1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月十八日(金曜日)
午後一時四十七分開会
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委員氏名
内閣委員
委員 河井 彌八君
理事 楠瀬 常猪君
理事 尾山 三郎君
理事 梅津 錦一君
松平 勇雄君
上條 愛一君
郡 祐一君
横尾 龍君
カニエ邦彦君
楠見 義男君
栗栖 赳夫君
大山 郁夫君
竹下 豐次君
林屋亀次郎君
外務委員
委員長 櫻内 辰郎君
理事 徳川 頼貞君
理事 曾祢 益君
杉原 荒太君
加藤シヅエ君
伊達源一郎君
西園寺公一君
團 伊能君
金子 洋文君
野田 俊作君
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本日の会議に付した事件
○外務省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
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〔内閣委員会理事楠瀬常猪君委員長席に着く。〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/0
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001・楠瀬常猪
○委員長代理(楠瀬常猪君) それではこれより内閣、外務連合委員会を開催いたします。
本日はこれから外務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府のほうから政務次官草葉隆圓君、外務省政務局長島津久大君が出席しておられますから、先ず政府のほうから法律案の御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/1
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002・草葉隆圓
○政府委員(草葉隆圓君) 外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。今回の改正は、外務省に新たに国際経済局を設置することと、京都連絡調整事務局を廃止いたしますこと、及び地方連絡協議会を廃止するというこの三点が改正の点でございます。
先ず第一に外務省に新たに国際経済局を設置することについて説明申上げます。御承知の通り日本政府在外事務所はすでに十七カ所に開設されておりますが、これらのほか、目下ラングーン、リマ、メキシコ、ワシントン、オタワ、ロンドン、ジヤカルタ、スラバヤ等の開設が進捗中でありまして、リマ以下七カ所につきましては、今国会に日本政府在外事務所設置法の一部改正案を提出いたしておる次第でございます。更に引続きその他の国におきましても、在外事務所を開設し得ることとなる見込でございます。従つてこれ対応する外務省の経済関係事務はますます増大いたしまして、複雑化して来る状態にあるのでございます。方平和条約成立後の通商航海条約の締結なり、国際経済機構及び条約への加入等のための諸準備をなす必要性も増大して参つておる次第でございます。これらの事態に対処いたしまするために、本改正案は、本省に国際経済局を設置しようとするものでございます。新設されまする国際経済局の所掌事務は、現在政務局の所掌事務とされておりまするものの中から、経済関係のものを独立して、新たに一局としようとするものでありまして、従つて、従来の外務省の権限に変更を加えるものではなく、又他省の権限等の関係において問題を生ずることもないのでございます。なお国際経済局の定員につきましては、予算その他の関係上、当分の間従来の外務省の定員内でこれに充当することとし、今回の改正の第二点であります京都連絡調整事務局の廃止による剰員及び他部局からの人員の移し替え等によりまして、その事務に支障を招くことのないようにいたす覚悟でございます。次に第二に、京都連絡調整事務局の廃止について御説明申上げます。現在十二カ所に連絡調整事務局が設置されておりまするが、その中で、京都連絡調整事務局は、従来主として現地部隊との連絡事務の処理に当つて参つたのでございますが、行政機構の簡素化の趣旨によりまして、これを廃止して、その所掌事務を近畿連絡調整事務局に引継ぐことにしようとするものであります。
最後に、第三に、地方連絡協議会の廃止についてでございまするが、これは本年三月二十七の閣議決定、審議会等の整理に関する件に基きまして、行政機構の簡素化と経費の節約を図りますため、地方連絡協議会を廃止せんとするものでございます。なお附則におきまして、行政機関職員定員法を改正して、外務省本省に八十人の定員増を規定しておるのでありまするが、これは近い将来新設を予想されております在外事務所の派遣要員に当てるものでございます。以上がこの法律案を提案いたしました理由及びその趣旨でございます。何とぞ愼重御審議の上速かに御採択あらんことをお願い申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/2
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003・楠瀬常猪
○委員長代理(楠瀬常猪君) それでは御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/3
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004・曾禰益
○曾祢益君 若干御質問申上げたいのですが、この国際経済局の設置に当つて、先ず他省との権限の関係において問題を生ずるようなことはないというふうにおつしやつておりましたが、誠にそうでなければならないと思うのですが、現実の問題といたしまして、通商産業省の通商局との関係は一体どういうふうに事務分担をされる考えであるか、これらの点についてちよつと伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/4
