1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月八日(木曜日)
午後一時五十二分開会
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本日の会議に付した事件
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○小委員会設置の件
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001・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
本日は地方税法の一部を改正する法律案の予備審査を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/1
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002・西郷吉之助
○西郷吉之助君 委員長、それに先立つて意見があるのですが、本委員会においても地方税法の改正案の審議を開始しつつあり、予算においてもこの審議が進んでお偽のですが、地方財政委員会から平衡交付金その他について勧告が国会に出ておりますので、本委員会といたしましてはその勧告をどういうふうに取扱つて行くか、それを勧告を尊重しまして又本会議に決議案を出すという手もあると思いますが、少くとも本委員会としては予算委員会に対し、適当な時期において委員長より地方財政のほうの意見を強力に開陳して頂きたいと思います。そういう点を皆さんにお諮りして、どういう方法をとるか考えて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/2
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003・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 西郷君に伺いますが、勧告でなくて意見書じやありませんか。平衡交付金に関する……、予算に関することならば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/3
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004・西郷吉之助
○西郷吉之助君 勧告すると書いてあるが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/4
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005・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これは地方財政委員会からの一月十一日の意見書だと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/5
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006・西郷吉之助
○西郷吉之助君 最初のやつは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/6
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007・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 二十六年度地方財政平衡交付金の問題……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/7
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008・西郷吉之助
○西郷吉之助君 二十五年十一月三十四日ですね、これが一番最初だつたと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/8
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009・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 意見書ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/9
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010・西郷吉之助
○西郷吉之助君 いや、最後に勧告すると書いてありますね。地方財政平衡交付金法第何條の規定により勧告する……、一番最後に書いてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/10
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011・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これはそうですね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/11
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012・西郷吉之助
○西郷吉之助君 それで次にですね、一月のあれでその金額を修正したのですね。ですからその二色になりますが、一番最初のは十一月の勧告ですね。それで一月に入つてその金額を修正したのです、財政委員会が。ですからそれを一つどういうふうに守るかを研究して欲しい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/12
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013・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 本件につきましては一度地方財政委員会の説明は聴取したのでございます。そこで只今西郷委員から御意見が出ましたが、この地方財政平衡交付金法第六條第三項の規定による勧告をどう取扱うか、本委員会としてどういうふうに取扱うかということを皆さんにお諮り願いたいという動議が出ております。これに対する御意見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/13
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014・小笠原二三男
○小笠原二三男君 前回の臨時国会におきまして地方財政委員会からの意見書があり、政府予算案と大きな食い違いがあつた場合にも、この問題を取上げてああいう本会議の決議とし、予算委員会の考慮を積極的に促したのですが、私はその後この意見書の取扱いについて参議院自体がどういうあり方であればいいのか、根本的には国会法なり参議院規則等において考慮すべき点があろうという意見を持つておつたのですが、それもない今日においてはやはり実際上の問題として、この委員会が是を是とし、非を非として結論を出して決議したというこの行為は重大な問題であつたろうと思うのであります。従つてとういう問題が今日において、或いは将来において次々と起つて来ます場合には、一つの慣例と言つては如何でありますが、結局地方財政を確立する趣旨に鑑みて、これが完遂せられるまでは当委員会としては地方財政委員会の意見書を徹底的に検討の上、結論が出ますならば、本院の決議とし従来のごとく予算委員会の積極的な考慮を促すという方向に行くべきであろうと思うのであります。それを或る時期においてはそれを取上げ、或いは取上げたものが二十六年度全体の地方財政を考え、一般予算案の提案せられておるときに何らこれを取上げず、顧みなかつたということでは、我々委員の職責を果す点においても如何かと思うので、西郷委員の意見に全幅的に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/14
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015・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 私から申上げますが、実は委員長におきまして従来地方財政委員会、地方行政調査委員会議、その他から勧告とか意見書が出ましたときに、国会又は参議院として如何に取扱うか、その点は衆議院にも関係する問題であるから両院協議会、両院法規委員会におきまして速かにこの扱い方の方針について結論を出してもらつて、院議に付してもらいたいというふうに申入れがしてあるのであります。ところが未だにそれがないのでありますが、只今西郷君並びに小笠原君からの御意見の御開陳御尤もだと思います。それでほかに皆さんから御意見を出して頂きまして、この前はたしか小委員会を作りまして検討願つたのですが、今回もそういうようなことにしたらどうかと思うのですが、御意見をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/15
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016・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の問題は二種類あるかと思うのですが、この財政委員会の勧告案の取上げ方が一つ、それからそれと勿論関連して来るわけですが、予算委員会に対しまして、本委員会の決定した事項に基いて、委員長が予算委員会に修正なり、強い意見を開陳して頂く、その二つあると思いますが、それを一つにまとめて取扱つてもいいと思います。そういう点があると思うのです。それを一つ御考慮して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/16
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017・石村幸作
○石村幸作君 それに関連してですね、本委員会で決議をし、あの例の緊急措置を講ずべきであるという決議案が通過しましたですね、あれも通過しつ放しで、委員会としてはあの決議案の結果がどうなつたか、あの決議案によつてこの委員会の目的がどんなふうに達せられておるか、これもあのままになつておるのです。ああいうものは一体どういうふうに我々委員会は見たらいいか、もう決議案が本会議で通過した、もうそれだけで我々の任務は達しておるか、ここのところをもう一度御研究を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/17
