1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月二十六日(土曜日)
午前十一時三十八分開会
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本日の会議に付した事件
○社会保障制度に関する調査の件
(厚生省職員の放送に関する件)
○看護婦法の改正の実施に関する件
○医師法、歯科医師法及び薬事法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
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001・山下義信
○委員長(山下義信君) 只今より厚生委員会を開会いたします。ちよつと速記をとめて下さい。
午前十一時三十九分速記中止
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午後零時一分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/1
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002・山下義信
○委員長(山下義信君) 遮り記を始めて……。それでは午前中はこの程度にして暫時休憩いたします。
午後零時二分休憩
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午後一時三十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/2
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003・山下義信
○委員長(山下義信君) 午前に引続きこれより会議を開きます。
日程外でございますが、午前の申合せによりまして、谷口委員の御提唱になりました厚生省職員の放送に関する件を議題に供します。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/3
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004・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/4
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005・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 去る五月二十一日の午後一時に、婦人の時間におきまして放送された薬務局の薬務課長中村光三君に二、三質問をしたいと思います。
先ず第一番に、中村課長はこの二十一日の日の午後一時の婦人の時間に放送されましたでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/5
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006・山下義信
○委員長(山下義信君) 中村君は説明員でありますが、この際発言を許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/6
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007・中村光三
○説明員(中村光三君) 放送を午後一時半の婦人の時間にいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/7
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008・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 只今医薬分業と一般に言われております問題につきまして、国会におきまして極めて慎重に審議されておつて、併しなおまだ結論を出しておらんということも御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/8
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009・中村光三
○説明員(中村光三君) 承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/9
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010・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 承知しております。それでは二、三御質問したいと思いますが、この放送のうちに、例えば従来長い間医薬分業問題がやかましく言われておる。ところがそれがやかましく言われておる元は何かと言えば、開業しておる医者が医薬兼業という従来の習慣を変えるということが大変困難である。或いは診療上に差支えがあるというので、お医者様がだんだん反対をしておられるというようなことを放送されておりますが、実際におきまして、私どもの知つておる範囲におきましては、診療上に差支えがあるとか、なんとかというのは問題にならず、これは、国民のために、医薬分業をするのは国民のためにならんという観点から反対されておるということを聞いておりますが、あなたは診療上に差支えがあるからと言つて放送になつておりますが、実際でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/10
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011・中村光三
○説明員(中村光三君) 今谷口委員のおつしやいました言葉とは多少違つておると思いますけれども、私は歴史的な説明として求められたので、そのとき答えましたのは、従来の文献その他を参照いたしまして、そうして一般の人がわかる、そうして而も短時間に客観的なしやべり方をするという趣旨でしやべつたわけでございまして、その中で先ず第一の問題としては、やはり従来その当時明治の中葉頃に、医師会とは申しておりませんでしたでしようけれども、医師の側の反対理由としては、やはり一つの医薬兼業というものは我が国古来の良俗であるという趣旨と、それからあとは引くるめて申上げますと、やはり治療の一貫性を欠く、それから診療上兼業で行かなければ困る場合があるというような御趣旨を全体として言つておられたと思うのであります。そうして今申上げました二点を、全体引くるめて言えば、それが今谷口委員のおつしやいましたような、国民生活にとつて、分業というものは医療上支障がある、国民生活上の問題であるということになると思うのでありますが、項目を分けて話しすれば、この二つに要約されておるというふうに考えて話したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/11
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012・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 次にお尋ねいたしますが、私の今申しておることは、これは放送局で放送されましたその原稿を持つて話しておるのですから、そのおつもりでお答えを願います。第三には、この医薬兼業という医療制度が、どうしても医薬分業の線に変つて来んのは、お医者さんというのは、昔からまあ指導的な立場にありましたでしよう、ですからそのために政治的にもかなり強く、それで法律の改正というものがなかなか取上げられんのであります。というようなことを言われておりますが、これは医者が政治的に動いたために、医薬分業がこれまで成らんというようなことを、厚生省の一役人としてお認めになり、そういうことを放送されたのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/12
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013・中村光三
○説明員(中村光三君) 今谷口委員のお手許にあるその原稿は、放送局で放送をする前に一応脚本を作るわけです。その脚本を作つて、その脚本を私のほうで見まして、適切でない表現その他当り障りのあるところは削つて私のほうでいたすわけであります。その最初の原文にそういうものが出ておつたわけであります。それで私といたしましては、その点を全部削つて、適当な表現に直して、医師の政治的な力或いは指導的立場というものは全然一言も放送してございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/13
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014・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 実は私は中村さんだつたかどうか存じませんけれども、その時間の放送も私自身聞いておるのでございます。次にお尋ねしますのは、これはアナウンサーが申されたのに、医者に診察して頂いて、帰りに窓口ですぐ薬をもろうて来るというのは非常に便利であると思うというようなお尋ねの場合に対しまして、中村課長は、一応はそうも思われるが、個々の場合を考えて見るとどうと、お医者さんに見てもろうて薬を調剤してもらうには控室で待たねばならん時間があるから、決してそうでもないというように言つておられますが、一般的に聞きますというと、薬局に行けばすぐもらえるが、医者のほうでは待つ時間がかかるから、従つてほかのうちに行くのも別に変らんというような放送をされておりますが、それも事実でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/14
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015・中村光三
○説明員(中村光三君) 今おつしやいましたような表現にはなつておりますけれども、趣旨は表現より多少違つておると思います。私の記憶しておる限りで言いますと、それでは不便ではないかというアナウンサーの質問がございましたので、私は一応言えばそういう不便を與えるという感じがするけれども、個々の場合に分けて見ると、不便でない便利な場合があると申したのであります。そうしてもう少しあとのほうで、併しながら便利、不便ということで、それについて医薬分業になつたほうが便利であるということは断定を下さずに、最後のところでは、便利、不便ということだけでこの問題は考えるべきではないと思つておるということを附加えておるわけでございますから、薬局に行けば、診察室で待たないで、すぐ薬をもらえるから便利だというような直接の断定は下していないと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/15
