1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月三十日(水曜日)
午後一時二十五分開議
出席委員
委員長 關内 正一君
理事 庄司 一郎君 理事 高塩 三郎君
理事 辻 寛一君 理事 長谷川四郎君
理事 松井 政吉君
井手 光治君 岡西 明貞君
中村 清君 橋本登美三郎君
松本 一郎君 畠山 重勇君
田島 ひで君
出席国務大臣
電気通信大臣 田村 文吉君
出席政府委員
電気通信政務次
官 加藤隆太郎君
電気通信監 山下知二郎君
電気通信事務官
(業務局長) 田邊 正君
電気通信事務官
(施設局長) 林 一郎君
電気通信事務官
(経理局長) 肥爪 龜三君
委員外の出席者
電気通信事務官 靱 勉君
電気通信事務官
(大臣官房審議
室長) 杉山 榮藏君
電気通信事務官
(業務局周知調
査部営業企画課
長) 吉田 修三君
電気通信技官
(施設局施設部
長) 平井 始君
專 門 員 吉田 弘苗君
專 門 員 中村 寅市君
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五月二十九日
電話設備費負担臨時措置法案(内閣提出第一八
一号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
電話設備費負担臨時措置法案(内閣提出第一八
一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/0
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001・關内正一
○關内委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。
議事に入ります前に、御報告申し上げます。去る二十八日本委員会において決定いたしました電気通信省職員に対する給與制度の改善に関する申入れの件は、案文作成の上、昨二十九日人事委員長に手交いたしましたので、御報告申し上げます。なおその案文につきましては、委員長及び理事に一任となつておりましたが、この際申入書を朗読いたします。
電気通信省職員に対する給與制
度の改善に関する申入書
現行国家公務員の給與制度は、職務の級に従つて画一的に定められている固定給を原則とするものであつて、職員各個の能率差を直接給與に反映させることは困難であるのみならず、給與法規に基かずしては、いかなる金銭または有価物の支給をも禁じられている。
しかるに本委員会の所管に属する電気通信省にあつては、十四万職員中十一万余の多数を占める現業員は、電報の送受、電話の通話及び交換取扱い、通信設備の建設保守、機械の組立修理等の作業に従事しているのであつて、これらの従業員が各職場において作業能率を発揮するといなとはただちに電気通信事業全般の成績を左右するとともに、経営収支にも多大の影響を及ぼすものである。従つて電気通信現業職員にあつては、各人の勤労の成果に応じて報奬手当を支給する道を開き、その勤労意欲を高め能率の増進をはかることの必要が、一般行政事務職員に比し、一層緊切なるものがある。加うるにこれらの電気通信職員は、その作業の性質上仕事の出来高を具体的に測定し得るものが多く、能率差による附加給與もきわめて公正に支給することができると認められる。
よつて本委員会においては、すみやかに現行国家公務員給與制度に適当な改訂を加え、電気通信現業職員に対し、能率加給を支給し得る方途を講ずべきであるとの見解に達し、去る五月二十八日の会議の席上、上述の見解を国家公務員給與を主管する貴委員会に伝達し、適宜の措置を要望する旨の議決を行つた。小職は右議決に従い、この申入書によつて貴委員会の御配慮をこいねがうものである。
昭和二十六年五月二十八日
衆議院電気通信委員長
闘内 正一
衆議院人事委員長
田中伊三次殿以上であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/1
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002・關内正一
○關内委員長 それでは昨二十九日本委員会に付託になりました電話設備費負担臨時措置法案を議題とし、審査に入ります。まず趣旨の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/2
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003・田村文吉
○田村国務大臣 ただいま議題となりました電話設備費負担臨時措置法案の提案理由を御説明いたします。
電気通信設備の拡張のための外部資金といたしましては、昭和二十五年度において百二十億円、昭和二十六年度において百三十五億円が予算上認められたのでありますが、これだけの資金によりましては、国民の電話に対する熾烈な要望を満たすことはとうていできない現状であります。国民の加入電話に対する需要を見ますと、加入申込みをしてまだ架設されない数が、本年一月末現在において四十万を越えており、これが昭和二十六年度末においては、七十万余に達するものと推定されるのであります。一方構内交換機及び電話機の装置の請求も厖大な数に上つているのであります。これに対して、本年度の拡張資金では、加入電話につきましては、右四十万の需要の約二割程度、構内交換機及び電話機の請求につきましては、その一部を満たし得るにすぎない状況でありまして、来年度以降拡張資金のわくが著しく拡大されない限り、右の需要を満たすのに、ほとんど十年を要することとなるのであります。かくのごとくに推移せざるを得ないといたしますならば、わが国の経済その他各般の活動が、電話のために著しくはばまれることとなりますので、わが国の復興を促進するため、電話拡張資金をあとう限り増加して、急速に電話設備の拡張をはかることが今日の急務と考えられるのであります。よつてその資金獲得の一方法といたしまして本法を制定し、通常の拡張資金として認められるもののほか、利用者負担の方法を臨時的にとり、電話に対する緊急な需要をできるだけ多く満たして行きたいと考えるのであります。
本法案のおもな内容を申し上げますと、この法案による設備費を負担していただく人は、一、加入電話の加入申込者、二、増設機械、すなわち構内交換機及び電話機に限ります、の装置の請求をする加入者、三、戦災電話の復旧を請求する加入者であります。
しこうしてその負担額は、加入電話につきましては、電話取扱局及び加入電話の種類によりまして、単独電話は一、二級局すなわち六大都市及び福岡、金沢、は三万円、その他の局は二万円、二、共同電話は一、二級局二万円、その他の局は一万四千円、多数共同電話は一万円を予定しております。
構内交換機につきましては、その種類ごとに設備費の実費程度、電話機につきましては、一箇につき四千円と予定しております。これらの負担金は、加入電話につきましては、加入者の死亡などによつて、その電話を十分に利用できなかつた場合にも返さないこととするのは、あまりに酷でありますので、五年以内に加入契約が失効し、電話を利用できなくなつたときは、その全額を返還し、また増設電話機につきましては、その利用を十年以内に廃止したときは、一年ごとに負担額の十分の一ずつを差引いて返還することとしております。
戦災電話は、加入権が存続しておりますので、一般の加入申込みの場合と取扱いを区別し、特に期限は設けないで、加入契約が効力を失つたときに、その負担金を返すことにしております。
なお国の機関の電話につきましては、この法律は適用しないことといたしました。
最後に、この法律によりましてどれだけの收入があるかと申しますと、昭和二十六年度におきましては、第二・四半期から実施するといたしまして、約三十三億程度と見込まれます。これを財源の一部といたしまして、当面の熾烈な電話需要をできるだけ多く満たして行きたいと存じます。