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018・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今石村委員から御意見がありましたが、あの際は御承知の通りに意見書を突つけて、政府を代表して官房長官が意見を本委員会に対して述べられたのですが、その際に、大蔵大臣の代理として政務次官も見えたが、その事実を全然政務次官は知つておられなかつた。官房長官は自分が大蔵大臣に連絡したと言われたけれども、その代理で来た政務次官は、そういう決議があつたことを全然知らなかつた。御承知のごとくそういうような状況であり、あとで大蔵大臣に聞きましたけれども、大蔵大臣もよくそういう内容を知つておられなかつた。極めてこの前のときは、政府は官房長官の言と相反しまして、誠に粗雑に取扱つてあるのであります。ですから今回は二十六年度の本予算の審議でもありますので、そういう点を政府にも何らかの方法でもつとはつきりそれに対する取上げ方を要望すると同時に、強硬にこちらも主張しなければいかんと、こういう感じを持つのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/18
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019・石村幸作
○石村幸作君 今西郷委員のおつしやる大蔵省当局の態度ですね、今のお言葉の中に、あの西郷委員のおつしやつたことは決議案、この委員会だけの決議案のときはともあれ、その後最も強力なと言いますか、本会議で参議院の全会一致ですか、過半数ですか、まあ殆んど全員一致の決議案が通過した。それに対して私はそういう場合にただ決議案が出つ放し、通過しつ放しというのが、どうも何だかこれを取扱つた本委員会の我々としてですね、あのままでは気が済まない、良心的にも気が済まない、こういうふうに思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/19
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020・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) この前の決議案は、補正予算に対して、その補正予算として平衡交付金の増額が八十八億の地方財政委員会の要望意見に対しまして、三十五億しか計上されなかつた。それで、それでは足らないから、なお速かにその補正予算としての増額をするなり、又は再度の補正を出すなり、又は起債の枠の拡張をするなり、そうした措置をすべきことを決議したのであります。多少起債の枠も殖えたには殖えたのですが、それも思つたほどには殖えません。それで皆さん御承知のように、本委員会としてもその政府の取扱いに対しまして、再度の決議をいたしますなり、もつとほかにいい方法を皆様がた又御検討下さいまして、そうした要望をするなり、そういう措置をすべきであろうと私も考えるのでありますが、この二十六年の一月十一日の地方財政委員会の書類、その前の十一月二十四日の勧告、こういうものを一応は検討しておりますが、なお一つ検討を、小委員会を作つていたしまして、そうしてその運び方を練つて頂いたら如何でございましよう。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/20
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021・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ちよつと伺いたいのですが、小委員会というのは、この前作つた小委員会のごとく、どういう要望事項を決定しようかとか、或いはこの手続はどういうふうにしよう、文案はどうしようというような小委員会であるのか、又そういうところに行く前に、この地方財政委員会の意見書の妥当であるなしについての検討を加え、結論を出す委員会であるのか、或いはそのことに基いて手続上のことまで研究し、結論を出す小委員会であるのか、この点を明らかにしなければ事実私たちとしては一応の地方財政委員会の説明は聞いておりますけれども、これを是なりとする結論を出すまでには至つておらないのです。従つてその点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/21
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022・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) この勧告の妥当、不妥当を御検討をして頂いて、そうしてどういう取扱いにするか、そこまで御研究下さる委員会に願いたいと思うのですが、如何でしようか、この前も地方財政の緊急対策に関する小委員会ということにいたしまして、その取扱いまで大体御検討願つたと了承しております。そうして確か案文まで起草をしたと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/22
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023・鈴木直人
○鈴木直人君 この前は二十五年度の平衡交付金の額について、地方財政委員会の勧告と違つておるような点からして、主として二十五年度の予算について、追加予算を審議する過程において、先ほど委員長の言われた通り、それでは不足であるから、一応認めるけれども、これじや不足であるから、まあ三月までの間適当の追加、三月までの間ということははつきりしておりませんけれども、今年度内において速かに再提出するというようなことをやれというのが主たる要点であつたと思うのですが、今度の分は二十六年度の予算に計上を必要とするという内容を持つた地方財政委員会の勧告案であります。それに対して政府においては現在すでに衆議院は通過しておりますが、参議院は審議中の案であるわけであります。その現在参議院において審議中の二十六年度の予算に、この勧告案の内容を検討した上において、強く、それを追加するなり、そういう方面に働きかけるというような意味の小委員会であるということになるならば、これはまあ一応目的ははつきりすると思います。従つて先ほどお話のありましたこの前のああいう決議を含めて、参議院が決議された場合に、政府がどういうふうに取扱うかというような、いわゆる手続上の問題もありまするけれども、そうでなくして、この小委員会を開くとするならば、勿論この前の決議もその内容に入れてもいいでしようけれども、要するに補正予算を出してもらうということを入れるように、そうしてこちらは地方財政委員会の勧告の内容を予算案にどういうふうに具現するかというようなことを研究する何か一つのはつきりした目標を持つた小委員会を作られたほうが、具体的であつていいんじやないかと、こういうふうに考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/23
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024・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/24
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025・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/25
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026・木村清司
○政府委員(木村清司君) 大体府県分については、特別内定だけは一応いたしましたのでありますが、市町村分がまだ内定しておりませんので、今週中には、土曜日までには大体決定いたしたいと思います。その決定次第、お手許までに二十五年度の本決定及び特別平衡交付金の分配等、すべて資料として差上げることができる段階になつたと、こう考えております。先ほどお申しになつたように、実は明年度分だけ出しておつて、これだけ不足だということを申したことも、御指摘の通り今年度の財政措置は実は一応棚上げにしておる恰好でありますから、我々が主張したようなことができなかつたというようなことは、結局しわ寄せになる、来年度にしわ寄せになるということが、明年度だけについて我々足らんと言つたことだけでなしに、今年度がしわ寄せになるということが、これが明年度において一層苦しいということになるということは、御承知の通りであつて、平衡交付金において額は足らないのです、起債の要求額も非常に不足しておる。かれこれ合せたことと、それから明年度に起債の総額も足らん、平衡交付金も足らんということと併せ、それが明年度においてはしわ寄せになるという意味において、明年度は非常に苦しいものであろうと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/26
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027・小笠原二三男
○小笠原二三男君 では先ほど私が申上げましたように、二十五年度の地方財政に関して、平衡交付金を中心として十分検討でき得るような資料の提示を願えることを前提にしまして、只今のような小委員会を以て十分な結論を出すことに努力をするということに賛成であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/27
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028・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御意見ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/28
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029・中田吉雄
○中田吉雄君 只今小笠原氏の申しました意見に賛成なんですが、我々昭和二十六年度の予算をやはり審議しますためには、この画期的な地方税の改革をやつたことが、どのように地方でこなされておるかということを先ず詳細に知つて見たいと思うのです。そこで先般も出されたのですが、今日出された資料だけではとてもこれは再三やかましく言うのですが、これではとても各県別の、例えば政府が予定されたような額がどの程度、例えば昭和二十五年の十二月末くらいまでにはどの程度徴税ができているか、或いはシヤウプ勧告に基くこの税制の改革が地方自治の発展に本当にいい工合に行つているかというような問題を、私どもがつかみますには、この程度の資料では去年のとにかく六月ですか、七月にもらつた程度の資料をもらわんと、これでは殆んどやれないのです。これは我々としてはシヤウプ氏が第二次の勧告で申しておりますように、実際昭和二十六年度は地方財政にとつては問題の年だと思うのです。そしてその途上に横たわる問題を解決しなくては、実際地方自治の発達ということは言うべくして期待できない。そして私の見ます限りでは今度出されました一部改正案というものは非常に部分的な改正で、十分地方の自治体の実態に即しない点が非常に多いと思うわけであります。勿論少し期間を持つてその結果を見なくては、長期的な観察でないとわからんと思うのですが、シヤウプ氏の勧告なんかも殆んど今度余り取入れられておりませんし、いろいろそういう点も論議したいと思いますので、一つ昨年七月もらいましたようなこの資料を参考にして、一つ改革後の各府県別、或いは地方からまとまりました各市町村のそういうものがあるはずだと思うのです。十二月末くらい、少くともそういうものの集計なしに、この改正法案は出ないと思うのです、一部改正は……。一つお願いしたいのですが、委員長からどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/29
