1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月八日(木曜日)
午後一時四十二分開会
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本日の会議に付した事件
○関税定率法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○農林漁業資金融通特別会計法案(内
閣送付)
○連合委員会開会の件
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001・小串清一
○委員長(小串清一君) これより大蔵委員会を開会いたします。
順序を変更しまして、本日は第一に関税定率法の一部を改正する法律案について予備審査を行いますが、その内容は、政府委員石田税関部長から説明してもらうことにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/1
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002・石田正
○政府委員(石田正君) ご説明いたします際に、関係方面とのいろいろの折衝のこともございまするので、その部分は速記を御停止願いまして、秘密会ということにして頂けると有難いと思うのでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/2
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003・小串清一
○委員長(小串清一君) 承知いたしました。それでは暫らく速記を停止しておきます。
午後一時四十三分速記中止
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午後三時九分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/3
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004・小串清一
○委員長(小串清一君) この辺で速記を開始してよろしうございますか。……それでは御質問を願います。定率法の細かいことは一々説明というわけには行かないでしようから、この法案に関して質疑があればお尋ね願つたらどうかと思います。ちよつと石田部長にお尋ねしますが、関税関係でほかに提出予定の法案がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/4
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005・石田正
○政府委員(石田正君) 関税定率法のほかに関税法とそれから保税工場法及び保税倉庫法をこの会期中に御審議願いたいというふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/5
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006・小串清一
○委員長(小串清一君) それではその大要をここでお話し願いたいと思つております。これに関連して出るところの法案について……、そうすると大変参考になるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/6
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007・石田正
○政府委員(石田正君) 保税工場法及び保税倉庫法は或る意味から申しますると、直接この関税定率法の改正とは関係はございません。関税法の改正に関係するわけであります。そこで関税法の中で関税定率法に関係いたしまする点は、今度は全部定率が従価税に相成るのでございますが、その点におきまして相当輸入業者と、それから税関当局との間に価格ついていろいろ意見の相違も出て来るであろうかと考えられるのであります。その点におきまして税関長の裁定に不服でありまするところのものにつきましては、現在では裁判所に出訴することもできまするし、又関税訴願審査委員会に訴願をすることができるわけでございます。この関税訴願委員会に提訴いたしまする前に税関長に対して先ず再審を求めるわけでございますが、この現在の法の下におきましては税関長が決定をいたしますについて期限の規定がないのでございます。この点を一カ月以内に決定をしなければならんということと、それから関税訴願委員会は訴願を受けました場合に、審査をいたします場合におきまして、その決定につきましてはこれと大蔵大臣の訴願の裁決とがどういう関係になるかということが余りはつきりいたしておらないのでありますが、その点を関税訴願審査委員会の決議に基いて裁決をするというふうにその関係をはつきりするという点が一つの大きな改正でございます。それからもう一つはこれは関税定率法の十條で船舶の建造、修繕に使いまするところのいろいろ部分品の輸入につきましては免税できるということにいたしておりますが、その場合にその部分品を使いまして建造をいたしまするところの現場に税関官吏が行つて取締りをするという点が明文上規定せられておりませんので、その点を明らかにする意味において入れようと、こういうのが大体この関税定率法と関連いたしまするところの関税法の改正の部分になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/7
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008・小串清一
○委員長(小串清一君) この保税倉庫法及び保税工場法の一部改正、これも出るわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/8
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009・石田正
○政府委員(石田正君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/9
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010・小串清一
○委員長(小串清一君) ちよつとこの大豆、落花生、菜種、「とうもろこし」というようなものを無税としてもらいたいという輸入税免除の何と言いますか、瀬願が、いろいろなものが民間から大分出ているのですが、これらの希望についてどういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/10
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011・石田正
○政府委員(石田正君) 先ず大豆から申上げますが、これは消費をいたしまするところの部面、或いは更にその油からいろいろな油製品を作ります部面から言いますと、無税にしたほうがいいのではないか、こういう議論が前々からあるわけであります。他面大豆の生産という面を考えますると、これは御承知の通りに、相当日本におきましても大豆を生産いたしておりますのみならず、現在甘藷を相当作付けいたしておるのでございますが、この甘藷というものの作付けをどうしても農林行政上植付け転換をせねばならんという事情になつておるわけであります。その点から申しまして一番恰好のものは何かと申しますと、まあ大豆ということになるわけでございます。これは現在多少数は違つておるかも知れませんが、大体現在二十万町歩大豆をやつておりますが、これを四十万町歩にしようというのが農林省の方針となつておるわけでございます。そういうふうにいたしまして、これから大豆を大いに増産して行こうというわけでありますが、そういう場合に安い大豆がどんどん入つて来たということでありましては、これは大豆の増産を図ろうといたしましてもできないのでございます。その点から申しまして大豆については相当高い関税をかけて欲しいと、こういう生産者のほうからの希望があるわけでございます。この点から申しまして、又両方の考え方をとりまして、折衷と申しますと語弊があるかも知れませんけれども、一〇%の関税というのは率といたしましてはそう高いものではない。むしろ低いと言われるところのものでありまして、これは大豆の増産をするためにこのぐらいのところは消費者にも我慢して頂かなければならないのではないかと考えております。
こういう考え方で一〇%の案をとつたのであります。それから菜種でございますが、菜種につきましてもこれは大豆と同様の関係があるわけであります。ただ菜種のほうは競争関係というものが大豆に比しましてそれほど激甚ではないであろうということを考えまして、これは低目に五%で、一つ生産者のほうは御満足願いたいという、こういうことで五%というものが出ておるわけであります。それから落花生でございますが、この落花生は大豆よりも更に條件が惡うございまして、その点から申しますると一五%ぐらいが適当ではなかろうか。生産者保護という点から申しまするならば、大豆の一〇%に対して落花生は一五%にするのが適当であろうと、こういうような権衡論も出て来るわけでございます。大豆油と落花生油というものを比べました場合に、成るほど落花生油のほうが幾らか質がいいということも言えるのでありまするけれども、又生産の観点から申しますると大豆のほうが生産が多くつて落花生のほうが生産が少いので、保護する点からいつてどうかという点もございます。そこらの点を考えまして、先ず大豆と同じように一〇%にいたそうと、こういうことに相成つておるわけでございます。それから「とうもろこし」につきましては、これは「とうもろこし」を戰後のごとくに国民の常食として入れるということに相成りますると、相当これは考えなければならんかと思うのでありますが、我我のほうといたしましてはどうも「とうもろこし」を主食として食つて行かなければならんということは長い目で見てどうであろうかというふうに考えまして、主食であるから無税であるというような議論はちよつと工合が悪いのではないかというふうな点が一つでございます。それから今度は生産のほうの状況から申しますると、寒冷地とかその他出地柄によりましてはどうしても「とうもろこし」でなければ栽培できないという地域があるわけでありましてこれをよその国の「とうもろこし」との競争状態に置くというようなことは、これも如何かと存ぜられまするので、これは採算関係から申しますると、先刻申上げましたような工合に一五%というようなことも出て来るのであります。併しながら「とうもろこし」は大豆や何かに比べますというと、むしろ雑穀に近いのでありまして、雑穀が五%という点から言うとこれを一五%とするのも如何かというふうに考えられるのでありますので、そこで一〇%というふうな工合にいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/11
