1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十九日(木曜日)
午後一時四十八分開会
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本日の会議に付した事件
○農林漁業資金融通法案(内閣提出、
衆議院送付)
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001・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それではこれより農林委員会を開きます。
本日の議題は農林漁業資金融通法案でありますが、御承知のようにこの法案については、只今皆様のお手許に資料をお配りしてあるように、衆議院がこれを修正して来たわけであります。そこで今日皆様によつてお確かめを願いたいことは、この前の政府の御答弁によりますというと、例えば今度の衆議院の改正案は、塩田関係の利率を下げ、或いは又その据置期間等を変更して来たのでありますが、この前の政府のお話によると、こういう変更を加えた場合には、資金計画全体に変更を生ずることになるので、不可能であるという意味の御答弁があつて、そのようにこの委員会は了承して来たわけでありますが、この衆議院のこのような修正によつて、全体の資金計画に何らの影響は及ぼさないのかどうか、この点を明らかにしておいて頂いて、質疑に入りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/1
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002・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 衆議院の修正に対しては、資金計画に影響がないとは言えないと思うのであります。併し国会の御意思でこういうふうになりました結果は、参議院においての皆さんの御意向によつて適当に御審議を願うほか、いたし方ないと思います。資金計画について影響が全然ないとは申上げられないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/2
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003・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 農林金融課長、もう少し詳細に一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/3
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004・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 前の政府の原案でございますと、利廻が平均いたしまして六分一厘二毛となつております。今度の修正案でございますと五分七厘二毛ばかりでございます。でこの五分七厘二毛でございますので、預金部資金の借入れはこれで弾いて参りますと、第一年度には四十五億見当しか入れることができない、こういうような結果になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/4
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005・羽生三七
○委員長(羽生三七君) その資料を頂くわけに行きませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/5
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006・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) はあ、早速作りまして明日でも配付できるようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/6
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007・宮本邦彦
○宮本邦彦君 十五億違うわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/7
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008・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) はあ、これは第一年度でございまして、二年度以降になりますと、御承知のように金融機関に対する支払手数料が初年度は三%、次年度以降は二、五%に下りますので、多少借入限度は殖えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/8
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009・羽生三七
○委員長(羽生三七君) もう一つ私からお尋ねしておきますが、衆議院の農林委員会の審議中には林道とか、塩田等だけのことで、その他の部分については別に何らのお話はなかつたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/9
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010・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 利率の点に関しましては、委員会の討議の中には、ここに現われました修正案以外に出ておりませんのでございます。ただ与党の懇談会におきましては、それ以外のものにつきましても引下げたらどうかという意見が出たことがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/10
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011・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/11
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012・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それじや速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/12
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013・飯島連次郎
○飯島連次郎君 改正に対する審議をする前に、林道とか、塩田とかその他、前の六十億に対する資金計画と、改正した配分の資料を一つ頂いて、その上で審議をしたいと思いますが、それは明日にはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/13
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014・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 資料と申しましても、現在予算できまつております六十億の資金の配分は、これは変化ないのでございます。土地改良に三十九億ばかりが行つておるわけでございます。ただ今後当初我々が六十億限度一ぱいまで預金部資金を借入れるということを申しておりましたが、それは金利の都合上できなくなつたというのですから、資料といたしましても、これは借入限度を弾きました計算を差上げるようになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/14
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015・羽生三七
○委員長(羽生三七君) すると私からもう一つお伺いしますが、仮にそれじや六十億の資金計画のうち十五億減る場合に、それは全体がそういうふうに減つて来るのですか。塩田、林道を除くその他の農業部門全部が減つて来るのですか。その割合はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/15
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016・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 新たに借入れます予定の預金部資金の用途は、今配分計画をまだ案を練つておりますので、具体的に土地改良に幾らとか、或いは塩田に幾らということはきまつておらないのでございますが、借入れました部分のうち、相当部分は農業倉庫でありますとか、そういつた共同利用施設に廻すことになると思います。従いまして十五億減りました分の影響というものは、これは全部にかぶつて来るというふうに御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/16
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017・宮本邦彦
○宮本邦彦君 私この前頂いた資料を持つて参りませんけれども、大体この資金の金利をきめたときには、あの一定の基準でもつて皆同じように算出してきめられた、このようにこの前説明を承わつたのでございます。例えば償還の関係、それがこういうふうになりますというと、大分何といいますか、公平を欠くというか、バランスが変つて来ることになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/17
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018・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 各業種別に利率を変えます基礎は、その事業の挙げます経済効果を仮に換算いたしまして、負担可能限度の最高まで上げたわけでございます。従いまして林道と塩田について申上げますと、公共事業費による補助があるのが一割ということになつておるわけでございます。これはなぜそういうこをいたしたかと申しますと、差上げました資料には、非補助事業の償還計画だけ差あげておるはずでございますけれども、これは公共事業による補助事業の分は、これは実は現在市中銀行関係の融資が行われておる。従いまして市中銀行程度の金利で以てするならばそう低くする必要はないのじやないか、こういうつもりで一割という案を作つたわけでございます。従いまして下げる分には、幾らでも、低いほどいいのにきまつておるわけでございますから、そういうわけで償還はより楽になるということは申上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/18
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019・宮本邦彦
