1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月十四日(水曜日)
午前十時四十八分開議
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議事日程 第二十三号
昭和二十六年三月十四日
午前十時開議
第一 厚生年金保險法特例案(長島銀藏君外五名発議)(委員長報告)
第二 国立光明寮設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
第三 旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 不正保有物資等特別措置特別会計法等を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 名古屋、多治見両駅間鉄道電化に関する請願(二件)(委員長報告)
第六 山川、枕崎両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第七 隼人駅、大泊間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第八 茨城県長倉村、大子町間鉄道敷設促進に関する請願(二件)(委員長報告)
第九 倶利加羅峠トンネル改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第一〇 神俣駅を滝根駅と改称促進の請願(委員長報告)
第一〇 宮下、川口間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第一二 中村駅貨物ホーム拡張促進に関する請願(委員長報告)
第一三 白棚鉄道復活に伴う停車場設置等促進の請願(委員長報告)
第一四 東北本線西郷信号場を駅に昇格促進の請願(委員長報告)
第一五 小野新町、須賀川両町間および須賀川、長沼両町間に国営貨物自動車運輸開始促進の請願(委員長報告)
第一六 姫新線第二鉄橋引上げによる護岸強化等に関する請願(委員長報告)
第一七 大津港駅改築に関する請願(委員長報告)
第一八 江田乗降場、小川郷駅間通学小中学校生徒の運賃改正促進に関する請願(委員長報告)
第一九 二本松、津島両駅間に国営バス運輸開始促進の請願(委員長報告)
第二〇 中村、新地両駅間に新駅設置促進の請願(委員長報告)
第二一 貝田信号場を駅に昇格促進の請願(委員長報告)
第二二 白河、仙台両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
第二三 小野新町、石川両町間および小野新町、小平村間に国営バス運輸開始の請願(委員長報告)
第二四 築別、遠別両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第二五 朱鞠内、羽幌両駅間鉄道敷設に関する請願(委員長報告)
第二六 江田乗降場利用乗降客の運賃改正に関する請願(委員長報告)
第二七 小本線鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第二八 山田線復旧促進に関する請願(委員長報告)
第二九 青森商業学校前踏切危險防止に関する請願(委員長報告)
第三〇 新潟、長岡両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
第三一 本川内信号場の駅昇格に関する請願(委員長報告)
第三二 大垣、樽見間鉄道復旧促進に関する請願(委員長報告)
第三三 白河、仙台両駅間鉄道電化に関する陳情(委員長報告)
第三四 御影、宮内両駅間鉄道敷設促進に関する陳情(委員長報告)
第三五 白山、新発田両駅間鉄道敷設促進に関する陳情(委員長報告)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/0
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001・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/1
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002・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
〔羽生三七君発言の許可を求む〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/2
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003・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 羽生三七君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/3
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004・羽生三七
○羽生三七君 私は、この際、食糧政策に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/4
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005・鈴木恭一
○鈴木恭一君 羽生君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/5
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006・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 羽生君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/6
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007・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。羽生三七君。
〔羽生三七君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/7
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008・羽生三七
