1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年六月二日(土曜日)
午後三時四十八分開会
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本日の会議に付した事件
○小委員会設置の件
○小委員選任の件
○司法書士法の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/0
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001・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 只今から委員会を開きます。
先ずお諮りいたしたいことがございます。閉会中におきまして、会社更生法案等の審査のため便宜小委員を設けたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/1
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002・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 御異議ないと認めます。つきましては小委員の選定は便宜委員長に御指名を一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/2
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003・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 御異議ないと認めます。それでは小委員を御指名いたします。伊藤君、岡部君、山田君、佐藤君、一松君、齋君、鬼丸君の七名のおかたを指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/3
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004・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 次に、司法書士法の一部を改正する法律案を議題に供します。御質疑のおありのかたは御発言を願います。……他に御発言もなければ質疑は終了いたしたものと認めて、これより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら、討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/4
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005・伊藤修
○伊藤修君 それではこの際、本案につきまして修正意見を提出したいと思います。
司法書士法の一部を改正する法律案を次のように修正する。
「第十五條の次に次の三條を加える。」を「第十五條の次に次の四條を
加える。」に改める。
第十五條の二第一項の改正規定に次のように加える。
司法書士の報酬に関する規定を変更したときも、また同様とする。
第十五條の三の改正規定を第十五條の四とし、第十五條の四の改正規定を第十五條の五とし、第十五條の二の改正規定の次に次の一條を加える。
第十五條の三 法務総裁は、司法書士会の報酬に関する規定が経済的事情の変動により著しく適正を欠くに至つたと認めるときは、当該司法書士会に対し、一箇月以上の期間を定め、且つ、変更の内容を示し、報酬に関する規定を変更してこれを届け出るべきことを命ずることができる。
2 法務総裁は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、当該司法書士会の意見を聞かなければならない。
3 第一項の規定による命令があつた場合において、当該司法書士会が当該命令に定められた期間内に報酬に関する規定の変更を届け出なかつたときは、その期間の経過した日に、当該司法書士会が当該命令に示された変更の内容通りに報酬に関する規定を変更し、その届出をなし、且つ、その認可の決定があつたものとみなす。
第十九條の改正規定を次のように改める。
第十八條中「業務執行」の下に「並びに司法書士会の報酬に関する規定についての届出及びその認可の手続」を加える。
第二十條の改正規定を次のように改める。
第二十條中「又は第七條第二項」を削り、「違反した者」の下に「又は第十五條の五の規定に違反して司法書士会の報酬に関する規定に定める額をこえて報酬を受けた者」を加える。
附則に次の一項を加える。
この法律施行前にした違反行為に対する罰則の適用については、司法書士法第七條及び第二十條の改正規定にかかわらす、なお従前の例による。
以上が修正の原案であります。その理由は質疑中に大体申上げておりますが「簡單に申添えますれば、今回の改正によりました報酬額を自主的にきめるという改正の眼目に対しまして、きめた報酬額に対して経済上の変動があつた場合においても、これが法務総裁において何らの勧告権がないということでは、この趣旨も徹底いたしませんし、国民の利害に重大な関係を及ぼしますから、これに対しまして法務総裁よりそういう場合においては変更を命ずることができるという手当をいたした次第であります。
又現行法の十九條の第一項中の「又は正当の業務に附随して行う場合」という文字を原案では削ることになつております。この点に関しましては、いろいろ議論があるわけでありますが、現行法において例えば計理士において正当なる業務行為の附随行為というて、それを本業になすと、それで司法書士的な業務を営むという者があるといたしますれば、それは現行法において十分賄える、一年以下の懲役を以てこれに臨むことができるのです。若しそうでないというならば、例えば計理士がたまたま顧問会社の届出を一通届けを出すという場合においては、これは改正規定によつても認めるという御趣旨であるといたしますならば、あえてこの十九條の但書中の「又は正当の業務に附随して行う場合」という文字を削つて、あたかもこれらの業者の附随的行為を全面的に禁ずるがごとき誤解を生せしむるような法文の改正というものは好ましくない。今暫らくは現行法を以てこれらのものは十分賄い得ると考えるのです。計理士会においてもこの点に対しましては十分将来とも気を付けて頂いて、かりそめにも司法書士的行為をなして、本来の計理士業務をなすにあらずして、当該事項に関する届出のみを專業としてやるような場合がありますれば、これは断固として取締ることは当局にも要望し、又計理士会においてもその自粛自戒を促す行為を求めたいと思います。従つて本項は従前通り復活いたしたいと考える次第であります。
それから本改正案によりますれば、従来の七條の罰則を外したのであります。これは少くとも戒告から飛躍いたしまして、営業停止若しくは営業の認可の取消しというような、飛躍的な刑罰制裁規定を置くよりは、やはり法の建前からいたしましても違反行為をなさしめないように、かように従来のような罰則規定を置いておいて、これによつて彼らの正しい行為を推進せしむることを促すほうが却つて法の目的を達する、かように考えまして、この点はどうしても改正規定を更に改めまして、罰則を置いた次第であります。ただ従来の七條をそのまま持つて来るということは、今度の改正の條章の変更によりまして不可能でありますから、これを十五條の四の違反行為に対してこれを罰則に該当せしむるとしたのであります。ただここで問題なのは、十五條の四の行為は、司法書士会の自主的な行為によることであつて、その行為自体に罰則を付することは如何かという議論もありますが、その行為自体は勿論対象になる行為でありますが、それの認可ということに法の制裁を與える等、認可の趣旨を適正に行わしむるというところに法益が存する。本法の違反行為に対するところの刑罰のその他の法益はその認可権の指示というところにあると私は考えるのです。従つて十五條の四に対して罰則規定を付するということは適正であると、かように考えまして、この修正に至つた次第であります。
その他の修正の原案は、ただ條章の変更に過ぎないのであります。ただ修正案中、殊更に第十九條第一項中「又は正当の業務に附随して行う場合」を削るという、この原案を殊更にここに表示しなかつたことは、これは立法技術上、[第十八條中「業務執行」の下に「並びに司法書士会の報酬に関する規定についての届出及びその認可の手続」を加える。」、この修正によつて当然原案の十九條が削除されまして、現行法の十九條がそのまま復活すると、こういう立法技術上の解釈に基きまして、かような表現にいたした次第であります。
以上私の修正の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/5
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006・齋武雄
○齋武雄君 只今の伊藤君の動議に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/6
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007・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 他に御発言もないようでありますから、討論は終結したものと認めて、これより採決に入ります。先ず討論中にございました伊藤君提出の修正案を議題に供します。伊藤君の提出の修正案に賛成のかたの御挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/7
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008・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 全会一致でございます。よつて伊藤君の修正案は可決されました。
次に只今決定いたしました修正部分を除く原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に御賛成のかたの挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/8
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009・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致によつてここに修正議決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/9
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010・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) 御異議はないと認めます。
本案につきましてそれぞれ御賛成のかたは順次御署名を願います。
多数意見者署名
伊藤 修 鬼丸 義齊
北村 一男 左藤 義詮
山田 佐一 齋 武雄
須藤 五郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/10
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011・鈴木安孝
○委員長(鈴木安孝君) それでは散会いたします。
午後四時一分散会
出席者は左の通り。
委員長 鈴木 安孝君
理事
伊藤 修君
鬼丸 義齊君
委員
北村 一男君
左藤 義詮君
山田 佐一君
齋 武雄君
須藤 五郎君
事務局側
常任委員会專門
員 長谷川 宏君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015206X02519510602/11
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