1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月十三日(火曜日)
午後三時十分開議
出席委員
委員長代理 理事 庄司 一郎君
理事 高塩 三郎君 理事 辻 寛一君
理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君
井手 光治君 岡西 明貞君
鈴木 明良君 中村 清君
橋本登美三郎君 松本 一郎君
石川金次郎君 田島 ひで君
出席国務大臣
電気通信大臣 田村 文吉君
出席政府委員
電気通信政務次
官 加藤隆太郎君
電気通信事務官
(業務局長) 田邊 正君
電気通信事務官
(施設局長) 林 一郎君
電気通信事務官
(経理局長) 肥爪 龜三君
委員外の出席者
電気通信事務次
官 靱 勉君
電気通信事務官
(大臣官房人事
部長) 楠瀬 熊彦君
電気通信事務官
(業務局周知調
査部長) 花岡 薫君
專 門 員 吉田 弘苗君
專 門 員 中村 寅市君
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三月十日
委員庄司一郎君辞任につき、その補欠として西
村直己君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
委員西村直己君、椎熊三郎君及び長谷川四郎君
辞任につき、その補欠として庄司一郎君、吉田
安君及び園田直君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
同月十三日
委員吉田安君及び園田直君辞任につき、その補
欠として椎熊三郎君及び長谷川四郎君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
庄司一郎君及び長谷川四郎君が理事に補欠当選
した。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
小委員の補欠選任
電信電話料金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七七号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/0
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001・庄司一郎
○庄司委員長代理 それでは委員長に余儀なき事故がありますので、私がかわつて委員長の代理職務を行いたいと思います。
それでは電気通信委員会をこれより開会いたします。
議事に入る前に理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。去る十日理事庄司一郎君が、昨十二日理事長谷川四郎君がそれぞれ委員を辞任され、理事が二名欠員となつておりましたが、ただいままでに両君が再び委員に選任されておりますので、この際委員長より庄司一郎君並びに長谷川四郎君を再び理事に指名いたしたいと思います。御異存ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/1
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002・庄司一郎
○庄司委員長代理 満堂御異議なしと認めます。よつて庄司一郎君並びに長谷川四郎君を理事に指名いたします。
なお小委員の補欠選任の件についてお諮りいたします。長谷川四郎君は放送法の一部を改正する法律案起草小委員でありましたので、小委員が一名欠員になつております。同君を再び小委員に指名いたすに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/2
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003・庄司一郎
○庄司委員長代理 御異議なしと認め、同君を小委員に御指名申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/3
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004・庄司一郎
○庄司委員長代理 電信電話料金法の一部を改正する法律案を議題といたし、これより審査に入ります。まずその趣旨の説明を求めます。田村電気通信大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/4
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005・田村文吉
○田村国務大臣 今回政府より提出いたしました電信電話料金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
電話に関する料金のうち、装置料等を引上げるとともに、一般放送事業者が専用する場合の市外専用電話料を引下げて、新聞社、日本放送協会等と同額にする等の必要がありますので、これがこの法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の要点を申し述べます。
一、まず加入電話の装置料は、加入者の宅内への引込線工事及び電話機とりつけ工事に要する労務費及び消耗品費でありますが、加入電話の取消しまたは移転などにより不要になる性質のものでありますから、その工事の都度、一時に実費を回収することが必要であります。しかるに現在の装置料は、実費に比してはなはだしく低廉でありますので、これを実費まで引上げる必要があるのです。
二、右と同様の理由によりまして、構内移転、付属物品、増設機械、災害電話復旧、臨時電話の場合の装置料を、それぞれ引上げたのであります。
三、この改正に伴いまして、これと同一の性質を有する市内専用電話及び市外専用電話の端末設備の移転料につきましても、同様の理由によりまして、引上げたのであります。
四、また近く業務開始を予想せられる一般の放送事業者の用に供する専用については、日本放送協会の用に供するものと同一に取扱うのが適当と思われますので、これと同様の料金にすることといたしたのであります。