何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決せられますよう御願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/3
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004・關内正一
○關内委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。高塩三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/4
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005・高塩三郎
○高塩委員 ただいまの大臣の御説明に対しまして、若干の質問を試みたいと思います。
まず第一に、電話加入につきまして、昭和二十二年度以降、設備費は全廃されまして、加入者は單に装置料のみの負担で開通を見ていたのでありますが、電話需給の不均衡、あるいは予算の不足から、電話拡張が思うにまかせないならば、あくまで予算の獲得によつてやるのが正当であると思うのでありますが、これに対しまして、大臣の所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/5
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006・田村文吉
○田村国務大臣 ごもつともの次第でございまして、さような意味におきまして、過去におきましても、毎年これの資金の獲得につきまして努力をいたして参つたのでありますが、現在における財政状況その他の点からいたしまして、なかなか困難であります。さりとて現在のままに放置しておきまして、電話の窮迫をこのままにいたしておきますということは、産業、経済にも非常に悪影響を及ぼす、こう考えましたので、やむを得ざる措置といたしまして、かような法案を提出いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/6
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007・高塩三郎
○高塩委員 次にこの法律の施行に伴いまして、約三十三億の収入が期待し得られるのでありますが、これを財源として、どのくらいの電話が本年度計画以上に増設する見込みがあるのか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/7
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008・田村文吉
○田村国務大臣 これによりまして、現在、本年度の計画しております七万五千のほかに、大よそ三万三千を増加いたす予定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/8
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009・高塩三郎
○高塩委員 次に電話公債の問題でありますが、電話公債のときは、電話加入権の移転の場合にも、公債を買う義務があつたにかかわらず、今回の負担金は、加入権の移転には課されない、その理由をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/9
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010・田村文吉
○田村国務大臣 現在におきまして、は、関係方面の御趣旨がありまして、電話は国で全部設備する、国の所有にして置く、こういうような方針になつておりますので、これを移転売買することは禁止されておるような状況であります。かような意味がございますので、売買移転のできないような原則はそのまま残した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/10
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011・高塩三郎
○高塩委員 次にこの法律案によりますと、電話設備費の負担をするのは、新規加入の申込みをなす者でありまして、いわゆる旧電話の加入権を継承した者、すなわち電話を買つた人は、その負担を免かれる結果、電話の売買市価を著しく騰貴せしめる結果と相なるのではないかと思いますが、これに対する御所見はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/11
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012・田村文吉
○田村国務大臣 これによりまして、在来の売買自由でありました電話の料金が上るのではないか、こういう御心配のようでありますが、絶対数がふえて参りますので、電話は今までよりはつきよくなる、こういうことによりまして、かえつて過去における高い権利というものが、だんだん低下するというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/12
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013・高塩三郎
○高塩委員 戦時中に設備転用を行つたいわゆる動員電話の復旧につきまして、電話設備費の負担は必要とするかどうか。もし必要としないならば、第三条の戦災電話の復旧の場合と取扱いを異にした理由はどうであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/13
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014・靱勉
○靱説明員 動員電話につきましては、設備負担金を徴収いたさないということに、この法律案ではなつております。しからば焼失電話すなわち戦災電話と区別した理由いかん、こういうことでありますが、動員電話は、御承知の通りまだ戦災を受けないのを、他に転用するために非常な強権的にこれを取上げたという実態になつておるのであります。これは戦災を受けて焼けたものでも何でもないという点におきまして、戦災電話よりなおさら、その復旧につきましては、政府において責任をもつてやらなければならぬ性質のものであると、私ども考える次第であります。戦災電話につきましては、これはもちろん自己の過失によつたのではないのでございますけれども、いずれにしてもその設備が滅失してしまつたというような事態にありますので、この点はなはだお気の毒ではありますが、負担していただく。しかし新規のものと違いまして、戦災電話は旧電話に属しますので、移転売買は自由になるという点だけは、新電話よりさらに特質を持つておるというふうに考えられるわけであります。しかもまた火災等におきまして一般に焼失しました電話は、もちろん負担金をとらないで復旧するということにいたしておる次第でございます。戰災電話だけさようにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/14
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015・高塩三郎
○高塩委員 この法案の第七条に、国の機関については本法を適用しないとありますので、さような五つの場合についてお伺いいたしますが、まず第一点といたしまして、特別会計の建前から申しますると、国も設備費を負担せしめてもさしつかえないと思うのでありまするが、適用除外をした理由はどうであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/15