○宮本邦彦君 そうしますというと、まあ私ども、今の当初の案では納得できるのでございますけれども、大体この六十億のうちの初めの六十億というものは、財政資金或いは見返資金から持つて来たというような関係にあるわけですね。従いましてこれだけで考えれば銀行手数料だけで以て先ず借りてもいいんじやないかというような見方が成立つのじやないかと思うのです。ところがそのうちの一部分を変えることによつてですね、全体に、今のお話のようになりますというと、影響して来るんじやないか。で、その全体の影響が逆に今度いじらなかつたほうにそれがかぶつて来るんじやないかというようなふうに考えられるわけなんですが、ここのところどういうふうに調整されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/19
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020・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 既定の六十億の分の資金の配分には、これは影響しないんでございまして、この追加されます新らしい四十五億の分が本来十五億だけ更に殖える可能性があつたものが、その可能性がなくなつてしまうということになるわけです。調整と申しましても金利が、例えば塩田と林道を下げたために借入が減つたんですから、その殖えた分は塩田のほうに廻そうという調整方式は今のところまだ考えておらないわけでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/20
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021・宮本邦彦
○宮本邦彦君 私はこの前もお尋ね申上げたのですが、この土地改良のような金融は相当まとまつた大きな額のものが多いんじやないか。で私は実は肝心の鑑定役をやつた友達に実は聞いて見たんですが、貸付の審査とか、そういつたものをもう少し合理的に簡略にし得ればですね、そうすれば三分の手数料はまだ下げる余地があるということを旨つておるんでございます。将来まあこの点を御研究になつて頂きたいということを重ねてお願いすると一緒に、そういうことが可能かどうか一つお答え頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/21
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022・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 今のお尋ねでございますが、先般差上げました金融機関に対します支払手数料の計算がございます。あれは一応一件の金額は二百万円と踏みまして計算しましたわけでございまして、従いまして今お話のように若し多額に、一件の金額が一千万円になりますとか或いは五千万円とかまとまりますと、その手数料の率は思い切つて逓減しておるわけでございまして、一例を申上げますと、一億以上の場合には普通の手数料が三分に対しまして〇、三七五%、一割ちよつとくらいしかやらない、そういつたことをしておるわけでございます。従いまして若し大部分の融資申請書の申請金額が相当一千万円以上というようなまとまつたものでございますれば、金融機関に対する支払手数料は少くて済みやすいのでございますが、どうも見返貸金あたりの申請状況を見てみますると、一件の申請金額というものは非常に少い、大体百万円くらいとそういうふうに考えられますので、そういたしますと余り支払手数料の節約ということは望み得ないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/22
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023・宮本邦彦
○宮本邦彦君 金融の審査の方法とか、そういうようなものに対して今算定されました基準になる扱いを具体的に参考資料として、いつでも結構でございます、この次の休会明けの国会までに資料を一つ頂きたいと思います。どういうような書類をどういうふうにして審査するのか、そういう目標が多分おありだろうと思いますから、それを頂きたいと思うのでございます。それは頂けますですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/23
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024・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/24
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025・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/25
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026・赤澤與仁
○赤澤與仁君 この利率を下げることによりまして預金部からの資金が減るということは一応わかりますわけでございますが、それが六十億が四十五億になるといたしますと、一応先般お示しを頂きましたこの特別会計自体の六十億の資金の配分計画はお示しを頂いて了承ができているわけでございますが、その預金部からの六十億というものについては、一応未確定なものだからというような事柄でお示しがなかつたと思うわけでありますが、この四十五億になります場合の、この四十五億の配分関係を一応どういう工合に想定されているかということをお示し頂くことが審議の上において非常に便宜だと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/26
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027・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 只今の点に対しては、ずつと前に出ましたものでは七十億位のものがあつたのでございますけれども、衆議院においてもこちらのほうにおいてもいろいろ新らしい項目での融資の御希望も多いようでございますし、そういうふうな御希望も入れて今調整中ではありますけれども、今のところまだこちらにお示しするような段階までに至つておらないのでございます。或る程度そういうふうな点ではこの特別会計の収支の関係も見て金利の点も調整しなければならないし、それから或る程度事業の重要性というような点や、殊にこの共同施設等の関係については資金の裏打もできないものが相当ございますので、そういうようなものをどのくらいの比重で考えて行くかというような点について、非常に項目が広汎になりますとか、或いは農業であるとか、林業であるとか、水産であるとか、畜産、蚕糸であるとかいうような関係のバランスというものも或る程度考慮しなければなりませんし、その額が或る程度とにかく見通しがつきませんですと、ちよつと按分が簡単につきにくいというような関係がありますので、その点については衆議院からもそういう御希望があつたわけですけれども、もう暫らくお待ちを願いたいと、こう申上げて御了解を得たわけでありますが、まだできていないという段階にありますので御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/27
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028・溝口三郎
○溝口三郎君 只今官房長からお話がありましたが、今度の預金部賞金の四十五億、その配分計画の資料を頂くと同時に、先ほど一応七十億ぐらいの見通しをつけたものがあるというようなお話でございましたが、それも併せて御提出をお願いいたしたい。どういうふうに前は考えていた、今度は減つた、むしろこれは非常に減らすことはいいのでございますが、土地改良等はそのままになつている、前の計画からこのくらいになつている、そういうようなことで事業分量が減つてしまうというような結果になるわけでありますが、これをどういうふうにお考えであるか、一応新旧併せて資料を頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/28
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029・塩見友之助
○政府委員(塩見友之助君) 今おいでにならない間にちよつと御質問があつたのですが、この六十億に関する限りは、これは今度の利率引下げに関係なくこれは動かさない方針なんでございまして、あと六十億入るか四十五億入るか、或いはそれも預金部資金全体の運用からいつてどこまで認められるかというようなことは、これは予算体系と関連しまして今のところまだ大蔵大臣もはつきりと額について確言できない、もう暫らく待つて欲しいというような形だものでございますから、その関係についてのまあ四十五億になつたらどうというふうな形のものは、今申上げた通り、まだできておらないというふうな状態なんで、もう暫らく時を貸して頂かないとお出ししにくいと思うのでございますが、そういうふうなことで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/29
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030・溝口三郎
○溝口三郎君 預金部資金を六十億と一応予定を立てて、そうしてこの六十億と両方合せて百二十億というので預金部資金は見込を立て、そしてそれを大蔵省に要求していられると思うのですが、そのときに将来その六十億というものは、配分も何も考えていない、ただ漫然と六十億貸してくれというような交渉をしておられる、恐らく私は原案としては何か資料をお持ちになつておるのじやないか、それはどう交渉をやつておられるのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/30
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031・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) たびたび申上げました通りに、六十億プラス六十億の計算で、一応特別会計を設定するということで大蔵省との間に、話を進めた、そこでその六十億が四十億になつた場合において配分をどうするかということは、今申上げた通りで、まだ決定いたさないのみならず、六十億の場合におきましても、これはその後の衆議院の審議の情勢から見ますると、第六項の共同施設、なかんずくここにかかつておるように畜産、養蚕等についても、或いは又農地のうち牧野についてもというような御意見が加わつて来たのであります。従つてこれを原案として考える場合には、配分も変つて来ざるを得ん、こういうことになるわけであります。別に原案が非常に杜撰であるということにならないのだと御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/31
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032・溝口三郎
