1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年三月三日(土曜日)
午前十一時十五分開議
出席委員
委員長 千賀 康治君
理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君
宇野秀次郎君 小笠原八十美君
小淵 光平君 川西 清君
河野 謙三君 中馬 辰猪君
原田 雪松君 平野 三郎君
八木 一郎君 横田甚太郎君
中村 寅太君
出席政府委員
農林政務次官 島村 軍次君
農林事務官
(大臣官房長) 鹽見友之介君
農林事務官
(大臣官房農林
金融課長) 富谷 彰介君
農林事務官
(農政局長) 藤田 巖君
農林事務官
(農地局長) 平川 守君
農林事務官
(農業改良局
長) 小倉 武一君
委員外の出席者
專 門 員 難波 理平君
專 門 員 岩隈 博君
專 門 員 藤井 信君
—————————————
本日の会議に付した件
農業委員会法案(内閣提出第四三号)
農業委員会法の施行に伴う関係法令の整理に関
する法律案(内閣提出第五四号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/0
-
001・千賀康治
○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。
これより農業委員会法案及び農業委員会法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の両案を一括議題といたし、前会に引続き質疑を行います。通告がありますので、これを許します。横田甚太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/1
-
002・横田甚太郎
○横田委員 これは質問じやなく、議事進行についてです。この農業委員会法案は重要法案であることは与野党とも一致しておる意見です。だから改めなければならぬ点があれば、改めなければならないと思います。そこで今までの委員会の審議の経過を見ておりますと、普通の重要法案に対しましては、総括的な質問を許しておるのです。それに対しては大体時間の割当もあるのです。最後のせり合いになつて来たならば、前の食確法のときにも、各党に対して十分とか十五分でとやられて来た。とにかく審議の大綱がきまつておつた。ところが今度の場合においては、大綱がきまつておらないので、私たちは何を尋ねていいかわからない。たとえて申しますと、共産党なら共産党に二時間なり五時間の質問時間があつたら、それだけの用意をします。ところが今度はきまつておらない。集まつたところ野党が少い、与党が少いといつて、きようも欠席者の多いこういう委員会の状態です。これでは私たちは非常に質問がしにくい。だから大体において与党の側においては、この法案はいつごろあげたい、あげるためには審議をこういうふうにしたいということは、委員長を通じてきめておられると思う。その点を一応伺つてから質問に入りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/2
-
003・千賀康治
○千賀委員長 お答えいたします。今まで数種の法案をあげて参りましたが、野党の諸君もすこぶる協調的で、非常になごやかに迅速に決議ができております。過去においてどういうことがあつたかそれは別といたしまして、このあんばいで行けば、どんな法案でも、同じ線でなごやかに決議ができて行くと思つております。なるべく過去の通りの協調的な線で審議を進めていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/3
-
004・横田甚太郎
○横田委員 協調的な線で審議を進めておるから、だれも来ていないのに野党から一人来ておるのです。ところが政府側の陣容を見ますと、農林大臣は出て来ないし、きのうの次官の答弁なんか実にでたらめでなつてやしない。山口君が質問したときも、与党の人は、それは字句を聞いておるのではないか、そういうおかしなやじも出るし、答弁も身が入つておらない。こういうわけで私は聞くのですが、大体今日は総括的な質問をやる、あるいは逐条的な質問をやるのだ、こういうようにきめてある方がやりよいのです。また総括的な質問をやるためには、廣川農林大臣の意見も聞きたいが、廣川農林大臣は来ていないし、その下の次官も来ていない。ほかの政府の役人が来ておるというのだつたら、村の役所でやつておる農業調整委員会のやり方と何もかわりはない。特に私が不服と思いますのは、これは農業委員会法案でしよう。農業というのは米をつくるのです。麦をつくるのです。畜産もあるでしよう。蚕糸もあるでしよう。しかし要は米、麦の場合においては、米、麦をどう扱うかということが大きな問題である。米、麦を扱う場合には、仮称買入法案が出るはずである。これと並行的に出してもらいたいというのが大体野党側の意向であると思う。おそらく与党といたしましては、野党のうちで共産党の言うことだけは聞かぬでしようが、共産党以外の野党の意見は、大体買入法案と並行的にやつて行きたいと言つておる。これは社会党の八百板君並びに足鹿君が言つておつた。だから買入法案も並行的にやつてもらいたい、こういう希望を持つていますが、買入法案はいつごろ出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/4
