1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年二月一日(木曜日)
午後一時二十三分開会
—————————————
本日の会議に付した事件
○新農業政策確立に関する調査の件
(食糧統制問題に関する件)
○裝蹄師法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○農地調整法等の一部を改正する法律
案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/0
-
001・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それではこれから農林委員会を開会いたします。
最初に食糧統制問題について片柳さんから発言を求められておりますので、この問題から入りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/1
-
002・片柳眞吉
○片柳眞吉君 私は本日極めて重大で且つ緊急な事項につきまして、特に大臣に御質問をいたします。この問題はこの前の国会でも、私から政府当局に御質問をいたしまして、御答弁を頂いたのでありますが、問題は食糧配給公団が三月解体されることになつておりまして、現在小売のほうはすでに登録が済んでしまいまして、独立営業になつておりまするが、それに伴いまして、たしか今月の十五日から一週間に亘りまして、小売からの卸しの登録が実施される、かように聞いておりまするが、ただ卸しができまする場合に、主要食糧の消費価格は、これは一本にきまつておりますので、すぐこの卸しが営業しまする場合に、運賃が区々になりますると、到底これは円滑なる卸しの業務は実現できないと思います。その意味で前の国会でも、この運賃プールの問題についてどういうお考えかということを御質問いたしましたが、来るべき再開国会には運賃プールの法案を出して、その上で運賃プールの実施をやつて参りたい、かような御答弁を得ておつたわけでありますが、そのときにも私はその筋の占領政策の点から見て申しまして、かような運賃プールはなかなか実現が困難ではないかということも念のために申上げて置きましたが、どうも昨今の情勢ではまだこの問題の見通しが付かないやに聞いておりました。実は私のところにも米屋さん等が毎日のようにやつて参りまして、非常に業界も帰趨に迷つておるようであります。卸し登録の時期も非常に追つておりますので、すでにいろいろ御折衝になつておりますするが、これに対する経過とそれから今後の見通しにつきまして、一つ御答弁をお願いいたしたいと思います。
なおこれは新聞で拝見した事項でありまするが、一部の業者から一定のマージンでやつて行けぬというような陳情があつたように聞いておりまするが、さような事実の有無と、それに対する御見解も併せてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/2
-
003・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) これは昨年来以来非常に農林省としては力を入れて折衝いたしておるのでありますが、御存じのように、運賃のプールと、それから等級別のプールはしなければ、なかなかやつて行けないことは御承知の通りであります。その線に沿つて一つの除外例を設けてもらうように折衝いたしているのですが、かなかな思うように行かぬのであります。最後の線に参つておりますが、打開する考えで今やつておりますが、それ以上はどうぞ一つ御勘弁願います。十五日というもう目度が見えていることなのでありまして、但しどのようにいたしましても、今までやつた既定方針は変えない方向で行きたい、さような考えで参わたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/3
-
004・片柳眞吉
○片柳眞吉君 大臣の御答弁でお立場はよくわかりますが、ただもう二週間後に迫つておりますので、或いは目的通りやられるにいたしましても、時間がかかるといたしますと、多少登録の時期を延期するというようなお考えはありませんか、どうか。それからもう一つは、金融関係につきまして、どのような御準備をされておりますか。その点もできればお答え願いたいと思います。国務大臣(廣川弘禪君)私は延期しない方針で現在進めております。どのような最惡の場合でも延期をしないで、既定の方針通り進めて行きたいと思つております。それから金融のほうはそう心配しなくても私はよろしいと思いますが、手は十分打つてそちこち連絡は付けております。これは一つの酒屋の経験ですが、酒屋の卸業というものは、なかなか金融でどうにもならんということで騒いでおつたのでありますが、やつて見たらその心配はなかつたのであります。あれよりも大きな問題であり、そうして又金額も多いのでありまして、これも遺漏のないようにいろいろな方面に話を付けてやつて参つております。それから金融界もこの問題はほかのあれと違いまして、非常に信用度を認めていてくれるものでありますから、私は案外いいのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/4
-
005・岡村文四郎
○岡村文四郎君 片柳さんの御質問大臣からお答えがあつたのでありますが、これ以上余りこの際聞かないようにという切羽詰まつたお話でありますから、聞かないことにいたしまするが、非常に片柳さんと同様に心配をいたしておる点は、国家がやつてもいろいろな間違いがあり、不始末もあつたのでありますが、これを業者に任してもうまく間違いのないように行かんということを断定したい一人でございます。そこで方法はいろいろありましようが、今酒屋のお話がありましたが、代金のことにつきましても、酒屋のかたがたと、今度の卸をおやりになろうというかたがたとは非常な力の差があると思います。そこでそれを標準にしてお考えになつておりますと、非常な間違いが起きると思いますが、実に大事なことであります。私はこういう何と申しますか、半端なことはこの際本当にやるべきでないと思います。統制するものは完全な統制をし、しないものはやはり本当の自由にするのでなければ、生半可のことをおやりになると、結局又非難の的になつては困る、折角の誠意のある大臣もその辺で傷がついたのではいかん、こういう考えでいますから、よく米屋さん、即ちその業者のかたがたの今までやつて来ていました心境をしつかり掴んで、そうしてやるという方針だと思いますが、これには愼重も愼重、大愼重でやらなければ、大臣が今おつしやいますように、スムーズにうまく行かないということを非常に心配いたしておりますから、あとからそれを申上げましても、これは仕方がないので、そういう意味におきまして、前以て私の本当に心配していることを申上げて、完全を期して遺憾なからしむるようにして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/5
