1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十日(火曜日)
午前十一時十四分開会
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本日の会議に付した事件
○電信電話料金法の一部を改正する法
律案(内閣送付)
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001・村尾重雄
○理事(村尾重雄君) では本日の委員会を開会いたします。
議題は電信電話料金法の一部を改正する法律案の予備審査であります。御質問がありましたら……。ほかに御質問がなければ、私から一点御質問しますが、この料金改正の裝置料ですね、移転料が実費であるということですが、その実費の算出の根拠をお尋ねしたいのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/1
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002・林一郎
○政府委員(林一郎君) この四千円の根拠を申上げます。これは加入申込み受理の場合、又は移転の場合を例にとりまして、算出いたしたのでございますが、この金額……、自動式とか、共電式、磁石式とか、いろいろな方式がございますが、昨年の物価で計算いたしますと、自動式におきましては、一加入者当り、この電話を裝置いたしまするのに三千八百四十五円、共電式では三千八百四十一円、磁石式では四千六百九十六円ということになつておりますが、これを平均いたしますと、四千百九十二円となつたのでありますが、査定いたしまして四千円を出しております。これはどういう部分をいうのであるかといいますと、電話を引きますのにその宅内におきます引込線、それから宅内に入りましてからアース線、これは雷等に対しまする保安に必要な線としまして地気線がありますが、そういつたもの、それから屋内にずつと伝わつて受話器に至るまでのゴム線がございます。又その他線を引込むのに碍子、碍管等が要りますが、そういつた物件が入つております。電話器は入つておりません。又これを取付けるにつきまして、人件費が要るわけでございますが、そういつたものを入れまして計算したのが四千円と、こういつた内容になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/2
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003・村尾重雄
○理事(村尾重雄君) それをもう一歩進めて、この改正によつて全体にどういう影響を及ぼすかということをお伺いしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/3
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004・山下知二郎
○政府委員(山下知二郎君) 現在千五百円のものが、実は只今御説明申上げましたように実費平均四千円、千五百円で現在行なつておるわけなんでありますが、改正しました結果は、今のその線におきます赤字というものが消えるわけであります。総額にいたしまして四億七千五百万円ばかりのものを見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/4
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005・山田節男
○山田節男君 この裝置料が千五百円から四千円と、一躍三倍にもなるわけですが、今の物価から言えば必ずしも高いとは思えないのですが、裝置料を四千円に引上げた場合に、今言つておられたいろいろな部分品的なものが現在の物価が上り、又今後ますますこういう電話裝置料に使うような主要部品が値上りするだろうと思うのですが、部品的に言つて四千円ならば足りるという確信があるから四千円にされたのですか。それとも部品等から言えば四千円では足らないという意味ですか。四千円あればもう十分だという意味ですか、この点を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/5
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006・山下知二郎
○政府委員(山下知二郎君) 現在の状態から申しますれば、先ほどから御説明申上げましたように大体とんとんでございます。併し将来非常に物価の値上りがある、或いは又賃金のべースが変るとかいうことに相成りますれば、それだけの分は四千円でも背負い込みになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/6
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007・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 ちよつと私の質問がおかしいのかも知れませんが、市外專用電話料、それから「市外線專用料中「日本放送協会」を「放送事業者」に、」と、こう書いてあつて、それから端末設備料、端末維持料中「時間專用」に改めるということになりますと、專用電話の如何なる種類のものでも、新聞社、通信社云々とあつたものを、これを取消して時間專用に改めるということになると、設備料、維持料は、專用のものは全部同じだと、こういうことになるのですか。そうして前の市外線專用料中「日本放送協会」を「放送事業者」にすると、そのほかのものはどうなるのか、これはちよつとはつきりここのところがわからないのですが、ここのところを説明して頂きたいのです。ここのところははつきり頭に入らないのだが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/7
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008・田邊正
○政府委員(田邊正君) 今の点は、市外電話の料金のほうは違いますけれども、端末の維持料とか設備料は新聞社と一般と同様であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/8
