1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十四日(土曜日)
午後三時五十九分開議
出席委員
委員長代理 理事 高塩 三郎君
理事 庄司 一郎君 理事 辻 寛一君
理事 松井 政吉君
青木 正君 大西 弘君
岡西 明貞君 關谷 勝利君
高木 松吉君 橋本登美三郎君
松本 一郎君 石井金次郎君
田島 ひで君
出席政府委員
電波監理委員会
委員長 富安 謙次君
電波監理長官 長谷 愼一君
委員外の出席者
総理府事務官
(電波監理総局
法規経済部長) 野村 義男君
電気通信事務官
(大臣官房審議
室長) 杉山 榮藏君
専 門 員 吉田 弘苗君
専 門 員 中村 寅市君
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三月二十四日
委員犬養健君及び鈴木明良君辞任につき、その
補欠として高木松吉君及び青木正君が議長の指
名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
有線放送業務の運用の規正に関する法律案起草
の件
電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案
起草の件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/0
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001・高塩三郎
○高塩委員長代理 本日も委員長が病気欠席でありまするから、私が委員長の代理として職務を行います。
これより会議を開きます
有線放送業務の運用の規正に関する法律案起草の件を議題といたします。本委員会は去る一日有線放送業務の運用に所要の規正を加えるために小委員会を設置し、小委員会において慎重に御審議を願つたのでありまするが、このほど小委員会におきましては、有線放送業務の運用の規正に関する法律案の起草について、成案を決定されたとのことであります。この際放送法の一部を改正する法律案起草小委員長橋本登美三郎君より、本案について小委員会の起草の経過並びに成案を報告し、委員会に本案を提案したいとの申出があります。これを許します。橋本小委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/1
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002・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 有線放送業務の運用の規正に関する立法措置のために、去る三月一日、本委員会の議決によつて設置せられました放送法の一部を改正する法律案起草小委員会における法案起草の経過と結果とに関し、御報告申し上げます。
小委員会におきましては、三月二日、第一回の会議を開きまして、まず法律案の起草方針を定め、引続きこの方針に従つて関係政府当局と打合せの上、一案を作成、三月七日の小委員会に付議の上、一応の成案を決定いたしたのであります。小委員会は、その後この案を基礎として、再三にわたり参議院電気通信委員と意見を交換し、また情報によつて知り得た関係方面の意向を参酌する等、さらに慎重に検討を加えました結果、三月十七日の第五回小委員会において、従来とり来りました放送法の一部改正による立法方針を改めて、単行法の形態をとることに決し、法案の内容につきましても、二、三の修正を施しまして、ここに有線放送業務の運用の規正に関する法律案を最終成案として決定し、同日仮提出の手続をとつたのであります。
以上の経過につきましては、去る三月十九日の本委員会におきまして、私より中間報告を行い、御了解を求めた次第でありますが、その後三月二十三日に至り、関係方面の了承をとりつけましたので、本日重ねて小委員会を開いて最終議決を行い、ここにあらためて本委員会の席上、有線放送業務の運用の規正に関する法律案起草の趣旨並びにその内容につき御説明を申し上げ、本案を本委員会提出議案として、国会に正式提出することにつき、委員各位の御賛成を得たいと存ずるのであります。
〔高塩委員長代理退席、庄司委員長代理着席〕
まず本法案起草の趣旨について申し上げます。御承知の通り、最近北海道を初め、全国にわたりまして、有線放送の施設が急激に増加し、その業務の内容も、当初はラジオの共同聽取を目的とするものでありましたが、漸次、これにあわせて、マイクロフォンを設け、官公庁公示事項、農漁業協同組合等の連絡事項、農事水産等の指導、緊急事件その他の隣保周知事項のほか、各種の講演、講座、慰安、娯楽、商業広告等の番組を編集して放送し、ときには選挙運動にも利用されるようになつたのであります。これらの有線放送は、主として農漁村において発達を見ておりますが、一部は都市においても実施されております。有線放送の業務形態としては、以上申し上げたもののほかに、商業広告を主とするいわゆる街頭放送もあるのでありまして、この街頭放送の施設も、全国の都市にわたつて逐次増加の傾向を示とて来ております。農漁村等における有線放送は、無電力地帶ないしラジオ電界強度の低い地域における無線放送聽取の方法として、あるいは交通、通信の便に乏しい地方における隣保的連絡の手段として、現実の必要にかられて発達したものでありまして、その業務の運用、設備の施設が適正に行われておれば、国としては特にこれに干与すべき限りではないのでありますが、各方面の調査によれば、これらの有線放送及び街頭放送は、今日特別の法的拘束なく、自由に番組を編集してこれを放送しているため、ときに報道の真実を害し、政治的公平を欠き、ある場合には、その放送によつて公安を害するおそれすら予想せられる実情にあるのであります。いわゆるマス・コンミユニケーシヨンの方法として、相当強力な伝播力を有する有線放送を、かかる実情に放置することは、公共の福祉を保持する上に一つの欠陥をなすものでありまして、立法手段により、有線放送業務の放送番組につき、無線放送番組を規律するラジオ・コードその他の準則と同様の規律を与えることは、現下諸般の情勢に照し、きわめて緊急かつ重要なことと存ずるのであります。これが本法律案を制定しようとする理由であります。
次に法律案の内容につきまして、その主要に点を御説明申し上げます。
第一に、まず第一条において「この法律は、有線放送の業務の運用を規正することによつて、公共の福祉を確保することを目的とする」旨を規定して、法律案の目的を明らかにしたのであります。念のため申し添えますが、有線放送につきましては、番組面の問題のほか、設備面におきましても、各地において施設の不備欠陥に基く、他の有線通信への妨害の問題を生じておるのでありますが、設備面の規正は、すべてこれを既存の電信法及びその付属の命令に基く行政措置に譲り、本法律案においては、もつぱら番組面の規正についてのみ規定しておるのであります。
