1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月十四日(月曜日)
午後一時二十八分開会
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本日の会議に付した事件
○連合委員会開会の件
○裁判所侮辱制裁法案(衆議院送付)
○住民登録法案(衆議院提出)
○会社更生法案(内閣送付)
○破算法及び和議法の一部を改正する
法律案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/0
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001・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 只今より委員会を開きます。
本日は先ず連合委員会に関する件についてお諮りいたします。警察法の一部を改正する法律案が地方行政委員会には付託されて居りますので、本案について地方行政委員会と連合委員会を開きたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/1
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002・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 御異議ないと認めます。本日地方行政委員会において、法案の提案理由を聴取するそうですから、便宜委員会は休憩いたし、これより地方行政委員会と連合委員会を開きたいと思います。暫時休憩いたします。
午後一時三十一分休憩
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午後二時九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/2
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003・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 休憩前に引締き開会いたします。
先ず参考人より意見聴取の件についてお諮りいたします。裁判所侮辱制裁法案が付託になりましたのでありますが、明日の委員会におきまして法案の説明を聴取した後に裁判所、検察庁及び日本弁護士連合会の各代表を参考人としてお呼びいたして意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/3
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004・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 御異議がないと認めます。なお参考人の人選は便宜委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/4
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005・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 御異議ないと認めて、さよう取計います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/5
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006・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 次に住民登録法案を議題といたしまして、逐條説明を承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/6
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007・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 住民登録法案の逐條説明をいたします。
第一條、本條はこの法律の内容をなす住民登録制度の目的を明らかにした規定であります。現行の寄留制度も本来これと同様の目的を持つておつたものでありますが、戸籍法と相待たなければ市町村の住民の居住状況を明らかにすることができないなど、各種の欠陷がありまして、本来の目的を果すことができませんでした。個人にとつては徒らに届出義務の負担を課するだけでさしたる実益がなく、又行政上の利用価値にも乏しかつたためであります。この欠陷に鑑みまして、住民登録制度におきましては、この法律によつて作製される住民票が市町村の住民の居住関係を公証する公簿として一方においては住民個人の利便を図ると共に、他方においては各種行政事務、特に市町村の行政事務の処理のための基礎資料としてその適正簡易化に資すべき使命を持つておることを明らかにしたものであります。