○羽生三七君 私の緊急質問の要旨は政府の最近の食糧政策に関してでありますが、周知のごとく、吉田内閣の農林政策については、私どもといたしましては首尾一貫しない点をしばしば見受けるのであります。この点につきましては、昨日の新聞の伝えるところによりますというと、総司令部経済科学局のマーケット氏も、この食糧政策の首尾一貫しない点を指摘して、廣川農林大臣に覚書を寄せられておるようであります。私どもは、この一貫性のない点を指摘するに当つては、特に食糧政策が、生産、集荷、消費、流通の諸部面に亘つて統一した一貫政策の必要を考えざるを得ないのであります。この際、政府は、日本の食糧事情が、私どもから考えるならば、必ずしも確固とした安定性を持つていないと思料せられるにもかかわらず、麦類の統制を近く撤廃せんとせられておるようであります。なお又これに基く関係法律を議会に提出しておるわけでありますが、果してこれらの処置が愼重な考慮の下に行われたものであるかどうかを非常に疑わしく考えるものであります。併し私はここで抽象的に、統制がいいのか、自由がいいのかという論議をしようとは、私は考えておりません。私どもは、むしろ根本的なこの民生の安定の基礎的な條件である食糧政策の軍票性を考えるの余り、この問題に関しての論議を行わんとするものであります。誰が考えましても、これは抽象的は議論としては、情勢が許すならばできるだけ経済は自由であるのがいい。今日まで長い間、統制経済に、官僚的な統制経済に苦しんで来た国民といたしましては、でき得る限りこの問題が緩和されることを望んでおることは言うまでもないことであります。この点につきましては、先般参議院農林委員会におきましては、政府に対しまして全会一致を以て申入れをいたしました。それは食糧管理政策に関してでありますが、この点について、その申入れの中には次のように言つております。即ち「官僚統制の弊に懲りた国民は、食糧の管理についてもその緩和改善を望むや切なるものがあり、事情が許すならば統制を緩和乃至撤廃することが望ましい。併し、事、食糧に関しては民生安定の基盤をなすものであるから、その対策は寸毫もゆるがせにすることができない。食糧管理政策の転換については、生産者及び消費者双方の事情を勘案し、愼重の上にも愼重を期さなければならない」このような冒頭の下において、食糧管理政策の変更に関する政府の十分なる検討を要望したのであります。例えば一九四九米会計年度、これを見ますならば、要輸入量つまり必要輸入量であります。これは百九十万トンであつたものが実績は二百二十三万トンと、計画を遥かに約三十万トン上廻つて輸入が行われております。それから一九五〇米会計年度におきましては、要輸入量二百六十八万トンに対して、実績は三百二十三万トンと、これも遥かに計画を上廻つた数字が示されておるのであります。従つて次年度への持越量というものは相当多量に保有することができたわけであります。然るに今年度におきましては、輸入計画三百二十万トンに対しまして、実際の輸入見通しは二百八十万トン程度であります。而もこの二百八十万トンの見通しについて見ましても、昨年の七月から十二月までの実績は僅かに九十二万トン余りであります。遥かに計画を下廻つておる。これによりますというと、本年一月から六月までの輸入量は百九十万トンを見込まなければなりません。併し最近の輸入は極めて好転しておることは、これは事実であります。政府はこの点でしばしば楽観的な放送をされておりますが、確かに最近非常に食糧輸入の実績は好転をしております。併しこのような状態が果して六月まで継続されるかどうかということは、かなり疑わしい問題であると私は考えております。このような時期に政府は麦類の統制を撤廃せんとしておるのでありますが、併しここで私どもの疑問とすることは、そういう見通しの上に立つて統制を撤廃せんと考えられてこの法律を議会に提出されたわけでありますが、その法律の後半におきましては、情勢の変化如何によつては再び統制にすることがあるかも知れないということを規定しておる。これは政府の食糧政策に全く自信のない証拠であります。自信がありますならば、情勢の変化如何によつては再び統制を継続する、或いは統制に戻すというようなことを規定する法律ということは、当然我々としては考えられないことであります。政府はこれによつて農民は喜ぶであろうと言つておりますが、私は実際にはそういうことにはならないと思う。なぜならば、麦の対米比価は前年度米価一〇〇に対して八一・三であつたものが、今年度は六四%に下げられております。これは昭和二十六年度予算にそういうように組入れられておる。或いは大麦は五四%になつております。これで果して八百八十万石の買入予定が予定通り確保できるかどうかということは、私は極めて疑問であると思つております。特に最近は家畜飼料が非常に逼迫しておりますので、恐らく八百八十万石の何割かは家畜飼料に流れるものと考えざるを得ないのであります。従つて農家の立場からするならば、対米比価をこのように安くされた場合に、果して八百八十万石を政府の言う通り全部売渡すかどうかは極めて疑問である。然らば消費者の立場はどうか。消費者の立場から言いますならば、万一自由市場の価格が騰貴した場合、これは十月末までは配給を継続しますが、政府の説明によりますならば、十一月一日からは米だけで、後は全部麦の配給というものはなくなるわけです。完全な自由市場の操作になるわけであります。この場合に、万一自由市場の価格が騰貴した場合においては、先に行われました勤労者の千円ベース・アップのごときは実質上何らの意味をなさないことになる。消費者の立場においても非常に困つたことになるし、全般的な物価体系の崩壊すら私は予想することができると思います。又流通部面についてこれを見まするならば、食糧公団の廃止に伴う卸売業者への、この業務の移管についても、結局運賃プールのこの機構が行詰りを来たしまして、その結果、結局民営移管という名前だけで、実質的には一種のトンネル機関を作るに過ぎないという結果になろうとしております。これは事実がこれを証明しておる。更にこれはやや問題が異なりますけれども、最近の肥料事情についても同様のことが言われるのであります。昨年政府は肥料公団を廃止いたしましたが、その際に非常な確信を持つてこれを断行されたわけであります。ところが、この数日来、肥料問題は極めて急迫して来まして、多くの農民団体或いは地方の公共団体が非常に心配をして活動を開始したことは、農林大臣も御承知の通りだろうと思います。昨年、公団解散当時、八十一万トンの手持を持つておつたこの肥料公団の残量であります。この大部分が放出されまして、今や後のこの肥料の需給のクッシヨンとなるべき材料、その操作の手持というものは全然恐らく今日あたりで皆無になります。このような場合を見ましても考えられますことは、昨年丁度肥料公団廃止のときに、今政府が考えられておる麦類の統制撤廃に際して言明されておると同様な確信を持つて言われたにもかかわらず、今や事態はこのような状態になつております。これら一連の政策は、政府に真に一貫した統一性のある政策がないという証拠であります。
