、何とかあの付近の業者を救つてやらなければ、これはそのうちに大挙して通産省に押しかけて来る。押しかけて来れば旅費がかかりますから、その元気もなく政府をうらみ、世の中をうらむということになりましては、私らは非常に遺憾な点があるのではないかと思うのであります。あまりに事が深刻でありますから、ここでまたよくお考えおきを願つて、どすればよいのだということについても、私が今申しましたように、結局最後の点は運転資金だろうと思う。二箇月とか何箇月とか、運転資金のめんどうを見てやれ、それからもし万一つくつた品物が売れぬ場合には、政府買上げの方法か何かの方法で、これらの滞貨の救済方法を考えてやるというような両建の方法でなければ、現在のあくは抜けぬと思うのであります。放置すればおそらく人絹会社はなかなか強いし、機屋は要するに数が多くて、いかにブロックの協同組合ができておりましても日本に何百か何千ありますから、これはしよせん相撲にならぬということになつて来ると、弱いものは負けて来るということになるであつて、われわれはそれではあまりひどいのじやないかと考えます。この問題については、もう少し繊維局長は親心を持つていただいて、ひとつ何かもつといい方法を考えていただきたい。私たちも、もちろんできるだけの協力はいたしたいと考えております。これ以上あなたを追究しても、なかなかそう今すぐ眠り薬を飲むような名案は出て来ないと私も過去の経験から存じておりますが、やはり事ここに及ぼしたのは、お互いとしても多少責任があるのであります。何とかここ一、二箇月の間にひとつ成案を得るような、適切有効な救済策を考えておいていただきたいと私考えます。
それからなお一、二お伺いしたいのですが、いわゆる今度の綿糸を十四万円に公定を上げられたことにつきまして、民間の手持は相当あつたろうと思うのであります。あれが仕入価格からマル公を十四万円にいたしますと相当もうかつた。昔なら価格差益金で取上げてしまうのですが、今では単なるもうけということになるのですが、そこらを詳しくお調べはできておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/11
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012・近藤止文
○近藤(止)政府委員 綿糸のマル公を十四万円に公定いたしました場合に、糸の関係におきましては期度別に価格がきまつておりますから、差益の問題は起りません。但し安い綿糸を手に入れまして、これを製織する機屋の面、あるいはその下の段階で安いマル公の綿布を手に入れました問屋の面におきまして、マル公の改訂によりましてその間に差益があることは事実でありますが、これは実は期間的な問題で、そのときどきにございます在庫を正確につかむことは非常に困難でございまして、数字といたしましては、はつきり把握はできないのであります。ただ大体の傾向といたしまして、機屋のところにおきましてどのくらいの安い綿糸が手に入り、これが新しい綿布のマル公でどのくらい売れておるか、こういう推定の数字はできるのであります。大体その程度でございます。
なおもう一つ、実は綿布のマル公は先月の末に初めて施行されたのでありまして、そういつた新しい時期のものでございますので、実はそういつた最近の時期に一体どのくらい品物の出まわりがあつて、機屋に残りがどのくらいあつたかという具体的な数字はちよつと把握しにくいのであります。このくらいあつたろうという大よその見当はつくのであります。ただ問題は、品種によりましては新しいマル公で売れない品物もできて来ておりますので、どのくらいの差益があつたかという的確な数字はむずかしいのであります。ある程度の差益は、機屋の面におきまして生じておることは事実でございます。またこれが多少機屋の運転資金の面を潤しておるということも逆に言える状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/12
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013・南好雄
○南委員 私はその機屋は数が多いのですから、こんなものが相当——かりに二億や三億あつても、何千軒でわければ大したことはないのであります。紡績会社は十軒か、せいぜい多くて十一軒であります。これが綿花を仕入れて、織つて糸にして行く間に今度の十四万円に上つて来て、紡績会社の昔の観念の差益というものは、通産省あたりで相当しつかりした数字を把握していると思います。これも税金さえ出せばよいのだ、こういう議論も一応は成り立つのでありますが、これらの点を勘案なさつて私はどうも十四万円というものはいささか上り相場の際における気つけ薬で早く一本にしようとあせられた結果、多少値段が急に上り過ぎたのじやないか、もう少し採算は安いのじやないかというような気もするのであります。その間における繊維局長の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/13
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014・近藤止文
