1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月十日(木曜日)
午後一時四十九分開会
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委員の異動
五月九日委員清澤俊英君辞任につき、
その補欠として下條恭兵君を議長にお
いて指名した。
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本日の会議に付した事件
○高圧ガス取締法案(内閣提出)
○計量法施行法案(内閣送付)
○本委員会の運営に関する件
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001・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 只今から委員会を開きます。
先ず高圧ガス取締法案を議題とし、委員各位の御質疑に入りたいと存ずるのでございますが、昨日の委員会におきまして、関係各界を代表して出席されました参考人の諸君の発言を要約いたしますると、第一点といたしまして、業界が要望するのは、旧法のような取締を主とした監督行政ではなくて、高圧工業の進歩発展に寄與できるようなものであるべきこと、第二点としましては、保安審議会の運用如何が法の生命線であること、第三点としまして、法そのものよりはむしろ省令で定められる技術上の基準が業界の関心事であること、大体右の三点に盡きたように存じます。そこで審議の都合上先ずこの三点について政府当局の詳細な説明を求めたいと存じます。即ち説明を求めまする第一点は、本法において取締りと助長行政が如何に調和されて盛込まれておるのか、言換えますれば、今後の高圧ガスの取締方針はどうであるか。更に本法施行後取締りのために関係業界の発達に支障を来たすようなことはないのか、これに対する立案当局の御所見を伺いたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/1
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002・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) お答え申上げます。高圧ガス取締法はその目的といたしまするところは、法律第一條に明記してございまするように、結局いわゆる高圧ガスの製造から消費に至ります各段階及び高圧ガスの容器の製造或いはその取扱いに随伴して起り得る各種の災害を防止いたしますることによりまして、公共の安全を確保するということがこの法の目的であるのであります。言葉を換えて申しますれば、かくすることによりまして、結局高圧ガス工業、高圧ガスを使いまして行いまする各種工業、これに何らの災害なく、堅実にこれが発達して参るという基礎を培おうとするのがこの狙いであるわけでございます。現在我々の持つておりまするこの圧縮ガスの取締りに関する法律も、結局この根本趣旨といたしましては、同様な趣旨に出ておるのでございますが、この際この法律をこの新法によりまして全面的に改正をいたします機会に、更に我々といたしましては、いやしくもこの法の施行及び運用によりまして、徒らに些細な取締りに堕して、高圧ガス関係の工業の発達を阻害するというようなことは万に一つも起さんように注意いたしたいと思つておるのであります。制度自身といたしましても、この見地からいろいろと考慮もいたしておるつもりでございます。例えば審議会のごとき、その著しい一つの例だろうと思つております。審議会は、この法律の今後の運用及びその元になりまする各種の省令等の形において規定されます技術基準の制定、こういうこの本法の運用の基礎になる考え方なり、仕組みの拵え方及びそれに基きまする現実の運用面につきまして、直接に各業界の実情或いは学識経験のあるかたがたの御意見を十分に反映いたしまして、それに則つて只今申しましたような高圧ガス関係の産業の発達という面に沿いながら、この法律を施行し、運用して参りたいと、こういう見地からこの審議会を設けまして、これに非常に広汎な各種のことを諮問し、その意見を聞きながら制度を定めて運用の指針といたしたい、かように考えているのでございます。もとより取締法規でございますので、災害の発生の防止ということには万全を期さなければならんと思うのであります。災害の発生がないということそれ自身が高圧ガスの工業の基礎を確立するゆえんであろうと考えます。徒らに取締り取締りということで、消極的な面のみに陥ることがないように、現状に飽くまでも即しまして、最小限度の取締りを行いながら、而もその基準は現状に即して各工業の発達に支障のない基準を設けて参りたいという考え方であるわけでございます。法律の運用なり、政令、省令の立て方につきましては、大体以上のような建前で産業の助長に支障なく運用いたしたい、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/2
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003・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 只今の第一点の所見に対しまして、何か御質疑がございませんでしようか……。私政府側にもう少し御説明を願いたい点があるのですが、それは昨日の参考人の御意見の中に冷凍工業の問題がありまして、冷凍工業のほうとしては、この法律の第一條にありますところのいわゆる高圧ガスの製造、販売、貯蔵とか、或いは容器の製造というようなものを規制する法律には実際当らない。即ち冷凍工業においては成るほど高圧ガスが出る場合もあるけれども、そういうものは冷却用の一応仕事の終りましたガスを集めるために、材料を再使用するために措置するのであつて、この法律の目的とは大分違うのであるというようなことが随分述べられたわけでありますが、その点が冷凍関係の業者の代表意見としては、この法律の主として目的としておるところが十分理解されていなかつたように私は考えるのですけれども、この点をもう少し説明をして置いて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/3