なお又私は、單にそういう当面の問題のみならず、日本の自立経済の立場からやはりこの問題を考えざるを得ないのであります。即ち輸入食糧の総額は、昨年度は価格にいたしまして九百億円であります。この補給金は四百五十六億円に達する。総計千三百何十億であります。本年度の輸入食糧の総額は千百三十五億であります。補給金は二百二十五億であります。この総額がやはり千三百数十億になつております。これは対日援助資金の約四億ドルに相当するものである。本年度はこの援助資金が御承知のように一億四千八百万ドルである。日本の金に換算いたしまして五百数十億円に過ぎない。このような時期に、日本が大都分の食糧を外国に仰いで、而も日本の国内で正規なルートに乗せるべき食糧を漸次外して行くということは、どうしても私たちには納得できない。真に日本が自立経済を達成し、或いは真の独立の国家として確乎たる経済的な基盤を持とうといたしますならば、この外国食糧に対する依存体制を速かに切換えて、日本の国内に最大限度の自給体制というものを確立して行かなければならないと信じております。仮に講和会議が近い将来に開かれましても、すべて食糧を外国に依存するようなことで、真の独立が達成できるかどうかということは、私がこれ以上多く指摘する必要のないことだと考えております。国際情勢のこのような険悪な情勢の下では、先ず国内食糧の確保を第一義的にすべきである、こう考えます。更にこのことは、先の第九国会において私が一般質問の際に申上げたことにも関連するのでありますけれども、私は、このような食糧の自給度の増進というものが、決して狭隘な、或いは閉鎖的な、曾つての封建国家時代のようなアウタルキーを意味するものではないということを申上げて置きます。私はアウタルキーの立場からそういうことを言つておるのではない。むしろ、こういうふうにして日本の自給度を増大することができますならば、これが朝鮮、台湾、満洲、樺太を失つて、何ら資源を持つておらない今日の日本の、原料のない日本のこの工業原料を輸入する資金に廻し得るのであります。千四百億になんなんとする食糧代金の何割かを節約することができますならば、実は、私が先ほどから申上げますように、アウタルキーではない、逆に日本の自立経済を達成するための工業原料輸入の資金に充当され得るのであります。
この点について私は思い出すのは、昨年の十一月十日に、日本政府、特に池田大蔵大臣に寄せられましたドツジ公使の書簡であります。このドツジ公使の書簡の中で、特にドツジ氏は、第四項、第五項において次のように指摘しております。第四項においては、「現在の順調な情勢は、あたかもも食糧配給制度を撤廃することが実際にできそうに見え、又その撤廃が得策のようにも見えるが、実はこれは数年に亘る異常な豊作の結果に基くものであることを忘れてはならない。思わざる凶作にめぐり会い、又何年か凶作が続いたらどんな結果を惹起するか。凶作に対して再び統制を必要とすることになつたら、果してどんな事態になるであろうか」と指摘されております。第五項におきましては、対日援助資金は減額又は撤廃されることもあり得ることを十分考慮したかどうかということも指摘されておる。確かにこのドツジ氏の指摘する通りでありまして、日本の最近の食糧事情の好転は、外国食糧の豊富な輸入にも関連がありますけれども、又この数年来続いた日本の豊作の賜であります。万一凶作が来た場合、或いは世界的な情勢の変化によりまして、何らかの打撃を受けた場合、果してその場合、このようなすべて外国食糧の依存体制で、確乎とした民生の安定ができるとお考えになつておるのでありますか。(拍手)この機会に私は、政府が本年七月以降の、六月まではわかつております、七月以降の倉糧の需給推算を明確に示されたいと考えております。これは数字を以てお示し願いたい。
ありていに申上げて、正直に申上げて、私は、政府は四月選挙の前には自由方式を宣伝されて、選挙が終りましたら、適当な時期に、情勢の変化によつて止むを得ずと言つて、再び昔の方式に澤られるのではないかと考えておる。(拍手)これは必ずしも私だけの感じではない。(「よく聞いて置け」と呼ぶ者あり)私は確かにそう信じております。こういう場合、私どもは飽くまで問題が民生の安定の基盤たる食糧政策である関係上、十分に政府としては御検討願いたい。政党政治の建前として、各党それぞれ政策の異なるのは当然であります。併し民生安定の基礎條件である食糧政策に関しましては、確乎たる見通しの上に立つて、自信を持つて政策を推進願いたい。こういう場合に、私どもは世界情勢の変化が起つた場合ということを想定いたしますが、併しこの点については、吉田総理大臣が近い将来に戰争は起らないというように言われておりますけれども、私も同様に考えております。多分起らないでありましよう。又起らざることを希望する。併し世界各国は戰争気がまえだけは持つておる。そうして備蓄を始めておる。そのために船舶も不足しておる。従つてこの予定した数量が確保できない場合におきましては、日本の食糧政策上非常な混乱の起ることは当然であります。我々は、食糧政策の変更を自信なくして行なつて、万一失敗した場合に、拂うべき犠牲は極めて高価なものであると考えております。そういう意味におきまして、政府が今考えられておりまする食糧統制方式につきましては、ここ一年ぐらいの内外の情勢を十分見極められておやりになつても決して遅くはない。十分慎重に内外の情勢をお考え願つて、そうしてここ一、二年ぐらいたちますならば、世界情勢もおのずからその帰趨が明らかになつて参ります。そのときに初めて十分根本的な対策を立案されましても、その確乎たる見通しの上に立つて、政府が食糧の統制を撤廃されるなり何なりされても、私どもはあえて多くを申上げる次第ではないのであります。私たちは、單に自由がどうか統制がどうかという抽象的な論議でこの問題を言うておるわけではない。実に日本のこの国民生活の重要な基盤である食糧政策の前途を深憂するの余り、私は、政府に再びこの問題について愼重なる考慮を拂う意思があるかどうかということを重ねて承わりたい次第でございます。
私の緊急質問はこれを以て終ります。(拍手)
〔国務大臣廣川弘禪君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/8
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009・廣川弘禪
○国務大臣(廣川弘禪君) 羽生君の質問にお答えいたします。食糧の問題についてのだんだんの御心配でございまするが、私たちがいつも各委員会或いはその他を通してお話申上げておる通り、現在のところにおきましては、食糧においては、輸入その他を勘案いたしまして、御心配のないことをお伝え申上げておるのであります。麦の統制廃止については乱暴じやないかというお話であるのでありますが、我々といたしましては、決してこれは乱暴ではないのであります。又これに関して、食糧の問題に関して一貫した施策がないじやないかというお話でありまするが、我々も農民の声をよく聞いて政策をやつておるのでありまして、今までのような統制方式については農民も飽き飽きいたしておることは、あなたがすでに御存じの通りであると思うのであります。(拍手)而もこの麦の統制を外しまして、高能率的に、もののあり方をしたいということに着目しておるのであります。
