1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月二十八日(月曜日)
午前十一時二分開会
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本日の会議に付した事件
○警察法の一部を改正する法律案(内
閣提出・衆議院送付)
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001・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
本日は警察法の一部を改正する法律案についての質疑を続行いたします。法案につきまして逐條的に御質疑願いたいと思います。先ず一條ずつにいたします。政府委員の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/1
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002・加藤陽三
○政府委員(加藤陽三君) 最初の改正の事項は、都道府県警察長を隊長に改めたことでございます。これは第三十條の改正と関連をするのでございまして、今までの三十條の規定におきましては、「都道府県国家地方警察本部の長(以下都道府県警察長という。)は、国家公務員法の規定に基き、警察管区本部長が国家地方警察本部長官の同意を経てこれを任命し、一定の事由により罷免する。」ということが書いてございます。そうしてこの警察長におきましては、以下他の所におきましても、すべて都道府県国家地方警察本部の長を都道府県警察長と称しておるのでございます。これを今回提案理由の説明のときにございましたごとく、都道府県国家地方警察本部の長は、実質上都道府県国家地方警察隊を統轄しておるのでございますので、第三十條をさような趣旨に改めますと同時に、この法律中の他の所に出ております都道府県警察長という名称をすべて隊長に改めたいと思うのでございます。なおこの事項は、附則のほうにも関連いたしまして、附則の第五項、六項、七項で、経済調査庁法、古物営業法、質屋営業法を改めておりますが、すべて都道府県警察長を警察隊長と改めるごとに伴いまする改正でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/2
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003・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 加藤政府委員に三十條をついでに説明して頂きたいと思います。関連していますから…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/3
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004・加藤陽三
○政府委員(加藤陽三君) 三十條の改正について申上げます。警察法の一部改正法案條文対照表を御覧頂けば御便利かと存じますが、この五ページに…、下欄が現行規定でございまして、上の欄が新らしい改正案に載つておりまする規定でございます。現行法におきましては、「都道府県国家地方警察本部の長(以下都道府県警察長という。」は、国家公務員法の規定に基き、警察管区本部長が国家地方警察本部長官の同意を経てこれを任命し、一定の事由により罷免する。」となつております。今回はこれを上欄のごとく改めたいと思うのでございまして、即ち「都道府県国家地方警察に隊長を置く。隊長は、国家公務員法の規定に基き、警察管区本部長が国家地方警察本部長官の同意を経てこれを任命し、一定の事由により罷免する。」、第一項は新らしい規定でございますが、第二項の内容は実質的に現行法と変らないのでございます。第三項といたしまして「隊長は、都道府県国家地方警察本部の事務を処理する。」とございます。今日ではこれに相当する規定は、都道府県地方警察本部の長という言葉の中に包攝せられておるのでございますが、これを隊長という名前に変えますことに伴いまして、明確にいたしまするために、三項を設けたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/4
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005・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/5
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006・吉川末次郎
○吉川末次郎君 今までに御質問も文部委員のかたからもあつたように記憶しておるのですが、蒸し返す意思はないのですが、この隊長という名前が非常に軍隊的な響きを一般に与えると思うのですが、特に隊長に改めなければならない理由が、どうも我々に呑み込めないのですが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/6
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007・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 前の機会にも御説明を申上げましたように、先ず現行法の第四條で、三万を超えない国家地方警察隊を置くというので、国家地方警察を総称いたしまして警察隊とこういう呼び方をいたしておるのであります。府県にありまするものを府県国家地方警察隊と、こういうように呼んでおるのであります。その基は第四條の国家地方警察隊というところから法文的に言いますとそう言う、こういつたように考えます。それで実情を申しますると、この地方警察の運営、行政その他の事柄につきまして、関係方面からこの警察法成立以来指導を受けておるのでありまするが、関係方面の指導の方針は、都道府県の国家地方警察を警察隊と呼ぶ、それの一番の長でありまする、この法文によりますると都道府県の警察長に相当いたしまするものを警察隊長と呼ぶように指導されておるのでありましてその指導に基きまして、事実上は公安委員会の公安委員会規定によりまして、国家地方警察の基本規定というので、こういう名称を使つておるのであります。現実にさような名称を呼んでおりまするので、警察長と、それから警察隊長と二つ名称のありますることはあらゆる場合に不便を来たしまするので、実際上の名称に法律上の名称も一つに統一をして頂くということが、事実上便宜であるといつたように考えますので、なお法文によりますると、只今加藤政府委員から御説明をいたしましたように、現在は都道府県の警察本部の長であります。ところがこれは実際上は都道府県警察の全体の長でありまして、単に本部長ということではなく、全体の長という意味合いから、その全体が警察隊と呼ばれておりますから、それで都道府県警察隊長というものが出て来ておるわけであります。かような考えで改正案を提案をいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/7
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008・吉川末次郎
○吉川末次郎君 今本会議開始のベルか鳴つておりますから、本会議に入ることができますように、暫らく休憩せられるように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/8
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009・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと各委員に申上げます。大蔵大臣が今来られます。大蔵大臣は十一時半からよそへ行かなければならんので、その間しか出られないということであります。だから大蔵大臣に来て頂いて、すぐ参りますから、ちよつと待つて頂きたいと思います。今日はどうせずつと遅くまでありますから、札を立てるだけならばそのまま続けて差支えないと思います。よろしうございますね。(「異議なし」と呼ぶ者あり)では次に参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/9
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010・石川清一
○石川清一君 只今のお話によりますと、三万は国家地方警察隊、こういう名称はそういう規模の上に立つておると思うのでございますが、そういたしますと、警察職員或いは警察官でなくて、警察隊員と、こういうような名称を下まで流すことが非常に、只今体系を付けておるように感じますが、そういう点についてお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/10
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011・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 徹底いたしますと仰せの通りでありますが、併しながらさように徹底をいたしますることも、只今吉川委員からお話がありましたような点もありまするので、そこらは非常に不徹底でありますけれども、あれこれ考え併せますと、そこまで徹底しないほうがよかろうと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/11
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012・石川清一
○石川清一君 あれこれとおつしやるのは、特にあれというのはどれで、これというのはどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/12
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013・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 余りに大組織に徹底いたしますると、現在の実際の運用におきましては、やはり何といいますか、従前の警察官或いは警察職員、こういう呼び方から来る柔かい感じをやはり或る程度保存をして置く必要がある、かように考えます。警察隊ということに徹底をいたしますると、如何にも何といいますか、民衆から離れてしまつたような、又非常に強い面が感じの上で出過ぎるとか、そこに徹底をいたしかねる部面もあるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/13
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014・石川清一
○石川清一君 只今のお話を承わつておりますると、いわゆる治安の最前線にある国家地方警察職員は、自治体警察と同じような形でいいのでありますけれども、府県警察隊以上は、自治体よりも規模も大きいので、その優位といいますか、そういうような上位にあるというお考えで以て、自治体警察を支配するのには警察隊長と付けたほうがいいというような、今までの古い国家警察的な考えを持つておられて隊長と付けたように受取れますが、この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/14
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015・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 政府といたしましては、国家地方警察と、自治体警察というものは相互に他を指揮するというような関係に立つものではございませんので、いずれを優位、いずれを下位というような観念は全然持つておりません。ただその機能において多少違う。又規模において違うということはございまするが、併し相互に独立のものでございまして、ただお互いにその使命とするところに従つておのおのの機能を営んで行く、決していずれを優位ということは全然考えておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/15
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016・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 更に名称の点から申しますると、現在の都道府県警察長と言いますると、如何にも都道府県の自治体警察を含めた全体の警察長であるような印象を与えるのであります。ところが警察際の長ということになりますると、自治体警察はこれは含まないことは明らかでありますから、そのほうが私は却つてそういう印象を与えないのであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/16
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017・石川清一
○石川清一君 それは私は逆に受取るのでありまして、警察長といたしますと、同じような立場にあるけれども、隊長と付ければその上位或いは優位に立つ、こういうように私には受取れる。或いは又一般も又そういうように受取れるように思いますけれども、その点はやはり警察法の精神に則つておる点をどこまでも、事変の起きた場合でも持ち続けるというふうにお考えですか。いろいろの場合を想像して、こういうことが最終的にはいい結果が起きるのだと、こういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/17
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018・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) この名称につきまして、私どもはこの名称によつて実質を変えるという考えは全然ないわけでありまするし、又恐らく関係の多数のかたがたとせられましても、この名称の変更によりまして、只今御指摘になりましたような国家地方警察が優位の地位にあるというような感じを持つものではないというふうに信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/18
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019・吉川末次郎
○吉川末次郎君 第十五條の二についてでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/19
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020・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) まだ行つておりません。……それでは第十五條の二を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/20
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021・加藤陽三
