1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年九月五日(水曜日)
午前十時四十一分開会
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昭和二十六年八月十七日法務委員長に
おいて小委員を左の通り指名した。
山田 佐一君
伊藤 修君
齋 武雄君
岡部 常君
鬼丸 義齊君
一松 定吉君
須藤 五郎君
同日法務委員長は左の者を委員長に指
名した。
委員長 伊藤 修君
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本日の会議に付した事件
○会社更生法案(内閣送付)
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001・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それではこれより会社更生法及び破産法並びに和議法に関する小委員会を開きます。
本日は先に提案理由の説明がお伺いしてありますから、直ちに逐條審議に入ることにいたしまして、逐條に亘つて一章ごとに御説明をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/1
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002・野木新一
○説明員(野木新一君) それでは只今からお手許に差上げておきました「会社更生法案逐條説明」に大体基きまして逐條の御説明をいたしたいと存じます。
先ず第一章の総則でございますが、本章は、この法律の目的、更生手続開始の時、人及び地域に関する効力、更生事件の管轄、更生事件に関する裁判所の裁判その他の行為に関する通則、破産及び和議手続への移行等この法律の実体的及び手続的の通則を規定しておるのでございます。第一條は、この法律の目的を規定しまして、併せてこの法律の対象となる会社は株式会社に限ることを明らかにいたしております。第二條は、更生手続は、その開始決定の時から効力を生じ、決定の確定又は公告を待つてその効力を生ずるものではないことを明らかにいたしました。これは和議手続がその開始決定の時から効力を生ずることにしておるのと同様の理由に基いて、これにならつたわけであります。第三條は、外国人又は外国法人の会社更生法上の地位を定めたものでありまして、いわゆる無條件平等主義を採用しております。外国人及び外国法人について特に異つた取扱いをする必要はないだろうという理由からでございます。第四條は、更生手続開始の国際的効力について定めたものでありまして、いわゆる属地主義を採用しております。和議法の例にならつたものであります。第五條は、更生手続参加による更生債権又は更生担保権の時効の中断の効力を定めたものでございます。更生手続中は、その手続によらない権利の行使が制限されているからこのような規定を設ける必要があるわけであります。第六條は、更生事件の管轄裁判所について定めました。和議事件の管轄裁判所と大体同じであります。第七條は、特別の必要のある場合における更生事件の移送について定めたものであります。民事訴訟法第三十一條の規定と類似しておりますが、専属管轄の定めのある事件について特に移送を認めたものでありまして、この点は新機軸であります。
次に第八條から第十條までは、更生手続に適用すべき手続的な原則を定めたものでありまして、和議手続の例にならつたものであります。次に第十一條は、更正手続に関する裁判に対する即時抗告について定めました。和議手続に関する裁判の例にならつたものであります。第十二條、本條はこの法律の規定によつてする公告の方法について定めました。公告を掲載すべき新聞紙は裁判所が指定することにいたしております。次に第十三條は、会社の債務が二千万円以下である場合の略式の公告の方法について定めました。その方法は、破産手続における略式の公告の方法と同様であります。費用の節減のためであります。次に第十四條は、この法律の規定によつてする会社の社債権者、株主及び登記した担保権を有する更生担保権者に対する略式の送達の方法を定めました。一時に多数の者に送達すべき場合が多く、株主名簿、社債原簿又は登記簿に記載した住所は一応信頼すべきものでありますから、このようなことにいたしわけであります。次に第十五條は、この法律の規定によつて公告と共に送達すべき場合の送達について定めました。和議法の例に準じたものであります。次に第十六條は、送達が困難な場合における送達に代わる公告の方法を認めたものであります。一時に多数の者に送達すべき場合が多いので、通常の公示送達と異つた方法を認めたものであります。次に第十七條と第十八條、会社又は会社財産に関する更生手続開始の登記について定めたものでございます。管財人の地位に鑑み、これに関する事項をも登記し、更生手続終了前に会社又は会社財産について登記すべき事項が生じた場合等にも登記を嘱託すべきものとしたほかは和議法及び破産法の例にならつております。次に第十九條は、更生手続開始決定取消の決定が確定した場合等における登記について定めました。和議法及び破産法の例と同様であります。
次に第二十條は、前三條による登記の嘱託を受けた場合における登記所の職務について定めました。第二項から第四項までは、更生手続と和議手続、整理手続、特別清算手続及び破産手続との関係を登記簿上明らかにするための規定であります。次第二十一條は、否認権が行使された場合の登記について定めました。破産法の例にならつたものであります。次に第二十二條は、登記に関する規定を登録に準用したものであります。次に第二十三條、第二十四條でありますが、破産宣告前の会社について更生手続が不成功に終つた場合における破産手続への移行について定めたものであります。破産の原因たる事実があつても、必ずしも職権で破産の宣告をする必要はないことといたしました。その他の点は和議手続及び整理手続の例に準じてあります。次に第二十五條、第二十六條、破産宣告後の会社について更生手続が不成功に終つた場合について定めました。更生計画認可決定前におきましては破産手続は中止されているから、更生手続が不成功に終ると当然破産手続が続行されますが、計画認可決定後に更生手続が不成功に終つた場合には、破産手続はすでに失効していますので、職権で破産の宣告をすべきものとしたのであります。次に第二十七條、第二十八條、破産宣告前の会社について更生手続が不成功に終つた場合における和議手続への移行について定めたものであります。商法の会社の整理手続の例に準じたものであります。第二十九條、本條は清算人が会社に対し破産等の申立をする義務がある場合に、更生手続開始の申立をしてもいい旨を定めたものであります。和議開始の申立の例に準じたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/2
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003・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 以上、第一章の説明に対して御質疑がありますれば、この際御質疑をお願いいたします。…この法案の中の財産権の制限規定は憲法の第二十九條に違反するような疑いがあるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/3
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004・野木新一
○説明員(野木新一君) この法案におきまして財産権の制限に関するもので一番大きな点は、例えば債権者や担保権者の権利が会社更生手続のために場合によつては縮減されることがあるという点であろうかと存じます。この点につきましては、例えば担保権者の例をとりますと、担保権者なり債権者なりの権利が整理の目的のために制限されるということは、担保権者のグループ、或いは債権者のグループ、後にそれに触れることになると思いますが、そういうグループごとに一つの決議をして、それによつて結局その決議にそのグループの債権者が従うということになりますので、別の言葉を用いて言いますれば、多数決の原理を採用しておるものでありまして、この更生手続のような企業の再建を図るというような場合におきましては、そういうような多数決原理によりまして債権者なり担保権者なり、そのグループの権利を制限するということは憲法二十九條には反しないものと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/4
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005・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この法案中に裁判所の権限が非常に強力に且つ広汎に規定されておるように思うのですが、一体裁判所がかような権限を行使する能力があると考えられておるのですかどうか。いま少しく当事者の権限というものに任すべものではないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/5
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006・野木新一
○説明員(野木新一君) この点の御質問は誠に問題の点であると存ずるわけであります。我が国におきましても裁判所が破産の事件とか或いは和議の事件のような、或いは商法の会社の整理のようなこれに類した事件を取扱つておる例はありますが、この会社更生事件は、これらの場合に比しまして手続が複雑であり、且つ活きた会社を取扱つておるという点におきまして非常に特異な性質を持つたものであります。従いまして裁判所のような機関でなくて、むしろ行政機関に扱わせたらいいではないかというような考え方も或いはでき、又仮に裁判所に取扱わせるといたしましても、当事者に成るべくその権限を任せるようにしてはどうかというような意見の出るのは一応予想されるところであります。併しながらこの更生手続は、この手続自体が示すように各権利者の非常に錯雑した権利義務関係を整備、形成して行く手続でございますので、やはり裁判所のような独立中正な機関が取扱うのが適当であると信じ、これは外国にもその例があるわけであります。
次に成るべく当事者に任してやつたらどうかという点についてでございますが、この法案におきましても或いは管財人の使用し、或いは審査人を使用し、或いは担保権者の団体、債権者の団体、それぞれの団体を使用いたしまして、その団体としてそれぞれの権利について折衝をし、或いは管財人が相当大きな権限を持ちまして実際の事務を進捗して行くというように、できるだけ裁判所は法律的判断に力を注いで、他のほうは成るべくそういう外部の機関、外部の者を使つて行きたいという考えで立案しておる次第でありまして、私どもといたしましては大体この程度で相当当事者その他の権限に任すべき点は任してあるのではないかと信じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/6
