1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月三十一日(土曜日)
午後八時二十二分開会
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昭和二十六年三月三十一日衆議院議長において協
議委員を左の通り指名した。
石田 博英君 倉石 忠雄君
佐々木秀世君 福永 健司君
吉武 惠市君 橋本 龍伍君
田中 啓一君 前田 郁君
西村 直己君 岡延右エ門君
同日互選の結果、正副議長を左の通り選定した。
議 長 石田 博英君
副 議 長 倉石 忠雄君
同日参議院議長において協議委員を左の通り指名
した。
大矢半次郎君 岡崎 真一君
小串 清一君 下條 恭兵君
松永 義雄君 三輪 貞治君
小林 政夫君 小宮山常吉君
駒井 藤平君 堀木 鎌三君
同日互選の結果、正副議長を左の通り選定した。
議 長 大矢半次郎君
副 議 長 松永 義雄君
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出席委員
衆議院側
議 長 石田 博英君
副 議 長 倉石 忠雄君
佐々木秀世君 福永 健司君
吉武 惠市君 橋本 龍伍君
田中 啓一君 前田 郁君
西村 直己君 岡延右エ門君
参議院側
議 長 大矢半次郎君
副 議 長 松永 義雄君
岡崎 真一君 小串 清一君
下條 恭兵君 三輪 貞治君
小林 政夫君 小宮山常吉君
駒井 藤平君 堀木 鎌三君
委員外出席者
衆議院副議長 岩本 信行君
衆議院事務局側
参 事
(委員部長) 鈴木 隆夫君
常任委員会専門
員 椎木 文也君
衆議院法制局側
法制局長 入江 俊郎君
参 事
(第一部長) 三浦 義男君
参議院事務局側
参 事
(委員部長) 宮坂 完孝君
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本日の会議に付した事件
○関税定率法の一部を改正する法律案
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会 議
〔抽籤により石田博英君議長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/0
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001・石田博英
○議長(石田博英君) 籤によりまして私が本日の両院協議会の議長を勤めることに相成りました。不敏ではございますが、各位の御協力を得まして、何とか協議会の目的を達したいと存じます。どうかよろしくお願いいたします。
なお参議院の協議委員議長には大矢半次郎君、副議長には松永義雄君、衆議院の協議委員議長には不肖私、副議長には倉石忠雄君が当選せられました。右御報告申上げます。
これより関税定率法の一部を改正する法律案について両院協議会を開きます。両院協議会は、国会法第九十七條によりまして、傍聴を許さないことになつておりますから、協議委員及び協議会の事務を掌理する職員以外のかたは御退席を願います。
先ず本案に関する各議院の議決の趣旨を御説明願つてから協議に入りたいと存じます。最初に衆議院側から両院協議会を求められた理由並びに衆議院側の趣旨について御説明を願います、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/1
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002・西村直己
○西村直己君 西村でございます。簡単に衆議側といたしまして政府原案に対しまして修正した要点、特に本日ここに協議事項の対象となつている事柄を中心に御説明いたします。
御存じの通り、関税定率法が提案されましたところ、更にそのうち「とうもろこし」ほか七品目に対しまして五%乃至三〇%の税率の政府案に対しまして、これら七品目は一年間免税にするという一つの修正でございます。
それから第二には、関税の中でガソリン、潤滑油等は一年間税率を一〇%当り減税する、こういう修正が第二でございます。
特に、先ほど申上げましたように、ここに協議事項の心中となつております建染染料中人造藍を除くその他のものという項目に対しまして、政府原案におきましては、原則としては税率従価二割五分でありましたのを、附則第四項によつて、政府原案は、当分の間、税率一割五分となつておりますのを、当分の間を一年間と明確にいたしたこの修正案を衆議院におきまして提案をいたし、参議院のほうへ御審議をお願いに上つた、これが状況でございます。なぜこの当分の間を一年間と明確にいたし、又一割五分の附則による政府原案を規定いたしましたのは、できるだけ現在外国の優秀な建染染料、いわゆる合成染料の中の建染染料の一部を使つておりますのは、まだどうしても外国染料に頼らなければならない。これを政府原案程度の税率で行つて、一年間だけはそれによつてまあ海外にその製品を送り出すというようなためにも民業に利する、こういう趣旨からこの程度の修正をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/2
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003・石田博英
○議長(石田博英君) 次に参議院側の議決の趣旨の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/3
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004・小林政夫
○小林政夫君 衆議院側の御訂正に対しまして、おおむね参議院としては異存はないのでありますが、ただ建染染料について違う点及び追加品目が二種、それから特にその設備の近代化に関する輸入機械に対して免税にするということを附加えたいのでありますが、簡単に御説明申上げます。
「こうりやん」についても「とうもろこし」と同様に一年間、二十七年の三月三十一日まで無税としたい。これは「こうりやん」も「とうもろこし」と同様に重要な飼料でございまして、現在輸入「こうりやん」の価格は、国内産のものに比して相当高価でありまして、輸入関税を設けなくても国内産業の圧迫を来たす虞れがないわけであります。そういう状態において関税を課することは、徒らに市場の価格を高騰させまして、産業に重大な脅威を與えますので、この輸入税は当分来年の三月三十一日までは課さないというふうに変えたわけでございます。
