1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十七日(火曜日)
午後二時四十三分開会
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本日の会議に付した事件
○地方自治法第百九十六條第四項の規
定に基き、公共船員職業安定所の設
置に関し承認を求めるの件(内閣提
出衆議院送付)
○一般運輸事情に関する調査の件
(航空事業に関する件)
○運輸省設置法等の一部を改正する法
律案に関する件
○小委員長の報告
○島根県芦尾港災害復旧に関する請願
(第一九三号)
○有家港災害復工事費国庫負担に関す
る請願(第七九三号)
○神戸港第七突堤建設に関する請願
(第三九〇号)
○深浦避難港修築に関する請願(第七
一〇号)
○小名浜海上保安部に陸上無線通信施
設設置の請願(第六〇九号)
○海難防止に対する施設充実の請願
(第八四八号)
○岩手県綾里みさき燈台に霧中信号施
設設置の請願(第八九三号)
○舞鶴港機雷問題に関する請願(第七
二〇号)
○武豊港の重要港湾復活に関する請願
(第一一〇四号)
○巡視艇常置に関する陳情(第三六
号)
○鹿兒島港、琉球間船荷運賃を距離に
比例した單独運賃設定の陳情(第六
八号)
○仙台市霞目飛行場改修拡張に関する
陳情(第二五八号)
○鹿折駅、鹿折村浜地先埋立地間臨港
線敷設に関する請願(第七八三号)
○武豊線延長工事施行に関する請願
(第八一六号)
○三陸沿岸鉄道敷設促進等に関する請
願(第八四六号)
○三陸沿岸鉄道敷設促進に関する陳情
(第一四五号)
○北陸、上越両線連絡鉄道敷設に関す
る請願(第八六二号)
○宮崎、小林両駅間鉄道敷設促進に関
する請願(第八六三号)
○日南鉄道開通促進に関する請願(第
八六四号)
○日向長井、三重町両駅間鉄道敷設等
に関する請願(第八六五号)
○後志西海岸鉄道敷設に関する請願
(第九八一号)
○野岩羽線全通促進に関する請願(第
一〇七八号)
○大糸線全通実現に関する陳情(第二
〇八号)
○宮原線開通促進に関する陳情(第二
四一号)
○能勢電気軌道株式会社路線延長許可
促進に関する請願(第七〇九号)
○京都市内国有鉄道の高架式改築に関
する請願(第一〇七七号)
○北九州国鉄電化促進に関する請願
(第七〇八号)
○北九州地区国鉄電化促進に関する請
願(第八一四号)
○御殿場線電化促進に関する請願(第
八一五号)
○甲府、長野両駅間鉄道電化促進に関
する請願(第一〇二五号)
○中央線新宿、長野両駅間急行列車増
発等に関する請願(第一〇四二号)
○長野県内国鉄列車ダイヤ一部改正に
関する陳情(第二一〇号)
○二俣線輸送強化に関する請願(第一
〇七五号)
○尻内駅構内こ線橋架設に関する請願
(第八四五号)
○與野駅改築拡張に関する請願(第一
〇七四号)
○生山駅待合室拡張に関する陳情(第
一五一号)
○平倉駅員無配置駅の昇格等に関する
請願(第一〇七六号)
○鉄道專用電気動力・電気信号保安両
設備に対し二重監督排除の請願(第
五二一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/0
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001・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) これより運輸委員会を開きます。
先ず地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、公共船員職業安定所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。本件につきましては、前々回の委員会におきまして、予備審査としてすでに提案理由の説明並びに專門員の報告が済んでおりまするので、今回は質疑及び討論の段階であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/1
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002・小酒井義男
○小酒井義男君 本件につきましては、只今委員長が言われましたように、前々回において予備審査を行なつておる問題でありますので、本日は、質疑討論を省略して直ちに採決に入られますように動議を提案いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/2
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003・高木正夫
○高木正夫君 只今の小酒井委員の動議に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/3
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004・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) この動議に御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/4