○政府委員(加藤陽三君) 第十五條の二は新らしく設けた規定でございまするが、併し対照表にございます通り、実質的には第十五條の二の第一項は第三十五條の第二項に相当する規定であり、第十五條の二の第二項は第三十五條の第三項に相当する規定であり、第十五條の二の第三項は第三十六條の第一項本文の但書に相当する規定であり、第十五條の二の第四項は第三十六條の第二項の規定に相当する規定でございます。第十五條の二で新らしく今までと変りました所は、今までは警察長のほか警視以下警部、警部補、巡査部長及び巡査というのが警察官の階級でございましたのが、警視の上に警視正、警視長、次長、長官、これだけのものを加えた、これが実質的な変更でございます。あとは大体は現在の規定を踏襲して、ただ條文の体裁といたしまして、今までは第三十五條、第三十六條とうしろのほうに規定してございましたけれども、警察官は前会の警察法の御審議の際の御修正によりまして、国家本部、管区本部を置かれたことになりましたので、その点を考えまして第十五條の二を前のほうに規定を設けることにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/21
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022・吉川末次郎
○吉川末次郎君 これも法務委員のほうから何か質問があつたように記憶するのですが、私これまた蒸し返すつもりではありません。私の十分記憶に残つておらんものですからお尋ねいたすのですが、警視正というような、或いは警視長というような新らしい名称と新らしい位階ですか、ランクを設けられた理由はどうなのか。それから旧警察のこういう段階の名称からいたしますと警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査となつて来たと思われるのですが、大体において警視は奏任官で、高等官があつた、警部は判任官その他は判任官待遇というような形になつておつたと思うのですが、現在の公務員法の規定によると、そういう公務員の分類といいますか、クラシイフイケーシヨンとか、或いはランクというようなものからするとどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/22
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023・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 上のほうに新らしく階級を設けましたのは、この前に御説明いたしました通り、現在の警察法では府県の警察官のランクだけしかきめておらないのであります。然るに法律では国家地方警察本部、管区本部にもそれぞれ警察官を置くことになつております。従つて長官を初め次長、それから各部長、各管区における管区部長というようなところも全部警察官でありまするので、それらに該当いたしまする階級が法律の中にはないのであります。このような意味からいたしまして、上のほうは新たに階級を実際上設ける必要を生じておるのであります。以前は例えば内務省の警保局の職員はこれは警察官ではなかつたのです。今でいえば事務官であります。それから府県の警察部長はこれは府県の書記官ということになつておつたのです。ところがそうしてその府県の警察部長である書記官以下のところは警察官としての階級を持つておつたのですが、今度の改正によりまして本部の一番のもうてつぺんから警察官にしてしまうということにいたしまして、我々も警察官ということになる。従つて警察官としての職務執行をする権能を有するということになつておりまするので、どうしても警察にはやはりこういう階級を設けて置きませんと、いろいろ指揮命令等の関係も必要に応じて生じまするから、かような必要からかような階級を置いたような次第でございます。今日の一般公務員のランクとの関係は他の政府委員からお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/23
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024・中川淳
○政府委員(中川淳君) 警察官の階級と一般公務員との階級の関係でございますが、現在の公務員の制度では、まだ職階法がはつきりしておりません、全面的にできておりませんので、これを共通にはかるものがない。先だつて昨年の夏まで一級官、二級官、三級官の関係がありました、これによりまして警察官も一級官、二級官、三級官になりまして一般公務員との関係を埋めることができたのであります。その点から申しますと一級官に当りますのが長官と次長と警視長、それから二級官に当りますのは警視正、警視、警部、以下は三級に当つております。現在はそういうものもありませんので共通のものがないわけでありますが、大体そういうようなものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/24
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025・石川清一
○石川清一君 こういうように階級が明確になつて、指揮系統が正しくなつて行くということは一面好ましい面でありますけれども、一方自治体警察の階級、或いはその機構の内容というものを考えた場合、自治体警察における巡査部長或いは巡査というものの声が、国警に比しまして昇進の途が非常に少い、或いは試験を受けましても昇進する日にちが相当長いというようなことが陳情に参つておりますし、いろいろそういう点を考えましてやはり国警の階級的優位性というものが明確になりましたら、やはり末端における警察官の気持が変つて参りまして、やはり国警のほうが優位である、国警のほうが強力だというようになりがちだと思うのでありますが、このような点は現在警察予備隊が作くられて、こういう体系を付けておるのでありますから、むしろ国家地方警察が、この幅を少くしまして文官制度を明確にするほうがいいのではないかと思いますけれども、この点について、こういうような階級を明確にして行くに従つて弊害が自治体のほうに起きて来ないかどうかお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/25
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026・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 実は十五條の二は非常に階級を殖やしたように見えますけれども、従来の警察官の階級を一層殖やしたという意味ではありませんので、従来は警察官としての職務執行の、仕事に携わる権限を持つていなかつた人たちへ新らしく警察の執行権、職務執行の資格を与えると、こういう意味におきまして新らしく殖えたわけであります。従いましてこれらの新らしく殖えた警視正、或いは警視長、次長、長官、こういう職務に相当する警察関係の職員は従来もあつたのでありますが、これらを警察官の中へ入れずに警察官としての階級を与えていなかつた、それに新らしくそういう幹部も又警察官としての新らしい階級を付けた、こういう意味でありまして、特に従来の階級を一層殖やしたという意味ではない点を御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/26
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027・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと、石川君に申上げます。大蔵大臣はGHQのほうへ行かれなければなりませんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/27
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028・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) GHQではありません、ほかのほうへ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/28
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029・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 時間が余りありませんので、一遍確かめて置きたいと思うかたは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/29
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030・相馬助治
○相馬助治君 この際大蔵大臣に一点お尋ねして置きたいと思います。今回
この警察法の一部改正法案が審議に供せられておりますが、この中に国家地方警察の定員が増加されることになつております。結局警察学校におる者の五千人ということでありますが、増加されることになつております。そこで私どもが当初新聞その他の情報を以て耳にしたところによりますと、三万人の増員であるとか、或いは一万五千人の増員ということが噂されたのでありますが、結局いたしますところ、この今回提案されたような五千人の増員ということになつて現われて来ておりますが、大蔵大臣としてこれらの定員の増加に関しまして今までどのような交渉を受けられたかという経過を大体承わつて置きたいと思いますことと共に、この法案が成立いたしましたときには、これらの予算をどういうふうにされる御予定であるかということを、この際念のために承わつておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/30
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031・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 国家地方警察の職員の増員につきましては、当初の折衝は聞いておりませんが、法務総裁より一万五千乃至二万という話がありました。その後一万人になりました。私は自治体警察との関係もありますので、一応三万人のうち五千人学校へ入つておられるからその分だけで我慢して頂きたい、こういうので五千人に落着いたのであります。それで今年度採用する五千人の経費につきましては、既定の予算を差繰りして行く考えでおるわけであります。而して補正予算を作る場合に補正いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/31
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032・相馬助治
○相馬助治君 この改正法案から見ますると、差当り五千人の増員ということになつておりまするが、御案内のように自治体警察のほうの定員制というものは廃止になります。そこで弱小自治体警察が住民投票によつてこの場警のほうに移り、そこでその分だけは国警が膨れ上る、それから又一面自治体警察のほうからいたしますると、近代国家の発達の過程から見ても、どうしても都市がいよいよ以て膨脹する、結論するところ都市を中心といたしておりまする自治体警察は、いよいよこれは膨脹いたしまして、増員されなければならない必然的な運命におかれておる。そういたしますると大蔵大臣といたしましては当然この平衝交付金等においてもこれらの点を見合うものを支出しなければならない立場に置かれると、こう我々は判断いたします。従つて今般のこの改正法案によつて、いわば警察官の定員制というものが殆んど空文に等しく、事実上どんどんと殖えて行くというようなことが懸念されるのでございまするが、これらに関しての財政を担当いたしまする主管大臣として何らかの御見解等がありましたら承わつておいて審議の参考にしたいと、こう存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/32
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033・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 根本は、行政費を成るべく減らしたいというのが根本でございます。それによつて問題を考えなければなりません。従いまして国警のほうの要求を五千にとめたのも、それによるのでございます。而して自治体警察のほうの定員がなくなりました。これは御承知の通りに住民投票によりまして自治体警察のほうを国警に持つて行く場合があります。そうして国警に持つて行つた場合には、自治体警察のほうで、町村のほうは六人乃至八人くらいおりますが、今この分がどれだけになつて来るかわかりませんので、一応定員を半分にしたのであります。国警の場合におきましても、従来町村におりました分をそれまで確保するかどうかという問題がありますので、今定員のことはきめにくうございます。従つて私の考えといたしましては、できるだけ警察員を少くして有効に使いたいという気持で行つておるのであります。従いまして私は自治体警察のほうが今の定員よりも、住民投票で国家警察に移ることを考えますると、殖えるということはないということを想像いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/33
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034・相馬助治
○相馬助治君 そうすると大蔵大臣といたしますと、総体としては国の警察官の数字は殖えないと、こういう見通しである。こういう御見解でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/34
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035・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 殖やさないようにいたしたいという考えを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/35
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036・相馬助治
○相馬助治君 大蔵大臣の善意の如何にかかわらず、併し現実はこの今回の改正法案によつて殖えまするので、参考までに先ほど来のことを承わつたのでありまするが、あとはまあ見解の相違ともなつて参ろうと思うので質問は一応この辺で打切つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/36