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007・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 一体この会社更生法の主眼とするものは、結局会社を運営しつつ会社を更生させようとするところに破産法との特異があるわけですね。それからいわゆる法律的な問題ばかりでなくして、運営というものに対しても相当の能力を必要とするのじやないのでしようかね。その場合においてただ法律常識のみを持つ裁判所にかような強い権限を与えるということで、果してこの法律の目的を達することができるでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/7
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008・野木新一
○説明員(野木新一君) この会社更生手続の特異な点は御説のように会社をつぶさない、活かしつつ企業を再建して行こうという点にありますので、これを取扱う裁判所乃至裁判官そのものも、今までの普通の訴訟事件を取扱う裁判官と異なりまして、こういう会社事件とか会社経営等について相当の知識を普通の法律知識以外に持つべきものであるとは存ずる次第であります。
そこでこの手続ができましたならば、裁判所のほうにもよくお願いたしまして、こういう事件につきましてはこういう事件を担当する裁判官には特にこういうような知識経験を得られるような何か研修なり、又そういうものに特に興味を持つている人を以てこれに当てるなど、そういうものにいたしたいと存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/8
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009・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この点に対してはなおあとでお尋ねすることにいたしますが、次にその株主、社債権者、会社の使用人などはそれぞれ集団的に更生手続に参加するという建前をとるようにしたらどうかと思うのでが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/9
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010・野木新一
○説明員(野木新一君) この点も確かにこの法案を立案するに当りましては一つの重要なる論点になつたところであります。併しながら私どもといたしましては、会社が非常に危急存亡のときに迫つた場合でありますので、株主とか社債権者などは、一つの団体としてではなくて、やはり個々の裸になつてその会社の更生に立向うと、そういうようにいたしたほうが、本当に会社の更生に熱意のある者が参加する。そういう熱意のある者の参加によつて初めて会社が更生できることになるのだという考え方からいたしまして、ばらばらにばらしてやつたほうが更生のために一層よいと考えたわけであります。そういたしませんと、株主総会なり或いは社債権者集会なりの決議によつて株主なり社債権者なりが一々行動することになりますので、余りに関心のない者までもその中に捲込まれることになり、又決議を一々することについて、例えば定足数を充たすとか、いろいろの点で迅速な活動ができなくなるのではないか。そういう点をも考慮して本案のような建前をとつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/10
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011・伊藤修
○委員長(伊藤修君) こういうような活かして更生手続を進行させようというような場合においては、むしろ株主、社債権者とか、会社使用人とか、そういう者が各個別的なグループの下にその総合意思を決定して、それを持込んで更生手続に然るべき意見を発表させる。こういうほうがむしろ運営のほうに非常にいいのじやないでしようかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/11
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012・野木新一
○説明員(野木新一君) 例えば社債権者につきましては社債権者集会というものが別に法律上あり、株主におきましては株主総会というものがありますので、それによつたらどうかというような点は確かに一つの御議論とは存じます。併しながら例えば株主について考えますと、株主総会を利用いたしますと、株主総会というものは会社の意思決定機関になりますので、そうすると会社がこの当事者になるという形で、普通の和議法の和議と同じような行動になつて来るのであります。それか一つと、それに株主におきましても会社が非常に危急存立に際したような場合におきましては、非常に無関心な株主も多い。そういう場合にはそういう無関心の株主はまあ暫らく別にしておいて、一番熱心な株主を集めて、そこで手続を進めて行つたほうが一層会社の更生というものが得られるのではないか。尤も株主の場合におきましては、参加しない株主も権利は失わないわけでありますが、併しながら熱心な株主のみに積極的に参加さして行つたほうが、会社更生の手続をうまく進捗させる、そして会社更生の目的を達成するのに一層適切でないか、そういうように考えたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/12
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013・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 併し実際の整理の場合の取扱いとしては、使用人や何かは会社がそのまま存続し、営業を継続しつつ整理するのですから、使用人全体がこの整理に参加、参画して、常に清算事務を大きくして、整理のみに没頭するようなことがあつては、それ自体が運営の中止ということになつて来るのじやないかと思うのですね。むしろ使用人は使用人の意思をまとめて代表を参画せしめて協議せしめるというような方向をとるようにしたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/13
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014・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 会社の使用人でございますが、この使用人の手続に参加という態様は、会社の債権者として参加する場合と、それから会社に使われている者としての立場で参加する場合と、二つを考えておるわけです。そうして会社の債権者としての立場、これは例えば遅配の給料或いは通常の立替債権とか、そういうふうなものを持つておる場合でありますが、この場合には通常の債権者と同じに扱う建前になつております。併しながらこの会社の使用人としての立場のほうにつきましては、これは使用人の過半数で組織する労働組合がある場合にはこの労働組合の意見を聞くとか、若しそういう労働組合がなければ使用人の代表者の意見を聞くというふうにいたしまして、その使用人としての立場におきましては団体的に取扱つておるという建前になつております。通常の債権者としての立場の場合にも団体的に取扱つてはどうかというふうな点もございますが、これは先ほど野本局長からもおつしやられた通り、やはり個々の債権者或いは株主なんかと同様にこれを集団的に取扱うということになりますと、手続が円満に運ばない、円滑に運ばないという虞れが相当あるのじやないか。やはり各権利者が、各会社の利害関係人がばらばらになつて、裸になつて集つて、そうして協力して会社を更生させるというためには、ばらばらに参加させるほうが適当じやなかろうかというふうに考えて、債権者の立場においては個々に参加させるという立て方をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/14
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015・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この点はあとで逐條審議のときに又お尋ねすることにいたします。ではほかに第一章についてお尋ねすることございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/15
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016・岡部常
○岡部常君 これは第一條において適用を受けるのは株式会社ということが明らかになつておりますが、これは表題をむしろ私は株式会社更生活とやつたほうがいいように思うのですが、ただ会社とやつて、わざわざここに説明をしなければならない何か特別の理由がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/16
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017・野木新一
○説明員(野木新一君) 実はこの会社更生手続を如何なる会社について及ぼすかという点につきましては、立案の当初から最後までいろいろ議論した点であります。実は株式会社以外の各会社、有限会社にまでも及ぼしてはどうか、又場合によつてはこの会社更生というような、こういうような法律的考え方は個人にも及ぼし得るんじやないかという学者の議論もあつたわけでありまするが、私ども立案を担当いたした者といたしましては、我が国にとりましては新しい制度でありまするので、やはり漸進的に行つたらどうかということを先ず考えまして、而も漸進的に行くということにいたしますと、一番これを必要とし、又一番経済的にも重要である先ず株式会社について考えて見ようということになりまして、株式会社を中心としてずつと規定を考えて行つたわけであります。次に株式会社以外の各会社、有限会社はどうかという点も考えましたが、これは先ずこの法律を制定して頂いて、その運用の状況を見て、擴げるべきものは擴げたらよかろうと、そういう考えをしたわけであります。ところでこの表題でありまするが、そういうような大体考えの下で出発いたしましたので、将来これに附け加え得るというようなまあ含みを残して、一応広く会社更生法というようなことにしたわけでありますが、大体それ以外には特別の意味があるわけじやございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/17
