1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年三月三十一日(土曜日)
午後二時零分開会
—————————————
委員長の補欠
本日河崎ナツ君委員長辞任につきその
補欠として山下義信君を議長において
委員長に指名した。
—————————————
本日の会議に付した事件
○小委員会設置の件
○小委員選定の件
○社会保障制度に関する調査の件(医
薬分業問題に関する件)
○保健婦助産婦看護婦法の一部を改正
する法律案(衆議院提出)
○小委員長の報告
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/0
-
001・河崎ナツ
○委員長(河崎ナツ君) これより厚生委員会を開会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/1
-
002・山下義信
○山下義信君 本員はこの際、住宅問題に関しまする小委員会設置の緊急動議を提出いたしたいと存じます。その理由といたしまする点は、省略をいたします。昨日もこの件に関しまして緊急質疑の際申上げたのでございますので、省略をいたしますが、住宅行政に関しまする件を調査いたしますること、殊に厚生省と住宅行政との関係を調査いたしますこと。なお具体的に申しますれば特に低家賃住宅に関しまして、申すまでもなく社会福祉の見地から相当これは重要な問題でございます。厚生省といたしましても特に強力に推進すべき行政分野であると考えますので、これらの諸問題に関連いたしまして、これが強力なる推進を期する目的のために厚生住宅に関する小委員会を設けるの緊急動議を提出いたします。小委員の数は七人といたしまして、選出の方法は委員長の指名に一任したいと存じます。何とぞ御賛成を賜りたく存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/2
-
003・河崎ナツ
○委員長(河崎ナツ君) 只今山下議員から厚生住宅に関する小委員会を設け、その委員数は七人とし、選出の方法は委員長の指名とすることの動議がございましたが、御異議ございませんでしようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/3
-
004・河崎ナツ
○委員長(河崎ナツ君) 御異議ないものと認めます。それでは委員のかたがたは山下義信君、中山壽彦君、藤原道子君、常岡一郎君、谷口弥三郎君、長島銀藏君、松原一彦君、以上七人のかたにお願いいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/4
-
005・河崎ナツ
○委員長(河崎ナツ君) 速記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/5
-
006・松原一彦
○松原一彦君 この医薬分業の問題は、非常に重大な問題でありまして、世間を騒がせております。私どもは公正な立場、特に医者の側の立場でもなく、薬剤師の側の立場でもなく、診療を受ける国民の立場から、広く国民の意見を聞いて、この問題を愼重に処理したいと思います。よつてこの問題の審議の過程には公聴会、証人の喚問、その他あらゆる方法をとつて問題の審議を進めて行くというふうにいたしたいと思います。御賛成を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/6
-
007・山下義信
○山下義信君 只今松原委員から御提出になりました動議に対しまして、全面的に賛意を表します。つきましては成規の手続等が必要でありますような場合には、委員長、理事におきまして、適宜御協議の上お取計らい相成りまするよう、松原委員の動議に添えまして、附加いたしたいと存じます。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/7
-
008・河崎ナツ
○委員長(河崎ナツ君) それでは医薬分業のことにつきましては、皆様委員のかたがたのお言葉のように、又皆さんの御賛同のように、厚生委員会の皆さんが、本当に誠心誠意協力して、国民の仕合せとなるように、一つこの次の大きな問題として進めて行きたいということが、今日ここできまりましたことは非常に結構なことでございます。
それでは本会議のほうもございますから、厚生委員会は一時休憩いたします。
午後二時十六分休憩
—————・—————
午後五時二十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/8
-
009・山下義信
○委員長(山下義信君) 只今より厚生委員会を開会いたします。
このたび厚生委員長を拜命いたしました。どうかよろしく御指導をお願いいたします。
つきましては保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず提案者の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/9
-
010・青柳一郎
○衆議院議員(青柳一郎君) 只今提案されました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申上げます。