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016・靱勉
○靱説明員 設備負担金の性格から申しますと、必ずしも国の機関についてもちようだいしてはならぬという理由はないわけでございますが、これは国の予算の関係がございまして、在来たとえば公債等を課する場合におきましても、国の機関は除外いたしておつたわけであります。結局国の会計の相互のやりとりというようなことを考えまして、一応除外いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/16
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017・高塩三郎
○高塩委員 第二点でお伺いいたしますが、電話公債法のときには、地方公共団体も適用を除外したのであるが、今回は除外しなかつたその理由をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/17
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018・靱勉
○靱説明員 御説の通り、この前公債の場合には地方公共団体につきましても、公債を買つていただかなくてもいい形にしておつたのでございますが、全然別の会計でありますので、私どもとしましては、今回は私人の場合と区別する理由を考えませんで、一般と同様に負担していただく、国は国の会計として相互のやりとりでございますので、負担はお願いしない、こういう形にしたものでございますので、地方公共団体においては、特に地方自治の本旨にものつとりまして、負担をお願いしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/18
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019・高塩三郎
○高塩委員 なお第三点についてお聞きいたします。国鉄は国の機関と見るのでありまするが、もし見るといたしました場合に、その法的根拠があるかどうか、その点について説明をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/19
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020・杉山榮藏
○杉山説明員 ただいまの日本国有鉄道法によりますると、その六十三条に道路運送法、電気事業法、土地収用法、その他の法令云々と書いてありまして、法の適用に関しては、「この法律又は別に定める法律をもつて別段の定をした場合を除くの外、日本国有鉄道を国と、日本国有鉄道総裁を主務大臣とみなす。」という規定がございます。従いまして、日本国有鉄道法にこの設備負担金の法律も適用除外するとか、あるいはこの設備負担金の法律の中に日本国有鉄道、国鉄公社を除くという表現がございません限りは、国の機関と見なされるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/20
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021・高塩三郎
○高塩委員 なお続いてその点に関してお尋ねいたしますが、それでは各種公共団体はどうであるか、なお専売公社、各種公庫はどうであるか、その御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/21
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022・杉山榮藏
○杉山説明員 たとえば日本専売公社法にはその四十九条に、他の法令の準用という条文がございまして、この法律の適用において政令でこの設備負担金の法律を準用することになりますれば別問題といたしまして、ただいま御審議中の法律案からは直接には日本専売公社というものは含まれておりません。特に指定いたしますれば、その適用を受けるわけであります。その他の公団は、これは行政組織の中に入つておりませんので、そういう意味で当然適用があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/22
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023・高塩三郎
○高塩委員 法律の解釈についてお伺いをしますが、本案の設備費は、財政法第三条の事業料金でありまして、電信電話料金法の電話に関する料金と同性質のものであると解釈してよろしいかどうかお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/23
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024・吉田修三
○吉田説明員 ただいまの御質問の御趣旨にお答えいたしますると、本法によりまする設備負担金は、やはり一種の料金であろうと思います。すなわち特定の場合にお返しいたしますという点が入つておりますが、その点は若干例外的性質を帯びておりますけれども、その他は加入するための権利金でもございませんし、結局電話設備の拡張の資金に充当するための益金を得るという目的を持つた一種の特別の料金というふうに解釈いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/24
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025・高塩三郎
○高塩委員 そうすると、同性質のものであると解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/25
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026・吉田修三
○吉田説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/26
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027・高塩三郎
○高塩委員 そういたしますと、特別に賦課される電話線設備料と見るのか、または特別に賦課される装置料と見るのか、はたまたその双方の性質をあわせ備えておるものかどうか、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/27
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028・吉田修三
○吉田説明員 お尋ねの点は、まず第一に電話線設備料と同性質かというお尋ねでございますが、その点につきましては、電話線設備料と大体同性質でございます。ただこれによつて得まするところの収入の金額が、電話の設備の拡張に貢献する場合に相当の差があるという点が実質上の差ではありますが、法律的性質については、電話線設備料に非常に近いものであると思います。しかしながら装置料につきましては、若干性質の差がございまして、御承知のように、装置料は実際上工事を行いますたびごとにちようだいいたすことになつておりますので、結局工事の都度に必ずいる費用であつて、その内容は、主としてこれに要します労力費及び消耗品費でございますので、工事をいたすたびごとにいただくわけでございます。従いまして、本法によります設備負担金のごとき電話機であるとか、交換機であるとか、いわゆる資金化される物品の経費に充当されない点におきまして、その性質の差があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/28