-
006・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 私から一つお伺いいたしますが、今片柳さんからお話があつたように機構を改革して業者に委ねるわけですが、この場合中間マージンが減つて、消費者に利益になるということならよくわかりますが、その点ではあまり期待できないというお話が、この間懇談会の際にあつたわけであります。コストの点でも、消費者に少しもサービスなく、それから従業員の点でも完全雇傭と言われる際に、これが首を切られる状態において、なお且つ既定方針を強行されなければならないという理由はどこにありますか。それをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/6
-
007・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) これはやはり何ですね、何というか、今までのような役人かたぎをよして、そうして商人のさわりのいいものでやることが第一だと思いますし、それから経済的に何というか、あのほうが能率的にいい。こう思うし、それから又まして中間マージンが減らないということはない。私は減ると、こう思つているんです。それから中間マージンの点ですが、今まで食糧庁あたりでやつたものを消費者にかけるということは、いろいろ問題になつておりますが、これは私は来年度あたりから本予算でやるのが、やはり本当じやないかと思つております。そうしてそれを差引いたものは、消費者のほうにかけないようにして行くというような考えで、実は今相談しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/7
-
008・羽生三七
○委員長(羽生三七君) その点安孫子長官どうですか。実際コスト切下げになりますか、なりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/8
-
009・安孫子藤吉
○政府委員(安孫子藤吉君) コストは大体消費者価格を一月にきめます際に予想いたしました場合、その中で収まると思います。プラスになります点は、やはりいろいろ応接その他取扱いの点におきまして、やはり商人的機能から出て参りますいろいろな長所が多々あります。必然的にマージンが増大をするということは考えておりません。結局において、その点においてプラスのほうが大きいのじやないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/9
-
010・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ほかに御質問ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/10
-
011・岡村文四郎
○岡村文四郎君 これは食糧配給のことではないのでありますが、それを申すと、全然参考にならんわけでもないと思います。大臣も心配を願つておると思いますが、肥料の統制を解いて自由の形にいたしましたが、私どもは一番心配いたしましたことは、全国一律の価格で肥料を配給をするので、どこかで運賃プールをやらなければならんのではないかということが一番の問題で、これはなかなかできないことだ。そこでそれまでは役所のほうで、即ち農林省のほうで運賃プールまではやつて、それからあとは自由にやらせるようにしたほうがいいのじやないかという議論がちよつと出ましたが、それが通らなくて自由になつておりますが、現在日本の端の北海道では、今のままで参りますると、一俵の過燐酸、即ち十貫くらいの過燐酸、硫安を北海道に持つて行きますと、そのままでやると一俵二十七円の運賃を余計支拂わなければならんという状態になつておりまして、非常に困るということで大分交渉いたしておりますが、その出みちが完全に見付からなくて、政府の手持の肥料をトン数を多くして、それでカバーするようにしたらいいのじやないかというような議論で、まだ確定はいたしておらんのでありますが、今年はそれでも肥料がほしいから、よしんば高くても、それで現物さえ行けば話は通らんわけではないのでありますが、現在の価格でもそうでありますが、なお一層肥料の価格は上ると思わなければなりません。殊に過燐酸のごときは燐鉱石を輸入をして製造をするために、非常に船賃の影響を受けるような状態になつて参ります。そこで今から二十七年度の肥料に対する農林省としては政策を十分お立てになりませんと、又それを繰返すことになると思いますが、現在のところ、今さえこうしておけばいいというお考えでないと思いますが、その点どうお考えになつておるか、一応お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/11
-