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016・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 只今言われました先のほうの文句のうちに、専門家の人に間違いのない調剤をしてもらうのであるから、少しくらい便利とかというようなことは考えんでいいじやないかと言うたために、アナウンサーが命にかかわる大事なことでありますから、足を運ぶくらいのことは、これは考え直さなければならんというようなふうに言つております。如何にも医者の調剤は間違いだらけで、而も命にまで関係があるがごとく一般に感じさせるような言葉を使つておられますが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/16
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017・中村光三
○説明員(中村光三君) 私はそういう感じを與えるために申したわけではありません。受取りようかと思いますが、一般にはそういう印象を與えまいということでしやべつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/17
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018・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 医薬分業法案というのが成立をいたしますというと、医療費が高くなりはせんだろうか、どうだろうかという質問の場合に、中村課長は、それは医薬の報酬を分析して、例えば診察に対する技術料と或いは薬価というものに分けるのであるからして、薬の原価と調剤料は今後薬局のほうでそれに移るといたしましても、別に医療費が上るようなことはない、医薬を分けるのであるからプラス、マイナスであるというようなことを放送されておるのですが、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/18
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019・中村光三
○説明員(中村光三君) 終りのほうがやはり多少違つておりまして、その原稿を手許に頂いて直して、大体今までの通りプラス、マイナスで、今まで通りになると思うという答えをいたしております。併しこれは従来この厚生委員会の席上でも政府の当局者が答弁しておりますのを、その方針に副つて答えたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/19
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020・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 厚生次官に質問いたします。御承知のように医薬分業なる問題は極めて重大なる問題でありますから、私ども厚生委員会においても極めて愼重に審議しております。従つて医療費が例えば高くなるとか、安くなるとか、プラスになるとか、マイナスになるということはまだ決定の時期に達しておりません。この前の診療報酬調査会、又医薬制度調査会においても、そういうふうなところまで進んでおらなんだ。それにもかかわらず医療費は安くも高くもならんとか、或いは時間的にどうこうとかいう放送を、厚生省の一公務員としてそういうことをするのは、又させるのは極めて不謹慎の至りじやないかと存じます。次官のお考えは如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/20
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021・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) お答えいたします。政府は只今政府案として法律案を出していることは私から申上るまでもございません。従つて政府といたしますれば、この法案を出しております決心と責任から申しましても、当該係りの公務員が、例えば放送局その他の機関を通じまして、国民一般にまでその意のあるところをお知らせするため、適当なルートを経て申出がございますれば、努めて私どもいわゆる民主的にこれを知らせる必要があろうと思うのであります。従いまして、このたび私の伺つておるところによりますというと、私どもの役所には広報課と申しますか、広報係と申しまして、御承知の通り常にいろいろな問題についてこれを一般国民に周知徹底せしめる仕事を担当しておるところの機関があるのであります。この機関を通じまして放送局から要請がありましたので、それは結構なことであるからということで、このたび放送をいたしたのでございます。併しながら本日この席で伺つておりますると、私の存じ上げておる範囲内におきましては、調査会におきましても、大体において今谷口委員の御説明の事柄は、大体において現状と変りはないであろうというような答申があるように私は実は心得ております。併しながら文書をここに持つておりませんから、或いは多少違つておるかも知れませんが、私は実は率直に申上げますと、さように心得ておるのでありまして、今課長が申しましたことは、恐らくはその線に沿うて話をせられた。即ちこの委員会等においても、政府がこの原案を上程いたしましたその趣旨の範囲内において話をされたことと、私は解釈いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/21
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022・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 只今のお話によりますというと、薬事課長の言われたことは、私どもが審議をしておる上におきまして一方的の考えである。政府はいわゆる両方からいろいろと言われたやつを、それを放送されるならばいいけれども、單に一方的の問題だけを取上げて、それを放送せられても厚生次官はいいとおつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/22
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023・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) お答えいたします。私は一方的なことを申上げるということは断じていかんと思います。併しながら今政府の提出しておるところの法律案の趣旨は御承知の通りであります。その範囲内のことは、これは政府の公務員とすれば、その範囲内においては私は差支えないものだと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/23
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024・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 私の聞かんとするところは、政府のか九がそれを放送して国民に知らせようとされるなら、まだきまつておらん問題でありますから、両方のことをおつしやるのが正当じやなかろうか。決定された後ならば、それはこのようにまとめておつしやるのは、それは無論のことでありますが、まだ決定されておりませんときに、一方だけの申し分を取上げてそれを放送するということは、余りにも偏見でないでしようか、それがどうもよくないことじやないかということをお尋ねしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/24
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025・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) 只今質疑応答のございましたのを、途中からでございますが、私も承わつたのでありますが、私はこの法案が谷口委員のおつしやられるように、決定いたしましたことを普及宣伝するということでなしに、現に上程せられておりまするところの法案でありまするから、その法案の内容の説明ということにおいては私は差支えないと存じます。併しながら今谷口委員の仰せられたように、一方的な偏見によつてやるというようなことについては、それは私どもは承服することが、公務員とすればあり得るはずがないと思います。併しながら、この法案の内容というものは如何なるものであるということの説明については、これは公務員とすればして差支えないのじやないか、かように私は存じ上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/25
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026・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 無論公務員として説明をすることは、全体に知らせる上において非常にいいことであります。但し私の繰返して申上げますことは、一方のものだけを言うて、ほかのほうのことは言わん、言換えれば、医療費が上る、上るか下るか言うときには、或る方面から調べたところでは上ると言うておる、或る方面からは、別に変らない、プラス、マイナスになると言うておる、それを只今国会において検討されておるのであるというようなふうに放送をして頂くことが、政府としてのやり方はそれが当り前じやなかろうかと、こう存じて、又何回も繰返しておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/26
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027・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) 重ねてお尋ねでございまするが、この間から御説明申上げておりまするように、この法案ができましたところの趣旨は、大体政府がとりましたことは、私よりも一層御存じの通り、この調査会の結論というものが、大きく政府といたしますれば、取上げられまして、この法案が出ているのでございます。従つてその底に盛られましたところの言葉或いはその内容ということについて、それが基準になつておることと私は解釈いたします。従いまして、その範囲内においての事柄ならば私は御了承を願えるかと思いまするが、併したまたま今医薬分業のこの重大なるところの問題があらまして、放送局からの要請と申しまするか、お話は、薬事課長でありました。従つて政府の公務員といたしますれば、例えば薬事課長でございましようとも、或いは薬務局長、医務局長、医務課長、それは政府の役人といたしますれば、公正妥当でなければならんということについては仰せの通りであります。併しこの法律の出しましたところの基準というものは、その調査会に結論が得られましたということを、とつて以ていたしたのでございまするから、その内容において、それに近いことを申上げたのじやないかと私は考えますが、偏見等であつていたしまするということは公正妥当を欠くことでございますので、そういう点については私どもは非常に遺憾の意を表せざるを得ないのでございます。私は只今開いた範囲内においては、盛られましたところの案のよつて立つゆえん、即ちその範囲内におけるところのお話であるかのごとく私は承わつておるのであります。併し仰せられたごとく、何人が考えましても偏見を持つて話されたということがありますとすれば、それは公務員として思わざるも甚だしい、かように私は存じ上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/27