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030・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これは西郷君から御要求が出まして各府県別の徴税実績、現在までの……、それを出してもらいたいということで要求してあるのですが、私ども頂いているのは二十六年度の税收入予定の内訳に過ぎないのであつて、実績を出してもらいたいという要望をしてあるのです。それが出ないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/30
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031・木村清司
○政府委員(木村清司君) 府県分だけにつきましては、実は全部の府県は集まつておりませんけれども、府県分だけについては一応統計があるのですが、約四五%しか取つていない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/31
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032・中田吉雄
○中田吉雄君 各府県別の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/32
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033・木村清司
○政府委員(木村清司君) 各府県別のものは、数府県は参つておりませんけれども、参つておりますのは、お手許に資料を出したつもりなんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/33
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034・中田吉雄
○中田吉雄君 それから平衡交付金の、二十六年の三月五日の日付の資料を頂いたのですけれども、これのもう少し詳しい裏付けの印刷物を見たいのですが、例えば基準財政需要が人口と、府県別当り幾らになるのであるかというような、人口と行政費との相関関係なんか出ますと非常に参考になるのですが、一つ今度、問題を殊更紛糾させようとは思いませんから、是非一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/34
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035・木村清司
○政府委員(木村清司君) 承知いたしました。でき得る限り作つてお手許に参考として差上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/35
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036・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そういう関連しておるものを、積極的に地財委のほうで出してやつて頂けるかどうかということを私前提としてさつきから再三申上げておるわけです。特に私たちも地方の出張現場で見て来ているものもあるので、そういうような府県についてはその府県独自の資料を地財委で持つておるものを出して頂いて、何もプリントにして全部に見せなくてもいいのですから、そういうものを出して頂いて、こういう実況だという裏付けをお互いに見せ合つて頂いて、そして確信を持ちたいというのが我々の願いであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/36
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037・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと地方財政委員会のかたに申上げますが、只今、中田君、小笠原君から御要求が出ましたのは地方税法案を審議いたしましたときに、地方財政委員会側からいろいろ重要な資料が出ております。このたびはその資料が出てないのでありますから、中田君から積極的な御要求のあつた資料のみならず、この前出して頂いたのと同様な資料をあなたのほうから積極的に出してもらいたい、こういうわけです。なるべく速かにお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/37
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038・中田吉雄
○中田吉雄君 小野次官にお尋ねいたしますが、今度一部改正の法案が出たのですが、九月二十一日でしたか、シヤウプ氏の第二次勧告ですね、第一の勧告に基いてやつた地方税法の改正がいろいろな摩擦や、抵抗を示しておるので、それらを除いて地方自治の実態に印するようにするためには、こういうような改革が考えられるということのサゼツシヨンが與えられているのですが、それから非常に隔つているように思うわけなんですが、講和も近いと称せられているし、いろいろ問題もあると思うから、挙げてその後に委ねるというような御見解からこの程度になつたのですが、その間のいろいろないきさつを一つお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/38
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039・小野哲
○政府委員(小野哲君) それでは私から地方税法の一部改正法案を提案いたしました考え方を申上げておきたいと思います。只今中田さんからお話がありましたように、地方税法を全面的に改正いたしまして、これを実施した後の実情等を考え合せて政府としてもああもしたい、こうもしたいというふうな実は考えも出ておつたのであります。御承知のように府県の財政の運営の実情から言いますと、非常に困難を感じておるような向きも出て参つておりまするし、府県と市町村との間における税の配分の問題等も具体的に実施いたしますと、又検討いたさなければならんような問題も生じて参つておるようにも見受けるわけであります。併しながらこれらの問題を取上げて地方税法を全面的に再検討して行くということについては、これは繰返しお聞きのことかと思うのでありますが、新地方税法の実施が遅れまして、二十五年度における税法実施の状況等も的確に把握するという時期にもまだなつておりませんし、各部分につきましては、いろいろな問題が起つてはおりますが、全体として地方財政の運営に及ぼした影響というものを的確に把握するという段階にもまだ来ておらない。従いまして正確な資料によりまして現行の地方税法の全面的な再検討を加えて、根本的に更に改正をするということにつきましては相当慎重な態度で望まなければなるまい。こういう考え方からいろいろ研究はいたしまして見たけれども、この際は現行地方税法の実施に伴いまして出直しをすべきような問題を出直しをして行く、又第二次シヤウプ勧告が出まして、その中でこの際に取入れて行けると思うようなものを織り込んで行く、たまたま地方行政調査委員会議の行政事務の再配分の勧告も出ておりまして、将来これも実施いたして行かなければならないようなことが出て参つておりますので、これらかれこれ考え合せますと、只今申しましたようにこの際の税法の改正は主として技術的な部門に重点を置いて出直しをすべきものは出直しをする、こういうふうな考え方から一部改正法律案の起案をするに至つたような次第であります。従いまして政府においても、これらの諸般の問題が未解決なものもあるわけでありますので、これらを見合いまして、地方財政、地方税制を通じまして、相当再検討を加えて見たいという心組で研究をいたしたいと、かように考えておるような次第でありまして、大略の考え方を申上げますと以上のような工合であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/39
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040・中田吉雄
○中田吉雄君 これは大体そういたしますと、政府のほうから改正案を立てられて総司令部のOKが来たというのですか。いろいろ総司令部のほうのサゼツシヨンでやつたというのではないのですか。それから入場税の一取扱いを、いろいろ非常に入場税を映画製作の面から言つても検討して欲しいような意見もあるが、ああいう問題はこのたびは全然総司令部に相談されなかつたかどうか、その辺の関係を一つお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/40
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041・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今申しましたような地方税の各税目につきましても、この税目についてはこんなふうにして見たらどうか、或いはやめて見たらどうかというふうな点も実は研究して見たのであります。併し何しろ二十六年度の予定税收額を二千八十七億というふうなところに抑えますことと、地方公共団体の財政の現状から考えまして、個々の税目についていろいろと手をつけるということはこめ際適当ではないではないか。むしろ一応二十五年度の結果に徴し、又行政事務の再配分を勘案いたしまして財源の問題もこれを取上げて行くことが適当ではないか、かような考え方から只今中田さんが指摘されましたような問題につきましては、余りにデスカツシヨンを拡張いたしませんで、只今提案されておりまするような程度にとどめた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/41
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042・中田吉雄
○中田吉雄君 入場税が、何か一時大体半額ぐらいになるのではないかというような噂が随分出たんですが、そういうことはなかつたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/42
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043・小野哲
○政府委員(小野哲君) 入場税の問題は、いろいろと実は興業者若しくはその団体方面からも軽減をしてくれろという請願なり陳情なりが非常に多いのでありまして、事実世界的な水準から考えますと高いということは、我々も一応同感に思うのであります。併し何分府県の税源としては主なものの一つになつております関係上、なかなか手が入れにくいような実情にもありますので、非常に強い要望なり陳情があることは重々承知はしておりまするが、段階的にこれを引下げて行くような方向には参つておりますので、なお将来の問題としては十分に研究をして御要望に副うようにはいたしたい。かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/43