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029・高塩三郎
○高塩委員 そこでさらにお尋ねいたしますが、設備料、装置料のゆえであるといたしますならば、加入契約がその効力を失つたとき、すなわち第二条は五年以内、第四条は期限なく、第六条は十年以内とありまして、当初の支拂額を返す必要はないと思いますが、これに対する御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/29
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030・靱勉
○靱説明員 ただいまの御意見は理論的にきわめてごもつともな点でございますが、加入電話につきまして、五年以内の場合においては返すという根拠は、三万円ないし二万円の設備負担金をお願いする、その場合に、御承知のように、現在のポツダム政令に、新しい電話につきましては一切譲渡ができないことになつております。従いまして、ある人が東京で三万円を負担して電話に加入した、半年で大阪へ転勤したという場合に、大阪でさらにまたこの法律の効力が続く限り三万円負担しなければならぬ、東京の負担金を負担しました電話というものは契約解除でそのままなくなつてしまう、他に譲渡ができないということは、実際上常識的に考えましても非常に酷であると考えましたので、これは別に政府が支拂う返還金ではないのでございますが、支拂うということで、その実際上の妥当性を認めた、こういう形になつておるわけでございます。それから増設電話につきましても、同様の観念でございますが、ただ加入電話につきましては、これは設備に要する経費のほんとうに一部分であります。大体市内電話につきましては、本年度予算当時におきましても、十万円程度一個についてかかる。非常にその後物価値上りを生じましたので、ただいまの計算では、十六万円程度市内電話にかかる。それについて三万円以内の負担金をいただくわけでありますが、料金はまつたく他の電話と同じような料金をちようだいする。使用料金につきましても、基本料金につきましても、負担していない電話とまつたく同じ料金をちようだいするという形になります。増設する電話につきましては、電話機は先刻四千円と申しましたが、実際におきましては四千円から、磁石式電話機は六千五百円するのであります。従つて相当実費より低いところにきめてございます。交換機等につきましては、大体実費程度をちようだいする。三十の内、線を持つような交換機におきましては、現在六十万円程度のものがかかる。あるいは自動の交換機で二百内線を持つようなところでございますと、五百万円から七百万円というような価格が現在算定されるわけでありまして、これらを全然取消すということは非常に不当である。従いまして十年間は、先ほど大臣から御説明がありましたように、十分の一ずつ減額したものでお返しするということで、理論的には、ただいま高塩委員もおつしやつた通りでありますが、実際に即しまして、そういう特殊な方法を考えておる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/30
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031・高塩三郎
○高塩委員 さらにお尋ねいたしますが、第六条第四項の撤去費用は、料金法別表中で、装置料の中に定めてある撤去料に類するもので、特別に附加された料金と解されるのであります。これについて左の二点について御答弁願いたい。すなわち一つは、磁石式、共電単式の場合はどうであるか。第二は、費用が返金支拂い額を越える場合はどうであるか。この二点について御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/31
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032・吉田修三
○吉田説明員 お答え申し上げます。第一点の共電単式の場合につきましては、一切減額はいたさず、まるまる十分の一ずつ経過年数に応じたものを差引いただけをお返しするわけであります。
第二点につきましては、法律上はその点が若干はつきりいたしておりませんけれども、実際問題といたしましては、大体設備負担金の十分の一に比べまして、撤去費は概してそれを下まわるわけでありますので、それを超過するということは期待されないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/32
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033・關内正一
○關内委員長 松井政吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/33
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034・松井政吉
○松井(政)委員 一番最初に、この法律を立法した根拠についてお伺いしますが、臨時的なものであるということは、初めの題名にうたつてある通りであろうと思いますが、一体この電話の根本的なものの考え方というものは、国が持つておりまして、設備費を契約加入者に負担させないでおくことが妥当であつて、この法律を出した、こういうことでありますか、それともやはり利用者すなわち契約者に全額を負担させることが正しいので、その方向に向う前提として、この法律が出されたのであるか、この点について明確にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/34
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035・靱勉
○靱説明員 電話の架設につきましては、現状は需要に対しまして非常に供給が少いために、いろいろの現象を生じておる次第でございますが、政府がこれを統一的に経営しておりまするかかる公共的な施設につきましては、できるだけ利用者に負担をかけないで、普通の料金収入等によりまして、長期に、建設に要した資金を吸収して行くということが、最も国民の利益に合致するものと私ども考えております。従いまして、ここ数年まつたく装置料だけを料金としてちようだいいたしまして、過去におきまして、あるいは現在の金に直しますと三十万円程度の負担金を課したというような方向には、もどりたくないという考えで、この法律案を立案いたした次第でございまして、電話の理想としましては、できるだけ、利用者が簡単に安く入れるようにするということを基本的な方針といたしております。しかしながら御承知のように、理想を実現する際におきまして、現在何分にも建設資金の不足ということが大きく、かえつて国民の利益を害しておるというような点にかんがみまして、臨時的に五年間利用者に一定の金額を負担していただく、こういう方法をとつた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/35
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036・松井政吉
○松井(政)委員 それでは当局の理想とするところをお伺いしたいのですが、たとえば電話を持ちたい、あるいは電話がなければ商売上困るというような、電話を引かなければならないことを痛切に考えておる者が、大体契約者となり、利用者となると思うのでありますが、利用者負担の建前で電話をやることが理想であるか、それともやはり国家負担の立場で、いかなる商売を問わず、いかなる事業体を問わず、全部国家が負担して行くことが、いわゆる電話事業の理想とお考えになるか、この点がこの法律の根本をなしておると思いますので、どちらを理想としておやりになつておるのか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/36