現行法は昭和二十三年七月に制定せられたものでありまするが、徒らに素質の向上に急なる余り、甲種看護婦養成所は勿論、乙種看護婦養成所につきましても、いずれも厚生大臣の指定を必要といたし、その設置要件も嚴格でありますので、従つてその設置数は少く、延いてはその卒業生の数が減少いたしたるため国民の保健上必要な看護婦、保健婦、助産婦の数を確保することが極めて困難になつておるのでございます。
特に過日議決せられました結核予防法の施行と相待ちまして結核予防には看護婦数を増加することが必要であります。
なお資質の向上に留意いたしますると共に、今回新たに准看護婦の制度を設けまして、数の増加による看護力の増強を図りまして、従前都道府県知事の免許を得ておりまするいわゆる旧制度による看護婦は一定條件の講習を受けることによつて厚生大臣の免許国家登録に切換えようとするのが本法案提出の理由であります。
次に本法案の主なる内容を申上げますれば、第一は現行の甲種看護婦、乙種看護婦をそれぞれ看護婦と准看護婦に改めたことであります。即ち新たに都道府県知事の免許する准看護婦制度を設けまして、これには現在の乙種看護婦のごとき業務の制限を附さないこととしたことでございます。第二は准看護婦であつて三年以上業務に従事する者又は高等学校を卒業した者は看護婦学校又は養成所におきまして二年以上修業いたしますれば看護婦国家試験を受けることができることにいたし、看護婦たるの途を従来よりも拡げたのであります。第三は、旧制度による看護婦は何どきでも国家試験を受けることができるばかりでなく、小学校からその最終の学校までの間における修業年数、看護婦になるのに必要な学校を終えました年数と、その持つておりまする経験年数を通算いたしまして十三年を超える者は、厚生大臣の定める講習を受けるのみで厚生大臣の免許を受けることができることといたしまして、旧制度による八万に上る看護婦の要望に応えんとするものでございます。なお旧制度による看護婦は、法律改正後におきましても看護婦の名称を用いて従前通りの業務をなすことができるのであります。第四は乙種看護婦につきましては、これを旧制度による看護婦と同一の取扱をすることといたしまして、何どきにても国家試験に合格したるときは、直ちに大臣登録の看護婦たるを得させますると共に、これ又修業年数と経験年数とを合しまして十三年を超えまするときは、厚生大臣の定める講習を受けるのみで、厚生大臣の免許を受けることができることといたしたのでございます。第五は、現在保健婦の学校又は養成所及び助産婦の学校又は養成所における修行年数はそれぞれ一年以上でありまするものを、六カ月に短縮したことでございます。
以上が本法案の大綱でございます。本改正案は第九百国会及び引続き第十国会におきまして衆議院におきましても十数回に亘る会合を重ねました。参議院の皆様がたとも打合せをいたしますること六回、非常に熱心に審議いたしました結果、立案されたものでございます。
各党いずれもこれに賛意を表しておるのでございます。何とぞ本院におかれましても十分御審議の上、速かに御可決あらんことを切に心よりお願い申上げます。
〔委員長退席、理事有馬英二君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/10
-
011・有馬英二
○理事(有馬英二君) 次は看護婦、助産婦、保健婦の制度並びに待遇に関する小委員長の報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/11
-
012・藤原道子
○藤原道子君 十一月の二十六日に看護婦法改正の小委員会が発足いたしまして、爾来愼重に審議をいたしまして、その間只今青柳衆議院議員のお話にもございましたように、衆議院との合同審査も六回、あらゆる角度から研究をいたして参りました。その間におきましては公聴会を開き、関係のあらゆる人々を参考人としてお招きいたしましたり、或いはPHWのオルトさんをも御招待をしたり、或いは向うからも会いたいというようなお話もございまして、衆議院、参議院の小委員会が同道して向うへ訪問いたしたり、あらゆる努力をいたしました結果が本法案となつて昨日OKを得ることができたようなわけでございます。殊に一時は非常に難関に遭遇いたしまして、危ぶむような機会も幾たびかあつたのでございまするけれども、関係者の熱望又衆参両院議員の熱意によりまして、ここまで運ぶことができましたことを誠に嬉しく存じますると同時に、簡單ではございまするが、今まで中間報告もいたしておりますので、私の報告はこの程度にいたしたいと思います。……殊に参議院で大体話合いましたこの問題の中で、できますならば私たちは六・三・三・二として、従来高等学校卒業後三年とございますのを二年としたいと存じましたけれども、この点はいろいろ難点でございまして三年に相成りましたが、併しこの三年の間に保健婦と助産婦と看護婦と併せて、いわゆる滲透教育というものをやつて、あと実地の修業によりまして、今までは助産婦、保健婦は学校卒業後一年とございましたのが、半年で資格が得られるということに相成りましたことは、考えようによれば却つて幸いではないかと考えておるわけでございます。それから乙種看護婦に関します業務制限を撤廃したということが大きな成果でございまして、これによつて今まで看護婦の不足で非常に行き悩んでおりまして医療行政に貢献することができると、かように存じておるわけであります。誠に簡單でございますが、以上報告をさして頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/12
-
013・有馬英二