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012・小串清一
○委員長(小串清一君) これは飼料として使う場合にはどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/12
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013・石田正
○政府委員(石田正君) 「とうもろこし」につきましては、只今は人間が食べる場合のことを申上げたわけでございますが、今度はそれでは養難飼料といたしまして輸入する場合に一〇%かけるということは、どうもこれに課税するということはおかしいではないかという御議論も御尤もであろうと思います。この点につきましては用途によりまして税率を分けるということはできません。ではどうするかという問題でございますが、これは保税工場という制度がございます。これを利用して行きたいというふうに存じているわけでございます。即ち「とうもろこし」を輸入いたしまして、それの輸入手続をとりませんですぐ保税工場に庫入れをいたします。それで保税工場の中で粉にいたしまして、そうしてまあカーボンブラック等を入れまして、人間が食べられない、要するに養難飼料的なものにいたしてしまいます。それから保税工場から出しますときが本当の輸入でございます。この場合には、無税にいたしてございますので、税金がかからない。こういうところで処理いたしたいというふうに存じている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/13
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014・小串清一
○委員長(小串清一君) それから石油でありますが、石油は我が国は非常に生産が少くて、いま少し秋田あたりで新らしい油田が見つかつても到底足りませんから、やはり輸入しなければならんのですが、この輸入関税についてはどういうことになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/14
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015・石田正
○政府委員(石田正君) これは石油は非常にむずかしい問題でございまして、まあ石油は非常に重要な動力資源でございます。又我が国の生産というものもそう多いわけではないのであります。現状から申しますならば、大体八割乃至九割というむのが輸入に待たなければならないわけであります。そういう一割か一割五分くらいの生産しかないものに対して保護関税を設定することは無意味ではないかという御議論も誠に御尤もな点があると思うのでございます。そこで何故この石油に対して保護関税を設けるという考え方になつたかということでござ労ますが、これは日本の一体石油資源というものはどれだけの量があり、どれだけ期待されるかということが或る程度わかりますならば、非常に議論がし易いということになるのでありますが、非常につかみにくいところがあるわけであります。ただ生産原局でありますところの通商産業省のほうのお話、これは司令部のほうでも天然資源局のほうにアメリカの人が見えまして、そうしていろいろ調査をいたしました、そのあれと一致しておるわけなのでありますが、日本の石油資源というのは或る程度期待が持てるのであつて、とても石油は駄目だというものではないと言われておるのであります。又関東平野におきましても石油は採掘可能であるというような結論も出ておるやに聞いておる次第でございます。そこで、現実の問題としてどのくらいの一体石油がとれるかというのが問題でございます。この点につきましては、大体去年は、二十五年中は三十二万キロばかりの生産を挙げております。本年は三十六万キロという具体的計画があつてやつておるわけであります。将来の目標としてはどうかという点でございますが、この点につきましては、大体通商産業省方面におきましては五十万キロぐらいのものを年間に掘る。それからしてそのときにこれから掘れるところの、何と言いますか、確定埋蔵量と言いますか、それをどのくらいのものをつかんでおるかという問題でございますが、これは約五百万キロぐらいのものを握つてそうしてやりたいと、こういうふうな御意見のように思うわけであります。現在は三十六万キロでありまして、そうして又確定埋蔵量も今申しました数字には及んでおらないのでありますが、そういうことは不可能ではないであろうと、こういうふうな御意見に拜聴いたしておるわけであります。そこでまあ仮に五十万キロなら五十万キロというものが取れました場合に、一体日本の商品に対してどれだけの割合を占めるだろうかということでございますが、これはなかなかむずかしい問題でございます。併し現状から申しますると、二百万から三百万キロくらいのところを使つておるというのが現状と思いますが、これでもうすでに三十六万キロとなりますれば、一割以上を生産しておるということに相成ります。これが二割になりますかどうかについては、生産量の増加と消費量の増加の睨み合いがどうなろうかということであろうと思うのであります。そこでこの石油というものは、とても駄目なものではないということが言えるかと思うのであります。それで、それからこれは国際関係がどうなりますかによりまして異なつて来るかと思うのでありますが、非常に日本に対する石油の供給が不円滑になつて来たという場合に、どうしても最小限度要るところの石油の量はどのくらいであろうかという、これも又むずかしい問題でございますが、大体百万キロというふうなことが言われておるのであります。そういたしますと、最小限どうしても百万キロという場合に、五十万キロというところの石油の生産が日本にあるということは非常な強みであるというふうに考えられる点があるわけでございます。それからもう一つ、石油というものは大きな会社が外国にありましてやつておりまして、相当勢力の強いものでございます。仮に日本において石油の生産というものがないということが明らかになりますような場合には或る場合においてはダンピング市場として各国のものとなると同時に、又市場となりましたときには非常に高い値段で売付けられて何とも言えない、こういう価格の面から考えますると、まあ一割、それから最低需要から言いますれば場合によつては五割くらいになるような石油を持つているということは、これは非常に大切なことである、こういう観点もあろうかと存ずるのであります。それからこの五十万キロが出ます場合に、いわゆる関税率との関係はどうなるかという問題があるわけでございます。これにつきましては、現在は一〇%の関税によりまして石油生産価格と国際価格を同じにするということはできないのでありまして、平常の状態を考えますると、大体二五%乃至三〇%の差があるということが言われているわけであります。それに対して一〇%の関税を盛つたのではこの二〇%はどうなるかという問題があるわけでございますが、この点につきましては、探鉱の奨励金というようなものを出しましてそれによつてやるというふうなことも併せ用いて行かなければならん。これと生産のほうを考えまして、二五%や三〇%の関税が必要であるからというので、それだけの関税をとるということは、これは石油というものの性質から言つて妥当でないということが明らかであろうかと思うのであります。なお先ほど申しました毎年々々五十万キロを掘つて行つて、そうして五年乃至十年の確定埋蔵量をつかんで安心してやつて行く、こういう事態が参りまするならば、今申しました補助金も要らない、関税率も場合によつてはなしで、国際価格でもやつて行けるのではないか、こういうことも生産当局としては言つておられるわけであります。そこでこの一〇%という関税を我々は恒久的に支持して行かなければならんというふうには思つておりませんけれども、今申しましたような状況から申しまするならば、一〇%の関税率によつて保護しておつて、そうしてできるだけ勉強をしてもらいまして、成るべく早く関税率がなしで済ませるように、そうして又最低需要に対しては或る程度の生産が確保されて行く、こういう状況ができ上れば結構ではないか、こういうふうに考えまして、結局一〇%という関税を盛つているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/15
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016・小串清一
○委員長(小串清一君) 今お話の分は、いわゆる精製石油の問題でしようが、原油が今多少輸入されておりますが、これは課税してないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/16
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017・石田正
○政府委員(石田正君) 只今申しましたのは原油需要の話でございまして、精製油につきましては、これは現在相当精製設備というものがあるわけでございます。我々といたしましては、国際関係等から言いまして原油の形では入つて来ない、精製油の形で入つて来るというようなことよりも、むしろ原油の形で入つて来て精製されるというほうが更に日本経済にとつて望ましいように存じております。その点におきまして、やはり精製油の保護というものを考えなければならんかと考えまして精製した油につきましては、大体原油の一〇%に対しまして例えばガソリンのごときものには二〇%というような率を盛つている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/17