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037・靱勉
○靱説明員 お答えいたします。電話を申し込む者は、それについてどうしても電話をつけてもらいたい、利用に対する強度が非常に強い。従いまして電話架設につきましては、ある程度利用者負担というような方向を考えても、これは一つの考え方でありまして、私は決してそれ自体悪いとは申し上げられないと思いますが、電話の理想といたしましては、やはり先ほど申し上げました通り、あくまで低廉に、しかも長期の資金を電気通信企業主体が獲得しまして、料金によつて順次償還して行くという形が、何と申しましても利用者の利益であるということは、私どもどうしても否定できないところであるかと思います。この点は、ある商売をするのに、電話がなければその商売が成立たぬということでありましても、電話は国民に対する便益を増すところの一つの公共施設であるという観点に立てば、利用者がそれを一一負担して行かなければならぬということは、企業の財政面から見て、もちろん外部資金を獲得して安くできるというならば、それだけやはり全体的に国民の利益になるというふうに考える次第であります。ただこれは電話の理想でございまして、現実論としましては、あるいは臨時的には利用者に全額負担していただく、あるいは利用者がみずからそれを設備するということは、どうしても現在の需要供給のきわめてアンバランスの事態においては考え得ると思います。しかしあくまでも電話の理想はそこにある。現実におきまして、この理想のもとに立つて、どういうふうに調整して行くか、これがまた国民の利益であるかという点から、暫定的にいろいろな措置がとられるものと私は考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/37
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038・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると、大体国家負担でやはり利用者に利便を與えることが理想のようにうかがわれるのでございますが、そういう建前から行くと、現実の問題として、この立法に根本的な矛盾が生じて来るわけであります。この点はいかように考えられるか。またかりに個人で電話の加入を申込みまして、契約によつて引く場合に、御承知のように、法律から行きますと、六大都市及び福岡、金沢は三万円を負担する。それからかりにその他の交換設備等をした場合は実費ということになりますから、五十万、六十万を負担しなければならない。その場合、実費負担をいたしました会社は、その五十万なり六十万円を経理上どういうふうにするのでありましようか。財産目録にどういう形で載りましようか。また担保の場合、一体担保権があるかどうか。民法を中心とするその他の関係をどういうぐあいにお考えになりまして立法をしたか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/38
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039・靱勉
○靱説明員 お答えいたします。これは国の所有になりまして、その負担された個人の所有ではございませんから、もちろん担保権の対象にならないというふうに考えられます。そこでしからば経理上どうするかというと、これはどうしても事業支出といいますか、そういう形で落されてしまうものと考えております。所有権を持つておりますれば、もちろん財産として残る次第でありますが、要するに経費の一部を、結局特殊料金として納めてしまう。ただ先ほど申したように、相当の金額を負担していただきますから、十年以内の場合には、毎年十分の一減じたものが返る。これは十年以内においてその使用を廃止するという事態が起らなければ、それだけの金は入つて来ないということでありますので、なかなか担保権の対象としては困難であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/39
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040・松井政吉
○松井(政)委員 実費全額を負担されて、所有権は持たせないということについて、立法上の矛盾をお感じになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/40
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041・靱勉
○靱説明員 立法上の矛盾とおつしやいますと、私どもその点につきまして、実費とほとんど同程度のものを負担して政府の所有にしてしまうということについては、必ずしもこれはいい制度だとは考えておりません。ただ先ほどから申すように、理想はあくまで政府の負担で行くべきであるというふうに考えております。しからずんば所有権を持つていいということが考え得ると思いますけれども、現在の段階におきましては、この増設電話を例にとりますと、政府に施設してもらいたいと申しましても、予算の関係でできない。せつかくビルデイングが建つたが、電話はまつたくつかぬということでは、ビルデイングの利用価値というものはない。しかして自分の資金で建設して、自分の財産としてやつて行きたいということにつきましては、現在政府直営というような方針のもとに、そのことは認められておりません。そこで増設電話の利用者といたしましては、それでは設備負担をするから、至急ひとつ増設してもらいたいという御希望が強く出て来るわけであります。しかし政府予算が非常に潤沢であつて、ビルデイングの建設に伴つてどんどん増設電話ができますれば、今言つたような矛盾はないのであります。そういう事態が考えられるので、この際実費にひとしき範囲内におきまして負担を願うという形にしたのでありますから、その観点から申しますれば、もちろん割切れないものがあるということは認めておる次第であります。その間、実際におきまして非常に不都合である。財産権をただ取上げてしまうのだというようなお考えをお持ちのようですが、実態においてはそれほど酷なものではないのであります。と申しますのは、在来自分で建設しまして保全して行くということになりますと、相当の経常費というものがいるわけであります。また設備を二十年でも三十年でも使つて行くためには、常にとりかえ補充を要するわけでありますが、一応六十万なら六十万円負担しまして、その設備ができますと、政府といたしましては、それを利用する限り永久にこれを保全しまして、あくまで利用者の利便に供して行く、こういう形になるのでございます。従いまして、所用権の帰属という問題はございます。さらにこれが何かの災害で焼けてしまつたときにはどうするか、そのときはもちろん政府の資金をもちまして、完全にもと通り復旧してサービスに供するという形になるわけでございまして、いわゆる危険負担は政府が全部負う、こういうような形で利用者の方に御納得していただけるものと考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/41
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042・松井政吉