次は菜種及びからし菜の種でございますが、菜種及びからし菜の種は国民栄養の基盤である食用油の原料であつて、その供給の大部分は海外からの輸入に待たねばならない実情である。従つて国内における菜種の増産に努めることは勿論ではありますけれども、従つてその保護政策として輸入税を課するということは結構なことでありますが、その輸入品の価格が現在は国内品よりも甚だしく上廻つておる状態でありまして、輸入税をこの段階において課するということは、一層輸入難に拍車をかける結果になるばかりでなく、食用油の価格を高騰さして国民生活に重大な脅威を来たす虞れがあります。そこで暫定的に一年間大豆及び落花生と同様に輸入税を免除する必要があると、こう考えたのであります。
次に建染染料でございますが、終戦以来GHQ等の熱心な指導と研究奨励金の交付等によつて、又国家資金の融通など非常に国としても保護育成を努め着々として改善発達を遂げて参つております。ここ数年にして工業化の完成が期待されるような域に達して来たのであります。昭和二十六年度の第一四半期の染料生産計画に驚いては、建染染料の銘柄二十八品種中国産十八品種、近く国内産化を予定される三品種がありまして、これらの品種の生産数量は全消費量の八割に上る状況であります。若し建染染料に対する税率を一割五分に低減するならば、漸く国内産化の途上にある建染染料工業は外国製品の脅威を受けて危殆に瀕する結果となることは必然であります。建染染料の関税率は、重要産業等に対して適当な保護関税を設けるという今回の関税率の改正方針に照らしても、一律に輸入別表に定める通り二割五分とすべきであると思います。なお建染染料以外の染料のうち、国内産化されていないものは百四十九品種もあつて、これらのものの関税率よりも建染染料の関税率を軽減する合理的な理由を我々としては考えられないのであります。
次にその設備の関係でございますが、この改正を考えますに当つて、最初通産省或いは通産常任委員会において、衆議院のほうと聞いておりましたが、産業近代化法案を検討中である、従つてその中に我々の趣旨は織込んであるだろうというような大蔵当局の言明でございましたが、その後どうも早急には間に合わないということでこの改正を附加えることにしたわけであります。でこれは我が国経済の自立達成に資する産業の用に供する機械類であつて、新式又は高性能の機械類で、我が国において製作が困難であるものについてやはり一年間輸入税を免除しよう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/4
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005・石田博英
○議長(石田博英君) これにて衆議院の両院協議会請求の理由及び両院の議決の趣旨についての説明は終りました。この際両方の説明について御質疑がありましたら簡単な御質疑を願いたいと存じます。御発言ございませんか。……それでは協議に入りたいと存じます。この際暫時懇談に移して御協議を願いたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/5
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006・石田博英
○議長(石田博英君) それでは懇談会に移ります。
午後八時四十六分懇談会に移る
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午後八時五十一分懇談会を終る発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/6
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007・石田博英
○議長(石田博英君) 再開をいたします。只今の懇談会において得ました結果については念のために私からちよつとまとまつた結果を御報告申上げます。
関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案
衆議院議決案附則第一項中「四月一日」を「五月一日」に改め、同第五項別表乙号七〇五を次のように改める。
七〇五 合成染料
六 建染染料
乙 その他二割
その他は、参議院議決案の通りとする。
只今私が読み上げました案を協議会の協議案として議事を進めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/7
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008・石田博英
○議長(石田博英君) 御異議がなければさよう決します。只今の協議案について何か御意見はございませんか。……御意見もないようですから、採決をいたします。この協議案に賛成の諸君は起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/8
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009・石田博英
○議長(石田博英君) 起立総員、よつて只今の協議会案は両院協議会の成案となりました。
なお成案の案文整理等につきましては、議長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/9
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010・石田博英
○議長(石田博英君) 御異議なければさよう決しました。
それではこの両院協議会の任務はこれにて終了いたしましたので、散会いたします。
午後八時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101024017X00119510331/10
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