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004・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) 冷凍工業の点につきましての只今の御質問でございますが、この法律では高圧ガスの製造を行います場合に、いわゆる法律の取締りの対象になつて、この法律の適用を受けることになつておるわけです。この場合の高圧ガスの製造と申しまするのは、必ずしも高圧ガスを作りまして、それを最終製品として販売する、こういう場合にのみ限定しておるのではないのであります。一連の作業の過程におきまして、低圧なガスを高圧に変える、こういう作業を作業行程中に持つておりまする場合には、やはりその段階におきまして、高圧ガスの製造ということが行われておるわけでございます。この限りにおいては、この法律の適用を受ける。よつて作られましたガスがそのままの形において販売されませんでも、製造行程、製造作業の過程で、いやしくも低圧ガスを高圧ガスに変えるという操作が行われておりまするならば、そこに事実上高圧ガスの製造という事実があるわけでございます。これが取締りの対象になる、こういうわけであります。これはこの法律が高圧ガスという非常に圧力の高いガス、これを扱う際に、よつて起るかも知れんという災害を防止することが狙いの一つでありまする関係上、出来上つたものがそのまま販売される場合であろうと、或いはそれが更に他の行程に使われる場合でありましようと、いやしくもいわゆる高圧ガスが作られまするならば、その段階で取締りの対象になるということはこれは当然ではないかと考えるわけであります。冷凍工業の場合について考えまするならば、冷凍工業が結局冷凍事業というものをその事業の究極の目的といたしておることは当然であります。それを行いまする際に高圧ガスを造り、それを又冷凍に使うという関係に立ちまする以上、その高圧ガスを造ります過程においてこの取締を受けることになろうと思うのであります。尤も昨日冷凍工業界を代表されました参考人の御意見にございましたように、冷凍工業も進歩をいたしておりまするので、従前のような高圧ガスによる冷凍ということから更に進歩しまして、低圧ガスを使用しても冷凍事業というものは行われるということになりまするならば、もとより当然と申しますか、自動的と申しますか、この法律の対象から離れて参ることになります。冷凍事業であるが故に本法の適用を受けるのではないのでございまして、冷凍事業を行いまする際の高圧ガスを使うという点で、本法の適用を受けることになるわけであります。勿論この冷凍事業或いは冷凍機械の特殊性というものもございまするので、取締の基準でありまする技術基準の制定に当りましては、仮にこれを適用するといたしましても、十分な考慮を拂いたい、かように存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/4
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005・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/5
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006・下條恭兵
○下條恭兵君 委員長の指定した質問の順序と違うかも知れませんけれども、私はほかの会合に出る予定もございますので、二、三、お尋ねいたしたいと思います。第一に、この法案についてお尋ねしたいのは、昨日参考人の意見でも、今委員長が指定したように、運用如何が非常に今後の高圧工業の発展を阻害するというようなことを言つておるわけであります。ところがこの法案を見ると、完全な技術的な面というものはことごとく省令に讓つて、この法律そのものはあつてもなくても、これだけでは何らの価値のない法律だと思うのです。なせもう少し詳しく省令に譲る分をこの法律の中に入れなかつたかという点を一つお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/6
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007・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) お言葉のように、この法律自身は條文の数としては相当の数をもつておりまするけれども、いわゆる技術上の基準については余り触れておらんのでありまして、これを省令に主として讓つておるわけであります。実は現行法は法律としまして僅か十二條でございまして、非常に広範囲なものを委任立法の形式で政令、省令に讓つております。それに比べますと、この法律自身といたしましても、御覧のように八十條以上というような非常な詳細なものになつておるのでありまして、この点現行法に比べますと、かなり詳細に法律自身に規定したというつもりでございまするが、併し技術上の基準につきましては、御指摘のように触れておらんのであります。これは本法の対象になつておりまする高圧ガスを使います各種の事業というものは、昨日の各界の参考人の御意見にもございましたように、或いは硫安工業というものもあり、或いは酸素というものもあり、或いは又冷凍工業がある、非常に多岐に亘つておるのであります。