それから又今まで配給品辞退、麦を主体とする配給品のうちで、配給辞退の非常に多いものがあることも御承知を願いたいのであります。特にクーポン制になりましてからの、麦の、いわゆる粉食でありましよう、その粉の辞退というものは相当量に上つておるのであります。これはまだ三カ月を一期間といたしておりまするから完全なる集計は得られませんが、この中間において相当量の辞退があるのであります。尤も一月は大体四割程度の辞退になつておりまするが、これも一月は餅食い月と申しまして、大して基礎にはなりませんが、併し動向は見ることができると思つておるのであります。今までの辞退率は、あなたに私が申上げなんでもわかると思うのでありますが、さような情勢であるのであります。
それから統制廃止の法文を作つたが、その法案のうちには、強制をするという條項があるじやないか、お前らの意見は後先が違うじやないか、こういう点を御指摘なすつておるのでありますが、法律は成るべく幅の広い、あらゆるときに適応するように作つて置くことが一番安全であると考えておるのであります。(拍手)いつも私は例を引くのでありますが、中華民国、或いはアメリカあたりにおいて、あの昆虫類の大群に全部の食糧を荒らされたというような場合があつたと想像いたしましても、九州地方で幸い麦が豊作であつた場合には、これを直ちに転用でき得るように手段を講じて置くことが、最も法の妙味を発揮するものだろうと考えてさようにいたしておるわけでございます。
それから又米の買上げについてのお話でありましたが、この対米比について、小麦が六十四、大麦が五十四というような非常に安い価格にしておるが、これは農民を馬鹿にしておるのじやないかというお話であるのでありますが、これも戦争前のいわゆる平時時代にだんだん近寄らして行きたいという気持でかようにいたしておるのであります。併し、この麦の価格につきましては、だんだんパリテイ指数等を見まするというと上昇の傾向にありますので、買入価格はこれに我々といたしましては十分考えておるようなわけであります。八百八十万石売つてくれないのじやないかというお話でありますが、実は消費者価格のことはあとでこれは又池田君なりその他の者からお話があるだろうと思いますが、消費者の価格を上げないでも農村の生産物の価格の上ることを私は念願いたしておるのであります。今まであなたがたに低米価政策でさんざつぱら叩かれておりますので、我々といたしましては低米価を、もう、とつくに捨てておるのでありまして、農村の価格は成るべくこれは農村の納得する価格にしたいと考えておりまするので、先ほど申上げた麦の価格も我々はもう少し考えなければならんということに考えておるのであります。ただ、ここで、いろいろな投機者や、いろいろな者があつて、買い叩きをしたような場合があつては困りまするので、農村に対して最低価格をきめておるのであります。決して、政府の持つておる麦を多く出して、だんだんこれを買い叩くというか売り叩くというか、下げて行くという考えはないので、農村の経済を考えながらやつておるのであります。
それから、その中でのお話でありましたが、この麦も、家畜の飼料が非常に足りないから、家畜のほうに或る程度のものが行くのじやないかという御心配のようでありますが、この家畜飼料に対しましては、この間、何か糸へん金へんあたりが大分景気がいいので、投機的に備蓄したような傾向がありましたが、これも世論の指摘を受けてだんだんさようなことができなくなつておるようであります。又これに対応いたしましては、政府手持のものを、雑穀総数、豆類を除いて十二万トンくらい現在手持いたしておりますが、これをどんどん系統団体その他を通じて需要者に行くようにしておりまして、日ならずしてこれは家畜を飼つておる需要岩に渡るようにいたしておるのであります。又、外国からも家畜飼料といたしまして買付けをいたしておるようなわけで、本当のいわゆる人間の食うものを家畜の世界から侵されないように十分注意をいたしておる次第であります。それからクーポン制のことは先ほど申上げましたが、クーポン制を布いて見てさようになつておるのであります。
それから公団を廃止してトンネル機関を作つてけしからんじやないかというお話でありましたが、まだこれには全国プールをする機関が現在ある法律に妨げられてできませんので、万止むを得ず我々の政府機関においてこれをやるようにいたしておるのであります。併しその範囲は極く小部分にいたして、卸の妙を発揮でき得るような……卸は名目だけじやないかというお話でありますが、卸の妙味が発揮でき得るようにいたしておるのであります。又、それについて肥料のお話がありましたが、これを公団廃止当時八十一万トン保有しておつたが、これでもまだ値が下らないのじやないかというお話でありますが、これも値が下るようにだんだんやつおりまして、三月までにはこの手持をどんどん出して我々といたしましては、最初予定していたような所に落措けたいと努力いたしておるのであります。ただ、ここで輸入肥料の問題も関係いたすのでありますが、これも各委員会等において関係各大臣とも含みのある答弁をいたしておりますが、これも我々といたしましては、輸入肥料に対しましては相当に誠意を以て考えておるのでありまして、これは具体的には我々ここで申上げる自由を持ちませんが、必ず誠意を以て農民を苦しめないような方向にやろうということに決意をいたしておるようなわけであります。
それから自立経済の上から言つても、一体外国品にばかり頼るのはけしからんじやないかというお話でありますが、これは全くその通りであります。独立国として食糧を外国に大半のものを頼つて行くというのは実際けしからん話であるのであります。この間、一万田君が私に、どうしても日本に、外資を農村に入れることを考えなければならん、それにはパキスタンの例があるから、その方向をよく見てそうして農村に外資を入れようじやないかという話を受けておるのであります。我が農林省といたしましても、その案の作業を今続けておりますが、大体千九百万石の食糧を増産するためには七千億程度の金が要るのでありますが、この七千億の金をどうしても我々は調達……、何年かかるか、これはわかりませんが、(笑声)まだ今のところその数字のことはわかりませんが、この七千億の金をどうしても農村に入れる、そうして千九百万石のものを増産いたしまして、私たちは自給度を本当に確立するという考えでおるのであります。(「先ず預金部の金を出せ」と呼ぶ者あり)
