1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十九日(木曜日)
午後三時二十八分開会
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本日の会議に付した事件
○漁業法等の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
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001・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を閉会いたします。漁業法等の一部を改正する法律案を議題に供します。本法案は衆議院提出でありまして、今日まで本委員会においては予備審査をやつてきておりましたが、昨日本案を衆議院におきまして修正議決せられました上に送付せられて本委員会に本付託となつたものであります。只今からその修正点について衆議院の鈴木委員から御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/1
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002・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) 御指名によりまして漁業法等の一部を改正する法律案に対する修正案の内容につきまして、この趣旨を御説明申上げます。修正案につきましてはお手許に配付いたしておりますので、その朗読を省略させて頂きまして、趣旨及び内容を直ちに、御説明申上げたいと思います。
この度の漁業法改正の重要な点であります許可を受けない小型機船底曳網漁業の禁止等につきましては、衆議院水産委員会におきまして愼重なる検討を行なつて脚つたのでありますが、最近におきまして総司令部からも御承知のように五ポイント計画として勧告を受けておる中に、この小型機船底曳網漁業につきましても勧告を強くされておるわけであります。このように我が国水産業にとりましても誠に重要な問題でありますので、これらの点につきましてはなお愼重に検討をいたしこれが対策を確立すべきものである、こう考えますので、只今お手許に配付いたしまた案の通り、第六十六条の三の小型機船底曳網漁業の規定を削り、又今般改正になりました公職選挙法の選挙に関する届出等の時間に関する規定を準用することにいたしました。
なお又第百四条の二の海区漁業調整委員会の開会不能の場合の特例の規定を削除いたし、その他の関連事項を整理しようとするのが修正案の内容と、その趣旨でございます。
以上が簡単でありますが修正案の概要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/2
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003・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 只今の修正案につきまして御質問がありましたらお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/3
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004・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 第六十六条の二の規定を削除します理由をもう少し詳しくお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/4
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005・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) この六十六条の二の小型機船底曳網漁業の規定でございますが、これはすでに委員各位の御承知の通り、全国に三万隻になんなんとする非常にたくさんの小型機船底曳網漁船があるわけでありまして、この整理の問題は今後の我が国の漁業の資源の保護の見地からいたしまして非常に重大な問題であるわけであります。この整理の問題につきまして、御承知のように総司令部から沿岸漁業の危機打開対策としてこの五ポイント計画が指示されておりますが、その中にも具体的にこの小型機船底曳網漁業の整理に関しまして強く勧告がなされておるわけであります。ただこの漁業は非常に数が多いことと、比較的零細規模の漁業であり多数の漁民が従事しておりまする関係から、この実行案に愼重を期する要のあることは御承知の通りであります。政府におきましても、いろいろ今後の整理案の内容等を、衆議院におきましても、いろいろ質疑をいたしまして検討を加えて参つたのでありますが、この整理のためには相当厖大な予算の裏打ちも必要であります。先般瀬戸内海からの陳情によりましても、十億以上の国の補償を要するというようなことでありまして、全国のこれらの漁船を整理するということになりますと相当大きな予算措置を講ずる必要もあるわけであります。又整理に当りまして、これらが許可船でないという関係等もあり、相当整理に当つての具体的な計画、その実施の順序、又他漁業への転換対策という総合的な対策を立てますためには、なお政府当局においてももつと調査もし、研究もし、具体的な対策もしなければならぬと考えておるわけであります。今直ちにこの漁業法を改正いたしまして実施に直ちに入り得る準備は遺憾ながら立つていないというのが、当局にいろいろお尋ねした結果出て参つた結論でありまして、政府に更に慎重にこの問題を取扱つて頂き具体的な計画が立つまで改正を差控えたい。その準備なくしてこの改正が出て参りますると、各方面に大きな反響、刺戟を与えることにも相成りますので、もう少し具体的な整理方針が確立するまでその改正を見合せたい、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/5
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006・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 それでは今回の改正はこの小型漁船のこれに含まれております整理という問題につきましては、必要である、併しながらその整理をするため予算の裏付並びに措置の準備が整つておらぬようであるから暫く延期する、こういうふうに承知してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/6