以上をもちまして、本法案の提案の理由を説明いたしました。十分御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/5
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006・庄司一郎
○庄司委員長代理 これより質疑に入ります。質疑のある方はお申込みを願います。まだ正式な御通告がございませんが、御希望の方よりひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/6
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007・松井政吉
○松井(政)委員 ちよつと先に議事進行についてお伺いしますが、本日は委員会の前に理事会を開くことになつておつたのでありますが、説明と質疑をずつと続行する方針をとるのか、それとも本日は質疑をやるが、質疑半ばで中止をいたすお考えであるのか、理事会を開いておりませんので、その辺を委員長から議事の運び方についてお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/7
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008・庄司一郎
○庄司委員長代理 本日は一応御質問を願いまして、そのあとで理事会を開会して御相談して、善処したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/8
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009・松井政吉
○松井(政)委員 それでは本日とりあえず質疑を行つて、本日質疑を行つた会派の人々も、また次に開かれるときに質疑は保留できるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/9
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010・庄司一郎
○庄司委員長代理 御意見の通りと了承しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/10
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011・松井政吉
○松井(政)委員 それではとりあえずただいま説明をお伺いした内容の一、二点について質問をいたしまして、さらに次会において質問を続行したいということを申し上げまして、お伺い申し上げます。
ただいま説明の内容におきまして、「実費まで引上げる必要があるのです。」ということになつておるのでありますが、今日までにおける工事その他の労務費、消耗品費に関する具体的な実費の内容について、お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/11
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012・林一郎
○林(一)政府委員 お答え申し上げます。加入申込み受理の場合に、あるいはまた構外移転の場合を例にとりまして計算いたしますと、ただいまのような結果が出たのでございますが、人件費につきましては、六千三百七円ペースで計算いたしました。また物件費につきましては、昨年三月末の物価で計算いたしまして、一加入当り自動式におきましては三千八百四十五円、共電式の場合におきましては三千八百四十一円、磁石式の場合におきましては四千六百九十六円ということに相なりますが、これを全国の交換方式の方式別によりまして、電話加入者を加重平均いたしますと、大体四千百九十二円という数字が出て参ります。これを査定いたしまして、四千円といたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/12
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013・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると、現行千五百円のものが四千円に相なるわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/13
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014・林一郎
○林(一)政府委員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/14
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015・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると、現行千五百円であつた場合には、実費がかようにかかるのでありますから、当然装置、移転等をした場合には、実際問題としては赤字が出ておるわけでございますが、それは予算上いかようなる措置をして来られたかということをお伺い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/15
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016・肥爪龜三
○肥爪政府委員 お答えいたします。装置料の部分につきましては、それ自体から見ますれば赤字でありますが、予算は全体で見ておりますので、全体から見まして大体過不足なしにやるというような方針で、来ておつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/16
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017・松井政吉
