1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月三十日(金曜日)
午前十時四十五分開会
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本日の会議に付した事件
○郵便振替貯金法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金法に基いて保管する証券の
整理に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○郵便法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・大野幸一
○委員長(大野幸一君) これより委員会を開きます。
本日は郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案及び郵便法の一部を改正する法律案を一括議題とするごとにいたしたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/1
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002・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 御異議ないと認めます。なお郵便法の一部を改正する法律案についてはお手許に配付いたしましたように衆議院において修正されました。質疑のありますかたは御質疑を順次お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/2
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003・石坂豊一
○石坂豊一君 郵便貯金預入制限額引上げに関する件に関しまして、現行の預入最高制限額三万円は現在の物価情勢乃至貯金奨励の観点よりしまして低いように考えますが、これを引上げる必要があると思うが、政府において如何にお考えになつていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/3
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004・白根玉喜
○政府委員(白根玉喜君) 仰せの通りに、現在郵便貯金の総額制限が三万円程度であるということにつきましては、現在の経済から見まして仰せのように低過ぎるのでございます。かような状況におきましては、仰せのように郵便貯金の奨励の面からいたしましても、貯金者の郵便貯金の利用の幅の面からいたしましても低過ぎると存ずるのでありまして、従いまして私どもといたしましては、これを少くとも八万円乃至十万円程度に引上げたいと存じまして、いろいろ関係方面と折衝いたしておつたのでございますが、この郵便貯金の総額制限と、それから御承知のように現行法には或いは協同組合等におきましても、貯蓄組合の斡旋による貯金につきましても、郵便貯金と同じに三万円以下で而も無税になつておるのでございます。この両者につきまして何とかいたしまして八万円乃至十万円に引上げたい、かように存じまして貯蓄組合のほうは大蔵省から、郵便貯金の引上げについては郵政省から関係方面に連絡を要請いたしたのでございますが、主として税等の関係からいたしまして、只今の段階におきましては了解が得られないような状態でございますので、止むなく総額制限の引上げを今回は断念いたしたのでございますが、私どもといたしましては、仰せの通り将来この点につきましては何とか解決いたしたいと存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/4
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005・石坂豊一
○石坂豊一君 重ねて伺いますが、私、農村などに住んでおりますが、貯金だつきましては、農業協同組合等がありますけれども、何としましても国民の長い間の習慣及びやはり信頼感の点から、郵便貯金のほうに、いまちよつと普及の態勢をとりますれば、相当額を皆持つて行くのです。殊に銀行あたりは無利子で以てただ一時保管するという状態になつておりますから、銀行へは持つて行つても何もならない。又協同組合ということになれば、何だか欠損が出たりして信用がないというので、やはり郵便局のほうに集まりやすい状態になつておるから、これを強いて三万円というような……現在の物価程度では非常に低いと思いますから、適当な額に引上げられることについて、一段の御考慮を願いたいと思います。まあ、それに又因みまして、通常貯金の現行利率が二分七厘六毛になつております。現在の金利情勢等から考えまして、これも低金利政策に順応したことと考えますけれども、今は貯蓄の奨励等の必要からして少しく預金利子を上げるという時期に来ておるのじやないかと思いますが、国民大衆の利益の点からして政府においてこの点をどうお考えになつておりますか。これも一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/5
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006・白根玉喜
○政府委員(白根玉喜君) おつしやる通りに、私どもといたしましては通常貯金の利子も低いと存じておるのでありますが、併しながら向うの関係方面といたしましては、現行の、御承知のように普通預金と比較いたしまして、税引きにいたしましても通常貯金が高過ぎる。従つてそれを低くするようにという示唆もあつたのでございますが、私どもといたしましては、お話のように銀行の普通預金は滞留期間が非常に短いので、こちらのほうは長いということを特に強調いたしまして、二分七厘六毛を維持するように懇請いたしまして漸く納得して頂いた段階にあるのでございます。従いまして只今の情勢では、それらの情勢を考えまして、今俄かにこれを上げるということは困難な情勢にあるのでございまして、又事業経済の面からいたしましても、財源その他の面で上げるのには少し困難な状態でございますので、これらの点につきましても将来におきましてお話のように財源の許す限り、又関係方面とも了承が得られる限りにおきましては、できるだけ大衆預金である郵便貯金、而も普通貯金の利子の引上げも可能なる限り努力いたしたいと存じますが、只今の段階ではこれを改正する段階まで行き得ないのを遺憾といたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/6
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007・石坂豊一
○石坂豊一君 只今の御説明では、やはり引上げるごとについて政府も相当お考えになつておるようでありますが、やはりその筋のほうとの交渉によつて思つたようにならんというように、最後はそういうふうに考えられますが、私どもそう見て差支えありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/7
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008・白根玉喜
○政府委員(白根玉喜君) 財源の面もございますが、財源の面と只今おつしやいましたような関係方面との両方の面からいたしまして、只今の段階では通常郵便貯金を引上げるにはちよつと困難な状態にありますが、できるだけ資金の吸収も図りまして、関係方面との面も或る程度いたしまして、将来は可能なる限りその方向に動きたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/8