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044・小笠原二三男
○小笠原二三男君 だんだん話が発展して、先ほどの話の行末がきちつとならなかつた憾みがあるのでありますが、この際議事を整理せられて、委員長において小委員会に関する件に関して結論を出して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/44
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045・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 実は今調べにやつておるのです。この前の小委員会はどうであつたか調べにやつております。大体わかつておりますが、正確に調べてそのうちお諮りしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/45
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046・鈴木直人
○鈴木直人君 私は先ほど新地方税法が実施された後において、現在府県が財政的にどんなふうになつているか、新地方税法による收入がどんなふうになつているかということを、当委員会の調査班に非公式ながら加わりまして、福島に行つて県庁のほうを見た結果によりますと、これは極めて概括的なものでありますが、第一は、新らしい地方税法によつて課税をしてどれだけの收入を得るというような計画は、一応県として立てておりまするけれども、まだ地方税の進行途中でありまして、新らしい徴税機構が立てられまして、そうしてそれによつて始めた関係からして、第一線においては非常に苦労をしておる。そして現在進行過程にある。従つて県庁にはつきりした資料を出せということを求めても出し得ないという実情にあるわけです。県会もたびたび開かれまして、我々が参りましたその翌日ですか、二月二日ですかにも最後の県会が開かれたというようなわけでありましたが、結局私の考えとしては、これは本年五月、六月、七月にならんというと、新らしい地方税によつてどういう結論が出たかという詳しいところの決定的な調査というものは不可能だ。こういう感じを実はして来たわけであります。従いまして、そういう経過にある府県庁ですらそうであるから、市町村においてはまだまだその通りになつていないのではないかと思います。その過程において的確な資料を地方財政委員会が全国に亘つたものを調査して、それをまとめるということは非常に困難であろうと思う。そういう考え方を持つて来たのです。勿論小委員会なり委員会に報告すべき程度のものはそれはできましようが、併しその資料といえども、まだ五〇%以下しか徴税していない現段階の過程において、資料が完全でないからいけないというようなことは言い得ない。こういうふうに考えておる。それから第二は、この画期的の地方税法が少くとも一年かかつてやつて見てそしてその結果において後のことを考えるということはいいのでありますが、現在地方税を実施中に、又別の観点からの税率なり税法なり税目なりを改めるということになりますと、非常に第一線は混乱して、徴税するほうも、又納めるほうも非常に朝令暮改に悩まされるのではないかということを実は考えるのであります。現在我々の周囲にはいろいろ税についての経験なり、いろいろな角度からそれぞれ新らしい税法の改廃が陳情されておりますので、これをすぐ取上げていろいろ検討することはいいのでありますが、実施をするということになりますと、府県、市町村或いは徴税者或いは納税者等を非常に混乱させるので、こういう画期的の問題はよく腰を据えてやつて見て、そしてその実績を見るということが、将来根本的の対策を講ずる上において必要じやないかということを感じたのが第二点であります。第三点として感じましたのは、先ほど小笠原君からも話がありましたが、平衡交付金の府県、市町村に対する配分、これは地方財政委員会のほうでやつておりますから、その内容の資料というものは、これは極めて簡單に出ると思いますが、併しながら福島県から聞知したものによりますと最初割当いたしまして、府県、市町村においてこの程度は少くとももらえると思つていたところが、全体もらうところの一部である……、これは一般平衡交付金として考えておつたところが、電話か何かありまして、一割か二割削減するということが来たということで、非常に府県、市町村が混乱して来ております。地方財政委員会がどうしてそういうことになつたのか、総額がはつきりしないので、最初内示しておつたのに又一割か二割減らすということで、あわてているということを実は見たのでありますが、そういうようなことで恐らく地方財政委員会が平衡交付金を配分する上においても相当混乱しておるのではないかということが想像されるのでありますが、そういう非常に過渡期にある段階でありますので、小委員会が進行中において勿論必要な資料は取りましても、それが完全な資料でない限りにおいては結論が出せないということになりますと、恐らく資料というものはずつと遅れやせんかと考えておるのであります。結論を早く出すという必要があれば財政委員会から必要なものは、それはもらうというようなことにして、進行する必要があるだろうということを考えておるのであります。なお福島県庁で概括的に見ますというと、新らしく税法が施行されまして、税の総收入が一三%くらいしかないという説明を聞いたのです。従いまして県の財政の一三%程度の地方税、県税ではこれはもう何といいますか、殆んど財政確立という点については余り問題にならない、而も一方において一般平衡交付金においそは二二%程度である。それから国からの交付金、これは各省からいろいろ来ますけれども、それが三一%ということである。殆んど六〇何%、七〇%近くのものが一般平衡交付金の国費によつて補助を受けておるという情勢でありまして、平衡交付金の増額を要望するという根拠は成るほどここにあるということを実は感じたのであります。この程度の、一三%程度の税しか各府県でつかみ得ないということであれば、今後地方税の税目を幾ら変革しても、これは地方財政の確立には余り関係はない。むしろ国税をずつと少くして、そうして国税の三分の一なり二分の一なりを附加税にして取るとか、或いはそういうことであれば相当の税收入も確立できますけれども、現在のような地方税では実は余り地方の財源には力強いものにはならない、こういうことを感じて来ておるのであります。やはり国の交付金をどういうふうな形において出すか、或いは出させるのであるか、又一般平衡交付金はどういう程度まで分けてやるということが、当面のこれは財政上の重大問題であるということを、実は考えて来ておる一人でございますが、そういうような所感を申述べまして、今後小委員会においていろいろ検討される場合においても、そういうような意味における資料の提出や何かも、考えられる必要があるのではないかということを考えておるので、一言申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/46
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047・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 今法貴調査員を調べにやつておるのでありますが、まだ帰りて来ませんが、小委員会はこの前は私の記憶によりますと、名称は地方財政の緊急対策に関する小委員会といたしまして、小委員会は自由党、社会党、緑風会各二名ずつ、それから民主党一名、それから石川君、これだけであつたと思います。で今度の割振りも自由党、社会党、緑風会各二名、民主一、第一クラブ一ということでいいかどうか、その点皆さんの御意見をお聞きしたいと思います。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/47
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048・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうにおきめを願います。それでは名称は地方財政の緊急対策に関する小委員会、前通りにしてこれも御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/48
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049・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ではそういうふうにおきめ願います。
それでは各会派から小委員をお選び願いまして、委員長までお申出を願います。なお先ほど小笠原君から御注意のありましたように、この委員会は只今までに出ております地方財政委員会の意見書、並びに勧告書を御検討願いまして、そしてこの地方行政委員会としてはどういうふうに、これを取扱うか、その方法、要すれば決議をするということになりますと、その決議案の起草、そういうことまでお願いいたしたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/49
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050・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ではさように決定いたします。
なお、御質問をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/50
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051・鈴木直人
○鈴木直人君 先ほど私ちよつと申上げましたが、一般平衡交付金を、一応府県市町村に割当てた分に対して、又その割当額を一割なり、二割を減らすというような処置をとられたのはどういう理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/51
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052・木村清司
○政府委員(木村清司君) 平衡交付金の仮決定は、恐らくこの点についてはもう少し政治的な名前を付けて仮決定なんということは言わず、融通資金とでも言つておつたほうが、或いはよかつたのかも知れませんが、要するに一応八月現在で、大体今の仮決定の草案を作りました。その後配分標準需要が変更を来たしたことが変更の理由にもなつております。それから新らしい三十三年度の人口と、二十五年度の人口をとつたという点があります。若し同じ分け前であるとすれば、同じ人口であるならば……人口が殖えたところはそれだけふとる。又人口の、勿論人口に附随した計数等は、人口の異動に基くものですから、全然人口が殖えないところと、著しく殖えておるところでは財政需要の算定に変化が起るということが一つ、もう一つは住民税の基準財政收入の点においての算定の標準において、都市、地方において、四月一日現地の国税の所得税を基準にして最初はやつたのでありますが、これは四月現在によつて、更生決定分を減らしておるのであります。そうすると結局都市において更正決定があつて、農村には更正決定がないという関係があり、恐らくこの標準の経費の分け方についても、経費を合理的にするためには、例えば人口と面積の割合の行政費の取り方の場合におきましても、第一回の仮決定の時には、五分々々と見たのが、これをよく仔細に検討いたしました結果、人口は六割、面積四割と見ることが妥当であるというような研究の結果が起きました。そうしますと面積と人口の割合との比率の少い農村は損をするというような結果に相成りましたことが、今の仮決定と本決定との差額が生じた主な点、そういう点があるのじやないかと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/52