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007・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) そうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/7
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008・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 水産庁長官にお尋ねします。今議員提出によります漁業法の一部を改正する法律案のうちで、六十六条の二の問題が出ておりますが、これに対して水産庁といたしましてはどういうふうに考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/8
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009・家坂孝平
○政府委員(家坂孝平君) 現下の状態といたしましてその案で進むことが妥当だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/9
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010・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 家坂長官は原案賛成ですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/10
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011・家坂孝平
○政府委員(家坂孝平君) 私どもといたしましては原案で参りたいつもりではあつたのでございますが、いろいろ私どもの案も五ポイントなどの関係も生じて参りましたし、それから只今の第六十六条の二につきまして衆議院委員会で修正案が出ておるのでありまするが、これにつきましては私どもも十分予算の面は検討いたしましてそして裏打を十分見通しをつけまして、この条項を実施することがむしろよかろうじやないかというような考えも持つておりますので、そうした案ができましたときに又この原案を願つたほうがむしろいいのじやないかとかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/11
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012・青山正一
○青山正一君 只今鈴木衆議院議員からいろいろ今度の修正案について御説明願つたわけでありますが、問題は予算の裏付、つまり補償の問題、転業の問題或いはこれはお話の中には入つておりませんですが、転業させるにつきましては期限は原案には三年になつておりますが、或いは五年、六年、七年とかいうふうにも考えられるわけでありますが、こういつた問題が水産庁のほうで、十分に処置する段階にまでなつていないというふうなことでこれを引下げたということになつておりますか、それならば、大体瀬戸内海だけで十億の補償を要するというふうに考えられるわけでありますが、日本全国で一体水産庁としてどれだけの補償をやろうというようなお気持ですか、その点についてお伺いしたいと思います。又そういうふうな点をまだ研究していないのですかどうなんですか。その点についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/12
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013・家坂孝平
○政府委員(家坂孝平君) この整理につきましての資金の関係でありまするか、只今これを急速に検討を続けているような状態であります。只今のところではいろいろ五ポイントの方法もありまするが、私どもといたしましては無許可船その他の法に触れておりまするものを整理いたしまするにつきましては非常な困難が伴うと感じておりまするので、むしろこうした漁船につきましては買上の処置をとつてやつてみたらどうかというような案も練つているわけであります。これに要する資金はまだその船の数などもはつきりいたしませんので、少くとも数十億以上のものを考えておかなくちやいかんじやないかというような段階まで数字としましては考えて締るわけであります。大体そんな状態で今いるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/13
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014・青山正一
○青山正一君 最近この底曳の問題で伊勢湾、つまり三重県と愛知県がいろいろ争つている、或いは新潟県内におきましても底曳業者と沿岸漁業者が争つているという事実がありますから、そういつた問題とからんでこの小型底曳の整理問題もいろいろ愼重に考えなければならん節もありますし、或いは転業の処置を一体どうするかという問題も起きようし、或いは補償の問題、つまり予算の裏付的な問題も出て来ようと思うのでありますが、そういつた点を十分に一つ御検討を願いまして、只今鈴木さんの修正案に対しましては私ども賛成いたしますが、水産庁の方におきましても十分にその点拔かりなくやつた上で、この案を改めて上程して頂くように特にお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/14
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015・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 私から提案者にちよつと質問いたしますが、この漁業法等の一部を改正する法律案の骨子は、私はむしろこの六十六条の二にありはしまいか、こう思うのです。この条項全部削除したならば改正の殆んど骨子がなくなるのじやないか。成るほど六十六条の二のうちにはこの整理その他が含まつておると思いますけれども、法文の中には整理なんか一つもない。ただ小型底曳網漁業は全部都道府県の知事の許可を受けなければならん、こうなつておるだけであつて、而もその期間は本法公布後二カ年間は適用しないと、こうなつておりますからして、二カ年の間には若し整理するならばその準備もできましようし、準備のできない間は何も整理することはないということになるのですが、この条項があつてはどうしても邪魔になるか、このことについて一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/15