○松井(政)委員 矛盾ははつきりお認めになつたのでございますが、負担をさせたからには、やはり所有権を認めるというのが常識であり、立法的にも正しいのであります。もし実費負担をさせておるが、所有権は認めないということになりますと、これは共産主義的な物の考え方で、利用者に実費全額負担させて、それに所有権を認めて行かないということにやはり大きな問題が残るのであります。一体電話の理想というものは、加入者側の方が全額負担して加入者に所有権を認め、商行為に関する移動、譲渡を認めるのが正しいのか、それとも国家が全額負担して、国家が利用者に対するサービス・ステーシヨンとしてやるのがいいのか、ということを一番先に聞いたのであります。ところが理想は国家負担でやるのがいいのだと申された。しかしながら、利用者の申込みにこたえたいので、利用者に負担してもらう、こういうことでありますが、国家負担で行くということが理想ならば、利用者に負担させる方法にいたしましても、電話公債等の問題があると思うのです。この電話公債と今回の問題とは一体いかような関係にあるのか、電話公債の場合と今の場合の取扱いがどの程度違うものかということを、一ぺんお聞きしたいのであります。あくまでも利用者に負担さすということになれば、やはり所有権は認めて、加入者の財産権を認めるという方法がとられなければならぬ。国家が負担して行くということになればやはり公債その他によつて直接利用者に所有権なり財産権がないという立場において考えて行くべきである、こういうぐあいに考えられるので、その点の関係をひとつ明瞭にお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/42
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043・靱勉
○靱説明員 公債の問題とこの負担金の問題は非常に違うのでありまして、公債はあくまで元利をお返しするという形でございます。これはまつたく現金を借用いたしたものでございます。この負担金は、先ほど来から御説明申し上げておりますが、料金としてちようだいするとか、あるいは別の形で申し上げますれば、寄付していただくというように考えた方がはつきりするではないか。また共産主義的に所有権を否定する、こういう観念ではもちろんないのでありまして、特に増設電話におきまして、実費に近いものを負担するという点において問題があるのでありますが、先ほど申しましたように、危険負担は全部国で負う。それ以外に、増設電話というものは、使用しているうちにいろいろと変更が生じて来るのであります。初め百回線でよかつたものが二百回線に、あるいは二百回線であつたものを百回線に直さなければならぬ、あるいは途中において機械の一部を全然とりかえなければならぬ、いろいろな方向が考えられるのでありまして、これを他の所有にいたしておきまして政府がそれをやるということになりますと、いかにも他人の所有物にいろいろ手を加えるというようなめんどうさが生ずるのであります。思い切つて完全に保守も建設も民営にしてしまう。これはかつて数年前まではその方式で全部参つたのでございますから、それ自体が絶対に悪いという理論はないのであります。現在の段階におきましては、こういう増設電話というものは、やはり電話利用の発達したものである、できるならば事業経営者においてそういうものを設備して、料金収入で提供して行くことが一番いい形ではないかと考えられる。その間中間的な状態としまして矛盾は生じて参りますが、実質論としましては、その所有権というものをまつたく損したものにして落してしまうというようなことでなく、あくまでもサービスを提供して行くという点から設備を早く完成する。しかもそれについては何十年でも、百年でも同じような状態に維持して行くのは、もちろん事業経営者がやつて行くということで、所有権がどつちに行くかということは、その場合におきまする利用者の面から見ますれば必ずしも絶対的に所有権を持たなければならぬという性格のものでもないように私ども考えた次第であります。ただ相当の金額でありますから、それがゼロになつてしまうという面からいうと、非常に大きな問題かとも思われますが、あくまでも自分が所有し、維持しておりましても、その実質の内容というものは、これが他に転々売買されない限りにおきましては価値がない。この法案の準備の際におきましても、いろいろの経過をたどりまして、場合によりましては、物自体をお返しするというようなことも考えましたし、あるいは六十万円を、毎月の使用料におきましてお返しして行くというような方法も考えたのでございますが、現在の段階におきましては、この方法をとらざるを得なかつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/43
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044・松井政吉
○松井(政)委員 もう一つこれに関連してお伺いしますが、電話の売買、それから移動等は将来とも禁止して行く方針でありますか。それともやはり電話の根本的な問題にさかのぼつて、どちらをとるか検討するお考えであるかどうか、この点についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/44
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045・靱勉
○靱説明員 ただいまのところやはり譲渡は認めない方針で参りたいと思います。と申しますのは、御承知のように電話というものはあくまでもその利用者の利用に供するためにそういう設備を経営主体が提供するという形のものでございまして、これにつきましては装置料というものはとりますが、在来の負担金というものは一切とつておりません。従いまして、これが一つの財産的な価値を生ずる、すなわち供給が少いために電話がつけば相当利益があるということから、四千円でつけたものが十万円の価値を生ずるということ自体は、これをつけた方には非常に利益であるかもしれませんが、他の利用する国民としましては、必ずしも利益でない、やはりその人がやめるならば、他の人がつけられるというふうにした方が国民の利益に合致するのではないかと私は考えます。しからば旧電話についてはどうだということになりますが、これは御承知のように非常に多額の負担金をちようだいして、それは全然返さないという方針になつております。さらにまた過去におきましてそれを認めて来たという意味合いにおきまして、既得の権利を認めるが、今後新たにつけるものについては譲渡を認めないというポ政令が出たのであつて、過去のにはさかのぼらない、こういうような状態になつたわけであります。さらに申しますれば、今度の場合におきまして負担金を課する、負担金をちようだいするという点から申しますれば、過去と同じでないか。だからこれを当然権利と認めて売買さした方がよいではないか。これは一つの理論としまして、私どもは頭から否定いたしておる次第でないのであります。今後の情勢の推移によりまして、さらにこの問題につきましては相当検討を要するということは、私ども承知いたしておりますが、現在におきましては譲渡は認めて行かないということに方針をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/45
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046・長谷川四郎
○長谷川委員 関連して……。何だかのみ込めないのだが、電話の架設は所有権の価値がないというお話があるのですけれども、所有権の価値のないところのものに会社が商法をもつて設備資金として入れることはおそらくできないと私は思う。それだけの莫大な金を設備資金の科目の中に入れ込むことはできないと思う。それは寄付ということで行くのであるならば別かもしれないけれども、いずれ電話を架設しようというのは、新しい会社の設立と同時に行われるのだが、そういうときに、法的に言つてそれはどういうふうなお取扱いができると次官はお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/46
