1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年三月三十日(金曜日)
午後二時二十三分開会
—————————————
本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○退職金に対する所得税免除の請願
(第一四一五号)(第一四一六号)
○山林富裕税に関する請願(第一〇三
八号)
○山林課税に関する陳情(第二五六
号)
○種苗業に対する課税適正化の請願
(第一三七〇号)
○国民金融公庫法中一部改正に関する
請願(第一〇六三号)
○たばこ事業の民営移管反対に関する
請願(第九四二号)(第九六六号)
(第九八八号)(第九九八号)(第
九九九号)(第一〇三四号)(第一
〇三六号)(第一〇三七号)(第一
〇六二号)(第一一九一号)(第一
二二四号)(第一二九三号)(第一
三二八号)(第一四一〇号)
○たばこ小売の利益率引上げに関する
請願(第一一九〇号)
○とうもろこしおよびこうりように対
する輸入関税反対に関する請願(第
一〇二二号)
○原油の関税免除に関する請願(第一
二二五号)
○石油コークスの関税免除に関する請
願(第一三七一号)
○大豆かすの輸入関税課税反対に関す
る陳情(第一九六号)
○沖繩、大島諸島生産品の関税撤廃に
関する陳情(第二八九号)
○関税定率法第十條改正に関する請願
(第一三五三号)
○とうもろこし、こうりようおよび種
卵に対する輸入関税反対に関する請
願(第一〇二二号)
○石油関係品の関税免除に関する請願
(第一二九四号)
○漁業用石油類の関税免除に関する請
願(第一三七二号)
○関税法第九十九條開港失格條項撤廃
に関する請願(第二四四号)
○厳原港の開港維持に関する請願(第
七九四号)
○印紙税法中一部改正に関する陳情
(第二七三号)
○公庫の予算及び決算に関する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○農林漁業資金融通特別会計法案(内
閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/0
-
001・木内四郎
○理事(木内四郎君) 只今より大蔵委員会を開きます。
先ず請願及び陳情に関する小委員長の報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/1
-
002・杉山昌作
○杉山昌作君 請願及び陳情に関する小委員会におきます審議の顛末を御報告いたします。
一昨二十八日第三回の小委員会を開きまして紹介議員の説明並びに政府の見解を聴取し、愼重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通り決定いたしました。
先ず請願第千四百十五号、千四百十六号は停年又は病気等で勤務先を退職いたした場合、退職金は将来に対する唯一の保障でありまして、退職時の臨時余剰の收入ではないのでありますから、これに対しては所得税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第千三十八号は帝国造林株式会社の造林地帶は不便な山岳地帯にあり、立木価格は安く、且つ森林法施業案によつて自由に伐採売却ができない実情であるから、富裕税の株価査定には、収益力を基準とする一般会社の算定と同方法をとられたいとの趣旨であり、陳情第二百五十六号は山林経営は長期に亘つて経費を要し、利益率は極めて低いにもかかわらず、高額の租税を課せられるため、これが納税の必要上濫伐投売をせざるを得ない実情であつて、これがため伐採跡地の造林は殆んど不可能でありまして、由々しき事態を招来する虞れがあるから、山林関係の課税を実情に合うよう適正化を図られたいとの趣旨であり、請願第千三百七十号は種苗業は一般生産業及び商業に比べまして、(一)生産が不安定であることと、(二)品質の維持改良経費が増高すること、(三)在庫品の評価に期待が持てないこと、(四)資金回転率が低いこと等の特殊事情にあるから、所得税等の課税価額の算定には十分実情を考慮されたいとの趣旨であり、請願第千六十三号は国民金融公庫は中小企業者、特に零細企業者の唯一の金融機関であつて、これが借入希望者は相当大であるにもかかわらず、貸付が極めて少ししかできない現状であるから、同公庫の資金量の拡充、機構の整備等国民金融公庫法の一部を改正せられたいとの趣旨であり、請願第九百四十二号、第九百六十六号、第九百八十八号、第九百九十八号、第九百九十九号、第千三十四号、第千三十六号、第千三十七号、第千六十二号、第千百九十一号、第千二百二十四号、第千二百九十三号、第千三百二十八号、第千四百十号はいずれもたばこ専売事業の民営移管に反対するとの趣旨であり、請願第千百九十号はたばこ小売人の手数料は売上高の六分に定められ、他の商品に比して極めて低く、営業に対する熱意を失うに至る慮れがあるので、これを一割程度に引上げられたいとの趣旨であり、以上の各件はいずれも政府において十分研究の上その実現に努力すべきであると認めて採択いたしました。
次に請願第千二十二号はとうもろこし及びこうりよう等の飼料はその多くを輸入に仰いでいるが、国内における飼料の市価の高騰を抑え、畜産経営を保護するため、これらに対する関税を免除せらたいとの趣旨であり、請願第千二百二十五号は輸入原油は石油総需要の九〇%を占めており、これに一〇%の関税を課することは、原油精製業者の採算を悪化せしむるのみならず、一般需要者たる各産業に犠牲を強いることとなるから、原油に対する関税は無税とせられたいとの趣旨であり、請願第千三百七十一号は石油コークスは強粘結炭の代用として製鉄に十分使用できるものであるから、製鉄諸原料はすべて無税とされている関係上、石油コークスに対しても無税とされたいとの趣旨であり、陳情第百九十六号は大豆粕は現在国民食生活に関連する重要消費に充当されているが、畜産業にとつては経済的な蛋白飼料として欠くことのできないものであるから、これに対する関税は無税とせられたいとの趣旨であり、陳情第二百八十九号は沖繩、大島の諸島は、実質的に日本経済の一環であり、現地側では関税を設けていないのであるから、これら諸島の生産品に対しては当局においても関税を課せないようにせられたいとの趣旨であり、請願第千三百五十三号は船舶の建造又は修繕に使用する特殊工作用機械又は塗装用機械で新規発明のもの及び国内において製作困難なものについては輸入税を免除できるよう関税定率法を改正せられたいとの趣旨であり、以上はいずれも本日本院において可決せられました関税定率法の一部を改正する法律案に願意は取入れられておりまして、適当なものと認めまするので採択いたしました。