012・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) それは只今御指摘のような問題がありまして、北海道には丁度清算事務に入つておる公団手持のものを、閣議で了解を付けまして、相当価格を安く出して、今度は北海道に廻す予定でありますが、一、二、三というこの割当のものを出すのでありますが、来年度二十七年度のものについても、これは我々のほうで今検討いたしております。これは燐鉱石に対しても優先的に入れるように強硬に私のほうから突つぱつておるようなわけでありまして、特に我々のほうから專門の人をこのほうに差向けるようにやつております。そうして来年には万全を期したい。それからこの前戰争中にありましたような、ああいつたような法的措置を講じなければならんか、したほうがいいか惡いかということも検討しておりまして、迷惑をかけないようにしたいと思います。これはあなたがたにお聞きしたいのですが、肥料が足りないという陳情がいつも来たことがないのですが、これは実に不思議で、或いは業者が、メーカーが高くなるということを見込んで、末端まで高くなるから、買え買えと言つて押付けたものか、或いは又どうしてその陳情がないのか、第一全然肥料に対する陳情というものは、協同組合からも、個人からも我々のところに来たことがありません。我々の役所へどこかから言つて来ておるかというお話を聞いて見ると、余りその訴えがない。このことは実に不思議だ。どういうところに原因があるかわからないのですが、そういうような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/12
-
013・岡村文四郎
○岡村文四郎君 大臣のお話で、本年のものと今後のもののお考えはわかつたのでありますが、私は見損いではないと思いますが、今まであつた燐鉱石の輸入に対する価格差の補給金が撤廃になつておると思つておるのでありますが、間違いかも知れませんが、撤廃になつておるとすると、今でもそう安くない肥料がだんだん高くなる。それから今大臣から肥料が足らぬという陳情を一つも受けないが一体どうだろう、こういうお話がありましたが、現在のところでは昔の戰争前の状態まで肥料を確保しておりません。そこで農家の管でもいろいろ施肥の方法も変つて参りましたが、今の生産の状態ではどうにか間に合うよりも、むしろ余る傾向のようで、と申上げますことは、非常に酸が余つております。昨日、一昨日聞きますところでは、大変な雑沓で、そうして今の公団の残務の整理のところへは、二階が落ちるほど人が押しかける、そういうことで、そこでどんどん買おうとしておるものは、二十六年度の肥料でなくて、七年度以降の肥料を買つて置こうという計画らしいのであります。そこでそういうわけで、おとなしくしておるところは先買いが非常に多くて、手当に非常に困るような傾向になつておりまして、殊に北海道では先買いのほうでなくて、二十六年度に困つております。そういうふうに支障があるということは大分聞きました、非常に困る、何とかしなければいかん、こういうお話がありましたが、お陰様で多木、住友が仕事をしておりまして、昔の多木、住友くらい正直な業者はないのですが、私のやつて来た経験から、今度も連合会にやらしておりますが、これは頭が下るのみで、先輩に教えられたことをそのままやつておるが、若しも多木、住友を北海道が相手にしていなかつたなら、どんなことになるだろうかというくらいに考えておりますが、他の方面で余り買い煽りをいたすために非常に手間をとつておりますが、そういうわけで今のところは困つておりません、そこで明年度からの肥料の価格はそのまま船腹の運賃が高いのと、補給金がなくなりますと、一体どういうことになりますか。それで答弁がありましたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/13
-
014・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) この補給金がなくなつて肥料が上るという話ですが、これは仕方がないので、当然上るだろうと思います。併しこれは何か上り放しにして置くということも智慧のないことで、これは皆さんと是非相談したいと思います。それから今大蔵省に保管されておる公団の品物に対する買付があるということは、この間多分閣議決定をして安く売るということが聞えたから、そこへ行つておるというのじやないかと私は思います。ああいうことは早いものですから、成るべく時価で安く売る、こういうわけでやつたのですから、多分そうだろうと思いますが、事実肥料については單一組合からも個人からも話がないのです。これは非常に私不思議でたまらぬのです。省内で誰に聞いてもそういう声があるのですが、併し来年、再来年ですか、二十七年に対しては、これは本当に我々は万全を期さなければならんと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/14
-
015・岡村文四郎
○岡村文四郎君 私の考えている予算案を見たところでは、補給金がなくなるということは事実であろうと思います。これはまあしようがないというお話でありますが、ここが我々の考えの違うところであります。そこで肥料が高くなり、おまけに補給金がなくなれば、今の計算では大体船腹の運賃が非常に高くなつたことを計算いたしますと、過燐酸一俵で百八十円くらい高くなりはしないかという心配をいたしております。こうなりますと、外国輸入の肥料は国内用としてカバーしておる。国内のものは何もない。こうなりますと、結局その惡影響を受けるものは日本の百姓全体で、それだけ高く上げてやればいいが、そうは行かぬと思います。そこでいつも言つておりますように、一つ大臣が踏ん張つてそうしてそのことを負けぬように、百姓擁護だ、擁護だ、擁護のためだと……、需要者の迷惑にならんようにするためには、それを今おつしやるように、これは当然だからという……、それは当然でも結構であるが、それに代つた政策がないと、昨日も申上げましたが、高くなつたというのにそのまま売るわけに行かぬ。それじや大衆の需要者は非常に困るわけなんですから、これはどうしても形を変えても結構なんですから、その価格の騰貴したものをそのまま生産物にぶつつけて、そうして売るということには行かんと思います。その点はもう遠くないのですから、今から一つしつかりお考えになつてもらいませんと、その時期が来ると思いますから、その点十分にお考え願いたいと思うのです。国務大臣(廣川弘禪君) 承知しました。相談します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/15
-
016・三輪貞治
○三輪貞治君 先ほど欠席しておりまして、さつき片柳さんから公団の問題について大臣に御質問があつた際に、大臣のほうでは既定方針通りやるのだという御答弁であつたように承わつておるのでありまするが、この既定方針通りやるということは、政省令に示されておりまする公団の解散をその通りにやつて行くのだという意味にとつていいのでありますか。その点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/16