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028・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 これで私の質問は終りますが、只今次官が仰せられましたように、答申案を主としておやりになつたのですが、答申案にも、別に医薬費がプラスになる、マイナスになるということは出ておらんのでございます。無論多くは望まれんけれども、医療費の幾らかが上るというようなことも、あの何には認めているのであります。そういうようなことも十分考えて、或いは薬事課長が出て行けば一方のことを言う、医務課長が出て行けば又一方のことを言ようだつたら、政府は実に、両方の意見を皆が出すようになつてしまつては、国民の信用もなくなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/28
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029・山下義信
○委員長(山下義信君) 他に御意見ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/29
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030・有馬英二
○有馬英二君 只今放送について谷口委員から質問がありました。それについて又政務次官からも御答弁がありましたが、大体においてこの医薬分業の法案を出すことそれ自身が、政府が甚だ私は何と言いましようか、研究をされていない、甚だ未熟な研究基礎によつてこういう法案を出したということを、私は非常に遺憾に思うのであります。従つて只今の放送のような、甚だ不謹慎な態度を政府当局の一員が行うということそれ自身、これは政府当局がこの法案の成立つ提出までの経過、それによつて起るところの法案の起草、そういうことについてもつと愼重にしなければならんと私は思うのであります。そういう点について只今の放送が誠に我々遺憾である、不謹愼であつたと私は思うのでありますが、こういう点について政務次官に御所信を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/30
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031・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) 政府が本法案を提出するのに、甚だ準備その他研究というものが足りないという仰せられでございます。御意見として承わりますが、政府といたしますれば、ここで大臣からもお話があつたことと存じ上げるのでありまするが、長い時間をかかりまして、而もこの問題は数十年に亘るところの問題でありますると同時に、政府といたしましても、有馬委員の仰せられるように、これは非常に重大な問題でございますから、各界の諸君を要請いたしまして、御承知の通り長い時間をかかつて研究をいたしたのであります。従つて私どもつまり政府といたしますれば、御意見として有馬委員の仰せられは私は傾聽いたしたのでございますが、政府とすれば十分検討をいたして、この成案を得て出したつもりでおるのであります。なお又第二段の、政府の公務員が発言について特別な意図を以てしたかのような仰せられでございますが、若しさような特定した意図によつてやるというようなことがありといたしますれば、十分事実を調べまして、さようなことは決してあらしめざるように心がけなければならないものと、私今現に決心をいたしておるのであります。併しながら私どもは、そういう特別な意図を以てしたことは、実は先ほど谷口委員に申上げましたように、ないことと信じておるのでありまするが、十分それらのことについては、本席のみならず、私ども役所の責任といたしましても、なお検討いたして見たいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/31
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032・山下義信
○委員長(山下義信君) この問題は、あとで同じような問題が起きましたときのことにも関係いたしますから、私からも確めて置きたいと思うのですが、中村薬事課長は先ほどの御答弁の中で、放送局からもらつた原稿は、手許でそれを直したという御答弁がありましたが、その原稿はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/32
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033・中村光三
○説明員(中村光三君) 今持つておりませんけれども、役所に帰ればあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/33
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034・山下義信
○委員長(山下義信君) それからその放送は、大体上司の命令で放送したのですか。或いはあなたに直接交渉があつて、上司の許可を受けられましたか。その放送するまでの手続はどういうふうになつておりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/34
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035・中村光三
○説明員(中村光三君) この放送は、放送局のほうから厚生省の広報係のほうに話があつたわけでありまして、そうして広報係では、薬事課長がこれは専門だということで、私のほうに話を流して来たわけであります。それで私は、法案の範囲内においていろいろと趣旨の御説明をすることは、政府の今まで取りきめられた範囲内で話すことは差支えないという私の実は判断で、正式の上司の許可はとらずにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/35
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036・山下義信
○委員長(山下義信君) 薬務局長は、この放送については事前に何も知りませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/36
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037・慶松一郎
○政府委員(慶松一郎君) このことにつきましては、只今薬事課長が話しましたように、放送局から厚生省総務課広報係を通じまして話があつたのでございます。で、このことにつきましては、中村薬事課長から私に、こういう放送をするという話がございまして、そこで私は中村薬事課長に、この問題は目下非常に慎重を期すべき問題であるが故に、どうか愼重に且つ客観的にのみ一つ話をするようにということを申しました。併し私の知つております範囲におきましては、中村薬事課長は平素から極めて愼重冷静な人物でありまして、その点につきましては、私は十分信頼いたしておるものでございます。従いまして、その意味で同課長が放送されますことにつきましては、当時私は大体その範囲、即ち課長も申しましたように、政府で法案を提出しておりますその範囲において話をすることについては差支えなかろうと、こう申し伝えた次第でございます。なおこれはすでに政務次官からもお話がございました通りに、その時折の時事問題に関しまして、私どもの課長或いは局員にして適当な能力を有します者が、これに対しまする解説なり或いは話なりを放送乃至は原稿に執筆いたしますことにつきましては、むしろこの点大変結構なことと私どもは存じておる次第でございまして、大体におきまして、従来この点間違いはなかつたと私は存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/37
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038・山下義信
○委員長(山下義信君) 中村課長は、最前上司には相談しなかつたということでございまするが、今の局長の答弁を食い違いがあるのでありまするが、どうしますか、訂正されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/38
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039・中村光三
○説明員(中村光三君) 私は先ほどは正式な許可は得なかつたというふうに申上げたわけでございます。その意味は、要するにお伺い見たいなもの、役所の正式ないろいろの文書その他によつて正式な許可は得なかつた、口頭ではそういう話をしたわけでございますが、許可というふうに御質問がありましたので、いわゆる正式な許可というものは得ておらなかつたと、こういう御返事をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/39
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040・山下義信
○委員長(山下義信君) わかりました。平澤政務次官に伺いますが、国会で審議中の問題は、私どもといたしましては、常識なり、社会通念としまして、これは政治問題であると存じますが、次官の御見解は如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/40
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041・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) 委員長の通りに私も考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/41
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042・山下義信