なお請願千二十三号は養鶏業の復興と発展のために、とうもろこし、こうりよう等の養鶏飼料及び種卵に関税を課することに反対するとの趣旨でありますが、種卵に対して関税を免除することは不適当であるが、とうもろこし、こうりようを無税とすることは、請願第千二十二号と同じく適当と認められますので、願意の一部を採択することといたしました。請願第千二百九十四号、第千三百七十二号は原油を勧めとする石油関係品に関税を課することは、国民文化生活に重大な影響を與える、又漁業経営に大打撃を與える等の見地から、石油関係品に対する関税は無税とせられたいとの趣旨でありますが、只今申上げました関税定率法の一部を改正する法律案において原油、重油及び粗油は無税とし、その他はそれぞれ一〇%引下げることとなつておりますが、全面的に無税とすることは考慮を要すると思われますので、願意の一部を採択することといたしました。
請願第二百四十四号、第七百九十四号は関税法第九十九條の開港失格に関して、現下の貿易情勢では実情に即応しない規定であるからこの條項を全面的に撤廃せられたい、又嚴原港は対韓貿易港として最も有利な地点にあるが、朝鮮動乱発生以来貿易船の出入が杜絶し、開港としての資格を失う運命にあるが、動乱平定後の対韓貿易を考慮して、同港の開港維持のため特別な措置を講ぜられたいとの趣旨でありますが、いずれも同條項に但書を附す等の方法によつて、かかる現下の特殊事情を認めることが適当と思われますので採択いたしました。
陳情第二百七十三号は薬業者の最近の取引状況からして、取引金額記載高千円以上の受領証に限り印紙を貼付するよう印紙税法を改正し、単なる物品受取書は無税とし、業務上必要な受領証は印紙の貼付を要する営業用の受領証に入らないから非課税とされたいとの趣旨でありますが、来たる四月一日から実施される改正印紙税法によつて願意は達せられますので採択いたました。
右御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/2
-
003・木内四郎
○理事(木内四郎君) 只今の請願及び陳情に関する小委員長報告について御質問その他御発言ありますか。……別に御発言もなければ小委員長の報告に御異議ないものと認めて差支えありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/3
-
004・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認め三十三件の請願及び陳情を議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/4
-
005・木内四郎
○理事(木内四郎君) 次は公庫の予算及び決算に関する法律案、衆議院修正送付を議題といたします。政府委員佐藤君より説明を求めます。先ず衆議院で修正された点だけを説明して頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/5
-
006・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) お手許に衆議院の修正案が出ておると思いますが、実はこの修正は本法附則の修正でございます。今回この法律を提案いたしました理由は、従来国民金融公庫と住宅金融公庫につきましては、御承知のように公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律というものがございまして、それによりまして予算の編成提出、決算の手続等を規定して参つておつたのでございますが、公庫の予算の特色に鑑みまして、二十六年度の予算編成におきましては従来と異なりまして、資金の運用収支の面は予算の拘束を受けしめないほうがいろいろと便利であるというのでそれを予算から外したわけでございます。その関係上従来の法律にそのまま置いておくことが適当でなくなりましたので、この両公庫の会計につきましてだけ特別の手続法律を作つたわけでございます。なおこの法律を作ります際にこの法律の実体法をなしておりますところの国民金融公庫法、住宅金融公庫法につきまして技術的な、手続的な点でございますが、併せてついでに改正をしたいという点が数点ございまして、それで附則を加えたわけでございます。ところが住宅金融公庫につきましては、別に議員提案によりまして相当の改正が当初衆議院で計画されまして、その結果といたしまして、この附則の中から住宅公庫の改正分だけをそちらに譲るということにいたしましたために外して置いたのでございます。ところがその議員提案の住宅公庫法の大改正が提案の見込が立たなくなりました。それでどうしても技術的な面だけは国民金融公庫と同様に、住宅金融公庫につきましてもやはり改正の必要がございますので、本来でございましたならば政府が改めて修正いたすところでございますが、期日の関係等もございまして衆議院において修正をお願いしたわけでございます。従いましてその改正はすべて技術的なものでございまして、この附則をお読み願いますとわかりますように、ちよつと申上げましたように、従来の公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律をこの法律に読み替える條文の整理並びに従来国庫納付金につきましては、五月三十一日までに納付しなければならないというような期限が明らかでございませんので、それを加えましたというような二、三の技術的な改正を入れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/6