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005・島津久大
○政府委員(島津久大君) 只今のところ通産省の通商局と、外務省にございます経済一、二課の間は緊密な連絡関係にあるのでございまして、その関係国際経済局の設置によつても変りない次第でございます。ただ外務省の経済関係の機構を先ほど政務次官から説明いたしましたように、通商航海条約その他国際経済機構乃至は経済関係の条約の将来の準備ということ、非常に多数に上る在外事務所との仕事、そういうことを従来よりも一層の力を以てやつて参りたいという趣旨でございます。新たに権限を加えるとか乃至は通商産業省に調整をするということは考慮いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/5
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006・曾禰益
○曾祢益君 本質的には通商産業省ができて以来、同省と従来の外務省の政務局第一課、第二課等で扱つた事務のその関係をそのまま続けるのだという御説明ですが、それはその通りだと思うのでありますが、実際問題としてこれから予想される事態は、日本と外国との通商或いは経済協定関係等が今までと違いまして、もつと日本に自主的に任せられて行く部面が殖えるわけです。従つて仕事も日本政府全体として多くなるわけで、そうなつて参りますとやはり更に又講和後の事態等を見通した上でこの今回の機構の改正を考えますと、やはり根本的にこの外務省のつまりこういう通商航海条約的な面と、内容的の外国との経済一般に関する協定との実質面の観点において、大きくやはり外務省と通産省との関係を相当はつきりしておくことが、ただ円滑に提携しておるというのでなくして、これから両方に跨がる事項が多いのですから、従つて大筋においてはそういうことを明らかにしておくことが、過去においてややもすれば起つた権限争いとか或いは外交の二元化ということを起さないために必要だと思うのですから、その点を更にくどいようですが、十分に話合つておるのかどうか、少くとも外務当局の見解をここで親切にお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/6
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007・草葉隆圓
○政府委員(草葉隆圓君) 御尤もな御質問だと存じます。殊に外務省等の内容を十分御承知の曾祢委員からの御質問でございます。この通商産業省関係の仕事と外務省関係の事務におきましていろいろ関連し、或いは仕事によりましてその分野がはつきりできないようなことも将来あり得ると存じまするから、御心配の御質問となつて来ると存じます。現在この国際経済局を設置しようといたしまする考えは、講和後のことはいずれ又講和後に十分検討をして来なければならんと存じますが、それまでにその準備におきましても在外事務所がだんだん殖えて参ります。
それから通商航海条約等の締結の準備等が相当これは大きくなつて参ります。又国際経済機構なり条約の加入の問題というような問題がありまするので、どうしても現在の政務局の機構では行かないので、これを独立の局として進み、更に講和後はお話のように通商産業省の関係と外務省の関係において更に検討をなさるべき問題も残つて来ると存じまするが、一応この講和前の態勢を整えるという、こういう点からやつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/7
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008・曾禰益
○曾祢益君 大体この国際条約或いは国際経済機関との連絡協力、それから出先を持つておる関係もありますから、国際経済事情の調査等のことは、少くとも講和後のことは別として、現状においても外務省の所管であろうと思うのですが、やはりこの実態の問題が通産省との間に必ずそれは問題があると思いますから大きく講和後のこともお考えになつて、一つそれらの点を十分に御注意の上に円満にして頂きたいということを申上げておきます。その質問はその程度にいたしますがそこで続けて第一課と第二課とのことですが、ちよつとこれを拝見しますと、御説明はなかつたのですが、大体表で分課規程といいますか、分れると思うのですが、第一課と第二課は主として事項別に分けておる、第三課と第四課は主として地域別に分けられておる、こういう構想だと思うのですが、そこで第一課と第二課のやつているのを見ると第一課のほうには通商航海条約、その他通商経済上の協定ということが書いてある。第二課のほうには関税協定とある。なぜ第二課に関税協定だけを置いて、ほかの通商航海条約、その他通商経済上の協定だけが一課に行つているのか、この分けかたはどういう理由なのか、説明して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/8
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009・島津久大
○政府委員(島津久大君) この課の分けかたは、実は最後的に決定したものではないのでありますが、大体の考えかたをここに掲げたのであります。御質問の点は第二課のほうの関税協定と申しますのは、御承知のいわゆるガツトと申しまして、頗る尨大な資料の関係がある機構でありますが、例えばこれを国会に提出するようなことがあるといたしますと、二千頁ぐらいに亘るような条約の内容があるわけです。こういうような尨大な条約の翻訳でさえも大変な手数がかかる、従いまして一課のほうの一般的な、何と申しますか、通商航海条約その他の所掌事務の中に含めるには余りにも量的に多いということから第二課のほうに一応廻して考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/9
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010・曾禰益