○委員長(山下義信君) 政務次官の最前の御説明の御趣旨は、私どもよくわかるのでございますが、厚生省の事務官が言論をいたしまする範囲内は、政治問題に及ばないことが国家公務員法の命じておるところではないかと思うのであります。それでいろいろ厚生省の関係職員が広報的に御説明になりますことは、すでに行政府に渡りました問題について御解説なり或いは御説明になるのが至当でありまして、目下政治問題になつておりまする問題について解説を加え、或いは批評に亘る範囲内ということになりますと、一つの政治言論、政治行動に触れる虞れがあるのではないかと思いますが、政務次官の御見解は如何でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/42
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043・中村光三
○説明員(中村光三君) 委員長のお話の通り、公務員といたしまして、政治上の問題を批判をいたして、それを放送等いたすということについては、委員長の見解と同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/43
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044・山下義信
○委員長(山下義信君) 本件につきまして如何取計らいましようか。御意見ございませんでしようか……。これを以て終結したものと認めてよろしうございますか、或いは更に御調査に相成りますか。
〔「異議なし「了承」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/44
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045・山下義信
○委員長(山下義信君) それでは本件はこれを以て終結したものと決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/45
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046・山下義信
○委員長(山下義信君) 次は藤原委員から御提出になつておりまする看護婦法の改正に関する厚生省職員の言動に関する件を議題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/46
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047・藤原道子
○藤原道子君 私は先日質問いたしましたときに、厚生省としては調査をするというお話でございましたので、久下さんからその後の調査の経過をお伺いいたしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/47
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048・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 前回に申上げました通り、衆議院厚生委員会におきまして、厚生委員長から本件に関します厚生大臣の調査報告書の提出を要望せられましたので、その要求に基きまして調査いたしたものが手許にございます。これを基礎にして申上げたいと思います。
当時のお話は、厚生省医務局看護課の職員の、公開の席上における看護婦制度、看護婦法改正の問題についての発言についての調査をしろというに了解をいたしましたので、医務局の当該関係者以外の者を以ちまして、正式ではございませんけれども、調査委員を命じまして、調査いたさせましたのであります。その結果を取りまとめまして、決裁を経ました上、一昨二十三日に衆議院厚生委員長に報告書を提出いたしました次第でございます。
先ず報告書の内容に入ります前に、報告をいたしました向きと申しますか、やり方につきまして申上げて置きたいと思います。私どもが只今のような要求を受けまして、早速看護課の課長以下関係の職員を調査いたしましたところ、公開の席上でこの問題に触れて説明をいたしましたのは、先ず最初は看護課の看護婦係長をしておりまする須古都という厚生技官がおります。これが四月の十三日の東京国立第一病院におきまする関東信越地区の幹部看護婦講習会におきまして、講習の一項目といたしまして、改正法律の内容の説明をいたしたことがあるのでございます。これが一つであります。その二つは四月二十九日、日本助産婦看護婦保健婦協会の総会が三日に亘りましてございました。この第一日に金子看護課長が法案の改正の概要についで説明をしたことがございます。同時にその翌日だつたと思いますが、同じく日本助産婦看護婦保健婦協会の看護婦部会におきまて、先ほど申上げました、厚生省医務局看護課看護婦係長厚生技官須古都が、改正法によりまする、いわゆる認定講習の予算につきまして質問がありましたので、個人の立場として説明を申し上げるということで、説明をいたしました、そのことがあるのでございます。大体公開の席上で関係者が発言をいたしましたのは、私どもの調査いたしました限りにおいては、以上の三回になつておるのでございます。この三回のうち、日本助産婦看護婦保健婦協会の総合並びに看護婦部会におきましてこの両関係者の述べました内容につきましては、日本助産婦看護婦保健婦協会の速記録がございましたので、まだ未定稿であるそうでありましたが、日本助産婦看護婦保健婦協会の御承認を得まして、その内容を頂いて参り、それをそのまま資料として添付をいたしておるのでございます。もう一つの関東信越地区の幹部看護婦の講習会における発言につきまして、講習会のことでもございますので速記はございません、そこでこの調査につきましては、当時その講習会に出席をいたしました外部の他の看護婦に対しまして、私のほうから出向いて、質疑応答の形式で発言内容につきまして調査をいたしましたものを添付をいたしたのでございます。全部に亘つて読み上げますと、長時間に亘ると思いますので、大体のことを申上げ、特に御質疑の点に関係の深いところにつきまして、発言の内容を速記録等によりまして、そのまま朗読をいたしまして、御参考に供したいと思います。先ず金子看護課長の日本助産婦看護婦保健婦協会の総会においての改正案の説明でございますが、私どもが全部を綿密に検討いたしました結果、御質問にありましたような懸念のある発言は発見されなかつたのであります。ただその中に若干気になりますのは、こういう発言がされておるところがございます。この法律の改正案は本当の一部改正でございまして、全面的の改正になつておりません、よく読んで申上げますと、おわかりになりますが、まだまだ未完成と申しますか、未解決のものがたくさん残つております。それでこれはそのまま決定というわけではございませんので、どうしましても、近い将来においてもう一度改正が行われなければならないというような発言がございます。この点は当の看護課長から聽取書をとりまして、本人が如何なる意味でこの言葉を述べたかということを本人の陳述をとつたのでありますが、それを朗読いたしますと、それは「今回の改正がありましても、まだ未解決の点が多いので、近く又法律改正を行う必要があろう」と述べたことであります。これにつきまして金子看護課長は、「今回の改正で旧看護婦規則による看護婦についてだけ認定講習の途が開けたのでありますが、いわゆる既得権者である保健婦と助産婦につきましても、本年九月より施行に関し同様に改正し、その足並を揃える必要があるのではないかと考えたからでございます。」、こう述べておるのでありまして、即ち看護婦につきましては、既得権者について認定講習の制度ができましたけれども、保健婦、助産婦については、さような制度がまだ今度の改正に未解決のまま残つておるという意味で申したのでございまして、これは私もその通りであると考えまするし、後に大臣から総括的な意見を申上げますように、別にそれ以外には看護課長の発言の中には、何らお尋ねにありましたような国会を誹謗するとか、或いは国会の権威を否認するというような意味においての発言は全然認めないと考えるのでございます。
それから須古係長の二回に亘る発言でございますが、先ず第一は、国立第一病院の講習会におけるものでございます。これにつきましては、先ほど申上げましたように、受講者のうちの二人の者から質疑応答の形式で聽取書をとつたのでございます。一人は東京共済病院の三上勝榮という看護婦でございます。その聽取書は極めて簡單でありますから、全文を朗読いたしますが、「講義の内容は主にどんなものでしたか。」という問に対しまして、答、「国家試験を主として話されました。それと認定講習のことでした。」、問、「認定講習についてはどのような説明がありましたか。」、答、「十三年の問題、今までと異なり私費で行くことになるだろうという話などが主でした。」、問、「認定講習について、それが事実上実施が困難な面があるから、従来通り国家試験を受けねばならないというような話がありましたか。」、答、「認定講習について九月一日から実施するような手続を進めねばならないというお話はありましたが、国家試験のほうが手つ取り早いだろうとは言われました。」、問、「改正法制定の経過について、特に国会側の意向がどうだつたかというような説明はありましたか。」、答、「そういうお話は特別なさらなかつたように思います。」、問、「改正法は内容の点から種々無理かあるので、近く又改正しなければならないというような話はありましたか。」、答、「そういう話はありませんでした。改正法が九月一日から実施されるということだけ聞きました。」、問、「その他国会の動き、国会側委員の意見等につき説明がありましたか。」、答、「国会のほうがどうだというようなことは聞きませんでした。以上の通りに相違ありません。」、答弁者三上勝榮の捺印がございます。本文はこれは衆議院厚生委員会のほうに提出いたしました。
もう一人は済生会中央病院に参りまして、看護婦松本はつゑというかたから、同じ内容を同じような趣旨で質問をいたしたのでございますが、そのうちの関係ありそうな一部分だけを読んで見ますと、問、「法律制定の経過等についてはどのような説明がありましたか。」、答、「法律改正の動機となつたのは国家試験の問題からであろうとのお話であり、その他甲、乙二本建の点、乙種が仕事の制限を受けている点などから批判が起つたように思われると話され、このことは日教組、衆議院、参議院、三協会で始められたものであるというお話でした。」、問、「国会のほうの意向なりについて御批判されるようなことがありましたか。」、答、「そういうことはありませんでした。」、かようなことを松木はつゑさんは申しておるのでございます。