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009・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 皆同じ……。そうすると料金は別なんですか、專用料のほうは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/9
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010・田邊正
○政府委員(田邊正君) 料金は別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/10
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011・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 この放送事業とそれから通信事業、これはおのおの別になるのでありますか、料金が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/11
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012・田邊正
○政府委員(田邊正君) ここに書いてございますように、放送事業者、新聞社と一般とは違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/12
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013・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 ああ、そうですか。一般の專用とは違うという意味ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/13
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014・田邊正
○政府委員(田邊正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/14
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015・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 そうすると、この料金中「日本放送協会」は「放送事業者」になり、それからそのほかのものは新聞社、通信社がやはり加わつて、それの料金と、それからして一般の料金とは違うと、こう解釈していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/15
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016・田邊正
○政府委員(田邊正君) はあ、さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/16
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017・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/17
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018・山下知二郎
○政府委員(山下知二郎君) 只今の御質問に、附加えまして一言御参考までに申上げます。一般の專用は一日二百通話、三百六十日分の料金を佛つておるわけでございます。この只今提案しております分は、その大体四分の一のものでございます。一日五十三通話の計算のものに相成るわけであります。長期の專用の場合でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/18
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019・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 今の御説明、五十三通話と二百通話ですが、それは実際の問題じやなく、そういう二百通話、三十二通話と仮定して計算するわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/19
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020・田邊正
○政府委員(田邊正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/20
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021・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 そうしますと、実際問題としては一般の專用の通話というものが、或いは一般のものが非常に少くて新聞社のほうが多い。これは常態だと思うのですが、そういう場合でも五十三通話、二百通話というように仮定して、これは料金をきめる、こういうことになるわけでございますね。そうしますと、今度は端末の維持料はこれはどつちも同じだ、こういうことに解釈していいと思うのですが、そうすると、普通から考えれば維持料の問題ですが、本当をいえば通話の多いほうが維持料が余計かかるように思うのですが、その点はやはり同じで行く、こういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/21
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022・田邊正
○政府委員(田邊正君) さようでございます。ちよつとその点に今おつしやるような矛盾というようなことも考えられるのでございますけれども、大体新聞社それから放送事業の料金は一般よりか公共性というような考え方から低めてございます。併し今申上げましたように、一般は二百通話でありまして、片方は四分の一になつております、相当低額でございます。そういう関係になつております。維持料のほうはこれは両方同じように頂戴しております。そういう関係から従来とも維持料につきましては低くいたして参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/22