第二條、住民登録制度は市町村の住民を登録し、その居住関係を公記することを目的とするのでありますから、住民の立場からは市町村においてこの事務を処理することとするのが最も便利であり、又登録の結果は各種の行政目的、例えば選挙人名簿、学齢簿、予防接種台帳、住民税台帳等の調製、主食の配給、生活保護法による保護の実施、各種統計資料の作成、住民の居住に関する証明等に利用されるのであり、これらの行政事務はすべて市町村の処理するところでありますから、この点から言つても住民登録の事務はこの制度によつて最も利益を受ける市町村が処理するものとするのが適当であります。第二條は以上の点に鑑み、住民登録の事務は市町村がその固有の事務として処理する旨を明らかにしたものであります。
第三條、本條は住民票の作製に関する基本原則を明らかにしたものでありまして、先ず住民票には外国人登録令によつて登録の対象となつている者その他特殊の例外の者を除き、市町村の区域内に住所を有する者全部を登録する(第二十八條参照)。この点は現行の寄留制度において、九十日以上本籍外に住所又は居所を有する者だけを寄留簿に登載するのと異る重要な点であります。即ち寄留制度においては本籍と住所又は居所が一致する者は寄留簿には登載されないのであるから、本籍居住者を把握するためには戸籍法について調査しなければならなかつたのであります。従つて寄留簿だけでは市町村の住民全部を把握するための公簿としての機能を営むことができなかつたのであります。寄留制度はこのために行政上の利用価値を減殺されたのであります。又寄留簿には市町村内に住所を有する者のみならず、居所を有する者をも登載し、住所寄留簿と居所寄留簿の二種類の寄留簿が設けられたのでありますが、このため市町村における寄留事務の複雑化を来たし、住民に対しては過大の届出義務を課する結果となり、寄留制度不振のかなり重大な原因となつておつたのであります。そこでこの法案では市町村の区域内に住所を有する者を当該市町村の住民とするという地方自治法の建前にのつとり、住民票には市町村の区域内に住所を有する者だけを登録することとし、居所はこれを問題としないことといたしました。住民票の行政上における利用価値から言つても、住所を把握しておけば十分と考えられるからであります。なお、第三條の「住所」は地方自治法第十條の住所と同じく、民法第二十一條に規定されている「各人の生活の本拠」を指すことはもとよりであります。
次に、住民票には市町村の住民を世帯を単位として登録することといたしました。寄留簿にも世帯単位の原則がとられていたのでありますが、この第二條の世帯は寄留簿の世帯とは若干観念を異にするものであります。即ち寄留法においては単独世帯を認めず、又一般観念による世帯のほかに、「寄宿所、宿舎その他の多数同居を目的とする揚屋の寄留者」を構成員とする準世帶ともいうべきものを認めておつたのでありますが、この法案においては世帶が何であるかについては、別段の定義規定を設けず、一般観念によることといたしました。従つてこの法案の下においては世帶は居住と生計を共通にするものによつて構成される生活の単位であつて、単独世帶をも含むと共に、寄留法の認めている準世帶はこの法案の世帶には該当しないこととなつたのであります。
第四條、本條は住民祭の記載事項を掲げたものであつて、第一項においては全国共通の基本的記載事項を列挙いたしました。第二項で市町村がその條令で住民票の記載事項を定めることができることとしたのは、各市町村の実情に応じて第一項第一号から第八号までに掲げられている事項以外に記載事項を定め得る途を開き、住民票の行政上における利用に便宜を与えようとするものであります。例えば印鑑証明のための印鑑、選挙権の有無、学齢児童かどうかの区別など、行政上の必要に応じて各種の記載事項が考えられるものであります。
第五條、本條は住民票の記載、消除、記載の更正が如何なる原因によつてなされるかを明らかにしたものであります。住民票の記載等は先ず届出によつてされるが、届出を要する場合は第二十二條から第二十六條までに列挙された場合に限られるのであります。その以外の場合には他の市町村からの通知、戸籍の届出等に基いて職権で住民票の記載等がされるのであります。又届出を要する場合であつても、届出がなされない場合には職権で住民票の記載等がされるのであります。届出がなされない場合に市町村が職権で住民票の記載等をすることができるためには、市町村に事実を調査する権能を与えておく必要があるので、第三十條でこの点を規定してあるわけであります。
第六條、本條は第五條にいう「住民票の記載」が如何なる場合になされるか、及び住民票の記載に伴う市町村の通知義務について規定したものであります。先ず市町村の区域内で新たに一つの世帯ができたときには、その世帶について新たに住民票が作られ、これに世帯員全員について第四條に掲げられた事項の記載がされるのであります。次に一つの世帶について住民票が作られた後に新にその世帶の一員となつた者があるときは、その住民票にその者に関する記載がされるのであります。要するに世帶新設の場合及び世幣員増加の場合に住民票の記載がされるわけであります。第三項の規定は世帶新設の場合に世帶員が他の市町村から住所を移した者であるとき、又は世帶員増加の場合にその者が他の市町村から住所を移した者であるときは、新住所地の市町村は旧住所地の市町村に住民票の記載をした旨を通知すべきものとしておりますが、これは第七條第一項の規定によつて旧住所地の市町村における住民票から右の住所を移した者を除くためであります。