-
007・木内四郎
○理事(木内四郎君) 別に御発言がなければ質疑は終了したものと認め、討論に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/7
-
008・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。それでは公庫の予算及び決算に関する法律案について討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。……別に御発言がなければ討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/8
-
009・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて採決をいたします。
公庫の予算及び決算に関する法律案を衆議院修正送付の通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/9
-
010・木内四郎
○理事(木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて公庫の予算及び決算に関する法律案は衆議院の修正送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の報告並びに議院に提出する報告書については、法令によつて取扱うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/10
-
011・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。なお多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
高橋龍太郎 森 八三一
小林 政夫 松永 義雄
杉山 昌作 小宮山常吉
清澤 俊英 大矢半次郎
油井賢太郎 岡崎 真一
山本 末治 愛知 揆一
黒田 英雄 佐多 忠隆
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/11
-
012・木内四郎
○理事(木内四郎君) 次に農林漁業資金融通特別会計法案を議題といたします。御質疑のあるかたは御発言を願います。……別に御発言がなければすでに質疑は終了したものと認め、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/12
-
013・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。……別に御発言がなければすでに討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/13
-
014・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
それでは農林漁業資金融通特別会計法案の採決をいたします。原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/14
-
015・木内四郎
○理事(木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて農林漁業資金融通特別会計法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の報告並びに議院に提出する報告書については法令によつて取扱うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/15
-
016・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。なお多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
高橋龍太郎 森 八三一
小林 政夫 松永 義雄
杉山 昌作 小宮山常吉
清澤 俊英 大矢半次郎
油井賢太郎 岡崎 真一
山本 米治 愛知 揆一
黒田 英雄 佐多 忠隆発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/16
-
017・油井賢太郎
○油井賢太郎君 政府当局が来ていませんから、暫時休憩を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/17
-
018・木内四郎
○理事(木内四郎君) 油井委員の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/18
-
019・木内四郎
○理事(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて暫時休憩いたします。
午後二時三十九分休憩
—————・—————
午後二時五十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/19
-
020・小串清一
○委員長(小串清一君) それではこれより開会いたします。
都合によりまして本日はこの程度で散会をいたします。
午後二時五十一分散会
出席者は左の通り。
委員長 小串 清一君
理事
大矢半次郎君
清澤 俊英君
杉山 昌作君
木内 四郎君
委員
愛知 揆一君
岡崎 真一君
黒田 英雄君
山本 米治君
佐多 忠隆君
松永 義雄君
小宮山常吉君
小林 政夫君
高橋龍太郎君
油井賢太郎君
森 八三一君
政府委員
大蔵省主計局法
規課長 佐藤 一郎君
農林大臣官房農
林金融課長 富谷 彰介君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X03119510330/20
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。