それぞれの事業につきましての特殊な事情があるわけであります。この技術上の基準にいたしましても、細かい技術的の検討を経ました計数、数字を並べました非常に細かいものであります。而もこれが業界の実情に応じまして、この数字というものは又時々に訂正をして参らなければならん点もできて来るような事情であります。これらの関係から、このことごとくを法律に載せますということは、却つて実情に適さん点があるのじやないかというふうに考えましたので、これを大綱と申しますか、根本の狙いを法律できめまして、この具体的な細かい計数を備えた技術基準というものは、省令のほうに譲る、但し譲るにいたしましても、十分に業界の実情を反映をいたさなければなりませんので、或いは法律上公聽会で必ず聞けという規定を設け、或いは保安審議会というものを設けまして、これに業界の権威者を集めまして、十分にその意見を聞いて、省令で各事業別に実情に即した詳細な規定を設けたいと思つておるわけであります。なお技術基準の点は御指摘のように、本法の運用の実際問題としましては非常な問題になる点だと思うのであります。本日お手許に資料といたしまして、高圧ガス取締法の技術基準の要旨というものをお目にかけて置きました。これは計数を備えておりません。内容ごとに例えば製造設備の基準についてはどういう事柄について基準をきめるということを要約いたしまして、お目にかけたものでございます。かように各種の細かい問題もございまして、その点計数につきましても、現行法の省令等にございます非常に細かい計数、これを一々検討いたしまして、大部分はそのままその数字を使えるかと思いますが、更に業界とも相談しまして、これらの数字的な点も十分検討し、整備して、そうして省令に設けたい、こういう見地から省令で取りまとめて設けることにいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/7
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008・下條恭兵
○下條恭兵君 今の化学局長の御答弁を聞いておりますと、却つてますます省令の中の或る部分はやはり法律の中に織込むほうがいいように私は思うのであります。なせかというと、まあ今局長の言われるように、確かに技術進歩が激しいのでありまして、時々修正しなければならんということは確かにあると思います。併しそれにしましても、今頂いた資料を見ましても、又我我が過去において経験した点から言つても、高圧工業というものは非常に災害が多い関係で、どうしても当局としましては取締のほうに重点を置くことになつて来るだろうと思うのでありますが、それが昨日の参考人の意見の中には強く出ておつたと思うのであります。従つて私はこの際現行の省令又は今この法律に基いて実施しようという通産省の省令の案を資料として提出して頂きたいと考えます。
今一つお尋ねしたいのは、この法律を見ますと、都道府県知事の認許可の場合が非常に多いと思うのでありますが、この保安審議会は下部機関のような、府県にもこのような委員会をお作りになるような考えがおありなのか、ないのか、ないとすれば、これは非常にこの審議会を活用して行きますと、役所の屋上屋のような形で、むしろ認許可のようなものが非常に手間取つたりして、実際上の弊害を生じやしないか、こう考えられますが、この点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/8
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009・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) 省令の案と申しますか、技術上の基準につきましては、この基準として定める事項につきましては、只今簡単ではございますけれども、お手許に差上げたような事項についてきめるわけであります。その内容に立至りました一々の数字等につきましては、これは法律が制定されましてから、公聴会或いは審議会を経まして、正式に決定されることになると思います。ただ先ほども申しましたように、現在圧縮瓦斯及び液化瓦斯取締法というものを長年やつておりまして、その政令、省令に極めて細かい数字も挙つておるわけであります。これは従前とも一つの基準として業界も慣熟しておりまする数字でもございまするので、自然これらが中心になりまして、これにはその後の業界の事情等も勘案いたしまして、これを訂正いたして参りたいということになると思うのであります。私どものほうは現行の法令、現行の施行令、省令、これにございます各種の具体的計数、これを基にして省令を作りたい、かように存じているわけでございます。それから審議会の問題でございますが、この審議会はいわゆる中央に置きまする審議会でございまして、各都道府県ごとには只今のところ審議会を設けるという考えは持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/9
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010・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) その他御質問ございませんか……。ないようでありますから、第二点の先ほど私が申上げました高圧ガス保安審議会の運用方針について、今少し詳しく御説明を頂きたいと思いますが、それは審議会の構成或いはそのメンバーとか、担当業務等について、只今政府が考えておられる腹案を述べて頂きたい。こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/10