それから最後に昭和二十六年四月二十九日の日本助産婦看護婦保健婦協会の看護婦部会における須古係長の陳述の内容を申上げることにいたします。これは恐らく部会長をしておつた井上澄江さんというかたからだつたと思いますが、質問がありまして、この質問の要旨は、このたびの法律が変りますことにつきまして、厚生省の看護係りのかたといたしまして、この講習会にどのような予算的措置を以て臨まれたか、幸い厚生省の須古係長が見えておられますから、その点お伺いしたいと思いますという質問がありましたので、そういう井上という会員の質問に対しまして、篠崎という議長さんが、只今の御指名で須古先生の御説明できる範囲内でお話を願いますという、こういう要求がありましたので、係長が次のように申しております。途中は説明を省略する部分は御了承願いたいと思います。「御指名がございましたので、止むを得ず壇の上に上つたものであります。併し私は今日一会員としてこの会場に臨みましたので、厚生省の係長として臨んだのではないということをはつきり御了承頂ぎたいと思います。」こういう前提をおきまして、「再教育の予算をとることが非常に困難である。厚生省から毎年毎回多額の予算の要求書を大蔵省に提出いたしておりますけれども、認められておるものは極めて少額である。併しながらなお自分たちは努力しておる。」というようなことを縷々述べまして、「看護婦さんにおいても本当に世間から認められるようにやつて頂きたい。看護婦さんの再教育とても、結局国民の尊い税金から出すものであるから」というようなことが縷々申述べられておるのでございます。そういたしまして、その後に、御懸念になるような問題にちよつと触れておるのであります。趣旨をそのまま朗読することにいたします。「勿論課長初め局長の全部、大臣から、この看護婦の補習教育に予算をとることについては全力を盡しますけれども、今申上げましたように、皆さんの考えを根本から変えて頂かなければとれないということをはつきり申上げて、それからこの法案も九月に実施するものでございますから、今懸命に研究をいたしております。同時にこの法案が研究会或いはその他の医療組合の圧力によつて通りました法律でございますということも一応御承知願いたい。そしてこの圧力で通つた案でございますが故に非常に困難もございます。それですから、この研究会のかたもそうじやありませんか。協会の研究会のかたも又一生懸命に御盡力下さいました。若し委員会が通ればよろしいということは、尤も結論はまだ委員会のほうも厚生省のほうも考えなければならん問題でございます。どうぞその点をお考え頂いて、そうしてみんなで力を合せて、皆が本当に心から自分たちの質の向上のために、又延いては社会の保健衛生のためになるのだ、又これから自分たちの時代より先の時代のためになるのだということを考えて、そしていろいろなことを討議して頂きたいと思います。この機会を與えられましたことを非常に感謝します。」となつておるのでございまして、この発言につきましては、御指摘の通り若干表現として勿論不適当な点がありましたので、本人が如何なる趣旨でこれらの発言をいたしましたかということにつきまして、本人の聞き取りをとつたのでございます。その部分だけを朗読いたして見ます。「次に看護婦部会総会においての発言でございますが、このたびは厚生省の職員としてではなく、一協会員として出席いたしておつたのでございます。然るに認定講習の予算についての厚生省の説明を求められましたので、公の意見としてではなく、一協会員として個人的な所見を述べることをあらかじめお断わりをいたして発言を行なつたのであります。その発言におきまして、私が後で気がかりになりました点は、私は認定講習の制度は研究会及び医療組合の圧力によつて生まれたものであるということを申しました点でございます。併しこれは研究会及び医療組合の熱心な要望によつて、このような制度が誕生したものであるという意味でございますので、御了承願いたいと存じます」云々とありまして、併しすべての発言を通じまして、国会の権威を傷つけますようなことは決して発言しておりません。ただ言葉の用い方が適当でなかつたために誤解を招きますようになつたことを重々お詫びいたしますと共に、今後は十分注意いたして発言いたしたいと存じます。かように本人は陳述いたしておるのでございます。なおこの点につきましては、本人の陳述がまだ幾分不十分でありましたので、実は私自身直接本人に、その後この報告書を作りましたあとで質問をいたしましたところ、結局この前後を通じまして、自分としては専ら予算の獲得が非常に困難であるということを言いたかつたのであつて、通常の場合にこういうことを、先ほどのような発言をいたしましたのは、事務的に財務当局と十分に打合せをする暇もなく法律になつてしまつたので、その後の経過に徴しましても、なかなか大蔵省が追加予算を通してくれないので、十分なことができないので困つているというような意味のことであるということを申しておつたのであります。これはちよつと余分でございますが、附加えて申上げて置きます。
かようにいたしまして、厚生大臣がこれらの資料全部を検討いたしました結果、最初に申上げましたように、五月の二十三日に衆議院厚生委員長宛に出しました報告書、総括的な意見の……、これは全文朗読をいたして見たいと思います。「衆議院厚生委員長宛、厚生大臣臨時代理、医務局看護課長及び看護課職員の発言内容に関する調査について。五月十九日衆議院厚生委員会において厚生大臣に要求のあつた標記の件について別紙の通り報告する。」別紙を読みます。「医務局看護課長及び看護課職員の発言内容に関する調査書」という見出しを付けまして、「厚生省医務局看護課長及び看護課職員が今回の保健婦助産婦看護婦法の一部改正について発言した内容について調査したところ次の通りである。
先ず看護課長の発言についてであるが、看護課長は四月に十八日神田共立講堂で開催された日本助産婦看護婦保健婦協会総会において、今回の法律改正の経過と要旨について発言したのであつて、発言内容の詳細については未定稿のまま日本助産婦、看護婦、保健婦協会の承認を得て抜萃した総会速記録(別紙第一)」、これは先ほど要点だけを読みましたものでございますが、「を参照されたい。併しこの発言のうち例えば今回の法律改正があつてもなお未解決の問題があるので、近く法律改正を行う必要があると述べているが、これは看護課長の陳述書(別紙二)の通り。いわゆる既得権者である保健婦助産婦についても看護婦と同様に措置するよう考慮する必要があることを意味するものと認められる。なおその他の看護課長の発言においても、いやしくも国会の権威を傷つけるようなことはないと思料する。
次に看護課職員の発言についてであるが、最近同課員が今回の法律改正について触れたのは、同課の看護係長である須古技官の二回に亘る発言である。その第一回は四月十三日国立東京第一病院において関東信越地区看護婦指導者講習会において、別紙三の受講者に対して行なつた改正法律に関する説明であるので、この説明において須古技官が国会の権威を傷つけるような内容のなかつたことは、本人の陳述書(別紙第四)及び同日の受講者中三上勝榮及び松木はつゑ両氏に対する質疑応答(別紙第五、第六)の通りである。須古技官が行つた第二回の発言は、四月二十九日法政大学講堂で開催された日本助、看、保協会看護婦部会におけるものであるが、この会合において須古技官は、認定講習の予算についての公的な説明を求められたので、公的な説明は不可能であり、一協会員として私見を述べることを前提として発言を行なつたのである。この発言のうち、今回の法律改正は、研究会や医療組合の圧力によつて行われたものであるというような部分があるが、これは本人の陳述書にも明らかな通り、悪意ある発言とは認められない。その他別紙の第七の看護婦部会速記録抜萃(未定稿)に明らかな通り、国会の権威を傷つけるような発言はないと思料する。以上の通り調査の結果を総合すると、国会の権威を傷つけるような意図があつたとは認められないが、表現に適切を欠くところもあり、一部に誤解を招いたことは遺憾であり、この点については関係者一同に今後の注意を促した次第である。」以上が厚生大臣から、衆議院厚生委員長宛に提出いたしました報告書の本文でございます。
以上を以て私の御報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/48
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049・藤原道子
○藤原道子君 私の只今の御報告の中で、一つ伺つて置きたいことは、済生会病院、共済会病院の三上勝榮と松木はつゑをその参考人にお選びになりましたのは、どういう関係でそのお二人をお選びになつたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/49
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050・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 時日が十分ございませんでしたので、先ほども申しましたように、土曜日の午後御要求を受けまして、月曜と火曜の二日に亘つて只今申上げました資料を作成いたさなければなりませんでした関係上、勿論遠方のかたがたに、遠い所まで行つてお聞きする余裕もございませんし、又多数のかたがたの御発言の内容を聞くというような余裕もございませんでした。この二人を選びましたのは、別に具体的などうこうということはなかつたのでありますが、ただいろいろな関係を考慮いたしまして、特に大きな病院、国立でありますとか、日赤でありますとか、大きな病院を選びますよりも、この程度の看護婦さんを選んだならばという軽い気持で、而も手近に東京都内にある病院の看護婦さんで、当日出席をいたしました名簿もわかつておりますから、その中から適宜選びましたので、深い意味はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/50
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051・藤原道子
○藤原道子君 それではお伺いいたしますが、看護課長は、公開の席上でお話になつたのは、只今次長からお話のあつたところ以外ではお話になつたことはございませんか。金子課長に少しお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/51
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052・山下義信
○委員長(山下義信君) 御質問下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/52
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053・藤原道子
○藤原道子君 それでは金子課長にお伺いいたしますが、国立病院の看護婦指導者講習会においでになつて、お話になつたことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/53
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054・金子光
○説明員(金子光君) ございません。私はあの開議式のときには参りましたけれども、講習中には参ります時間がございませんので行つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/54
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055・藤原道子