○理事(有馬英二君) それではこれから御審議を願います。質問がありましたら提案者もおられることでありますから、御質問願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/13
-
014・藤森眞治
○藤森眞治君 現在の看護婦の検定試験というのがありますね、これはどういうふうになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/14
-
015・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) 一応現在の看護婦を作る検定試験がございますね、これは本年の八月で終りになるようになつておると思います。昨年までだつたのを一年延ばして本年までと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/15
-
016・青柳一郎
○衆議院議員(青柳一郎君) 只今医務局長がお答えしたようなことでございまして、本年の八月の末日まで行われるということに相成つておると存じます。従いまして今回上程されておりまする法律案の施行期日も、その関係から九月一日と、こういうことにいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/16
-
017・藤森眞治
○藤森眞治君 現在の八月に行われる試験、これは延期するということはないというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/17
-
018・青柳一郎
○衆議院議員(青柳一郎君) そういうことをいたさないことに相成つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/18
-
019・藤原道子
○藤原道子君 私は事務当局に要望ですが、質問ですが、従来私たちは幾多の法律を審議いたしましても、法律に、盛りました精神が施行令とか或いは政令等によつて根本から覆えされるというようなときが多かつたのでございます。殊にこの看護婦法の問題は、私たち非常に苦心した案でございますが故に、今後これの運営面に当つていろいろと施行細則だとかいろいろな問題が出ることがあると存じますので、そういうときには、是非とも本院に一応一つお諮りを願いたい。そうして両方で協議いたしまして、一つ誤りなき運営をして頂きたい。できれば私一つそういうふうに願つて、いろいろ看護婦の資質の向上等についても今後一段と協力して頂きたい。かように考えておりますので、その点について局長のお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/19
-
020・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) この改正の法律案は、両院の小委員会においていろいろと御研究になり、又私どもに対しましても意見若しくは希望等を十分聴取しまして、そうして決して各方面に全部御満足というものではないと存じますが、とにかく両院全会派の一致した案としてお作り上げになつたというものでありますので、この法律の施行に関するいろいろな細則、規則、政令等が政府のほうから出す必要のあります場合には、これは特に両院の御意見と相そぐわないことの起りませんように十分に御相談と申しますか、御協力と申しますか、御智慧を拜借いたしまして、そうしてこの改正されました法律が十分成果を挙げ得るようにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/20
-
021・藤原道子
○藤原道子君 次に全国の八万に余る旧制度による看護婦、これは国家試験なしに看護婦に切換えられるという点につきまして、私たちの考え方はできるならば無條件で切換えて、そして講習は別個に、資質の向上という意味の講習を継続するということが希望であつたのでございますが、いろいろな都合で、この本案は厚生大臣の定むる講習によつて切換えるということに相成つたのでございますが、こうなりますと、山間僻地にある看護婦であるとか、いろいろ條件が違いますために、全部の看護婦さんたちが講習を受けるということは、非常に困難が出て来ると思うのでございます。併しこれは差別があつてはならないと存じますので、できる限り簡易な方法で行われるようにしたいと存じますが、それにいたしましても、予算が相当伴うことでございますが、今看護婦の再教育講習に取つております予算というものは、どのくらいになつておるか。それで若しこれを厚生大臣の定むる講習というのでございますから、いわゆる認定講習とは違うわけでございますけれども、それにしてもどの程度あつたらこの講習が円滑に行えるかということのお見通しをちよつと伺いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/21
-