○松井(政)委員 そうするとただいまので行きますと、装置料の方は、なるほど千五百円の現行で、かりに三千八百四十五円あるいは四千六百九十六円かかるのであるから、赤字が出るが、総体として見れば赤字になつておらない、こういうことでありますが、ちよつと納得行かないのでございます。それならばお伺い申し上げますが、昨年すなわち二十五年一年間において加入取扱い、それから装置、移転、いろいろその赤字の出ている部分についての取扱いが何件であつて、それに対する赤字が何ぼである。しかしながらその赤字を総体的に見れば、この部分でカバーしたという御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/17
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018・肥爪龜三
○肥爪政府委員 実は私どもの方の料金というものの体系でございますが、これは一々そのサービスとその料金とを照し合せまして、過不足のないようにやるという方針はとつておりませんで、全体で処理をいたしておるわけでありますが、そういうことにいたして、一応予算上はとんとんとなつておりますが、この内容を少し見ますると、たとえば減価償却でございますが、減価償却というものは、来年度におきましては、大体百六、七億ぐらいはしなければならぬということになるのでございますが、この予算におきましては、減価償却は八十八億ほどしかいたしておりません。従いましてその間に二十億近い減価償却の不足があるのであります。もしこの装置料を値上げいたしませんければ、さらに減価償却の不足が大きくなるということになりまして、従いまして事業を合理的に運営するという上におきまして、非常に支障があります。減価償却を十分にいたしませんければ、十分な設備が維持できません。従いまして電話のサービスが劣るというようなことになりますので、そういうような意味合いにおきまして、この装置料の部分につきまして、軽く赤字を生じておるという状態、これだけは国民の皆様方にも御了解が行くであろうという予想のもとに本案を提出し、また事業の経営を少しでもよくしたいというようなぐあいにして、提出した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/18
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019・松井政吉
○松井(政)委員 二十五年度のあの予算と、それから現行千五百円以上実費でかかつた問題については、その他の操作でとんとんに行つているという御説明でありますが、それならば二十六年度予算についてお伺いをいたしますが、三百七十五億一千八百万円という電話の収入の中に、はたしてただいま出ているこの法律によつて上げようとする額が上るであろうという目算のもとに組まれておるかどうかということを一つ、それからさらにその次の損益勘定におけるもろもろの施設、たとえば電話の架設のための引込線工事、あるいはその他の工事に関する経費が計上されておりますが、それもやはりただいまお伺いいたしましたベース及び労務費、消耗品費等のものが入つておるのかどうか、入つておるならば、どういう形で入つておるかということをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/19
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020・肥爪龜三
○肥爪政府委員 電話に関する料金の中には、本法案で提案しております増資の部分を含んで出しておる次第でございます。それから第二点の御質問の点でございますが、もちろんそれも入つておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/20
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021・松井政吉
○松井(政)委員 それからもう一つお伺いしますが、どうも計算上納得できないのでありまするが、ただいまの説明だと、減価償却がますます多くなるというので、架設料その他を上げよう、こういうことでありますが、たとえば減価償却は、赤字が出るから減価償却をしないでよろしいという性質のものではないと考えるのであります。たとえば国の予算の中で、電気通信関係に関する予算が組まれて、その予算の費目にわたつて減価償却費が取扱われ、その費目にわたる減価償却の計算というものは、その機械の耐用年数を中心にして、減価償却が行われなければならないはずであります。ところがその減価償却費をとつて、将来に備えることができないから、今から加設をする費用の料金を値上げして、減価償却に充てるということは、経理学上成り立たないりくつなのですが、その点をいかようにお考えになつておるかということを、お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/21
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022・肥爪龜三
○肥爪政府委員 実は今月の三十一日の現在におきましては、私どもの方の資産は三百六十五億に達する予定でございます。これをいかように再評価するかということが問題でございますが、一応物価の騰貴の状態から見まして、各固定資産の構成要素の騰貴率をかけてみますると、千八百億余りの資産になるのでございます。これに対しましていかほどの減価償却率を見るかということが問題でございますが、現在の施設が、御案内のように過去の資産の食いつぶしと、それから戰争によります非常に大きな被害がございますので、こういうものを見ますれば、相当高率の減価償却をしなければならぬかとも考えるのでございますが、しかし目下の財政不如意の状態におきましては、そこまで見るのは困難である、しかしながら普通の状態だけは見たい、こう考えるのであります。普通の状態の減価償却率といたしまして、一応六分程度を考えておるのでございますが、この六分程度を考えますれば、大体先ほど申しました百六、七億くらいの減価償却はしなければならぬということになるのであります。今値上げいたしませんければ、大体財政をずつと見通しまして、減価償却に上げ得る金額が、たしか八十二億くらいにしかならないのであります。そういたしますると、減価償却の不足が非常に大きな数字になるのでありまして、従いましてこの減価償却というのは、現在の予算のやり方におきましては、建設勘定に繰入れまして、建設勘定で百三十五億の借入金と合せまして、工事をやつておるわけでございますが、そのときにその繰入れが少くなりますので、荒廃した施設を十分に救済することができません。従いまして現在の施設を十分に取替補充し、その資本の能率を維持するようにいたしまするためには、何とかしてこの経費を生み出さなければなりません。経費を節約して生み出すことは、これ以上困難であるという次第でございまして、しかしまた一方、一般的な料金の値上げも困難と考えましたが、この面だけは何とか御了解が得られるのではなかろうかというので、出しておるのであります。この装置料の値上げの原資は、将来のものでございませんで、現在すでに設備の維持をやらなければならぬ金の不足に充てたい、こういうわけで提案しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/22