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037・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この際大蔵大臣に質問いたしまするが、御承知の通り今回のこの警察法の改正案によりまして、住民投票によつて自治警は国警に転換できるということでありまするが、その際転換した場合に平衡交付金はどういうふうになるかという問題がありまするが、これが途中で減らされるようなことになりますると、御承知の通り百九億を削つたのでありますので、非常に地方財政の上で各自治体は困る。それを非常に不安に思つておりまするので、この問題をはつきりしておきませんと、折角この警察法の改正案を出しましても、国警に移管しないというようなことになつて、法務総裁の努力も水泡に帰するのじやないか、そういう懸念がありますし、自治体としても現在でも足らん平衡交付金でありますから、警察が国警に移るために平衡交付金が減らされるということになりますと非常に困難に直面いたしますので、この点は先般大橋法務総裁にもしつこく伺いました。この際大蔵大臣に伺いまするが、大橋法務総裁に対してこのことを伺いましたところが、最初の法務総裁の御意見では、それはまだきまつていないというふうなお答えでありましたので、それでは非常に困りますので念を押したわけであります。この点は誤りないように速記録をちよつと読んで見まするが、大橋法務総裁の御答弁には、自治体警察のために交付せられる警察費のうち、廃止せられる自治体に対する分を減額いたしまして、そして大蔵大臣の移用の措置によりまして、これを警察費の支出に充てるという方法を考えておつたわけであるが、今回の案におきましては、この條項は全然削除した。であるからすべて補正予算その他新たなる予算的措置を必要とするということに相なつたわけである、そしてこれがために、自治体警察の経費に充てられるべき平衡交付金を半面において減額するかどうかという問題については決定をいたしておらん。こういうふうな最初のお答えがありましたので、これでは誠に問題がぼけて参りますので、更に質問いたしましたところが、法務総裁は第二回目のお答えとして、平衡交付金を減らさないということにきまつておらないということを申したのは、減らさないということについて特別に閣議決定その他正式にきまつておらないという事実を申上げたのである。この警察法におきまして、平衡交付金から移用するという條項を削りました趣旨は、これは全く平衡交付金の問題には関係なしに、この国家地方警察への切替えを行うべきものであるという趣旨を明らかにしたわけであります。更に、現在までの大蔵省との折衝の経過につきましては、すでに事務当局相互の間におきましては、この自治体警察を国家地方警察への切替えをするための新らしい国家地方警察の費用というものは、別途財源による補正予算というものによつて増額すべきものである。そうしてその際においてその財源を捻出する方法として既定の平衡交付金の予算額を減少するような措置はとらないという趣旨で了解しておるわけであります。こういう御説明があつたのです。更に私はそれを伺いましたところ、法務総裁は、当初の二万人の増員という計画を今回の五千人というふうな計画のように切替える、この結果は当然少くとも五千人程度の定員になつたのでございますが、これは大蔵大臣のお考えによつてかように五千人に削つたのであるから、私としてはこれらの交渉の経過から考えまして、当然大蔵大臣の主張によつてかように取上げました五千人なり、又その他の新らしい自治体警察の増員については、大蔵大臣が当然これが新らしい財源をお考え下さるものと確信しておる。こういうふうなお答えであつたのであります。更に法務総裁は、これは当然新たな財源によつて処理されるものであつて、平衡交付金を減額することは全然問題になつておりません。こういうふうに言つておられますが、大蔵大臣、私が説明するまでもなく、地方財政上先般起債、並びに平衡交付金が減らされまして、そのままで補正予算もまだ出ておりませんので非常に困難しておるということは大蔵大臣御承知の通りでありますが、今回たまたま政府としてはこの警察法の改正案を出しまして、そのうちで最も重要なのは、地方の財政上困難を感ずるものは、住民投票で国家警察に代るということでありまするが、今申上げましたように、平衡交付金が減らされるようなことであつては非常に自治体も困るのでございます。そういうふうな結果から、財政上困つておるけれども、平衡交付金を途中で減らされるようでは国家警察に行くのはやめだというようなことになるかもわかりませんので、折角政府が出したこの趣旨を活かす上には、この際大蔵大臣より、平衡交付金は地方は財政上非常に困つている上、百億も削つておるのであるから、移つた部分に対しては、全然新たな財源措置をするというようなお答えを私は頂きたいと思います。その問題がこの法案を審議する上の非常に重要な点でありますので、我々がこれを採決の際にもその点を非常に考慮して参りたいと思いますが、この際さつき大橋法務総裁としては、ああいうふうな御答弁がありまして、私がなお愼重にやるために、この速記録を今大臣に申上げましたが、この点非常に重要な問題でありまして、大蔵大臣も今後の補正予算等の場合には、平衡交付金なり、起債の枠を復活するように努力を頂きたいと思いますが、今回の警察法の改正につきまして、私が今申上げました平衡交付金は二十六年度どういうふうになさるお考えか、その点をはつきり伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/37
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038・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今年の二月頃の予算委員会であつたと思います。平衡交付金の問題が起りましたときに、平衡交付金は将来補正予算で殖えるかもわからないし、減るかもわからない、こういうことを私が答えましたところ、或る衆議院の議員より、それは減るということは暴言だと、こう言われました。そこで最近ちよつと新聞に出ておりますが、あれが具体化すると理論的には減るという場合もあり得るのだ、こういうことを答えたのであります。理論的に申しますると、この法律は地方自治体警察は地方の負担ということに法律でなつておりますが、実際上は相当部分平衡交付金で賄つておるのであります。従いまして若しこの住民投票によりまして、国家警察に移つた場合に、先ほど答えましたように、今までの自治体警察の人員よりも減つた場合におきましては、理論的には平衡交付金が減るのが当り前だ、大蔵当局としては理論的には減らさなければならない。併し実際問題として減らすか減らさんかということになりますと、その金額はどのくらいになるか。若し自治警察のほうで一万八、九千人おりますと、一万八、九千人が全部国家警察になつた場合を考えますると、昔のように村において一人か、二人か三人というような場合においては、相当の減額になる。その減額になつたものを、平衡交付金は減らしませんと申しますると、なかなかそこにやりにくい点があります。そこで理論的には減らす。だけれども住民投票によつて国家警察に移る場合においては余り減らしません。お話の通り交付金は足りないというので府県が非常に困つておるのでありますから、その場合はその実情に副つたように補正予算を組まなければならんと思うのであります。従いまして今警察法が通るか通らないかによつて、補正予算がどうなるかということは、その施行の状況で考えなければならんと思います。ただ私は先の国会で申上げておりますように、平衡交付金につきまして特に府県が困つておるということは私どもも承知しておるのでありますから、そういうことを頭におきまして平衡交付金を考えて行きたいと思うのであります。一従いまして私は実情から申しますると、減らしたくないという気持でありまするが、施行の状況によつて減らすかどうか、それは約束はできない、こうお答えするようになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/38
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039・西郷吉之助
○西郷吉之助君 問題は、今大蔵大臣が言われることはよくわかりました。大蔵大臣としては、これは減らさないということを言明されるけれども、今申上げましたような非常に困難なる場合もありまするので、私もよくわかりまするが、さようなことであつて、これは減らすというようなこともあり得るのだというような不安も自治体に起つて参りますので、この点は私は大蔵大臣にこれ以上減らさないという言明を頂くというふうなことを申上げましても、むずかしいと思いますが、ただ大蔵大臣に考慮して頂きたいのは、大蔵大臣としては言い切れない立場はよく私もわかるのでありますが、そうである結果非常に地方自治体としては財政負担が多いので、国警に切り替えたいというようなところも多数あると思いますし、この際そうでなくとも、二十六年度の予算編成に自治体は困難を来たしておる際に、折角もらつた金が又持つて行かれるというようなことでは財政上困るというので、この警察法の場合にも、それが原因で非常に転換がやりにくいというような面が多々あるのではないかと私は思います。で今法務総裁は大蔵大臣の御答弁をお聞きになりましたが、そういうようなことでは、大蔵当局としてはなかなか曰く言いがたい点があると思います。実際上いわば減らし得るわけですから、その点がこの警察法ではつきりしないわけです。特にこの警察法の欠点は、こういうふうな大きな改正であるにもかかわらず、予算を伴つていない。本来から見たならば、補正予算をこれと同時に審議すべきでありますが、それがきまつていない。なお且つ住民投票によるのでありますから、何名ぐらいが国警に廻るかもわからない。なお且つ予算もまだきまつていないということで、非常に法務総裁の御努力はわかるけれども、補正予算面の問題とからんでどの程度この政府の狙いが実現するかは私は非常に疑問だと思いますが、私は、法務総裁は今の大蔵大臣の答弁をお聞きになりましたが、その点はそういうふうにぼけておりますので、自治体は非常にそれを不安に思つておりますが、そういう点はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/39
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040・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと申上げます。大蔵大臣はお急ぎのようで、御退席になるそうでありますが、これで御退席願つてよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/40
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041・西郷吉之助
○西郷吉之助君 大蔵大臣に、この点実際伺いたいのですけれども、お急ぎのようですから申しませんが、この点は今大蔵大臣の答弁でわかりましたけれども、是非ともできるだけ新しい財源によつて、この補正予算を組まれるように、私はここに強く大蔵大臣に要望しておきます。こは以上申上げません。私は大蔵大臣に対する質問はこれで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/41
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042・高橋進太郎
○高橋進太郎君 大蔵大臣にお聞きしたいと思いますが、今度の警察法の改正で、実は五千人の定員外の増員ということにつきましては、現在の情勢から見まして、我々としてはこれに対して非常に不満なのであります。併しながら法務総裁の説明を聞きますると、この近代国家というものは、要するに人の問題もあるけれども、同時にその装備の面が非常に大きな問題であつて、装備の問題については、十分これは、今度は補正予算はできていないけれども、予算には出ていないが、大蔵大臣とも十分話合つて、そうして、これについては十分考慮しておるのだということを聞いておるのでございますが、その点については、どうお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/42
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043・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 国家地方警察、自治体警察を通じまして今度の法案が通過後には一応十三万人になるのであります。戦争前の警察官の数とお比べになりますと非常な増加でございます。東京都におきましては、五割以上の増加になると思つております。そこで二万人とか、一万五千人とかいう要求がありますけれども、国民の負担をできるだけ少くしようとすれば、できるだけ少い人で能率的にしなければいかんというので、私は二万人や一万五千人の要求を五千人に削つて、装備の点について考えようじやないかということは法務総裁に申上げました。従いまして私はできるだけ人を少くして、装備をよくして、その警察本来の目的を達したいというのが念願でございます。その方向に進んで行きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/43
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044・高橋進太郎
○高橋進太郎君 もう一点お伺いいたしたいと思うのでありますが、非常に大蔵大臣の答弁で満足したのであります。第二の点は、この委員会におきましても、待遇の悪い、従つて質の悪いところの警察官というものが人数ばかり殖えても、これは気違いに刄物を持たせるようなもので却つて悪い、従つて半面警察官の待遇、特に自治体警察との均衡をとつて、十分これが待遇については考慮すべきであろう、或いは住宅についても、その他諸般の物質的な待遇についてもというような話があつたのでありますが、この点について大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/44
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045・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 給与、待遇の改善につきましては、大蔵大臣としては第一義的の問題として考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/45
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046・吉川末次郎
○吉川末次郎君 大蔵大臣の御答弁には、我々がこの委員会で主張いたしておりますことと共通の面も非常に多いので賛成する点が非常に多いのでありますが、同じ内閣の中においても警察行政の担当者であるかたがたと大蔵大臣とが、ひとり財政の面のみにおいてのみならず、警察行政の処理について、即ち片一方のほうは、ただ徒らに人員を殖やして、官僚主義的な威容を誇ろうとするような傾向があるのに、片一方のほうは質的な向上を図つて、そうして内容を質的に充実して行こうという考えを持つていらつしやるわけですが、そこでそういう意見の植剋があつて、最初の法務府或いは国警側からの二万人の増員というものを五千人に減らされたわけなのでありますが、この五千人も我々は要らない、大蔵大臣と同じような基本的精神に基いて考えているわけでありますが、なぜ五千人をそういう今のような考えから減らそうとおしにならないのであるか。我我はもつとお減らしになつて、戦前の警察の数のことをお言いになりましたが、少くとも戦前の警察官の数までお減らしになれば、より今のお考えが徹底するだろうと思うのですが、その点についての御答弁を得たいということが第一点、それから第二点は、西郷さんからも今お尋ねになつたことに関連しているのでありますが、あなたのお考えは大体は了解しておりますが、法務総裁及び国警側の御意見から言いますと、これを我々が多少悪意的に解しますると、あなたの申した牽制的な意見がなくして、法務総裁等の意見が閣内を支配するものになりますと、国警の数をできるだけ殖やして、国警側の勢力を伸ばして行こうというお考えに立つていられるだろうと思うのですが、その考えは、財政面から自治体警察に幾らでも圧迫を加えて行くことが、平衡交付金の減額をすれば、自治体警察は皆それを投げ出してしまうのですから、平衡交付金の極端な場合、打切りをやれば、自治体警察は全滅してしまうような結果になるのでありますが、そういうことについての大蔵大臣及び国務大臣としての御所見を併せて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/46