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018・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 第一章の点については又あとで御質問することにいたします。第二章に移ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/18
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019・野木新一
○説明員(野木新一君) 次に第二章について逐條御説明いたします。本章は更生手続開始の原因、申立権者及び申立の手続、申立後の手続、保全処分、調査委員、更生手続開始決定及びその効力、他の手続との関係、取戻権、株金拂込請求権等の査定手続、否認権等について定めたものであります。
先ず第三十條ですが、本條は更生手続開始の原因及び申立権者について定めました。「事業の継続に著しい支障を来たすことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」というのは、会社に流動資産が乏しくて、弁済期の到来した債務を弁済するには、会社の事業の継続に欠くことのできない営業用の固定財産を処分しなければならないような場合を言い、「会社に破産の原因たる事実の生ずる虞がある」というのは、会社整理の開始原因として商法に定められておりまする「支拂不能又ハ債務超過ニ陷ルノ虞アリ」というのと同じ意味であります。窮境にある会社を成るべく早く更生させるために会社の整理の場合よりも開始原因を広く認めておるわけでありますが、この広く認められた場合には、会社以外の者にも申立を許すことは適当でございませんので、会社のみが申立をすることがでることといたしたわけであります。なお会社の申立は、本来の業務執行の場合と同様、代表取締役が通常取締役会の決議に基いていたします。債権者又は株主の申立に必要な債権額及び株式数は、数人のものを合計したものでもよい趣旨であります。次に第三十一條は、解散後の会社が更生手続開始の申立をするには、特別決議を要することといたしたものであります。解散後の会社の継続の場合の例に準じたものであります。次に第三十二條は、更生手続開始の申立の方式及び申立書の記載事項について定めました。更生手続開始の申立は、要件が複雑で、口頭でするには不適当でありますから書面ですべきものとし、申立書には、申立についての裁判をするについて必要な事実を記載すべきものといたしました。次に第三十三條は、更生手続開始の申立をする場合における開始の原因たる事実等の疎明について定めました。破産法等の例にならつたものであります。次に第三十四條は、手続費用の予納について定めました。第二項及び第三項は、予納金額決定の基準を定め、又予納に関する裁判に対して即時抗告ができることとして、申立人の権利の保護を図つたものであります。なお費用の予納がないと申立は棄却されます。次に第三十五條は、会社の監督行政庁及び租税等の徴収権者に対する更生手続開始の通知及びこれらの者の更生手続に関する意見の陳述について定めています。更生手続の進行については、これらの機関と寄接に連絡協力すべきものとしたものであります。次に第三十六條は、会社以外の者の申立があつた場合における会社の代表者の審尋について定めました。この場合には会社の立場をも聞くべきものとして、その権利の保護を図つたものであります。次に第三十七條は、更生手続開始の申立があつた場合における裁判所による他の手続の中止命令について定めています。更生手続は、会社の更生のために行われるものでありますから、手続開始の申立があつた場合において、必要があると認めるときは裁判所は破産手続、和議手続、整理手続、強制執行等のほか競売手続、会社の財産関係の訴訟手続等の中止を命じ、更に租税滞納処分等の中止をも命じ得ることといたしました。なお租税滞納処分等につきましては、公益上の理由からその中止期間を二月に限定する等必要な調整を図つております。次に第三十八條は、更生手続開始の條件について定めています。申立が適法であり、且つ更生手続開始の原因たる事実がある場合でも、ここに掲げるような一定の事由がある場合には、申立が誠実にされたものでないと認められますので、裁判所は申立を棄却しなければならないことといたしました。次に第三十九條は、更生手続開始前における会社の業務及び財産に関する保全処分について定めています。和議手続、破産手続、整理手続等において保全処分が認められているのと同趣旨に基くものであります。
次に第四十條は、調査委員の選任について定めました。調査委員の任務は、和議開始前における整理委員及び整理開始前における検査役の任務に類似しておりますが、整理委員のような必須の機関ではありません。第二項は、調査の公正を期するため、調査委員となるべき者の資格について定めたものであります。次に第四十一條は、調査委員の調査の権限について定めました。整理における検査役及び和議における整理委員の権限の例に準じたものであります。なお本條の規定による報告若しくは検査を拒み又は虚僞の報告をした場合には罰則が定められております。次に第四十二條、第四十三條及び第四十四條、これらの規定は調査委員の資格証明書、監督及び解任について定めたものでありますが、いずれも和議における整理委員等の例にならつたものであります。次に第四十五條は、更生手続開始決定書に決定の年月日時を記載すべきことを定めました。更生手続は、開始決定の時から効力を生ずるので、その日時を明らかにするためのものでありまして、和議手続等の例にならつたものであります。次に第四十六條は、更生手続開始と同時に決定すべき事項を規定しております。破産法及び和議法の例に準じて定めたものであります。債務が二千万円以下の会社について管財人の選任を必ずしも必要としないことといたしたのは、小規模の更生事件につき費用の節約を図つたものであります。次に第四十七條は、更生手続開始決定後その決定の主文等を直ちに公告し、且つ公告事項等を記載した書面を知れたる関係人等に送達すべきことを定めています。破産法及び和議法の例に準じて定めたものであります。次に第四十八條は、前條に掲げる公告事項等を会社の業務を監督する行政庁、法務総裁及び証券取引委員会に通知すべきことを定めています。監督行政庁は監督者として、法務総裁は公益の代表者として、又証券取引委員会は証券の発行その他経済的な見地からの裁判所の協力者として手続に関与する機会を与えるためであります。次に第四十九條は、更生手続開始に関する書類を利害関係人に閲覧させるための規定でありまして、和議法第三十條の規定にならつたものであります。
次に第五十條は、更生手続開始の申立についての裁判に対して即時抗告ができること及び申立棄却の決定に対し即時抗告があつた場合に、裁判所が他の手続の中止を命じ得ることを明らかにしたものであります。次に第五十一條は、更生手続開始決定に対する抗告の結果、開始決定の取消決定が確立した場合における取消決定の主文の公告等の手続について定めたもので、破産法の例に準じじたものであります。次に第五十二條は、更生手続中は、更生手続によらなければ会社の資本構成等を変更し、利益又は利息の配当をすることができないことを定めたものでありまして、更生手続が開始された以上当然のことであります。第二項で定款の変更を認めたのは、会社の公告方法を変更する等の必要があることがあるからであります。次に第五十三條は、更生手続開始後も会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分を会社に任せるときは、債権者等を不当に害する虞れがありますので、管財人にその権限を専属させることにいたしたのであります。破産管財人の例に倣つたものであります。併し非常に小規模の会社で管財人が置かれないときは、会社はその権限を失わないが、裁判所の監督に服することになります。
次に第五十四條及び第五十五條でありますが、これらの規定は、管財人又は会社財産の処分その他会社財産に重要な関係のある行為をするにつき裁判所の許可を得なければならないこととしたものでありまして、破産手続の例に準じたものであります。
次に第五十六條から第六十條まで、これらの規定は、更生手続開始後の会社の行為の効力、更生手続開始後の会社又は管財人の行為によらない会社財産に関する権利の取得、更生手続開始後にされた登記、登録等の効力、更生手続開始後に会社に対してした弁済の効力等について規定したものでありまして、いずれも破産法の例に準じたものであります。
次に第六十一條は、更生手続開始後の共有権の分割について定めております。破産法第六十七條と同趣旨の規定でありますが、管財人又は会社のみから分割の請求をすることができることを明らかにした点が多少異なつております。
次に第六十二條から第六十六條まででありますが、これらの規定は、更生手続開始後に会社財産に属しない財産を会社から取戻す権利、即ち取戻権について規定しております。いずれも破産法の例に倣つたものであります。
次に第六十七條は、更生手続開始決定の破産手続、和議手続、整理手続、強制手続、競売手続、租税滞納処分等に及ぼす効力について規定しております。更生手続を円滑に進めて行くことができるようにするために強い効力が認められているわけであります。和議手続、整理手続等の競合的な手続は、更生手続開始決定によつてその効力を失いますが、破産手続、強制執行、競売手続等は、開始決定によつて中止し、更に更生計画認可決定によつて効力を失うことといたしました。租税滞納処分等は、公益上の理由から余り長く制限することは適当でありませんので、決定の日から六月間中止し、必要があれば更に三月間だけその期間を伸長できることとし、その後は徴収権者が、その本来の権限に従つて処置することができることといたしました。なお裁判所は、場合により中止した手続又は処分の続行又は取消を命ずることができることといたしました。
次に第六十八條、本條は更生手続開始により会社の財産関係の訴訟手続が中断することを定めたものであります。更生手続開始により会社は、原則としてその財産の管理処分権を失うからであります。
次に第六十九條は、前條の規定によつて中断した訴訟手続のうち、更生債権又は更生担保権に関しないものの受継について定めたものであります。更生債権又は更生担保権に関する訴訟手続は、更生債権及び更生担保権の確定手続においてその権利に争いがある場合に受継されるわけであります。
次に第七十條は、特許審判事件等会社の財産関係の事件で行政庁に係属するものにつき、前二條の訴訟の中断受継に関する規定を準用することを定めたものであります。訴訟手続と同様に取扱うべきものだからであります。
次に第七十一條は、更生裁判所が他の裁判所に係属中の会社財産関係の訴訟の移送を求めることができることを定めたものであります。会社の財産関係の訴訟を更生裁判所に集中して更生手続を能率的に進めて行くことができるようにしたものであります。上級裁判所に係属する訴訟は、移送を求めるに適しないから除外することにいたしました。
次に第七十二條は、裁判所が更生手続開始後、開始前にすることのできる保全処分のほか発起人、取締役等に対する株金払込請求権又はその責任に基く損害賠償請求権の査定等の処分をすることを定めたものであります。更生手続開始の場合には、このような処分を認める必要が多いと思われますので、商法の整理手続の例に準じて認めたものであります。