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053・鈴木直人
○鈴木直人君 地方財政委員会においては極めて事務的に地方財政平衡交付金の配付というものを取扱つて、そうして先に仮定して、仮に一千万円と決定しておいた、ところがあとで八百万円になつたとか、もう非常に事務的に取扱つておられるようでありまするけれども、先ほど私が申上げましたように、平衡交付金は府県市町村の財政收入の非常に多くの部分を占めているのです。而もそれを使う、いわゆる財政計画としましてはその仮決定に基いて市町村議会等を経まして、そうして支出の面もその程度のものがもらえるのだという前提の下にいろいろな計画が立てられるわけであります。ところが後になりまして、それは非常にこういう計算のために何百万円も減らされたとか……市町村から見ましては非常に大きい問題であつて、これは地方の府県市町村の財政計画に非常に混乱を来たすと思います。この点につきましては曾つて地方税法が参議院において否決されましたが、そうして不成立になりましたときに、平衡交付金を仮渡しをする、そうして繋ぎをするという場合にも申上げたのでありますが、あとそれを取返えすということは非常に何と言いますか、感情的と言いますか、これは非常にむずかしい問題ですからそういう方法をとらないほうがいいのじやないかということを申上げたのでありますが、併し或いは一つの便法としてやつたのだからこれは一応止むを得ないとしましても、今度の一般平衡交付金を交付するような場合に、而もそれが府県市町村の收入の大部分になつて、それによつて支出がすでにきまつたという後において、もう三月近くになつて、あれは何百万円減るのだということになりますと非常に地方財政が混乱してしまう。まあ簡単に言えば地方財政委員会が全国の府県市町村の財政を混乱に陷らしめているという現実なのであります。だからしてこういう場合には少くやることはいいわけです、だんだん減らして行くというとはいいわけですけれども、将来それが非常に動くというようなやり方は非常にまずいやり方だということを私は感じておるのであります。まあ何か或いは減つた、減らした、ところが私が来る前に電話が来て又殖えたというような電話が地方課長に来たとか言いまして、実にそういうようなことでは困るのだと思つておりますので、もう少し地方財政の根本をひつくり返さないような形においてこの平衡交付金の配付額の決定については、仮決定の際にも研究考慮をしておくことが必要であるということを私は感じて参りましたから、御注意を申上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/53
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054・木村清司
○政府委員(木村清司君) 誠に空白時代における仮交付の問題、或いはこの問題については多少事務的に物事を取扱つたのであります。とにかく一日も早く金を成るべく渡してやりたいという、又地方からももらう前は、とにかく一日も早いほうがいいのだというように要望されておつたので、結局無利子の金を国庫が持つておりますから、一日も早くやりたい、ところが結局これはやり方の名前の付け方がおかしい、むしろ融通金、財政委員会の融通金とでも或いはすればよかつたのじやないかというようなことを今からでも考える。名前の付け方が大体悪かつたのじやないかというようにも、私自身は考えているのであります。いささか政治的の考慮が足りなかつたのじやないか、とにかくも地方団体に対しては無利子の金を一日も早く渡したいというような大きな意味から念願したのでありますが、結果においては……、只今お話になりましたように市町村が非常に多いものですから、府県の場合は大体ここで計算ができるのでありますけれども、市町村の計算は府県へ帰つてもらわんというとできない、非常にたくさんの人手が要るような計算方法なもんですから、その関係上計算の過程においてそういうことがあつたことは、甚だ恐縮に存ずる次第でありますが、いずれにせよこれは返還金の問題にも関連いたすのでありまして、特別平衡交付金の割当についても或いはそういう点も或る程度考える必要が或いはあるのではないかということも考えておるのであります。もう一つはいずれにせよこれは府県については非常に平衡交付金に依存する率は多いのですけれども、市町村は府県に比しますれば遥かに平衡交付金に対する依存率が少いのであります。ただこれは非常に特異な例になりますが、仮交付を急いだ結果、計算上例えば平衡交付金の割当が特別に行過ぎているという団体があるのでありまして、こういうものは恐らく如何なる場合においても是正しなければならぬと思うのであります。但し政府といたしましては或いは今年度に、つまりそういう団体は明年度においても交付せられる団体でありましようから、明年度早々四月に第一回分の交付をいたしますから、そういうものとの相殺ということも考えられるのでありまして、そういうような団体の返還金があるといたしましても、苦痛にならぬようにはできる限りしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/54
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055・鈴木直人
○鈴木直人君 先般地方税制の実施が遅れましたために、繋ぎとして一時融通しました平衡交付金がありますが、それの返還総額、どの程度交付しておつたのに対してどの程度返還がされたか。従つてどの程度の金額がまだ残つているかということを御報告願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/55
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056・木村清司
○政府委員(木村清司君) 只今ちよつと手許に資料がございませんが、市町村分についてはおおよそのところはまだ本決定にしておりませんけれども、見込のところは資料は取つておりますが、大体三十億円程度じやないかと思つておりますが、これはちよつと今資料がありませんが、当初考えたときよりも、今度の改正では、都市の方面に第二回の交付がよくなつたのでありますから、交付団体の返還すべき額が減つて来ておるということには相成つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/56
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057・鈴木直人
○鈴木直人君 そこでこの一般平衡交付金の仮決定額が減らされたという話を聞いた場合に、ちよつとひらめいたのでありますが、いわゆる仮渡しをやつた二十億ですか、それがどうもうまく返還されない。それで金がなくなつて、そうしてそつちのほうを減らしたいということになつたのではないだろうかというふうに感じたのですが、先ほど木村政府委員のお話によると、全然そうじやなくて、算定の方法が間違つたのだというようなことでありますが、その算定の方法を違わしたのが、やはりそこに根幹があるのじやないかということを実は感じたのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/57
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058・木村清司
○政府委員(木村清司君) 私どもの今やつておること自体は、理論的に正しいと言います。ちやんと一定の統計でできた資料に基いてやつておると思つておるのでありまして、そういう政治的な考慮は、或いは特別平衡交付金について相当考慮せられたと思いますが、一般平衡交付金については、そういうことでなく、ただ一般に仮決定の際における非難は中以上の都市があれしたのです。問題はこういうことです。府県分につきましてはこういう結果になつておるのです。府県分については義務教育費関係のものを優遇したわけです、従つて例えばこういうことになるのです。教員俸給については一〇〇%近く見たわけです。従つてそれはどういうことかと申しますと、結局府県分についてはこれは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/58
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059・鈴木直人
○鈴木直人君 減らされてないね、町村分だけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/59
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060・木村清司
○政府委員(木村清司君) 町村分、逆に申しますと町村についてはそういう義務的経費が少ないのです。そうすると一般的経費の関係からいうと、この一般的に合理的に出した基準によらなければならん、府県分についてはそういう経費が殖えた関係上、総額を殖やしたのです。一般平衡交付金の総額を殖やしたのです。ところが今度の場合においては、総額を殖やすということは、相当理由があると思うのですが、今度は一般市町村分については、総額を殖やす財源がない。而して義務的経費が市町村と府県、貧弱府県と大府県との間に一応のバランスがとれるような義務的経費が少ない。こうなりますと、一般的経費は従来の比較的、合理的基準と申しますか、一般財政需要というものからとつて出した基準で見るというと、町村は金額的には比較的減つて来る。府県は本来あるべきところの姿の基準財政需要、相当あるべきものが仮決定の際には見てなかつたが、合理的なものが見られるようになつた。こういう結果に大体なるのではないかと、こう思われるのです。つまり府県の場合どういうことになるかというと、義務的経費が多い、従つてバランスが義務的において多くなつている。併し市町村については義務的経費は比較的少ないというところに問題があるのではないか。それから総額が殖えてない。総額が殖えれば、恐らく府県のような場合は何も問題がないというのは……総額が殖えたから両方の数字が寄つて来た、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/60
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061・鈴木直人