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047・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは先ほどの答弁でもおわかりと思うのでありますが、自治体警察がどれだけ減るか見当がつきません。私のよりどころがとにかく二万五千人の今の国警の実人員では或る程度足りない点があるのじやないか。然らばどこに持つて行くか、今教育を受けておる人が五千人おりますので、それを合せて三万人と記憶いたしております。教育を受けておる五千人だけを入れて行きたいということで五千人にいたしたのであります。而して地方の平衡交付金を減らせば自治体警察はなくなつてしまうじやないかという議論は、これは架空の議論で、平衡交付金を国会でおきめになるときに、大蔵大臣が非常識に警察に対する平衡交付金を全部減らすということは、これはできるものじやございません。又そういうふうなことをやつた場合におきまして、国会はそのときに適当に御判断を下さればいい。私はものの変革というものはそう一度にすーつとできるものじやない。やはり徐々に国家地方警察、自治体警察、こういうものを組合せて行かなければならん、こう考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/47
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048・吉川末次郎
○吉川末次郎君 速記が、今のことについての……、大蔵大臣の誤まつた見解は、私は吉田内閣の意見だと思つておりますから、資料として我々の参考にいたしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/48
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049・西郷吉之助
○西郷吉之助君 先ほどの私の質問に対する法務総裁の答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/49
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050・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 只今大蔵大臣のお答えだなりましたように、政府といたしましては、この問題につきましては決定的な段階に至つておりません。私といたしましては、この地方財政平衡交付金というものが現在十分でないというふうな実情でありますことを十分に承知いたしております。でき得る限り御趣旨に副うように努力いたしたいつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/50
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051・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今のに関連して、大蔵省主計局長が来ておられるので一点伺いますが、今警察法の改正法案を審議中でありまするが、御承知のごとく大蔵省においては警察担当の大橋法務総裁の二万名の案を五千名にきめたわけですが、今度のこの改正法案の内容は、自治警察が投票できめたら国警に変るというふうな案であることは御承知の通りですが、その場合に平衡交付金の問題が出て来るわけなんですが、大蔵省の事務当局と国警の事務当局との折衝の段階では、先に地方財政平衡交付金を百九億も削り、なお且つ起債を百八十五億も切つた発頭人の大蔵省は、特に地方の財政がそれでは困難を来たすということは一番よくわかつておられるはずです。で我々の伺いたいところは、自治体警察が国警に移つた場合にもらつたところの平衡交付金は、理論上言うならば減らすこともできるのですから、今理論上できるからといつてこの際二十六年度の平衡交付金を国警のほうに返すというようなことになりますと、地方の財政はどこでもやりくり算段ですから、重大なる暗礁に乘り上げるわけですが、その点は大臣その他に伺つておりますが、国警の事務当局の話では、大蔵省事務当局と折衝の段階では、そういうことをしない、地方の財政の困難はよくわかつておるから、飽くまでも新たなる財源に基いて補正予算でやるのだ、そういうふうに伺つておりまするが、そのほうの元締たる河野主計局長に、その点はさように考えていいのか、全然平衡交付金に手を触れないで、新たなる財源に基いてこの法案によつて出て来るところの自治体から変つたところの警察の予算はそれでやる、決して平衡交付金を減らすようなことはしない、そういうふうに考えていいのかどうか、実際の折衝では大蔵省はどういうふうに考えておられるか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/51
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052・河野一之
○政府委員(河野一之君) 自治体警のが、国警移管に伴います地方の財源の問題について、国警当局と交渉いたしている筋合いは実はないのでございます。私は地方財政委員会の折衝の問題だろうと思います。現在平衡交付金の配分の基準になつておりますのは、自治体警察におきましては一人当り十七万円ということで平衝交付金の配分がなつているのであります。そのほか固有の税収もございますので、大体二十万円程度実際問題として自治体警察がお使いになつているのじやないか。若し市町村警察が全部国警に来るということになりますと、約一万九千、大体二万人程度でありますから、四十億程度の財源が増加という問題の余地が残るわけでございますが、差当り今年度の問題といたしまして、どの程度の自治体警察が国警のほうに移管に相成りますか、その点はまだ投票の結果等を見なければわからないのでありますが、或る程度来るといたしまして、その財源をどうするかという問題でありますが、これは一応理論上は当然地方の財源として軽くなるので平衡交付金の問題に及ぶのは当然であります。併しこの議会の当初におきましても、地方財政の実情等ににいていろいろ御議論がありました。私どもの見方と或いは地財委或いはその他との考え方がいろいろ違う点もございますが、そういつた実情を見て実はよく考えて見たい、特にこれはまあ程度の問題でありますが、現在の地方財政は府県に非常につらく、市町村のほうはこれに比較して割合に事情が違うのじやないか、そうしてこの負担の軽くなるのは町村のほうでありますので、そういつた関係も考慮しつ増額をどうするか、或いは配分をどうするかという点につきまして地方財政委員会と十分相談して善処して参りたいという考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/52
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053・相馬助治
○相馬助治君 先ほどの大蔵大臣の答弁に連関いたしまして法務総裁に尋ねておきたいことがございます。同僚高橋、西郷、吉川委員の質問に答えて大蔵大臣の申しましたことを要約いたしますると、定員を増すこともさることながら、それよりも近代警察整備という建前からすると給与、それから装備、これらのものを考えて行くというのが本筋であるという意味の答弁がなされております。そこで私は法務総裁にお尋ねしたいことは、そうは言うものの給与も上らない、装備もなかなかうまく行かないから質の不備を量を以てカバーせんとして止むを得ず五千人、当初は二万人でありまするが、まあ或る程度の数字を増員せんとされたのであるかどうか、率直にお答え願いたいと思うのです。第二点は、この法案が成立いたしますると、実は警察の定員というのはなくなつてしまう。具体的に言いますれば、自警からどんどん国警に流れ込む、そうしてこの流れ込ませることが又可能である、財政上のやりくりによつて地方財政を圧迫して参りますれば、これは市以外の市町村の自警というものは全部これは全滅するということは明らかであります。そういたしますると、法務総裁は勿論国警の利益を代弁するものでございませんから、日本の警察制度を一つは監視し、育成する任務を持つものでありまするから、その建前から言いますると、警察定員が無限に増大することが予想されるような、言い方はいささか大袈裟でございまするが、そういう法案に対して根本的にどうお考えであるかということ、これをお尋ねしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/53
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054・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 大蔵大臣と国警の定員の増加の問題につきましていろいろ相談をいたしておりまするが、警察力の強化という意味におきまして、人員を殖やすということ、これも一つの方法である、又装備を強化いたしますということも一つの方法でありまして、いろいろ実情に即応して協議をいたしましたる結果、先ず最小限度どうしても増員しなければやつて行けないという部分だけはこれは認める。そうしてそれ以上の増員は、増員をするよりもむしろ装備の強化ということによつて警察力の強化を図る、こういう相談になりまして、この法案のごとき内容になつた次第であります。
私はこの考え方はやはり正しい考え方であると思います。併しながら装備の強化と申しましても、やはり或る程度限度がありまして、実際におきまして人員が過少のために過労になつております警察官の勤務を緩和し、又教養を十分にすると、そうして質の改善を図る上から申しましても、五千人程度の増員は止むを得ざる最小限度のものであると、こう考えております。
それから第二に、自治体警察の定員制を廃止いたしまして、これを自主的に各自治体の決定に委ねました結果、無限に増加するのではないか、こういう御見解に基く御質問でございますが、成るほど法律的にはそういう建前に相成つておりますが、併しながら警察というものは、やはり治安の必要に基いてできるものでありまして、如何なる自治体におきましても、必要以上の警察を備えようということを考えることはあり得ないのでありまして、こう存ずるのでありまして、おのずから妥当なところに持つて行くべきでありまして、そうしてそれは大した、無限というような言葉に相当するような増加を示すことはあり得ないと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/54
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055・相馬助治
○相馬助治君 この増員の問題は極めて大切なことでありますから、前の委員会でも質問したことでありますが、繰返して法務総裁に一つ承わつておきたいことは、法務総裁は今度の改正案で先ずよろしいので、根本的な改正を考えていない、こうおつしやつたのでありますが、今度の改正案がいけないという建前をとつて質問していた私に対しまして、この答弁は私を満足せしめる傾向を持つものでありますが、本来警察の目的を考え、同時に治安を維持するということは国家の任務であるということを考えて参りますと、実を申せば、このような一部改正を以て糊塗するということに対して、私は大きな疑問を持つておるのでございます。具体的に申しますならば、敗戦後日本がこの警察制度をアメリカの指導によつてなした。アメリカのやることがみんな民主的であると、今日日本国民の一部に錯覚を起しておるが、それはそうでもないことであるということはもう誰しもわかつております。で、警察の本来の目的から申しますれば、警察の機能が円満に而も効率的に行なわれるような制度でなければならない。そういう建前を取るならば、予備隊であるとか、自警であるとか或いは国警であるとか、そういう繁雑な三本建というようなことはこれは我々の取らざるところであります。こういうことも警察そのものから考えて参れば考え出されるわけであります。従つて私は法務総裁の見識として、財政上の観点を以て今般五千人の増員にとどめたのでありますが、事実はこうであるというようなこと、或いは又装備を充実しろといつても、なかなか国家財政が許さないから人数を増せということも啓蒙的な、教訓的な意味で発議して、この改正法律案を出すことによつて将来の一つ捨石にしようとするのであるか。具体的に申しますならば、当然警察予備隊、自警、国警の三者を勘案した根本的な警察法の改正というものが私は近き将来に国会に提案されなければならない必然的な運命を持つものであろうと考えられますので、いよいよ本法案の審議も終末の段階に到達いたしましたものですから、是非ともこれらの点について法務総裁の隔意なき御意見を承わつて私も議事進行に協力したい、かく考えておりまするので、一つ御答弁を是非ともお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/55
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056・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 只今私といたしましては、一応財政上の見地においてこの際五千人だけ増員する、併し将来適当な機会を見て又殖やすというようなことは考えておりませんので、現在におきましては五千人の増員、これに伴いまして或る程度装備を充実する。これで国家地方警察としては治安上満足すべき活動がなし得る、こういう考えで提案をいたしておるのでございます。それから警察予備隊をも含めまして、国家地方警察と、自治体警察、この三者を一貫して一つの警察法の改正ということを考える意思があるかないか、こういう点でございまするが、成るほどどちらも国内の治安を担当する警察的な機能を持つ機構でございまするが、併し警察と警察予備隊とはその目的が根本においては同じでありまするが、併しその活動の重点といたしまするところが趣きを異にいたしておりまするので、この両者を一つにまとめるということはなかなか困難であると存じまするし、又その困難を凌いでまとめて行くということが果して今後の治安上のいろいろな問題に対処いたしまして真に適切であるかどうかということにつきましても、私はなお研究の余地が多分にある、かように考えておるのであります。現在の警察法の改正といたしましては、これによつて十分な目的を達し得るという考えで提案をいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/56
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057・相馬助治
○相馬助治君 一点……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/57
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058・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 議事進行をやつておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/58
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059・相馬助治
○相馬助治君 連関しておるのだけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/59