第七條、本條は第五條にいう「住民票の消除」が如何なる場合になされるか、及び消除の手続の順序に関して規定したものであります。住民票は世帶構成の現状を反映しておくべきものであるから、世帯員の全部又は一部が住所を他の市町村に移した場合、死亡した場合、その他世帯の構成員が減少した場合、例えば失跡宣告がなされたとき、世帯員の一部がその世帯を出て他の世帯の一員となつたとき、国外に移住するときには該当者を住民票から除かなければならないこととなりますので、この点を住民票の全部又は一部の消除として第一項に規定したのであります。第二項は世帯員の全部又は一部がその住所を他の市町村に移した場合には、第六條第三項の規定によつてなされる新住所地の市町村からの通知を待つて住民票の消除をすることとする趣旨であります。これは新住所地の市町村で住民票の記載がされる前に旧住所地の市町村における住民票を消除すると、他の市町村に住所を移す者についてはいずれの市町村においても登録されていないという空白の期間を生ずるので、これを防止するためであります。
第八條、本條は第五條にいう「住民票の記載の更正」がなされる場合について規定したものであります。先ず第一に住民票に記載された事項に変更を生じた場合に記載の更正がなされるのであります。例えば改民、改名による氏名の記載の更正、世帯主の変更による世帯主及び世帯主との続柄に関する記載の更正、世帯全員が転居した場合における住所の記載の更正等であります。第二に、住民票の記載に誤りがある場合にも記載の更正がなされるものとなつております。
第九條、本條は戸籍事務と住民登録事務との間に関連を持たせることによつて、住民の届出義務の負担をできるだけ軽くしようとする趣旨であります。即ち住所地の市町村で戸籍に関する届書等が受理された場合には、市町村はその書類だけで住民票の記載、消除、記載の更正をすべきかどうかが判明するので、市町村としては直ちに職権で必要な住民票の記載等をすることができます。併し戸籍に関する届書等が住所地以外の市町村で受理された場合には、住所地の市町村では住民票の記載、消除、記載の更正をすべきかどうか判明しないので、この場合には戸籍に関する届書等を受理した市町村は遅滞なく住所地の市町村に通知し、住所地の市町村では本人からの届出を要せずこの通知に基いて職権で必要な住民票の記載、消除、記載の更正をすることとする必要があります。本條は右の通知に関して規定したものであります。本條が適用される場合を例示すれば次の通りであります。一、出生、この場合には住民票の記載をしなければならないので、出生届を受理した市町村から住所地の市町村に通知いたします。二、死亡、この場合には死亡者を住民票から除かなければならないので、死亡届を受理した市町村から住所地の市町村に通知いたします。失踪宣告や国籍喪失の届出がされた場合も同じであります。三、婚姻、離婚、縁組、離縁、復氏、入籍、分籍、転籍、これらの場合には戸籍の表示(本籍と戸籍の筆頭者の氏名)に変更を生じ、従つて住民票における戸籍の表示の記載を変更しなければならないので、これらの事項に関する届書を受理した市町村から住所地の市町村に通知いたします。
第十條、本條は住民票の閲覧、謄本、抄本、証明に関する規定であります。なお閲覧等の手数料に関しては規定していないが、この点は市町村において必要に応じて地方自治法第二百二十二條第一項、第二百二十三條第一項の規定に基き條例で定めることとなります。
第十一條、本條は戸籍の附票の作製に関する基本原則を明らかにしたものでありまして、寄留制度の下においては寄留手続令第十一條の規定によつて戸籍に用紙を添付し、これに寄留者の氏名、寄留の場所及び年月日等を記載していたのでありますが、この法案における戸籍の附票は右の寄留手続令第十一條の用紙に相当するものであります。ただ寄留手続令第十一條の用紙には戸籍に記載されている者のうち、本籍外に住所又は居所を有している者だけが記載されるのであるが、戸籍の附票には戸籍に記載されている者全部が記載される点が異つているのであります。戸籍の附票は本籍地の市町村で作られる戸籍と住所地の市町村で作られる住民票との間に関連を持たせることによつて、住民票の記載の正確を保証する機能を営むものであります。現在市町村で配給制度実施の便宜上作つている世帯台帳にはこのような戸籍との関連がないため、架空の人物が登載されたり、同一人物が重複して登載されたり、或いは登載洩れ、その他事実に反する記載がなされている事例が少くないのであります。かかる事例の発生を防止することを目的とする、戸籍の附票は住民票に市町村の公簿としての公証力を持たせるため必要欠くことのできないものであります。
第十二條、本條は戸籍の附票の記載事項を定めたものでありまして、寄留手続令第十一條の用紙の記載事項と実質的には異るところはないのであります。
第十三條、本條は戸籍の附票の記載、消除、記載の更生はすべて本籍地の市町村の職権でされる趣旨を明らかにしたものでありまして、附票の記載等のためには特別の届出を必要としたいのであります