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023・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 一般の專用と、それから通信社、放送事業者の專用の割合はどういうふうになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/23
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024・田邊正
○政府委員(田邊正君) 今のお尋ねは一般專用の回線数と申しますか、それと新聞社或いは放送事業者の專用しております回線数……新聞社或いは放送事業者の專用しております回線数の関係はどうなつておるかというお尋ねだろうと思います。今大体正確な数字は持ち合せておりませんけれども、新聞社、通信社、放送事業者を合したものが一般よりか多くなつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/24
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025・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 一般の專用者というのはどういう種類の事業をやつておられるかたなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/25
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026・田邊正
○政府委員(田邊正君) 一般の專用と申しますのは、例えば銀行でございますとか、それから貿易関係の大きい会社とか、大体そういうようなものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/26
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027・山田節男
○山田節男君 この電信、電話料を上げるということは、これは私は現在の物価から言えば当然のことであつて、何ら反対する理由はないのですけれども、大体電話料の、裝置料を上げるということについては、国民の輿論の中には電話のサービスがちつとも改善されておらん。そうしてこういうような裝置料を物価の値上りに準じて上げる。だから能率をどんどん上げてくれれば文句を言わんが、サービスが現在地方、都会非常に悪いというのが通念になつておる。そういうもので如何にもこの裝置料を上げることについても、それは異論があることは否定できないと思うのです。そこで今回こういう法案が出されて、これが国会を通過してもやはりそういつたような国民の観念を是正する必要があると思うのです。それでまあ少くとも来年度に入つて、都会、主要都市、それから市外電話、東京を中心としての市外電話というものがどの程度改善されるようになつておるのか、例えば市内で言えば茅場町や丸の内、それから赤坂、こういつたような方面の、朝九時頃になると電話が殆んど何遍かけても通じない、こういうようなことがやはり一般市民に対してもサービスが悪くて、値段を上げるのだというような観念があるのですが、こういつたようなものが東京を中心にして他の大都市、それから市外通話、こういうようなものについて改善される何とかプランがあれば、具体的なものを示して頂きたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/27
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028・山下知二郎
○政府委員(山下知二郎君) 非常に御尤もな御質問でございまして、私ども日夜サービスを向上することにつきましては努力いたしておるのであります。まだ輿論に十分お応えできなくて、甚だみずから自責の念に駆られているものでございます。ただ、繰返して申上げることでございますけれども、在来の施設が戰後大至急の復旧工事でありましただけに、十分に完全な工事は行われていないという点もございまして、今以てかからない電話といつたようなことにもなつておると思うのでありますが、これに対しましてはいろいろな手を打ちまして、現在架設されているところの電話を、故障なくかかるようにしようというので、特に昨年の暮あたり、故障の持越しの絶滅ということを盛り上る従業員の力で以て現在実行しつつあります。従いまして、その後の成績は今まで機械裝置が悪いとか、線路裝置が悪いとかいうことで、いろいろと障害があつたのが大幅に減少して参りました。併しそういう結果から見まして、今度は電話が通じたけれども相手のほうが話し中で出ないといつたような、機械裝置としましては何ら支障ございませんけれども、相手のほうの話中のために出ないというような、そういつたような変つた現象が非常に目立つて出て参りましたということは、結局電話が足りないからということに相成りますわけであります。御参考までに申上げますというと、東京の丸の内の電話では、一電話の一日の呼数が一六・六一回、これは世界第一でございます。日本橋では一四、銀座では一六・〇三、これは世界第二でございます。茅場町では一四・四、これは世界、世界ということはございませんが、日本での第四番でございます。ところが、これを外国に比べまするというと、アメリカでは一日の呼数が三・六、イタリアでは四・七、イギリスでは一・八、日本では八・一ということになつておりまして、全体的に平均いたしましても一個の電話の呼数というものは日本が一番、次がイタリア、三番目がアメリカ、今私のところにあります資料ではイギリスが四番目、イギリスでは一日二回くらいの平均しか呼ばない。ところが日本では一日八回の平均、而もその倍ぐらいのものが東京の中心では行われている。こういう状態でございますからして、電話の話し中というのが相当多いわけでございます。これでは幾ら努力しても追つ付かないわけでありまして、従いまして只今御指摘のようにどうしても基礎設備を殖やさなければならないということに相成るわけであります。最近本所に電話局を一つ開設しました。来月の一日からは茅場町の隣に兜町電話局を新設いたしまして、あの茅場町方面の非常に輻輳しております加入者を收容することにいたします。それから丸の内に千代田局を設けまして、そうしてPBXで代表番号を持つておりますものを大幅に毎日收容する。それから又二十七年度には完成する予定でございますが、東京に四万端子の大電話局を設けまする予定で、只今大手町のビジネス・センターに建築中でございます。今お尋ねの赤坂方面から山手方面につきましてはまだはつきり申上げる計画はございませんが、どうせそういう方面にもそういつたことで局を作つて行かなければならん、かように考えております。申し落しましたが、そのほかに霞ケ関という電話局を最近作りました。そういうところの收容替及び拡張ということによりまして、相当輻輳しておる加入者の救済は考えております。併しこの計画を以ちましても、東京だけから見ましても、まだ、大げさに申上げれば焼石に水というところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/28