第二は、第二条に有線放送の定義を掲げるとともに、第十条に適用除外に関する規定を設け、本法律の適用範囲を明らかとしたのであります。
第三に、この法律による有線放送業務の運用規正の主管庁は、電波監理委員会とし、第三条においては、有線放送の業務を行うとする者に、同委員会への届出の義務を課し、これに伴つて、同条後段に届出書記載事項の変更届出、第七条に業務の廃止の届出、附則第二項に、この法律案施行の際、現に業務を行つている者の届出に関し、それぞれ規定を設けたのであります。
第四に、有線放送の番組につき、いかなる規律をなすべきかは、すなわち本法律案の実質をなすものでありますが、これにつきましては本案第四条におきまして、放送法に規定された無線放送番組に関する準則を準用する方針をとつたのであります。すなわち放送法中、放送番組に関する規定のうち、放送事業者全般を規律する放送番組編集の自由、公安及び政治的な公平の保持、報道の真実及び中正に関するラジオ・コード、その他訂正放送、候補者放送に関する規定は、いずれもこれを有線放送の業務に準用したのでありまして、これらは言論及び報道に関する最小限度の規律であり、有線放送番組についてこれを適用することは、公共の福祉を維持増進する上から、必要適切な措置と考えるものであります。
なお第五条に、有線放送の業務を行う者は、同意を得なければ、無線放送事業者の放送を受信して再放送してはならない旨の規定を設けております。
第五は、その他第六条、報告及び監査、第八条、業務の停止及び運用の制限につき規定を設けて、本法律案施行の確保をはかるとともに、有線放送の業務を行う者を保護するため、第九条に、電波監理委員会の処分に不服のある者は、電波法に定める聽聞手続による異議の申立てができる旨を規定しております。
第六に、第十二条ないし第十六条は罰則規定でありまして、本法律案の違反行為に対する刑罰を規定いたしました。
第七は、附則第一項は、この法律の施行期日は、公布の日から三十日を越えない期間内において政令で定める旨を規定し、同第四項は、本法律案制定に伴つて、電波監理委員会設置法に所要の改正を行つておるのであります。なお本法律案の施行に要する経費は、年額約千五百万円であります。
以上をもつて本法律案の概要の御説明を終つたのでありますが、詳細につきましては、お手元に配付いたしました法律案及び同制定要綱についてごらんを願い、さらに御質疑の点はこの席よりお答え申し上げたいと存ずるのであります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに本案の提出を議決せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/2
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003・庄司一郎
○庄司委員長代理 ただいまの小委員長の報告について、御質疑なりあるいは御意見なりがありますれば、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/3
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004・田島ひで
○田島(ひ)委員 私はきよういろいろな資料をいただきまして、詳しく見ておらないのでわかりませんが、一、二の点をお尋ねします。共同聽取になると、聽取料なんかはどういう関係になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/4
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005・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 聽取料の問題は、現在電波監理委員会の規定は、マイクロフオンと受信設備と一緒にして聽取料の対象にしております。従つて共同聽取の場合は、特にこれの規定を電波監理委員会の規定に設けてありまして、マイクロフオンごとに徴収をするという建前になつております。ただこの点については慎重審議の結果、なお法律的には不十分である旨は十分に考えられますけれども、一応現行規定としてそうした取扱いをしておりますので、その問題には直接触れておりません。ただ有線放送の番組の編成の問題を中心に取上げております関係上、この点特にこの法律案には掲げておりません。従来の方針によつて徴収してさしつかえない、こう見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/5
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006・田島ひで
○田島(ひ)委員 電通関係の方にお伺いしたいのですが、たしか有線電気通信法案がこの国会に出るように聞いておりましたが、それとの関係はどうなりますか。そういう法案が出るのでしたら、その中で一括してこういう法案は、それとの関連で審議なさるのが当然ではないかと思う。それと切り離して特にこれだけをお出しになるという理由がちよつとわかりませんが、特にこれは議員提出になつておりますが、この点電通省関係の政府の御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/6
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007・杉山榮藏
○杉山説明員 ただいまの御質問につきましお答えいたします。われわれといたしましては、今国会に有線電気通信法と公衆電気通信法案を提出いたしまして、慎重御審議を願う予定でございましたけれども、われわれの手続上の関係におきまして、本国会におきましては提出いたすことが確実にできるという見通しまで行かない状況でありまして、おそらくはそういう観点におきまして、旧電信法の規定によりまして御処置相なるという御見解に達したというふうに、私ども拝聽いたしておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/7
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008・田島ひで
○田島(ひ)委員 有線電気施設の監理と有線放送との関係はどういうふうになつておりますか。もうちよつと御説明いただきたい発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/8