○溝口三郎君 私のお伺いしているのは、情勢が変つて来たから修正するということは当然だと思いますが、いろいろの施設等に対しても貸出をやつてる、そのほかに、或る一部分のことに対して利子を下げたがために、それも影響して、利子を下げた部分のほうまで事業分量も、将来の四十五億の配分をやるときに少くなるというようなことがあると、いろいろな問題が私は出ると思いますから、最近情勢が変つて来たからこういうふうに修正するのだ、この前は一応こういうように計画を立てて大蔵省と交渉していたんだということをはつきり私は伺いたいと思います。預金部資金の六十億も農林省でお考えになつておつた前の計画と、今度修正をなさるのと併せてお聞きしておきたいと考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/32
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033・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 論議の中心、衆議院の御論議の経過から見ますると、早くから御了解があつたわけですが、内容的に申しますと、この修正案が一昨日、昨日になつて初めてOKが参りまして、そして委員会において取上げられ、直ちに本会議において可決されたということになつて参つておるのでありまして、従つて今直ちにこれに従つた配分計画をすぐに作れというお話につきまして、房官長が申上げたように、資料を今集めつつあつて準備中でありますが、六十億なり四十五億の計画を直ちに出すということは事実上困難だと考えますのでお許しを願いたい。経過から考えて御了解を願いたい、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/33
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034・宮本邦彦
○宮本邦彦君 今の次官の御説明と官房長の御説明との矛盾したようなものがちよつと考えられるのですが、或いは私の聞き違いかも知れません。官房長の言われるには六十億の配分は変らない。先の百二十億の中の預金部資金の借入の後の六十億のほうでは変る、こういうふうに承わつていいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/34
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035・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) その通りです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/35
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036・宮本邦彦
○宮本邦彦君 そうしますと、今次官が言われるように、農地又は牧野というような、こういう項目には、今配分計画が、私ども頂いた六十億のほうにはさわつてこない、影響して来ないと、こういふうに承知してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/36
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037・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/37
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038・岡村文四郎
○岡村文四郎君 最初の御説明を伺つたときには、その他といいますか、向うのほうからはつきり認めておらんようなところにはしつかりした配分はないようで、今後資金の増によつては考えられるが、今は六十億では考えられない、こういうお話だつたのですが、畜産まで何ですか、そうしますると元の六十億の数字には絶対狂いがないから、その他の資金の、資金の如何によつてその他のものを入れる、こういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/38
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039・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) さようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/39
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040・岡村文四郎
○岡村文四郎君 そうすると総体的からいいますと、畜産その他が入り込んで来るだけ総体的の枠からは減るということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/40
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041・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 共同施設に対する希望が非常に出ました結果が、こういうものが入つておる。そこで最初の原案には、共同施設としても、畜産、養蚕についてはまあ第二義的に考えたいという考えを変えざるを得ん、こういうことになりましたので、配分計画も最初考えたよりはどうしても変つて来ざるを得ん、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/41
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042・赤澤與仁
○赤澤與仁君 政務次官の、先ほどのこの修正によりまする金利の問題については、衆議院の御意思によつてそうせざるを得んようになつたというお話もありまするし、後の預金部からの融通金額の決定が六十億になるか、或いは七十億になるか、四十五億になるか末定である、而もそれが特別会計からする予算の関係があるからすつきりしたことがここで表明ができないというような、この二つのお明示がないために、我々がお尋ねしてもから廻りしておるような気持がいたすわけなんでございます。先ず最初にお伺いいたしたいのは、金利という問題につきましては、融通を受けた投下資本に対しまする果実から考えまして、償還期限なり、或いは金利を定めたという工合に了解しておつたのでございますが、それで間違いございませんでしようか、一応……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/42
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043・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/43
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044・赤澤與仁
○赤澤與仁君 そういたしますと、衆議院で二、三の事業につきまして、金利を軽減したということになりますと、その基本におきまする投下資本によりまする果実の多少と申しますか、それに狂いが生じて参つたことになろうと思いますわけでありますが、それはそれぞれこの低くいたしました塩田とか、或いは漁港、或いは林道というようなことについての政府の資料については検討して、衆議院の意見に同調せられるわけになりますと思うのでありますが、この点につきまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/44
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045・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 最初に申上げました通りに、国会の御意思によらなければならんという結果になつたのでありまして、従つて最初予定いたしておりました六十億が四十五億に減るという結果に対しては、国会のほうで、さように御決定になれば、それに従つて我々は計画を進めなければならんと、こういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/45
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046・赤澤與仁
○赤澤與仁君 私は結果をお伺いしたり、或いはその資金額の問題として今取上げておるのではないのでありまして、金利という問題についてお尋ねいたしておりますので、一つ富谷課長からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/46
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047・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 私の御質問を了解した点が或いは違つておるかと存じまするが、林道と、それから塩田が下りましたので、漁港は金利は変わりません。その林道と塩田の二本に対しましては下りましたことはこういうふうに了解願つたらよろしいのではないかと思います。それはつまり従来の一割の金利でございますと、例えば林道で申しますると、山の奥のほうへ入り込むのでもおのずから伐採の区域というものは制限される、企業の採算上制限される。従来我々が一割と金利を見込んでおりましたものは、そういうたとえで申しますと、四キロなら四キロという山の林道を考えておつた、ところがこういうふうに林道が七分五厘に下つて来ましたので、その切る距離が更に延長されて十キロなり十五キロに拡がつた、従いまして応募して来る申請者は前よりも数が余計多くなつて来るというように御了解願えましたならば、金利の点は御了解頂けるのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/47
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048・赤澤與仁
○赤澤與仁君 そういたしますと、衆議院のこの低金利に修正したことには、一応妥当性があるとお考えになつていらつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/48
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049・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/49
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050・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 私から一つお伺いしますが、塩田にしろ、林道にしろ利率を下げることに誰も異存のある人はないと思いますが、その結果起つて来る影響が、この法案について一番各議員の皆さんから問題として指摘された第二條第六項の、この共同利用施設の点に非常な影響があると思うのでありますが、それについて簡単に総額で十五億の影響があるとした場合に、この補填について政府は何か具体的に考えを持つておられるかどうか、これは政務次官にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/50