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018・小串清一
○委員長(小串清一君) わかりました。……御質疑がありませんければ関税定率改正法の問題は暫らく留保しまして、政務次官が見えましたから……。
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019・小串清一
○委員長(小串清一君) それでは今申上げたことは取消しまして、農林漁業資金融通特別会計法案の予備審査をいたしたいと思います。右審査に当りまして、農林漁業関係の政府委員から、大体この法案の説明を伺いたいと思います。なお農林漁業資金融通法案というのがありまして、関連がありますが、とにかくこの案の説明を一つ塩見農林大臣官房長より説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/19
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020・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 提案理由はもう説明があつたのでございますが、別に又……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/20
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021・小串清一
○委員長(小串清一君) 提案理由はこの間説明があつたのですが、法案の内容がまだ……、その案はこちらの付託案ではないけれども、今申上げた農林漁業資金融通法案というのがあつて、これは関連した問題ですが、農林委員会のほうでこの融通法案は審査するでしようが、こちらで元をきめる、特別会計の法律をきめる関係から、その農林漁業資金融通法案について、やはりここで御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/21
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022・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 提案理由のほうは済んでおりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/22
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023・小串清一
○委員長(小串清一君) 提案理由は、ただこの特別会計のことだけは聞いておりますけれども、資金融通法案はい本物のほうは何もこちらには説明ないのです。今日初めて聞くわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/23
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024・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 農林漁業資金融通法案の内容を各條に亘りまして御説明申上げます。第一條は、この法律の目的でございますが、狙いは農林漁業の生産力の維持のみでなく、更に将来に向つてのその増進を図るというためでございまして、その資金の性質は長期資金であり、且つ低利のものであるということを考えております。従いまして農林漁業者の必要な資金でございましても、資金の性質上長期のものでないもの、例えば短期の運転資金というようなものは、この特別会計が融通いたすということは、目的の外になつているわけでございます。
第二條は、資金貸付の事業の対象を規定いたしましたわけでございますが、先ず借受人の側から申上げますと、農業、林業、それから漁業、更には塩業、つまり塩を製造する事業、直接みずからこれらの事業を営んでおる者、又はこういう事業を営む者が集りまして組織しております法人、これに対しまして、第一号から第六号まで書いてございます各事業に要する資金を貸出すわけでございます。で、ここで農業と申しております中には、当然養畜業、養蚕業というようなものを含むという広い意味の農業というふうに考えております。で農林漁業者が組織いたします法人といたしましては、例えば農業協同組合或いは耕地整理組合、かようなものはこの後段の法人に入りまするわけでございますが、みずから林業を営んでおるような会社、例えばこれは造林なり、或いは林道の開発なりの場合に融資を受けることになると思うのでありますが、こういうものは前段で言つております農業、林業、漁業、若しくは塩業を営む者の範疇に入るわけでございます。で事業の種類は、第一が農地の改良、造成又は復旧に必要な資金でございまして、ここで言つております農地も、私どもは広い意味の農地というふうに考えております。従いまして、例えば放牧地或いは採草地といつたようなものも、この農地の中に含まつていいのであろう、更には桑園、桑園の改良或いは又果樹園の改良というようなものも、ここにいわゆる農地の中に入つて来るというふうに考えております。第二号は、造林に必要な資金でございまして、第三号は林道の開発又は復旧に必要な資金、第四号は漁港の修築又は復旧に必要な資金となつております。でちよつと敷衍いたしますと、漁港の場合にはすべて公共事業費によります補助金が付いておるわけでございますが、現在の漁民の経済状態では補助金以外の地元負担分、これを負担する能力がなかなかむずかしいので、これの地元負担分に対しまして、融資することを考えておるわけでございます。第五号は塩田の改良、造成又は復旧に必要な資金でございまして、このうち災害を受けました塩田に対しましては、専売公社から補助金が出ておるわけでございます。第六号は、農林漁業者の共同利用に住する施設の造成、復旧又は取得に必至な資金を貸付けるということになつております。で、この具体的内容につきましては後ほど申上げます。次は、第三條が貸付の條件を規定しておるわけでございますが、先ず利率は、ここに各六号の項目に亘りまして補助事業、公共事業費によりまして補助金を受けます事業と、それ以外の事業と二本に分けまして、それぞれ最高と最低の率を規定しております。で、この範囲で政令で定めるわけでございますが、ここに最高と最低の幅を置きました理由は、将来における金利水準の変動、これを見込みまして、大体かような長期資金は一分見当の幅があれば、この範囲で政令で賄うことができるであろうという予想で、かような或る程度の彈力性を持たせましたわけであります。で、現在考えておりまする政令で定めまする利率は、最高と最低の中間を一律に定めたらいいんじやないかというふうに考えております。次に償還期限と据置期間でございまりすが、据置期間は、これは各事業の完成いたしまするまでに要する最も長い期間を見ております。従いまして一第一号の農地の改良、造成又は復旧に必要な資金、公共事業費の補助がある場合は、一番長い事業はやはり五年というような例がございますので、一番長い期間だけは据置期間を五年として、毎年利息の償還だけでいいというふうに据置期間を定めたわけであります。で、償還期限は、この据置期間とは別になるわけでございますので、例えば今の農地の例をとりますと、最長の場合は五年プラス十五年計二十年間に償還するということになるわけであります。この利率と償還期限と据置期間は如何にしてきめるかと申しますと、主務大臣が一つ一つきめて参るわけでありますが、これは法律では最長期限だけを規定いたしまして、個々の具体的ケースにつきましては、申請書が出ました都度、その事業計画に従いまして、償還期限、据置期間を決定することといたします。それから次の問題といたしまして、然らばこの利率、償還期限は、どういうふうな基準できめたかという問題が残るわけでありますが、これは資料の関係もございますので、後ほど一括して御説明申上げます。次に第三條の三項は、貸付ける額の最高限度を規定したわけでございまして補助事業にありましては、総事業費のうちから補助金を差引きました残りの八割、総事業費から補助金を差引きましたものは、俗に地元負担分と申しておりますが、地元負担分の最高八割を限度といたしまして、それ以外の事業に対しましては、総事業費の八割を、これ又最高限度といたしております。それから第三項は貸付金の償還方法でございますが、これは原則としまして割賦償還でございます。借受人の便宜で一時償還したいという場合には、その途も開いたわけでございます。それから第四項は、借受人が、いろいろ條件の違反をやつたという場合の制裁規定でございます。第五項は、政府が貸付の場合に担保を取るという規定でございますが、この担保には人的及び物的の双方の担保を含んで考えております。従いまして、人的の担保の場合には個人保証、或いは借受人の連帶保証というようなことを考えております。併しその担保の提供が困難な場合には、免除ができるというふうに規定いたしました。それから第六項は、一遍かような條件で主務大臣から貸付の決定を受けました者が災害を受けたとか、その他不測の事由によりまして償還が非常に困難になりました場合は、條件の変更或いは緩和というようなことをいたすという規定でございまして、財政法第八條の特例をなしておるわけでございます。
第四條は、貸付金の使途を嚴正にいたしますために、必要に応じましては直接その工事の請負者に政府から支拂の恰好で貸付の事務を行うことができるということを規定いたしましたわけであります。