○近藤(止)政府委員 ただいまの御質問でございますが、紡績会社は現在七十六社ございまして、十一社ではございません。なおこれらの紡績会社が持つております綿花につきまして御説明を申し上げますと、従来綿花はすべて政府が輸入をいたしまして、政府におきまして紡績会社に払下げをいたしておつたのであります。その綿が内地用の綿糸の原綿になつておつたわけであります。これが今年の一月、三月の間におきまして八万一千梱程度のものが政府の原綿によります内地用綿糸の数量でありまして、この八万一千梱に相当いたします原綿につきましては、政府の払下げでございますから、一定の価格をもちまして払下げをいたしております。その払下価格から紡績の工賃を積上げ式に計算をいたしまして、従来の八万一千円という綿糸のマル公がきまつておつたのであります。この政府の手持ちの綿につきましては、現在におきましても紡績会社から八万一千円の価格で出荷をさせておるのでありまして、その間に紡績会社が綿糸十四万円になつたことによる安い綿の差益というものはないわけであります。ところで今年の一三日の後半になりますと、政府の綿がなくなりまして、全部民間で買いつけた綿でまかなうということになつておるのであります。これが第四・四半期におきましては三万三千梱程度あつたわけであります。この三万三千梱というものは、それぞれの紡績会社なりあるいは輸入商が、自分の見込みによりまして各国から買いつけました綿であります。従つて上手に買付をいたしました会社にとりましては、十四万円という数字は綿のコストからいたしますと相当有利な点がございます。同時にいわゆる新紡績、新新紡績と言つておりますけれでも、戰後にできました小さい紡績会社におきましては、相当無理な綿の買付をいたしておりますために、原綿の価格がかなり高いのであります。大体七十セントを越えるくらいの平均価格になつておるのであります。そういう価格で計算いたしますと、十四万円という価格の線は大体すれすれのところ、あるいは多少赤字が出るという程度であります。そこで十四万円というものをどういう計算できめたかと申しますと、これは実は物価庁の権限でございますけれども、そのきめ方の内容は——これの計算を始めましたのは大体一月の末ごろの時期でございますが、その時期における輸出綿布の価格から、逆算をいたしまして線糸の価格を計算したのであります。その場合にどういう値段をとるかという問題で、同じ品種でも二セントなり三セントの値巾があるのでありますが、その点は大体安いものと高いものとの中間的な線をとりまして、そうして綿布から逆算いたしますから、内地できめられておりますいわゆる公定織賃を差引きまして十四万円という計算を出したわけであります。結局輸出価格から通算されたマル公ということになつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/14
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015・南好雄
○南委員 ただいまの御説明を受けなくても、国有綿については理論上お説の通りなのであります。ただ歩留りの関係で、相当落綿その他のストツクを持つておつたのではないか。さらに民貿になつても、物価庁あたりが相当業者の陳情の高い方を持つて来てきめられたのではないか、こういう意味で非常に急激に八万一千円から十四万円に値上げしたために、それがねらいであつたと言われればそれだけのことですけれども、今度のいわゆるスフ、人絹あたりの落調に対して相当大きな影響を持つておつたのではないかという気持でお伺いしたのであります。民間の話はうわさですから、どこまでほんとうかわかりませんけれども、何でも四半期に二百五十億も大阪あたりの紡績会社はもうけておるということも聞くのでありまして、何としても十四万円というマル公は少し行き過ぎた値段ではなかつたかという気がするのであります。それであなたに卒直な御返答をお願いしたのであります。川上君あたりの説明を聞きますと、計算面においては十四万円というよりほかにないようでありますが、ちよつと高過ぎたのではないかという気がするのであります。今からそういうことを言つてみても死んだ子の年を勘定するようでしかたがありませんが、あれは少し行き過ぎておつたと思いますので、当局としては下げる意思はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/15
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016・近藤止文
○近藤(止)政府委員 ただいまの御質問は物価庁の所管でございますから、私からお答えすることは越権だと思いますので、御遠慮いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/16
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017・南好雄
○南委員 大体私の質問はこれで打切りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/17
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018・小金義照
○小金委員長 ほかに御発言はございませんか。——ないようでございますから、本日はこの程度にて散会いたします。
次会は明後日、すなわち十一日の午後一時と予定いたしておきます。いずれ公報をもつて御通知申し上げます。
午後二時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02319510509/18
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