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029・山田節男
○山田節男君 只今電通当局が非常に資材の足りないところで増設に苦心しておられることは、我々も非常に敬意を表するわけですが、もう一つは日本の電話には故障が多い。これは受信機、発信機というようなものが今言つたように、茅場町とか丸の内とか、日本橋とかは、世界有数の、外国の電話局に比べて使用回数が多いということですが、これは前にアメリカの雑誌だつたかに日本人はテレフオーン・マンだと言つておる。電話があれば人が信用する、金持だと言う。それからもう一つは電話の話の仕方が、これは日本人の日本語の……、日本の習慣もあるけれども、非常に電話が長い、要件が……、もう初めから終りまで実に無駄の多い言葉を使つてやつておられる。外国のほうでは、日本人が電話に噛りついたらアメリカ人の五倍くらい電話に噛りついておる。電話を、何と言うか愛するというか、そういうことでテレフオーン・マンと言つておるのです。ですからこういつたような電話用語を明瞭にはつきりと、昔の軍隊用語みたいに日本語そのものを変えなければなりませんが、非常に電話に対する日本人の考え方が、ただ單に意思伝達の一つの道具ということで、正当な認識を持つていない。それから受信機、発信機を私らが行つて見て、初めて非常にデリケートな機械裝置になつておることを見て、もうパチンパチンと電話機を叩いては悪いのだということが初めてわかつた。こういうような電話の使用方法、それから電話でやる場合の用語ですね、こういう点はもう簡明に、而も短くやる。こういつたような電話のハンブルな使い方によつて如何にほかの人に迷惑をかけるかという、これは電話を使用する一つの教育訓練が必要なんじやないかと思うんですね、これは一般的な日本人の教養とやはり関係すると考えなければならん問題ですが、電話局あたりでも相談されて何か作つて、具体的に相談をしておられるか。これは多少金を使つてもやはり電気通信省あたりが、この日本人がテレフオーン・マントという、一種の世界で最も電話機に対して要領の悪い使い方をしておる。これを統制するような一つの啓蒙運動をすればまだ電話のコンヒユージヨンが相当緩和できるんじやないかと思うんですね。まあ今までも多少やつておられたやに私は思うのですが、こういうような点を将来是非もう少し推進してもらいたい、こういうことについて、まだ電気通信省の当局は何ら考えているところがないのか。又あれば何かその具体的なことを一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/29
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030・山下知二郎
○政府委員(山下知二郎君) 御尤もな御指摘でございます。実際只今御指摘のようにまだ一般の人が電話のかけ方ということに慣れ切つていないということは私ども十分に認めております。従いまして将来どうしても、只今のお言葉にあつたように啓蒙運動というものを我々やらなければならん。私どもの推定では、例えば相手にかけて、相手が話し中だというような点、或いは初めから無理な通話を強いているような点、例えて申しますというと、受話機を取つたままで、受話機を取つて耳に当てれば完全な状態であるかないかということがあの音でわかるわけです。音でわかるのでありますが、そういう音も聞かずに受話機を外したままでダイヤルを廻している。そうしてそれは無駄なことをやつている。こちらがダイヤルを廻している間に、自分の所に電話が来たときに話中だというようなことがございます。こういうことは一般のかたがたは御存じないでしようから、どうしても我々のほうから積極的に呼びかけたければならん。大体私どもの推定ではそういう不完全通話の二〇%程度のものは、そういうことに起因しているんじやないか。そういう啓蒙運動によつて不完全通話の相当の部分が改善されるのじやないか。かように考えまして今までも相当手を打つて参りましたが、今度大々的にその運動をやろうという計画を立てつございます。一般の人々の電話の扱い方を見ておりますというと、まさしく耳に当てるということをやらずに、何ら音を聞かずにただダイヤルを廻しているというような状態が相当ございます。勿論言葉の点とか、又話している時間が長いというような点もございますが、そういう点も私ども事業の面から申しましてできるだけ簡明に用件を話して頂くように、それはお願いはいたしますが、それより前にまだ電話のかけ方、聞き方ということについて十分に目をかけたいという考えを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/30
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031・山田節男
○山田節男君 今問題になつておる裝置の問題ですが、これは理論上からいえば日本的なものがあるということ、それは勿論わかるのですが、電話の架線、それから受話機ですね、あそこへ通ずる裝置は万国ともこの理論は違いないんだが、構造ですね、私は去年の秋ちよつと電話架設の競技大会を見学に行つたことがありますが、CCSの人も見ておりましたが、これは万国共通だろうと思うのですが、この裝置というものについて今、日本でやつておられるコンストラクシヨンは非常な複雑なものがあるのじやないかということと、それからもつと單純化できるんじやないか、例えば線の節約、それからもう一つは相当これは貴重物資、殊に金属、ニツケル、亜鉛、錫、こういうような当分日本に入つて来ない、入つて来てもとても窮屈になつて来る、こういつたような場合に、例えばゴムの代用品、ニツケルの代用品、そういつたような代用品で何ら電話のフアンクシヨンを失わないで、代用品で埋め得る余地があるのかどうか、これは非常に素人の質問ですが、ちよつとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/31