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051・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 我々の最初の計画は、たびたび申上げる通りに、現在の計画をいたしておりまする事業そのものにも不足をいたしておりまするので、できるだけ多額の資金の獲得をしたいというのが念願であります。そこで今度の利率改訂による四十五億の計画は、一応金利の引下げによつて特別会計の性質上総額は減つて参ることでありまして、その点は誠に遺憾と存じまするので、更に折衝を加えまして増額については努力を重ねたいと思うのであります。ただその場合におきましては、特別会計全体に対しての金利の点等から執行が不十分になるというような点が、預金部だけについて考えますというと、さように考えられますが、国家資本である、或いは見返資金とか、或いは国の財政般会計からの繰入等が増額することになりますれば、その問題は解消するという前提に立ちますれば、なおかような点について、前段申上げたように努力を重ねたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/51
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052・江田三郎
○江田三郎君 先ほどの御答弁聞いておりまして非常に遺憾に思うのでありますが、利率を変えられた衆議院の修正を妥当と思うというように言われましたけれども、ちよつと聞いておりまして、あの説明では、辻褄が合わぬと思うのであります。だんだん林道が奥地へ入るのだというように解釈しろということでありますが、若しそういうことなら、今度この金が出た場合に果してそういうような所がずつと延びて来るかどうか。すぐに実際の貸付に当つて、只今言われたことが本当か嘘かということは、具体的に立証されることになるのでありまして、又林道でなしに、これが塩田の場合には、一体どういうような説明をされるのか。だんだん悪い塩田に手を付けるのだ、こういうように説明されるのか。どうも私は近頃事務当局というものは、何か一つの勢力に支配されて、自分の意思を率直に言い得ないような傾向があるのじやないかと思うのでありまして、その点は食糧の管理につきましても、或いは又先般の農業委員会の問題にいたしましても、絶えず私はそういう気がいたすのでありまして、やはり事務当局は正直に、事務的に合理性のないものは合理性がないとおつしやつるほうがいいんじやないかと思います。若し事務当局が政治的な発言ばかりをするならば、その場合は事務当局ということをおやめになつたほうがいいと思うのでありまして、そういう点については、一つ御反省を願つたほうがいいように思うのであります。これをどうするかということは、本委員会がきめることであつて、事務当局は事務当局らしい態度をとられることが望ましいと思うのでありまして、これは質問ではございませんが、一つ申しておきます。
なおついででありますが、私はこの際農林漁業の金融法と直接の関係はありませんけれども、農林に対する金融問題として、農地局長に一言お尋ねしたいのでありまして、それは過ぐる委員会におきまして、自作農の創設及び維持の資金について質問をしたわけでありますが、そのとき御回答がありまして、そのとき私が質問いたしましたのは、この土地の購入資金について、政府は原則として土地を購入する小作農が資金がない場合にはその資金を融通するのかという質問、及び岡村委員から自作農の維持資金についての質問があつたわけでありますが、それに対してどういう方法をとるのだということであつて、なおその点につきまして、私は現在公布されておりますところの法律或いは政令等から見てどうも無理があるように思いましたので、その論拠をもう一遍御検討を願つたわけでありますが、これにつきましては、去る三月十三日附を以て農地局から文書によつて御回答がございましたが、この回答の、農地の購入資金は、現行法令によつて、次の方法によつて融通することになつておる、即ち購入せんとする農地は、一度政府に譲り受けてもらつて、政府から年賦で売渡しを受ける。自作農の維持資金は、現行法令によつて、次の方法によつて融通することになる、即ち自作農の申出に基き強制譲渡による場合及び抵当権の設定によつて協同組合その他の金融機関から資金を借入れる場合として、おのおの具体的に挙げられておりますが、これは現在のこの法律及び政令から見てこの通りで間違いはございませんかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/52
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053・平川守
○政府委員(平川守君) 現在の法律を文字通り適用いたしましてそういうことが可能であります。但し実際問題といたしましては、例えば自作農が維持資金を得るためにその農地を政府に譲渡すことは法律上可能でありまして、政府に対して譲渡を申出ればよろしいわけでありますけれども、実際問題といたしましては、成るべく自作農としてもそういう手段はとりたくないでありましようし、こういう制度によりましてその農地そのものに担保力が付いているというように考えますので、金融機関、例えば農林中金その他をしてこういう担保力を背景にして自作農が維持のために或る程度の資金を必要とするという場合にこれを融通せしめる、そのための資金等についていろいろ面倒を見るということが実際問題として妥当ではないかと考えますので、金融機関とそういう方法でなお進めて行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/53
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054・江田三郎
○江田三郎君 ここで現在の法律及び政令等からして、この通りの解釈で間違いでないということでありますが、可能であるということでありますが、可能であるということは、別な言葉で言えば、政府は現在この方針をとつて実際にやつているということなのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/54
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055・平川守
○政府委員(平川守君) 只今申上げましたように、農家といたしましても自作農の維持のために資金が必要である、その場合に一々農地の政府に対する譲渡しを申請するということは、実際問題としては必ずしも適当ではなかろうと思いますので、その場合もつと簡単にその担保力を背景にして金融機関から借りるというようなことがいいのではないか、従いましてそういうことを指導いたしまして積極的に全国的にやらそう、こういう一々法律の手続によつてやらそうということを考えておるわけでありませんけれども、この背景によりまして実際問題としてそれと同じ効果を得るような金融機関からの融資ということによつてやつて行くのが妥当であろうというように考えております。併し法制的なこういう根拠がなければ金融機関も貸出いたしませんから、その根拠になるという意味においてこの法制は非常に重要な意味を持つというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/55
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056・江田三郎
○江田三郎君 農家がそういうことをするかしないかは別にしまして、こういうことが現在の法制からしてできるのであれば、できるということははつきり農家に教えなければならんはずでありまして、私たちが今まで関係法令を解釈しておつたところでは、こういうことはできない、原則ではないというように解釈しておりましたが、これは私の大きな解釈の間違いであつたように今思われるのでありますが、今の局長のお話を聞くというと、局長の言われることが正しいのならば私のほうが間違つておつたのであります。ところが私と同じような間違つた解釈を持つている人が殆んど大低の農家なのであります。折角こういう解釈があるのにその解釈を知らんのが大部分でありますからして、少くともこれを実際に農家が進んでやるかどうかは別にして、こういうようなことにやれるのだということだけは徹底させておかなければならんと思うのでありまするが、そういう徹底の方法は講じられているのかいないのか、或いは近くそういうことをおやりになるのかどうか、その点のお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/56
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057・平川守
○政府委員(平川守君) もとよりこれは法制から申しますれば最後的な、いよいよ自作農がどうにもほかに方法がないという場合の措置でありまして、自分の農地を政府に売渡すという場合でありますから、これは飽くまでも例外的な措置でありますけれども、併し困ればそういう最後的な救済手段があるということでありまして、その救済手段があるということにつきましては、近く各地方の農地部長等を集めることにいたしまして、その趣旨を徹底いたしたい。なお私は普通の常道といたしましては、先ほど申しましたように、この法律は最悪の場合に政府が救済するようにできており、この法律の手段を背景にいたしまして、実際問題として組合なり或いは農林中金なりから応分の融資をするという段取りをとるのが適当だと思いまして、そういう方面に対してもなお連絡をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/57
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058・江田三郎
○江田三郎君 もう一つ確認をお願いしたいと思うのでありますが、近く農地局長或いは農地部長等を集めてそういう話をせられるというだけでなしに、こういうことを正式に農林省の通牒として末端へまでお出しになるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/58
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059・平川守
○政府委員(平川守君) この法律の解釈等について近く通牒をいたしたいと思つておりますので、その間に織込んで通牒を出したいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/59
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060・平沼彌太郎
○平沼彌太郎君 この法律案が通過した場合に、その裏付けとして預金部資金六十億は確実に得られるところの確約がおありになるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/60