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060・吉川末次郎
○吉川末次郎君 連関質問が非常にあると思うのだ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/60
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061・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 吉川さんいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/61
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062・吉川末次郎
○吉川末次郎君 ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/62
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063・相馬助治
○相馬助治君 そういたしますと、財政上の都合を以て止むなく五千人にしたのであるという答弁を期待しておりましたが、五千人でよいということのお考えであることを聞いて私はその答弁に対して満足するものでございます。但し最初二万人増員を要求されたことは極めて不見識であつたということも一応申すようなことに相成ると思うので、これはちやかしているのでもなければ、皮肉を言つているのでもなくて、私自身といたしましては、この段階において法務総裁といたしましては、当初の人数が減つたけれども、これは財政上止むを得ずこうしたのではないという見解を明らかに承わつて、私の質問を一応これで打切つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/63
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064・吉川末次郎
○吉川末次郎君 議事進行について、大蔵大臣の答弁に関連いたしまして数の問題が非常に論議されているのでありますが、これは丁度この次の逐條審議の條項に該当するのでありまして、私もいろいろ質問したいことを持つておりますし、他の委員のかたがたも同様にこの点はいろいろ御質問等もあるかと思います。それですでに晝も過ぎておりますし、私の党では重要会議もありますので、できるならば一時間半ばかり一つ御休憩を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/64
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065・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 吉川さんにお諮りいたしますが、実は今本会議が開かれております。本会議が休みになつたら休もう、こう考えているんです。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/65
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066・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。それじや二時まで休憩いたします。
午後零時十五分休憩
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午後二時五十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/66
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067・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 休憩前に引続き地方行政委員会を再開いたします。警察法の一部を改正する法律案につきまして、逐條審議の続行をいたします。
その前に政府当局に申上げますが、古川委員より委員長に次のような要求がございました。それは
一、ヴアーレンタイン及びホーランダー報告の日語訳文中に「都市警察」の語あり、この原語原文参照の上調査をしてもらいたい。
二、M・Pなる語をたびたび政府当局が使用した、そのM・Pの原語如何。
三、マッカーサー書簡中に現行法の自治体警察及び府県警察を含めて、ローカル・ポリスと表現している個所がある。これを地方警察と当局は訳している。この「地方警察」と警察法上の「国家地方警察」なる語における「地方警察」との差異が用語上不明確であると思われる。これについての調査を求む。
これを政府で至急調査をして、書面で委員長宛に出して頂きいい。右吉川委員の御要求に基きまして政府にそれを要求いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/67
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068・吉川末次郎
○吉川末次郎君 右のことは、常任委員会の專門員にも同様に一つ御調査を願つて、文書でお出しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/68
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069・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) では專門員のほうでも同時に調査を成るべく早くして委員長に出して頂きたい。
次に、吉川委員から人事院側に質疑応答をしておきたいという御要求がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/69
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070・吉川末次郎
○吉川末次郎君 見えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/70
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071・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 岡部人事院の法制局長が見えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/71
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072・吉川末次郎
○吉川末次郎君 本日逐條審議に入りました初めに、隊長という言葉及びこの改正案における警察官の階級についての用語といたしまして「長官、次長、警視長、警規正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査とする。」という警察官のランクについての改正案の見解に対して、人事院の当局が新らしい公務員制度を管掌していらつしやる建前からの御意見をこの際に承わつておきたいと思つております。それからもう一つは、現行警察法には法規の上において、規定されておらないところの警規正という階級を現わす用語を使つて、それを職名化していることがもう現在すでに行われておるのでありますが、それは現行法によるところの警察法の法律違反ではないかと考えられるのでありますが、それについても、人事院のほうからの考え方をこの際承わつておきたい。それからその後に大橋法務総裁からも、又あとから申しました警視正という言葉を使つておるということが法律違反ではないかということについての御見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/72
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073・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 私お答え申上げますが、第一のお尋ねの警察官の階級或いはランクとおつしやいましたが、これは私ども人事院側といたしましては、強いて解釈いたしまして、職階法上認められておりますところの行政組織運営上、又はその他公に必要な名称をそれぞれお使いになつておるわけでありまして、そのような名称を使うことは法律上当然許されておるわけでありまして、それに該当するものと考えておるわけであります。従いましてこのランクが直接に職階法上の職種又は職級と一致するものとは考えておりませんが、只今申上げました通り、行政組織運営上の名称として差支えない、こう存ずるわけであります。又第二のお尋ねの、警視正という名称が法律上ないが、それを使うことが違法ではないかというお尋ねでありますが、これも必ずしも法律の名称でなくても、例えば国家公安委員会のような行政委員会におきまして、その委員会の権限といたしまして、それぞれ適当な手続で組織上その他公の便宜のために名称を用いることは当然許されておることと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/73
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074・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 現行警察法を拝見いたしまするというと、第十五條におきまして、「国家地方警察本部に、国家公安委員会の定めるところにより、次長一人、部長五人以内、警察官その他所要の所属職員及び機関を置く。」、こういうことになつておりまして、置いてある職員につきまして、細目的にその職務等を示し、名称を付けることはこの範囲におきまして法律上差支えない、かように存じております。なお都道府県に所属いたしております職員につきましては、第三十九條の規定によりまして、「都道府県国家地方警察の機関及び職員に関する細目的事項は、国家公安委員会がこれを定める。」、この規定によりまして、国家公安委員会がその権限によつて定めております基本規定におきまして、これらの細目的な事項として、或る職員については或る種の名称を定めるということは差支えない、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/74
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075・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/75
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076・吉川末次郎
○吉川末次郎君 そうするとですね、法律上、例えば、今度の改正法案には階級名として、ここに掲げられておるような名称を挙げておるのでありますが、なおこれ以外に、例えば警視総監であるとか警視総長であるとか、或いは警視正以外に警視副正とか、或いは警部や警部補以外に警士であるというような勝手な名称を幾らこしらえて使用してもいいというようなことと思いますが、これでは第十五條の二の規定というようなものが非常に無視されたことになると思うのでありますが、極端にいえば要らないとも考えられますが、それについての御見解は如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/76
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077・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 法律的にはさようないろいろな名称をなおたくさん作るということも考え得ることでございますが、併しこの法案におきまして特にこれらの名称を掲げましたのは、階級といたしましては今後はこれだけにいたしたいという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/77
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078・吉川末次郎
○吉川末次郎君 同様に人事院のほうからの御見解も併せてもう一度承わりたいのでありますが、なお人事院のかたに特に来て頂きましたのは、先ほど来、私のみではないのでありますが、第一に隊長という名前が何ということなしに軍隊的な感じを与えるように思われるということ、それからこうしたいろいろな階級名を作る、又特に法律に規定があるにもかかわらずそれ以外の勝手な階級名を作つて使用するというようなこと、なかんずくこうしてたくさんのこういう階級を作るというようなことが、国家公務員法の基本的な精神の建前からどういうように考えられるのであるか。国家公務員法を作るときには私も委員だつたのですが、その後條文等も余りよく見ておりませんが、今日もよく調べておりませんが、そういうことを特に人事院のほうから御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/78
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079・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 重ねてお尋ねでありますが、お答え申上げます。御承知のいわゆる職階法の十條にはこう規定してございます。即ち職員には、今後その占める官職の属する職級というのがきまるのだけれども、職級というものがあるからといつて、その他に、行政組織の運営その他公の便宜のために、組織上の名称又はその他公の名称を用いることを妨げるものではないと、こう規定してありまして、警察の運営の必要上、警察法或いは国家公安委員会の規則で適当な警察官のランクを定めることは、国家公務員法の精神に反するものではないと存じております。又更に国家公務員法、それに基く職階法によりまして、職階制の実施の準備が着々進んでいるわけでありますが、この職階制は御承知の通り、これは吉川さんは、第一回の国家公務員法を御審議、議決頂いたわけで、よく御存じでいらつしやる通り、職階制は官職をその職務と責任に応じて縦と横に分類するわけでありますが、現在の人事院の職階制の実施の進捗状況を申上げますと、警察職種というものがこれは確かに存在することは決定いたしまして、そういう職種がある、その警察職種の中で上は長官から下は巡査に至るまでの職務と責任を適当に一定の基準によつて分けて行くと、現在のところ九つの職級がある、即ち一級から九級までの職級が存するということを私ども認めておるわけでありまして、従いまして職務と責任というものがかなり警察官の上から下まで分れた、従つてこのランクを示す組織上或いは公の名称におきましても相当多数の名称が使用されるのは当然であろうというような気がいたしております。又法律のほかに、国家公安委員会規則におきまして、適当な名称を用いますことも、これもそれぞれ適当なことであろうと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/79
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080・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 第十五條について御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/80
