1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月十五日(木曜日)
午前十一時三十三分開会
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本日の会議に付した事件
○熱管理法案(衆議院送付)
○中小企業等協同組合法の一部を改正
する法律案(内閣送付)
○地方自治法第百五十六條第四項の規
定に基き、日用品検査所の出張所の
設置に関し承認を求めるの件(内閣
送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X01419510315/0
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001・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 只今から委員会を開会いたします。
先ず熱管理法案について、発議者衆議院議員中村純一君より提案趣旨の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X01419510315/1
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002・中村純一
○衆議院議員(中村純一君) 今回提案いたしました熱管理法案の提案理由の御説明をいたします。
燃料並びにそれが発生するところの熱を最も有効に利用するための熱管理は国にとつては燃料資源を保全することであり、企業にとつては燃料費の合理的切下げを図るゆえんであります。従つて欧米先進諸国においてもつとにこの熱管理を実施して著しい成果を挙げているのであります。我が国は石炭その他の燃料資源に恵まれてはおりません。最も豊富なりと称せられる石炭でさえもその埋蔵量は世界第六位であつて世界全量の僅か〇・二%に過ぎないのであります。殊にこれらの燃料はいずれも消耗品であつて再生が不可能であることを忘れてはなりません。而も燃料利用に関する我が国の技術は遺憾ながら欧米諸国に比較して著しく遅れているというのがその真相であります。従つてこの幼稚な技術と而して貧弱な資源を擁する我が国が経済自立を達成するためには熱管理の強化推進が絶対不可欠の要件となるのであります。
我が国においても昭和二十二年以来熱管理規則即ち臨時物資需給調整法に基く熱管理規則の実施によつて多大の成果を収めて来ているのであります。併しながら熱管理の重要性から考えましてこの際本格的單行法を制定して熱管理体制を恒久的に確立する必要があると痛感いたす次第であります。なお本法の制定は燃料を使用する各企業関係者のひとしく熱望するところであります。
以上熱管理法案提出の理由を御説明申上げると共に御審議の上速かに御協賛下さるよう御願い申上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X01419510315/2
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003・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 次に中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件について、提案趣旨の御説明を願います。横尾通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X01419510315/3
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004・横尾龍
○国務大臣(横尾龍君) 先ず今回提案いたしました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明いたします。
中小企業等協同組合法には、商法の規定特に株式会社法の規定を若干準用しておりますので、本年七月一日より実施になります商法の一部改正に伴い所要の改正を行う必要があるのでありますが、なおこの機会に中小企業等協同組合法施行後一年有半の経験に鑑め所要の改正を同時に行おうとするものであります。
改正商法につきましては現在組合法において準用いたしております会社法の規定は組合制度の本質に反しない範囲内において能う限りこれを準用する方針をとつておりますが、改正の條文を準用することが組合の性格上困難な場合につきましては新たに規定を設けることにいたしております。 商法改正に伴う改正の主要な点を申しますと、先ず第一に改正商法に従い理事会の制度を設け、組合の業務執行の決定は理事会が行うこととすると共に、各理事が組合を代表する現行の制度を改め、組合を代表すべき理事を選定することを要することにいたしております。
第二に監査役に関する改正商法の規定を準用いたしまして監事の権限を会計監査に限定いたしております。
その結果、従来監事が有した業務監査的な機能を一般の組合員に認める必要が生じましたので、各組合員に対して、理事に対し責任を追及する訴を提起する権限及び必要ある場合に理事の業務の執行の停止を求める権利を認めております。
第三に理事の責任につきましては、能う限り会社の取締役の責任に関する規定を準用することにいたしておりますが、組合制度の特殊性に鑑み取締役の無過失賠償責任を認める改正商法の規定をそのまま準用することは不適当と認められますので、この点については現行法同様任務を怠つた場合にのみ責任を追求する規定を新らしく設けております。
次に組合法自体の改正中主要な点を申上げますと現行法におきましては公証人が定款の認証をすることとなつておりますが、従来の経験に鑑み、組合制度に関する知識経験の乏しい公証人よりも組合に関する指導に多年の経験と多大な関心を有する行政庁にこの認証を行わせるほうが適当と考えられますので、定款の認証は行政庁が行うことに改めているのであります。この点は組合の大多数を管轄いたしまする全国都道府県より強い要望のあるところでありまして、その結果は行政庁に於て組合の実態を常時把握することが可能となり組合の健全な発達に資するところが多いと信ずる次第であります。
次に現行法に於きましては、行政庁は組合員からの申出がなければ組合の業務又は会計の状況を検査することができないのでありますが、現在二万に上る協同組合の中にはその運営が適当でないものも相当見受けられ、その結果組合員である中小企業者に不測の損害を與えるばかりでなく、延いては組合制度全般の普及発達に対する重大な障碍となる慮れがなきにしもあらずと考えられますので、この弊害を除去するためには、組合の業務又は会計が法令、定款に違反し、又は組合の運営が著しく不当であると認められるときは、組合員の申出がなくとも行政庁が積極的に組合を検査して適当な勧告を行うことができる途を開くこととしているのであります。
以上が今回の改正を必要といたしまする理由とその内容の要点でございます。
次に日用品検査所の出張所設置に関する提案理由を御説明いたします。
本件は、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基きまして、日用品検査所の四出張所の設置について国会の御承認をお願いするものであります。
日用品検査所は、輸出品取締法による、輸出雑貨の臨検検査を行う国の検査機関でありまして、現在、東京及び大阪に本所を、名古屋及び福岡にそれぞれの支所を設置してありますか、このたび、新潟及び広島に出張所を設置して、遠隔の生産地における輸出検査に便ならしめ、又、雑貨の主要輸出港である、横浜及び神戸に出張所を設置して、税関との連絡を密にし、輸出情報の入手を容易ならしめ、包装條件の検査の強化を図り、以て検査の円滑且つ迅速な施行を図ろうとするものであります。
今回のこれら出張所の設置は、これによつて人員及び経費の増加を必要としないで検査の能率的運営を図り、輸出品の品質の向上と、海外における声価の向上に資さんとするものでありますから、よろしく御審議をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X01419510315/4
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005・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 質疑は次回に譲り、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十七分散会
出席者は左の通り。
理事
廣瀬與兵衞君
栗山 良夫君
結城 安次君
委員
上原 正吉君
松本 昇君
下條 恭兵君
椿 繁夫君
山川 良一君
西田 隆男君
境野 清雄君
衆議院議員
中村 純一君
国務大臣
通商産業大臣 横尾 龍君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X01419510315/5
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