それからそういう外国からたくさんな、三百万トン或いは二百八十万トンというものを入れておるが、この代金は実に大きい金で、これを内地で生産して、工業原料をその代りに入れたらいいじやないか、全くお説の通りであります。でありますから、今年度あなたは予算が少いとおつしやいますが、予算の許す範囲内において我々は農村に国家資本を入れて増産を奨励しておるのであります。それで最初私が着任以来一割増産ということで盛んにやつておるのでありますが、これについては皆様がたの協力を得て一割以上の増産が来年度はできると私は確信いたしておるのであります。農村によつてその増産ができたものだけはこれは輸入しなくてよろしいのでありますから、それで工業原料を入れるという方向で、あなたのおつしやる通りにやつておるのであります。(笑声)
それから又この統制を廃止いたしまして、今統制を廃止しておるが、選挙の前の選挙の看板にお前ち使うのじやないかというお話でありますが、決してさようなことは……、選挙にこの大事な食糧問題、而も食糧の管理の問題、こういつたようなものを……、けちな考えをいたさんでも、今度の選挙は私は大勝することができると確信いたしておるのであります。(拍手、笑声)
それから七月頃の輸入食糧について数字を示せということでありますが、これは目下関係方面と折衝中でありますので、その点御了承を願いたいと思うのでありますが、どつちにいたしましても、我々といたしましては、食糧の自給度を高めて、真に独立国といたし、他のどこの国からも制肘を受けないという方向で我々は行きたいのであります。又初生さんの気持もそこにあることは我々よくわかつておりますので、あなたがたの気持を体して政府は真劍に取組んでおることを御了解願いたいと思います。(拍手)
〔国務大臣問東英雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/9
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010・周東英雄
○国務大臣(周東英雄君) 食糧問題に関して非常に御心配の余り御質問をなさいました羽生さんに対しては敬意を表します。もとより我々も今の状態として、食糧問題は最も心配をし、これに対して愼重考慮を拂つておるのでありますが、只今羽生さんのおつしやいましたように、根本的においては私どもと御意見は違つておらない。あなたも原則としては自由のほうがよろしいが、食糧のごとき大事な問題については、いま少しく様子を見て、国際情勢を見て考えたらどうか、それが基本であつて、而もその御心配の点は輸入の確保が果してできるかどうかということにあるようであります。そういたしまして、その点については意見の相違であり、見通しの相違でありますが、政府といたしましては、只今農林大臣から詳細に申しましたように、来年度において輸入に関しても見通しを立てております。この点は二十五年度の計画についても皆様に御心配を頂き、私どもも途中少しく輸入が遅れたような関係で心配いたしておりましたが、最近は、お認めのように、すべての手配が今日確実に効果を発揮して来て、今までにない、月別の輸入高につきましても、三月に四十五万トン余りの輸入ができて、その他の品物と併せて輸入が促進せられて来ております。この見通しは決してただ空論でなくて、私ども今後の日本の経済のやりかたにつきましては、基本は飽くまで国民生活の安定維持ということを中心にすべて考えて行く考えでありましてその一番大きな問題は、食糧、衣料原料の確保、数量の確保並びに価格について考慮を拂つて、それぞれ処置を付けようと思つておるのであります。数量の確保については、只今申しましたような輸入関係の改善に伴いまして、私は二十六年度におきましても、見通しとして確実に輸入し得るものと考えております。さような立場におきまして、只今のとこみ七月からの麦の統制撤廃等に関しましても差支はないではないかということを考えております。あなたは、今日のような輸入食糧に相当部分を依存しておるときに、正当のルートに乗つておるものをやめることは、需給計画の立場から輸入の増加となつて困るじやないかという御説明のようでありましたが、ちよつと私は解せないのであります。正当のルートに乗つておるということは、恐らく政府が配給の責任を持つという問題を指していらつしやると思うが、政府が配給の責任を持つ持たないということによつて国内における生産量なり絶対の数量に変化があるはずはないのであります。政府が輸入食糧の計画を立てるときには、日本国内における米麦その他の生産数量を立てまして、足らないものについて残念ながら輸入を立てておるのでありますから、正当のルートに乗つている乗つていないということを問題にして輸入食糧の問題はきめられないのであります。従つて絶対的に数量の不足のある場合にやむを得食糧を輸入しております。併し一方自給度の向上のためにできる限り国内の生産の増強を図りつつ、年度的に輸入食糧の減を図ることが私どもの立場であります。この点は御了解を願いたいと思います。又ちよつと私は解せない点がありますが、政府が今のような米麦比率によつての価格の決定については八百八十万石の買入れはできないのではないか、この場合においてはどうするかという御質問のようであります。この点、何か私は羽生さん混同されておるのではないかと思う。八百八十万石は、政府が麦についての責任を持つための買入ではありません。この点についてはそれぞれ七月以降外しまして、十月以降には麦の配給はいたしません。従つて配給のための八百八十万石買入れをするのではなくて、それこそ市場における値段が余り下りましたときに、やはり最低価格として買上げる場合における米麦の比率価格をきめておるわけであります。若しそれ以上に市場価格が上廻る場合においては、自然の取引においてそれだけ必要量を受けて国民は行くわけであります。私どもは、この点はいろいろ意見もございましようけれども、必ずしもすべて政府が配給の責任を持つて、そうしてその個人々々の希望のあると否とにかかわらず配給を押し付けて行くという行きかたは、再検討されて然るべきであると思うのであります。この点については羽生さんも原則的にお認めの点であろうと思う。今日農林大臣が申されましたように、かなり多くの配給辞退がある点を見ましても、麦というものに対しては、そういう国民の嗜好的関係があるので、麦は外しましても、うどんとか、そばとかいう恰好なり、パンなり、変形したものについて選択的に必要なものを買わせて行くというほうが、個人の経済にも有利になるのではないかと考えます。従つてその間において、消費者価格において市場価格が非常に上り過ぎるというと、消費者価格についての生計費問題について問題が起つて来ることは当然であると思います。併し量的の問題については私は問題は出て来ないのじやないか。従つて今後の問題としては、食糧の量的の問題、価格の問題について、政府は如何なる処置をとるかということについて私どもは研究いたしております。飽くまでも国内生産の増強を確保しつつ、必要があつたら外国の輸入食糧について財政的措置を講じて、消費者価格については考慮いたしたい、かように考えておる次第であります。御心配は立場々々によつて違いますけれども、見込についての相違点からいたしまして、原則的にはお認めの上で、今現状において急ぐことはどうかという御意見については、私は一応敬意を表します。政府の見るところは、さような立場におきまして差支はない、かように考える次第であります。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/10