○鈴木直人君 そういうことで行くわけですか、なぜそういう方針を仮決定のときやらんで、そうして相当の交付金を仮決定して全国町村にやつておいて、そうしてあと本決定のときに、或いはこれだけお前のところが不足だというような、取上げと言いますか、そういうやり方をしたか、米の供出なんかにおきましても、先決定して、供出割当したものに対して減らすなりするのはまだいいですが、殖やされるということになると、非常に感情上面白くない、而も今の点についてはむしろその仮決定に基いて、議会の議決を経て支出の計画を立てているのです。これはもう町村議会においてそれだけの收入がある、平衡交付金は税收入と同じことであるということで計画を立てて、そうして今までやつて来た。ところが二月、三月になつて、或いは何十万円、何百万円減らすんだというふうにされたのでは、市町村が財政的に困るということがある。そういうやり方を、今の原則をなぜ仮決定のときなされなかつたか。そうしないということは恐らく入る金、この前の繋ぎの金が入つて来ない。それだからそうなつたのではないかというような感じを持つたということを申上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/61
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062・木村清司
○政府委員(木村清司君) それは結果においてそういうあれは、心理状態は全然ないということを否定するわけじやないのでございますが、根本は要するに昨年末の議会において、百億以上の補正予算が五十億……、結局節約も入れると八十四億ですか、それが五十億に減つておる。本来ならば恐らく九十億節約をしなければならない。それをそういうものを考慮せずに初め決定し、そうしてあとでそういうものが入らなくなつた。いわゆる歳入欠陷を生じたという結果が起きたのであつて、実はそういうことを予想しておれば、私どもは仮決定は全額の八割乃至七割に仮決定をしてよかつたのだという、今から考えれば仮決定自身をもつとずつと内輪に、全体の仮決定をせずに、仮決定を全体の六割乃至七割なりにとどめておけば問題はないことに相成つたのじやないかと思うんですが、その年度末において急に財政需要が殖えたことに対する必要な財源はないということにも、一つの大きな原因がある。これは恐らく五十億になつておりますれば、今までのところでは、仮決定のところでは大体仮決定で行つていて、そうして中以上の都市は殖えるということに相成るのじやないか、こういうように私は考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/62
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063・小笠原二三男
○小笠原二三男君 何か只今のお話を聞くと、或る地方で特異な現象が起つて、財源的に非常に困るという事態が生じたりすれば、全体的に操作する関係から、他の面がもらつたものがもらえない恰好になつて行くし、一部それで非常に迷惑を受けるという結果になるようなふうにまあ聞くわけですが、少なくとも当初予算できまつた平衡交付金配分そのものが著しく変更になるというまあ配分規則に基く單価の変更なり、或いは補正係数の変更なり等ありますから、結局論理的に一つの理由があつて、そういうことがあれば地方も納得するでしようけれども、総体の平衡交付金額の配分操作上やりくり算段して辻褄を合わせるというようなことだけ考えられるとなれば、これは地方公共団体としては確信のある予算を組むことはできないというふうに了解し、聞取つたりするわけなんです。従つてこの問題は鈴木委員が言うことは、非常に私たちとしては重要だと考えるのです。政府側に向つて平衡交付金を増額要求するにしても、この平衡交付金が適正に配分になつておるかどうかという問題がはつきりしないと、地方公共団体に対して相済まない結果になるだろうと思うのです。私たちとしてはいろいろの地方公共団体の不平、不満というものを取上げて、地財委自体が実際適正に限られた平衡交付金ではあるけれども、これを配分しておるかどうかということをば、基本的に見ると最も重要な問題になつて来る。従つてこの点は委員長にもお願いしておきたいのでありまするが、今後におきまして十分なる検討を加えて真相を把握し、再三配分規則の内容が変更になり、従つて金額が変更になつて来るということが適正であつたかどうかということについても、十分考究を加えるように、本日はこの点留保しておきますので、委員長においてそういう機会を十分御考慮願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/63
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064・西郷吉之助
○西郷吉之助君 本日配られた県税の收入成績、この表によりますと、我々の予想した通りに非常に悪いのです。各税目もこの間から御質問してはつきりしない点が……、こういうふうに成績が悪いものに、更に百七十八億総計において、増税ではないが増收を見込まれたということは、全く根拠がないのじやないかと思う、その表を見てもおわかりになると思いますが、どういうところにその増收の根拠があるか甚だ遺憾に思うのです、御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/64
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065・木村清司
○政府委員(木村清司君) 実はこれは地方税法の成立が非常に遅れたものですから、正直に申しますと、まあ半年遅れたということに相成るので、年度の最初の一年というものが本当は一年でないということに相成るので、普通の出納閉鎖で以て見込の……、平年度ならば当然取り得るという税がどの程度入り得るかどうかについては、これはまあ疑問のありますことは御指摘の通りだと思います。ただ従来の実績等から考えますというと、この年度末において相当税收入があるということは、地方税の性質上そういうふうに相成つておるのでありますが、殊に従来のいわゆる旧法による税收入というようなものも当初の計画には余り出ておらない、旧法による税收入というようなものも相当あるのでありますが、無論お示し申上げた資料通り必ず入るとはこれは確言いたしかねることは当然でありますけれども、出納閉鎖期までには、或る団体によつては多少出納閉鎖を延ばすということがあるかも知れませんが、出納閉鎖期までには相当入るのじやないか、こうまあ信じておるわけでありますが、これは従来の実績から申して、ただそうお示し申上げたもの通り一〇〇%となるというと、これについては相当疑問があることは申すまでもないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/65
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066・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の御説明ですが、地方税は性質上最終段階に至つて相当まとまつて入つて来ると言われるけれども、今日の経済界を御覧になると、予算委員会でも常にそういうことが問題になつておりますが、すでにいろいろの情勢の変化のために物価は非常に急カーブで上昇しつつある。従つて日用品等もその影響を受けて今日石鹸初めそういうふうなものでも二、三十円ずつ上つておる。俸給生活者は勿論のこと、非常に国民の懐工合は窮屈を感じておる。今のお話の通り徴税期間が短かかつたために、平年度なら取れたが期間が短かかつたために成績が悪いというお話でありますけれども、経済界は非常に物価の上昇しつつある今日、国民も決して楽でないのであつて、而も地方税においては我々はこういう結果になるであろうという想定の下にあの税率は過重ではないかというようなことを強く言つたのですが、政府案がとうとう通りましたが、案の定成績が悪いのであつて、これは期間が短かいということは全然原因ではないとは考えませんが、ただそれだけではなしに、この税率が妥当性を欠いておるというところに問題があるので、今日なお最終段階に至つてもこれが一〇〇%ということは以てのほかであつて、八〇%取れれば私は非常に上出来のほうだと思います。そういう際に更に加えて百七十八億の増收を地財委が考えておる。そうしてこの増收額についてはいつも非常に食い違う大蔵省のほうも一〇〇%これと同じ金額をはじいておる。そういうところに如何にこの百七十八億という数字が杜撰であるかと私は思う。大蔵省はいつも地財委といろいろな点において違つておる、極端に。ところがこういうふうな地財委の百七十八億は今御説明を伺つても根底が極めて薄弱である。前年度さえもまだ到底半分も行つていない。そういうのに、それにプラス百八千億というのは全く根底がないと思う。その根底心ない数字に大蔵省がやはり全く同意見できつちりやつておることは非常に私は変に思うのである。今御説明ではありましたけれども、こういう増收などというものは国税の場合においても随分いろいろそろばんのはじき方で、すぐ自然増とか何とか言つて足りないものをはじき出しておるが、これは非常に悪いと思う。それをまねてこの苦しい地方財政においても現段階における数字を出すとこういうふうに惡いのに、いずれもその成績の悪い税目を何十億か自然増收があるのだというような地財委の考え方は、非常に地方の財政の違つた根底に立つておられるのじやないかと思う。ところが最近も地方を廻つて見ますと非常に多いのです、大きな税目が……。ところがそれがみんな、地財委のほうの考えは二十六年度増收を考えている。大蔵省も同意している。その数字に大蔵省が同意を與えたというのは、大蔵省には何らの根底もないのに軍に大蔵省はそれに同意したに過ぎないと私は思う。それが実情だと思う。と言いますのは、木村さんも御承知の通り、この間大蔵省の主計局の説明によりますと、二十四年度決算見込の推計から始まつて二十六年度の計算を出しております。岡野さんに伺つたら岡野さんはそれを見ておられなかつたのですが、今日来られたら果して研究されたかどうかを追及しようと思つたのですが、予算委員会に行つておられますからそのあとにしますが、この推計表というものは全くでたらめな数字だと思う。大蔵省ともいうものが、こういうようなでたらめな数字で地方財政を考えているのは以てのほかで、こういう数字の根拠はこういうのであるということを地方の人たちが知つたときに偶然とすると思う。特に二十四年度を基礎としておりますが、二十四年度は地方財政にとつては最も不幸な年で、地方配付税は法律の規定に従つて行くべきものが半減した七百億以下、何十パーセントしか廻されなかつた非常に特色のあつた異例の年だつたと思う。それを根拠にして数字を出しておられるというのでは二十六年度の数字に合うつわけはないと思う。そういうものとかね合せまして、地財委のほうの増收の根拠というものも私はどうも誠に基礎の薄弱なことであつて、二十五年度の地方税の徴收に際しましても、随分地方を廻つて見ますと最後の馬力をかけておりまするが、国民の懐工合が悪いために非常な窮状を訴えている。そういう現状であるにもかかわらず、地財委が百七十八億の増税ではない、自然増收であるというようなことを言われることは私は非常に遺憾だと思う。そういう点、もう少し明確なる基礎に立つてこういう数字をお考えになるのはまだしも、今日物価が上つて非常に国民が困つているときに又二十六年度に増收を地方税において見込んでいるということは、国税の減税とも考え合せ誠に奇異の感を受けると思いますが、そういう点につきましてもう少し御見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/66