次に第五條は、業務の委託の関係でございますが、この特別会計は予算にございます通り、人員が僅か二十五名しかございません。従いまして特別会計がみずから申請書を受理して、それを審査するということは不可能に属しますので、その事務は原則といたしまして農林中央金庫或いは既存の金融機関に委託するという関係でございます。但し最後の貸付の決定、これに貸出していいか、惡いかという最後の決定は特別会計がみずから行うというふうにいたしております。第二項では、政府と農林中央金庫、その他の金融機関との間の業務の委託の準則を省令で定めようという規定でございます。御参考に他の例を申上げますと、国民金融公庫の場合には、この業務委託に関する準則は、当事者間の契約だけに委されておるわけであります。本法では、関係方面の意向もございまして、特に省令で明記するというふうにいたしたわけでございます。ここで金融機関にどういう條件で委託するかということを概略申上げますと、貸付の審査事務が粗漏に流れて不良な貸出が起るのを防止いたしますために、金融機関に対しまして、貸倒れの二割を政府に対して補償して頂きたいという考えを持つておるわけであります。残りの八割の危險に対しましては、特別会計がみずから負担いたします。金融機関に対しましては当然必要な手数料を拂うわけでございますが、私ども現在この手数料は最高三分、三分以内というふうに考えております。第三項は受託者たる金融機関に対する刑法の規定でございます。第四項は農林中央金庫に関しまして、これは御承知の特別法によつてできました法人でございますので、業務の範囲が当然法律で制限されております。従いましてこの融通法によりまする受託業務は、農林中央金庫法の例外であるという例外規定でございます。
六條、七條、八條については説明を省略いたします。
そこで前に戻りまして、現在はこの融通法で六十億を予定いたしております融資の総額は、一般会計から二十億、見返資金から四十億、合計いたしまして六十億円の予算として踏みました次第でございます。なおこのほかに、特別会計法の第十二條では預金部資金、資金運用部でございますが、預金部資金から借入れをすることができる、その最高限度は出資金の範囲内で予算できめられた額というふうに規定されておるわけでありますが、従いまして最高限度は三十六年度におきましては出資金、つまり六十億円だけ預金部資金から借入れの途が開かれておるようなわけでございましてその六十億円の使途に対しましては、お手許に一枚刷りの融資計画表というものを差上げてございますが、これで御覧になります通り、土地改良事業に三十九億円、以下それぞれ出ておるわけでございますが、この融通法の第二條第六号で規定しておりますが、農林漁業者の共同利用に供する施設といたしましては、現在の六十億の資金計画に載つております範囲では、小水力発電施設費というものがございます。二億四千万円でございますが、この二億四千万円、及び水産業の範囲内で、北海道の漁田開発というのがございます。漁田開発と申しますと、千島、樺太の引揚漁民を收容いたしまして、新らしい漁村を建設する事業でございますが、この北海道の漁田開発に対しまして九千三百万円を見込んでおるわけでございます。で、それ以外の共同利用施設、例えば予想できますものは農業倉庫でございますとか、或いは畜産物の共同処理場或いは養蚕のための乾繭倉庫といつたようなものに関しましては、現在の六十億の資金枠の限度内では融資の余裕がございません。従いまして将来預金部資金からの借入れの途が開かれまして、この特別会計のフアンド六十億に含まれた場合に、具体的の問題として出て来るわけでございますが、それからこの償還期限をきめました根拠につきまして申上げます。お手許に「農林漁業資金の貸付條件算定に関する資料」という横に長い表がございますが、第一頁を御覧願いたいのでございます。一番上の欄に灌漑排水、暗渠排水、客土、区画整理、その他いろいろなことが書いてございますが、これが土地改良事業の、一口に土地改良事業と申しますその内訳の事業の細かい分類でございます。それから左の一番端にございますのが、一番最初のほうが反当事業費に、これは灌漑排水を例にとつて申しますと、反当り三千九百円かかつております。それに対しまして第二行目で融資率八〇%、そういたしますと融資される金額は三千百二十円となります。この融資額を反当事業費から差引きました残りが次の覧にあります自己負担分でありまして七百八十円、かような土地改良を行いますと、如何なる増産効果が出るかという問題でございますが、それに対しましては、反当り二斗三升八合というものか農林省の統計から出ておりますが、この二斗三升八合を米の値段に換算いたしますと、千百十一円となります。そこでこれが土地改良事業を行いました際の増收分を金額に見積つたわけでございますが、この全部を償還財源に当てることはできません。つまり増産をやるためには現金支出で必要経費を出しておるわけでございますから、それに対しましては農家の家族労賃に相当する部分、それを三五%と推定いたしております。農家の家族労賃三五%でこれを償還する、そういたしますと、千百十一円の中にはその三五%、三百八十九円という数字が出ております。この三百八十九円で借りました三千百二十円を償還いたすわけでございますが、ここで年賦定率表と申しまして、金利還附の場合の元利金を、元利金幾ばくで何年で償還できるという表でございます。この表に照らしましてそれぞれ各事業主体の最高限度を規定いたしましたわけでございます。今申上げました御説明の中で三五%というのは如何にして算出したかということにつきましては、第三頁に書いてございます。これはいずれも農林省で行なつておりまする農家実態調査に基きまして、結論を出したものでございます。そのほか漁港の修築、或いは林道、これにつきましていずれも同様な計算をいたしておりますが、ただ造林関係だけは御承知のように、木を植えましてからその木を売却して收入を挙げるまでには、大体少くとも四十年からの期間を要するわけでございますが、この法律では二十年という規定になつております。そこでこの資料の中にございます造林関係の償還の説明書は、これだけの金を借りて造林事業を行います場合に、それが四十年の複利計算で收入を得た場合、果して收支が償うかどうかという計算をいたしておりまして、直接二十年間で償還できるという基礎はここに出ておりません。
以上簡単でございますが、資料の御説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/24
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025・愛知揆一
○愛知揆一君 今日は質問に入りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/25
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026・小串清一
○委員長(小串清一君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/26
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027・愛知揆一
○愛知揆一君 この法律案の具体的な各條の御説明は只今あつたのでありますが、ちよつとそれに入ります前に、参考までに伺いたいと思うのでありますが、農林省として二十六年度の農林漁業その他の関係において、金融的にいろいろな施策を講ぜらるべくいろいろな計画をお立てになつたことと思うのでありますが、ひとり今回の農林漁業資金融通法案のみにとどまらないで、総合的に例えば金融整備の問題といたしましても、例えば既存の農林中央金庫の問題もございましようし、又観点を変えて見れば、伝えられるところによりますと、水産関係については水産銀行の設立というようなことも考えられたようでありますし、又漁業証券の問題に関連して水産漁業の金融措置についても別にお考えになつておることもあるように承知しておるのでありますが、そういつたような全体の総合的な立場から、どういうような金融的な構想をお持ちになつておるのであるか、その全体の構想の中でこの融通法案がどの程度部分をカバーし得るものであるかというようなことを、最初に総括的にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/27
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028・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 農林省の水産庁とか、その他あらゆる面での今お尋ねの金融の方針でございますけれども、その点に至りましては、今私この場でちよつと即答いたしかねますけれども、この農林漁業の資金融通法案というふうなものでは、一応現在まで公共事業として行われている仕事を主としまして、それの自己負担分というふうなものがなかなか融資がつがないというのが、従来から問題になつておりまして、その部分は何らかの形で金融的に見てやらなければならないし、それが又長期の、而も低利を必要とするようなものが、ここに挙げましたような種類のものには多いわけでありますから、それでそういうふうなものに大体主力を注いで、一応見返資金乃至は一般会計から繰入れられるというほうに行つたわけでございまして、そのほかに従来見返資金から出ておりました小水力発電であるとか、北海道の漁田開発であるとかいうものが附け加わつたわけです。又もう一つ塩の関係の需給というものも相当逼迫する見通しが強いわけで、性質も長期低利という点で類似する点から、塩田がその中に入つて来るわけであります。それからそのほかに共同施設というようなものに対して相当強い要望がございましたわけであります。それに対しては従来の経過をお話いたしますと、利子補給で処理をしようというふうな方針で、大蔵省と折衝して参りましたわけですけれども、それは予算には利子補給で行くよりは、むしろ主計局のほうではこの会計のほうに持込んで行つたほうがよかろう。こういうふうな話で、その部分については預金部資金をまあ六十億一応想定しておるわけでございまして、金利の点もそれを見込んで考えているわけなんで、それでそつちのほうで進めるようにしたらどうかというふうな考え方を持つておるわけです。まだ具体的に予算的にはその細目についての打合せが終了しておりませんので、預金部資金の導入については、今回はまだお諮りするところまで事務的の打合せが済んでいないわけですけれども、まあそれまでをこの農林漁業の資金融通のこの中では考えよう、こういうような形になつておりまして、共同施設というふうな範囲には、畜産も水産も蚕糸も、まあその他いろいろなものが協同組合で行う共同施設というふうな範囲で盛込まれて然るべきではないかと、こういうふうに考えておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/28