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032・林一郎
○政府委員(林一郎君) この具体的な方法でございますが、実はこれは大体万国それぞれ事情は違いますが、国情に合うようないいところを取りまして、日進月歩でありますが、改善しながら進んで来まして、アメリカにいいところの方法があるにかかわらず日本は現在そういうことは考えておらない、こういうことではない。特にアメリカから今たくさんいろいろな人が来ておられまして、現場のいろいろなことを見まして、これはアメリカではこうしているからこうしたらどうかというようなこともよく聞いておるわけでございまして、そういう点で取入れるべきことがありました場合には全部取入れて現在進んでおるような次第でございます。ただ非常に違いますのは、アメリカでは大量的に電話が架設せられて、一つのビルデイングを建てればこれは十五人、二十人すぐ電話を引く見通しが非常に早くつきまして、すべての室に電話があるものとしての計算ができる。日本では非常に住宅の建設の状態が変つておりますので、その点では非常な不利な事情にございます。單価の点につきましてもそういつた意味でどうしても高まつて行くということは否めない。一つの電話の架設のため一々電柱を立てて行かなければならんというようなことは、アメリカあたりと比べると非常に違つた点だと考えられる。そういう点で非常に不利益はございますが、できるだけ能率のいい方法、もう一円でも一銭でも安くなるように、そうして又効用が落ちないようにということについて十分に皆検討しながら進んで行くつもりでございます。資材につきましても御承知の通り誠に日本では惠まれておりませんで、重要物資は殆んど輸入に待つということで、輸入がきまりませんと非常に困るという事情にございます。戰時中或いは戰後一時いろいろ代用品を使つて参りまして対応したのでございましたが、大体におきまして今までいろいろ研究の結果殆んど不成功であつた。二十年持つものが数年にして用をなさなくなるというようなことで、重要資材につきましてはなかなか代用は使いにくいということになつておりますが、併しながらだんだんこういうふうに重要物資の統制が行われますにつきまして、私ども代用品について無関心ではおられないということに相成りまして、ニツケル、ゴムその他の材料につきましてもできるだけ真に止むを得ざる部分にだけこれを使いまして、あとは余り窮屈でない資材に取り換えるということで、通信研究所でも鋭意努力しておることでございます。ただこれもいろいろいい方法が出ましても、これを生産に移しますときはすべて仕様書から直してかからなければならん、仕様書はすべて変るということから、短時日のうちに切換えを行うのでございますけれども、止むを得ざるものにつきましては目下計画を進めておるわけでございます。先ほど御質問ございましたが、ちよつと私の感じを申上げますと、話が長いということについての影響でございますが、これは実は施設の面から行きますと、極めて重要な問題でございまして、今の計画としましては一通話どのくらい機械を使用する時間が要るかということの計算から、電話交換の施設の設計をするわけでございますが、例えば三分二十秒が平均であるというものが、三分に落ちる、或いは二分五十秒に落ちるということになりますと、現在第一の数字面、或いは第二の数字面でじいじいといつてお話中になるものが、すうつと、もう消えてしまうというようなことにもなれるのでありまして、これは極めて重大な御示唆であると考えます。大体日本の施設はアメリカあたりに比べまして非常に一人当りの交換施設が余計に要るということになつております。但し現在は卵と鶏の関係になりますが、こういう悪い状態であるから余計に無駄なあれをかけるので、先ずすつとかかるようにしてそれから話を短かくしろなどということの要求があるべきで、その前にやることは非常に感じが悪いということは万々承知しておりますが、これは同時にやりませんと非常に資金の不足のところ、たくさんな施設をしなければ話が通らんということではなかなか困難だということでありまして、只今通信監の話がありましたように、そういう面も改善しながらこの窮状を打開いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/32
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033・稻垣平太郎
○稻垣平太郎君 今山田委員の御質問に関連して政府の御答弁があつたのですが、そういうことに関連してちよつと伺いたいのですが、大体私は電通省としてお考えにならなければならんことは、今の政府委員の御説明にもありましたように、日本の電話機のコストが高いか、高くないかというような問題、それから施設の問題について山田委員から御質問があつたのですが、それに対する答弁に関連して考えられることは、日本の電話機器製造業者というものは得意先から結局元の逓信省、電通省に限られておつた、そこで電通省の予算が多い場合には相当の量が出る。従つて大量生産もできて又コストを安くすることができるが、或る期間予算が少いということになるというと、又これはにわかに量も縮小しなければならん、結局相手がただ一つの電通省である、ここに私は大きな電話機器製造事業をやつておる人に大きな悩みがあり、従つて技術的な進歩といいますか、コストの切下げというか、そういう点についても一貫してやつて行けない私は悩みがあるとこう思う。それには結局一体電話機器製造業者の数の問題もあります、質の問題もあります。そういうことについて、もう少し根本的な大局を押えた製造業者を導いて行くということについて、もう少ししつかりした御方針を立てられることが必要なのじやないかということを私はいつも感じておるのであります。これは私の意見であり、そうして希望でありますからお答えは要らないのですが、そういう点をもう少し根本的に考えて行かないと、電通省だけを相手の製造業者は非常な苦悩を持つているという点について、もう少し研究すること、もう少しお考えになることが必要ではないかということが一つの点、それからなおさつきの山田委員との御質疑の間に、通話の方法その他について十分考慮したいというお話、非常に結構で、これは私も同感なんでありますが、それについて私、電通省の技術関係の研究所その他でなお研究して頂きたいと思う点は、例えば一通話に一分、一分ということには行きませんでしようが、二分なら二分、日本の平均が三分いくらでありますが、まあ二分ぐらいでこれを、二分の時間が来たということをアラームする方法は、これは簡單だと思うのですが、電話機のどこかに取付ければ簡單にアラームできると思うのですが、こういうようなことを御研究なさると、私は時間の節約が非常にできるのではないかということを私は考える。これは一時あかりをつけるようなアラームの方法なり、或いはもう一遍リンを鳴らすというような方法なり、いろいろ研究されていた人もあつたように私は承知しているのですが、こういう点を研究されますと、時間的に二分がたつた。あらかじめ二分がたつたらもう通話を御遠慮願いたいということが注意してあると、よほど時間的に、全体に亘ると、大きな節約になると私は思うのですが、これをなかなか書いたものでやつても実効ありません。実際の機会に一つアラームする方法をお考えになるということを研究所で御研究を願いたい、こういう希望、両方とも私のは希望でありますが、それを一つ申し添えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/33