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081・相馬助治
○相馬助治君 加藤政府委員にお尋ねするのですが、この警視長にいう言葉ですね。我々が法律を作る場合には、迂闊に日本人の持つ語感というようなことを考慮せずに作つて、あとで非常に困る場合がたくさんある実例を知つております。これは非常に困る例であると私は申すのじやないのですが、警視長の長は開発庁の庁でなくて村長の長ですねというような説明を付さなければならない。これはまあ語感上問題があろうと、こう思うことが一つ、それからちよつと休んでいてなんですけれども、どなたか触れたかと思いまするが、警視という者に対する昔流の考えをいたしますると、お巡りさんが警視になつたということはもうすばらしい出世であつた。ところが最近安直に警視になる。そこで今度はその威容を整えるために、これを又細分して警視長、警視正、警視とこう仰々しくやるのでありますかというような見当違いのごとき議論が、実は見当違いでなく出ると私は思うのです。従つて本質的にこういうふうに分けることに対する疑心を持ちますが、先ほど石川委員から質問があつたように思いまするので、それらについても御意見が聞かせて頂けたら聞きたいし、特にこの語感から来る警視長、これはなんとかならなかつたものか、これを一つお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/81
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082・加藤陽三
○政府委員(加藤陽三君) 只今の御質問になりました警視長の名称についての語感の点は、全く御同感でございます。そういうふうな感じがあるということは考えるのでございまするけれども、併し一面警視の上に適当な階級の名称を考えるといたしますれば、我々の想像し得る警察組織から申しまして、警視長、警視正というふうな言葉が検事などの職制などを考えて見ましてもすぐに頭に来るのであります。そういう点も十分考えたのでございますし、私自身もほかにいい名前はないかといろいろ考えましたけれども、結局これよりほかにないのであろうという私自身は結論を出しておるのであります。それから警視の上に多くの階級を作る点についてのお尋ねも御尤もでございますが、今までは旧制度の警察におきましては警視の上は警察部長であつたのであります。警察部長に相当いたしまするものが今度の改正では警視正、警視長、こういうふうなものにまあ相当するように考えておるのでありまして、御意見の点は私ども考えさせられる点があるのでございますけれども、やはり実際の必要ということを考えますると、これくらいの階級は必要ではなかろうかということを、その実際の必要の面から考えて改正案に書いたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/82
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083・相馬助治
○相馬助治君 些細なことをしつこいようですが、これは国家地方警察の場合ですから、この警視長という名前も長の説明をすれば事足りますが、当然こういう職階制を表わすような名前というのは、将来警察法が根本的に改正になつた場合におきましては、自治警察のほうも考えておかねばならない。そういたしますと、これは語感上の問題でなくなるわけでございます。警視長の長は長野県の長である、大阪の警視長、そうすると大阪警視庁警視長何何というようなことでは、これは誠に困つたことに相成るのでありまして、これを私は今一つだけ取上げてどうこうと言つているのではなくて、草案を作るとき問題にならなかつたのですか、それとも何か代案はないのですか。これを一点お尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/83
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084・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 只今名称の問題が出たのでございますが、最初考えますときにいろいろ考えました。いろいろ考えましたあげく、結局これしかないということに落着いたのであります。現在東京の警視庁でも或いは大阪の警視庁でもこの階級をすでにお使いになつております。東京の警視庁でも、警視総監、その次には警視長、警視正、もうちやんと使つてその通りやつておられるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/84
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085・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/85
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086・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。ほかに御質問ございませんか。それでは一点私からもお尋ねしておきますが、連合委員会で誰かからお聞きになりましたが、長官、次長を警察官の中に入れられた理由、それから十五條はそのままになつておるんですが、十五條の第一項に「次長一人、部長五人以内、警察官その他所要の所属職員」とこうあつて、次長は外に出ているように思うのですが、それとは別ものであるかどうか、それらの点についてはつきりしておいて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/86
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087・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 長官、次長もこの第四條にありまする三万人を超えない警察隊という中に入つております。これは入らざるを得ないのであります。従つて長官、次長も警察官、これはこの法律施行の当初からさように取扱われております。従つて今までは長官、次長というのは警察官であつて、そして一つの階級である、同時に職名である、かように解釈をいたしておるのであります。次長も階級であり、又同時に今まで流の考え方で言えば職名である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/87
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088・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それじや部長五人以内というその部長は職名だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/88
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089・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 部長は職名だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/89
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090・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか。それでは次に移ります。
第十九條に次の一項を加える。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/90
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091・加藤陽三
○政府委員(加藤陽三君) 第十九條の改正でございますが、第十九條は警察学校の規定でございます。現在の規定によりますると「各警察管区本部に管区警察学校を附置する。管区警察学校は、国家地方警察の新任及び現任の警察職員及び要求のあつたときは自治体警察の新任及び現任の警察職員を訓練する。」その次に、「管区警察学校及び警察大学校は、国家地方警察がこれを維持し運営する。」、こうなつているのであります。それで今回は更に一項を追加いたしまして、「管区警察学校及び警察大学に在校する警察官は、五千人を限り、これを第四條第一項の定員の外に置くことができる。」、こういたさんとするものであります。この理由は、先般来の御質疑によりまして大臣なり政府委員から説明がありましたが、第四條第一項の定員と言いますのは、今も長官から説明いたしました国家地方警察の警察官三万人という規定でございます。この三万人の定員のほかに五千人を限つて管区警察学校及び警察大学に在校する警察官を置くのであるという趣旨の改正規定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/91
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092・吉川末次郎
○吉川末次郎君 数の問題については先ほど大蔵大臣から説明を聞きましたが揚げ足取りなんかいだしませんが、ただ大蔵大臣は最初二万名の増員の要求があつたけれども、装備の充実を期することによつてそういう増員をする必要がない、丁度私たちが先般来申しておりまするのと同じような基本的な観念に立つておるということを見たのであります、閣僚の一人が一人財政的な面に、勿論大蔵大臣であるから偏しておるのでありましようが、全く対蹠的な見解に立つていらつしやると考えるわけなんです。それについては先ほどの大蔵大臣に言いましたような、我我と共通する増員の必要なしという見解、それについてもう一度法務総裁からの見解を承わりたいと思うのであります。法務総裁のごとく二万名必要であるということを要求せられて、そうして我々に答えました大蔵大臣のような基本的観念に立つて装備の充実さえして置くのならそれでいいというようなことでだんだん妥協されて、結局のところ五千名で落付かれたというようなことは、何か初まりから言つていることが極めて懸引であつたような、それこそ大阪商人の掛値のような感じがするのでありますが、そういうことも併せて一つ御答弁願いたいと思います。それからもう一つは、これは自分で調で調べるべきであるのでありますが、御提出になつておる資料の中で調べればわかるかも知れませんが、今日十二万五千名という警察定員になつて、これを十三万名に殖やそうとしていらつしやるわけですが、この警察法制定実施前の日本の警官の数を、一つ正確に詳しく増加されて行つた極く概略を年次別にこの際一つお示を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/92
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093・大橋武夫
○国務大臣(大信武夫君) 第一の点についてお答えを申上げます。大蔵大臣の先ほどの御答弁におきましては、二万の増員の公安委員会の要望に対して、これを五千人に削減した、こういうふうに申したのであります。表面的にはその通りでございまするが、実は更にこれを詳しく申上げますと、当初におきまする公安委員会の考えといたしましては、基礎定員において二万名を増員いたしますると同時に、自治体警察を収容いたしましたる際においてはその半数以内を附加定員として認めよう、こういう考え方でありました。これに対しまして、今回決定案として法律案の内容をなしておりまする考え方は、基礎定員において五千に増加をとどめますと同時に、自治体警察より収容いたしまする場合におきましては、自治体警察の現在員数そのままを附加定員に加えて行こう、こういうことになつておるのでありまして、自治体警察の廃止ということが全然ない場合におきましては、これは確かに一万五千削減になるわけであります。併し自治体警察が法律の規定に基いて廃止を認められておりまするもの全部がことごとく廃止された場合におきましては、約五千人だけ削減された結果になるわけであります。恐らく実際実行に当りましては、この一万五千と五千の間のどこかで納まることと存じますが、それにしましても実質上当初の計画より増員が減少いたしておることはこれは事実でございます。この減少に対しましての考え方といたしましては、行政整理等が一方に考えられております際に、単に警察のみ増員をするということはこの際適当ではなかろう、それよりもむしろ増員を最小限度に圧縮いたしまして、その代りといたしまして給与の改善なり、或いは装備の充実と、こういうことを図ることによつて警察の能率を増進しよう。こういう考えにまとまつたわけでありまして、現在におきましては、政府といたしまして、殊に私といたしましては、大蔵大臣のそういう考えに全く同調いたした次第であります。第二の点につきましては、政府委員からお答えを申上げることにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/93
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094・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 新警察法を発足いたしまする当時の員数は約九万五千である、こう称されておつたのであります。その九万五千を自治体警察の定員として新たに国家地方警察三万ということに相成つたわけであります。これを年次別に定員と定員がどうなつておるかというお話でございまするが、ここに持つておりまする資料で申上げますると、大正十三年のときには定員が五万七千九百六十四、実員が五万六千四百十一人、こうなつております。これが御承知のように警察官は府県で大体定員をきめて増して行くことになつておりましたが、年々増加をいたして参りまして、昭和二年には六万八百五十三人、実員が六万六百二十五人、昭和十年になりますと定員が六万六千八百七十八人、実員が全部で六万四千九百九十一人、それからその後だんだん殖えて参りまして、昭和十六年には定員が九万人になつております。一このときの実員が八方二千二百三十六人、まだ実員が十分満たされていなかつたようであります。そういうわけになりまして、戦争中も又だんだん殖えまして、昭和二十年、戦争終了の年には定員が九万三千九百十三人、実員が九万六千八百十名これは定員を実員がオーバーしておるのでありまして、応召いたしておりました警察官が復員をいたして参りました、その場合定員外に置く計らいが法律上ありましたから、実際の定員よりも実員が九万六千に殖えておる。こういう状況で新警察法に入つたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/94
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095・吉川末次郎
○吉川末次郎君 詳しい御説明甚だ結構ですが、今御答弁願つたようなことを、我々頂いておる資料のどこに載つておるか知らして頂きたい。それからこれも或いは私見と言われれば、意見の相違と言われれば何ですが、先に大蔵大臣の答弁に関連してのどなたかの質問に対して大橋総裁は、警察力の増加には、先ず第一には人員を増加すること、そして第二にはその装備を充実することであるという御答弁で、そういう御表現のお言葉があつたの寿ありますが、ともかくも現在のとこの改正案とは五千人の相違で、パーセンテージにいたしますると、必ずしもそれほど大した増員じやないのであります。そうした僅かばかりのパーセンテージの数の増加を図るということよりも、現在でも十二万五千の警察官があり、国家警察が三万あるのでありまするから、第一義的に装備の充実を図つて行くということが、こうした五千人の増員よりも先でなければならぬ。装備の充実のほうが、こういうような五千人の増員よりも警察力充実のためには先行しなければならないというように我々はどうしても考えざるを得ないのでありますが、もう一度一つそれについての法務総裁の見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/95