次に第七十三條から第七十七條まで、これらの規定は、商法の整理の査定手続の例に倣つたものであります。
次に第七十八條は、いわゆる否認権について定めたものであります。否認権の性質、否認すべき行為の範囲等は、破産法の否認権と大体同様であります。第二項は罰金、租税等の請求権については否認権を認めることは不適当であるから認めないことといたしたものであります。
次に第七十九條から第八十一條までは、いずれも破産法の否認権の例に倣つて定めたものであります。
次に第八十二條は、否認権の行使の方法について定めました。管財人がないときには更生債権者又は更生担保権者にその権利の行使を認めたこと及び抗弁による行使の方法を認めず、通常の訴の方法のほかに否認の請求という簡易な裁判手続を認めたことが破産法と異なつております。
第八十三條から第八十六條まで、これらの規定は、否認の請求及び異議の訴の手続について規定しております。これは株金払込請求権等の査定の手続に準じて定めたものであります。
次に第八十七條から第九十條まで、これは破産法の否認権の例に倣つて定めたものであります。
次に第九十一條は、破産法第八十四條の規定に準じて定めた規定でありますが、これよりも制限を狭くして否認できる場合を広く認めることにいたしました。
第九十二條は、破産法第八十五條の規定に準じて除斥期間を定めたものであります。
第九十三條は、破産法の第八十六條の規定に準じて定めた規定であります。訴訟手続を中断させず中止することといたしたのは、訴訟を受継させるよりも改めて否認の請求をさせるほうが簡便であると考えられるからであります。
以上で第二章の説明を終ります。
引続いて第三章の説明をいたします。本章は、更生手続にける最も重要な機関である管財人についてその選任、会社の財産関係の訴訟についての当事者適格、職務執行の方法、注意義務等、基本的な事項について規定しております。なお管財人の職務権限等は他の章において規定されておるものが多いことに御注意を願いたいと思います。
第九十四條は、管財人の資格要件その他管財人の選任について定めました。管財人は、会社の業務及び財産の管理をし、又更生計画案の作成及び遂行に当るものでありますから、そのような職務を行うに適した、而も原則として利害関係のない者のうちから選任いたします。会社の取締役、債権者等を管財人に選任する必要があるときもありますので、例外の場合を認めました。法人の中でも、信託会社や銀行には管財人として適当なものがありますので、これらも管財人に選任できることといたし、その選任があつた場合には、事務処理の責任を明らかにするため管財人の職務を行う者を指名して裁判所に届出でさせることといたしました。
第九十五條、第九十六條及び第九十七條、これらの規定は、管財人の会社の財産関係の訴訟についての当事者適格、数人の管財人がある場合の職務遂行の態様、管財人の職務執行上の注意義務等について定めたものでありますが、いずれも破産管財人の例に倣つたものであります。
第九十八條は、管財人の常置的な代理人である管財人代理について定めました。管財人代理は、費用の前払及び報酬を受けることができます。本條は、管財人が法人である場合にも適用があります。
次に第九十九條及び第百條、これらの規定は、管財人の任務終了の場合における計算報告及び緊急処分の義務について定めたものでありまして、破産管財人及び和議における管財人の例に準じたものであります。
次第百一條は、調査委員の調査の権限、資格証明書、監督及び解任に関する規定を管財人に準用したものであります。
以上で第三章の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/19
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020・伊藤修
○委員長(伊藤修君) ではこの程度で説明を終ることにいたしまして、午後一時から継続することにいたしまして、これで休憩いたします。
午前十一時四十四分休憩
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午後一時二十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/20
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021・伊藤修
○委員長(伊藤修君) では午前に引続きまして小委員会を開きます。
第一章から順次お伺いいたします。第二條として「更生手続は、その開始決定の時から効力を生ずる」こととなつておりますが、破産の場合と本法の場合と、その性質が異なるものと思うのですが、それはその決定の告知の時から効力が生ずるものとするのが、妥当じやないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/21
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022・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 破産の場合は、やはりこの決定の時から直ちに効力を生ずるといたしました理由は、決定と同時に財産の管理権が破産管財人に移る、そうして一刻も早く移すという必要がある。而して財産を保全する必要があるということから認められているのではないかと考えますが、その必要はこの更生手続においても同様じやないかと考えます。更生手続の開始によつて、原則として財産の管理権は管財人に移ります。そうして一刻も早くその管理を管財人に移し、財産の保全を図るという必要がありますから、更生手続においても、破産の場合と同様に、開始決定の時から効力を生ずる、その確定とか或いは公告を待たずに生ぜしめる必要があるということを考えたものです。それから和議手続におきましても、これは財産の管理権は、債務者のほうで失わないわけでありますが、その場合におきましても、開始決定のときから効力を生ずるというふうになつておりまして、そういう点を考慮いたしましても、その場合には開始決定の時から効力を生ずるということにいたしたほうが妥当じやないないか、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/22
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023・伊藤修
○委員長(伊藤修君) ただ会社更生法の本質から考えて、破産と和議の場合とは異なつた本質があるのじやないかと思うのですがね。和議、破産にそういう規定があるから、更正法においてもそういう規定を置かなくちやならんというのはどうも納得できない。何となれば、破産、和議の場合においては、財産整理ということが主眼であつて、これは財産を整理すると共に、会社を更生させるというところにあるのですから、そこにいろいろな、会社が生きて存在する上において、相当な取引も想像されるし、それらがあとで以て不測の損害を受けるというようなこともあり得るじやないかと思うのですが、これは同様に扱うというのはどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/23
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024・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 生きておる会社について手続を始め、そうして手続開始後も生きた状態を保持して行こうという手続でありますから、その点は破産と仰せのように違つておるわけでありますが、財産保全の点から言えば同じじやないかと考える。そうして更生手続の開始によつて取引が影響を受けるということは、これは止むを得ないことでありまして、仮に公告の時までといたしましても、その点は或る程度止むを得ない。ただその間に決定から公告までの間に、何か予防的に注意してやれるかということがありますが、そういう点は、むしろそういう点を予防しようとして早くしようというわけでありますから、取引の相手方が或る程度不測の損害を受けるということは、これは止むを得ないじやないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/24
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025・伊藤修
○委員長(伊藤修君) なお、その点はあとで又一括してお伺いすることにいたします。
第三條の外国法人が更生会社の場合、第三十條の認定というのは著しく事実上困難ではないかと思うのですが、この認定をどういうふうに考えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/25
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026・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この点は誠に御尤もな点があると思います。外国法人につきまして、会社更生手続を開始する原因があるかどうかということは、やはり本店の状態、それから各国に跨がつておるような支店があるとしますれば、そういうふうな各支店の状態をも調べまして、そうして決定をするという必要がございます。外国会社の申立てというような点には、そういう点も考慮するということにおきまして、相当な不便がある。これは外国会社に対して手続を開始するということを、外国会社を内国会社と同様にこの手続の通用を受けさせるということにいたしました以上は、止むを得ないことでありまして、困難ではありますが、不可能ではないかというふうに考えるのであります。これは運用に待つわけであります。ただ外国会社に対して手続を開始するという場合は、実際上少いじやなかろうかというふうに考えております。それで開始された場合にも、財産は内国の分だけを対象にして手続を進めるというふうになつておりますから、そういうところからも実益がある場合は比較的少い。ですから申立も割に少いじやなかろうかと考えております。まあこの点は困難ではありますが、やむを得ないじやなかろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/26
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027・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 比較的事実が少いし、止むを得ないというだけではちよつと不親切だと思うが、何かもつと納得行く説明はないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/27
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028・野木新一