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011・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) 高圧ガス保安審議会は、現在御承知のように委員会とか或いは審議会とか申しますものは、でき得る限りこれは数を減じて参りたいという全般的な政府の方針もあるようでございます。本法の審議会、つまり高圧ガス保安審議会は、先ほど来いろいろと御質問がございまして、御答弁申上げましたような見地から、是非これは本法の実施なり、運用なりを完全に行いますために必要であるという見地から、特に法律自身にその設置を明記したものでございます。審議会の目的といたしますところは、結局作業主任者の国家試験に関する事項、それから高圧ガス保安に関します技術的な重要事項を調査審議するということになるわけでございます。いわゆる取締りのための各種の事項も、もとよりその根本問題はここで審議されますけれども、そのほかに産業官庁であります通商産業省が本法の運用に当りますことから見ましても当然でありますように、これを通じまして、やはり高圧ガス事業というものの将来の発達のために十分なる考慮を拂いたいというふうに思つております。これにつきましても、各種のことについて同審議会の重要問題として審議をお願いすることにいたしたいと思うのであります。その構成は会長一人及び委員三十人以内となつているわけであります。関係行政機関の職員及びいわゆる高圧ガスの保安に関しましての十分なる学識経験のあるかたがたから適任者を選定いたしまして、任命することになつているわけであります。詳細な構成等につきましては、なお検討して参りたいと思うのでありますが、只今のところ例えば作業主任者の国家試験に関しまする事柄を行いまする国家試験部会或いは各種の技術基準を審議いたしまする技術基準部会というようなものを設けまして、更に又必要に応じまして技術基準部会の中にガス別、高圧ガスにもいろいろガスの種類がございまして、それによりまして技術基準も違つて参らなければならない性質のものでありますので、ガス別の分科会を作りまして、十分に審議を盡したいと、かように存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/11
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012・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 昨日参考人が述べられました意見の中で、大分けにいたしました三点につきましては、只今政府側の説明によりまして、大体御説明を頂いたわけであります。各委員から更に逐條的にいろいろと御意見もあろうかと思いますが、その前に実はこの法律は災害防止と保安を中心とした法律であるのでありまして、過去に果してこういう高圧ガスに関係した災害というものがどの程度に起きておるかという、そういう点がまだ説明を得ていないわけでありますから、この点を成るべく詳しく説明を願つて、そうしてこういうような総合した取締法案を災害防止の点から置かなければならないという理由を明らかにして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/12
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013・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) 本日お手許に高圧ガス関係の災害統計に関しまする資料をお目にかけてありすすが、この資料には最近の情勢と申しますか、昭和十五年以来の十年間の高圧ガスに関しまする各種の災害の件数、起りました損害の金額或いは人的の損害である死者或いは負傷者の数というものを数字によつてお示しいたしたわけであります。と同時に、又原因につきましても、大雑把に分けまして、それをお示ししたわけでございます。御承知のように現在も圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法というものがございまして、取締をその法律に基きまして励行いたしておるわけでございまするけれども、遺憾ながら昨年、その数字にございますように相当に事故の発生を見ているのでございます。この数字を通観して見ますと、事故の件数につきましては、大体逐年減つておらない。むしろ殖えておるというような関係になつております。事故の区分と申しますか、それを大観して見ますると、戦前におきましては、製造中の事故が比較的多くて全体の六割ぐらいが製造中の事故になつております。最近は容器の事故のほうが割合としましては総体的に殖えて参ります。半分以上が容器の事故になつておるわけであります。これは設備の補修、管理の状態がそれぞれ戦前、戦後変つて参つたということもございます。又容器自身が相当古くなつて参つたために事故が多くなつて参つたということもあるわけでございます。いずれにしましても、その表にお示ししましたように、各種の事故がなお今日あとを断たないという状態であるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/13
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014・境野清雄
○境野清雄君 この第三條の適用除外のところに、この法律を適用しない事例を挙げておりますけれども、これがこの法案と労働基準法或いは鉱山保安法、船舶安全法というものとの関連性を一つ一つについて御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/14