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023・松井政吉
○松井(政)委員 そういたしますと、大臣が説明された理由書の中に、ただいま説明のような——たとえば物価の高騰という説明の一言がありましたが、そういう理由は一つもうたつておらないのであります。それで私はその実費の内容について伺つているのでありますけれども、減価償却に引き当てるに、新しく架設することが必要だということはわかりましたけれども、物価の上昇、あるいは物価の移動によつて、千五百円では架設ができなくなつたという説明を伺つていないのであります。この点についてはどう御解釈なさつているかということを、もう一点お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/23
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024・肥爪龜三
○肥爪政府委員 大臣からの御説明があつたのでありますが、それは四千円に値上げしていただきます場合の根拠を御説明になつたのであります。また林施設局長からもその意味合いで、算出の根拠が詳細説明されたのでありますが、先ほど御質問もございまして、そういう事業経営上の必要がどこから起つて来たか、もしほかの経理状態をよく見まして、経理状態さえほかの方で何とかまかないがつくということで、全体として減価償却も十分でき、何もかも満足な状態にありますれば、この部分において多少赤字でありましようとも、全体で何とかできれば、それでよろしいのでございますが、今申しましたような全体的の立場におきまして、経理が非常に困難になつておるというのであります。そこで国会におきましても、いろいろ議論のあつたことでございますが、拡張改良なり、施設の更新なりをしつかりしてやつて行かなければならぬ。そこで原資をどこで求めるかということにつきまして、先ほど来説明のありましたような理由で、この装置料は、これだけ値上げを御同意いただき得る根拠が十分ある。
〔庄司委員長代理退席、高塩委員長代理着席〕
そしてまた一般の物価騰貴に拍車をかけるようなおそれも、この部分においてはあまりないのじやないかというように考えましたので、この提案をされているわけでございまして、その点それだけとしての料金の算定方法としても合理的であり、また事業全体の経理から見ましても、この点を御了解いただきますならば、事業全体がよくなるというような意味合いで、この案が提案されておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/24
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025・松井政吉
○松井(政)委員 大体この通り行けば、改訂による予定増収額が四億七千五百万円、こういう資料が出ておるのであります。四億七千五百万円は予算の面において、建設勘定の電信電話設備の建設科目における百五十三億六千百万円のところに入つておるのか、それともこれらの設備に伴う人件費、調査費等四十億二千八百万円という費目に入つておるのか、どちらにこれが加算されておるかという、予算上の説明をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/25
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026・肥爪龜三
○肥爪政府委員 この金は建設勘定の総体の額が二百二十六億になつておりますが、その中で百三十五億が預金部からの公債金の受入れということになつております。それから約三億の金が終戰処理費からの受入れとなつておりまして、その他のものが要するに減価償却として損益勘定から繰入れになつておりまして、その中に入つておるのでございまして、その建設勘定の工事関係の経費に入つておるとか、あるいはまた人件費の中に入つておるとかいう問題ではございませんで、もしその点しいて申しますれば、双方に入つておるというのが正しいかと思うのでありますが、そういうわけで減価償却として一団として入つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/26
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027・松井政吉
○松井(政)委員 もう一点だけお伺いしますが、総体の中に入つているということでありますが、御承知のように、預金部資金からの公債としての受入れの百三十五億の中に入つていないということは、明らかであります。そうすれば、その次の損益勘定からの受入れの八十八億四千七百万円の中に入つているかどうかということ、終戰処理費からの三億五千万円に入つていないことは、これは明らかである。架設費の値上りによつている金額でありますから、入つていないことは明らかである。そのほかに、設備の建設に必要なる経費として計上されておるものの中に、架設のための人件費、消耗品費が入つていると解釈したいのでありますが、そこでもない、こういう御説明であるので、総体に入つている、こういうことに今解釈をされたのでありますが、たとえば電話の架設及び装置等は、当然やはり科目から行けば、建設勘定科目ではなかろうかと考えられる。建設勘定科目だとしますならば、設備の建設か、それとも建設に伴う人件費、調査費の費目でなければ相ならぬ。こういうぐあいに考えるので、再度お伺いするのでありますが、一、二、三、四とあつて、建設勘定の財源のところの御説明をただいまお伺いしましたけれども、財源でなくて、建設勘定の中に入つていなければならぬと解釈するのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/27