○説明員(野木新一君) この点につきましては、外国法人も内国法人も、大体更生手続について平等に取扱つた建前のほうが、法制の行き方としていいのではないかというふうな思想が強くて、立て方としては内外法人平等のような立て方にいたしたわけでありますが、実際問題を考えますと、お説のように、外国にある本店の債権債務、各国にある支店の債権債務全部を考えなければなりませんので、その認定は非常に困難になりまして、従つて、仮に申立があつたとしても、開始決定になるという段取りに行くのは非常にむしろ或る特異な場合ではないかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/28
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029・伊藤修
○委員員(伊藤修君) 第八條で民訴法を準用しているのですが、更生手続の本質から考えて、非訟事件手続法を準用したほうがいいのじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/29
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030・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この点につきましては、仰せのように、この更生事件が非訟事件的の性質を持つておるということから、非訟事件手続法を準用したほうがいいではないかということは、十分考えられるわけでございます。併しながら、この手続と同様なものといたしましては和議法、それから又更にこの手続がうまく行かなかつた場合の手続といたしましては、破産法というのがあります。そういうふうな手続と非常に密接な関係がございまして、これらの手続はいずれも民事訴訟法を準用いたしております。特則のない場合には民事訴訟法を準用するということになつております。和議法におきましても、性質は非訟事件であるという説が有力のようでございますが、これにつきましても民事訴訟法を準用しておる。その理由というものはやはり和議法、破産法との関連が非常に強いから、密接な関係がありますから、法律運用上の便宜のために民事訴訟法を準用するのだというふうな説がされております。本件につきましても同様な理由に基いて民事訴訟法を準用したほうが便宜ではないかというので、こういうふうにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/30
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031・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 私が申すまでもなく、破産法が民事訴訟法を準用したということは、その沿革から言えば結局破産手続というものは包括的強制執行、こういうような思想から出ておることと思うのです。又、当時の立法形態から言つても、非訟事件手続法が不整備であつて、民事訴訟法が整備されておるというので、民訴を準用するほうが便宜である。こういう便宜主義と、この二つの沿革から来て、破産法は民事訴訟法を準用しておるというふうに我々承知しておるのです。だからといつて、今日破産法を準用しなくちやならんという理由にはならんと思うのです。むしろ今日、非訟事件手続法が整備されておる今日においては、率直に非訟事件手続法が民事訴訟法を準用しておるとういう、こういう結果において十分賄えると思うのです。本質において考えても、会社更生法が包括的強制執行でないことは、これは当然のことである。むしろ私らが考えますれば、商法の整理手続に準ずべきものである。整理手続の一つの特異性を持つた手続方法である。こういうふうに考えられます。して見ますれば、この点から考えても、やはり非訟事件手続法を準用すべきが順当ではないかと思われるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/31
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032・野木新一
○説明員(野木新一君) 只今のお説は、非常に傾聽すべき点が多々あると存じますが、そしてこの会社更生手続も、仰せのように破産が大体民訴を準用するのとは多少異なつて、むしろ非訟事件的のものであるということはお説の通りであると存じます。ただ、会社の整理と違いまして、むしろこの立て方では、和議法の、和議の法理を大分借りて来ておつたりする関係上、而も和議法はやはり民事訴訟法の規定を準用するということになつております。そして非訟事件に比べますと民訴の規定がやはり完備しておるのじやないかというような点も考えまして、この点では和議法に倣つて案を立てておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/32
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033・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 民訴法を準用するということは、要するに争うということが土台になつて来るのだし、根本においては争うということよりは、更生させるということが主たる目的である以上、私はそういうことに囚われずして、率直に非訴事件手続法を準用したほうがいいのではないかと思うのですが、重ねて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/33
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034・野木新一
○説明員(野木新一君) その点は或いはなお研究の余地もあるかと存じますが、立案当時は和議法に倣つたほうが、すでに運用にも慣れておるし実際上安全だろうというような気持もあつて、和議法の前例に倣つたという程度のところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/34
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035・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) なお附加えるほどでもございませんが、非訟事件的な性質を持つておりますので、この必要な限度におきましては、この法律において大体手当ができておる。あと補充する部分につきましては、これは非訟事件手続法より民事訴訟法のほうが完備しておるから、より好ましいことじやないかというふうな考え方もその理由になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/35
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036・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 第二十五條ですが、破産和議、特別清算等の手続に入つた後の会社についてまで更生手続開始を認めておるのですが、一体そういうような破産、和議、特別清算等に入つておる会社に対して、更生手続をする実益があるでしようか、どうか、どういう場合を想像するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/36
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037・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 一旦破産になりましたような事業につきましても、破産宣告後において強制和議の手続が認められておりますような場合も考えますと、十分、もう一度事業を建て直して生き返らせるという可能性のある場合があり得るのじやないかというふうに考えられるわけであります。債権者が或いは非常に考え直して、讓歩して、うんと債権を減額してやるというふうなことになりますれば、これは不可能なことじやないと考えられる。会社の企業の維持という量から考えますれば、そういうふうな場合にもやはり更生手続を認めるのが適当じやなかろうかという考えで、こういうふうにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/37
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038・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 三十條の規定は、破産前の状態の会社について更生手続開始が認められるものと解せられますが、破産、和議に入つた場合も更生手続開始ができる他の規定から、この規定の表現がちよつと不正確なように思われるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/38
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039・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この点につきましては、この字句だけを読みますと、破産の原因たる事実がすでに存在しておる場合には、手続ができるということは必ずしも明瞭でないということは仰せの通りでございますが、現在の商法の整理の規定の字句におきましても「支払不能又ハ債務超過ニ陥ルノ虞アリ」というふうな原因を掲げられておりますが、支払不能又は債務超過に陥る虞れがあるのみならず、更に進んで支払不能又は債務超過の状態にあるというふうな場合におきましても、勿論整理の開始が許されるというふうな解釈がなされておるようであります。そういうふうな場合にも当然なされるのであるということを特に明示するまでもなく、そういう場合もできるという会社はできるのじやなかろうかという考え方で、こういうふうにいたしたわけであります。場合によりましてこれは和議法ではちやんと「原因タル事実アル場合」というふうなことも書いてあります。更に原因たる事実の生ずる虞れがあるという場合を、両方列挙しておると思いますが、まあそういう表現が足りないわけであります。ただこの手続は、やはり破産の原因があるような場合も、この手続で行けるのだというふうなことは余り正面に出さないで、むしろ原因たる事実が生ずる虞れがある、この段階においてできるのだというふうなことを、そういう建前であるというふうなことを示す意味で、そういうことは含ましてもいいのじやないかという考え方であるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/39