○藤原道子君 私はこの問題は非常に重大でございますので、今の次長からの報告の中にも、圧力によつて通つた法律案だというようなことも不穏当でないということであれば、何とか言わんやであります。それと同時にこの問題を明らかにして頂くために、関係者を証人として喚問して十分調査したいと思います。その前に金子さんにお伺いいたしたいのは、この看護婦指導者の講習会、開議式だか存じませんけれども、その席上で、代議士というものは必ずしも正しい法律を作るものではない、本当に看護婦のためを思つて作つたものではなくて、思想の悪い団体に頼まれると絶対にそれを通さないと選挙に響くから、それで法律改正をやつたと涙ながらにお話になつたので、非常にそこにおる看護婦さんたちがあなたに同情して、えらく騒いだことがある。そうしてこの悪い団体とあなたの言われた研究会に関係ある人々が、その病院内において、同僚からあたかも仇のごとく扱われて非常に迷惑しておる事実がございますが、そういうことは絶対にお話になつた覚えはないのでございましようか、どうぞ私は金子さんをいじめるつもりはないのでございますから、率直に一つ御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/55
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056・金子光
○説明員(金子光君) 関東信越地区の指導者の講習会は、たしか一月か一月の中頃から始めたと思います。三カ月の講習でございまして、四月の幾日かに終つております。私が参りましたのはその開議式でございまして、一月の半ば過ぎでございますので、まだこの法律の問題は、御承知のようにいろいろ御研究の途中でございましたので、そういうことを私が申すはずはないと思いますし、又私はそういうことをこの講習会で申しました覚えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/56
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057・藤原道子
○藤原道子君 私の聞いておるところでは東二でお話になつたと聞いておる。それからあの法律が通過いたしました直後におかれまして、あなたが関係者を集めて、こうした法律が通つたことは残念である。今後も法律の通過を通じて婦人議員なんていうものは大したものでない、これからの選挙には相当考えて選挙しなければならないということを痛感したということを言われた。そうしてそのことを私は明らかに聞いておるのでございますが、それに対しても覚えがないとおつしやるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/57
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058・金子光
○説明員(金子光君) 先ほどの東二でというお話でございまして、お言葉を返すようで恐縮でございますが、東二ではそのときの講習会の宿舎をお願いしてございましたので、お願いがてら東二には参りましたけれども、東二から再三看護婦たちに話をしてくれという御註文がございましたが、私時間がございませんし、悪いと思いましたけれども、まだ一度も東二には行つておりません。それから二番目の件でございますが、法律が通つてすぐに集めたと申されましたのは、御承知の制度審議会でございました。制度審議会には経過を説明して、こういうような結果になつたのであるから、御了承願いたいと、東局長に御出席願つて、局長からこまごまと経過を御説明願つて、そのあとで私がその話をなお続けまして、そうして今回限りで、いろいろ私どもが御研究頂いて有難かつたが、この制度審議会は一応一段落であるから、解散したいというので、解散の集まりをしたことがございます。そのときにそういうことを申述べておりませんので、当日出席いたしましたのは誰だか、こちらにその記録が残つておりますので、その記録を御覧に入れることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/58
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059・藤原道子
○藤原道子君 それからあの法律が通りましたときに、費用がかかる。この講習に要する費用は、これから我々も努力してとらなければならないということを、はつきりあのときに申上げておつたはずでございます。関係当局との交渉で非常に困難だというような場合に、公開の席上でそういうことを言われる前に、なぜ国会の我々に相談されなかつたかということをお伺いしたい。それから今一つは、助、看、保協会の、只今久下さんから御報告のあつた通り、自弁で云々ということでございますが、そのときに須古さんがはつきりと、国民の血の出るような税金を我々の講習の費用に充てていいものだろうかというようなお話があつた。それに対して出席しておる組合員が、それならば教員の認定講習の費用は国家の予算でやつておるのにというような質問があつた。それに対して、教員の認定の講習は義務教育を担当しておるのだから、当然であるが、看護婦の講習に国民の血税を充てるということはどうかと思う。その点皆さんも自費でやることを覚悟してもらわなければならないというようなことを言われたと聞いておるのでございますが、そういう点はなかつたのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/59
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060・金子光
○説明員(金子光君) 予算のことで大変困難をしておりますことは全く事実でございます。それでどうして議員のかたにお願いしていないかというお叱りでございますが、誠に御尤もと存じますけれども、通りましたのが三月三十一日で、その後四月は休会になつておりまして、先生をお探しすることも困難でございましたし、東京においでにならない先生がたも多くていらつしやいますので、一生懸命自分たちだけで努力いたしましたのが悪かつたと思いますけれども、大蔵省のほうへもお願いをいたしまして、つい数日前に追加要求のことについて大体の話を申上げて参りました。ところが大蔵当局では追加を許すということははつきり言つて頂けないのでございます。それから看護婦部会の総会で、自費で以て講習を受けなければならないことになると言つたという由でございますが、私当日は保健婦部会の代議員として出席しておりまして、看護婦部会の席上にはおりませんでした。私がおりますのにというお話が先だつてございましたが、実は私出席しておりません。このことは御出席の井上先生も御存じだと思います。そういうようなことを申したといたしますと、大変不都合でございますが、そのことにつきましては、ここに速記録の概略がございますから、読ませて頂くことにいたしますが、その予算をとることがむずかしいということを説明するのに、国が使う予算というものは国民の税金から出るものであつて、予算をとるのは大変だからということを説明するために、いろいろと話をしたのだと思いますけれども、そういうような言葉を使いましたことは不穏当であつたと思います。なお予算のことでございますが、自費で行くようになるだろうというようなことは私どもは言つてはおりませんので、それはその人が一人でそう思つたのかも知れない、と申しますのは、予算を頂くのは大変面倒なので、ひよつとしたらそういうことになりはしないかと思つて、そう言つたのじやないかと思います。実は予算のことにつきましては、大蔵当局との折衝の結果は、私どもはどうしても二十六年の九月からこれを実施することになつておりますけれども、御承知のように二十六年度の予算は既定予算できめられておりまして、これに関する予算は一銭も組んでないわけなのです。ですから追加をお願いに行つたところが、大蔵当局では補正予算の見通しが立つておらないから、あなたのほうに追加を許すということははつきり言えないということでございます。何とかしてはつきり言つでもらいたいと思つてねばつて、大変暇がかかつたのでございますけれども、それでも本日御報告申上げますまでには追加を確実に認めてやるということは言つて頂けないのです。それで仕方がありませんので、思い切つて今まで頂いております既定予算の中から振替えることを認めて頂くように努力いたしました。そうしたところが看護課の予算は小さな予算でありますが、その中から使えるものといたしましては、現在行なつております看護婦再教育の講習会の費用、これを振替えることだけが唯一の方法でございまして、これを認めるということでございましたので、二十六年の九月からは、認定講習をいたします予算としては、従来の講習会の費用を振替えることにいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/60
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061・藤原道子
○藤原道子君 簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/61
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062・金子光
○説明員(金子光君) そういうことに話を付けて参りましたが、そういうことでございますので、私どもの考えとしては、個人に費用を負担させて今度の講習をいたすということは今考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/62
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063・藤原道子
○藤原道子君 重要な審議もありますときでございますので、私はこの問題はもつと徹底的に調べたいと存ずるのでございます。なぜかと申しますと、私が全然連絡のない病院へ講演に参りますとその看護婦さんたちの質問の中に、今度の講習は自費でやることになるそうでございますね、こういう質問なんです。或いは折角作つて頂いた法律で国家試験を受けなければ主任級にはなれないのだというようなことが言われておる、或いは国家試験は非常にむずかしいものになるのだ、講習は非常にむずかしいものになるから、国家試験を受けたほうがいい、受けることを強要するようなものが流れて来ておるのでございます。それが私が連絡のない、全然関係のない病院へ講演に参りましたあとにおいて、そういう質問が出ておりますので、ここであなたば言わない、通牒は出さないと言う。併し私たちの耳には入つて来ておりますので、どちらが真偽なりやということは私は十分徹底したい、それと同時に大臣が、つまりその報告書でございますけれども、それにいたしましても、私たちは大臣のその答申報告のお言葉に対しましても、了承できないものの数々を私は受取るのでございまして、私といたしましてはこの席上で押問答いたしましても、ほかの委員のかたたちにも御迷惑だと存じまするので、この点は小委員会も存置されておることでございますから、そのほうで徹底的に一つ調べさせて頂きたい。私はかように考えます。それから井上さんは幸い助看保協会の会長でおいでになるのですね。でございますから、井上さんにも私は責任者としてお伺いしたい点もございますが、委員長どうしたらよろしうございましようか。このまま続けると、ほかの人たちがさつきの重大な医薬分業の問題がございますので、私は伺つておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/63