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005・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 然らばさよう決定いたします。
それでは本案の採決に入ります。本案について御賛成のかたは挙手をお願いいたします。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/5
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006・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 全会一致であります。つきましては、委員長報告等事後の手続きは、慣例によりまして委員長に御一任お願いいたします。例により多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
岡田 信次 高田 寛
仁田 竹一 小酒井義男
高木 正夫 前田 穰
松浦 定義
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/6
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007・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 次に一般運輸事業に関する調査の件として航空事業に関する件を議題に供します。政府委員より発言を求めております。許可して御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/7
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008・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) さよう決定いたします。松尾航空庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/8
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009・松尾靜磨
○政府委員(松尾靜磨君) この度、国内の定期航空が始まりますに関しまして航空保安施設として必要な経費に関しまして御説明申上げます。航空保安施設と申しますのは、飛行場にあります滑走路、或いは誘道路、飛行場の照明施設、或いは有線通信施設、或いは無線通信施設、GCA施設、GCA施設と申しますのは、天候の惡いとき無線誘導で飛行機を着陸させる施設であります。同じくILS施設もやはり天候の惡いとき或いは夜間、こういう際、惡天候を征服して着陸をさせる地上の誘導施設でありますが、並びに航空路上におきまするオムニレンヂ施設、或いはラヂオビーコン施設を総称して言つております。このような航空保安施設は陸上交通におきまする道路や或いは橋梁、海上交通におきまする海岸灯台とか港湾施設或いは海岸無線施設、こういうものと全く同様な役目を果すものでありまして、原則としては世界各国大体において国家が責任を以てこれを遂行しておるのであります。アメリカにおきましても航空運送事業というものは、航空会社プラス航空路プラス飛行場、この三つが合わさつて初めて航空輸送事業というものが成立する、こういう考え方をいたしております。地上の航空保安施設が完全に参りませんと、飛行機だけありましても、交通機関としての性能を発揮し得ないという建前から、この航空保安施設に関しましては各国とも非常な資金を投じまして完備をいたしておるような次第であります。アメリカの全定期航空会社に投資いたしております金額は四億ドル足らずでありますが、この航空路、飛行場、こういう方面の航空保安施設にアメリカの政府並びに州、或いは市が投資しております金額というものは九億ドル以上になつておりまして、なお一九五五年には二十億ドルを投ずるというような計画になつております。こういう投資の額を見ましても航空会社自体よりもむしろ航空保安施設に十分の投資をして、これを完全にして置くということが、航空事業の発達には最も重要なことであると我々は考えております。