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016・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) 委員長の御意見は御尤もでございまするが、私どもといたしましては、国会で議決いたしました法律を改正するに当りましては、本当に法律を改正し直ちに実施しなければならないというような段階に達しまして、而もそれらの諸般の調査も又計画も準備もできました上で法律は改正して然るべきものであつて、何ら準備等についての万全の措置もなくしてきめられたところの法律をかろがろ改正すべきでない。慎重に法律の改正は行わるべきものであり、特にこの漁業法につきましては、参議院におきましても非常なる愼重を期せられて制定せられた法律でありまして、これが改正に当りましては十分それらを勘案して愼重に運んで参りたい。実施期が明年或いは二年後三年後になるような法律でありますれば、もつと慎重にそれらの準備、情勢等も勘案してそのときに法律を改正をしていいのじやないか、こう考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/16
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017・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) それではもう一つお聞きしますがこの文面には整理なんか一つも書いてない。ただ今まで無許可船、違反船であつたというものに許可を与えるというだけでありまして私は即日実行してもいいと思うが、許可の手続その他に相当暇が要するために三年間としてあると思いますが、整理をする場合においてはもとより十分よく予算その他の裏打ちが必要でありますが、この六十六条の二はそういうこととは建つて、無許可船はいかんぞ、許可を受けなければいかんぞということだけであつて、これは当然の改正だ、改正しなくとも無許可であることは悪いにきまつておるので、これを書くことは何も別に不服はないのじやないかとこう思うのですが、裏のほうは考えずにお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/17
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018・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) この小型機船底曳網漁船の許可問題は、五ポイント計画におきましても、いろいろのケースが取上げられて親切に勧告がされておるわけであります。例えば戦時中食糧が非常に不足いたしました際に増産のために殆んど役所が黙認するといいますか、暗黙の間にそういう漁業による増産を進めたという問題、それから戦後になつて同様にして生れて来た、或いは最近資源が枯渇して抑えなければならんような状態になつてから、本当に不当な形においてこういう漁業に新たに着手した、あらゆるケースがあり、それらにつきまして勧告におきましてもそれらの事情を勘案いたしまして、許可或いは登録、又整理等に当りましては許可のあるものについては国で補償するとか、或いは登録したるものを整理するに当つては転業資金の融資であるとかいうような細部に亘つた五ポイント計画の中で勧告が行われておるわけであります。恐らくこの政府当局の原案は五ポイント計画が出される以前に立案されたものと推察をいたすのでありまして、五ポイント計画に指摘されました勧告の精神を十分生かしましてそれに対するいろいろの、これは委員長の御見解と若干違うのでありますけれども、許可等の問題も後日必ず処理しなければならない、これらの整理の問題と不可分の関係にございまする点等を勘案いたしまして愼重に扱つて参りたい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/18
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019・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 只今本案は政府が五ポイント計画前に立案したものだとこうおつしやつたが、この案は衆議院提出であつて最近において出されたものである、こう承知しておるのであります。それで私は政府には問わないのだが提案者である衆議院において、衆議院の議員の提出であり、衆議院できめたこれは案であつて、きめた案を直ちに修正するということについては十分な余裕がなくちやならん、ただ單にこれが政府の都合であるということによつてこれを削るということは余りに提案者としても不見識じやないかと私は思う。折角提案者が御修正になつて来たということには何かはかに理由がありはしないかと思うのですが如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/19
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020・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) この提案はざつくばらんに申上げまして、衆議院の水尾委員の永田節君の提案になつております。併しながらいろいろ今回の議員提出法案の扱い方から水産庁当局において原案等を作成されておるようでありまして、これはもうざつくばらんに申上げるわけでありますが、それは永田節君の議員提出になつておりまして委員会全体で提案した原案ではございません。委員会におきましては永田君の提案の原案を愼重に審査いたしましてこのような修正案を可決いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/20
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021・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) もう一つ漁業調整委員会の委員に欠員が生じた場合、或いは解散した場合において、次の選挙に間に合わない場合における行政措置として都道府県の知事が処分できる、こういう案がありますが、それを削られた理由はどこにあるかをお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/21
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022・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) この点は漁業法の中を流れますところの最も重要な立法の精神でありますところの、漁民の代表によつて民主的にこの制度改革を推進する立法の基本的な精神に抵触をいたして来る問題でありますので、愼重に検討を加えたわけであります。御承知のように県会議員等の兼職禁止によりまして定員の欠員が生じました場合には、次点者の繰上げ選任という途も漁業法で開かれておるわけでありまして、又できるだけこの漁業法の底を流れております精神を尊重いたしまして、行政当局はそういう際には速かに法の命ずるところによつて委員の選任をするようにさして参りたい。こういう趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/22