-
017・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/17
-
018・三輪貞治
○三輪貞治君 その場合、この運賃プールの問題はどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/18
-
019・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) 運賃プールと、それから等級差と言いましようか。一等、二等、三等、等外のこのプールのことですが、今私どもとしては折衝中でありまして、去年から真劍に取組んでいるのですが、なかなか目度が見えないので、ここ暫らく、十五日が目捷に迫つておるので、決して放つて置けない問題でありますが、ここちよつとの問お待ちを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/19
-
020・三輪貞治
○三輪貞治君 その場合、地方等ではこういう懸念をば相当持つておるように聞いておるのであります。と申しまするのは、食糧庁において全部この運賃プールをやられますると、下部の卸機構というものは單なるトンネル的な存在になつて意味を失うじやないか、こういう懸念がされているのでありますが、この点大臣はどういうふうにお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/20
-
021・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) 仮に農林省が運賃プール、或いはその他のプールをやつて、職務をやつたといたしましても、実際物を動かすのはやはり卸業者が動かすので、おのずとそこでも違つて来ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/21
-
022・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ほかにこの機会に御質問はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/22
-
023・岡村文四郎
○岡村文四郎君 昨日御質問をいたしまして、大臣から考えておられるというようなお話があつたのでありますが、実は畜産の奨励の問題であります。そこでこうなりますと、どうしても日本が畜産を奨励して、蛋白と脂肪を十分併用して相当の効果が十分に発揮されるようにしなけりやならんのであることは当然でありますが、非常に農家もそれをよく知つて、家畜導入の要望が非常に多いのであります。それで大臣はそういうふうにやりたい、こういうお話があつたのでありますが、そう莫大な金にはならんと思います。そこで昨日のお話のように、中金の余り利子の高くない金を早急に準備されて、大蔵大臣でもまんざらそれは駄目だとは言わぬと思いますから、大臣が責任を持つて、一刻も早く中金を通してその金を流して、畜産が十分発達するように特段の御配慮を願いたいと思いますが、本当にやつてくれるつもりであつたのかどうか、もう一度聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/23
-
024・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) それは本気になつてやるつもりでおるのです。これは私は本会議で言つて笑われたのですが、雑草の食糧化ということで笑われたのですが、アメリカの雑誌に牛や馬や豚を食糧の倉庫という言葉で使つておる。移動のできる倉庫という言葉で使つておるのです。で、平時ああいうふうにたくさん草を食わして貯えて置いて、必要なときにどこにでも持つて行つてこれを食糧にするということで、移動のできる食糧倉庫という言葉で使つている。特にこういう時代には大事なんです。私が考えておるのは、或る農村等において、これは仏教の思想を非常に多分に受けておつて、生き物を殺すことを嫌うのであろうと思うのでありますが、その場合において、これを自分が殺さないで、協同組合等の施設を以て官営の委託屠殺ですか、これを私は奬励したいと思う。一遍農村等で殺しますというと、まあその日一日で全部食い盡してしまうということでなくて、それがいつでも食前に供されるように長く持たせることを考えなければならんと思う。そういつたようなことをするためには、どうしてもこれは奬励をしなくちやなりません。私のほうはこれは真劍に考えて、中金から金を今度出して貰うように考えておるのです。今日も私本会議で言いましたが、あの長期の低利資金ですか、農林何とか特別会計、六十億出ておりますが、これは実は上半期くらいに使つてほしいのです。そんなことを言うと又叱られるか知れんが、補正予算のときにもつとあの中に水を溜めたい。実はこのくらい考えておるので、こうした普通の中金当りに任して置きますというと、なかなか六十億を事務的に使えないのです。そうでなく、これは市中銀行と中金と両方で調査して出して、そうして上半期くらいに使いこなすくらいにしなければ、私意味ないと、こう思つているのですが、そういうように今度こそ織り込みたいと私考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/24
-
025・岡村文四郎
○岡村文四郎君 なかなかいいことを言われておる。非常に満足なのですが、実は御承知でありましようが、酪農の大家と言われております黒澤酉造さんが今度向うへ行つております。その目的はデンマークとスイスに一つ行つて見たいということで行つておりますが、向うが敗戰後粗食に耐え得る牛を健全に育て上げて、そうして現在完全にやつておりますが、日本におります三百万頭の牛では駄目で、一年に三十万頭の牛を人れてやつて行きたい。そうすれば八千万余りの国民が平均一日三合の牛乳さえ飲めば、食糧が不足してもやつて行ける。これがないうちは日本は駄目だと、こういう固い決意で行つておりますが、それにつききまして、政府は相当の金を出さないと、一ヶ年三十万頭入るかどうかわかりませんが、よしんば三十万頭にしましても、今申上げましたように、国内の畜産を奬励するにさえ資金がきゆうきゆういたしておりますから、一つ大臣において、そういうつもりでこういう金は直接池田さんにも強く要請をして出させるように、今から構想を練つて置いて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/25