022・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) 只今藤原委員のお話の点は事務当局といたしましても全く御同感でございますが、この講習をすべての在来の看護婦の人に、公平に誰でもそれが受けられるようにするということは非常に困難であるけれども、これが実は今度の改正においてその他の点はすべて私どもが直ちに自信を持つて行えるというので喜んでおるのでありますが、率直に申上げますとこの点が頭痛の種でございます。これに対する財政当局の十分な裏付けを得られるかどうかということは、私ども最も懸念いたすところでありまして、財政当局にもその事情を十分話をいたしまして、できるだけの援助を得たいと存じておりますが、それにいたしましても、どうしても公平を欠くような結果が起りはしないかということが、これが頭痛の種でございます。只今計画いたしております講習の数字的なことにつきましては、丁度看護課長が参つておりますので、その原案を作りました看護課長から説明することをお許し願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/22
-
023・金子光
○説明員(金子光君) 新らしい法律に規定されました厚生大臣の定むる講習というものを行いますために、どれくらいの費用がかかるかということを、差当り見積つたのでございますが、こういうことが考えられると思います。御承知のように看護婦の再教育でございますので、従来の看護婦を新らしい制度の看護婦に切換えますために、一番欠如しております点は、看護婦として患者に対する知識と技術が欠けておるのでございます。これが新らしい法律で、看護のあり方を新たに考え直しました重点でございますので、この点を教育することが第一目的だと思います。そうなりますと、最低度に見積りまして、一カ月の講習が必要ではなかろうかと存じます。只今都道府県に補助を出しまして、一般看護婦の再教育をいたしておりますのは一カ月でございます。なお只今は指導者の教育というものを三カ月いたしてやつておりますけれども、これは目的が違いますので、私どもが今考えておりますこの度の講習の行き方は、最低一カ月の内容で大体行けるのではないかと考えております。なお今申上げましたような技術的な講習をいたすのでございますから、人数にも相当制限をされまして、一回五十名見当、只今どこの講習でも五十名いたしております。そういたしますと一回の受講者五十名が、講習期間は一カ月でございます。そうして受講者の対象でございますが、先ほども衆議院のほうから御説明申出げましたが、八万の実動のうち約八千何がしという者が第一回の国家試験を受けてパスしておりますから、その人たちはのがれると思います。それからなお国家試験を受ける人もあるかと思いますし、或いはやめて行く人も何人か中にはあると思いますので、大体六万と踏んで計算をして見ました。それから成るべく早い機会に皆を仕上げてしまわなければいけないと思いますので、一カ月の講習を年間フルに動かしてもらいたいと思います。そうしますと毎月毎月することもいささか困難と思いますので、どんなに急ぎましても一年間に十回、これがせいぜいの見当だと思います。十回でございますから、そういたしますと各府県で一回五十人ずつ年十回といたしますと五百人持つことができると思います。それが四十六府県でございますから、二万三千人というものが一年に上る計算になります。それで六万の対象を解決いたしますためには大体三年間は必要だろうという計算になつております。これがかかる年数でございますが、ただもう一つ、今度規定されました法律の中で受講対象が小学校教育から通算十三年ということになつておりますので、そういたしますと今年の八月三十一日に資格をとります者が最後の有資格者になります。この人たちが通算十三年になりますためには、又四カ年必要になります。それで計算上は三年間で予算が組めると思いますので、実施をいたします場合には、これを四年にしなければ皆が拾い上げられない、こういう勘定になると思います。それで費用の点でございますが、私どものほうで講習会の補助として大蔵当局のほうから認められて、頂いております單価で計算をいたしますと、一回の講習に要する経費は大体一万円でございます。それで十回年間にいたしますから十万円、全国にいたしますと四百六十万円、これが三年間で千三百八十万円という金額になるのでございますが、これは單に講習の費用だけでございまして、一年に十回も講習を持つということになりますと、現在の職員では到底扱い切れなくなりますし、いろいろな病院の婦長さんや、養成所の先生をお願いすることも不可能でございますので、こういうことになりますと、どうしても専任の者を使わなければ仕事ができないと思います。そうしてそれで専任の職員の人件費というものを組まなければならないと考えます。専任の職員が、看護婦である技術職員と、事務を扱う職員と、二名はどうしても最低限度必要であると考えますので、この二名を月額一万円の俸給で計算して参りますと、三年間で約五千万円ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/23
-
024・藤原道子
○藤原道子君 三年間で五千万円。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/24
-
025・金子光
○説明員(金子光君) 三年間で五千万円、言い換えますれば、五千万円で大体六万人の者が講習を三年間に受け切れるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/25
-
026・藤原道子
○藤原道子君 講師の謝礼とか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/26
-
027・金子光