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061・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 先ほど申上げましたように最初六十億予定しておつたのでありますが、今回の衆議院の修正によりまして資金の利廻の計算から四十五億に減ずるだろう、四十五億に対しては極力折衝を進めております。が、まだ結論に到達いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/61
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062・平沼彌太郎
○平沼彌太郎君 結論に達しない…。最初の六十億というようなものも骨抜きにされてしまうと思うのですが、今林道と塩田のほうが一割が八分、二分下るわけでありますが、その二分というものは計算しますと一千万円前後だろうと思うのです。この十五億というものに対照されるのも少し過大な計算ではないかと思われます。のみならず三分の手数料ということ、これが私まだ肯けないのですが、手数が非情にかかるようになれば、手数料を余計払わなければならぬ。その手数をかけられたということがこの資金に最も大きな支障になるわけであります。少くも簡単に借りられるということは、手数料を減ずるということがいいのではないか。三分ということをどういう方法で、省令その他でおきめになつているのか知りませんが、そういうことを下げる、又は先日お出し下さいました金利その他の計算で見ましても、まだ融通性が相当にあるように見受けられたところに見ましても、六十億という預金部資金は十五億減るというようなことをここでお出しになるよりも、いろいろな方法で六十億だけは借りられるという計算が十分つくと思うのですから、今回はこの通りのようにして頂いて、その次の五月のときに又細かい計算は何とかそれに持つて行くというようなふうにして、八方収まるような方法はつかないでしようか、それをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/62
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063・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) お言葉でございますが、金融機関の手数料の削減ということ、それから貸出しやすくする点、この点は御質問されたほうが専門家でいらしやいますが、この間地方銀行協会それからブロツク会議あたりで金融機関のかたも御出席願つたのでありますが、その席でも手数料が少いという御意見が出ておりますようなわけで、成るべく貸出しやすくするためにも金融機関の不満とされない程度の手数料を払うということが必要じやないかというふうに考えておりますので、折角のあれでございましたが、手数料を引下げるという意思は今のところ持つておりませんのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/63
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064・平沼彌太郎
○平沼彌太郎君 今金融機関とすればそういうことを言うかも知れませんけれども、少くも手数料が三分ということはこれは多いと思います。やり方によつてはもう少し少くて済むのじやないか、これはいろいろな方面から私も聞いて見ておりますのですが、この次は二分五厘に或いはお下げになるというお話も伺つておる。又二分にも進むかも知れませんが、こういうことを簡素化して、簡略に借りられるようにすることによつてそこの六十億が活きるのであつて、今までのように三分出していろいろな煩雑なことをしなければならないようにさしているために、結局は不便で借りられないで効果がなかつたということになるのですから、そういうことを一つ考えて頂いたならば、その面においてもまだ考慮の余地が、金融機関に折衝して頂く余地があるのじやないかと思います。一等大事なことでございますから、手数料を下げるためにでなく、要するに貸すことの方法、手続を簡素化するということを十分考慮して頂きたいと思うのです。成るほど二〇%の補償ということは大きいでしようけれども、併しこれだけの農山漁村に対するところの最も更生の大事な資金ですから、金融機関も或る程度までは納得する面があるのじやないかと思いますものですから、いろいろな方法から考えて、四十五億に下げるということにしないで六十億にするにはどうしたらいいかということを根本として研究して頂いて、円満に収めるように一つお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/64
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065・岡村文四郎
○岡村文四郎君 この間お尋ねしたのでございますが、どうもそれが腑に落ちないものがあるので、又お聞きしたいと思うのです。この六番目の農林漁業者の共同利用に供する施設、こういうのですが、どうしてもこの病院を何とかしてこれに入れなきやならん、入れんという理窟は成り立たんと思うのですが、これはどういうことですか。病院こそ本当の共同施設だから、それを入れんという理窟はやぼなことで、理窟から言つて私は成り立たんと思いますが、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/65
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066・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 理窟は確かに共同施設に相違ないと思いますが、資金総額が非常に少いので、経済効果の点から申しましても、これは御議論があろうと思いますが、零細なる農家の共同という点からこれも又一つ御議論になるところだと思いますが、まだ病院までには拡充ができないという現在の段階だと御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/66
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067・岡村文四郎
○岡村文四郎君 どうも政務次官の認識が甚だ残念なんですけれども、健康ほど大事なものはありません。人聞から健康をのけては何もないということです。最も適当に病気になつた者は治療をし、病気にならんようにすることが農村維持の建前なんですが、私に言わせると四百四病より貧ほどつらいものはない。それは何と言つても金がなくてはできないので、そこで成るたけ安く、今農村の医療施設と一般医療と比べたらとんでもない差があります。これはどうしても枠がないと言えばそれまでだが、ない枠を割いて、そうしてこれにも必要なものは出すことに考えることが最も適当であり、全国の農村の若し不便な所に、そういう施設がなければ、こういう金を貸すから施設をしろということが最も農村をしてよくならしめるゆえんであつて、是非これは考えてもらわなければならないし、理論詰めでも出すようなことにしてもらおうと思いますが、その点一つ御了承願つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/67
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068・赤澤與仁
○赤澤與仁君 只今平沼さんからお話がありましたそれに関連を以ちまして一応お尋ねしたいと思いますが、一応六十億を基礎といたしまして、六十億の預金部の資金の融資を受けるという話合ができておる。ところがそれが一部金利の運用上の改訂によつて四十五億にならざるを得ないという場合に、一応六十億ときまつておりますものを四十五億で満足しなくちやならんという場合におきましては、何とか政府のほうで手を打つて頂かなくちやならんのじやないかと思うのであります。で預金部の資金を持つて参りますことによりまして、特別会計が損失を招く、従つて預金部の資金のコストを低めてもらうということも一つの方法であろうかと思うわけであります。それにつきましては只今富谷課長は、この金利はその事業の用途から考えまして、償還並びに金利というものに妥当性があるといたしまするならば、大蔵省方面に話合いをつけて、そのコスト高になつておる部分を預金部の資金を低めてもらうということも或いは可能ではなかろうかと思うわけであります。それから又平沼さんのお話のように、三分の金融機関の手数料が問題になります場合におきましては、あの損失の、取扱金融機関の二〇%の負担というものを政府が丸抱えにするということにいたしました場合におきましては、手数料の三分というものも或いは軽減されるというような事柄も考えられるわけなんでございますが、これらの方面につきましては一応六十億流してもらえるということにきまつておるものを、四十五億で満足すべきものではないと思うわけなんでございますが、そのためには今申上げましたようなことも或いは考えられるのではないかと思いまするし、政府当局におかれましてもなおお考えになつていらつしやるだろうと思いますが、その考え方なり、肚を一つ、これは政務次官で結構でございますが、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/68
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069・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 御専門の立場からのお話ですから、いずれも御尤もだと思います。たぢ現実の問題としてなかなかさように現在まで参つておりませんので、金額についても、現在の計算で考えますと、減るということになる。ただ事務費なりその他、先ず事務費の問題について考えましても、相当考える余地も絶対的にないとは言えませんが、これによつての数字は、金利の引下げは極めて僅かになります。今原案から二つの問題が、非常な金利計算から言えば多額な引下げになるということの結果が、そういうことになるので、御意見の点は尊重いたしまして、一つ研究を更に進めて見たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/69
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070・溝口三郎
