1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年五月十七日(木曜日)
午後一時三十七分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
理事 高木吉之助君 理事 多武良哲三君
理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
今泉 貞雄君 江田斗米吉君
小川 平二君 中村 純一君
金塚 孝君 早稲田柳右工門君
加藤 鐐造君 風早八十二君
出席政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
委員外の出席者
専 門 員 谷崎 明君
専 門 員 大石 主計君
専 門 員 越田 清七君
—————————————
五月十七日
硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法
律案(内閣提出第一六六号)
の審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法
律案(内閣提出第一六六号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/0
-
001・小金義照
○小金委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。
まず本日当委員会に付託になりました硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案について、その提案理由の説明を求めます。首藤政府委員。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/1
-
002・首藤新八
○首藤政府委員 硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
硫酸アンモニア増産及配給統制法は第七十三帝国議会において成立したのでありますが、昭和十三年当時硫安はわが国肥料消費額のうち首位を占め、その消費増加趨勢はきわめて著しいものがあり、毎年海外から二十万トン内外を輸入し、海外支払いが巨額に達しておりましたため、硫安の国内生産を豊富にするとともに、その配給の円滑及び価格の公正をはかることが、わが国の国際収支の改善に寄與し、同時に農村の経済的安定と農業生産の確保のためきわめて緊要であると考えられましたから、硫酸アンモニア製造事業とその配給機構との確立をはかる方策を講ずることがすこぶる緊要であるとされたのであります。かかる目的によつて昭和十三年四月成立した硫酸アンモニア増産及配給統制法の骨子は大要次の通りであります。
第一点は民間の硫安製造事業の拡充を促進するために、昭和十八年までの五箇年に製造設備を新設または増設した者に対して、その設備をもつて営む硫安製造業につき、一定年間諸税及び器具、機械の輸入税の免除を行うほか、右事業は土地収用法により土地を使用または収用し得る事業として同法を適用し、また事業資金調達上の便宜を得させるため、社債発行限度を払込み株金額の二倍とする等、諸種の保護、特典を與えるとともに、必要に応じて硫安製造業者及び次に述べる日本硫安株式会社に対し、増産命令をなし、すみやかに硫酸アンモニアの自給をはからんとした点であります。
第三点は、特殊会社である日本硫安株式会社を設立せしめて、硫酸アンモニアの配給統制事業を完全に遂行せしめようとしたとともに、必要ある場合においては、本会社をして硫酸アンモニアの製造その他供給確保上必要な事業を行わしめた点であります。
事実この法律の施行によりまして硫安の生産は、昭和十三年度百十万七千トンから十五年度百十三万七千トン、十六年度百二十四万八千トンと逐次増加を見たのであります。しかしながら現実の問題としましては、当時戦争の拡大に伴う肥料工場の軍需工場への転換、さらには戦災による甚大なる被害のため、硫安の生産は、昭和十六年度を頂点としまして、十七年百八万トン、十八年度九十三万トンと激減するに至り、昭和十八年においては、さきに申し述べました法人税等に関する特典をさらに五箇年間、すなわち昭和二十三年まで延長することにいたしましたが、実質てきにはその効果を生ぜず、昭和二十年には遂にわずかに二十万トンという悲惨な事態に立ち至つたのであります。
終戦後におきましては、前述の農業経営の改善にとどまらず、わが国経済の復興、民生安定の基礎条件としての食糧の増産にとつて、硫酸アンモニアの増産が不可欠のものとして最重点的に取扱われ、硫酸アンモニア製造事業の生産設備の早急な復旧及び拡充が、その供給の潤沢、配給の円滑、さらには価格の適正のために要請されるに至つたのであります。しかるに法人税の免除については別途法人税法に規定され、本法の関係条文はすでに廃止され、さきに申し述べました免税に関する期限も間もなく経過し、また日本硫安株式会社ないしこれを承継しました日本肥料株式会社も、その配給業務を肥料配給公団に引継いで解散いたしましたため、現実においては、わずかに社債の限外発行に関する規定のみが適用され得るにすぎないのであります。この規定も、昨年資産再評価法の実施により、再評価積立金の四分の三に相当する金額までは、三箇年間に逐次社債の発行限度が拡張されることになり、さらに昨年の商法の一部改正によりまして、一般に社債の発行限度は、資本金総額及び積立金に相当する金額までに引上げられることになりましたので、この法律は現在においてはすでに各条文とも空文にひとしく、今次商法改正を機に廃止するのが妥当であると考えられるに至つたわけであります。
以上簡単に提案の理由を申し述べた次第でありますが、どうか愼重御審議の上、すみやかに御可決のほどお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/2
-
003・小金義照
○小金委員長 それではこの際ここでしばらく休憩いたします。
午後一時四十七分休憩
————◇—————
午後三時七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/3
-
004・小金義照
○小金委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
計量法案及び計量法施行法案に対する質疑の通告者の発言は全部終りました。これにて質問を一応終了いたしたいと想いますが、ほかに御発言はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/4
-
005・小金義照
○小金委員長 別に御発言がないようでありますから、それではこの二つの法律案に対する一般質問は、大体終了いたしたものと認めます。これから後の質問は、公聴会の公述に関するもの及び補充的な質問にとどめたいと存じます。そのようにとりはからうことに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/5
-
006・小金義照
○小金委員長 御異議ないようであります。それでは本日をもつて大体の質疑を終了いたしたものといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004793X02819510517/6
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。