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009・杉山榮藏
○杉山説明員 この点は、この有線放送業務の運用の規正に関する法律案におきましても、有線電気通信法が意図しておりまするわれわれの従前からの態度には、いささかもかわりがございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/9
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010・田島ひで
○田島(ひ)委員 そのお答えではちよつとわかりませんので、もう少し詳しく御説明いただきたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/10
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011・杉山榮藏
○杉山説明員 ただいま橋本小委員長からも御説明のありましたように、施設の監督の面につきましては電気通信省がこれを監督する、そして放送の運用、実務の面につきましては電波監理委員会がこれを行うということになつておりますので、有線電気通信法が成立しない当分の間は、電信法によりましてこれを規律する従来の立場をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/11
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012・田島ひで
○田島(ひ)委員 提案者にもう一つお伺いしたいのです。今街頭宣伝社あたりで街頭宣伝がなされておりますが、それに対するいろいろの制限など出て参りますか。私はきよう資料をいただいたばかりで、詳しく読んでおりませんので、その点伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/12
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013・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 杉山説明員からお答えのあつた点に補足いたしますが、この法律案は設備に関する規定ではないのであつて、従つて有線電気通信法とは別個になります。電気通信法ができましても、有線放送の業務の運営、これについては有線電気通信法でも取上げることのできない性格のものですから、当然別個の法律が必要でありますので、電気通信法ができましても、この法律は別個に生きておるというように御解釈願います。
第二の街頭宣伝のことですが、これは恒久的な設備を持つものは、法文にありますように、この法律の対象になります。従つて銀座方面にあるような宣伝塔は、もちろんこの法律の対象になるのでありまして、この規制を受けるわけであります。しかし臨時的に行われるもの、あるいは特定なもの、たとえば国会内におけるそういう設備とか、官庁内における設備とかいうものは、これから除いております。鉄道内のものも除いております。従つて恒久的な街頭放送は、当然これの規制の範囲内に入りますことは、条文でごらんの通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/13
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014・庄司一郎
○庄司委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。
では次に、本案を本委員会の成案とし、委員会提出の法律案とすることについてお諮りをするのでありますが、採決に入ります前に、本案について討論を行います。田島君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/14
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015・田島ひで
○田島(ひ)委員 私は共産党を代表して、本法案に反対をいたします。その理由といたしましては、共聽施設の目的は、第一に、放送を聞けないいなかや文化的に遅れた地方の人々に便宜を与えること、第二には、この施設がただちに集団生活の連絡に利用できること等にあります。だから文化を真に民主的に振興し拡大するためには、放送内容の民主化が必要であります。また最近料金が上げられましたが、料金の低いことが必要であります。そして放送を聞けない現在五〇%の世帯、特に農村の大衆や遠隔の人々に対して、国家的資金の援助による共聽施設、受信機の販売等が必要であつて、国家による物的な援助が何らなされないで、単に一片の法律によつて規定されましても、結局はほんとうに放送の聞けない人々はその恩沢に浴することはできません。特に憲法に規定された言論の自由を完全にするためには、一般公衆通信をして、放送に悪影響を与えない範囲で、文化団体、政党、あるいは農民協同組合、労働組合その他民主的な団体に対して、有線放送が活用されることが一番望ましいことであります。このことがほんとうを言えばこの法案の最大の任務でございますけれども、本法案を一瞥いたしますと、大体において一部の地方ボスが政治的にこれを利用して、一方的に非常に偏した監理委員会の放送の制限のもとに、これが行われるということに結果においてはなります。そのために本法案は一応はいかにも放送の聞けない農村の人々に対する便宜を与えておるようでありますけれども、結果においてはこれと反する結果が現われておりますので、私は日本共産党を代表いたしまして、本法案に反対するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/15
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016・庄司一郎
○庄司委員長代理 ほかに討論をする方はありませんか。——なければ、これにて討論は終局いたしました。
お諮りいたします。本案を当委員会の成案として、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/16
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017・庄司一郎
○庄司委員長代理 起立大多数。よつて本案を本委員会の成案とし、委員会提出の法律案とするに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/17