○溝口三郎君 私は塩田の改良の様子についてお伺いいたしたいと思います。昨年の九月頃金融公庫の案ができました時分には、塩田の問題はなかつた。私は国内塩の増産につきましては、これは主要食糧として米麦に次ぐ最も重要な食糧だと考えるのでございますが、塩の塩価の問題につきましては、これは国内塩が非常に高いので、味噌醤油等の原料に来る塩が非常に値段が高いからというので、この低減を農林委員会では大蔵省等に対しても申入れたのでございますが、生産等につきましては、どうも塩の生産ということはどこで一体やつているのか、専売局でやつているのでございますか。主要食糧の塩の生産を専売局がやつていて、そうしてその生産は現在四十万トンくらいで、非常に足りないから、六十万トンくらいに増産をしようというようなことで、昨年の三月の十七日頃に国内塩業の対策が閣議で決定に実はなつていたと思うのでございます。その決定の内容におきましても、塩田の事業資金等に対しては、特別に融通法のようなものを考えていたというようなこともあつたのでございますが、その後、塩田についての融通法というようなものはまだ出ていないのでございます。それができないような見通しから、何かこの農林漁業融通資金の中に一つ入れて頂きたいのだというような交渉を受けられて、私はその中へ潜つて入つたのじやないかと考えるのでございます。国内塩の増産の必要なことは、これは当然なのでございますから、何かそれに対して、近い将来に特別な塩業の資金融通法のようなものでもできれば、今度はここからもさようならをして行く、出て行つてしまうじやないか。塩田の災害復旧等については、これは塩田は干拓地と全然同じなんでございます。技術等についても水田をこしらえる干拓と少しも変つていない。同じような状態でございますが、その災害の復旧等については塩田等の災害復旧補助法というようなものが昨年の秋に大蔵省所管でできて、五億円くらいの補助金を出している。大蔵省でできるようなものは、同じような仕事でも別の法律をやつて災害復旧については補助をしている。融通法等についてはどうもむずかしいからというので、農林漁業資金の中に入つているのだと私は思うのでございます。私入つて差支えはない、やはり水産業であつて、重要食糧だつたならば、できるだけの増産はどこでやるにしても、これはやるべきだというように考えているのでございます。而も低利の長期資金を貸すのに一割以上のような利率でやることは、これは低利長期というようなことにはならないのでございますが、できればこういう塩業に対しても、できるだけ利子を下げてやつて行くというように希望を実は持つていたのであります。それが衆議院の修正で利率は下つた、それは非常に結構だと思いますが、それが下つたがために、いわゆるその他の農業方面がそれの影響をこうむつて、それが少くなつて来るのだというようなことになると、自分の店を貸して母屋のほうに火がつくようなことに将来なるのじやないかと私は思うのでございますが、先ほど池田さんからもお話がありましたように、利率を下げることはよろしゆうございますが、六十億という将来の融通資金等が減らないように、これは塩田についても私は下るし、而もその六十億というようなものはこれは減らないようにというようなことも併せて農林省では大蔵省等々と最善の努力を盡して折衝して頂きたいと私は思うのでございます。それができるかできないか、やつて見なければわからんというようなことになつては困る。確信を持つて一つ交渉をやつて頂きたいと思うのでありますが、それに対する政務次官の御所見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/70
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071・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 御趣旨の点はよく了承いたしました。農林漁業の直接の関係の事業が非常に希望も多く、又増産効果を挙げる点からも、是非ともさようなことに努力をされたいという趣旨で、塩田の事業についても御指摘になりましたように、これも極めて重要な問題でありますので、今回この中に取上げられたのでありまして、両々相待つて一つ努力して行きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/71
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072・三浦辰雄
○三浦辰雄君 この法案の実施につきまして、最も大切な一つは、簡素、敏速にその目的を果す、貸出をするということにあるわけでありますが、ここの担保の問題を私は特にお聞きしたい。これによりますというと、大体第三條の二の関係から見て、その担保は人的、物的に考慮するのだというような話が前にあつたような話ですが、原則として、この種の金を借りるべき事業が担保になればいいじやないか、八割までしか貸さないのでありますから、それまで、例えば例をとれば造林であればその造林地そのものを担保に提供すればいい、農地にしてもそのものを提供すればいい、そこに何がしかの人的の保証問題があるかも知れませんが、その点はどういうふうなお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/72
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073・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 担保は物的担保を設定いたしますと管理に非常に手数がかかります。従いまして迅速な貸出という点から参りますと、却つて物的担保を設定するよりも、人的保証で済ませたほうが早いじやないかというように考えております。併し具体的の例、例えば造林のごときで、造林地に抵当権を設定する。立木登記など非常にやかましい問題があるのでありますが、場合によりましてそつちがいいという場合がございますれば、受諾金融機関の裁量で物的担保の設定でも結構であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/73
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074・三浦辰雄
○三浦辰雄君 人的なものと申しますか、その保証というのはどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/74
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075・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 組合で申せば、組合の役員の個人保証、さようなものであります。併し場合によりましては借受人の連帯保証を要求するようなこともあるかもわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/75
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076・三浦辰雄
○三浦辰雄君 成るほどそのものにおきまする管理に相当な面倒さが伴いますことはわかりますけれども、例えば今日の住宅公庫にいたしましても、その担保は、その金を借りてできたところのものが担保になる。こういうような関係からいたしまして、私は今日もまだ組合の中でもいよいよ連帶保証、個人保証ということになりますれば、なかなかしにくい面が又出て来るということも考えなければならん。そこでそういうふうなものについては、極力そのものを担保にして、その管理については或いはその登記の簡便な方法として特別に処置をするなりして、とにかく簡単に、貸していいものなら簡単に出せると、こういうふうな形に是非持つて行きたいと思うのでありますが、重ねてその点は如何でありますか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/76
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077・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 物によりまして、物的担保設定のほうが容易なものがございますれば、それは物的担保の設定で結構でございます。ただ人的保証ということを我々が申しますのは、昔預金部資金が地方資金として並んで漁業に借出されました時分でも、やはり人的保証は必ず取つておりました。そういう地方資金の流通が暫らくと絶えておりましたために、借入人側で多少最近意識が変つて来ておるかと思いますが、いずれにせよ、償還の確実を期するという意味で、私は何か担保の設定ということは必要だろうというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/77
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078・平沼彌太郎
○平沼彌太郎君 この法案を通過させるかどうかということについては、今六十億が四十五億になるということのお話ですが、一等大きな原因として、皆さんが二の足を踏んでいられるのじやないかと思うのですが、何とか今他の委員からお話がありましたように、六十億にしてもできる方法が政府当局にお考え頂けばあるのじやないか、是非それをお考え頂きまして、六十億、預金部資金の六十億は必ず借りられる。で、この初めの予定通りの金額にして事業を途行ずるというふうなことを政府当局がここに言明して頂くことはできないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/78
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079・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) たびたび申上げる通りに、我々の最初の目的なり、或いは又全部を通じまして非常に資金が不足しておるわけでありますから一応特別会計に加えますと、かようになりますが、或いは財政資金なり、見返資金たる預金部資金も加えて、できるだけ資金額を増額してもらうことに努力を重ねたい、極力努力をいたしたい、こういうことを申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/79
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080・片柳眞吉
○片柳眞吉君 私のは極めてこれは細かい問題でありまするが、併し法律の解決によれば、これに関係いたしますのでお伺いいたしますが、それは先ほど岡村委員から農林漁業者の共同利用に供する施設、これに病院等を加えてくれ、こういう御意見がありましたが、私もできればそれに留意することが適当と思いますが、ただこの資金融通法の目的なりから見て参りますると、この法律の解釈がそういう経済資金まで貸して行くのかどうか、例えば病院であるとか、農村の託兒所であるとか、そういう直接農林漁業に関係のない資金まで貸すのかどうか。目的には「農林漁業の生産力の維持増強」と、こうありますので、勿論金融機関が生産力の増進に役立つことは承知しておりまするが、やはり解釈としては私は直接の産業資金というふうに限定しないと解釈上おかしいのじやなかろうか、これはやはり法律の解状の問題でありまするから、その点を一つはつきりこれは政府当局からお答え頂きたいと思います。
それからもう一つ、これはつまらんことでありまするが、第一條では「農林漁業の生産力の維持増進」と、こうありまするが、二條では「農業、林業、漁業若しくは塩業を営む者」と、こうありまして、目的には実は塩業が落ちておつたわけですが、目的と資金の貸付の範囲とはギヤツプがあるように思うので、これもちよつと首尾一貫せんように思うのであります。これはどちらでもよろしうございますが、初めのやはり産業資金だけか、経済資金まで貸すのかどうかは、これは飽くまでも法律の解釈の問題でありますからはつきりしたお答えを頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/80
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081・島村軍次