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040・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この三十條の前段には「事業の継続に著しい支障をきたすことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」、これはどういう場合を指すのですか。お伺いしたいのは「継続に著しい支障をきたすことなく」とはどどういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/40
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041・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) まあ例えばその会社がたくさんの工場を持つておる。そうして一つの工場を、その会社としてはそれほど重要でない、本体をなしていないような工場、そういうものを売却すれば振向けられるであろうというふうな場合には、これはまだこの返す期限には至つていないというふうな趣旨を示す意味で、「著しい支障をきたすことなく」というふうにいたしたわけであります。御疑問の点はそれでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/41
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042・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 「事業の継続に著しい支障をきたすこなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」というのはちよつとわかりにくいですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/42
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043・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 結局弁済期にある債務を弁済するために、その会社の財産を売却してしまえばその事業は潰れてしまうというふうな状態に、その弁済期にある債務を弁済するためにはその会社の重要なる財産を売却してしまわなければ、何とももはや施すすべもないというふうな状態に立至つたような場合、更にそれを売却いたしますれば、もはやその事業としては存続が不可能であるというふうな場合のことを言つたのですが……。ちよつと見方が既定の事実として支障を来たしそうな場合であるということを意味するために、逆なようなことになつておりますので、ちよつとわかりにくいと思います。表現がちよつと裏から表現しておりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/43
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044・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、例えば金融梗塞のために従来銀行が融資しているのを融資しないという場合は、相当の保証人を何か立ててやればできるが、その保証人に立つ人もないという場合もできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/44
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045・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。これは会社の破産の原因たる事実を生ずる虞れのある場合ということよりも、どの程度広いかということに問題がありますが、会社の財産状態のみから申せば、未だ債務超過、或いは支拂不能と言えないような状態でも、こういうような固定資産が多くてその売却が容易でない。今すぐ売ればただ非常に安くて駄目だというような場合には、最即の三十條の第一項の前段のような場合が考えられる。そういう場合は破産の原因たる事実を生ずる場合よりも広いという余地があると考えております。この概念はアメリカの会社更生手続の開始原因にイナビリテイ・ツー・ペイ・イツツ・デツツの観念がございましたが、やはり言葉はこの三十條の字句とは少し違つておりますが、概念としては同様なものが認められております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/45
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046・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 一言にして要約すれば、どういうふうなこととなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/46
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047・野木新一
○説明員(野木新一君) 例えばここに何か物を製造する会社がありまして、大きな工場を持つております。そうして原料の代金の借金がある。財産を評価して見ますと、まだ財産が多くて債務超過ということになつていない。併しながら手許に現金がなくて弁済期が来ても代金さえも拂うことができないという場合には、放つて置くと強制執行されて事業はばらばらになつてしまうという虞れがある。併しながらその工場は非常にいい工場で、事業としては非常に立派なもので、解体するのは惜しいので、そういうような意味でその事業は継続さして行きたいという場合には、その企業全体で維持し、更生させよう。即ちその企業の重要部分をなしておる工場を売却して、その代金で債務を弁済するというようなことをしないで、その企業を維持して行きたいというような場合も、この更生手続に乘るようにしたいのが、この三十條の第一項の前段の趣旨でございますが……。破産の原因たる事実が生ずる虞れがあるときだとすると、少し狹くて実際の事業要求に応ずることができないじやないかというような考え方から出ておるわけでございます。従つてそういう場合に銀行から金をどんどん貸してくれる。そうして代金さえも支拂つて一時息をつけるというような場合には、まあ三十條には該当しないわけでありますが、銀行でもその工場を担保にして金を貸してくれるというような場合には、その金を借りてそこで債務を弁済できますけれども、ここにはないが、金を銀行でも貸してくれないというような場合には、それを債権者に待つてもらつたりしなければならないわけでありますから、それが債権者と話合いがつけばいい。併し話合いがつかない場合には債権者はそれに強制執行して工場を売つ拂つてしまうというようなことになつて潰れてしまう。そういうような場合にこの更生手続に乘せれば債権者と企業と両面が調整されて、その事業は非常にうまくできて行く。そういうところを狙つたわけでありますから、何分新らしい概念でありますから、著しいという実際の認定につきましては、相当むずかしい点があるじやないかと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/47
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048・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 三十條は新らしい概念でありますから、本法の一番重要な点でありますから、これは明確にして置きたいと思うのですが或いは迂遠な質問かも知れませんが、いろいろな場合が想像されると思います。例えば銀行に借款を申込んで会社の資産状態からして借款に応じても差支ない。併し現理事者の手腕、信用、力量からしてはこれ以上貸すことはできない、理事者が代つたならば貸してもいいとかいうような含みのある場合、そういう場合において株主総会を招集しても十四日間の期間をおかなければならない。それから大会社の場合においては相当の日時を要しますから、その新重役の選任されるまでに弁済期はすでに来ておるというような場合も、できるのかどうか。いわゆる借款が実現するまでの一時の賄いとしてもできるかどうか。そういう場合もあるし、又未回収金、つまり売掛代金を経理担当の職員の枝術不熟練のために回収ができないが、相当の人若しくは熱心な者を派遣して、これを回收せしめれば容易に回収できるときに、理事者は経理担当者又業務関係者或いは担当者等を代えて、そうして全国に亘つて集金する、或いは外国に集金の手続を取る。そうすれば九十日なら九十日たてば回収し得る見込が立つ、併し現在手形は来ておる、買掛金の弁済期が来ておるという場合において、それができるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/48
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049・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この「事業の継続に著しい支障をきたすことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」という、このできないという認定でございますが、これは或る瞬間におきまして、この状態におきましては、例えば、今仰せられましたのが、ほんの一時的な何かの障害によつて弁済ができないという状態をも含むかという問題ではないかと思いますが、これはやはり場合によつてはそういうこともあると思われますが、これは具体的に申しますれば、相当期間に亘つて不可能であるということが認められる場合と考えております。單なるほんの一時的な一月もすれば可能になるというものは別で、それまでに事業が事実上潰れてしまうということでありますればこれは困りますが、大体手続はそう早く進むわけでもございません。大体新役員の選任ということには或る程度の日時を要するわけで、そういう場合までも原因があるということで手続を進めるということは無理でございますから、そういう場合は勿論含んでおらない。相当期間に亘つて不可能な場合ということに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/49
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050・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それは一時的といつても、いわゆる電信、電話の不通、交通機関の不通によつて生ずるところの一時的の現象の場合だつたら勿論含まないことは、これは明らかですよ、併し相当期間と言つたところが、集金に行つて取れるか取れないかわからない、理事者はそれを見込んで、そうするならばできる、最善の努力を盡して見よう、併し今弁済期が来ておる、債権者はこれを弁済しない場合においては強制執行するやもわからない。そうした場合においては会社の信用は潰滅するし、生産機構は停止せざるを得ないというようなことが、目前に迫つておるという場合において、自分の考える最善の方策を実行する期間を求めるためには、まさにそれはこの規定によつて申立ができななくてはならんのではないでしようか。そういうふうに幅を広く前段を活用しようとするならば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/50