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023・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) よくわかりました。私もこれは反対じやありませんが、例えば国会のない場合には政令を出すというような便法がありますが、特にこの新制度の改革の途上においてはこういう場合があり得ると思う、非常に緊急に処理をすべき事項があり得ると思います。その場合にたまたま委員会が解散になつておるとか、或いは定員の過半数を欠いておるというような場合があるとした場合においては、次の選挙するまでその緊急事項もやらずに待つておるというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/23
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024・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) そういう事態が起りますことを前提といたしますならば早く補欠選挙をしなければできない。こういうことになるわけでございますが、今回の地方選挙におきましても、町村長或いは町村会議員等の議員の兼職というものがこれは認められておるわけでありまして、郡道府県関係の議員についての兼職禁止ということでありまして、委員長が御心配なさるような事態はそうたくさん起つて来ないのではないか。私どもはそういう一、二の例外的に起つて来るであろうことによりまして、立法の基本的な精神でありますので、この条項はどうしても堅持して参らなければならん、こう考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/24
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025・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 もう一度第六十六条の小型漁船のことについて伺いたい。この小型漁船の沿岸に現在散在しております数は、先ほどお話のように随分たくさんのものがありまして、これが整理は五ポイントの勧告を待つまでもなく何とかしなければならんということは一般に認められておるところでありまして、ほんとに少しも早くこれが処置を講ずることの必要を感ずるのであります。それがために沿岸漁業資源を涸渇せしめるということが、日々その度を加えつつあるように思われるので、速かにこの措置を講ずることを要望するものであります。従いましてここに改正案が出されたことは誠に妥当な措置でありまして、而もこの改正案の中の六十六条の二に関します限り、これが実施は改正案の公布後六カ月を超えない期間内において施行期日をきめるところあります。そうすると今日きめましても今後六カ月の間においていつから実施するという施行期日をきめるのであるか、或いは一年先にきめるか、それとも早速きめるかということはわかりませんが、さようにきめるということはその間において措置を講ずるというその余裕を持つておるものと思う。若し私の見解の通りであるといたしますならば、この法律は通しておきまして、そうするならば政府といたしましては、この附則によりまして六カ月以内において施行期日をきめる。その施行期日をきめるためには、この実施の計画を立てなければならない。そういうことによつてこの実施を可及的に速かならしめるという方法が一つあるのじやないか。若しこれを削つてしまうならば、方法がつくまで放たらかしておくということになりますので、結果としては同じかも知れませんが、併しこれを促進する熱意において、或いは度合において大分違うのじやないか、私はこういうふうに考えるのであります。その点どういうふうにお考えになつておられますか、提案者に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/25
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026・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) できるだけ急速に小型機船底曳網漁船を整理をしなければならんという御意見に対しましては、衆議院の水産委員会全員も全く同感であります。ただ先ほど来申上げまするように、五ポイント計画の勧告の線に沿つたところの具体的な計画、あえて整理とは申しませんが、この小型機船底曳網漁業全体に対する漁業施策というものを当局に伺いましたところ、五ポイント計画の勧告以来いろいろ具体的に配慮して行かなければならん点がたくさん生れて来ているわけでありまして、今のところ当局にははつきりした固まつた案がない、私どもはそういう案を重大な整理の問題とからんでいるこの底曳の問題でありますので、十分検討もいたし将来に対する見通しもつけました上で、このような法律の改正をして参りたい。ただ政府にこういう法律によつて権限を与える、見通しのまだ納得の行かない間において与えるということは避けまして、もつと愼重に国会としても考えて参りたい、こういう気持でございます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/26
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027・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 松任谷さんにちよつとお伺いしますが、大体今鈴木君の御説明によりますと、永田君が御提案されたその間においては、大分政府とも打合をしているというようなお話ですが、この法律の施行後二カ年間は第六十六条ノ二の第一項を適用しない、こうなつておりますが、この間においてにカ年間において十分整理方針も立てる、予算的の措置もしようというおつもりだつたかどうか御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/27