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011・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第一、厚生年金保険法特例案(長島銀藏君外五名発議)日程第二・国立光明寮設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/11
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012・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長河崎ナツ君。
〔河崎ナツ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/12
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013・河崎ナツ
○河崎ナツ君 只今上程せられました厚生年金保險法特例案並びに国立光明寮設置法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
先ず厚生年金保險法特例案について申上げます。本案は、本院議員長島銀藏君外五名の共同発議にかかる法案でありまして、先ずその提案理由並びに内容の要点について申上げます。御承知の通り厚生年金保險におきましては、養老年金、障害年金、遺族年金、寡婦年金、鰥夫年金及び遺児年金の六つの年金がございますが、このうち養老年金は未だ給付の時期が到来いたしておりませず、寡婦、鰥夫、遣兒の各年金につきましては、いずれも終戰後の創設にかかる新らしい制度でありますので、問題はないのでございます。ところが、この制度の創設以来、比較的早い時期からその受給者が発生しておりました障害年金及び遺族年金につきましては、その年金支給の計算基礎となりまする標準報酬の月額と年金計算の場合の平均のとりかたとが、今日までに数回に亘つて改訂されて参つているのであります。そのために新旧の年金の間に不均衡が生ずるようになり、従前の低い標準報酬月額によりまする年金は、受給者の生活保障という目的を達することができない事態が生ずることとなつて参つたのでございます。この不均衡と欠陥を是正する措置として、過去におきまして、昭和二十三と同二十四年の二回に亘り、従前の低額な標準報酬月額によりまする年金額を五倍に引上げたのであります。然るにその後の経済情勢の変動に伴いまして、実際上の給與水準も相当高まつて参り、五倍に引上げた当時の被保險者全体の総平均標準報酬と今日の総平均標準報酬とを比較いたしますると、約二倍の開きを生じて参つたのでございます。従いまして、その不均衡をもう一度是正する必要が生じて参りましたのと、先般の措置から多少漏れていたものもございましたので、本案におきましては、これらのものも併せて救済するように措置いたしてあるのでございます。
先ず障害年金及び遺族年金の年金額の計算が、昭和二十三年八月一日即ち標準報酬月額について大幅の改訂をいたしましたとき以前の低い標準報酬月額のみを基礎としておりましたものにつきましては、すべてこれらを更に二倍に引上げることとし、先に行いました五倍引上げを合せると当初の十倍に引上げた年金額に改訂することと相成つております。
次に昭和二十三年八月一日以後の高い標準報酬とそれ以前の低い標準報酬との双方が年金額計算の基礎になつておるものにつきましては、同日以前の低いものを切り捨てて、改訂後の高い標準報酬だけをとつて年金額の改訂を行うこととし、そのうちで標準報酬の平均のとり方及び年金額の算出基準が従前の古い制度によつておつたものにつきましては、新らしい制度による方法に切換えることとして、できるだけ不均衡を是正することといたしているのでございます。以上が本案の提案理由並びにその内容の概要でございます。
厚生委員会におきましては、先ず提案者から提案理由の説明を聽取して後、法制局中原課長から法案の内容につきまして逐條的に詳細な説明を聽取いたしまして、愼重審議を盡したのでございます。この法案の法文は頗る複雑難解でございますが、その趣旨は比較的簡單でございまして、今回の改正によりまして従来の不均衡が是正せられ、障害年金、濃族年金に関しましては、被保險者全部が現在の給與水準に相応する厚生年金の支給を受けることになるのでございます。
かくて討論省略の上、採決いたしました結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。
次に国立光明寮設置法の一部を改正する法律案について申上げます。先ず本法案の提出理由を簡單に申上げます。
第二回国会において国立光明寮設置法が制定せられ、昭和二十三年七月、東京、塩原の二カ所に失明者更生施設が設置されました。現在までに両施設から合せて二百十九名がすでに卒業し、それぞれ社会に復帰更生して生活の第一線に活躍いたしております。然るにこの両施設の収容定員は合せて僅かに百名に過ぎず、一方現在の入寮希望者は約二千名を超え、年ごとに増加の傾向を示しているのでありまして、これらの切なる要望に応えるためには、現在の能力では甚だしく不十分でありまして、是非その施設の増設が必要となつておるのであります。なお、従来の国立二施設は共に東に偏在しておりまして、かねてより関西方面にこれが設置を強く要望されて参つた次第もありまして、昭和二十五年度予算を以て新たに神戸市に失明岩更生施設を増設することとなり、目下これが建築を進めており、明年度これを開設することを得る運びと相成つておるのでありまして、そのために本改正をいたすことが必要になつたのであります。
本委員会におきましては愼重に審議を盡したのでありますが、その審議におきまする質疑の主なるものを一二申上げますと、質問の第一、失明者の分布状況と更生施設設置地域との関係から平等に入寮せしめることができるかどうか。これに対しまして政府から、入寮の基準を設け、緊急度の高い者から申込順に平等に公平に入寮せしめている、又更生施設設置に関しましては、将来九州、中国、北海道など順次各地方に増設したいとの答弁がありました。質問の第二といたしましては、塩原光明寮を廃止するとの説を聞くが、その真僞はどうか、切に存続を要望する。これに対しましては政府から、廃止どころか今後ますます整備いたして参りたいとの管外がございました。その他二三の質問が行われました後、質疑を終了いたしまして、討論に入りましたところ、中山、有馬両委員より、将来の設置計画を急速に実現せられんことを要望して、本法案に対しまして賛成の意見が表明せられました後、討論を終結いたしまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/13