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051・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 勿論そういうふうに、債権の回収がうまくやればできるかも知れませんが、うまくやれるかどうかわからない。少くとも当分の間何かの手段がなされなければ回収が不可能であるというふうな場合には、これはそのために債務弁済ができないのでありまするから、そういうような場合には、これは勿論入るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/51
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052・伊藤修
○委員長(伊藤修君) だがら或いは銀行が例えば現在のような経済状態だというと、この八月一ぱいは金融を引締めている、九月以降は金融緩和の政府の方針があるという場合においては、どうしても十月か十一月に金融を求めなくちやならん、日銀の枠もその頃まで来ないのだ。この金はどうしても待たなくちやならん。そういう見通しのある場合もやはりこれはできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/52
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053・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは理論的にはできるというふうに考えます。ただ手続、事実上そういうその場になれば、少し、二、三カ月もすればこの金融がつくという見込みの有無如何によると思います。そういう見込みが不確実でない限りはできるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/53
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054・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そういうふうにできるというふうに広く解釈してもいいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/54
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055・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/55
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056・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、その場合に利害関係から見ると、いわゆる会社は強制執行若しくは取立てを延期するために……期限を延期するために、阻止するためにこれを申立てる。いわゆる申立を濫用するのだというような虞れはないですか。そういう認定を受けるようなことはありませんか。若しくはそういう解釈をされるようなことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/56
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057・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この手続開始の原因の有無のほかに、今度三十八條に、そういう原因があつても一定の事由がある場合には申立を棄却しなければならないといことが掲げられております。で今申されたような場合に、若し本当のこの更生を図るという趣旨で申立をしたのではなくて、單に債務の延期を求めるためにやつたのであるということでありますれば、これは列挙の中の最後の、申立が誠実にされたものでないというふうな認定を受けまして、棄却されるということになりますが、併しそういうふうな事由でない、まじめに更生を図るということでございますれば、これはできる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/57
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058・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、この前段の終りのほうにある債務の弁済をすることができない。この弁済することのできない債務が弁済期にあるというだけでよろしいのですか。それとも弁済期が到来して、それをどうしても弁済しなくてはならんという客観事実が存在しなくちやならんのですか、どうですか。ただ弁済期が来たという事実だけでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/58
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059・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは單に弁済期にある債務がたくさんあるというだけではなくて、その弁済期の来ている債務の全部について猶予を得ている場合には入りません。それを現実に弁済しなければならん状態にあつて、而もそれを弁済できない、こういうような場合であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/59
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060・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 弁済期が到来したという靜的状態ではなくて、それが弁済期が到来して弁済しなくてはならない。而も弁済できないという動的状態を指すのですね。弁済期が来ても必ずしも取られるとは限らない、信用さえあれば黙つて待つておりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/60
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061・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) それを弁済することができないというところで、そういうふうにやれるのだというふうに解釈します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/61
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062・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、その間に証明なり、立証しなければならんですね。申立をする場合に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/62
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063・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/63
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064・伊藤修
○委員長(伊藤修君) その弁済期が来ておつて、それが取立が嚴しいとか、いわゆる動的状態をこつちは明らかにしなくちやならん、ただ弁済期が到来しただけではいけないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/64
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065・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/65
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066・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この三十條の二項に「百万円」と基準を設けてありますが、これはどういう理由から来るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/66
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067・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは先ほど申しましたように確たるこの百万円でなければいけないという数字的な根拠があつたわけではございません。ただ一率に資本の十分の一以上に当る金額以上の債権を有する債権者でなければ申立ができないというふうにいたますと、資本の額の巨大なものにつきましては、相当の債権者でなければ申立はできないというふうなことになりますので、これを一定の限度で、この金額以上の債権者であれば申立ができるというふうにいたしまして、債権者の申立をし得る機会を多くするということを考えたわけであります。その標準といたしましては、大体一千万円程度の資本の額の会社までは十分の一で行くが、それ以上の資本の会社というふうになりますと十分の一ということは百万円以上という相当な金額になりますので、この程度で限定するのが適当じやないかという考え方でやつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/67
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068・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると今日の会社の形態として一千万円の資本金の会社が一つの標準型になつおるわけですね。それを基礎にしたわけですか。そういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/68