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047・田村文吉
○田村国務大臣 ただいま次官からお答えしたことで大体盡きていると思いますが、先刻の、一体財産として会社はどう処置するか、個人はどう処置するかという点になりますと、実際論から申しますと、電話は設備されたらそのまま十年も二十年も三十年も使えるのだ、あとは保守もみんな経営者がやつてくれるからということになりますと、私はおそらくどこの会社でも財産として計上して行くだろうと思います。ただ個人の会社で非常にもうかる会社は、財産に見ないで損勘定にしようという考え方も一向さしつかえないのであります。しかしこれは私どもの方でさしずする問題でなく、その事業会社自体がどう扱うかであります。一つ例がありますから申し上げますが、鉄道の側線の敷設であります。これは昔からでありますが、昔の経費で何十万円かかりましてもこれは全部私人が負担しまして、そうして鉄道に寄付しておるのであります。保守は保守で保守料を別にとられておる。これもちよつと一般から考えると非常におかしいじやないか。私人がつくつて政府がとつてしまうのは、はなはだおかしいじやないかというふうに一時考えたのでありますが、契約にはその線路のある限り、その会社の存続している限り、その側線を使つていいということがあるのでありまして、そこに財産の値打ちがある。だから貸借対照表には損勘定には入れない、こういう処置をいたしておつたのでありますが、そういうことと大体同じでないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/47
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048・長谷川四郎
○長谷川委員 それでわかつて来たのであります。一つの科目の中に入つて毎年落して行けばいいことになるのであります。全然初めから所有権がないのだ、価値がないのだということを前提にして論議して行くと、そういうむずかしいことになる。お前の所有権は権利があるのだということで話が出て行かなければ、話に行き違いが出て来ると思う。全然価値のないものが科目の中に載つていると、商法の上からいつて許されないという理論が成り立つて来るだろう。それで矛盾があるのではないかと思つて聞いたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/48
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049・松井政吉
○松井(政)委員 次にお伺いしたいのは、予算措置をいかようにお考えになつているか、御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/49
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050・靱勉
○靱説明員 この法律が通りまして、七月一日に効力が発生いたしますれば、一応歳入としては上つて来るわけでございますが、結局補正予算をもちまして、歳入歳出を立てまして、歳出ができるようにいたさなければならぬ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/50
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051・松井政吉
○松井(政)委員 歳入のあるところには当然歳出があるわけでありまするが、おそらく予算を補正する場合には、建設勘定へ使うように予算を立てられるのではないかと考えられるのでありますが、その建設勘定の中で、この三十三億をどういう形にお使いになろうと構想を練つておられるか、その構想だけでよろしゆうございますからお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/51
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052・靱勉
○靱説明員 もちろんお説の通り建設勘定に入りまして、建設に使用される資金でございます。お手元にごらんに入れておりまする収入見込み調書の中に出ておるのでございますが、大体一、二級局としましては、これは本予算でとりました加入電話、増設全部一体にして、一体どのくらいの収入が見込めるかという資料になつておりますが、これでごらんになりますと、加入電話は予算におきましては七万五千ということになつておるのでございますけれども、この収入見込みの場合におきましては十万八千、すなわち三万三千を足したもので計算されております。それから甲種増設は予算におきましては二万でありましたが、これを五万にいたしております。すなわち三万増、それから乙増の方は予算におきましては三万になつておりましたのを四万、すなわち一万の増ということになりまして、さらに第一・四半期が経過いたしますので、この法律を出すがために、加入電話なり増設電話を押えて行くということは不都合でございますので、四分の一の工程はすでに割当てまして実施しているような次第でございます。そこでさらに第七条の規定によりまして、国の機関の電話それから増設電話につきましては負担金をちようだいしないという形になつておりますので、それらにももちろん負担金の収入というわけに行かぬということの結果、一番上の表にありますように、大体一、二級局でもつて四万四千三百六十、その他の局で二万五千五百六十、多数共同で一万四千。それから増設におきましては、甲増で四万四百五十、乙増で三万一千、こういうものが七月一日以降におきまして実行される工程に相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/52
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053・松井政吉
○松井(政)委員 御承知のように今国会では補正予算は出ないのでありますから、そういたしますと、歳入はこの法律が施行になりますれば、ただちに臨時国会等予算を補正すべき国会が開かれなくても出て来る。しかし歳出の方は一応はやはり予算を組んで国会を通らなければならない。その間における歳入及び歳出の予算使用上の措置並びに臨時国会等予算の補正を審議しなければならない国会の時期等を、一体いつごろに押えてこういう措置をおとりになるか、こういうことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/53
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054・田村文吉
○田村国務大臣 実はその問題もありまするし、物価の値上りによりまして、相当実際の施行の面において困難を感じておりますので、できるだけ早く臨時国会を開かれて、その国会で処理されることを実は希望しておるのでありますが、御承知のように、一日も早く資金獲得の方法を講じておきませんと、何をいたしますにも手遅れになります関係もありますので、今回はこの法案で収入の方だけをとりあえずおきめいただき、その間にどうするかということを考えるわけであります。これが実施されましても七月一日からでございますので、在来の工事等もできるだけ繰上げて早くやろう、そしてできるだけ早く臨時国会において、これの使途に対しての御協賛をいただく、こういうふうにいたして参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/54