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096・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 誠に御尤もな御説とは存じまするが、現実の問題といたしまして、現在国家地方警察におきましては、一定の計画に基いて定員を配置いたしておるのであります。そうしてこれらの配置せられたる部署におのおのがついて、おのおのの職務が予定されておるのでありまするが、併し現在の実情は、在学をいたしておるもの留守の間に、その部署を代つて守るという人がないわけでございまして、それでどうしても警察の運営のために最小限度これだけの定員を増加したい、こういう趣旨でございます。勿論学校に入つておりまするということは、これは常時五千人程度の者が交代しながら入るわけでございまするから、国家地方警察におきましては、あらかじめそれだけを差引いた残りを以て部署を編成するということも考え得るところでございまするが、併し何分にも国家地方警察の受持の範囲というものが非常に広大な区域に亘つておりますし、且つ又農村地帶でございまして、その配置も非常に広い範囲に亘つて稀薄な位置をいたしておりまするので、これを一層整備いたしまして集約的に人を配置するということが事実実行に困難があるわけでございまして、今回止むを得ずこの五万人を増員し、もとよりこの増員をいたしましたところで、なお警察力はこれを以て完全なりということはできませんので、これに対しましてはできるだけ装備を充実するということによつて補いをつけて参りたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/96
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097・吉川末次郎
○吉川末次郎君 従来とも警察官の学校のようなものは昔から私はあつたと思つております。名は警参官講習所と言いましたか、何だかそういう名だつたと思いますが、そういう学校に絶えず入れて訓練をするということは昔からのことなんで、今に始まつたことでないのでありまするから、何か学校に入つておる者だけを定員の除外員数に置くというよとは動機が極めて便宜的な、真意がそういうところ以外にあるということを感ずるのでありますが、もう一度そういう私の申上げることについての御答弁を願いたいと思います。それから第二には、今の私の御質問申上げていることに的確に該当していないのでありますが、結局こうした定員数の僅かのパーセンテージの増加ということよりも、装備の充実のほうが先行すべきものであると考えるのであります。見解について数を殖やすということをあなたは先行すべきである、そのほうがよほど充実のために臓それのほうが大事だという御答弁が先ほどあつたのでありますが、私はそれは装備の充実の次に考えるべきものであるということについての明確な御答弁を願いたいと思います。それから資料のことについての御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/97
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098・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 警察の学校というものはこれは昔からあるわけでありまするが、警察法施行以後におきましては、特に新らしく大規模に警察官の現任教養、即ち職務に従事しておりまする者の再教育ということが行われたのでございまして、この点は従来の旧警察時代にはなかつたことでございます。勿論旧警察時代におきましても、新らしく警察官を拝命いたしまする前において相当期間の教養を受けた、それから又階級が上る場合にその上る候補者の人たちが上の階級の準備のために教育を受けていたということはございまするが、今日のごとくすべての警察官につきまして定期的に長期に亘る再教育をいたすということはなかつたわけでございます。この点は昔の警察の配置とは異なつて来ておるのであります。それから装備を第一にするか人員の増加を第一にするかというお尋ねでございまするが、これはその場合の実情によりまして、どちらを先にするかということについての考え方があろうかと存じますのでありますが、このたびの増員につきましては、少くとも必要なる部署に配属すべき人がないのでございまするから、これを増員によつてできるだけ補充をして配属をして行くということが先であろう、こういう意味におきまして、これを増員するという措置に出でようと考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/98
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099・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 只今の資料の点でございまするが、新警察法になる以前の各年次における定員、実員のこの資料は配付しておりませんから…。なお、従前の警察講習所の生徒はやはり定員外になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/99
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100・石川清一
○石川清一君 只今まで承わつておりますと、何も「管区警察学校及び警察大学に在校する警察官は、五千人を限り、」という文句を付けなくても四條において三万人を三万五千人にすると改正したほうが簡単でいいと思うのですが、それでは運営の面にどこか困難があるかということですか。それからここに管区警察学校は第十九條で明記されておりまするし、警察大学は第十四條で明記されております。更に第三十四條で「都道府県国家地方警察に都道府県警察学校を附置する。」と、こういうふうに同じような條項が入つておりますが、この中に府県単位の警察学校を含めなかつたのはどういう理由ですか。これはこの法律で行きますと当然強制的に学校を持たなければならんようになつておりますが、この現状についてお伺いして置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/100
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101・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 第一の点はまさしくおつしやる通りでございます。併しながら今度のこの法律の考え方は、国家地方警察の実動員を三万人にして置くという考え方でございまして、従つて大学及び管区学校に入つている警察官が、五千を割つた場合にはそれだけ減らなければならない。或いは警察大学や管区学校をやめてしまうという場合には、この五千人というものは定員に置けない。やはり含めるという場合に、実動は併しいつでも三万人を確保して行く、こういう考えでおります。それから府県の警察学校は、これは国家地方警察としましては現在初任教養をやつておるのでありまして、巡査見習生を教養いたしまして、そうして一人前の警察官にするまでの教養をやつております。現在警察官というものの現任教養は警察大学及び管区学校でやつておりますが、これは現任警察官の学校でありますから、この二つに限つたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/101
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102・石川清一
○石川清一君 実動定員を重点に置かれてこういうような條文をとられ、これに基いて警察の行政が行われるとわいまするが、現在までに何人警察官を教育が終り、一通りの教育を終るのにはどのくらろの年数がかかるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/102
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103・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 巡査、巡査部長の現在教養は一年で一回転をする。昨年までは二カ月間交代になりまして一年間で終えております。それから警部補、警部、警視というところになりますると、ちよつと一年間では終りがたい、一年半年くらいかかる。そうして一回だけ現在教養をやればよろしいというのではありません。毎年々々やはり新らしい時代の歩みと共に、警察の技術或いは知識というものも進んで参りまするし、絶えずやはり短期間であつても教養を続けるほうがよろしい、かように考えております。今後もずつと現在教養を進めて参りたいと考えております。上級の警部補それから警視に至る教養もできるだけ、一年に一回転のできるようにいたして行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/103
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104・石川清一
○石川清一君 只今のお話を承わつておりますると、実動定員はどこまでも三万と明確にいたしまして、この教養の施設が恒久的に治安の状況や時代の変遷と共に存在を続けて行く、こういう場合にはこういう條項を除きまして明確に教育の施設という條項を入れなければならんと考えますが、そういうような点についてはこれで将来いいとお考えになつておりますか承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/104
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105・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 只今のこの法律は私が申上げましたような建前で作られておりまして、先ほど法務総裁から説明もありましたように、以前にはこの管区学校という警察官吏の現在教養のみを目的とする施設はなかつたのでございます。今度設けられましたのはそういう趣旨で設けられたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/105
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106・吉川末次郎
○吉川末次郎君 先ほど来大橋法務総裁から増員か装備の充実かということについて御答弁を承わりまして、政府の御意向は大体了承いたしたのでありますが、そのときに私は装備々々と申しましたが、装備ということはあとから考えで見ますると、必ずしも的確ではなかつたと思うのでありまして、結局量よりも質の向上という言葉で申上げたほうが私の意を十分に現わすことになるかと思うのであります。即ち国家地方警察及び自治体警察間、或いは自治体警察相互間におけるところの協力関係の緊密化というようなこと、或いは装備の充実という言葉に現われているようなこと、或いは科学的捜査方法の研究というような、警察行政の実際についての科学的研究をもつとレベルを高くするということ、或いは又警官の待遇をよくするということ、そういうようなことすべてを意味しておるものであるということを、もう一度前の装備の充実という言葉を訂正する意味において申上げて置きたいと思うのであります。併しそれに対する御答弁は大体繰返しましても同じことであると思いますから、御答弁は要求いたしません。それから年次別的な日本における警官数の増嵩のことにつきましては、私が今質問いたしまして初めて私は承わることができたのでありますが、これはこの改正案につきましては最も基本的な我々の判断の重要なる資料にしなければならないものであると考えるのであります。大体におきまして、日本の国民の経済生活の程度は、戦前の昭和十一年頃の日華事変が起りましたときぐらいを標準にして、いろいろな経済政策が今日考案せられておるのでありますが、そのときには先ほどの齋藤長官の御答弁によりますると、警察官の定員数は六万六千八百七十八人というようなことで、現在の十二万五千の半分くらいであります。それで十分に警察行政が行われているのが、更に又今度それの倍になつておるのを更に五千殖やすということはどうも我々会得が行かないのですが、併しこの数字は極めて必要な資料であると考えますので、私は御答弁の途中でできるだけここへ書取りましたけれども、更に明細に、又明確を期するために、多分会期が五日間延びるということが大体公算が極めて大なのでありますから、今日本会議にかかりましても、又あとで我々の有用な資料になるのでありますから、もう少し詳しく先ほどお述べ下さいました年次別的な警官の定員数と当時の実員数とをもう少し詳しく書いて、そうしてそれが当時の日本の人口に対比してどういう割合になつておるかということ、それから若しできまするならば現在の自治体警察の管轄区域内と国家地方警察の管轄区域内等とに分けてそれを対照して、年次別的にわかるように若しできます。ならばして頂きたい。併し非常に時間がかかりますようであるならば、そういうものを作成して遅れても出して頂きたい。それから諸外国との比例、即ち諸外国において、例えばアメリカならアメリカにおいては、或いはイギリス等においては人口何人に対して一人の警察官が置かれておるかというような比率、そういうようなものを明細にして一つ年次別的に至急作成して各委員の手許に配付しまするように委員長からお運びを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/106
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107・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 只今吉川委員から御要求のありました調査表を成るべく至急お出しを願います。内容はわかりましたね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/107
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108・竹中七郎
○竹中七郎君 私はもうこの十九條とはちよつと違いますが、大体これに関連した人員の問題でありますからお伺いいたしますが、実動というのは現場に働く人も事務をとる人もこれは混ぜまして実動と申されておるように感じますが、これは警察官のうちで本当に実動して現場に出られるというような人と、事務的或いは監督的になられる人、階級で言いますならばどこらへんがそういうことになるか。必ずしも警部の人でも或いは警視正の人でも出られるかもわかりませんが、大体その点におきましてどういうパーセンテージになつておるのでございますかということをお伺いしたいのであります。それからこれに今の吉川さんの御質問とも内容はちよつと似ておるかもわかりませんが、実際終戦後におきまして人権の尊重、或いは刑事訴訟法の改正、或いは事件が非常に多くなつた、こういうような関係はどんなふうになつておるか、そのために警官が今までは人権を無視してどんどんと引張つて調べたから非常に人数が少くてもできたが、それがそういうことがないというと、今のまだ訓練せられん警察官が人権を非常に尊重するために人が余計要る。民主化された民主化とその現実とは離れておるというような観点が私たちにはちよつと見えるのでございますが、この点につきまして今まで十人の実動警察官でやつたのが、今では十五人くらい、そうすると、五〇%となるが、仮に三〇%余分に要る、こういうようなお答えが願いたいのであります。それを先ず第一に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/108