-
026・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) お答えして置きます。黒澤君に実は行つてもらつたのは、私お願いして行つてもらつておるので、北欧の牛を日本に入れたいというのは、前から私希望しておりまして、デンマークの人が日本に来たいというので、そういつたようなことをもくろんでやつておるのです。只今言われますように、三十万頭の牛を乳牛化するということは黒澤さんの着想で、日本の現在に非常に合つているのです。それから又もう一つ、それでアメリカの殿様牛ですが、贅沢牛、あれもなくちやならんので、大体集約された農場というものの編成が大事です。それは丁度町村君が実際の問題をやつておりますので、町村君にもアメリカに行つてもらうつもりで、両々相待つて、そこでここに品種の改良をいたしまして、畜産の上に大きな貢献をしたい、こう考えておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/26
-
027・三輪貞治
○三輪貞治君 只今農林大臣が、この農林漁業金融特別会計において、六十億はできるならば上半期くらいに使つて、あと補正予算で要求したいというようなことを言われましたが、又本日午前中の江田君の質問に対しても、そういう御答弁をされておつたのでありますが、これは初め農林省が要求いたうました百五十億近い金が削られまして六十億になつた場合に、大蔵省との間に相当話合いのできた根拠のあるお考えでございますか、ただ希望的な大臣の個人的なお考えでありますか、その点これは相当農林金融界に今日の御答弁はいろいろと影響を與えておると思いますが、この際はつきり根拠を伺つて置きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/27
-
028・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) 本会議では池田君は約束しないと答弁しておつたようですが、私のほうは約束するしないにかかわらず、現在の増産を叫ばれておる、食糧の自給度の向上を叫ばれておりますときに、これが上半期に全部消化し盡されたというならば、当然必要な金であればあとで補正の場合に要求できると、こう思つております。そのとくいにする農村の意欲がなければ私はならんと思つております。市中銀行から締出されておる現在、あの金によつて私は非常に救われるのでありますから、ここで私は出していいと思つております。ただそのとき我々が百五十億の要求をした場合に、事務的に限度があり、六十億でもなかなか消費し切れないだろうということで、我々は引下つたようなわけでありまして、又本年度の自然増あたりを見ましても、相当私はあると思う。あなたがたから云々されておる実質何とかと言いますか、何とか減税とか騒いでおるあの酒の減税でも、相当暮から今にかけて入つておる。私はそういうところから見ても或いはできるのじやないかと思つて、あの使い方に実は興味を持つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/28
-
029・池田宇右衞門
○池田宇右衞門君 今の岡村さんのに関連した問題で家畜の件につきまして、私の長野県など、最近承わるところによりますれば、又鶏等の飼育に当りまして、飼料の「こぬか」が三百円が現在八百円をまだ上廻つておる。今長官にお聞きいたしましたら、公団が拂下げするときに入札制度だと、こういうふうにお聞きしたのであります。大臣もすでに鶏を飼つて知つておられるだろうと思いますが、折角動物蛋白質である豚、鶏方面におきまして、餌が非常な高騰を来たすというようなことがありとしたならば、餌代を拂いまして残るどころじやない、却つて豚の購入に当りまして差引餌代を拂わなけければならん。何も残らない。或いは借金をしなければならないというような程度に現在追い込まれております。これに対して、大臣或いは長官の間に何とか公団をして、そういう公団の収入の潤沢を図るために、折角の飼料を更に動物のお腹を通して、両者相裨益する一石二鳥の効果のある問題に対して、かような方面から考えて見ますときに、取締の方法があるのではないか、又ついででございますが、各公団ともその引継ぎ、解散に当りまして、不正が生ずるような傾向がありますが、これに対しましては、会計監査において十分なる御監督をお願いしなければならんが、この方法について一つ大臣及び長官の所見を述べられたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/29
-
030・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) 大事なことでありまして、実は私は飼料のことを心配いたしておるのですが、北陸あたりを廻つたときに、飼料が足りなくて、本当の玄米或いは大豆、或いは使える優良品の麦などを使つていることを見せられて来ておるのです。どうしても飼料を入れなければならんというので、食糧長官とも相談して、十五万トン飼料を入れようじやないかと話合いをいたしております。拂下げについても、一時思惑業者の手に渡さぬように、成るべく細かくやつて拂下げするようにやつております。すでに東北地方はそういうような形をとつているようですが、今油を搾る業者がむやみに買いあさつておるのですが、こういうところに原因があるのではないかと私は思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/30
-
031・池田宇右衞門
○池田宇右衞門君 公団の嚴重な監督方面、その他について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/31