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055・松井政吉
○松井(政)委員 本日はけつこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/55
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056・關内正一
○關内委員長 次は中村清君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/56
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057・中村清
○中村(清)委員 私は概念上の問題は別といたしまして、現在の状況下におきましては、この制度はまことに時宜を得たものである、こういう方法でしか電話の拡充はできないのではないかというように考えまして、政府の措置まことに適切なものであると考えるのでありますが、ただ実行上におきましては、いろいろの疑点も持つわけであります。真に文化国家として立ちまする以上は、どういたしましても電話の拡充こそ最も急を要する問題の一つでありますから、そういう意味におきまして、このやり方は、現在の状況下では最も適切なるやり方の一つであると考えるものであります。予算の問題につきましてお伺いいたしたいと思つておりましたが、同僚松井委員よりいろいろ御質問があつたのでございますから、私繰返して御質問いたしません。ただややともいたしますると、負担金で入りました収入とその他の一般の収入等によります金とは違いまして、使い方が乱雑になるというようなことがあり得るのでありまして、どうかそういうことのないように、電気通信省におきましては、よその省にままありますようなことのないように、お願いしたい、かように考えるわけであります。私が特にここで御質問いたしたいと思いますことは、資材の問題でございますが、この計画ではたして資材の計画が十分に立ちますやいなや。この点についての御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/57
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058・林一郎
○林(一)政府委員 今回のこの収入によりまして工程が増すわけでありますが、これによつて必要な資材がまかなえるかという御質問かと存じますが、ただいまのところは資材も非常にきゆうくつなわけで、それゆえに非常に値上りをしておるということでございますが、この程度の工程に対しては、十分に生産の見込みがある。むしろ現在は注文量が少くて生産者が非常に困つておるという状況でもございまして、その点の懸念はなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/58
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059・中村清
○中村(清)委員 私は専門家でありませんから、よくは存じませんのでありますが、電話用の電線というものは特殊なものでありまして、生産はどうもコンスタントのものではないかと思うのであります。急にふやすこともできなければ、また急に減らすこともできない性質のものであるように考えますので、本年は別といたしましても、今後何年間か続けて行く上について、大丈夫なだけの資材があるかどうか心配しておつたのでありますが、ただいまの御答弁で大丈夫だということでありましたので、了承いたしました。
次に電話あるいは交換、そういうことでなしに、電話局の建築などにつきまして、負担金とか、そういうものが認められますか。それについて御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/59
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060・靱勉
○靱説明員 ただいまのは建物、土地等について負担金、寄付等が認められるかという御質問であろうかと思いますが、これは特別にそういうような考えは持つておりません。もちろんこの法律はそれを対象としてはいないのでありますが、在来土地を地方公共団体から借りるというようなときにおいては、正式に寄付をちようだいいたしております。それから建物にいたしましても、もちろん電話通信設備ではございません。従いまして借用するということも可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/60
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061・長谷川四郎
○長谷川委員 これはどなたか聞いたかもわかりませんが、本年度の予算によつて大体架設箇数がきまつたというようなお話を聞いておつたんだが、そのときの予算には大体七千、但し今度負担金の三万というものがふえて行くということになると、ことし大体七万箇なら七万箇をつけようという予算であつたのが、三万円の負担金をとつたならばどのくらい増加してつけられるか。これをひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/61
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062・靱勉
○靱説明員 お手元に二十六年度電話設備負担金収入見込調書という横書きのものをごらんに入れてあるわけでありますが、これをごらん願いますと、表の下に一といたしまして加入電話十万八千という数字が出ております。予算におきましては七万五千でございましたが、三万三千を足しましてこれだけやるとしまして、収入をこう見込んでいる次第でございます。増設電話につきましては、ここに書いてあります甲増が五万、乙増が四万と書いてありますが、予算では甲増が二万、乙増が三万、両方通して予算より四万ふえる、こういう形であります。先ほど来、増設電話についてはほとんど実費をとるのではないかということにつきましていろいろ御意見がございましたが、甲増の方につきましてはそういう形になつておりますので、何も三十三億の範囲に限定される必要はないのでございまして、希望者があれば幾らでもふえて行くという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/62
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063・長谷川四郎
○長谷川委員 そうしますと、大体本年度は七万箇という予定であつたけれども、十万八千箇つくのだ、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/63
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064・靱勉
○靱説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/64
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065・關内正一
○關内委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は明三十一日午前十時から開会の予定であります。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004847X02019510530/65
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