○曾祢益君 そうすると大体御説明によるとまあ通商航海条約その他の通商経済上の協定の事項は原則として第一一課でやるのだけれども、関税協定、ここに書いてあることは一種の、何とか、ここにガットとか書いてある関係で、一種の国際経済機関との協力の内容を持つから、而も事務が非常に大きなために特に分けたものである、大体そういうことでよいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/10
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011・島津久大
○政府委員(島津久大君) 大体只今御指摘のような意味でございまして、只今私が申上げましたガット自体の事務のほかに、ガット加入が早急に実現しないというようなことになりますというと、関係の国との間にそれぞれ関税協定の交渉をするという必要も出て来るわけでありまして、併せてその点も研究をいたしたいというつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/11
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012・曾禰益
○曾祢益君 それから国際経済局のほうはその程度にいたしまして、この連絡調整局系統のことなんですが、京都の連絡調整事務局を廃止されるというのはわかりましたが、この際、各地方にいわゆるブロック別にできている連絡調整事務局の仕事というのはどの程度現在あるのか。それは占領軍の現在の日本政府に対する権限移譲の度合、近き将来に予想される事態を考えてその際京都以外の土地についてもどの程度にこれを持続する価値があるのか。これらの点について、これはもう一般的な情勢の及ぼす見通しの御説明をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/12
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013・島津久大
○政府委員(島津久大君) 今回の改正につきましては、京都事務局の廃止ということだけにとどまつておるのでございますが、只今御意見がございましたように占領軍の民政に関する機構というようなものが或いは地方によつては廃止されるか、乃至は縮小されるというようなことも聞き及んでおるのでございます。併しながらこの点はまだはつきりした、こういうことが実は私どもも正確なところ知らされておりませんので、この際明確な見通しを立てにくいのでございますが、いずれにしても、順次民政関係の機構は縮小の方向にあるということは事実だろうと思います。又一方地方にあります軍隊、米軍占領軍関係の軍隊の機関との連絡というようなものは、ここ当分持続するのではないかというように考えられるのでございまして、若しそういう際連絡調整事務局の地方の存廃というようなことになりますと、それらの点民政の機構の縮小乃至は改廃する方向というものと、軍隊の諸機関の廃止の状況というものは併せて考えなくちやならんというように考えております。只今のところどこどこがどういうふうになろうというところまで申上げる段階に至つておらんのでございます。十分この点は研究を進めて参りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/13
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014・曾禰益
○曾祢益君 民政関係のものはなくなつても軍隊は残るということの見地から言うと、これは非常に可能性の多いことだと思いますが、講和後においても、ところによつては連合軍或いは米軍というものが残るという一つの可能性は我々は頭に置いておかなければならん。そういう場合に外務省のお考えでは、その軍隊との連絡をやるような若し国家機関を置くとすれば、それは外務省がやる、或いはそういつたような国家機関を置く必要があると現状においては考えておられるかどうか。その点伺い得ますならば伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/14
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015・草葉隆圓
○政府委員(草葉隆圓君) これはいろいろな将来の問題が起つて来ると存じます。或いは今日午前にも総理が御答弁申上げましたように、米軍の駐留というような事態が生じます場合においても、これも具体的な取扱い、或いは連絡折衝という問題につきましてそういう具体的な問題が起つて来ると思います。そこまでは実は外務省としましても、具体的に検討しておるわけではございません。従つて差当つては連絡調整事務局は従来の民政局なり、或いは米軍関係の軍隊なりの連絡に当つて行く、こういう方法でやつて来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/15
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016・曾禰益
○曾祢益君 そうすると将来のことではなくて、現在においても民政事務はかなり減つておるし、今後も減つて行くというような見通しなんですが、いろの軍隊の関係の事務があるから、暫くはやはりブロツク単位ぐらいに置いておく必要があるのじやないかというような見通しですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/16
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017・草葉隆圓
○政府委員(草葉隆圓君) 大体御質問のような意味に解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/17
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018・曾禰益