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009・深川タマヱ
○深川タマヱ君 郵便貯金事業の簡素化を図るのが目的であるといたしますと、据置郵便貯金とか特別据置郵便貯金とか、証券保管の制度、こういうものはこれから新たに契約することをやめるとおつしやるのでなく、今まですでに契約をして動いておるものもこの際処分なさるというのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/9
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010・白根玉喜
○政府委員(白根玉喜君) 将来に亘りましてはそういう取扱を廃止いたしまして、簡素化を図りたいと存ずるのでございますが、すでに契約いたしまして動いておるものにつきましては、附則によりまして従来通りにやることに相成つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/10
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011・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 私からちよつとお尋ねいたします。郵政大臣にお尋ねいたしますが、日曜休日における郵便配達の休止については、目下二百有余の局で試験的に案施しておる趣であるが、本件に関しては東京都会その他種々の方面から反対の陳情があるのみならず、配達休止の事業経済的効果についても検討を要するものが多分にあるので、これを全国的に実施することは容易ならざる影響を引起すものと思います。よつて政府は配達休止の全国的実施をなすような場合においては、あらかじめ郵政委員会に連絡をとり、十分国会の意思を尊重すべきであると思いますが、これに関する郵政大臣の御意見が伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/11
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012・田村文吉
○国務大臣(田村文吉君) 日曜配達の問題につきましては、先般来申上げましたように、現在の過程におきましては、これを調査検討いたしておる状況にあるのでありまして、これが実施につきましては、なお慎重に三カ月間試験的にやりましたものの成績を考え、且つ又世論の調査もしつかりとした機関によつてこれを行うように今着手いたしております。無論国会の御意思を十分に尊重したいという考えでおりますので、今後ともこれにつきましての問題は機会を捉えて御相談を申上げるようにして行きたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/12
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013・大野幸一
○委員長(大野幸一君) ほかに御質問ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/13
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014・中川幸平
○中川幸平君 この法案は予備審査で相当質疑を尽しております故、ここで質疑を打切つたらどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/14
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015・大野幸一
○委員長(大野幸一君) それでは質疑を打切ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/15
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016・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 御異議ないと認めます。それでは質疑は尽きたものと認めまして、討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/16
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017・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案及び郵便法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。右の四法律案を原案通り可決するごとに賛成のかたの挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/17
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018・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 全会一致でございます。よつて郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律の一部を改正する法律案及び郵便法の一部を改正する法律案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において四法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/18
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019・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 御異議ないものと認めます。
それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書の件につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、四法案を可とされたかたは順次御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
中川 幸平 柏木 庫治
石坂 豊一 池田七郎兵衞
城 義臣 深川タマヱ発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/19
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020・大野幸一
○委員長(大野幸一君) 署名漏れはございませんか。署名漏れはないと認めます。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午前十一時二分散会
出席者は左の通り。
委員長 大野 幸一君
理事
中川 幸平君
柏木 庫治君
委員
池田七郎兵衞君
石坂 豊一君
城 義臣君
深川タマヱ君
国務大臣
郵 政 大 臣
電気通信大臣 田村 文吉君
政府委員
郵政省貯金局長 白根 玉喜君
郵政省簡易保険
局長 金丸 徳重君
事務局側
常任委員会専門
員 生田 武夫君
常任委員会専門
員 勝矢 和三君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015256X00619510330/20
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