それで今度の国内民間航空が開始されるに当りまして、私たちが一応計画しておりました航空保安施設の案を御説明申上げます。基本計画といたしまして航空路は御存じの通り札幌、青森仙台、東京、名古屋、大阪、岩国、福岡、この幹線に対しまして保安施設の計画をいたしております。そのうちの部門別に説明を申上げますと、通信関係といたしまして四億九百二十三万四千円、これは各飛行場を結びます有線テレタイプ回線と、その予備といたしまして短波無線の送受信機を設置する。なお札幌と仙台には百ワツトのホーマー・ビーコン、対空通信施設と、GCA及びILSを設置する費用であります。次に照明関係といたしまして、一億二千三百六十四万五千円、これは札幌、仙台、大阪、浜松の各飛行場の照明設備を新設する費用であります。土木関係といたしまして、七億一千九百七十二万七千円、これは御承知の通り仙台が現在松島の飛行場を使用することになつておりますけれども、松島の飛行場は御存じの通り仙台市内から約一時間乃至一時間半を要しますので、仙台の市内にあります戰前定期航空路の飛行場に使つておりました霞の目の飛行場の建設工事、滑走路を作る工事、それから札幌の千歳は相当遠いのでありますので、丘球を補修する工事、それから、大阪の伊丹の飛行場が鋪装が若干薄いのでありますので、これを滑走路の補強をやるという費用でございます。それから建築関係といたしまして、一億四千九百五十三万八千円、これは各空港に総合庁舎及び車庫を作る費用、なおほかに羽田にノーズ・ハンガーを建築する費用であります。ノーズ・ハンガーと申しますのは、飛行機の整備に必要な、飛行機の頭だけ入る格納庫であります。それから航務関係といたしまして五百三十一万九千円、これは各空港に航空双眼鏡、交通管制灯、標準時計、簡易気象計器等の航務管制用備品に充てる金額であります。次に車輌関係といたしまして五千三百十五万円、これは各飛行場に普通車を一台と小型車二台を配置する費用、なお仙台、札幌に消防車、救急車各一台を設備する、なお札幌に除雪車を六台配置するという費用でございます。以上申述べました施設費は十四億六千六十一万三千円でありまして、更にこれが年間の維持費といたしまして二億二千九百十一万八千円を加えますと、十六億八千九百七十三万一千円ということになります。これだけの金額を設備しますと、札幌から福岡までの幹線の航空保安施設が一応完成するという金額であります。
昨年から我々はこういう計画を持つておつたのでありますが、二十五年度の補正予算としては、東京と大阪と福岡の三カ所のテレタイプ回線と、それから航空無線施設、それから大阪のホーマー・ビーコンの新設、これだけが認められまして、その総額が五千五百万円余でございました。それで十六億余のこの予算はなかなか大変でありますので、取りあえずの暫定案として次に申上げる費用を現在事務当局と折衝しておるのであります。その計画を申上げますと、運航路線は前の本計画と同じでありますけれども、できるだけ軍の飛行場或いは施設に協力をしてもらうことにいたしまして、札幌の丘球とか、或いは仙台の霞の日あたりは当分これを見送りまして、やはり札幌では千歳を当分使う。仙台では松島の飛行場を使用する。こういう考えからこういう面の土木費或いは施設費が若干減つております。これに伴います計画の概要を申上げますと、通信関係として九千八百十五万円、これは各空港を結びます有線テレタイプ回線とその予備として超短波無線の受信を設置するという金額、それから建築関係といたしましては、四千四百九十四万三千円、この中にはこのたびできます航空会社の待合室その他に使う六千百五十七万円が入つておりません。この建築関係、今申しました金額は各空港に作ります庁舎でありまして、航空会社関係のものは入つておりません。その他車輌関係といたしまして二千八十万一円、各空港に普通車各二台を配置する、以上の経費を総計いたしますと、一億六千二百八十九万三千円、これに十カ月分の維持費を加えまして一億九一千九百九十六万一千円、この金額を目下大蔵省と事務的に交渉をしておりますので、これが通りますれば、軍の先ほど申しました飛行場をできるだけ使いましてなお軍の施設の協力を得まして取りあえずこれだけの金がありますれば、札幌福岡線が予定通りの運航ができる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/9
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010・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 各委員で御質問のおありのかたは順次御発言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/10
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011・前田穰
○前田穰君 お尋ねいたしますが、二十五年度の予算の中に五千何百万円が組み込まれておるのですが、そうして今度新らしい経費として大体三億円ばかりやらなければ応急の措置として航空事業を民間で始めるわけにはいかないのだ、こういう御趣旨のようでありますが、この五千何百万円はすでに今日工事をやつておられるのでありましようか。そうしてこの五千何百万円が一億九千九百万円の中の一部分に相当するわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/11
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012・松尾靜磨