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034・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 一つだけお聞きしたいのですが、今提案されております料金法の一部改正法律案、これは裝置料の引上げ等極めて簡單な事柄でございます。私も大したこれに異議はないのでありますけれども、私はむしろもつと根本的に遡つてこの料金制度というものを根本的に考え直される必要があるのではないか、今日この段階に立ち到つておるのではないかということを考えるのであります。先般来この委員会で私は主として建設方面の支出が下足であるために、電話が十分利用されていない。そこに非常に不満を持つておるし、これでは折角装置されても電話が働いていないのだから、料金收入も勢い減少しておる。だからこの基礎的な設備を完備されることによつて收入も必ず殖えるという建前で、この際思い切つて電信電話の基礎的な設備の充実を至急におやりになる必要があるということを申上げておつたのでありますが、今度はそういう建設勘定の方面でなく、業務勘定の方面から見まして、この料金制度というものをもう一遍根本的に考えないと、電信電話事業というものは、行き詰りがもう目の前に来ておるのではないかという気がするのであります。これは詳しく申し上げなくても皆さんおわかりだと思いますが、一例を挙げて見ますと、先般来申上げておるように、災害に対する復旧費の積立金なんか全然計上していない。一年に例えば十億乃至十数億に達するようなものを、これは経費としてお考えにならないで、何かいつも補正予算に立てて、或いは建設費の一部を割いたりして、いわば繋ぎ繋ぎやつているわけです。それから予算の分科会で私質問して来たのですが、郵政と同様に、電通におきましても従業員の給與問題なんかはどうしても早く特殊の給與体系を作つて、そうしてこれは能率給というものも必要かも知れませんと思いますが、根本的にはやはり別の俸給表でこの現業にふさわしいような給與を與えて、初めて従業員の士気も上るし、能率も上つて来るだろうと私は考えて、これをやるのにどのくらいの予算が要るだろうかと、今聞きましたが、まだ電通省も郵政省もどのくらいの予算が要るかまでは的確に出していないという御答弁でありましたので、これはその予算額については私もこれは何億かかるかよくわかりませんけれども、併し少くとも一年間に数億はかかるでしよう。そういうことを、やるべきことをやらないで、そうして一方では独立採算制だと、だから收入を以て支出を賄つて行くのだというような建前を堅持してやつて行かれるものですから、非常に無理に無理を重ねて、このままで放つて置くと、業務方面で又動きがつかんことになるのではないかと考える次第であります。そういう意味で、私は何もこの電信、電話料金を引上げるということがいいとは思いません。併し本当によいサービスを提供しなければならんという点から言いますと、今のような中途半端なままで、悪く言えばその日暮しのようなことをやつておつて、国民の満足をしない、そうして誰からも喜ばれないようなサービスをし、給與を與え、そうしてその日その日を繋いでいるというような恰好ではいけないのであります。独立採算制でやつて行かれる以上は、これは勿論物資面でも、或いは人件費の面でも、極力余計な機構はやめたほうがいいでしようし、物資の節約もされたほうがよろしい。あらゆる節約の方法を講じて、然る後になお或る程度の度数料を引上げるというようなことが必要であれば、そう遠慮なさらないで料金制度を全般に亘つて改正されて、そうして電信、電話事業が本当に特別会計で、独立採算制でやつて行けるようた基礎を早く築いて置かれないと、こういうふうな財政的に見て悪い材料が累積して行きますと、ますますこれは困難になつて来る。ですから、この料金法案はこれはもう大したことではありませんけれども、根本的に近く料金制度について改革をされる御意思を持つておられるのかどうか、これは一つ勇敢におやりにならないと、建設面も、私は何遍も申上げた通り、業務面においてもそういう事実がぼつぼつ現われて来ておるのじやないかと考えるのであります。この点政府委員から、あなたがたの本当に考えておられるところを率直に御意見を伺つて見たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/34
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035・山下知二郎
○政府委員(山下知二郎君) 料金体系の根本的の改革という点につきましては、これはもう御承知の通り是非私どもやらなければならないことだと考えております。ただここで私個人的の考えを述べさして頂きたいと思います。どなたにもまだ御相談しないことでございますが、只今のお話のように、やらなければならんことは勇敢にやるべし、非常に有難いお言葉でございます。又そうしなければならんと思つております。ただ私が役所に入りましてじつと見ておりまして、まだ料金値上げということは、これはまあ恐らくここにおられるほかの局長さんがたはこの説に対しては或いは御異議があるかと思いますが、まだ自分のほうに振り返らなければならんものがあるのじやないか。つまり運営の点におきましても、建設の点におきましても、本当の裸のものでやつておるかどうか。若しそこに或る冗費があつたり、或いは気のつかない面があれば、そちらから先ず十分に除きまして、そうしてかくのごとき本当のコストであつたと、このコストに対してこれだけの料金を頂かなければならないと、こういうふうに実は呼びかけたいと、かように私個人としては思つておるのでございます。