-
005・千賀康治
○千賀委員長 横田委員にお答えいたします。ただいまお話の法案も、不日出て来るそうでありますが、まだ一日、二日、には出て来る見込みはない。しかしながら現在は農業委員会法案及び農業委員会法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、この二つを審議しておりますので、なるべく過去にあつたような態度で、簡潔に要点を盡して御審議を進められたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/5
-
006・横田甚太郎
○横田委員 きのうの山口君の言つておつたことは、技術の点においてはどうか知らないが、やはり農村のことについては真剣に聞いている。そのときに、与党の諸君からやじもあつたのですが、もちろんそのやじからわれわれ学ばなければならない点のあることもよくわかります。わかりますけれども、次官の答弁は実にでたらめだつた。次官の方においても、農林大臣がでたらめな答弁をするのをまねる必要はないと思う。あなたはもつと真剣な農政の権威者だと言われていた答弁をしてもらいたい。それを承知ならば私も質問いたしますが、そうでなかつたなら、きのうのような、おじいさんが孫と話をするようなばかげた答弁は聞けない。その点をはつきり確約してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/6
-
007・野原正勝
○野原委員 横田君のに関連してちよつと……。野党側は横田君一人だが、横田委員は非常に真剣に審議を進める御意思のようでありますが、実はきのうの山口委員の質問に対して、議事進行で私が委員長にいささか御注意申し上げたのでありますが、どうも横田委員の質問といい、山口委員の質問といい、一体農業委員会の問題を取上げておるにもかかわらず、その中のたいへん飛躍したお話ばかりで、特に日本の農民の地位であるとか、農業の生産性とは何ぞやとかいうようなことを、五回も十回も繰返して、まるで外國の話でもするような調子で、日本々々というような言葉が出ていろいろ言われておつた。私はそれを見まして、農業委員会法という今現実に出ておる議案から見て、何か遊離したような、観念論的な、議論ばかりで、こんなことをやつておつたのでは、何十日かかつても審議が進むものじやない。だから問題をなるべく具体的に限定して、農業委員会の問題に関連のある問題を審議すべきであるということを、議事進行できのう申し上げた。にもかかわらず依然として同じようなことを、いわゆる迷論を繰返されていたのでは、政府委員もまたまことに御迷惑だと思いますし、聞いておるわれわれもまことに迷惑しごく、こんなことでは農業委員会の審議ははなはだ困ると思います。従つてきようは、野党はたつた一人しか出ておりませんが、ひとつ委員長におかれましても、従来のような審議でなしに、その点を十分あんばいいたしまして、要点を盡されるように特にお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/7
-
008・千賀康治
○千賀委員長 ちよつと私からお答えと意見を申し上げます。ただいま野原委員の御意見は、当議場を圧する御意見だと思つております。
(「だれも意思表示をしませんよ。したら多いかもしれないが、まだしておりませんよ」と呼ぶ者あり)あなたは別でありましても、大多数が同意見であると私は断定します。そこで一事不再議ということがありけすけれども、いかにあなた方が五時間、十時間を費して、あなた方の思想に合する答弁をさせようということを繰返されても、その答弁は木によつて魚を求むるがごとく、得られるものではございません。そこでこの委員会におきましては、そういうような問題は、あなた方の主義とか、思想とかから来るような問題は一切抜きにいたされまして、現実の法案に対する問題の審議、これだけを取扱つていただきたいと思います。私がただいま御注意する問題を、将来さらにかまわず逸脱されるというような事態に逢着すれば、発言をやめていただくこともあるだろうと思います。どうかそれを心に入れられまして、質問を続けていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/8
-
009・横田甚太郎