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064・石原幹市郎
○石原幹市郎君 小委員会で願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/64
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065・山下義信
○委員長(山下義信君) 只今藤原委員からの御提案のように、本問題は小委員会に移しまして、小委員会のほうで御審議になりました結果、必要な証人等の喚問の事態が発生いたしましたら、本委員会で手続をとることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶものあり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/65
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066・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。それでは本問題はこの程度にいたして置きます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/66
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067・藤森眞治
○藤森眞治君 この際医薬分業の問題について吉田総理の御出席を願いたいと思うのですが、と申しまするのは先般来証人の証言をいろいろ伺つておりますると、社会保障制度をどうするかという問題が非常に強く起つて来ております。のみならず地方に我々が参りまして、地方の懇談会における意見を承わりましても、医薬分業の問題等は枝葉末節である、根本的の社会保障制度を解決しなければならないじやないかということが強く叫ばれております。社会保障制度審議会から勧告がありましたのは昨年のことでありますので、その後どういうような状態に社会保障制度が政府において推進されておるか、又今後どういうふうにされるかということも、吉田総理から一つ責任ある社会保障制度に対する見解を聞きたい、かように存じまするので、一つ本委員会に御出席になるように要請したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/67
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068・山下義信
○委員長(山下義信君) 政府にその旨伝達いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/68
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069・山下義信
○委員長(山下義信君) それでは日程に入りまして、医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案を上程いたします。引続いて御審議をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/69
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070・草葉隆圓
○草葉隆圓君 これは午前中懇談のときからもいろいろ御意見もありましたが、結局先ほど来谷口委員からも、問題は誠に愼重を要し重大な問題であるから、一つの構想の問題についても政府は最も愼重妥当な態度をとらにやならんというほど愼重を期すべき問題だと考えます。従つて三月の二十四日に提案されましてから相当な期間を経ておりまするが、而も参議院が先議という形で審議が進められて来ておる。で、審議でありますから、会期はすでに第一回の延長をいたして、もう明後日で会期は終ろうといたしております。更に第二回の延長があるかないかということは、今から予想できない状態でありまするので、従つてこの問題の参議院としての取扱、この法案の内容よりも……、内容につきましては、従来相当愼重に取扱つて来た、更に最後の場合におきまして、参議院として先議の立場にありまする場合に、この法案の取扱をどうするかということが一つの重要な問題と存じます。で、この問題は私どもはいろいろ巷間におきましては意見が分れておるようでありまするけれども、厚生委員会におきましては、決してそういう立場ではないと存じます。巷間におきましては、如何にも薬剤師、医師のほうの一つの対立のように考えられておる節もありまするが、厚生委員会では決してそういう態度は、又審議の上にはとるべきものではないから、慎重に全委員の総意によりまして、国民の納得するような取扱い方が最も妥当であり、必要ではないか、然るに若しやこのまま進んで参りますると、両院、参議院としての審議は済みましても、それが会期一ぱいになつた場合には、衆議院においての審議の機会が殆んど失しられる、殊に先には委員長が、衆議院は少くとも数日やはり頂かないと審議が十分できないという御発言も懇談会では出ておつたのであります。こういう点を見込みながら、これをこのままずるずるといたしますると、結局審議未了ということか前提になつてのことになつて来るという疑いを強く印象付けるようなことになつて来て、誠に私ども厚生委員会としては適当ではないのではないかと考えるのであります。従いまして、これはいろいろな意味から、もう少し内容等すべて愼重に審議すべき問題と存じまするので、この継続審議という形をとつて、そうして会期が二十八日を以て仮に終りましても、或いは延長になりましても、このいわゆる医薬分業の問題を十分検討しながら、参議院としての使命を達する方向で以て行くということが最も適当であり、妥当ではないか、かように考えまして、この動議を一つお諮り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/70
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071・藤原道子
○藤原道子君 只今の草葉さんの動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/71
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072・山下義信
○委員長(山下義信君) 只今草葉委員から本案の議事進行に関しまして、本案の審議を継続審査に付すべきとの動議の提出がございました。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/72
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073・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。従いまして医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案の審議は、閉会中においても継続して審査することの要求を議長宛に提出し、その手続は委員長に一任することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/73
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074・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/74
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075・中山壽彦
○中山壽彦君 ちよつと待つて、ちよつと待つて……。今の委員長の宣告はちよつとわかりかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/75
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076・山下義信
○委員長(山下義信君) それでは今一度宣告をいたします。医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案の審議は、閉会中においても継続して審査することとし、要求書を議長宛提出し、その手続は委員長に一任することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」「異議あります」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/76
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077・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ございますか
〔「異議あり」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/77
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078・藤森眞治
○藤森眞治君 動議は成立しましたけれども、賛否はまだきまつておりません。賛否を一つ問うてから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/78
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079・山下義信
○委員長(山下義信君) 賛否をお尋ねしたのでございますが、草葉委員の動議に御異議ございませんかと宣告をいたしました。そうしたら御異議ないという声がございました。異議ありの声が聞えませなんだので、草葉委員の動議を決定いたしたのでございます。従いましてその手続についてお諮りをいたしましたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/79
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080・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 動議はありましたけれども、あとの賛否がまだありませんから、それを一つ決定して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/80
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081・山下義信
○委員長(山下義信君) 委員長は草葉委員の動議は成立いたしましたので、藤原委員の賛成がありましたので、草葉委員の動議に御異議ございませんかとお諮りをいたしましたら、異議ありとの声がありませんで、所々に異議なしという声がございましたので、御異議ないものと決定をいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/81