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028・肥爪龜三
○肥爪政府委員 建設勘定の中に入つているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/28
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029・松井政吉
○松井(政)委員 あとは次会に譲りまして、本日は私はこれで打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/29
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030・高塩三郎
○高塩委員長代理 田島ひで君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/30
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031・田島ひで
○田島(ひ)委員 松井さんから大体質問なさいましたので、二、三の点について伺いたいと思います。これだけの料金の値上げで四億七千五百万円も入ることになつておりますが、たしか文化新報なんかには、四十億からの電話料の未収金があると出ておりましたが、その内訳についてちよつと御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/31
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032・肥爪龜三
○肥爪政府委員 文化新報の、その四十億未収と出たというのを、私ちよつと見なかつたのでございますが、それはいつごろの文化新報でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/32
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033・田島ひで
○田島(ひ)委員 たしか連合軍関係、それから警察とか、いろいろな大きなところに、相当未収金があるというように記憶しておりますが、その未収金がどれくらいあるか、それをお教え願えればよろしいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/33
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034・田邊正
○田邊(正)政府委員 お答えいたします。数字は今ここに持合せがございませんので、はつきりお答えいたしかねますが、今私が記憶いたしておるところでは、国内電話関係の収入が約七、八億であると記憶しております。なおそれ以外に専用線と申しまして、市外線を貸しておる分がございますが、それがどのくらいでございましようか、要するに四十億というふうな数ではなくて、もつと私は下だろうと考えております。ただいま申し上げられるのはそれだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/34
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035・田島ひで
○田島(ひ)委員 数字がわからないとおつしやいますが、今度はつきりその数字を出していただきたい。そういう厖大な未収金があるのに、それをどうしておとりになれないのか、その点おわかりになりますか。そういうような大きな未収金が、とにかく七、八億にいたしましても、あるのであります。これは前に第何国会でしたか、警察電話の移管のときにも相当大きな未収金がありまして、この点についてお聞きしたことがありますのですけれども、やはり官庁関係とか、そういう方面に大きな未収金がありますのでしようか。個人の電話ですと、その日にとめられてしまうのです。電話料金の徴収は非常に個人はやかましいのです。私どもなんかでもこの間、きよう届けてくれ、いつの電話料かというと、今月のです、というわけで、御承知のように電話は郵便局に持つて行くとかいうのではなしに、電話局に持つて行かなければならない。そのくらいやかましく取上げられております。これはもちろん従業員の方が人手が足りないとかいうことで、一般大衆に対して不便が来ていると思いますが、大きいところだけは未収になつておるという原因について、ここでおわかりになつていたら御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/35
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036・田邊正
○田邊(正)政府委員 その原因はと申しましても、いろいろございます。私の方といたしましても、おつしやいますような一般の加入電話関係の料金ばかりを早くとるというわけではございませんで、そのほかの関係の料金の収入につきましても、いろいろ手段を講じておるわけでございますが、なかなか思うように参りません点もございまして、ただいま申し上げましたような数字が出ておるわけでございます。なおお話にございました電話料金を納めていただく場所の問題でございますが、これは現在は郵便局におきましても全部扱つてもらうというふうに直しまして、従つて今までと同じように、郵便局に納めていただいた方は、郵便局に納めていただいてよろしいように私の方で処置いたしてございます。その点はそういうふうに御承知願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/36
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037・田島ひで