-
032・安孫子藤吉
○政府委員(安孫子藤吉君) 食糧配給公団と、油糧砂糖配給公団が今年三月を以て閉鎖になります。この末期に近付いておりますので、経理その他の監査について、私どもの監査課並びに全庁を挙げまして十分に監査をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/32
-
033・三輪貞治
○三輪貞治君 大臣は今日本会議の御答弁の際に、米価の問題に関連したと思いますが、農民は非常に現在の農産物価に満足しており、而も生活は従つて安定して喜んでおる、こういうような御答弁であつたと思います。併しながら実際に農村の金融状態を調べて見ますと、預貯金におきましても、事実上非常に減少いたしておる、又実際の生活面を眺めて見ましても、非常に窮迫をいたしておりまして、窮迫販売等も現われておると思うのですが、そういう実際の農村の状態を基礎にせられて、今日御発言になつたように農村経済が非常に安定をして、農家が豊かな生活を喜んでおると、かような結論が大臣として出たのでありますか、その点一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/33
-
034・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) あなたのおつしやるのは、米の価格がまだきまらない前を基底にして、預貯金がだんだん下つているということですが、まだ本当に金が全部行き渡つていないと思います。今後そういう豊かな状況になることを私は信じております。特に「いも」等のことでありますが、非常に最後に廻つて尻上りしまして、農村は喜んでおる、又貯蔵した「いも」もだんだん掘り出して、出しているようでありますが、未だに非常に買いあさつておりまして合成清酒を作つておる醸造家等は切干までどんどん買いあさつておるような状態であります。さようなことでありますので、今年七月外す麦についても、最低価格をきめて置くと必ず値が上る、農村を潤おすことができると、こう信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/34
-
035・三輪貞治
○三輪貞治君 農家の預貯金が非常に減少しておるということは、勿論農家の預貯金の一年中の統計を見ますと、大体六月になり、十月が非常に底になりまして、七、八月或いは十一、十二月が山になることは、これは日本の農業の形態が米麦に依存しておりますために、必然的にそういうふうになるのでありますが、そういう時期的に十、十一月の新米価による収入が入らない前であつたから低くなつておるというようなことでなしに、全体として大体預貯金は減少の状態であると思うのであります。決して十、十一月の新らしい米の値段が入らないときを見て、私はそういつたのではないのでありまして、ここに詳細な資料を持ち合せておまりせんけれども、昨秋私が徴しました資料を見ましても、一般の中小商工業或いはその他の産業に従事するものの預貯金の増加によつて、辛うじて全体のごの預貯金が向上しておるのであつて、農漁村は却つて低下しておるという実際の数字が現われて来ておるのであります。その点について私は必らずしも農村の経済が向上していないということをば、事実について見ておるのでありますが、決してその新らしい米価の決定後における收入増を見ないで、そういうことを言うという大臣のお言葉には承服できないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/35
-
036・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) これは麦もそうですが、雑穀も近いうちに私ども外したいと思つておるので、外せば必らず値が上るのですから、これは限度がきまつておるので、必らず上つて来ます。そうして農村の余分の収入として潤すように私は努力したい、こう思つてやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/36
-
037・岡村文四郎
○岡村文四郎君 今大臣が統制を外せば高くなる、こういうような発言をされたのでありますが、今の日本の現状では、そういうことが言えると思います。そこでそれについて、実は雑穀の統制を早く外すように要望をいたしておりますが、長官にもしばしばお願いをいたしておりますが、雑穀の産地の北海道などは実に困つております。だから集荷が一〇〇%済めば、全国が済まなくても外して欲しい、こういう要望をいたしておりますが、なかなか長官はどうも頭を横に振つて縱に振りません。私は外してもいいと思います。そうすると、大臣が今申されますように相当に高く売れます。それによつて多少百姓を潤す。又どうも聞きますと、食糧管理法から真直ぐに調査すると、相当な罪人ができるような結果になりはせんか。これに集荷が十分できておりますから、そこまではやかましく言わないようでありますが、安心をして取引をさせ、又実施においてそうなるべきだと思います。そこで例えば大豆を、釀造家が現在の拂下価格でやつておりますが、それ以上高く買つても引合うというので盛んに買あさつておりますから、何もそれを妨げて売らす必要はないと思います。そうすると、売らしただけ借りた金に金利が付いて損する一方です。これは一つ即時地区的でも結構だと思います。地区的で、なぜ外されないかという理由があるか、それをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/37
-
038・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) あなたのお考えの通りに、苦労して食糧長官今やつておる最中でありまして、ちつとも変つておりません。その通りです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/38
-
039・岡村文四郎