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014・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御先言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/14
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015・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/15
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016・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第三、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第四、不正保有物資等特別措置特別会計法等を廃止する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両
〔小串清一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/16
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017・小串清一
○小串清一君 只今議題となつております旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
先ず本改正案の要点を申上げますると、第一に、旧軍用財産を時価に比して減額した対価で譲渡し得る期間は、現行法では昭和二十六年六月三十日まででありますが、これを更に三カ年延長すると共に、減額し得る割合の限度を現行の二割から四割に引上げ、且つ減額した対価で誕渡し得る範囲を、公共団体が社会事業施設の用に供する場合へ及び学校教育法第九十八條に規定する旧制学校の設置者が学校の用に供する場合にも適用せしめようというのであります。第二に、減額譲渡し得る場合に該当するときには、本年三月三十一日現在貸付けているものに限り、時価の五割以内において減額した対価で貸付けることができるようにいたそうというのであります。第三に、旧軍用財産又は物納財産を譲渡した場合における譲受人の売拂代金の延納期間を、現行の三年を五年に延長すると共に、所得税法及び相続税法による物納財産の場合にも延納の特約ができるようにいたそうというのであります。第四に、現行法では、国の学校の用に供する目的で地方公共団体により無償で国の用に供せられた財産を、国がその用に供しないときは、これを当該地方公共団体にやはり無償で返還しなければならないことになつておりますが、これを拡張して、学校以外の教育施設にも適用することができるようにいたそうというのであります。
さて、本案は愼重に審議をいたしたのでありますが、その詳細は速記録によつて御了承願いたいと思います。かくて質疑を終了し、討論に入り、油井賢太郎委員より、旧軍用財産を速かに処理せられたいという賛成意見が述べられ、又松永義雄委員より、旧軍用財産の譲渡貸付について適切な運営を図られたい旨の賛成意見が述べられまして、採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、議題となりました不正保有物資等特別措置特別会計法等を廃止する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告を申上げます。
本案は、これまで不正保有物資及び過剰物資については、国が直接に買取り、売拂いを行い、これに関する経理を一般会計と明確に区別するために、不正保有物資等特別措置特別会計を設置して行なつて参つたのであります。そうしてこれらの物資を政府が譲り受ける場合には、その対価を登録国債で決済するために不正保有物資等の対価を登録国債で決済することに関する法律が判定せられ、これによつて買取りが行われて参つたのでありますが、今回これらの物資の処理状況に鑑みまして、不正保有物資等特別措置特別会計法及び不正保有物資等の対価を登録国債で決済することに関する法律の二つの法律を廃止し、それに伴う所要の経過規定を規定しようというのであります。
本案の審議に当りましては、各委員と政府委員との間に熱心な質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることといたして御承知を願いたいと思います。かくて質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/17
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018・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/18
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019・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過中数と認めます。よつて両案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/19
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020・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第五より第三十二までの請願及び日程第三十三より第三十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/20
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021・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事岡田信次君。
〔岡田信次君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/21
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022・岡田信次
○岡田信次君 只今上程になりました請願三十件、陳情三件につきまして運輸委員会における審議の経過並びに結果を、詳細は速記録を御覧願うことといたしまして、簡單に御報告申上げます。