○田島(ひ)委員 たいへんはつきりしない御返答ですから、次会までにもう少し詳しいデータをお出しいただきまして、連合軍関係に相当——たしか文化新報に出ておりました、私は今数字を記憶いたしませんが、それを今度お出しいただいて、その原因をもう少しはつきり御説明いただきたいと思います。
それからたしか公衆電話や何かの電話料も値上げするというふうに、新聞に出ておつたのであります。これは通信営業法案の中に一緒に入れて、そうして値上げするというようなことが政府の方の方針として、私電通年鑑を読んでおりましたら、本年度の電通事業の合理化の中に出ておつたと思うのでありますが、これだけ切り離してお出しになつたというのは何かいわくがあるのですか、またそれだけを切り離して出しておいて、選挙でも済んだらこの次に電話料の値上げをお出しになるのかどうか、その点お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/37
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038・田村文吉
○田村国務大臣 私からお答えいたしますが、先ほど御説明いたしましたように、これの収入は今度の予算に組んでございまして、四月一日から実施するようにいたしたい、こういう考え方でございますので、別の法案として出しました。営業法の方の問題でございますが、ちようど御質問がございましたからお答えいたしたいと思いますが、有線電気通信法と営業法と、できれば両方この国会に提案いたしたいと存じまして、いろいろ準備いたして参つたのでありますが、まだ関係方面との折衝が解決の域まで到達いたしておりませんので、どうなりますか、今のところこの国会に間に合わないかもしれません。あるいは間に合いましたら、営業法の中にはどうしてもきめて行かなければならぬようなものもございますので、そのものを拾い上げてやるか、あるいは営業法だけでも御審議を願うようになりますか、そういうことで目下折衝を重ねておるような次第でございます。その営業法の中には、料金の値上げは含んでおりませんが、料金をある程度調整してやるような考え方で、しかもそれは大体市外電話につきましてある程度の調整をしようか、こういうような意図を持つて、目下審議を進めておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/38
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039・田島ひで
○田島(ひ)委員 それからこれは装置料になつておりますが、このごろはいくら電話を申し込んでも、装置はされない、これはそこらでお聞きになればおわかりだと思う。警察電話の周囲の電話は、申し込んでも絶対受付けられぬということは、これは常識のようになつておりますが、これだけのとらぬたぬきの皮算用をしておいでになるのは、どこへ装置をなさるおつもりですか。やはり一般に装置をお許しになるのかどうか。私はこのごろ電話はさつぱりつけてもらえないということを東京でも聞きますし、名古屋でも聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/39
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040・田邊正
○田邊(正)政府委員 今度のこの装置料の値上げによります収入が四億七千五百万円程度でありまして、来年度の拡張予算の総額から見ますと、非常に少いパーセンテージであります。従つてこの四億七千五百万円がふえましたら、すぐに電話をたくさんすえつけられるというわけに参らぬ事情でございまして、結局電話の方は、二十六年度の二百十数億の拡張資金によつてきまるわけであります。われわれといたしましても、電話は一本でもよけいつけるようにいたしたいと、いろいろくふういたしておるわけでございますが、何といたしましてもこの大きいわくの問題がございますので、お話のようにたれでもすぐというわけには参らぬのははなはだ残念でございますが、そういう状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/40
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041・高塩三郎
○高塩委員長代理 田島さんに申しますが、今肥爪政府委員から、先刻の問題について説明をしたいという申出がありますから、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/41
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042・肥爪龜三
○肥爪政府委員 先ほど未収金のお話が田島さんからあつたのでありますが、四十億という数字は、一ぺん確かめてみますけれども、たとえば二十四年度の決算におきましては、未収金といたさざるを得なかつたのが十五億七千万円でございまして、本年度の決算におきましては、これは今のところ予定でございますが、未収金は六億九千万円に減る予定でございます。本年度の総歳入は四百六十五億の予定でございますので、それから見ますればごく一部分と思うのでございますが、なお未収金につきましてはこの上とも努力いたしまして、減るようにいたしたいと思つております。念のため追加して説明させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/42
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043・田島ひで
○田島(ひ)委員 もう一点だけお尋ねいたしますが、あの警察電話を移管してから、警察電話の障害率が非常に多く、七〇%くらいといわれておる。その方にほとんどいろいろ併用されて、民間の方が非常に阻害されている。特にひどいのになりますと、民間のを切りかえて、警察用あるいは進駐軍用に持つて行つているというようなことを聞きますけれども、最近は電話の故障が非常に多いのですが、その間の事情を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/43
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044・林一郎