○岡村文四郎君 苦労はわかるが、苦労しても実現せぬことは苦労のしがいがない、長官はよく知つておられるから、私は即時北海道に限つて早くこういうふうにしたほうがいいと思います。それをできぬという理由をお聞きしておるので、なぜ北海道はできないか、若しそれができないならできなくても、今の割当数量以上若しやるなら、原価の価格じやなしに、もう少し張り込んで、そうして必要態勢を作つたほうがいいのじやないか、こういうことを考えますが、即時外さない理由がわからない。長官が非常に熱心に心配をされて、何とか北海道のいいようにしてやりたいということはわかりますが、併しそれが実現できないことはわからないのであります。若し長官わかつておつたら言つてもかまわないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/39
-
040・安孫子藤吉
○政府委員(安孫子藤吉君) 近いうちに行くつもりです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/40
-
041・三輪貞治
○三輪貞治君 今一つお伺いしたいのです。これは簡單にお答え願えればいいのですが、現在この農産物の検査は、食管法による主要食物の手続によりまして、食管法一本で国営検査ができるようになつておるわけですが、併しながらだんだん統制が外されて参りますと、食管法が事実上検査に対する効力をば失つてしまいますから、單独の法律が必要になつて参ります。で、農林省で農産物検査法をだんだん研究されておることはよく承知しておりまするが、今度の国会にそれを上程されるおつもりでございますか。その点簡單にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/41
-
042・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) そのつもりで今省内の批判をやつておる最中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/42
-
043・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それではこの問題についてはこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/43
-
044・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それでは昨日に引続いて裝蹄師法の一部を改正する法律案の質疑を始めます。
私から一つお尋ねいたしたいのでありますが、現行法の第二條にあるこの罰則と言いますか、免許をなすことを得ない條件の中に、「六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑二処セラレタル君」とあるわけでありますが、裝蹄法の違反でこういう刑を受けたものというと、或る程度わかりますが、それ以外の例えば政治犯、思想犯等の場合で、こういう免許を受けれないという條項が存在する場合には、非常に過酷ではないかという感じがするのでありますが、大体政法犯や思想犯でこういうことに該当する人は恐らくないとは思いますけれども、過去にそういうようなことで問題になつたことがあるかないか、その点ちよつとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/44
-
045・山根東明
○政府委員(山根東明君) 過去において政治犯、思想犯でこの第一号に該当した事例はないようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/45
-
046・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ほかに御発言はございませんか……。御発言がなければ、質疑は終了したものと認めまして御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/46
-
047・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それではこれから討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/47
-
048・片柳眞吉
○片柳眞吉君 この裝蹄師法の一部改正する法律案につきましては、昨日の委員会で私から政府当局にいろいろ質問したのでありまして、内容的にもなお今後改善を要する点があると思いまするし、又立法の体裁から見て参りますると、他の類似立法との間において不均衡の点もあると思うのでありまして、この点につきましては、政府当局でも十分今後研究して善処いたしたいという旨の御答弁がありましたので、それを了承いたしまして、この法案には賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/48
-
049・岡村文四郎
○岡村文四郎君 本問題は関係のない人が聞きますと、やさしい問題だと思うのでありますが、併しながら実際その衝に当つておる人が聞いて見ますと、重大でありますので、先に質疑を行いましたところ、大体我々が心配いたしておるようなことは解消されたのでございまして、採決に入るわけでありまするが、そこで本改正法律案によつて、現行法の第一條第二項第二号及び第三号の該当者の無試験免許の資格は廃止されるのでありますが、尤も附則によつて一応昭和二十八年の十二月三十一日まで、これらの該当者の無試験免許の既得権は擁護されておるのであります。そこでこれにつきましても、その後において既得権の擁護については遺憾なく処置をせられるよう要望申上げまして、原案に賛成いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/49
-
050・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/50
-
051・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。
裝蹄師法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたがたの起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/51
-