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018・庄司一郎
○庄司委員長代理 次に橋本委員より、電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案を、本委員会提出の法律案として提出したいとの申出がございます。この際その趣旨の説明を許すに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/18
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019・庄司一郎
○庄司委員長代理 御異議なしと認めます。よつて橋本登美三郎君にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/19
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020・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
御承知の通り電波監理委員会は、電波管理行政を所掌する会議制の機関でありまして、国家行政組織法に基き、昨年六月一日、総理府の外局として設置されたものでありますが、電波監理委員会の委員長及び委員は、その資格及び任命の方法、兼職の禁止、退職後の就職制限等につき、電波監理委員会設置法によつて明確に規定されておるのみならず、さらに設置法第七条第二項の規定により、国家公務員法に定める服務の根本基準、職務に専念する義務、政治的行為の制限等の規定の準用を受けておるのであります。
しかして委員長及び委員の服務状況を見まするに、同委員会発足以来、政令、規則の制定その他電波三法の施行に伴う事務のため、現に連日にわたつて委員会を開催する等、事実常時勤務の状態にあるのみならず、委員会の所掌事務の性質上、無線局及び無線従事者の免許、その他電波法、放送法等に基く行政事務はすこぶる広汎多岐にわたり、現在の繁忙状態は将来にわたつて継続するものと予想せられるのであります。
ただいま申し述べました通り、電波監理委員会の委員長及び委員は、その職務の性質及び服務の状況、ともに一般公務員と格別の径庭がないにかかわらず、現在におきましては、単に恩給法上の官吏であることが明らかでないというゆえをもつて、恩給を受ける権利がないものとせられておるのであります。
本法律案はかような不合理を除き、電波監理委員会の委員長及び委員に対し、適正妥当な所遇を与える趣旨をもつて、電波監理委員会設置法の一部に改正を加え、委員長及び委員を恩給法第二十条に規定する文官とする旨を規定せんとするものであります。
何とぞ御審議の上、すみやかに本委員会提出議案として、本案の提出を議決せられんことを望む次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/20
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021・庄司一郎
○庄司委員長代理 ただいまの橋本君の趣旨説明について、質疑なり御意見はございませんか。
ないようでありますから、これより討論に付します。松井委員よりお申越しがございます。松井委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/21
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022・松井政吉
○松井(政)委員 御承知の通り小委員会においては、有線放送業務の運用の規正に関する法律案が、放送法案の一部改正として審議せられるということになつておつた際には、同法案の中に加えられていたのでありますが、これを分離して別にすべきだということが、小委員会の満場一致で決定をされましたので、電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案と相なつたのであります。
そこでこの電波監理委員会の委員長並びに委員が、恩給法の二十条に規定する文官となり、そうして一般の国家公務員と同様に恩給の規定の適用を受ける、こういうことが目的であります。私これには反対はないのでありますが、われわれが法律を改正し、あるいは法律をつくる場合に考えなければならないのは、電波監理委員会と同様な形において、国家公務員であり、さらに常時勤務しておるものに、もろもろの委員会があります。たとえば公正取引とか、あるいは外為等は同じ形のものであります。そこで公正取引の場合は、御承知のように法律の内容によつて恩給法が適用され、外為の場合は適用されておらないのであります。全体から考えますと、恩給法を改正いたしまして、同一種類の委員会には全部適用させるか、あるいは全部適用させないか、いずれか一方に統一をはかることが、本来ならば妥当であります。ところが今国会に恩給法の改正が、議員立法としては非常に困難である。しかし電波監理委員会の委員が、事実上国家公務員とかわりがなく、出ておる委員は常勤であることに間違いない、こういうことになりますと、国家公務員を中心として恩給法を適用しようとする恩給法の二十条の規定の文官となる、これは妥当だというりくつも出て来るのであります。いろいろ疑義はあるのでありますが、電波監理委員会の委員長並びに委員の職責、さらに明らかに常勤であるという現実の上に立つて、この法律案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/22
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023・庄司一郎
○庄司委員長代理 他に御討論もないようでありますから、本案を当委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案とするに御賛成の諸君の御起立を求めます
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/23
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024・庄司一郎
○庄司委員長代理 起立多数。よつて本案を委員会の成案とし、委員会提出の法律案とするに決しました。本日はこれをもつて散会いたします。
午後四時二十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X01019510324/24
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