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015・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) この法律と労働関係の法律との関係でございまするが、この二つの体系の法律は相互に、何と言いますか、全く互いに侵犯しない関係になつておるわけでございます。これは丁度第七国会で御審議頂きました火薬類取締法と労働関係の法律と同様でございまして、労働法規はこの法律によつて何ら……、言葉は適当でありませんが、侵されることもございませんし、この法律は又労働関係の法規によつて影響を受けるということはなく、それぞれ相並立して適用して参るということになつておるわけでございます。それから鉱山保安法でしたか、鉱山保安法の関係につきましては、この鉱山保安法の成立から申しまして、いわゆる鉱山、鉱山保安法にいわゆる鉱山につきましては、そちらの法律の適用を受けてこちらから外すという関係になつておるわけでございます。それから船舶安全法の適用を受ける問題につきましては、法律自身といたしましては、その関係は必ずしも明確ではございませんけれど、政令によりまして船舶安全法の適用範囲内のものはこちらから除くということによりまして、これが又同じような性質を持つておりますので、それを除くということによりまして、重複適用を避けると、こういうふうにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/15
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016・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) この附則の第一に、「この法律の施行期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内において政令で定める。」とありまして、「但し、第七十五條の規定は、公布の日から施行する。」こういうことになつております。で、七十五條の規定というのは、公聴会を開きまして、広く一般の意見を聞かなければならんということになつておりますが、そういうようなものが即日から実施に入るということになりますと、結局今まで旧法によつてこういういろんな技術基準だとか、そういうようなものがですね、大して変更されないで、第七十五條によつて実施をされて行くのではないかと、こういうような工合に一応考えられるわけですが、その点はどういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/16
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017・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) 法律全般といたしましては、附則一の本文にありますように、六ヵ月を越えない範囲、準備期間もございますので、半年の準備期間を頂きたい。こういう意味であります。但しこの法律を実施いたします際には、この法律だけでなく、例えば各種の技術基準に関する省令の規定、結局七十五條にございます各種の命令の規定を作りまして、そうして法律と同時に各種の命令も実施に移らなければならんわけでございます。そうしますと、それらの各種の命令を作るについては公聴会の意見を聞かなければならんわけであります。命令を作るために公聴会の意見を聞けということになつておるわけでございます。従いまして法律と一緒に命令を施行するためには、その前に公聴会の意見を聞いて、命令の原案を作を作つて置かなければならんおけであります。そのために七十五條の公聽会の意見を聞けという規定だけを、省令を制定する準備を完成するという意味で、先に施行することにいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/17
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018・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) それから更に第三十五條ですね。保安検査の場合に「都道府県知事が毎年定期に行う保安検査を受けなければならない。」というのがあります。但し書きがありまして「但し通商産業省令で定める場合は、この限りでない。」というのがあります。昨日の参考人の御意見の中でも、硫安工業などにおきましては、若し政府のほうで特に指定した日時に検査を行うということになりますと、その結果一カ月ぐらい操業に影響を及ぼすような問題が起きて来る。従つて今までの慣例から言えば、工場の中で他の部分において故障等がありまして工場全体の操業に影響を受けたような機会を利用して、高圧部分の検査を自主的に行なつておつた。従つてそういうようなことが今後も行われなければならないということが力説されたと思うのですが、尤もこの法律の重点は保安を完璧にするということは勿論でありますけれども、やはり操業に支障を来たさんようにすることも眼目でなければならんと思うのでありまして、その辺の関連性をどういう工合にお考えになつておるか、これを承わつて置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/18
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019・長村貞一