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067・木村清司
○政府委員(木村清司君) 誠にどうも御答弁申上げるのに苦しい次第でありますが、これは逆に申しますというと、財政需要というものが中央政府と違つて地方政府においては節減の余地が大体においてないということは御了承できると思う。従つてこれが年々増加して行くということもこれも又当然御了承願えることだと思います。然らばこれをどういう工合にして見るか、税によるか。平衡交付金によるか、或いは特定の補助金によるか。起債によるかということになるわけでありまして、結局税においてそれだけ見積る。平衡交付金や起債については先ほど申上げましたが、結局若し税の見積りをそれだけ少く見積れば当然それだけ平衡交付金の増加を要求しなければならんということに相成るので、私どもといたしましては現在の平衡交付金の我我の要求しておりますものですら実は通らない現状にあるのでありまして、それ以上若し税の見積りを少くいたしましても、これが平衡交付金を増すというたけのことに相成らんと思います。私どもこれはたびたび申上げるようでありますが、成るほど今年度においては、やはり半年くらいのことでありますから、出納閉鎖期までにこれだけのものが通ると取れるということを確言して申上げることは非常に困難でありますけれども、或いは多少出納閉鎖期とか河とかいうことによつて相当收入の確保ということも可能じやないかという気もいたします点から見込んだわけでありますが、明年度につきましては、それぞれ多少無意味な数字もそれは絶対ないとは思いませんけれども、例えば事業税の増加のようなものは、これは大蔵省の法人税の増加とパラレルの関係になるわけでありますから、これは当然取れると思います。或いば所得税の増加についても大蔵省に統計があるわけでありますから、それに今税源自体につきましては、多少見込のものもありますけれども、客観的標準として当然に国税が……。或いは国税の見積りなり、或いは過去の国税の見積りなりに非常に不都合があれば結構ですけれども、普通国税の見積りと関連いたしまして、その程度来年取れるのじやなかろうかというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/67
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068・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今事業税は大蔵省の国税のほうと考えて増收は見込めると言われるけれども、地財委がお出しになつた数字にみずから書いておられるように、これは来年の一月からは事業税に代つて附加価値税になりますが、附加価値税を平年度実施すれば今日の事業税よりも減收になるのですね、地方税のほうは……。平年度のほうは五百億というふうに数字が出ておるのであります。これは今度、二十七年度一月—三月は附加価値税で行くのですから事業税の場合よりちよつと減つて来る、こつちにお出しの数字では平年度は減つて来る、附加価値税総額より減つて来るわけですかね、その点はどうなんでしようか、二十二億数千万円減つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/68
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069・後藤博
○政府委員(後藤博君) 平年度の附加価値税の五百億は、これは二十七年という意味ではなくして、二十七年度以降の平年度と、こういう意味で繰越なんか全然見ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/69
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070・西郷吉之助
○西郷吉之助君 五億三千七百万円というのは一カ年間附加価値税をやつた場合なんでしよう。それですから減るでしよう、事業税の総額よりは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/70
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071・後藤博
○政府委員(後藤博君) このほかに滞納の調定未済の繰越でありますとか、その年度に取れなかつた事業税の分がこのあとに繰入るのだろうと思います。二十七年度以降の平年度だけを、附加価値税一九年分だけを取上げますと五百億に大体なるだろうという予想であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/71
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072・西郷吉之助
○西郷吉之助君 であるから本年度のときは減るのですが、二十六年度の場合は、二十六年十二月までは事業税だが、二十七年一月から附加価値税に代るわけですね、だから両方の税が合致して一本にならなければいかんので、であるから平年度五百億に減つておるのですから、今度の二十六年度の事業税というものは二十六年十二月までなんですから、あとは附加価値税で行くのだと思うのです。それだから多少減るわけでしよう。事業税で二十六年度全体からやるよりは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/72
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073・後藤博
○政府委員(後藤博君) 三月までの計算は大体事業税の計算で税は出して行くつもりでおります。事業税の計算でやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/73
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074・西郷吉之助
○西郷吉之助君 三月まで事業税で行くといつたつて地方税には二十七年度一月からは附加価値税に代るようになつておるのにどうして事業税で取るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/74
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075・後藤博
○政府委員(後藤博君) 事業年度が九月から三月までの分につきましては、全部附加価値を実施しないで、前の十二月までのものは事業税の税率で以て結局出て参りますからこの分はつまり抜けるわけであります。つまり九月から三月までの事業年度分につきましては大体賦課しますのが五、六月になります。その場合に税の計算としては十二月までの計算は大体事業税の税率で以て計算をしまして、そうしますと一月から三月までの分は附加価値の税率で計算をして、合せたもめを以て税として賦課するわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/75
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076・西郷吉之助
○西郷吉之助君 そうなるでしよう。ですから一月から附加価値税になる、この表に出ておるように附加価値税を平年度全期間やると、五百二十何億円か減つて来ておるわけですが、今先ほど木村委員の御答弁で、非常に苦しい御答弁なんですが、やはり非常にこういう増收でも本当に根拠がないものは如何に平衡交付金や何かが削減されても、これは実際の懐工合なんですから、我々は無理をして増收の数字を挙げるようなことは必要じやないのじやないか。却つてそういうようなことによつて大蔵省側からすれば、二十六年度こういうふうな増收を見込んでおられるならば非常に最後において辻褄が合わんことになるのじやないかと思うのです。殊に今年の後半期になりますと、予算の公聴会においても、皆公述人が心配しておるところは、インフレ政策をとるか、間接税の増税で行くか手がないのじやないかというのが、圧倒的だつたのです。そういうふうなことから見ますと、非常にこの百七十八億の増收を見込むという数字をお出しになると、二十六年度末におきまして非常に成績が悪いパーセンテージが出て来て、またまた大蔵省から突つ込まれて来るような非常に窮境に立つのじやないかということを恐れるのですが、そういう点についてはどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/76
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077・木村清司
○政府委員(木村清司君) これはどうも前に申上げたことを繰返すだけにしか過ぎんと思いますが、私どもの考え方であれば、できる限り国税よりもむしろ先に地方税を納めてもらいたいというふうに思つております。これはもう一つは、今年度においては、これは皆さん御承知のように、従来の税の組織は地方税がまあ、府県市町村で大体一本でやつておつた税組織というものが確立したところの、この新らしい税組織は今度の地方税によつて初めて確立されたのであります。地方の税機構の確立が非常に遅れたということになりますと、これは明年度においては、徴税機構の確立をもうすでに樹立しておることでもありますし、それは機能を十分発揮することは、もうそろそろ機能を発揮しつつあることでありますから、そういうことから見ますと、地方税優先主義で一つ今の新らしい地方の徴税機構を一〇〇%に一つ活用するということによつて、できるだけ所期の目的を達成したいと、こう考えております。何にせよ、平衡交付金のほうが、増額が極めて見込薄である以上、せめて税を十分に徴收しない以上地方団体としての維持ということは、これはもうできんことは当然でありますから、その点は私どもも一つ地方団体と一緒になつて、そういう方面は徴税成績の向上に努めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/77
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078・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この問題は、私は今度の御答弁は非常に不満ですけれども、話題を変えて伺いたい。小野政務次官もおらるるのですが、この前の補正予算のときにも、大蔵省との食い違いをだんだん事務的に合わせ行つて、最後に食い違つた金額が出たのですが、その際にここに大蔵大臣もおいでになり、又予算委員会で私は質問したのです、地方の財政の数字を考える場合は、地財委も大蔵省も同一の資料に基いてやつておりますという御答弁を大蔵大臣から伺つておつたのですが、この間御承知のごとく、主計局の説明の根拠の数字が推計表によつて、とんでもないことだと思つたのですが、これを岡野さんに伺うと全然御存じなかつたのですが、こういうようなことは地財委の事務当局でも数字を照合されるときに、大蔵省はこういう推計表によつてやつているのだということを御承知ないはずはないのだと思うので、これは地方自治の側もよほど考えてやらないとこれはいかんのじやないかと思うのです。我々が如何に議会でやつておりましても、又二十六年度の地方財政の歳出に大蔵省が二十四年度の決算見込、この各項目を挙げておる数字もですが、歳出の面なんかによつては全くでたらめだと思うのです。節約額を挙げて置きながら予備費を挙げておる。大蔵省のああいうふうな人がこういうふうな表を立てたというのは私はむしろ不思議に思うのです。理論的には矛盾も甚だしいのにこういうふうなことでやつては困るのですから、こういう点は地方の財政は岡野さんのほかは国務大臣でないのですから、政治的に吉田内閣に対し責任を持つておられるのは岡野国務相なんですから、岡野国務相あたりから大蔵省にこういうふうなでたらめなことをやつてもらつては困ると、そういう点をとくと注意して頂かなければ、私はいつまでたつても本当にしつかりした地方財政の数字が出て来ないで、大蔵省もいつまでたつても半信半疑でおるのじやないかと思います。こういうことを思つておりますので、これは地財委のみならず、自治庁においてもよく一つ考えて頂いて、やはり地財委と同一の資料に基いて、やはりものを考えて頂きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/78