○曾祢益君 最後にもう一つ、今度の八十名の本省員の増ですが、これは在外事務所の派遣要員に当てるつもりで、大体多少は腰だめ的にとつておかれるのですか、この八十名の大体の今の現状における配分される計画といますか、一カ所にどのくらいか、何かそういう構想があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/18
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019・島津久大
○政府委員(島津久大君) 従来海外に出ております実員は六十四名でございます。それが今後できますところの予想の数字を合せまして百五名ということになつております。大体この各所の人員は、当初在外事務所をアメリカの各地に設置いたしました当時、大体四名の構成になつておつたわけですが、ただ場所によりましては三名乃至二名というふうに小さな規模で作つたところもございます。併しその後ニューヨークあたりは四名を六名に増員いたしました。又今度できますワシントンは十四名を予定しております。 ロンドン、オタワあたりもそれぞれ六名ずつを予定いたしております。その他の場所は大体四名乃至三名であります。
〔委員長代理楠瀬常猪君退席、委員長河井彌八君着席〕
なお今後も非常に事務の忙しいパリ—でありますとか或いはニューデリーでありますとかいう、そういうような個所も多少増員を要しやしやしないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/19
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020・曾禰益
○曾祢益君 そうすると大体今の予想では四十一名くらいあれば足りると、こういうわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/20
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021・島津久大
○政府委員(島津久大君) そのほか今国会で在外事務所の設置を御承認願いたいというところは七カ所ございますが、それ以後なお本年度中に十数カ所が新設が可能ではないかという予想をいたしておるのであります。それらも勘案いたしまして約八十名是非必要であろうということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/21
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022・曾禰益
○曾祢益君 そうするとさつき百五名と言われたのは、今丁度国会に上程しておる、この間外務委員会として審議しましたあの程度の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/22
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023・島津久大
○政府委員(島津久大君) 御意見の通りです。それ以後そのほかに今年度中に十七カ所できはしないかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/23
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024・曾禰益
○曾祢益君 結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/24
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025・楠見義男
○楠見義男君 専門家の曾祢君から御質疑が今あつたのですか、私は内閣委員の立場から二、三お伺いして見たいと思うのです。それは各行政機構について現在簡素化の方向に向つておるときに、外務省で新たに一つの局を設けられるについては、先ほど来お話のあつたように現在の国際情勢に即応してそれだけ事務分量が増大したという理由もよくわかるのですが、同時に先ほど曾祢君からも御質疑があり、又政務次官からも御答弁がありましたように、講和条約締結後の新しい情勢に即応して再検討を要すような場合も予想されるようなお話もあつたのであります。そういたしますと、それらのことも予想され、又講和条約の締結後作るというようなことであれば、機構の改革についてはむしろそれまでに延期をして、必要な人間の数が、事務的に事務分量の観点から必要であるとすれば、その当面必要な人間だけの増員にとどめるとか、そういうようなことをおやりになつたほうが将来のためにもいいのじやないかというふうにも思つたのでありますが、特に局を設ける理由についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/25
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026・草葉隆圓
○政府委員(草葉隆圓君) これは御質問御尤もと存じます。できまするならもうすでに十分講和を見込んで、又講和の内容等の関係から、これに即応するように現在でも機構の改革をいたしまして、御審議を願うというのが或いは本筋かも知れんと存じますが、この点はもう少し講和の進捗を見まして、そうしてこれに関するいろいろな関係協定等も考え合せた、もう少し明瞭になつてからのほうがこれは全体の各省関係もあると存じますから、外務省だけの問題ではないと存じますから、そういうもう少し見当がはつきりいたしましてから各省関係並に外務省関係もその内容に即応した機構改革が妥当ではなかろうか、差当つて増員等をいたしまするのは、本当はもう現在のままで局を変えるという程度にいたしまして、増員は全く在外事務所の要員だけを一応増員いたしまして、従つてこれらの事務の増加とその他の国際機構等の関係の準備という点につきまして、国際経済局というものを、現在の政務局の一課、二課というようなものと分離しまして、どうしても責任のある局として仕事を進めて参りますことが大変必要だということを痛感いたしましたため一応取りあえずこの機構改正をいたした、こういう次第でございます。この点御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/26