○政府委員(松尾靜磨君) 二十五年度の補正予算で通りました五千五百万円は東京と大阪と福岡と、これだけの線で、この三カ所に離着陸をやるという経費でありましで、この一カ所にテレタイプ回線、三カ所に短波の送受信装置、それから大阪の飛行場のホーマー・ビーコン、これの経費でありまして、これは進めておりますそれで億九千九百万円余のこの経費はこれ以外の札幌と青森の三沢、それから仙台の松島でありますが、それから東京にやはり回線が殖えますので、東京にも若干の増設をやらなければならない。それから名古屋とそれから岩国であります。この個所に通信関係その他の設備をやるこの費用でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/12
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013・前田穰
○前田穰君 そうしますと、今度新らしく民間航空を始めるには両方合わせた金が要ると、こういうわけなんですね。そうしてもう一つ序にお伺いしておきたいのは、一億九千九百万円が仮に取れたとして、その金を使つてやる工事は何カ月ぐらいかかるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/13
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014・松尾靜磨
○政府委員(松尾靜磨君) それは六月の開始に間に合うようにやる考えでごごいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/14
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015・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に本日としし御質問もなければ、航空事業に関する件はかねて御提案のありましたごとくに、小委員会を設けるなり、或いはその他の推進方法につきましては、各会派に本日お帰りののちに、それぞれ御相談の上、次回の運輸委員会におきまして推進方法についての御審議、御決定をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/15
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016・前田穰
○前田穰君 もう一言この際附加えて申述べて置きたいと思いますのは、ここに示されました数字はすべて航空庁の直接の所管の経費のようであります。運輸省としてはこのほかに私の仄聞するところによると、民間航空を開始すれば、例えば気象台に新らしき施設が要るというようなふうに聞いております。そうすると運輸省としては、それらを併せて御提出になるほうが我々としても都合がよいのじやないか、若しあれば……。なければ無論仕方ないですが、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/16
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017・松尾靜磨
○政府委員(松尾靜磨君) ここで今申上げました予算は、これは航空庁だけの予算でありまして、気象台といたしましてもこれに関連いたしまして恐らて気象観測、いろいろその他の費用が要ることだろうと思いまして、恐らく要求されておるだろうと思いますけれども、その金額が幾らということは私存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/17
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018・前田穰
○前田穰君 それでは運輸省としてはお帰りになりまして、この次とか、或いはその次とか、なるべく早い機会に御提出を願つて、これと予算のことに触れる場合には、同時に審議して行くということが都合がよいのじやないかと思いますのですが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/18
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019・荒木茂久二
○政府委員(荒木茂久二君) 気象台のほうでも要求しておりますし、若干取れたということを聞いております。やはりテレタイプの金でございますけれども、今正確に記憶しておりませんので、この次に御回答申上げたいと思います。なお、本省の関係においては別に追加する費用はございません。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/19
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020・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それでは次の議題に進みます。運輸省設置法等の一部を改正する法律案につきまして、政府から発言を求めておりますが、許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/20