ただ今のままで以て料金を動かすということは、これは国民の一人としてまだ盡すべきものを盡していないのではないかと、かような考えを持つております。この意味におきまして、現在建設の面でも、それから損益勘定の支出の面におきましても、これを十分に洗つて行きたい。例えば電報のごときものは、これは確かに今の数字では四十億から五十億の年間の赤字に相成つております。だからこれだけの値上げをしたいと、こういうのではなくて、それならばこれをどうしたならばこの赤字が除き得るかと、そこで十億でも何億でもそこに本当のセーブをしまして、それでもなお且つ赤字があるならばそれは国民の一般の人に負担してもらわなければならん、こういうふうな点で行きたいということを一応考えております。が、そう言いましても、御指摘のように、料金体系それ自身につきましては、全般的に我々は考え直さたければならんという考えは持つております。今までもそういうことを考えておつたのでございまするが、諸般の事情によりまして具体的の料金の改正ということは大幅にはできなかつた次第でございますが、近き将来にはそういう線で是非推し進めたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/35
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036・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 今の段階ではその程度の御答弁しかできないとは私も思つておりましたが、併しここに書いてあります裝置料の引上げ、これなんかもいわば料金制度の一つなんですね。これを建設勘定のほうに組入れるのだというから、会計の本質上は兼務勘定と建設勘定と変つて来ますけれども、これをなしくずしに例えば度数料に振り替えてしまうということも、これも制度としては成立つわけなんです。こういうことも要するに、只今の現状から行くと電話加入の希望が非常に多いから、建設勘定のほうで金も足りないしするから裝置料を引上げるのだというような、單純に目先だけの現象をお考えにならないで、私は根本的に考えて独立採算制をとつて行くのにふさわしい、又これならばやつて行けるという自信のある料金制度を確立することを希望して申上げておるので、余り皆さんが度数料というようなものに対して少し恐れ過ぎるのではないかという気がするのです。これは言葉を換えれば、裝置料の引上げだつて、度数料の引上げだつて、これは変るところはないのです。同じ料金制度でやり方が違うだけの話で、裝置料をなしくずしにして度数料に直したつて、これは一つの制度として成立つし、理論としても成立つと思うのですが、余りに声に怯えて、度数料だけはどんなことがあつても動かしてはいけないのだ、ほかのほうは少しずつ小出しにして料金の改訂をやつて行くというような、非常な姑息なことしかおやりにならないので、だんだん料金制度が乱れて行くというような気がするのです。今この国会ですぐどうしてくれということは私は言いませんけれども、先ほど申上げたような幾多のやるべきことをやらないで、放つたらかしておる問題がたくさんあるのですから、そういうこともやつて、勿論山下さんの言われたように、節約する部分があれば、これはこんな料金制度に関係なく今だつておやりにならなければならない問題であるし、一日だつて放つといてはいけないので、これはもう料金問題に関係なくどんどんお進めになつて、それと併行してこういう料金制度の根本的な改正はこれを早急に樹立されないと、電信電話事業の行き詰りが業務方面でも目の前に迫つておるということを申上げておるわけですから、私は次の国会に料金制度の根本的な改正案が出されることを期待しまして、一応この際はもうとれ以上お尋ねしないことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/36
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037・尾崎行輝
○尾崎行輝君 先ほど来、同僚諸氏からお尋ねがあつて、非常に参考になつたのでありますが、電話の通話を簡單にするということは、言うべくしてなかなか行われがたい。というのは日本人の習慣、性質の中に多年培つて来た儀礼的のこと、長ければ長いほうがなお結構だと、はがきよりは手紙でなければ失礼だという点から出て来て、それからちよつとした私どもに来る手紙でも、先ず初めに拝啓陳ぶればから時候の挨拶をして来る。それから漸く用件に達するというような、手紙一つ見てもそんなふうで、非常に虚礼と申しますか、今までの、それがいいところでもありますが、そういうものがあつた。その根本から出ているので、それはなかなかすぐには直らないと思うのです。さつき言われたように、あかりをつけるということは非常に結構でございますが、もう少し手嚴しく、二分とか三分で一遍切つてしまうというような徹底したやり方はないものでしようか。これは田舎なんかに行つて見るとますます長くなつて、中には丁寧に電話の前でお辞儀をしている人もよく見受けるのですが、何かこう、もう少し機械的にぴたりと行く方法は考えられないものでしようか。これは今即座に皆さんのお考えを伺うわけには行きませんが、何か一つ御研究を頂きたいと思います。
それではそれはそれとして、この間私ちよつと向うへ行つてホテルで経験したことですが、そのホテルだけなのかどうか知りませんが、アメリカ全般に多分あるのじやないかと思うのですが、かけまして、話中だというので、私受話器をかけておると、暫らくたつと話が済んだからと向うから知らせてよこして、それですぐ通話ができて、私は非常にいい気持であつたし、便利でもあつたのですが、あの方法は非常にとりにくいことでありましようか、一つお尋ねをいたします。一遍話中と言つてこつちは切つて置く。そうすると暫らくすると向うから、話が済んで線があくと繋いでくれるということですね。これは日本では実行できないものでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/37
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038・林一郎