○説明員(金子光君) 講師の謝礼その他見学の旅費でございますとか、或いはプリント代でございますとか、いろいろな消耗品がございます。そういうもの全部計算してございますが、大体五千万円で上がるのではないか知らんと、最低の線でそこまで計算して見ました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/27
-
028・藤原道子
○藤原道子君 実に安い費用ですね。この講習は非常に御苦心のあることだとは存じますが、こういう点を療養所であるとか、いろいろなところへ委託しておやりになる、こういう方法もできるでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/28
-
029・金子光
○説明員(金子光君) 会場などは療養所などを拜借することができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/29
-
030・藤原道子
○藤原道子君 指導教育を受けた人たちが療養所におるならばそれでできるわけなのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/30
-
031・金子光
○説明員(金子光君) 療養所或いは一般病院に指導教育を受けた人がおります。この人たちが病院の婦長なり、或いは専任教員などいたしております。今度のような講習の場合でございますと、十回しなければならないというところに苦労がございますので、そういうところの施設を広く活用することが困難ではないかと思つておりますので、専任の者を入れる必要がある、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/31
-
032・有馬英二
○理事(有馬英二君) 私からちよつと質問いたしますが、今の講習は一日どれくらいの時間になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/32
-
033・金子光
○説明員(金子光君) 従来の行き方から申しますると、一日大体六時間ぐらいの講習をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/33
-
034・藤原道子
○藤原道子君 それから講習養成所の機関でございまするが、今までは病床が、総合病院で百床以上なければ養成所は持てなかつたのでございますね、甲種看護婦……、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/34
-
035・金子光
○説明員(金子光君) 九十床でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/35
-
036・藤原道子
○藤原道子君 それが非常に今までの隘路になつていたと思うのでございます。そこで私ども参議院で出した試案でございますね、それの中にも考えていたことでございますが、九十床以下であつても医療法できめられた病院であるならば、それらが総合して、協力をして持つような方法が一つと、それから單科病院でも総合病院と協力すれば持つことができる。或いは医師会等を中心にして、県單位とか或いは地方事務所單位ぐらいにやはり持つことができる。そこにある医療機関が総合して医師会と……、そういう方法等を考えてやりましたならば、もつと養成機関が殖えることができるのじやないかと思いますが、それに対してどういうふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/36
-
037・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) 今の御質問にお答えいたします前に、前の御質問で、課長の答えましたことだけでは私は非常に藤原委員の御希望に副わないのじやないかと思いますが、療養所であつてもやる必要があるところは、その療養所に養成所を置いたらいいじやないかという意味だと思いますが、それは私どもも当然考えられることだと存じます。それから只今の御質問でございますが、つまり一カ所でいろいろなものが揃つていなければ養成所にはなれないというのでなくて、合せて一本という形のものをいろいろと考えたらどうかという御質問だと思いますが、私どももそれは結構だと思います。とにかくどういう方法でも、あらゆる方法を講じまして、成るべく多数の養成機関を動員して、そうして成るべく多数の人に、成るベく早く得られる資格を得さしたい。こういう工合に考慮いたしたいと思いますが、それなどは先ほどお話の、これから作りますいろいろな規則なり或いは指令なりというふうなものに当然盛られて来ると存じますので、更にこちらも具体的な問題につきまして検討はいたしているつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/37
-
038・河崎ナツ
○河崎ナツ君 ちよつとお尋ねしますが、そうするとこれは法案が成立いたしますと、実施は厚生省といたしまして、実際活かされますのはいつ頃から活かされる予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/38
-
039・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) これの施行されますのは本年の九月一日からということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/39