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021・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 然らば政府委員の発言を許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/21
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022・荒木茂久二
○政府委員(荒木茂久二君) 運輸省設置法等の一部を改正する法律案は、衆議除に先に提出になりまして、本会議を通過しまして、目下参議院の内閣委員会で審議されておりますので、最も関係の深い運輸委員会において御説明する機会を持ちたいと思うわけでございます。
この度の改正は、第一には運輸審議会に審理官制度を設けることであります。運輸審議会は、御承知のように、鉄道、道路運送事業、定期航路事業等の免許、運賃の認可等運輸行政の根幹ともいうべき行政につきまして運輸大臣の意思決定に参画する機関であり、その事務は重要且つ複雑なものであります。然るに、現在運輸審議会は七人の委員が何ら補助機関も持たずにすべての事業を審理しておりますので、運輸審議会の行う事務を補助させる職員を置く必要があるのであります。
又、運輸事業の免許、運賃の認可等は公共の福祉に重大な関係がありますので、運輸審議会の決定は公聽会による審理を経て行うことが、理想的であります。従つて成るべく多く公聽会を開き、それを運輸行政に経験の深い審理官に主宰させて、事業の免許、運賃の認可等の事業の決定の基礎となる事実の審理をさせ、その結果を報告書として提出させ、運輸審議会はこれを審理して決定を行い、これを運輸大臣に答申するようにいたしたいのであります。即ち、運輸審議会の決定手続をより愼重に行う必要があるのであります。勿論、審理官は、運輸審議会の補助機関でありますから、特に重要である事案については、運輸審議会みずからが、又は委員をして公聴会を行わしめ、審理を行うことができることにいたすのであります。
更に、審理官又は公聽会を主宰する委員の報告書は、利害関係人に提示しまして、それに事実の誤認があれば、その申立を聞いて再審理を行うというように、運輸審議会の決定手続を公開することによつて運輸行政の適正な遂行を徹底するもので、これが審理官制度を設ける理由であります。
改正の第二点は、関係法令の制定改廃に伴うものでありまして、その主なものは、すでに廃止した船舶公団、期間よう船料審議会の規定を削除するほか、国際観光ホテル整備法、通訳案内業法、船舶運航令等の制定に伴い、運輸省の権限、所掌事務の規定を整理するものであります。
以上が、この法律案を提案した理由であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/22
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023・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 本法律案は只今内閣委員会に付託されて、審議されておりまするけれども、運輸委員会の委員といたされまして、只今御質疑等ございますれば発言を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/23
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024・小酒井義男
○小酒井義男君 この説明書にははつきり出ておらないのですが、審理官の人数とかそれの委嘱の方法というような問題はどういうふうになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/24
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025・荒木茂久二
○政府委員(荒木茂久二君) 審理官の数はもう少し多く取りたかつたのでありますが、予算の都合上六人取つております。それから事務補佐をやる書記的なものが三人、合せて九人だけ増員と、こういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/25
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026・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御発言なければ、本件はこの程度にいたして置きます。
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027・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 次に請願及び陳情に関する報告でありまするが、只今請願に関する小委員長が衆議院の運輸委員会へ行つておられまするので、請願、陳情の委員のかたから御報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/27