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028・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 小型機船底曳網の問題につきましては、先ほど鈴木委員からお話がございましたように、水産庁といたしましてはこれが漁業の影響の関係、それから資源の関係といつたような見地から、どうしてもこの際小型機船底曳の整理を図つて行かなければならんというふうなことを考えまして、いろいろと事務的な処理要項を作りまして、各県を通じまして海区調整委員会の御意見を聞いてそれを検討しつつあつたわけであります。その間におきまして二月に入りましてから五ポイント計画が勧告され、内閣におきましてその実施の申合をいたされましたのでございますが、急遽その勧告なり政府、閣議決定の線に沿いまして、従来の処理要項を再検討したわけでございます。それに従いましていろいろと従来の処理要項の実施では甚だ微温的なところもある。従つて更に根本的に考え直さなければいかん点も出て参りましたので、いろいろとそれに方針確立のこと、及びその裏打の予算的な問題というようなことを検討をしていたわけであります。そういう時期におきまして衆議院の方で本改正案が提案されまして、いろいろ衆議院の水産委員会で御検討になつたわけでございますが、その際水産庁にもいろいろその間の御連絡があつたのでございまして、水産庁といたしましてはそういつた再検討をし、関係の大蔵当局なりその他の政府機関にいろいろと連絡をし、又固めつつありました際でありますので、この小型機船底曳の条項を削除する修正案に対しましては、誠に時期的に見て止むを得ないものと考えまして、急いでその実態を固めることを実は努力しているような状態でございます。従いまして只今鈴木委員からも御説明の通りのような関係でございますので、至急にその実態を固めつつ、その模様と並行いたしましてその六十六条に掲げてございますような規定なり附則の関係というものを、更に御審議を煩わして頂いたならば非常に事務的にも都合がいいのではないかというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/28
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029・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 重ねて、鈴木君に伺いますが、この条項は私はこの法律改正の骨子だと思つている。これがなければ政府は荏苒としてこの整理の点その他に対しては私は非常に微温的だと思う。この条項があれば或る一定期間に実施期限をきめ、適用は二カ年後にきめる、こうなつたらその間において大きな責任を政府に負わしていることになるので、これは私は整理は非常にいいと思うが、これを全然なくして政府が十分準備ができてからこの法律を作る、それでは私は非常に遅くなると思うが、鈴木君の御意見はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/29
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030・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) 私どもといたしましては、是非この小型の底曳機船の整理は急速に進めたいという御趣旨につきましては全然同感であります。そういう意味からいたしまして、委員長が御心配なさるように、この条項があることが政府を鞭撻することになりはせんか、こういう御趣旨も御尤もと思うのでありますが、私どもは司令部からこの点につきましては勧告もされておることであり、水産委員会におきましても五ポイント計画の実施につきましては立法府としても全幅の協力をするという建前をとつておりまする関係で、この法律から今回削除いたしましても、底曳の整理を飽くまでできるだけ早く準備の整い次第実施をして参りたいという気持は政府においてもあるなしにかかわらず、これは国家的な要請といたしまして変るところがないものと私ども期待いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/30
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031・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 重ねてお尋ねしますが、それは衆議院としては十分裏打の予算なり、或いは整理計画ができるまではこの法律はもうこのまま削除して、再びできるまでは出さんという御意見ですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/31
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032・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) 政府のこの底曳漁船に対する具体的な対策の進行状態を絶えず国会としても注視いたしまして、その進行状態と睨み合せまして齟齬を来さない時期におきまして適当なる改正をいたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/32
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033・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) およそのお見込みは何年です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/33
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034・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) これは政府の準備の進捗次第にかかるわけでありまするが、私どもといたしましてはできるだけ早いことを希望いたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/34
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035・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) それでは約二年から二年半後に実施しますか。衆議院のお考えは三年も五年も待つというようなお考えですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/35
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036・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) そのようには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/36