-
040・河崎ナツ
○河崎ナツ君 そういたしますと、ここで取扱つております既成看護婦さんの資格の問題、切替えですね、甲種と乙種の切替え、そのことがございます。それは実施が九月一日以後になりますね、そういたしますと今度発表いたしております四月の国家試験ですが、一応願書締切りになつておりまして、あれは法律の何以前ですから、やはり実施することになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/40
-
041・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) 只今十日まで締切を延期いたしました。それで国家試験は行いますが、併しながらこの法案が成立いたしましたことが周知されました場合には、或いは受験をしない人が出て来ることは予想いたしておりますが、国家試験として行うことは既定の通り行うつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/41
-
042・河崎ナツ
○河崎ナツ君 何かこう形式的に過ぎると思つて……、法律ができますまではやはりそういう形にならざるを得ないのでございますか。今年卒業する人は当然受ける人でございますけれども、それに参加する、大分一回の試験に対しまして、地方で見通しもついたから多少考えている人もあつたようでございますが……、そこで参加するという地方の既成看護婦さんのかたがたの問題ですね、近く九月から今規定されておりますような形でなることですけれども、その問題ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/42
-
043・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) やはり国家試験はずつと将来も続いてあることでありますし、どうしても国家試験を受けて、国家試験に及第してなつた看護婦だということになりたいというのも相当多数ありますので、やはり今回の試験制も全部が受けるとは予想いたしませんが、相当数が、或いはそれなら第一次で受けないでおこう、そうして切替えのあれで、厚生大臣の免許でいいというかたは、受験しないという態度をとられるかも知れませんが、私どもはやはり相当数のかたが受けるのではないかと思つておりますので、国家試験のほうは既定方針通りやるつもりでおります。なお先ほどすべて九月一日からというふうに申上げましたが、乙種看護婦の養成機関は九月一日からなくなるというものではございませんので、これは昭和二十九年まで続きます。と申しますのは、現在乙種看護婦養成所を作つて、まだ一学級しかないとか、或いはまだこれから作る準備の全部できておるというのもありますので、少くとも二学級が養成できるような工合に昭和二十九年まで活かしておきます。それでその間に乙種養成所は甲種養成所に成るべく切替えられるように充実して頂くというふうに行きたいと思いますので、その他の部分は、本年の九月一日から施行するということになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/43
-
044・河崎ナツ
○河崎ナツ君 それはよくわかりましたのですが、先ほど東医務局長から、今までの看護婦の国家試験を受けないで切替えるあれにつきまして、今度の法案では、厚生大臣の指定する講習をどうして行くかということになつておりますけれども、そこのところが非常にあなたがたの頭痛の種だ。それは具体的に実施するに当つての問題もあるし、頭痛の種だとおつしやつておられたことは私も重大だと思うのです。これは私どものほうも実は頭痛の種であつたのですが、そのことはこれはこれといたしまして、なお引続いて看護婦さんたちの勤務の上にも非常に重大なことでありますから、これはこれとして、一つ厚生省のほうでも引続きお考え願いたいし、私たちもこれは引続いて考えていろいろと御相談申上げなければならんかと思つておるのでございますが、そういうつもりでおります。が、恐らく厚生省のほうでもそうかと思うのですが、如何でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/44
-
045・東龍太郎
○政府委員(東龍太郎君) 私が頭痛の種と申しましたのは、私どものほうの考えでそういう結論になつたのでありますが、とにかく法律となつてこれがきまりました曉には、これに基いて最善の努力をいたすつもりでおります。併し幾ら努力をいたしましても、結局こちらの希望いたしますような養成施設が完全に運営できるだけの予算的裏付を得られん、十分得られぬということになりますれば、如何に努力いたそうと思いましても、実効が上らないというので、私どもも手を挙げざるを得なくなるのではないかということを恐れているわけでございまして、一応できるだけの努力はいたして見まするが、或いは手を挙げる、悲鳴を上げる時期があるのではないか。これを実は心配いたしておるのでございます。一旦法律できまつたことを行政当局がこれを行えないということに相成りますというと、誠にこれは申訳ないことになりますので、この点を懸念して、実は盛んに二の足を踏んだ問題なのでございます。厚生大臣の指定するような養成機関を設けて養成をする、俗に言う認定講習というふうなものに類することをやりますことは、相当躊躇いたしたのでございます。なおこれは比較的近頃でございますが、文部省の行なつておりまする認定講習についてのいろいろの困難さと、そうして非難とを文部委員のかたがたからも聞きまして、それに類する講習であるという点で、いろいろ警告も頂いておつたようなこともございますのですが、併し行いませんで、初めから兜を脱ぐのも如何かと思いますので、私どもといたしましては十分な努力はいたして見たいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/45