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028・高木正夫
○高木正夫君 それでは請願及び陳情に関する小委員会における審査の経過を御報告いたします。
請願第百九十三号、島根県、芦尾港災害復旧に関する請願、請願第七百九十三号、有家港災害復旧工事費国庫負担に関する請願。右はいずれも災害復旧工事完成促進に関する請願でありまして、政府当局はいずれも二十六年度において実施すべく考慮中でありまして、願意は妥当であると認めました。請願第三百九十号、神戸港第七突堤建設に関する請願、神戸港における外国貿易貨物取扱の現状が揚げ場の下足によつて非常な混乱状態にあるため、第七突堤を二十六年度内に建設せられたいというのであります。政府においても昭和三十六年度には工費一億七千万円程度で着工の予定であるということでありまして願意は妥当であると認めました。請願第七百十号、深浦避難港修築に関する請願、同港は今回避難港に指定されたのを機会に港湾設備を完備せられたいというのでありまして願意は妥当であると認めました。
請願第六百九号、小名浜海上保安部に陸上無線通信施設設置の請願、請願第八百四十八号、海難防止に対する施設充実の請願、請願第八百九十三号、岩手県綾里みさき燈台に霧中信号施設設置の請願、右三件はいずれも航海の安全、海難防止のために施設整備を図りたいというのであります。願意は尤もであり、政府当局は予算措置を講じ速かに実現を図るべきものといたしました。
請願第七百二十号、舞鶴港機雷問題に関する請願、最近同港附近の機雷浮遊が誇大に宣伝されているため船舶出入が皆無となり、同地一帯の関係産業が崩壊の危機にあるので、速かに善処されたいというのでありまして、願意は妥当であると認めました。
請願第千百四号、武豊港の重要港湾復活に関する請願、本港は港湾法によつて重要港湾として指定されなかつたが、当港の沿革と港勢に沿うべく重要港湾に復活せられたいというのであります。政府当局の意見は、本港の港勢を考慮し重要港湾に追加指定すべく努力中であるというのであります。願意は妥当であると認めました。
陳情第三十六号、巡視艇常置に関する陳情、秋田県船川港に巡視艇を常置し海難救助に万全を期せられたいというのでありまして願意は妥当であると認めました。
陳情第六十八号、鹿児島港、琉球間船荷運賃を距離に比例した單独運賃設定の陳情、現在日本、琉球間の船荷運賃は一本の運賃で定められているが、これを距離に比例する等差運賃に訂正せられたいとの陳情であります。願意は妥当であると一認めました。
陳情第二百五十八号、仙台市霞目飛行場改修拡張に関する陳情、民間航空再開に伴い仙台市内にある当飛行場を早急に改修拡充の上使用せられたいという陳情であります。政府当局においても国家財政の許す限り陳情の趣旨にそう様努力したいとのことでありまして、願意は妥当であると認めました。
請願第七百八十三号、鹿折駅、鹿折村浜地先埋立地間臨港線敷設に関する請願、請願の要旨は、宮城県気仙沼港の内湾は、十数年前から修築工事を施行中であるが、さらに本工事と併行して、鹿折村字浜地先埋立地に岸壁工事を施行して、臨港線を敷設せられたいというのであります。請願第八百十六一号、武豊線延長工事施行に関する請願、請願の要旨は、知多牛島は伊勢湾および三河湾に囲まれ、物資集散の要地であるが、交通不便のため、発展すべき諸條件を備えながら、産業的にも文化的にも、その発展を阻れているから、速かに武豊線を師崎まで延長せられたいというのであります。請願第八百四十六号、三陸沿岸鉄道敷設促進等に関する請願、請願の要旨は、三陸地帶は、豊富な水産資源と、無毒蔵の林鉱産資源を有しているが、交通に惠まれないため、これら資源の開発に多大の支障を與えているから、三陸沿岸鉄道中、未敷設線を速かに完成すると共に、又青森県大畑町、大間町間の鉄道敷設をも促進せられたいというのであります。陳情第百四十五号。三陸沿岸鉄道敷設促進に関する陳情、陳情の要旨は、三陸地帯は豊富な水産資源及び林鉱産資源があるが、交通に惠まれないためこれらの資源の開発が不能であり、又観光地帶の紹介も出来ない実情にあるから、速かに未敷設線の敷設を実施せられたいというのであります。請願第八百六十二号、北陸、上越両線連絡鉄道敷設に関する請願、請願の要旨は、北陸線直江津より上越線六日町又は越後湯沢に至る鉄道の敷設が未だに実現を見ないため、沿線に豊富に産出する油田、亜炭、その他の農林産物の搬出に重大な支障を来しているから、速かに本鉄道の敷設を実現せられたいというのであります。請願第八百六十三号、宮崎、小林両駅問鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、宮崎県の中央と西部を結ぶ重要路線である宮林線には、現在国営バスが運行されているが、この線は旅客、貨物とも交通量が極めて多く、鉄道を敷設して直結すれば、沿線の開発はもとより、宮崎県の政治、経済、文化、産業の進展に多大の好影響を與えるから、速かに本区間に鉄道を敷設せられたいというのであります。