○林(一)政府委員 施設の荒廃によりまして、かなり故障も多いということは、われわれ当事者もよく認識しておるのでありますけれども、しかしながらこれはだんだんと改善されております。警察電話の移管当時は、かなり警察施設は古くなつておりまして、あるい建設当時からのいろいろ施設に弱い点がございまして、台風等によりますと、非常な被害を受けるということも事実でございまして、非常に悩んだのでございますが、これらもだんだん補強して正常に復しつつございます。この警察施設の復旧のために、一般公衆の施設の復興が遅れておるかどうかということでありますが、年度当初から、警察電話の脆弱なる部分につきましてこの手入れ等は、計画的にやつているのでありまして、この部分としては、総体を非常に悪く影響させるようなことはないように努力している次第でございます。
なお現在電話のかかる率が非常に悪いという原因の一つには、施設が少くて、電話は故障ではないけれども、相手が話中であつたり、また大都市になりますと、局の間の施設が足りないために、局数字をまわさないうちに話中になるという、この率が非常に多うございます。私どもの統計によりますと、故障率というものは、市内においてはだんだん減つて明るい面を見せておりますが、市外は戰前以上の回復率を見ている部分もありまして、この補強修理につきましては、前途なお努力しなければならぬのでありますが、次第に向上していることを申し上げておきます。なお市外がせつかくよくても、市内の方におきまして、なかなか相手が出ないということのために、通話なさる方には通話の状態が非常に悪いという印象が強うございますので、できるだけこの施設もふやしまして、すらすら通るということを念願している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/44
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045・田島ひで
○田島(ひ)委員 普通電話のケーブルには、予備線があるということを聞いておりますが、このごろはその予備線がほとんどふさがつているということを聞いておりますが、そうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/45
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046・林一郎
○林(一)政府委員 極端にまで施設の活用をしておりまして、従来よりもこの予備線は減つております。その点につきましてはあまりにきゆうくつであるという程度になつておることは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/46
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047・田島ひで
○田島(ひ)委員 新設いたしますときには、新しくケーブルをやはり装置しなければならないということで、相当の大きな工事に費用を要する結果になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/47
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048・林一郎
○林(一)政府委員 その通りでございまして、施設というものは年々やりかえるということではなく、地上に出た部分については大体五年分、地下につきましては最小十五年分ぐらいを引くということが標準になつておりますが、最近ではもう引いた部分がすぐに一ぱいになる、こういうような実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/48
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049・田島ひで
○田島(ひ)委員 そうしますと、私まだよく詳しいことはわかりませんけれども、新しく申し込むときなんかに、装置の架設料ですか、装置料がいる、そういう実費を必要とするのですか。そうしますとなかなか一般の人が四千円の架設料を申し込んで、そのほかのそういうような工事の別の費用も要するという結果になりますと、なかなか普通の人には加入ができなくなるというような、まあ電話の大衆化というようなことは、ちよつと及びもつかないことになるように思われますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/49
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050・田村文吉
○田村国務大臣 私からお答えいたしますが、現在では装置料は、つまり外の線があるところから家へ引きますものの工費と消耗品の費用でございますが、全般的にはみな電気通信省で負担いたしまして、ケーブルを増設するなり、機械を増設するなり、建物を建てるなり、みなやつているわけでありまして、その点は現在におきましては別にそれ以上の負担はないわけであります。しかし省だけではどうも電話の普及が早く行かないじやないかというようなことから、場合によつて非常に遠方である場合には、そういうような費用を若干でも負担してもらつたらどうだというようなことは考えておりますので、あるいはこれを法制化して、御相談するようになるかどうかわかりませんが、考えております。が、現在ではすべて電気通信省の事業として、省が負担してやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/50
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051・高塩三郎
○高塩委員長代理 ほかに御質疑ございませんか。
質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
午後三時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X00619510313/51
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