請願第二十五号、同第百四十五号、名古屋、多治見両駅間鉄道電化に関する請願、請願第百十一号、陳情第二号、白河、仙台両駅間鉄道電化促進に関する請願及び陳情、請願第二百四十九号、新潟、長岡両駅間鉄道電化促進に関する請願、以上請願四件、陳情一件は、いずれも鉄道電化促進に関するものでありまして、委員会におきましては、審議の結果、鉄道電化の促進は、経費の節減及び輸送力の増強、並びに地方産業文化の発展向上を図る見地からも、いずれも願意を妥当と認めた次第でございます。
請願第三十四号、山川、枕崎両駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願第三十五号、隼人駅、大泊間鉄道敷設促進に関する請願、請願第百二十五号、朱鞠内、羽幌両駅間鉄道敷設に関する請願、請願第三十九号、同第百四十二号、茨城県長倉村、大子町間鉄道敷設促進に関する請願、請願第五十一号、宮下、川口間鉄道敷設促進に関する請願、請願第百二十四号、築別、遠別両駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願第百五十九号、小本線鉄道敷設促進に関する請願・請願第二百六十八号、大垣、樽見間鉄道復旧促進に関する請願、陳情第六号、御影、富内面駅間鉄道敷設促進に関する陳情、陳情第二十四号、白山、新発田両駅間鉄道敷設促進に関する陳情、以上の請願九件、陳情二件は、いずれも鉄道の敷設に関するものでありまして、鉄道の新線建設は、すでに昭和二十五年十二月九日、本院におきましても決議いたしておるところでございまして、委員会におきましては、鉄道敷設法予定線を初め、殊に工事に着手し、その後中止しておりますもの、又はその後の事情の変化により必要と認めますものの鉄道敷設は、これを促進し、交通来路を整え、産業開発、文化の向上及び民生の安定を図るべきものとして、その願意を妥当と認めました。
請願第百六十号、山田線復旧促進に関する請願、本請願の要旨は、先般の三大颱風により甚大なる被害を受け、今日に至るも不通個所があるから、速かにその復旧を促進して欲しいというのであります。請願第四十号、倶利加羅トンネル改修工事施行に関する請願、請願の要旨は、北陸本線の輸送力の隘路である木ノ本—敦賀、敦賀—今庄、津幡—石動間のうち、すでに工事に若手し、目下作業中止になつている倶利加羅トンネルの改修工事を再開して欲しいというのであります。以上は鉄道の復旧及び改修に関する請願でありまして、委員会におきましては審議の結果、いずれも願意を妥当と認めました。
請願第五十号、神俣駅を滝根駅と改称促進の請願、請願の要旨は、現在駅の所在地は滝根町であるにもかかわらず、建設当時の地名のまま神俣駅と呼称されて、万事不便が多いので、滝根駅と改めて欲しいというのであります。委員会におきましては、審議の結果、願意を妥当と認めました。
請願第五十四号、中村駅貨物ホーム拡張促進に関する請願、請願第九十八号、大津港駅改築に関する請願、以上の請願二件は、いずれも現在の駅設備はその取扱量に比し狭隘であるので、その改築を希望しているものでありまして、委員会におきましては、審議の結果、願意を妥当と認めました
請願第五十六号、白棚鉄道復活に伴う停車場設置等に関する請願、請願第五十七号、東北本線西郷信号場を駅に昇格促進の請願、請願第百八号、中村、新地両駅間に新駅設置促進の請願、請願第甘十号、貝田信号場を駅に昇格促進の訴願、請願第二百五十三号、木川内信号場の駅昇祐に関する請願、以上の五件は停車場の設置及び信号場の駅昇格に関する請願でありまして、委員会におきましては、審議の結果、現地の実情を考慮し、いずれも願意を妥当と認めました。
請願第五十八号、小野新町、須賀川両町間及び須賀川、長沼向町間に国営貨物自動車運輸開始促進の請願、請願第百七号、二本松、津島両駅間に国営バス運輸開始促進の請願、請願第百十八号、小野新町、石川両町間及び小野新町、小平村間に国営バス運輸開始の請願以上三件はいずれも国営自動車の運輸開始に関するものでありまして、委員会におきましては、審議の結果、地方交通の充実を図るため、いずれも願意を妥当と認めました。
請願第八十号、姫新線第二鉄橋引上げによる護岸強化等に関する請願、請願の要旨は、本個所は水勢が強いため常に災害を受けているので、これが防止の措置を希望しておるのでありまして、委員会におきましては、審議の結果、願意を妥当と認めました。
請願第百六号、江田乗降場、小川郷駅間通学小中学校生徒の運賃改正促進に関する請願、請願第百四十号、江田乗降場利用乗降客の運賃改正に関する請願、以上二件は、いずれも江田乗降場に運賃を設定し、外方運賃による利用者の負担を軽減されたいという請願でありまして、委員会におきましては、審議の結果、願意を妥当と認めました。
請願第百七十八号、青森商業学校前路切危険防止に関する請願、請願の要旨は、本個所は無警手踏切でありますので、通学生徒に危険があり、殊に最近犠牲者を出しておる次第であるから、速かに危険防止の措置を講ぜられたいというのであります。委員会におきましては、審議の結果、願意を妥当と認めました。
以上請願三十件及び陳情三件は、審議の結果、いずれも願意を妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。
以上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/22
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023・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/23
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024・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十四分散会
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○本日の会議に付した事件
一、食糧政策に関する緊急質問
一、日程第一 厚生年金保險法特例案
一、日程第二 国立光明寮設置法の一部を改正する法律案
一、日程第三 旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第四 不正保有物資等特別措置特別会計法等を廃止する法律案
一、日程第五乃至第三十二の請願
一、日程第三十三乃至第三十五の陳情発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X02419510314/24
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