○政府委員(島村軍次君) 立案の根本的な趣旨は、お話の通りでありまして、長期資金、固定設備というものを主体に考えたのであります。従つて生産力増強に直接関係のあるものを本法案の趣旨といたしておるのであります。ただ先ほども申上げましたように、共同施設というものが生産増強になるかならんかというような、殊に病院等の場合については御意見は二つに分れて来ると思うのでありまして、先ほど答弁を申上げた通りに、今後の資金の都合によつて漸次さようなものにも拡充をいたしたいという考えは持つておるのでありますが、現在のところはまだその枠の中に入らないと、かように一つ御了承を願いたいと思います。
それから塩田の問題についての農林漁業資金融通法の中に、解釈上入らんというような御意見でありましたが、これもまあ法律上の問題だと思うのでありますが、畜産、養蚕等についても広い意味の農業という意味で加えたのでありますが、塩田については御議論のあることだと思うのでありますが、いろいろ法律制定の経適から考えまして塩田も加えたような次第でありまして、御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/81
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082・岡村文四郎
○岡村文四郎君 どうも言わなくてもよかつたのですが、これは念を押しておきますが、百姓の病気を治すことが生産増強にならないという意見にはならないと思います。十日間の病気を一週間で治す、五日間で治すということが最も生産増強の根本なのです。そこで不便な所におらんとそれがおわかりにならないのですが、全く農村の病院には困つておりますが、私は全部それが入ろうとは考えておりませんし、又入りもしますまいが、そういうものも取入れられるという考えをしておくことが、我々は、農林漁業者の共同施設と書いてあるものですから、それをつかまえて言つておるわけで、どうぞ一つ片柳さんのことは余り心配しないようにして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/82
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083・池田宇右衞門
○池田宇右衞門君 どうですもう採決をしたら……、質問はもう十分じやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/83
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084・溝口三郎
○溝口三郎君 私は貸出の範囲について二、三点お伺いしたいのですが、貸出す範囲は六十億の配分の計画を前に配付して頂いたのでございますが、そのうちで土地改良につきましては、非補助事業と補助事業に三十九億となつております。私どもが当初貸出金について要望しておつたのは、一般の国の経費が不足しておるので、その上にプラスして食糧増産をすることのために融通資金を要望しておつたのでありますが、補助事業につきましては先般も申上げていましたが、二十六年度の公共事業の全部を入れて、そしてその地元負担の分を六割とか七割貸すのだということになつておるのでございますが、公共事業全部に対して、全部の人たちがこの資金を申込むということは私はないと思うのであります。そのうちの何割かが資金を申込み、あとは自分の所で都合して私は仕事を進めて行くと思いますが、若し補助事業で余つたような分があれば、これは三十九億という土地改良の配分の中で原則的には非補助事業のほうへでも廻して行くのか。先ほど将来出て来る六十億についてはまだ何も配分もきまつていないが、どういうふうにきめるかはこれからの問題だというように伺つておるのでございますが、このきまつた問題の中では三十九億はこれもまだやつて行けば、配分は一応の計画だというようなお考えでおるのかどうかということを一遍お伺いしたい。
次に補助事業でございますが、これは大きな仕事になりますと、四年とか五年計画で毎年一定の補助金が出て仕事をやつて行くのでございますが、これを繰上げて四、五年の分を一遍にやつて頂きたいというような分の申込のあつたような場合には、その来年度以降の計画の分はこれは非補助事業としてでも採択をする可能性があるのかどうかということをお伺いいしておきたいのであります。
その次には二十六年度におきまして予算の超過しました工事を進めておるのは、恐らく災害等を入れますと私は百億以上のいわゆる仕越し事業というものがあると思うのでございますが、その仕越し事業等も将来融資の対象になるのかどうか。それと関連しまして、実は昭和二十四年の四月に農林省の一方的の考え方から、その当時災害復旧を進めさせてやつたのが、七十億くらいの仕越し事業があつたのを一緒に出してしまつた、そのために非常に工事をやつていたところのものが混乱をいたしまして、農業協同組合等で貸出していたのが焦げ付きになつていたりしていたのが非常にたくさんある。そうしてその補助金をもらえると思つてやつていたやつが一つももらえなくなつた、そういうものが総額で七十億ぐらいあるはずでありますが、そういう旧債の借替えのようなものもこのうちでできるのかどうか、それも一つお伺いしたいと思います。
それから非補助事業は、これは従来考えられていた耕地整理とか暗渠排水というような事業が入つているのでありますが、先ほど申しましたように、二十六年度の県営事業等で採択に漏れたようなものを、これを非補助事業で申請をしてやつて行きたいという希望が相当にあると思うのですが、こういうようなものには二十七年度において用排水改良事業等の採択の場合には優先的に考えられるのかどうか、一応金を貸しているからまああなたのほうはそれでやつて行けというようなことになりやすいと私は思われるのでございますが、そういう点についてもはつきりした方針を立てて置かんと将来非常に混乱が起るのじやないかと思います。もう一点お伺いしたいのは、緊急融資の三十五億の金が只今どうなつておりますか、それをお伺いしたいと思うのであります。三十五億円を昨年の暮頃から一般の市中銀行を通して土地改良の促進をして来た、そうしてそれは融通資金が出ればそれに肩替りして、補助金が出れば第二四半期くらいで補助金に肩替りをするというようなことで進められていたのでありますが、又三十五億やつて植付けまでに間に合うような仕事をやつて三十万石ぐらいの増産を考えられていたようでありますが、その三十五億というものは登戸終り現在でどのくらい貸しているのか、手続が煩瑣だとかいうようなことで、どの程度私はそれが動いているのかということについてもまだ相当に疑問を持つておるのであります。そのやり方と将来この融通資金を動かして行くやり方等も関連して考えられるのでございますが、農林大臣はこの融通資金は六十億がきまれば第一四半期ぐらいで皆貸出して、それであと六十億ぐらい繋いで出すというようなことも言われたのですが、十二月から動いている緊急増産のための資金のほうもまだ私は市場に動いているのは少いのではないかと考えるのでございます。そしてこれは融通資金がきまれば肩替りするのだということになつているのでございますが、この事業につきまして、どこでこういうものの事業を審査して、農林省では直接こういうものに対して審査をしているのかどうか。私は事業計画の内容は厳重に審査をしないと、貸してやつたが、あと仕事は失敗してしまつた、そうして回収はできないのだというような問題が起ると思うのでございます。ただ申込があつたから市中銀行へ貸してやつたのだ、そうしてそれは今度の融通資金が出れば肩替りをするのだというようなときに、貸した資金が若し回収でもできないということになると、どこに責任の帰属がきまるのかというようなことが将来非常に問題になると思うのです。審査等については最も私は厳重を要する問題だと思いますが、現在の三十五億の緊急融資等について貸出順序、手続等について農林省はどういうふうにお考えになつているか、それも併せてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/84
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085・富谷彰介
○政府委員(富谷彰介君) 御質問の第一、補助と非補助の区別が、差繰りがきくかどうかというお尋ねでござりますが、これは私ども融資を実行して参りまして現実に資金の需要が非補助のほうが非常に多いというような事態がございますれば、一応ここできめてあります枠というものには余り捉われない考えでございます。従いまして場合によりましてはその逆のような補助事業の地元負担分のことがあるかも知れません。現に北海道のごときは補助事業に対しましては地元負担の要求がないようなふうに伺つております。さような厳密なものでないというように御了解を願いたいと思います。
第二に、継続事業を見られるかというお話でございますが、これは実際問題として非常にむずかしいのではないかというふうに考えます。つまり翌年度に補助金が付くべきものを補助金が付いていないままその補助金の額まで込めたようなそう大きな事業費をこの特別会計で見るということは、恐らく現実問題としてはなかなか困難ではなかろうか。併し融資をやつて参りまする上にはさような継続事業がなかなかうまく金が借りられないというようなことがないように、工事が順調に進むような方向に進めたいと考えております。
それから第三点の、過去の、すでに工事が進行している、併しその借りた金が償還できなくて困つている、つまり旧債の借替えを認めるかというお話でございますが、私ども旧債の借替え、ということはこれはやらないのが原則だというふうに考えております。つまり新規に将来に向つて生産力を発展するのがこの融通法の目的であろうというふうな考えでございます。
それから最後に三十五億融資の問題でございますが、これは現在地方銀行がお扱いになつておる分が幾ら行つているか、実は私は手許に数字を持つておらんのですが、少くとも農林中金までに上つて来ました申請はすでに二件ございます。つまり農林中央金庫としても少くとも二億程度の金は出すつもりで準備をいたしております。地方銀行の分も恐らく相当あることと存じますが、まだ私は今のところ資料を持つておりません。当初予想したよりも進行が悪かつた理由は、先般もこの委員会で申上げたのですが、丁度三月の徴税期に入つておりますために、銀行から土建業者に融資をいたしますと、いきなり税務署が持つて行つてしまうということがございますために、銀行側が貸出を澁つているというふうに聞いております。三十五億の融資につきましても或いは又個々の特別融資の問題につきましても同様でございますが、疎漏な計画に基く土地改良などが起らないように金融機関側も無論愼重にはお調べになると思いますが、なおその上に念を入れまして技術的な面につきましては、関係都道府県知事の意見を金融機関に求めて頂くという手続を現在予定しております。で三千五億融資のほうに関しましては、これはすでに二十六年度に補助金が出るというので、県庁でも具体的な工事の計画その他がおわかりのはずでございますので、金融機関は恐らくそちらと御連絡を願つた上繋ぎの融資をなすつていらつしやるというふうに了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/85
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086・岡村文四郎
○岡村文四郎君 大分御審議を願つたようでございますから、ここらで質疑を打切つて討論、採決をしたらどうかと思いますが、如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/86