○政府委員(長村貞一君) 保安検査の問題につきましては、昨日も参考人のかたがたから貴重な御意見が出たわけでございます。私どももとよりこれは実施上は一つの大きな問題であると考えまして、慎重に検討しておるわけであります。保安検査の問題は、例えば保安検査の方法の問題であります。これにつきましても、昨日参考人、殊に硫安関係の業界を代表する参考人から御意見があつたわけであります。結局は本法の対象の業態が各種に亘つておりますので、それぞれの業態に応じた合理的の基準を作るということに盡きるのだとは思つておりまするけれども、具体的の問題といたしましても、学問的にまだ必ずしも、解決の付いていない面がございます。例えば高温、高圧反応等のようなもの、耐圧試験、圧力を決定することが困難である。検査を行うことが不適当である。こういうようなものにつきましては、この只今御指摘になりました三十五條の但書、「但し、通商産業省令で定める場合は、この限りでない。」というこの但書を活用することによりまして、当分の間検査の対象から除くという方法をとつて、実際の工場操業と矛盾しないようにしたい。もとより保安審議会におきまして、どうしたらよろしいかということを検討することも当然でございますが、この但書の運用によつて現実の生産とぶつからないような用意もいたしておるわけであります。又検査の実施時期につきましても、昨日参考人から指摘されましたように、毎年何月何日、機械的に一律に日をきめるようなことはいたしませんで、工場の定期修理を行いますときを利用しまして検査をするというような方法をとりまして、いやしくも工場操業に支障を来たすということは絶対にしないつもりでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/19
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020・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) ちよつとお諮りいたしますが、高圧ガス取締法案に対する本日の審議はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/20
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021・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) それでは残余は次回に譲ります。
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022・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 次に計量法案を議題にいたします。先ず最初に御報告いたして御了解を願いたいのは、先回の委員会で委員長に一任になつておりまする公聽会の件でございます。期日を来たる五月二十一日及び二十二日の両日としまして、所定の手続きを経て決定いたしました。公述人の人選につきましては、締切期日を待つてお諮りをすることにいたしまするが、委員各位のほうで特別に御希望の向きがございましたならば、前以て委員長までお申出を願いたいと存じます。
それでは計量法施行法案が提案付託されましたので、提案趣旨の説明を求めたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/22
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023・首藤新八
○政府委員(首藤新八君) 只今議題となりました計量法施行法案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
先に提案して御審議を頂いておりまする計量法案は、その提案の際に御説明いたしましたように、現行度量衡法に代り、計量に関する基本的統一的な制度を確立せんとするものでありますが、計量法施行法案は、計量法の施行期日を定め、及び同法の制定に伴う必要な経過的措置を講ずると共に、関係法律の改正を行うことを目的とするものであります。これを計量法の附則としなかつたのは、七十数條に亘る大部のものとなつたからであります。
さて本法案の大要を御説明いたしますと、次の通りであります。
一 計量法の施行期日及び度量衡法の廃止期日は昭和二十七年三月一日と定めました。
二 尺貫法及びヤードポンド法による計量単位の併用期間を、土地又は建物に関しては当分のうち、その他のものに関しては、昭和三十三年十二月三十一日までと規定しました。但し、メートル法使用の率先指導の意味から、行政機関は、その期日以前においてもメートル法による計量単位を用いるように努めなければならないものといたしました。
三 度量衡法による免許を受けていた製作営業者、修覆営業者又は販売営業者若しくは特殊販売者は、それぞれに計量法によつて、製造若しくは修理の事業の許可又は販売等の事業の登録を受けたものとみなすことにいたしました。
四 度量衡法の適用を受けなかつた計量器で計量法によつて新たに計量器として追加された計量器の製造、修理又は販売の事業を現に行なつている者については、新法の施行の日から六カ月以内に届出をすれば、当該計量器について製造若しくは修理の事業の許可又は販売等の登録を受けたものとみなすことにいたしました。
五 新たに追加された計量器の検定及び比較検査は、その準備の難易により、計量法施行の日から実施するもの、一年後から実施するもの、二年後から実施するもの及び三年後から実施するものの四段階に分けました。基準器検査の実施は、その準備の難易により、計量法施行の日から実施するもの、九カ月後から実施するもの、一年九カ月後から実施するもの、二年九カ月後から実施するものの四段階に分けました。容量検査は、計量法施行の一年後から実施することにいたしました。
六 新たに追加された計量器については製造者、修理者又は輸入者に対しては、その検定実施の日から、六カ月後まで、販売事業者に対しては一年後まで、使用者に対しては五年後までは、検定又は比較検査を受けないものであつても、販売又は使用することができることにいたしました。