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079・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ほかに地方財政の二十五年度、二十六年度の歳入歳出等につきまして御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/79
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080・西郷吉之助
○西郷吉之助君 もう一つ伺つて置きますが、地財委が最初に勧告なさつた平衡交付金の数字を訂正なさつたのですが、それは二十六年度の国の予算のほうとの関係でなさつたと思いますが、その変更をなさつた数字の主たるものはどういう点でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/80
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081・木村清司
○政府委員(木村清司君) 主たるものは実は百七十八億の増收を見た点に主たる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/81
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082・西郷吉之助
○西郷吉之助君 そうすると、百八十億の増收分だけを減額されたわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/82
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083・木村清司
○政府委員(木村清司君) 大体細かいことは別にございますけれども、大体さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/83
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084・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは本日の質問を以てこれらの問題に関しても終るのではなくて、小委員会等においても十分論議されると思うので、その前提に立つて専門員に実は御意見を伺いたいので、御検討を頂く問題について申上げたいのですが、よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/84
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085・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) よろしうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/85
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086・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは小委員会等において結論を出す過程において是非専門員の意見を伺いたいのですが、第一は二十五年度の地方財政需要額とその收入額を見合つてこの平衡交付金が交付される実施の過程にあるわけですが、この経過に鑑みて大束に現在の地方財政というものについてどういう意見を持つておられるか、この点近くお伺いしたいと思うのです。それから第二の問題としましては、それにからんで需要額、收入額と見合つた平衡交付金の配分規則に対して幾度かの変更があつたわけですが、それらも十分見た上で配分規則の公正妥当という問題について批判した御意見を伺いたい。第三には非常に現在の地方財政が困つたということですが、その問題と今出されておる地方税の改正案とをからんで、根本的に地方税の税目或いはその課率等をどういうふうに考えて行けば、地方税というもので地方財政を成立たせるのに十分であるがという意見を出して頂きたい。最後には二十六年度の地方財政委員会の地方財政に関する意見書に対する所見を出して頂きたい。以上四点について御検討を頂くようにこの際お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/86
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087・鈴木直人
○鈴木直人君 私も一つ地方財政委員会にお願いしたいのですが、これはすでに資料として出してもらつているならばいいのですが、府県市町村に対するいわゆる国庫交付金でございますね。それぞれの法律に基いて各省が全額或いは三分の一とか、三分の二とかという率を以て、そうして国が直接費用を取つて、そうして国庫交付金として府県市町村、市町村にも行つていると思いますけれども、出しているその総額が、先ほど申上げましたように、福島県等においては県の收入の三一%というふうになつている。一般平衡交付金の額と同じ程度になつている。で実はこの国庫交付金がどういう法律に基いて、どういう項目別に各省から出ておるかという点を、実は平衡交付金と同時に知りたいと、実はこう考えておるのでありますが、その予算の総額等において各省別に、項目別に地方財政委員会においておわかりになつておりますか。それをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/87
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088・木村清司
○政府委員(木村清司君) これは資料でお手許にある分にあるのではないかと思うのですが、A系統、B系統、C系統で各省別の補助金のものと、それからもう一つは、これはもつと大きいのですが、公共事業費関係が大きいですね、これがどの程度起債を認められるかといつて、起債を認められた以外のものが負担金になりますね、それが相当額になる、恐らく三一%というのは公共事業費の地方負担分が相当入つている。これは予算措置である面が相当あるのでありまして、地方に法律命令に基いて負担金を課しておるわけであります。補助金というかつこうですぐ行くものもあるわけでありまする。国庫補助金には災害関係のものもありますし、大体行政費以外は公共事業費が多いのではないか。生活保護法の関係と児童福祉法の関係が法律上の義務の支出の相当大きな負担ではないかと思います。これはB系統の補助金になつております。それから今の三つ。そういう資料は一部は出ておりますが、今の全体の恐らく公共事業費のほうはまだ本当の決定は、府県分の事業の最終決定はできておらないのじやないかと思いますけれども、地方負担分がどうなりますか、大まかなところなら或いはわかるのではないかと思いますが、それらの資料は大蔵省では一番よくわかるかと思いますけれども、一応の資料はあると思いますから差上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/88
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089・鈴木直人
○鈴木直人君 府県別という意味でなくて結構なんです。要するに地方団体において、税として取つたり手数料として独自に取る、いわゆる財源の自主性というものをとつて行くことは、地方財政委員会でよくわかるわけですけれども、国から二つの系統で行つている。それは国の予算の中に入つておるわけなんです。それは細かに勉強すればわかるわけですけれども、これが中において非常に妥当性を欠いておるものなんかある。例えば人件費等におきましては五万円程度は半額として一カ年必要である、ところが三万八千円ぐらいしか来ない、従つてその差額につきましては、いわゆる半額で五万幾らは必要なのに、その半額の三万八千円ぐらいしか来ない、結局二万何がしの、倍になりますから四万何がしというものがすでに一人当り余計地方において負担しなければならない、こういうような例もあるわけなんです。従いまして国庫交付金の配分の方法が悪いために幾らやつてもそれに足し前をしなければならない。地方財政委員会においてやらなければならないことがたくさんある。そういうものを一つ、例えば福島なら福島で一つ調査して見たいと考えておるわけなんです。受取るほうの県で調査して見たいと思いますけれども、国におきましても何県ということではなく、各省別に地方に負担をかけておるわけですから、二分の一は負担をかけており、二分の一はやりますけれども、そういうような基礎的な法律或いは規則等に基いて取つておる予算の内容を詳細に研究して見たい。そうして根本的に地方財政の行き方について中央においても一つ研究して見たい。こう考えておりますので、地方財政委員会の方面において国が負担すべき部分について各省各課においてそういうものを持つておると思いますから、若しあつたらそういう資料を出して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/89
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090・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) その資料も成るべく早く願います。
他に御質疑ございませんか……。それでは本日はこの程度で散会いたします。
午後三時四十四分散会
出席者は左の通り。
委員長 岡本 愛祐君
理事
吉川末次郎君
委員
石村 幸作君
岩沢 忠恭君
高橋進太郎君
安井 謙君
小笠原二三男君
中田 吉雄君
西郷吉之助君
鈴木 直人君
石川 清一君
政府委員
地方財政委員会
委員 木村 清司君
地方財政委員会
事務局財務部長 後藤 博君
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治庁次長 鈴木 俊一君
事務局側
常任委員会專門
員 福永與一郎君
常任委員会專門
員 武井 群嗣君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X02019510308/90
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