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029・愛知揆一
○愛知揆一君 それではこの際にお願いしておきたいのでありますが、先ほど申しましたが、この農林省としてできればこの年度全体のみならず、ここ暫らくの間広く農林漁業の金融問題について、大体どういうような構想をお持ちになつておるかということを、次の機会に御説明願うことにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/29
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030・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) それでは至急そういうふうな点について取まとめまして、御要望に副うようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/30
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031・小林政夫
○小林政夫君 愛知委員の質問と同じ結果になると思うのですが、特に最近の水産金融の問題について、農林大臣も盛んに水産銀行等の構想を言つておられますが、私としてはなかなか伝えられておる水産銀行の構想では、現在の困難な水産金融は完全に行かないという見解を持つておるのでありますが、いろいろ水産庁の事務当局のほうにおいては、漁業共済資金の強化であるとか、或いは又諸般の案が考えられておるようでありますが、今の愛知委員の質問と関連して、特に水産金融についての現在までに農林省として考えられておる構想を一応はつきりさして頂きたいと思います。それによつては、私は本特別会計と水産関係を分離して一別個の水産だけの特別金融こういうことを考える必要もあるのじやないか。運転資金も一緒にしたような、こういうような考えを持つておりますから、この点を十分現在までの農林省側としての構想を知らしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/31
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032・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 只今愛知委員からの御要望と一緒にその問題についても御説明いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/32
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033・清澤俊英
○清澤俊英君 ちよつとお伺いしますが、今ここに二十六年度農林漁業融資計画というのを見ますと、大体もうこの六十億の融資の場所がきまつているのでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/33
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034・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 大体予定されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/34
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035・小串清一
○委員長(小串清一君) 私からちよつと質問いたしますが、先刻御説明の個個の計画によつて、年の利子が出ております。これは相当低利になつておりますが、三分の手数料を出すというのが、この金融を取扱うために協同組合とか、或いは中金というものに関係して、そのほうへ三分このほかに出すと、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/35
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036・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) この備考というところにある年利の中に三分は含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/36
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037・小串清一
○委員長(小串清一君) そうすると政府は二分しか取らないわけになるのだね。年に五分は……。例えば灌漑排水では利息に三分取るわけですか。これはどういう意味なんです、三分というのは……。三分を加えて、若し三分なお取るならば、五分が八分になるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/37
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038・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) それは備考の年利の中に含まれておるわけでありまして、貸付ける場合には例えば補助事業の灌漑排水の場合には五分事業者から頂けばよいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/38
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039・小串清一
○委員長(小串清一君) それで事業者はいいわけですね。それきり出さないわけですね。三分取るということはどういう意味なんですか。さつきそういう御説明があつたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/39
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040・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) この年利五分のうち、大体見返資金及び一般会計からの繰入ですね、それが金利を要しない資金でございますから、それで特別会計のほうから委託をする金融機関のほうに三分手数料を拂うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/40
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041・小串清一
○委員長(小串清一君) そうすると、とにかく融資を受ける公益団体はこの表だけの負担をすれば年賦、例えば小水力発電というのは年に七分五厘、その枠で農村工業というようなものは、ちよつと高いでしようが利子が……、とにかく五分五厘だけ出せばそれで実際いいわけなんですね。こういう意味に承知しでいいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/41
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042・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/42
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043・小串清一
○委員長(小串清一君) わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/43
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044・大矢半次郎
○大矢半次郎君 二十六年度には六十億ということでございまするが、これは長期資金のことでありますからして、おのずから何カ年計画というようなものがあるかと存じます。尤も国の予算との関係で将来のことは明確にはできないかも知れませんけれども、農林省としてはおのずからそれがあるべきではなかろうかと思いますが、如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/44
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045・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 農林省といたしましては五カ年計画で六十億ずつというふうな方針で参りたい、こう存じておるわけでございます。年々殖えて行くわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/45
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046・大矢半次郎
○大矢半次郎君 それからこの特別会計法案の十二條に、第三條に規定する資本の額の範囲内で予算を以て定める額を限度として、資金運用部から借入れる、こういうふうになつておりますので、若しも予算のほうで計上さえしてあれば六十億のほかに更に六十億の借入ができるやにも考えられますが、その点は如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/46
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047・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) 特別会計の問題ですから私からお答えいたしますが、できることになります。ただ二十六年度の只今の予算には載つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/47