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109・中川淳
○政府委員(中川淳君) 実動の警察官のパーセンテージがどのくらいかというお尋ねでございますが、このたびの改正に関連いたしまして実動警察官、実動警察官と申しておりますのは、学校の教養施設に収容されておる警察官と、いない警察官、第一線におる警察官のことを実動警察官と言つておるわけでございますが、只今のお尋ねはその警察のランクによる実動はどうかというお尋ねのように伺いますが、その点でお答えいたしますと、いろいろなランクで考えましたり、或いは本部勤務の者は実動ではなくて、警察署以下の勤務の者がこの実動だ、そういうふうにも考えられます。併しランクで申上げますと、丁度手許にパーセンテージをとつたものがありますので申上げます。尤もこれは国警ができた当初のパーセンテージで少し変つておりますが、大した異同でございません。大体警察の第一線は巡査と巡査部長でありますが、この合計が七九・七、丁度八割までが巡査、巡査部長。それから警部補以上が二〇・三、大体二割、こんなことになつております。もつと詳細にもございますが、大体このくらいであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/109
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110・竹中七郎
○竹中七郎君 それから今の問題ですが、人種擁護とか刑事訴訟法や何かが改正になりまして、そのためには昔の警察官と同じでいいかどうかということを長官にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/110
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111・斎藤昇
○政府委員(斎藤昇君) 刑事訴訟法は勿論、殊に人権尊重という面から警察の職務の執行ということに相成りますると、どうしても以前よりは大勢の警察官が必要になるというようなことはこれは当然なことであります。ただ我々はできるだけそれらを、今吉川委員からもおつしやいましたように、教養の面とそれからもう一つは科学的捜査の方法及びその設備というものとも相待たなければならんと考えておりまするけれども、手数が以前よりも非常に多くかかつて来たということは、これは否みがたい事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/111
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112・竹中七郎
○竹中七郎君 それでもう一つお伺いしますが、これは国警長官のほうで大体おわかりになると思いますが、自治体警察ができまして、今までは県の警察本部でやつておりましたから、只今の巡査部長、警部は違いますが、実際小さい自治体警察がたくさんできた。そうするとそこで実動といいますか、広い範囲でなく狭い範囲で実動の人と現場の関係が相当違つておると思います。そのパーセンテージはどれくらいになるかということはわかりませんか。終戦前とあとにおいて自治体警察についてどれくらい違うか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/112
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113・中川淳
○政府委員(中川淳君) 大体こんなことじやないかと存じます。小さい警察署は最低六人乃至七人でありますが、これはお聞きのように警察長と主任級と第一線と丁度半々くらい。或いはむしろ頭のほうが重く、第一線の巡査は二人くらいというような所もあります。それから大きくなるに従つてピラミッドの底辺が非常に広くなる。と申しますのは、大都市の警察署におきましては交番勤務、最近は交番は廃しましてパトロール・システムになつておりますが、それにいたしましても実際に管轄を持つて歩く警察官が非常に多い。こういう警察官たちは三部制乃至四部制をとつておりまして、一つの部署場を三人乃至四人で持つております。そういうわけでありますので、国警のほうでは駐在所勤務でありまして、一つの部署に、一人しかいないというようなことで非常に違つております。自治体警察の大警察署におきましても、監督者、殊に本部のほうの幹部の者はもう二部制などをとつておりませんで、完全なる一部制でありますから、下のほうだけ三部制四部制をとつて非常に人数が多い。そういう関係にあつてこの正確なパーセンテージは存じませんが、東京、大阪の警視庁あたりは巡査が非常に多いパーセンテージを占めているということが想像されるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/113
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114・竹中七郎
○竹中七郎君 それから六大都市の警察官というのは戦前よりか大体パーセンテージはどれくらい殖えておりますか。この点を一つ伺つて置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/114
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115・中川淳
○政府委員(中川淳君) 正確な数字は存じませんが、東京警視庁が大体倍くらいになつていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/115
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116・竹中七郎
○竹中七郎君 それに関連いたしますが、全体に対して今までまあ一部制、例えば鉄道職員か何かがやつている踏切番というのは一人でやつておつた。これが今の労働基準法によつて八時間制度になつたために三人でやらなければならない。そういう関係で、終戦後のいろいろな法律の関係だけで殖やさなければならないという点と、六大都市もそうでありますが、特に殖えた。こういう点、どうしても殖やさなければならないというパーセンテージは、終戦前と終戦後とどれくらい違わなければ、終戦前の警備をやるに対して現在ではどれだけあればいいか。これがなければ今の十万人というのが十二万五千にもなつて、それで多い或いは少いというような議論が出て来るもとであると私は思います。そういう点をもう少しはつきりとお知らせ願いますとこの点につきましては我々はよくわかる。そうでないと終戦前は十万か或いは九万しかなかつた、今度は十二万五千あるのに又殖やすというのはおかしいじやないかという私たちは感じがぴんとするのであります。この点をそういう問題でパーセンテージにした、或いはどうしても事務やその他においてやらなければならんというようなことも、もうちよつとお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/116
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117・中川淳
○政府委員(中川淳君) 国家地方警察のことについて申上げます。大体現在国警の三万人の警察官の中で、官庁の定時勤務は現在一週四十四時間勤務、これによりまして勤務いたしております者が丁度半数、一万六千八百人ばかり、それからそれを超えまして五十時間内外の勤務をいたしております者が残りの一万五千人ばかりであります。それでただ時間割だけから申しますと、特別に勤務制度によりまして増員の必要はない、そういう印象を持つのでありまするが、これは一応現在の労働基準法に基きまして割当てた数でありまして、例えばこの中で刑事などは、刑事は実際毎週四十四時間勤務の割当てに当つておる職権でありまするが、四十四時間勤務で日が暮れてしまつたならば家へ帰るというような刑事は現実におりません。それから看守勤務あたりになりますると、八時間ずつ勤務いたしまして、これは四六時勤務でありますから三交代要るわけでありますが、そうして一人ずつではいけなくて二人勤務にいたしますと、そうして交代員、非番員等を考えますと、一警察署につきましても相当人数の警察官を置かなければならないわけになりますが、現在看守勤務の專任を置くわけに参りません。現在国家地方警察の看守任務に従事しております者が、一警察について一人半程度であります。留置人が多い場合には内勤巡査を廻し、或いは駐在所から引上げて看守に当らせるというような状況で、実際勤務が非常に時間を超過して勤務しておる、過労の状況にある、さように申上げるべきだと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/117
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118・相馬助治
○相馬助治君 私は議事進行について動議を出します。会期が本日で打切られまする場合には休憩のままいてこの委員会を再開することにして、それから会期が延長せられましたならばそのまま散会することにして、一応本日の審議を打切ることを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/118
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119・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 只今相馬君から休憩の動議が出ましたが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/119
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120・岩木哲夫
○岩木哲夫君 私は相馬君の御意見は非常に円満な御発言だとは思いますけれども、併し会期は三日になるか、或いは二日になるか、或いは五日になるか、或いはならないかもわからんというような状態なので、その会期の延長の日数次第によりまして、ちよつとそれに無條件に賛成するには行かない。そこで今特に休まなければならんというのは、あなたのほうの党の御都合によることで、連日お忙しいのでありましようが、あれやこれやの重要協議はいずこも同じであります。で、そればかりに捉われるというのもおかしいので、もう少し具体的な御協議はできないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/120
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121・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/121
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122・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/122
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123・石村幸作
○石村幸作君 休憩というのは、いつまで休憩ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/123
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124・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 再開まで……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/124
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125・相馬助治
○相馬助治君 これは休憩にしておかないと、今日散会ということになると、会期が延びないということもあるのです。それでは皆さんのほうもお困りでしよう。そこで私はそういうふうに休憩にして置くということを言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/125
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126・安井謙
○安井謙君 相馬君の御発言に異議ありませんが、若し延長になつた場合、ぎりぎりまでだらだらやるのもどうかと思いますので、この段取りだけは一つ今日なり明日なり至急つけて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/126
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127・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 理事のかたにお諮りいたしますが、これを休憩時間におきまして、吉川理事もお差支えなければ、委員長理事の打合会を開きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/127
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128・吉川末次郎
○吉川末次郎君 会期延長せられるかしないかということが決定したときでいいでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/128
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129・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それではこれで休憩いたします。
午後四時三分休憩
〔休憩後開会に至らず〕
出席者は左の通り。
委員長 岡本 愛祐君
理事
堀 末治君
吉川末次郎君
竹中 七郎君
委員
石村 幸作君
高橋進太郎君
安井 謙君
小笠原二三男君
相馬 助治君
西郷吉之助君
鈴木 直人君
岩木 哲夫君
石川 清一君
国務大臣
法 務 総 裁 大橋 武夫君
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
政府委員
人事院事務総局
法制局長 岡部 史郎君
国家地方警察本
部長官 斎藤 昇君
国家地方警察本
部総務部長 加藤 陽三君
国家地方警察本
部警務部長 中川 淳君
大蔵省主計局長 河野 一之君
事務局側
常任委員会專門
員 福永與一郎君
常任委員会專門
員 武井 群嗣君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014720X04519510528/129
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