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027・楠見義男
○楠見義男君 私のお伺いします趣旨は、今政務次官が最初に御答弁になつたような意味で局を新たに設けるというような機構の改革についてはもう少し先におやりになつて、事務分量が多いということであれば、単にその最小限度必要な人員だけの増員にとどめられるというような行き方はできないものかどうかということを伺うという意味は、私はまあ素人ですからよくわからないのですが、外務省の設置法を拝見しますと、例えば政務局からこういう通商航海条約その他通商経済上の協定とか或いは経済事情の調査とか、そういうようなものを取ると、あとは外国に関する政務を処理するということと文化交流、国際文化機関への協力、こういうこうなことが中心のようになつておるわけですね。それから一方この規定を見ますと、条約その他の国際約束の締結に関すること、こういうことで一般的の条約はこの条約局において処理する。それから又九条の調査局の規定を見ますと、その二号に各国の政治、経済及び外交に関する調査研究、従つて経済関係の調査、研究というのは調査局でも行うことになつている。従つてこういうものは一見、素人ですから素人らしい見方をするかも知れませんが、この外務省の設置法を見ると、同じことがあちらこちらで各局に跨がつてやるように見えておるのですね。従つて新しい局を設けるよりも、むしろ現在のこういう点をこの機会に整理せられると同時に、新らしい局なんかを設けずに、人員が若し必要ならば、その人員だけ、而もその人員も今の御説明で見れば、地方連絡……京都の事務所ですか、事務所のああした職員をこつちのほうに廻すということであれば、いつそのことこうした機構改革というものは、この際は我慢ができるのじやないかと、こういうふうにも思うのですが、その点は如何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/27
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028・島津久大
○政府委員(島津久大君) 只今最初の点の規模の問題でございますが、これはまあ御了解を得たと思いますのですが、念のため申上げますと、外務本省の定員は増減をいたしていないのでございます。この経済局を作りますために他局課の人員を割いて参りました。そうしまして新らしい局を編成するという方針で進んでおるのであります。なお又各局、関係の局の間に重複があるのではないかという御質問でございますが、これは例えば調査局のほうで経済をやつておりますのは、その関係の国の一般経済の調査を行なつておるのでございますけれども、経済局のほうで取扱いますというと、これはもう具体的な市場の調査とか、或いは輸出入の実情とかいうような、現実の経済問題というののに主眼が置かれて参る。併し成るべくこの御指摘の点は私ども考慮をいたしておりまして、人員の振替えその他に際しましても、例えば調査局で経済をやつておる者を新設の国際経済局のほうに廻すとか、何とかそういうようなことを考えて行きたいと思つております。なお条約局と新設国際経済局との間に重複がありはしないかという御意見のようでございますが、この点は、条約は御承知のように講和条約の準備、それからあらゆる種類の条約の準備がございますので、これはこの設置法の中には現われて参りませんが、外務省部内において又他局から人を融通して参りまして条約局の増員をいたしたいということで考慮いたしております。経済局で扱います条約に関しましては、これは専ら経済関係の条約が内容をなすのでございます。これらの経済関係の条約につきましても、形式的な或いは原則的な、何と申しますか、法理的な部面は条約局でも扱わなければならない事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/28
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029・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 外務委員の諸君におかれましてなお連合委員会続行の必要がございますればいたしますが、大体これでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/29
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030・曾禰益
○曾祢益君 結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/30
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031・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは外務委員諸君の側の御質疑はこれで終了したものと認めまして、連合委員会はこれで以てやめといたします。
午後二時二十五分散会
出席者は左の通り
内閣委員
委員長 河井 彌八君
理事
楠瀬 常猪君
尾山 三郎君
委員
郡 祐一君
松平 勇雄君
楠見 義男君
林屋亀次郎君
外務委員
委員長 櫻内 辰郎君
理事
曾祢 益君
委員
團 伊能君
金子 洋文君
伊達源一郎君
政府委員
外務政務次官 草葉 隆圓君
外務省政務局長 島津 久大君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
常任委員会専門
員 坂西 志保君
常任委員会専門
員 久保田貫一郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014861X00119510518/31
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