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048・大矢半次郎
○大矢半次郎君 この融資の取扱機関は農林中央金庫その他の金融機関とありますが、実際は農林中央金庫以外の如何なる金融機関に扱わせるか。又その事務の扱う範囲はどういうふうにして分かれて行くつもりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/48
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049・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 地方銀行その他こちらの委託條件によつて貸出をやろうという銀行すべてを一応含むわけでございますけれども、信用組合、信用組合連合会につきましては、これは博委託はできないことになつておりますので、それで最後の貸付決定が農林大臣によつて行われますので、一応系統機関という点を考えて農林中央金庫一本で参る、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/49
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050・大矢半次郎
○大矢半次郎君 そうすると、農林中央金庫の所属団体に対しては農林中央金庫を通じて融資する。農林中央金庫の所属団体以外のものに対しては、他の金融機関を通じていたすのでありますか。又農林中央金庫の業務の範囲はおのずから法律で制限せられておる。よつてこの融資法においてその制限を解いて、農林中央金庫もやはり現在の制限範囲内でもやり得るのだということにしたという先ほどのお話でありましたが、そうすると、所属団体以外のものに対しても貸付し得るように解釈してよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/50
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051・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 農林中央金庫はその系統機関についてだけは、更に内部的には事務の委託をするとか何とかいうことがありますけれども、他の銀行については政府から直接委託するという形態になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/51
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052・大矢半次郎
○大矢半次郎君 私の伺つたのは、農林中央金庫の所属団体に対しましては、他の金融機関に取扱わせないで、農林中央金庫に集中して扱わせるのか。それから所属団体以外のものに対しては、農林中央金庫に取扱わせないのかということをお尋ねしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/52
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053・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) その点については全く自由であつて、農林中央金庫の系統機関だからすべて農林中金に強制的に扱わせるという考え方はとつておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/53
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054・大矢半次郎
○大矢半次郎君 実際にもそうおやりなさるつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/54
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055・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 実際にもそういうふうにやるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/55
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056・森八三一
○森八三一君 各條別の説明の際に、原則として担保をとる。その担保には物的の担保と人的の担保とある。こういうお話でありましたが、これは絶対的の條件としてお考えになつておりますか。必ずしも絶対的のものでないのかどうかということを先ずお伺いいたします。それから第三の点は、今大矢委員の御質問に対しまして、農林中央金庫、その他一般市中銀行を通じてこの貸出の趣旨に副うものについては委託をして取扱をせしめるというお話でありまするが、その場合の資金の限度は六十億ということに一応現在はなつておりますので、各取扱機関別に限度をきめておやりになるのか。各機関がそれぞれ申込を受けて、銀行が二割の負担を最後には持つ場合もありますので、十分に査定を加えて主務大臣に申請をしたものを、順次主務大臣が査定をして行くというようなことになりますのか。その辺をお伺いをいたしたいと思います。若しそうであるとすれば非常に事務が煩雑になりまして、折角申込をいたしましても、限度の、枠の関係で非常にあとで失望するというようなことが続出いたしまして、問題が残るのではないかという心配も持たれますので、第二点にその点をお伺いいたします。それから第三に預金部のほうから予算の範囲内で六十億の限度において借入ができるという規定はあるのでありまするが、現在は予算がありませんので、借入の具体的な目安は立つておりませんが、本年度はこの六十億だけで始末をするのか。この問題は多年の要望でありまして、資金の需要は非常に殺到すると思うのであります。殊に御説明のありました公共団体等の行います共同事業に対しましては、殆んど六十億の割振りはありませんので、農業倉庫等を中心といたしましてかなりの希望が出ると思いますが、そういうものに対して早急に預金部の資金を借入して行くというような、何らがの構想を持たれておりまするのか。その辺に多少の目当てでもありまするのか。第三点にそのことをお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/56
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057・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 担保の問題は、これはその單位協同組合……、その他物的担保が困難な場合は人的担保で参るつもりでおります。それから第二点の枠の問題をきめてというふうな、そのほうが計画的に動くであろうというふうな御趣旨の御質問でございましたようですが、その点については、一応土地改良の計画であるとか、或いは造林の計画であるとかというふうなものが、現在まですでにこの補助金の問題もありまして、府県のほうで策定されておりますので、それによりまして府県別に或る程度枠を策定して行く。それをどういうふうな金融機関がその枠に乗つて受託を申込んで来るかというふうなことについては、現実には申込によりながら、政府の方針としては委託をして行くというふうな形で、初めからそこを農林中央金庫幾ら「その他の金融機関幾らというふうな枠を設定して進めて行くというふうなところは、今のところはまだ考えておらないわけであります。それからこの資金融通について六十億では足りないであろうし、かなりそういう点で貸付を受けるほうの側から、はみ出る人たちが相当出ようというふうなお尋ねに対しましては先ほど申上げましたように、預金部の資金の導入について大蔵省と折衝中でございますが、その折衝がうまくまとまりますれば、補正予算というような形で以て、更に提出されるというふうなことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/57
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058・大矢半次郎
○大矢半次郎君 この案によりますというと、長期資金と申しまして、大体十カ年以上のものに限られておるようでありますが、実際においてはそれよりも短期の二年もの、三年もの、そういうようなものも相当必要があるのではないかと思いますが、それらに対しましてはどういうふうに処置なさるおつもりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/58
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059・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 只今のところは、一応中金債で三年ぐらいの期間のものを預金部及び市中で引受けて頂いておるわけでありますので、それで以て賄つて行こうという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/59
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060・大矢半次郎
○大矢半次郎君 大体それで賄つて行ければ結構でありますが、金利の点はそれで支障がないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/60