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087・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 只今の岡村委員の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/87
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088・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それではさよう決定いたします。
その前にちよつと御報告申上げておきますが、先般当委員会に対して木下水産委員長から、この法律案のうち、貸付條件を規定する第三條中の資金の据置期間は、漁港の修築又は復旧に必票な資金は一年となつているが、これを据置期間を三年に修正してもらいたいという申入れが正式にございました。当委員会としては、衆議院農林委員会においてこれ修正してもらよう申入れをして、その通り衆議院で修正になつて参りましたのでこのことを御了承をお願いいたします。
それでは質疑は終了したものとしまして、農林漁業資金融通法案について討論に入りたいと思います。御意見のおありのかたがたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/88
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089・赤澤與仁
○赤澤與仁君 私は希望條件を附しまして本案に賛成をいたすものでございます。
一つは農林漁業の生産力の維持増進を図るために、農林漁業者が長期且つ低利の賞金を欲しております額は二百数十億に上つておると聞いておるのであります。従いまして今後政府におかれましては、予算の許す範囲内におきまして、機会あるごとにこれが資金の増加を図るようにお願いをいたしたいと思うのであります。これが第一点であります。
第二点は、今回この法律に基きまする特別会計におきまして政資金から二十億、見返資金から四十億、会計六十億に、これに相当いたしまする六十億の金が資金運用部資金から融通せられまして、百三十億というものは予定せられているように承知をいたすわけでありますが、一部利率を下げます結果、借入金が減る慮れなしとしないと存ずるわけであります。今日これらの各項目につきまして、利率が下げられ償還期限及び据置期間等の貸付條件が緩和せらることにつきましては望ましいことでございまして、今回の衆議院の修正につきまして、その趣旨といたしましては勿論賛成をするわけでありますが、その利率引下げの結果前段申上げましたような資金運用部からの借入金が減ることに相成りましては、たださえ、そうでなくても資金の不十分な今日におきましては非常に困つたことだと思うわけであります。併しこの点につきましては、島村政務次官は適当なる対策を工夫、実施いたすために努力を捧げたいというような御答弁がありまするので、この言明に期待はいたしますわけでありますが、政府のこれに対しまする善処と要望いたしますわけであります。
この二つの條件を附しまして衆議院送付案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/89
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090・池田宇右衞門
○池田宇右衞門君 本員は衆議院の修正案に賛成するものであります。
ただこの際政府に一言希望いたしたいことは、元来政府があらゆる農林漁業者といわず、一般の融資に当つてとかく金融機関に必要につき申込がありましても、殊に農林漁業者の財政状態、或いはその仕事の質によりまして種々なる研究を要するような関係上、徒らに日を遅らすような不便が残されておることは各位御承知の通りであります。もとより本案の提案の理由といたしまして、農林漁業の生産力の維持増進を図るために融資するのでありますならば、これは申込と同時に、その計画、目的を達するように極めて簡易に、必要さに応じて貸出す方法を講じなければならないのでございます。然るにとかく前申上げましたようなことでありますと同時に、金融上においても、金利その他においても、書類作成においても日を遅らすようなきらいがありまして、これらの点に対しまして監督庁においては今までの弊害を除去するように監督を嚴にいたしまして、本法の目的を速かに達成し、農林漁業者をして真に融資の必要が、達成されるという真価を発揮するように、今後の努力を希望いたしまして、本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/90
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091・江田三郎
○江田三郎君 私たちが希望したいことは、先ほど赤澤委員のほうから強く御希望があつたわけでありますが、なお今後のこういう資金につきましては、私は原則として政府が利子の負担をしないという建前でなしに、或る程度政府のほうも利子の負担をするという建前に変るほうが好ましいのではないかと思うのでありまして、そのことは今日の農林漁業或いはその他の中で特に農業及び林業等はこれは全く縛られた條件のうちで国家的な大きな制約をいつもこうむつておるのでありまして、これを他の自由企業と同じように見ることはできないわけでありますからして、かような方面へ対するところの資金の融通については、或る程度政府が利子負担をするということ、こういうことで今後政府のほうでも御検討を願いたいのであります。
それからいま一つ希望しておきたいことは、この融資が金融機関を途中において通りますために、或いは私たちの杞憂かもわかりませんけれども、末端におきまして個人の資力を持つた人に資金の融通が多く集中いたしまして、我々が日本の農業或いは林業、漁業の真の発展のために希いますところの共同の施設ということに対する融資が阻害されるのではないかということを懸念するのでありまして、こういう懸念が本当に杞憂に終りますように政府のほうでも十分に御考慮願いたいと思うのであります。
以上赤澤さんの希望意見に附け加えまして只今の二つのことを希望いたしまして賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/91
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092・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私も添案に賛成をいたしますが、その希望條件は、先ほど赤澤委員或いは只今江田委員からお述べになつた点が共通でございます。併しその中で特に強調申上げたいことは、議の審議中にも私からいろいろお願い或いは希望申上げましたように、今日この第一條にあります「農林、漁業の生産力の維持増進」という非常に幅広いような堂々たる目的を掲げておりながら、さて資金の貸付、第二條等になりますると、極めて狭き門になつておるのであります。そこで今日一つの大きな問題として社会的な関心を呼んでおりまする森林資源の貧弱な培養の問題でございます、需要供給は誠にアンバランスでありまして、農民の人も心ある者は自分の山をこの上伐られては困るというような際でございます。ところが実情を見まするというと、昭和二十四年の実績におきましてもまだ伸び盛りであるところの山林を泣く泣く切らなければならないというのが二十七億円に上つておるのでございます。これらのごときものはあと三年、あと五年たちまするならばその生産はいよいよ伸びるのでございます。これをあえて若き幼齢時代に伐らなければならない。そういうものに対するところの資金の融通ができないということは誠に残念でございます。私はこのような重要な問題がまだ枠の上からして残されているということは残念でございますが、これらの点につきましても、先般委員から申上げるように枠を機会あるごとに増加いたされまして、この第一條の目的が本当に達成されるように希望してやまない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/92
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093・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 他に御発言がなければ討論は終局したものと認めて採決を行いたいと思います。農林漁業資金融通法案を衆議院送付案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/93
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094・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 総員起立でございます。よつて全会一致を以て可決せられました。
なお前例によつて、諸般の手続は委員長に御任を願います。
なお多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
片柳 眞吉 西山 龜七
宮本 邦彦 鈴木 強平
岩男 仁藏 平沼彌太郎
白波瀬米吉 池田宇右衞門
瀧井治三郎 三浦 辰雄
飯島連次郎 溝口 三郎
小林 孝平 赤澤 與仁
岡村文四郎 三橋八次郎
江田 三郎 三輪 貞治発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/94
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095・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 速記を中止して下さい。
午後三時三十一分速記中止
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午後三時五十四分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/95
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096・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれにて散会いたします。
午後三時五十五分散会
出席者は左の通り。
委員長 羽生 三七君
理事
西山 龜七君
片柳 眞吉君
岩男 仁藏君
岡村文四郎君
委員
池田宇右衞門君
白波瀬米吉君
瀧井治三郎君
平沼彌太郎君
宮本 邦彦君
江田 三郎君
小林 孝平君
三橋八次郎君
三輪 貞治君
赤澤 與仁君
飯島連次郎君
加賀 操君
溝口 三郎君
鈴木 強平君
三浦 辰雄君
政府委員
農林政務次官 島村 軍次君
農林大臣官房長 塩見友之助君
農林大臣官房金
融課長 富谷 彰介君
農林省農地局長 平川 守君
事務局側
常任委員会專門
員 安樂城敏男君
常任委員会專門
員 中田 吉雄君
説明員
農林省農政局植
物防疫課技官 井上 菅次君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014988X02719510329/96
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