請願第八百六十四号、日南鉄道開通促進に関する請願、請願の要旨は、南九州の総合開発の一環として豊富な資源の開発が要望されているが、日南地方への交通は、都城、志布志を経由する鉄道のみであり、産業の開発を妨げているから、これが打開のため、速かに日南鉄道の開通を促進せられたいというのであります。請願第八百六十五号、日向長井、三重町両駅間鉄道敷設等に関する請願、請願の要旨は、現在の日豊線日向長井と豊肥線三重町とを結ぶ線は、勾配も緩やかであり、距離も時間も短縮され、さらに豊富な林産物等の開発にも寄與するところが多いので、右区間の鉄道敷設を図ると共に、日豊線の電化も併せて実現せられたいというのであります。請願第九百八十一号、後志西海岸鉄道敷設に関する請願、請願の要旨は、岩内線岩内駅より、島野村、磯谷村、歌乗村及び縄岸村を経て、黒松内駅に至る沿線には、農、林、海産物が豊富に産出するが、鉄道がないため開発が遅れている現状であるから、速かに鉄道を敷設せられたいというのであります。請願第千七十八号、野岩羽線八通促進に関する請願、請願の要旨は、栃木県今市町より、福島県荒海村、田島町、若松市、喜多方町方面を経て、山形県米沢市に至る間には、豊富なる林、鉱産物を有しているが、鉄道がないため開発することが出来ない状態にあり、また本鉄道を敷設することによつて、東京、青森間の距離を短縮し、輸送力を増強することができるから、速かに鉄道を敷設せられたいというのであります。陳情第二百八号、大糸線全通実現に関する陳情、陳情の要旨は、大糸線中、中土、小滝間は、建設に着手して中止のままとなつているが、沿線に埋蔵する豊富な資源の開発に支障を来しているから、速かに予算を計上して全通を促進せられたいというのであります。陳情第二百四十一号、宮原線開通促進に関する陳情、陳情の要旨は、大分県森町より、熊本県宮原に通ずる宮原線は、一部森町、宝泉寺間は、開通したが、宝泉寺、宮原間は、路盤工事を完成したまま放置されているから、地方の交通、文化、産業発展のため、速かに本鉄道の開通を図られたいというのであります。請願第七百九号、能勢電気軌道株式会社路線延長許可促進に関する請願、請願の要旨は、豊能郡は、大阪府の西北部地帶にあるが、交通の便が惡く、豊富な資源に惠まれているにもかかわらず、交通不便のため、放置されている現状であるから、資源開発と住民の福祉のため、能勢電気軌道の京都府亀岡町に至る延長敷設の許可を促進せられたいというのであります。
以上請願十件、陳情三件は、いずれも鉄道の敷設等に関するものでありまして、小委員会におきましては、審議の結果、実情を考慮し、地方の産業開発並びに民生の向上を図るため、いずれも願意を妥当と認めました。
請願第一千七十七号、京都市内国有鉄道の高架式改築に関する請願、請願の要旨は、京都市においては、未だ鉄道の高架が実施されておらず、そのため産業、交通の面は勿論、有形無形にこうむる損害は甚大であるから、米原姫路間の電化と共に、京都市内の国有鉄道を高架式に改築せられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果実情を考慮し、願意を妥当と認めました。
請願第七百八号、北九州国鉄電化促進に関する請願、請願第八百十四号、北九州地区国鉄電化促進に関する請願、以上の請願二件はいずれも、北九州地区の国有鉄道の電化に関する請願でありまして、請願の要旨は、北九州地方は、八幡製鉄所を始め、各種重要工場が密集し、門司港、若松港、戸畑港等を控え、産業経済上、重要な地位を占めており、又福岡市は、九州一の近代都市であつて、同地方の政治、経済、文化の中心をなしているが、輸送機関が甚だしく劣つているから、産業、経済の向上発展を図るため、北九州地帯の国鉄を速かに電化せられたいというのであります。請願第八百十五号、御殿場線電化促進に関する請願、請願の要旨は、御殿場線の沿線は、京浜地区に対する人的供給地であり、且つ、富士、箱根の観光ルートの一環として、重要な路線でもあるが、急勾配とトンネルが多いため、輸送力が非常に低下しているから、電源地帯にも近接しておるので、これを利用して、速かに本線の電化を実現せられたいというのであります。請願第千二十五号、甲府、長野両駅間鉄道電化促進に関する請願、請願の要旨は、甲府、長野間の国鉄はトンネル、急勾配等が多く、輸送力が低下しており、産業経済および観光客誘致の上にも甚大な支障を来しているから、速かに本区間を電化せられたいというのであります。
以上請願四件は、いずれも鉄道の電化に関するものでありまして、小委員会におきましては、審議の結果、電化により輸送力を増強し、地方経済に寄與するため、いずれも願意を妥当と認めました。