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037・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) わかりました。それまではこの法律はいじらんというお考えですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/37
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038・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/38
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039・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) ほかに御質問ありませんか。大体なんですね、三年、四年間は無許可の船がどんどん事業を合法にやつてもよろしいというような意味にもとれますが、その点は如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/39
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040・鈴木善幸
○衆議院議員(鈴木善幸君) 私どもそういう意味合でこの修正案を出しておるのでありませんので、先ほど来繰返し御説明申上げますように、当局に五ポイント計画勧告後あの精神に副つた具体的計画は未だに立つていないという段階にあるわけでありますので、もう少し具体的な方針の確立を見極めました上でやりたいということでありますので、さよう御了承を頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/40
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041・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 他に御質問ありませんか。御質問はもう終了したと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/41
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042・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) それでは討論に移りたいと思います。賛否を明らかにして御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/42
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043・青山正一
○青山正一君 小型底曳の整備は、これはどうしてもやらなければならんと思うのであります。ところがこの法案は聞くところによりますと、瀬戸内海の紀伊水道問題にからんで、小型底曳を整理しようというふうなための法案であるというふうにいろいろ誤解されておる向きもあるわけでありますからして、只今鈴木君のおつしやつたように小型底曳の整理を暫くの間やめて頂くという点も僕は結構だと思います。そういつた意味合からして、この本案に賛成するつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/43
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044・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 私も先ほど来の御説明を聞きまして大体本案に賛成をするものでありますが、ただしばしば各委員から述べられましたように、この小、型漁船の底曳船の多数の許可の整理等はどうしても早くやらなければ資源の維持に大きな支障を来すものでありまして、当局におかれましてはこれが整理をするところの措置を一日も速かに講ぜられまして、再びこの改正案が立法化される日の一日も速かならんことを希望して賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/44
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045・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) ほかに御意見ありませんか。……御意見ないようでありますので、これより採決いたします。本案を可とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/45
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046・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 総員挙手であります。満場一致本法律案は可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨、表決の結果を報告することとし、御承認願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/46
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047・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。
それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
秋山俊一郎 千田 正
青山 正一 入交 太藏
櫻内 義雄発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/47
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048・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
午後四時十八分散会
出席者は左の通り。
委員長 木下 辰雄君
理事
青山 正一君
千田 正君
委員
秋山俊一郎君
入交 太藏君
櫻内 義雄君
衆議院議員
鈴木 善幸君
政府委員
水産庁長官 家坂 孝平君
物価庁第三部長 川上 為治君
事務局側
常任委員会專門
員 岡 尊信君
常任委員会專門
員 林 達磨君
説明員
水産庁漁政部長 松任谷健太郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014562X02219510329/48
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