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082・藤森眞治
○藤森眞治君 動議を出して或る一人が賛成したので、動議は成立しましたけれども、動議としては……。併しこれをどうするかということは、これは当然賛否を問われなければならんと思いますが、又仮に委員長が言われる通りにしましても、十分に、今のは余り早過ぎて電光石火であるから、十分に通じておりませんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/82
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083・石原幹市郎
○石原幹市郎君 委員長、暫時休憩してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/83
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084・山下義信
○委員長(山下義信君) それではもう一度採決をいたします。草葉委員の動議は成立いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/84
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085・藤森眞治
○藤森眞治君 ちよつと委員長待つた。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/85
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086・山下義信
○委員長(山下義信君) ちよつと委員長が発言中でございますから、ちよつとお待ち下さい。草葉委員の動議は成立いたしております。従つて本案を継続審査に付すべしとの草葉委員の動議に御異議ございませんですか。
〔「異議あり」「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/86
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087・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/87
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088・山下義信
○委員長(山下義信君) 採決をいたします。御異議があるようでありますから、採決をいたします。
〔藤森眞治君発言の許可を求む〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/88
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089・山下義信
○委員長(山下義信君) 採決についてでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/89
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090・藤森眞治
○藤森眞治君 それに関連して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/90
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091・山下義信
○委員長(山下義信君) 藤森委員の発言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/91
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092・藤森眞治
○藤森眞治君 今私が申上げたように、委員長の宣言は甚だ電光石火で、ちよつと我々頭の悪い者にはぴんと了解するのに困つたような点もございます。なお且つこれは今朝来いろいろ懇談会で相談をしたことであります。ここで暫らく休憩をして、そうしてそれからのちに賛否を問うなら問うようにして頂いたらどうか。(「賛成」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/92
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093・山下義信
○委員長(山下義信君) 採決に入ります前に休憩の動議が出ましたのでございますが、この休憩の動議から採決いたしまして御異議ございませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/93
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094・山下義信
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。休憩に御賛成のかたの挙手を願います。
〔挙手者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/94
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095・山下義信
○委員長(山下義信君) 多数でございます。休憩はどのくらい休憩いたしましようか。御意見ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/95
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096・藤森眞治
○藤森眞治君 三十分。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/96
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097・中山壽彦
○中山壽彦君 十分程度でいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/97
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098・藤森眞治
○藤森眞治君 大体私は三十分と見ることを要求しますが、早く休憩して、まとまれば早くやつてもいいのですから、大体三十分。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/98
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099・藤原道子
○藤原道子君 御意見は開会までにまとめて来るということになつておつたのですから、三十分は要らないのじやないでしようか。成べく早く……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/99
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100・石原幹市郎
○石原幹市郎君 その前に藤森委員から総理の出席の御要求があつて、それを取次ぐということを言つておられた。これは医薬分業法案の審議に関連して内閣の責任者の出頭を求められておる。要求があつたのでありますが、この問題と、これをここで只今の動議を採決をする問題との関連はどういうふうに考えられますか、如何がでしよう、それを聞いてからもやりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/100
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101・藤森眞治
○藤森眞治君 私は先ほど申述べたように、この重大法案を決定するために、はまだまだ討議を続けなければならんと思う。そういうわけで、殊に社会保障制度の問題については、先ほど申述べたようないろいろな事情があるから、総理の出席を求めたというので、私はなおこれを審議して行きたいということで、今すぐにこれを結論を聞いて、或いはすぐにこの結論が出るかも知れない。いろいろな場合を総合して、とにかく総理の出席を求めたい。こういうつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/101
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102・山下義信
○委員長(山下義信君) 只今休憩時間について御意見を求めておりましたのでございますが、約十分間ぐらいの休憩で御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/102
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103・山下義信
○委員長(山下義信君) 十分間休憩をいたします。
午後二時五十九分休憩
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午後三時二十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/103
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104・山下義信
○委員長(山下義信君) 休憩前に引続いて再開いたします。速記をとめて……。
午後三時二十一分速記中止
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午後四時九分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/104
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105・山下義信
○委員長(山下義信君) 速記を始めて……。本日はこの程度で散会いたします。
午後四時十分散会
出席者は左の通り。
委員長 山下 義信君
理事
小杉 繁安君
井上なつゑ君
有馬 英二君
委員
石原幹市郎君
草葉 隆圓君
中山 壽彦君
長島 銀藏君
河崎 ナツ君
堂森 芳夫君
藤原 道子君
常岡 一郎君
藤森 眞治君
谷口弥三郎君
松原 一彦君
政府委員
厚生政務次官 平澤 長吉君
厚生省公衆衛生
局長 山口 正義君
厚生省医務局次
長 久下 勝次君
厚生省薬務局長 慶松 一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 草間 弘司君
常任委員会専門
員 多田 仁己君
説明員
厚生省医務局看
護課長 金子 光君
厚生省薬務局薬
事課長 中村 光三君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014237X03219510526/105
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