052・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 全会一致でございますよつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、委員長報告の際の形式につきましては、従来の慣例に従いますので、御了承を願いたします。
なお本案に賛成のかたは順次御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
岡村文四郎 片柳 眞吉
赤澤 與仁 門田 定藏
三輪 貞治 三橋八次郎
西山 龜七 溝口 三郎
宮本 邦彦 池田宇右衞門
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/52
-
053・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 続いて農地調整法等の一部を改正する法律案を上程いたします。これは内閣提出で予備審査であります。先ず提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/53
-
054・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 農地調整法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。
現在の農地委員会の委員の任期は、おおむね市町村農地委員会にあつては八月、都道府県農地委員会にあつては九月に満了することになつておりますが、来るべき地方選挙においては、農地委員会の委員で立候補する者が出て欠員が相当出るものと予想されます。このような場合には現在の農地調整法の規定によりますれば、原則として補欠選挙を行わねばならんことになりますので、任期満了六カ月前は、各階層ごと定員の二分の一に至るまでは再選挙も補欠選挙も行わないことにしたのであります。
その他選挙人名簿の据置に関する規定もございますが、何とぞ愼重御審議の上速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
以上提案理由を簡單に御説明申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/54
-
055・羽生三七
○委員長(羽生三七君) なお本案につ
いて更に説明員として和田農地課長の説明を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/55
-
056・和田正明
○説明員(和田正明君) 御説明いたします。本案は二條からなつておるのでありまするが、第一條は只今提案理由の御説明にもありましたように、四月に行われまする地方の議会及び地方自治体の長の選挙に伴いまして、市町村及び都道府県の農地委員会の委員が相当立候補されることが予想されるわけでありますが、現行法から考えますと、兼職が禁止されております関係で、立候補されまするかたがたはその前に農地委員のほうをお辞めになつて頂かなければならないことになつておるわけであります。ところが農地委員会の委員の任期は二年でございまして、丁度昭和二十四年の八月に選挙をいたしておりますので、本年八月に任期が満了いたしまする関係で、僅かの期間しか残存任期がないのでありまして、その間に僅かな期間のために補欠選挙を多数行いますることは、いろいろ事務的にも不適当だと考えまして、各階層の二分の一以上のかたがお辞めになりました場合に限つて補欠選挙をいたすということにいたしたい、かような趣旨の規定が第一條にあるわけであります。これは農地調整法の十五條の八で公職選挙法を準用いたしております中で、現在公職選挙法の三十四條の第二項というのを準用いたしておりませんのでありますが、この第二項と申しますのは、任期満了の六ヶ月前までは、欠員を生じましても、補欠選挙又は再選挙を行わないという趣旨の規定であります。その條文に但し書がございまして、但し定数の三分の三以上が欠員になりました場合には、任期満了前六カ月でも補欠選挙又は再選挙をいたすということに相成つておるのでありますが、御承知のように農地委員会は三階層の階層選挙になつておりますので、階層ごとに半分以上の欠員を生じました場合に限つて補欠選挙をいたすというふうに三十四條の二項を読替えまする規定を加えまする趣旨の規定でございます。
それから前のほうが市町村の関係それから頁の表から裏につながります部分は都道府県の関係で、同様の意味の規定でございます。それから第二條のほうはやはり公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律の第三十一條の第二項で、農地委員会の選挙人名簿が、本年の三月四日まで有効ということになつておるのでありますが、政府といたしましては、近く農業委員会法案を提出いたしまする関係もございますので、一応この選挙人名簿を一年間そのまま据え置いて有効ということにいたしたいという趣旨でございます。御説明申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/56
-
057・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 本法律案は予備付託でもありますので、質問は次回に讓りまして、本日はこの程度で散会いたします。
午後二時二十九分散会
出席者は左の通り。
委員長 羽生 三七君
理事
西山 龜七君
片柳 眞吉君
岡村文四郎君
委員
池田宇右衞門君
白波瀬米吉君
宮本 邦彦君
門田 定藏君
小林 孝平君
三橋八次郎君
三輪 貞治君
赤澤 與仁君
溝口 三郎君
三浦 辰雄君
国務大臣
農 林 大 臣 廣川 弘禪君
政府委員
農林政務次官 島村 軍次君
農林省農地局長 佐野 憲次君
農林省畜産局長 山根 東明君
食糧庁長官 安孫子藤吉君
説明員
農林省農地局農
地課長 和田 正明君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X00219510201/57
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。