第十四條、本條は第十三條にいう「附票の記載」が如何なる場合になされるかを明らかにしたものであります。附票は戸籍に対応して作られるものであるから、戸籍法の規定に基いて新戸籍が編製された場合には、この戸籍に対応して新たな附票が作られ、これに戸籍に記載されている各人に関する記載がされるのであります。次にすでに編製されている戸籍に新たに記載された者があるときは、その戸籍の附票にその君に関する記載がされるのであります。
第十五條、本條は第十三條にいう「附票の消除」がなされる場合について規定したものであるが、戸籍とその附票は互いに対応するものであるから、戸籍から除かれた者があれば、附票からもその者を除くという趣旨であります。
第十六條、本條は住所地と本籍地が異る場合に、住所地の市町村と本籍地の市町村との間に相互に連絡させて、本籍地の市町村における附票に関する事務の処理を可能にすると同時に、住民票の記載の正確を保証しようとするものであります。即ち一の市町村内に他から住所を移して新たにその住民となつた者があるときは、その市町村では住民票の記載をするのでありますが、この場合にはその市町村は本籍地の市町村に本人の住所の変更を通知し、本籍地の市町村ではこの通知に基いて戸籍の附票に記載された本人の住所に関する記載を更正する又一の市町村の住民がその市町村の区域内で住所を変更した場合には、その者の住民票の住所に関する記載が更正されるのであるが、この場合にも住所地の市町村は本籍地の市町村に本人の住所の変更を通知し、本籍地の市町村ではこの通知に基いて戸籍の附票に記載された本人の住所に関する記載を更正することになります。右のいずれの場合においても住所地の市町村から本籍地の市町村に通知された事項が戸籍の記載と一致しないときは、本籍地の市町村は折り返しその旨を住所地の市町村に通知いたします。例えば住所地の市町村から本籍地の市町村に本人として通知された者が戸籍に記載されていないような場合には、住民票における本人の本籍の表示が誤りであるか、又はその者が架空の人物である場合でありますから、本籍地の市町村から住所地の市町村に戸籍に該当者の記載がない旨を通知すると、住所地では本人について事実を調査し、住民票の記載を更正するのであります。住所地の市町村から本人として通知された者の氏名、年齢等の表示が戸籍の記載と一致しないような場合にも同じく本籍地の市町村から住所地の市町村に通知し、住所地の市町村ではこの通知に基いて住民票の記載を更正いたします。
第十七條、婚姻、離婚、縁組、離縁、復氏、入籍、分籍、転籍等の場合には、本籍が一の市町村から他の市町村に移ることがあるのでありますが、この場合には本人の従来の本籍地の市町村から新本籍地。市町村に戸籍の附票に記載された事項を通知しなければ、新本籍地の市町村では附票の記載をすることができないのであります。本條は右に述べたような本籍が一の市町村から他の市町村に移つた場合における従来の本籍地の市町村の新本籍地の市町村に対する通知義務を規定したものであります。
第十八條、本條は住民票の記載の更正に関する第八條の規定及び住民票の閲覧等に関する第十條の規定を戸籍の附票に準用する趣旨であります。
第十九條から第二十一條まで、これらは住民登録の届出に関する通則の規定であつて、届出義務者、届出地、各種の届書に共通の記載事項について定めたものであります。
第二十二條、本條は一つの市町村内に新たに住所を定めてその市町村の住民となつた者についてなされる転入届に関する規定でありますが、出生の場合に届出を要しないこととしたのは、この場合には戸籍法の規定に基く出生届によつて職権で住民票の記載をすることができるからであります。
第二十三條、本條は同一市町村内で住所を移した者についてなされる転居届に関する規定であります。
第二十四條、本條は住所の変更以外に住民票の記載事項に変更を生じた場合、例えば世帯主の変更、同一の住所で世帯を分けた場合等になされる変更届に関する規定であります。但書に列挙された場合も、住民票の記載事項に変更を生じた場合でありますが、この場合には職権で住民票の記載等がされるので届出を必要としないのであります。
第二十五條、本條は條例で住民票の記載事項が追加された場合の届出に関する規定であります。
第二十六條、本條は日本国の外に移住しようとする者についてなされる国外移住届出に関する規定であります。
第二十七條、本條は特別市の行政区、五大都市の区に関する特則を規定したものでありまして、これらの区の区域は市の区域とみなしてこの法律の規定を適用しようとするものであります。例えば第三條で「市町村の区域」という場合、横浜市を例にとれば、横浜市全体ではなく、横浜市内の各区がそれぞれ第三條にいう市とみなされ、その区長が住民登録に関する事務を掌理することとなるのであります。本條の規定を特に設けたのは、右に述べた区はいずれも独立の地方公共団体ではなく、市の一部分に過ぎないのでありまするが、住民登録事務の処理に関してはこれらの区を市と同一に取扱うのが便宜だからであります。なお東京都の特別区については、地方自治法附則第十七條の規定によつて、他の法令中市に関する規定は原則として特別区にも適用されることとなつているので、この法案では特別に規定を設ける必要はなかつたのであります。