請願第千四十二号、中央線新宿、長野両駅間急行列車増発等に関する請願、請願の要旨は、中央線は産業、経済上の重要線路であるが、輸送力が劣つているので、新宿、長野両駅間の急行列車の増発、列車のスピードアツプ、湘南型電車の運転等により、輸送力を増強すると共に、併せて列車の延長運転等を行い、速かに輸送力の増強を図られたいというのであります。陳情第二百十号、長野県内国鉄列車ダイヤ一部改正に関する陳情、陳情の要旨は、中央線は、重要な幹線であるが、昨年十月一日の時刻改正によつて五二二列車が廃止せられたので、四一九列車が極度に混雑するから、五二二列車を復活し、四一九列車を旧時刻に変更し、更に新宿、松本間及び上野、長野間に準急を増発すると共に、新宿発上諏訪行の週末列車を松本まで延長せられたいというのであります。請願第千七十五号、二俣線輸送強化に関する請願、請願の要旨は、国鉄二俣線は、終戰後資材難のため、輸送力を半減されたため、本線を利用する沿線住民の不利不便は、著しいので、沿線地方の急速な客観状勢の変化と、利用者の熱望を容れて、速かに本路線の改善強化の措置を講ぜられたいというのであります。
以上請願三件は輸送力の強化に関するものでありまして、小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。
請願第八百四十五号、尻内駅構内こ線橋架設に関する請願、請願の要旨は、尻内駅は、東北本線青森、盛岡間の重要駅であり、八戸市の表玄関をなしているが、尻内駅北部の踏切が戰時中閉鎖されたまま現在に至つているため、交通上に極めて支障が多く、ために鉄道構内を横断する情勢を馴致し、危険であるから、速かに駅構内に、こ線橋を新設せられたいというのであります。小委員会におきましては審議の結果願意を妥当と認めました。
請願第千七十四号、與野駅改築拡張に関する請願、請願の要旨は、東北本線與野駅は、大宮に隣接し、県南地方の新興地であり、乗降客も近年殊に増加したが、駅舎が開設当時のままであるため、狹隘を極め、且老朽腐蝕して危険な状態にあるから、速かにこれが改築拡張の措置を講ぜられたいというのであります。陳情第百五十一号、生山駅待合室拡張に関する陳情、陳情の要旨は、生山駅は鳥取県日野郡の交通の要衝であるが、待合室が狹隘であるため、朝夕のラツシユ時は勿論、平常でも乗降客は極度に困難を極めており、殊に降雨雪時の困難は著しいものがあるから、これを拡張せられたいというのであります。
以上の請願及び陳情はいずれも駅の拡張に関するものでありまして、小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。
請願第千七十六号、平倉駅員無配置駅の昇格等に関する青願、請願の要旨は、釜石線平倉駅は、昨年十月釜石線全通と同時に、駅員無配置駅に格下げされたため、同駅利用の乗降客が非常に不便を感じて居り、乗降客も全通前より約二倍に増加しているので、ホームも短く、待合室も狹隘となつたから之を拡張すると共に、普通駅に昇格せられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。
請願第五百二十一号、鉄道専用電気動力、電気信号保安両設備に対し二重監督排除の請願、請願の要旨は、現在電気事業者は直流変電所より車輛に至る鉄道専用の電気動力、電気信号、保安両設備に対しては、運輸大臣及び通商産業大臣の二重監督となつているが、鉄道経営の合理化を容易ならしめるため、その監督、検査を運輸大臣一本とせられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。
以上請願三十件、陳情八件は審議の結果、何れも議院の会議に付し、内閣に送付するを妥当と認めました。以上御報告致します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/28
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029・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 本件につきましては、高木委員からの御報告通り本会議において報告いたすことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/29
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030・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それではさよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十一分散会
出席者は左の通り。
委員長 植竹 春彦君
岡田 信次君
高田 寛君
委員
仁田 竹一君
小酒井義男君
高木 正夫君
前田 穰君
松浦 定義君
政府委員
運輸大臣官房長 荒木茂久二君
運輸省船員局長 山口 傳君
航空庁長官 松尾 靜磨君
事務局側
常任委員会專門
員 岡本 忠雄君
常任委員会專門
員 古谷 善亮君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X01219510327/30
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