○横田委員 これは法案への質問と違つて、あなたの意見をはつきり知りたいために聞くのですが、同時に野原君も日本の議会に即応した論議をしてもらいたい。考えてもらつてもわかりますように、大体これに対して、共産党なら共産党が頭数で、二時間なら二時間もらえば、二時間分の質問をする。だからあなたにお聞きいたしたいのですが、わが党に何時間質問を許すのかどうか。山口君の聞いたことは決して無意味ではない。無意味だとかつてに多数が反対をしているだけだ。私にしろ、山口君にしろ、範囲を逸脱していない。ここに出ているこの紙に、農業委員会法案提案理由説明と書いてありますこれに従つてここに出ている範囲内のことを聞いているのです。一例を上げると、日本の農村民主化ということが出ておりますが、日本の農村民主化は十分できたと言うアメリカ人もいるでしようし、まだできないと言う者もおります。現に日本の農村では、たくさんの身売りが出ているじやないか、これは困つたことだ、こういうことで日本の政府は農村の民主化ができたと認めているのか、あるいはまたそうではないと考えるのか、これは至つてまじめな議論だと思う。これをさえも委員長は範囲を逸脱していると言うのかどうか、委員長に判断を聞きたい。ここに書いてあることを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/9
-
010・千賀康治
○千賀委員長 お答えいたします。国民的常識をもつて判断のできる範囲内はこれにまかせます。一字々々字の講義から、小学校のようにこの委員会でやらなければならないということでは、とても議事は進行いたしません。この議会はすべて過去の伝統の上に立つて運営されつつあります。あなたのただいまの御発言を聞いておりますと、ともすれば議事進行を逸脱しかけておりますので、すみやかに法案の審議に入られるように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/10
-
011・横田甚太郎
○横田委員 それでは法案審議において、第一項で私の聞くことが逸脱していると思うか、逸脱しておらないと思うか、それから聞いておきたい。私が第一に聞きたいのは、農民が米の配給を受けますが、それには二つの形があると思う。一つは保有量の形、一つは還元配給の形です。こういうことを聞きたい。なぜ聞きたいかといえば、もし仕事の種類によつてカロリーがきめられ、それを基準にして、日本人が日本の法規によつて配給を受けているのであれば——農業というのは年がら年中やつているところの、伝統的な一つの職種です。それに対する配給の基準は、約一年間を通じて四合なければならぬはずだ。ところが農村には凶作があつて、つくつた米が保有米としてとれないのみか、食う米さえ失う場合がある。その場合において日本の農民も配給を受ける。その配給を受ける場合において、所においても違いましようが、大体において町の消費者と同じように二合七勺しかもらつておらない。この場合に——やはり農業委員会法案に関係があると思うから、政府に聞きたいのですが、農民が配給をもらうということは、これは仕事に対してもらうのか、あるいはその配給は、配給所から来るとき量がきめられるのか、こういうことを聞きたいのですが、これは逸脱しておると思うか、逸脱していないと思うか、これはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/11
-
012・千賀康治
○千賀委員長 問題外だと思います。当議場において、ただいま日程に上げている問題外だと断定をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/12
-
013・横田甚太郎
○横田委員 しかしこれは村の農業調整委員会で扱います。たとえば農民が、ことしは米がとれなくて配給の米をもらいに行くとき、市の、あるいは村の、町のいわゆる食糧課に参ります。そのときに参考になる意見は農業調整委員会がやるのです。その農業調整委員会は本案に関係のある三つの委員会の一つに含まれる。だから私たちはこれに入ると思うのです。これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/13
-
014・千賀康治
○千賀委員長 お答えいたします。こじつけて言えば人生あらゆるものに関係があります。ここで厚生の質問をしようが大蔵の質問をしようが、関連があるといえば関連があるのです。大森委員の場合にも申し上げた通りに、直接この法案に関して招集してある担当の政府委員がお答えをする問題外は、やはり日程外といたしまして、言及をされれば停止することになります。——ちよつと速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/14
-
015・千賀康治
○千賀委員長 それでは速記を始めてください。ただいま理事の御参集を得まして、審議に要する時間について御相談をいたしまして、一つの結論に到達いたしました。これは委員長から各党の理事に御連絡をいたしますから、各党は理事からその内容をお聞きをいただきまして、将来この時間制限によつて法案の審議を進められたいと存じます。
今日はこれで散会をいたします。次会は公報をもつて申し上げます。
午前十一時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004988X01519510303/15
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。