第二十八條、外国人登録令により登録すべき者とは、占領軍の軍人、軍属等外国人登録令第二條の各号に掲げる者を除く日本国籍を有しない者、並びに朝鮮人、台湾人を言うのでありますが、これらの者は外国人登録令によりその居住地の市町村において登録されているので、更に住民登録において登録する必要はないのであります。よつてこれらの者にはこの法律の適用がないことといたしました。なお本條中「その他政令で定める者」としては、右に述べた占領軍の軍人、軍属等外国人登録令第二條各号に掲げる者を予定しておるのであります。
第二十九條、住民登録事務は市町村の固有の事務として市町村の責任において処理すべきものでありますが、住民登録事務の中には市町村相互に亙る事項が多く、全国的に取扱が統一されていないと制度の目的を十分に達することができないので、国の一定の機関が統一的に市町村に対して住民登録事務の取扱に関して必要な勧告又は助言をすることが適当であるのであります。よつて本條では従来の寄留制度の沿革及び住民登録事務と戸籍事務との密接な関連に鑑みまして、法務総裁をもつて右の勧告及び助言をする責任者としたわけであります。
第三十條、本條は住民登録の結果を国及び都道府県において十分に利用することができるように、国の行政機関及び都道府県知事は直接又は間接に市町村に対し住民票の記載事項に関して報告を求めることができることとしたものであります。
第三十一條、本條は住民登録事務の正確な実施を図るため、市町村に事実の調査権を与える規定であります。ただこの調査権が市町村によつて濫用されるのを防止するため、調査事項及び調査をなし得る場合について制限を設けたわけであります。
第三十二條、本條は住民登録の届出を怠つた者に対する過料の制裁を定めたものでありまして、戸籍法第百二十條、第百二十三條と同一の趣旨であります。
第三十三條は、本條は第三十一條の規定によつて市町村が実施する事実の調査に対する不協力者に対して刑事罰の制裁を定めたものであります。
第三十四條、本條は住民登録事務に関し、全国的に取扱の統一を要する事項については、政令でこの法律の施行規則に当る規定を設ける趣旨でありますが、この政令で規定すべき主な事項は、住民票及び附票の様式、その作製、保管の方法に関する細則でございます。
附則、この法律の施行期日を遅くとも昭和二十七年七月一日として、相当先きの期日をここに掲げたのは、住民登録制度の円滑な運用は一般国民の協力に待つところが多いのであります。施行までに相当の期間を置いて本制度の一般国民に対する周知徹底を図る必要があり、又実施までに十分な予算的措置を講じ、且つ住民票、戸籍の附票等、多数に上る諸用紙の印刷、送付、その他市町村職員の教育等のため相当の準備期間を必要と考えたからであります。
以上を以て逐條の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/7
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008・鬼丸義齊
○鬼丸義齊君 ちよつと速記をやめておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/8
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009・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 速記をとめて……。
午後二時三十六分速記中止
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午後二時五十七分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/9
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010・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 速記を始めて下さい。法案に対する質疑は次回に続行することといたしまして、次に会社更生法案及び破算法及び和議法の一部を改正する法律案の政府の調査説明を行います。速記をとめて下さい。
午後二時五十八分速記中止
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午後三時十二分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/10
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011・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 速記を始めて下さい。
それでは本日はこの程度で散会いたします。明日は午後一時から開会いたします。
午後三時十三分散会
出席者は左の通り。
委員長 鈴木 安孝君
理事
伊藤 修君
鬼丸 義齊君
委員
左藤 義詮君
山田 佐一君
棚橋 小虎君
岡部 常君
衆議院議員 鍛冶 良作君
政府委員
法制意見第四局
長 野木 新一君
事務局側
常任委員会專門
員 長谷川 宏君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X01319510514/11
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