○政府委員(林一郎君) 通話の打切り裝置でございますが、例えば市外通話等については交換手が介在いたしておりまして、やろうと思えばできるかも知れませんが、これは大事な通話中に切といることは重大な問題であるということで、三分ごとに料金を頂くことにして継続する。市内通話につきましては、実は共電式とか磁石式は交換手が介在しておりませんから、一々繋いで何分たつたらどうかということは、或いは不可能ということはありませんが、併し実際問題として非常に困難があります。機械的に繋いでから二分たつたら打切るというような裝置を付けるということは、これは非常に経費がかかるという意味で、どこの国でも今実施しておりませんのでございます。併しながら試験的に僅かな回線についてやるということは、これは勿論不可能な問題ではないと考えます。今地方でも何とか、かけるかたの御協力を得まして、通話のサービスをよくしたいということでやつておる中に、全加入者に対しまして話がどれほど短かくなつた場合にどれだけ早く繋がるようになるかということを数字でよくお知らせいたしまして、盛んに宣伝をいたしまして、御協力を得ておるところもございます。かようにいたしまして、機械的に非常に煩瑣な裝置に多くの投資をかけてやるということよりも、やはりこれを、かけるかたの御理解によりまして先ず改善を図りたいというような今行き方でございます。それから話中であつたのが今度はあいた場合に、それに繋ぎますということは、これは交換手がおる場合、この場合には可能でございます。それで本当にサービス本位ということで、交換手の荷を軽くしておいた場合にはこれも可能でございますが、もうひつきりなしで非常な労働をかけるという場合は、これは実際上困難である。それから又今通知台というものがございましてトーキーで、間違つた番号にかかつた場合には、これは間違つておるとか、これはどういうわげだというようなことがレコードで自動的にかかるような方法、これらによりまして一般の、一々交換手が介在しなくてもいろいろ話ができない事情をお伝えするということは、これは可能でございまして、一部日本で本実施しようという運びになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/38
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039・尾崎行輝
○尾崎行輝君 それでちよつと思い出したのでございますが、つい先だつて、私は逗子に住んおりますが、どうも電話をかけて見ますのに、一分以上も待つて漸く向うが出て来る。あれは何式というか、交換手の出る式でありますけれども、そこでちよつと私が苦情を言つたことがあります。そうするとその翌日に、何かそういう調べる係の人が来て、それで様子を調べに来ましたという、私初めての経験でございますが、あすこにもう二十年近くおるのでございますが、そういうのを調べに来たのは初めてでございます。大変いい方法だと思つて調べさして見ると、やはり一分くらいかかるのだと思うと、その人がやるとすぐ出たのでございます。これはどうも不思議なことで、ああいうふうに調べるならば、あらかじめそういう人が調べに見える場合などを知つておくのでなく、偶然に来てやるのでなければ、あらかじめ交換手のほうで知つておるときに来て、我々の目の前で形式的にやつて、我々の機嫌をとろうというように考えられたのでありますが、あれは一般に市内でもやつておることなのでありますか、ちよつと伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/39
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040・田邊正
○政府委員(田邊正君) 今のお話は逗子の郵便局に通信部か或いは通信局の者が参りまして、そうしてその状況を調べておつたと思いますので、これは今お話のは通話の応答の秒数と申しますか、加入者のほうで加入電話を申込みましてから、交換手が返事をする時間でございますが、それが今のところでは、お話の一分というのは長いのでございまして、私のほうではむしろ特殊の場合だと考えております。これは戰争前の状態でございますと大体平均三秒乃至五秒が標準でございました。それが終戰後いろいろ機械も悪くなつて参りましたし、又設備も不足でございましたし、又オペレーターの技倆も不十分でございましたので、それが大分延びた。それで私のほうとしましては、応答秒数をできるだけ戰争前の標準に戻すということを一つの方針といたしまして、いろいろ手段を講じておるわけでございますが、それで今嚴密にいいますというと、大体それが全国的に見ますと、私は十秒を割つておるのじやないかと思います。尤も中には十五秒か二十秒とかいう特殊な局がございますが、大体十秒前後で以てやつておるというふうなことでございます。お話の逗子の局につきましては、私のほうでその担当の通信局を通じまして実態を調べたいと思います。これはおつしやいましたように、或いは当時調べに参りましたものですから、悪い気持ではなしにオペレーターが非常に緊張したということではないかと思うのでございますけれども、ただ私のほうで恐れますのは、ロードに対しまして不足な人間をかけておるということが一番悪いことでございます。従つてロードに対しまして適当な人をかける、オペレーターが怠けずに普通に交換をやつておりましたならば、大体十秒とか特殊の場合でも二十秒とか、もつと短かくなるようにいたしたいと、そういうふうに考えておるのであります。逗子の問題は一つ早速調べましてその事情をはつきりいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/40
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041・尾崎行輝
○尾崎行輝君 有難うございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/41
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042・村尾重雄
○理事(村尾重雄君) ほかに御質問ございませんか。本日の委員会はこれを以て散会いたします。
午後零時二十分散会
出席者は左の通り。
理事
村尾 重雄君
新谷寅三郎君
委員
山田 節男君
尾崎 行輝君
稻垣平太郎君
政府委員
電気通信省電気
通信監 山下知二郎君
電気通信省業務
局長 田邊 正君
電気通信省施設
局長 林 一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 後藤 隆吉君
常任委員会専門
員 柏原 榮一君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014847X00919510320/42
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