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061・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 金利の点についてはいろいろ問題もあるようでございますけれども、まあその点についてはその次に預金部資金を導入する場合に、その共同施設と申しましてもどの範囲のものというような点を交渉する際に、一応再検討して見たいとは思つておりますけれども、まあ只今のところは一応農林中金の普通業務のほうで貸出してもらうという考え方を持つておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/61
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062・杉山昌作
○杉山昌作君 この内容で承わりたいのですが、第三條で貸付の利率が非常に違つている。高いものはまあ一割ぐらいまでになつております。安いものは六、七分ということです。一体それはその事業の收益といいますか、支拂能力が例えば農地の改良でしたら四分五厘、それからしまいのほうの塩田の改良だつたら六分、一分五厘の差があるわけですが、それだけの負担能力の差があるということは計算上から出て来て、こういうことになつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/62
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063・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) やはりその点は收益を見て、それでそういうふうな差を一応推定して付けておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/63
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064・杉山昌作
○杉山昌作君 收益を見てというお話ですが、只今のこの資料を拝見いたしますと、一番初めのところでは、灌漑排水は率については初めから年利四分五厘ということを仮定して、そうして左のほうで行きますと、償還金額三百八十九円、初めから率を四分五厘ということを仮定して三百八十九円については何年かかるかということを次の表で見て十年で三百八十五円、その次の暗渠排水、これは四百九十円で、十三年で四百八十八円と出ておるわけです。これは利率を幾らにきめるかということの資料にはなつておらん。初めから四分五厘、それから塩田のほうにすると最後のところに年利六分五厘とすれば、償還期限は十年になるという計算で、その六分五厘とした根拠が出ていない。そこを一つお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/64
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065・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 御指摘の通りその率だけできめているわけじやなくて、率を償還期限というふうなものを総合して、この数字は作つてあるわけでございまして、増産価額、灌漑排水で行けば千百十一円ということに対して三五%の償還率というふうなものを見て、この償還率を基準にしまして、その率と償還期限というふうなものを按配しながら率が決定されているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/65
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066・杉山昌作
○杉山昌作君 どうもそこがわからないのですが、率と期限と按配してというが、率を年四分五厘ときめることは、初めに率四分五厘ときめたからこそ三百八十五円ということになる、十年のところに出て来るということになるのじやないですか。四分五厘ときめたその根拠の数字がわからない。塩田については六分五厘とした根拠の数字がわからないので、四分五厘、六分五厘ということを頭においたからこそ十年とか、十三年という表が出て来るわけでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/66
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067・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 私実は赴任間もなくて、この交渉と作案の経過がずつと通じてまだ頭に全部入つておりませんので、非常に恐縮でございますけれども、説明員に答えさせて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/67
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068・後藤傳一郎
○説明員(後藤傳一郎君) 率及び償還期限を定めますのに最も基本的な考え方としましては、土地改良をいたしますと、その増産効果というものが必ず現われるわけであります。一毛作田であつたものが二毛作田になれば、その二毛作になつたことによつて、これが農林省の調査でありますと、大体反当三斗ぐらいのものが増收となつて現われるわけであります。その増收部分というものがそれで考えられるわけでありますが、それが金を借りますと、その金を借りて土地改良をやりました関係上、その増收部分から幾らのものが償還の能力のほうに廻るかということが、これが基本の問題になるわけであります。それでこれを灌漑排水の欄について申上げますと、反当の事業費が大体二十五年度予算の数字でございますが三千九百円、平均の單位が三千九百円かかる。この三千九百円をまるまる貸すのじやなくて、融通法にもございますように八掛で以て貸して行く。最高八〇%の融資をした場合に考えますと、融資額が三千百二十円、その二〇%に当る七百八十円というものを自己負担しなければならない。そうしますと灌漑排水の場合に、大体農林省としての計算によりますと、増産收入は二斗三升八合ということになつておりますので、二十五年度の米価、石当り五千四百五十円でこれを換算いたしますと増産価額というものが出るわけであります。それでこの中の三五%のものが増産の收量の中から償還のほうに廻つて行く。その価額が三百八十九円である。それでその三百八十九円というものが年々返して行ける金額になる。それでこれを若し五年で……、一年なり三年なりでは当然返せないわけでありますから、ここで一つの仮定をおきまして、それではこれを四分五厘というものの複利計算でいたしました場合に、何年で返すことができるかというふうなことが、一つの計算をやつて見るとわかる。それでこういう計算は塩田なんかの場合でもこういう計算をいたしているわけでありますし、又造林、林道の場合ではこういう計算が適当でありませんので、いわゆるドイツ式の後価計算という方式で、各事業統一はとれておりませんけれども、大体かような考え方で推定をいたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/68
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069・杉山昌作
○杉山昌作君 今のお話で三百八十九円まではわかるのです。これを一年じや返せないから何年間でやる。そのときに四分五厘と仮定すると十年と、こうおつしやつた。それでこれは四分五厘或いは五分になつているのですが、四分五厘と仮定すればこういうことになる。それはわかるのですが、四分五厘と仮定すればというその仮定を一体どこから持つて来るか。塩田のほうでは六分五厘と仮定したわけです。そうして十年という数字が出ている。それから土地改良のほうでは四分五厘という仮定を持つて来て十年というものを持つて来ている。この四分五厘とか、六分五厘というものは、その仮定をどうしてそう違えて持つて来たか。両方とも四分五厘でやればいいじやないか。両方とも四分五厘で規定すればいいんじやないかということについての御答弁をお伺いしたいと思います。その三百八十九円というのは元利合わせて年々三百八十九円になるのですが、元利ですから利子というものは一体幾らに見て十年としたのか。塩田のところは何で大分五厘、片一方は四分五厘です。一体何でそういうように利率が違わなきやならんか。違つてもこの事業はやつて行けるということの計算が出ておると思いますから、それをお伺いしたいと、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/69
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070・後藤傳一郎
○説明員(後藤傳一郎君) これは実は大体農家経済の実情を見ますというと、細かい資料がこれにくつ附いておりますが、生産費の総額、生産費とそれから経営費との……生商物の收入を百といたしまして、生産費というものがどのくらいかかつておるかということを見ますというと、本来ならば生産費のほうが收入よりも低いわけでございますが、農家経済の場合には生産物の收入を百といたしますと、米作農家の場合には大体一二%くらいの赤字になつて来ておる。それから又麦の裏作、これは又一毛作の場合でもそうでありますが、五八%くらいの赤字になつておるわけであります。こういうところから勘案いたしまして赤字ではありますけれども、本来ならば雇用労賃で以て賄うべき経営というものを家族の労働で大部分賄つておりますので、その家族の労働で以て経営をいたしましたものを、仮に雇用いたしまして、これを雇人で以て経営して行つたと仮定しますというと、それが大体收益の大部分に当るのではないか。こう考えられるわけであります。それで現在の農家経済のそういう最近の実情に鑑みまして、大体普通の灌漑排水の場合ならば、十年くらいならばこの三五%の償還率を以てすれば返せるんじやないかということで、この收益のそういう観点から四分五厘というふうな利廻りを想定いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/70
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071・杉山昌作