七 度量衡法による検定証印、検査済印、比較検査成績書、正味量表記若しくは記号又は処分、手続その他の行為は、それぞれ計量法によつてしたものとみなしました。
八 通商産業省設置法、工業技術庁設置法及び地方自治法のうち計量法に直接関係のある規定に、所要の改正を加えることにいたしました。
以上、この法律案の提案の趣旨とその大要とを御説明いたしましたが、愼重御審議の上、何とぞ速かに御議決あらんことを希望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/23
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024・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 本日の法律案の審議はこの程度で打切りいたしまして、明日午後一時から委員会を開会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/24
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025・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) 明日の議題は引続き高圧ガス取締法案並びに石炭需給に関する件を取上げたいと存じます。
なおこの際委員会の運営につきまして、御意見がございましたならば、会期もあと僅かなことでございますので、十分に御協議いたして置きたいと存じますから、お洩らしを頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/25
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026・小野義夫
○小野義夫君 これはまだ政府のほうでも目下いろいろ研究中であり、又関係の方面とも交渉中に属しております。又私どもの自由党部内でもまだ研究中であつて、甚だ成案を得るとか、或いは一定の結論に達しておる問題ではございませんが、最近この過燐酸肥料という肥料の中の一大要素でございまして、御承知の硫安、過燐酸というのは二大眼目、特に石灰窒素、同じ窒素肥料で石灰窒素、それから外国輸入の加里と、こう三大の肥料の一科目で、今日の金額で申しますと、大体百五十億円くらいに該当する肥料であります。この肥料は御承知のごとく、前会議でもその補助金が最後のものとして、輸入食糧に関する補助金と対立的に、燐鉱石だけはどうしても補助金を継続したいという強い要望の下に補助金が継続されておる。それは前は年額二十五、六億であるが、今度は三十億にもなんなんとするものでありますが、而して七月頃に今予定されておるところの補助金なるものは一応終了するものと見られるのですが、七、八月に続いて補正予算でも出れば、一番先に燐鉱補助金というようなものがやはり出て来るような性格を帯びておる。この問題が補助金があるために、その筋のこの価格問題と非常な関係があつて、何らか法的手段によつて価格を抑制若しくは制限するのやむを得ざるに立至るのではないかという今傾向にあるのであります。然るところこれは若しやるとすれば、肥料の一角、過燐酸のみにそういうことをきめても甚だ不公平であるのみならず、なかなかこの過燐酸の肥料業者というものは、今日の景気に便乗することができずして、どの会社でも株価は五十円内外を低迷しておる。恐らく会社は十幾つかあります、二十会社近くもあると思いますが、いずれも成績不良の状態にあるのです。そこへ持つて来て、そういうような一つの制限価格ということになりますれば、非常に経営困難が起つて来るし、ひいてはこの製造も十分にやれないというような実情に至るのでありして、目下この点につきましては、官庁におきましても非常に努力をして何か適当な途があることを、ここにおられる政務次官首藤先生を初め、非常に皆御盡力を賜わつておるのでありますが、併しおの問題は農林行政とも、つまり商工業たる肥料製造業と、農業のみに盲目的にというと少し言い過ぎでありますが、どんなに肥料業者が苦しんでも安いことがいいんだという一面の主張のあるために、なかなかこれは困難なところに追い込まれておるのでありまして、この問題については本委員会におきましても、他日適当の時期において、今会期中にそういう御配慮を願うか、或いは次の国会になるかも知れませんが、一応委員会において、今当面せるところの実情について適当の時期に御聴取を願いたいというのが私の希望なんでございます。その程度でございますから、どうぞ一つ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/26
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027・栗山良夫
○理事(栗山良夫君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。
午後二時四十五分散会
出席者は左の通り。
理事
古池 信三君
栗山 良夫君
委員
上原 正吉君
小野 義夫君
重宗 雄三君
下條 恭兵君
加藤 正人君
山川 良一君
駒井 藤平君
境野 清雄君
政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
通商産業省通商
化学局長 長村 貞一君
通商産業省通商
機械局長 玉置 敬三君
事務局側
常任委員会専門
員 山本友太郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02419510510/27
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