-
046・藤原道子
○藤原道子君 聞くところによると、その筋におきましてもむしろ切換えて講習は別個に扱つたほうがよいという御意見もあるやに聞いておるのです。私は今度は会期さえあるならば、ここに一日か二日の会期があるならば、むしろこの際参議院の修正としてでも私はこれを別個のものにしたいと思つていろいろ考えたのでございますが、もう日にちもございませんので、私は小委員長として審議して来ました責任者といたしまして、私の質問はこの程度にいたしますが、併し法律の完璧を期するためには、今後運営していろいろ遺憾な点があつたならば、そのときには又当委員会におきましても十分責任を以て考慮して行かなければならないのではないか、こう考えておるわけでございます。そこで待遇その他につきましてはもつといろいろこの際申上げたいこともございますが、今日はこの程度で私の質問を打切りまして、どうぞ看護婦、保健婦が公衆衛生の立場から行つても、医療行政の立場から行きましても、本当に第一線に立つて働くものでございますから、その待遇等につきましても、今後なお一層の一つ御努力によつて、熱意を以てその業務に従事できるように一つ御考慮願いたいということを申上げて、私の質問はこの程度で打切りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/46
-
047・有馬英二
○理事(有馬英二君) ほかに御質問ありませんか。御質問がございませんければ暫時休憩をいたします。
午後六時七分休憩
—————・—————
午後七時五十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/47
-
048・小杉繁安
○理事(小杉繁安君) 只今から再開いたします。御質問はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/48
-
049・中山壽彦
○中山壽彦君 もう質疑もないようでありまするから、直ちに討論を省略して、採決に入られることの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/49
-
050・長島銀藏
○長島銀藏君 只今の中山委員の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/50
-
051・小杉繁安
○理事(小杉繁安君) 御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/51
-
052・小杉繁安
○理事(小杉繁安君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして原案の通り可決することに賛成のかたの御起立をお願いいたします。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/52
-
053・小杉繁安
○理事(小杉繁安君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
それから委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられたかたは順次御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
河崎 ナツ 中山 壽彦
長島 銀藏 藤原 道子
上條 愛一 藤森 眞治
松原 一彦発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/53
-
054・小杉繁安
○理事(小杉繁安君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れはないと認めます。
なお本会議における委員長の口頭報告につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/54
-
055・小杉繁安
○理事(小杉繁安君) 御異議ないと認めます。
では本日はこれを以て散会いたします。
午後七時五十四分散会
出席者は左の通り。
委員長 河崎 ナツ君
山下 義信君
理事
小杉 繁安君
有馬 英二君
委員
中山 壽彦君
長島 銀藏君
上條 愛一君
藤原 道子君
藤森 眞治君
松原 一彦君
衆議院議員
青柳 一郎君
政府委員
厚生省医務局長 東 龍太郎君
厚生省社会局長 木村忠二郎君
事務局側
常任委員会専門
員 草間 弘司君
常任委員会専門
員 多田 正巳君
説明員
厚生省医務局看
護課長 金子 光君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X02319510331/55
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。