○杉山昌作君 どうも大体目のこでやつたというふうなことになるように思うのですが、そうなるとこの塩田等も必ずしも儲かつておるということにはならない。目のこでやるということにすると、こういうふうなものはもう少し下げて然るべきではないか。或いは塩田のほうは農家と違いましてはつきりした資料があると思いますので、これは専売公社から取るとおわかりになると思いますから、これは果して六分五厘、四分五厘ということでやるかどうか、これはもう少しお調へ願いたい。私のほうでもそれをもう少し研究します。それから資料の第一表を見ますと灌漑排水にしても何にしても据置き期間の三年、五年、八年、十年というようなことになつておるにもかかわらず、償還期間十年、据置五年というふうに農地改良については非常に優遇したことになる。この備考で見ると十五年というのがたつた一つあるだけで、ほかは七年とか八年である。ところが、塩田になると資料を見ると据置期間で一年というのは少し無理だろうと言いながらこつちでは一年にして……どうして片一方を無理だけれども一年にしており、片一方のほうはこういう償還期限も据置期間も必要ないというのに出ておるか。これは一つお考えを願いたい。これは今御答弁は要りません。そこで結局塩田とその他との取扱い方に対してどうも納得が行きかねるということです。それからその次の点は、先ほどの御説明で第五條の二項ですが、金融機関に一部委託をいたしまして貸倒れのできたときに政府が八割持つて、金融機関に二割持たせるというようなお話に伺つたのですが、そういう見込なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/71
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072・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 委託の條件として、そういうふうに持つて行くつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/72
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073・杉山昌作
○杉山昌作君 それは一体どんなものですか、貸付の決定については金融機関には全然委せないで政府みずから決定をするのだということが五條の一項に出ておるのですね、そうするとあと元利ぐらいなものでございましようか……貸付金の取立てとか、何とか、そういうようなものだけをするのに、そういうふうな責任を負わせることはどうかと思うのでありますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/73
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074・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 貸付の決定については政府がやるというふうなことになつておりまするが、これはやり方としましてはて農林中金その他の金融機関のほうでもイエスといい、政府のほうでもイエスと言つた場合に貸付が決定されるわけです。どちらかがノーというようなことになつた場合に貸付はされないというような委託の契約、又は委託の省令を作つて行くことになつておりますので、それで貸付の決定といつてもこれは金融機関だけに委せるのでなくて、政府のほうでノーと言えるという、八割だけは政府のほうで負担するわけですが、そういう意味でこういう法文の書き方になつております。少しわかりにくい書き方になつておりますけれども、法制局のほうでこれでもよかろうということになつたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/74
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075・杉山昌作
○杉山昌作君 もう一点、これはむしろ大蔵省のほうに伺いますが、この貸付の仕事の或いは監督、検査の仕事をやる、実際の仕事をやるものは、ここに掲げておる農林中金その他の金融機関だけである。塩田その他については専売公社のほうにやつたほうが便利じやないかと思うが、そういうことについてはお考えになつておられるか。なつておるとすればあとで政府と書いておることを専売公社にやらせることに法律に書かなくても、政令その他で適当にできるものかどうか、そこらのところを一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/75
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076・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。形式的な意味において専売公社に携わらせるということになりますというと、どうしても法律上の規定が必要でございます。この立案の経過に際しまして、その点は大蔵大臣が併せて専売公社の監督官でもあり、常時密接な連絡を保ち得る状況にございますので十分専売公社と連絡をとつて、そうしてやるということで一応話はついておるように了承いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/76
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077・大矢半次郎
○大矢半次郎君 これは老婆心かも知れませんけれども、この特別会計法の十五條におきまして「この会計において、第十二條の規定による借入金の利子及び事務取扱費その他の諸費を支出するには、毎会計年度末におけるこれらの経費の支出済額の合計額が当該年慶末における貸付金の利子及び附属雑收入の收納済額の合計額をこえないようにしなければならない。」としてありまするが、これは次年度以降なら差支えないが、初年度は実行困難ではなかろうか、各種貸付金整理期間もあります。又初年度は調査その他において相当経費も要る。果してこれで実行できるおつもりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/77
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078・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) そういう御心配もあろうかと思いますが、二十六年度の予算を御覧願いますと、数学的にもおわかりになりますように、相当利子收入を以て事務費を賄いましても或る程度の余裕が出るという大体見込を農林省のほうでも立てられまして、まあそれに基いてこういうことにしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/78
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079・小串清一
○委員長(小串清一君) まだ御質問がおありのようですが、今日はこの辺で、皆さんにお諮りした、いことがありますから、如何ですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/79
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080・小串清一
○委員長(小串清一君) 連合委員会の開会につきまして、関係の常任委員長から相談があつたのですが、一つはこちらからも考えておりますところの関税定率法の一部を改正する法律案については、通商産業委員会、水産委員会等より連合委員会を開会してくれないかという御希望がありまして、又資金運用部資金法案につきましては郵政委員会から連合委員会を開会されたいという旨の御希望がありましたが、これらの二つの法案につきましては、それぞれ各委員会と協議して連合委員会を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/80
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081・小串清一
○委員長(小串清一君) 然らばさよう取計らいます。
それから去る二月二十八日附で、郵政委員長から資金運用部資金法案について公聽会を開かれたいということを文書で申出がございましたが、本件につきましては如何取計らいましようか、実は後刻御相談をしようと思つておりますが、審議を要する法案が山積しておりますので、この公聴会は見合せたいように思いますが、御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/81
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082・小串清一
○委員長(小串清一君) 然らばさよう取計らいます。それではこの程度で委員会を閉じます。
午後三時四十三分散会
出席者は左の通り。
委員長 小串 清一君
理事
大矢半次郎君
杉山 昌作君
委員
愛知 揆一君
岡崎 真一君
黒田 英雄君
九鬼紋十郎君
清澤 俊英君
松永 義雄君
小宮山常吉君
小林 政夫君
山崎 恒君
森 八三一君
木村禧八郎君
政府委員
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵省主計局法
規課長 佐藤 一郎君
大蔵省主税局税
関部長 石田 正君
農林大臣官房長 塩見友之助君
農林大臣官房農
林金融課長 富谷 彰介君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
常任委員会專門
員 小田 正義君
説明員
農林大臣官房農
林金融課勤務 後藤傳一郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X01719510308/82
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