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069・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) お答えします。一千万円の会社が基準になつておるかというお話でありますが、ほかの点では、その次に管財人の選任とか、そういう点で見まして二千万円の債務というものを標準にいたしまして、一応の会社の大きい小さい、或いはその更生事件の大きい小さいということをきわめる標準にいたしておるのであります。債務と資本の額とはいささか趣きを異にいたしますが、大体類似のものと、こういう考え方からいたしますと債権と債務は近いというふうにいたしますと、会社の大小は二千万円の資本額できめておるというふうにも見えるわけであります。必ずしも一千万円の会社の資本を会社の大小の標準といたしたわけではございませんで、さつき申しましたようにこの程度でよくはないかという考え方でいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/69
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070・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それは私のお伺いしたのは、その次の四十六條に「二千万円以下」という一つの数字的標準が出て来るから、そういうものとの比較検討をいたしまして、ここに百万円という数字を現わしたことに対してちよつとバランスもとれないと思うし、何か一貫した筋もないように思いますが、ただ思いつきでこの程度というのか、それとも何か基礎があるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/70
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071・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 二千万円のほうは、御承知のように臨時資金調整法、これは戰前のものでありますが、それが会社の大小をきめるのに、二千万円の資本で決定しておつたという時代があつたのであります。資本と債務とはさつきも申しましたように幾分違いますが、その百倍という見当から二千万円のほうは来ておるわけであります。ただこつちの百万円というほうはそれとは別な考え方でこの程度ということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/71
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072・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 百倍というと、昔の一万円の債権者は申立てできる、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/72
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073・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) まあそういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/73
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074・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 別に深い根拠はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/74
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075・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この百万円につきましては、別に深い根拠はありません。ただこの表を作りましてこの金額になつた、十分の一或いは五分の一にすれば、どの程度になるかというふうな表を作りまして検討はいたしました。そうして大体百万円が一番適当じやないかということで決定いたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/75
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076・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この点に対して全国におけるところの会社整理事件について、若しくは会社の訴訟事件について統計か何かお調べになつたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/76
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077・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 申立ての金額というものにつきまして調査をいたしたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/77
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078・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 何かそういう実態に基いて、いわゆる経済上この程度のものにおいて初めて必要があるんだというような経済的根拠はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/78
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079・野木新一
○説明員(野木新一君) 実は立案に当りましてやはり実証的な根拠か何か欲しいものだと思いまして、当時新らしい資料を調査するということでなくて、手近な何かこれの標準になるものはないかと調べて見ましたが、会社にどのくらいの借金があるかどうかということは、なかなか適当な資料がございませんで、初めは資本の十分の一ということで考えておりましたが、だんだん議論しておるうちに一億の会社では資本の十分の一とすれば、一千万円になる、一千万円の債権がなければ申立てができないのでは少し債権者に酷ではないか、従つてこの申立ての標準は資本のほうを標準とすると同時に、今度は債権の額をも考える、両建てに考えたらどうか、そういうことになりまして、そうして見ますと余り実証的根拠はございませんが、関係者で議論しておるうちに、百万円ぐらいが手頃であろうということで百万円とした。一応そんな程度でございまして、具体的に調査してそれと結び付けて出した結論というわけではこの百万円はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/79
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080・伊藤修
○委員長(伊藤修君) これは会社の考課状を証券取引委員会からお取寄せになつて、そうして証券取引委員会のほうからその負債の部として上つておる借入金その他の負債の数というものは報告になつているはずですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/80
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081・野木新一
○説明員(野木新一君) それではこの点につきましてはなお証券取引委員会等について調べて資料を御参考に供することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/81
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082・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それから四十六條は序ですが、二千万円以下と以上によつて管財人を選任する、選任しないと区別したのは、どうも納得できないんですがね。どつちも置いておいたほうがいいんじやないですか。ただ手続において簡略するという考え方のほうがいいんじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/82
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083・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) お答えいたします。管財人を一律に置くということは望ましいということは言えると思うのでございますが、比較的小規模の会社の更生事件というものにつきましては、管財人の費用というものは相当、嵩むんじやなかろうか。管財人というものは会社の財産の管理もやらなければならん、それから営業もやらなければならん、計画もやらなければならん、そのほか調査もしなければならん、相当たくさんの重要な職務を持つておるわけであります。そのためには片手間でやるということは困難である。やはり専任にやらなければ恐らく不可能ではないか。専任になるといたしますれば、これは相当の報酬を出さなければいけない。そういたしますると、その報酬の額というものは相当の額に総計では上らざるを得ないのではないかと考えるのであります。小さな会社につきまして、その管財の費用のために会社の債務がますます嵩んで手続がうまく行かないという場合が想像されるのではないか。管財人がなければ常に会社の更生手続というものは公正に運ぶことができないかということを考えて見ますと、必ずしもそうとは限らないので、或る場合には管財人がなくても会社のやり方は非常に公正で信頼できるということであればやつて行けるのじやなかろうか。そういう場合にまで常に管財人を置く必要があるということに拘泥して、その会社の更生を困難にするというふうな虞れが若しあるといたしますれば、これは感心しないのだ、ですからそういうふうな場合にはむしろ管財人を置かなくても手続が進め得るのだというふうにしたほうがこの会社の更生手続を利用する機会が幾分でも殖えるのではなかろうかという考え方から、比較的小規模なものにつきましては、管財人を選任しなくてもいいというふうにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/83
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084・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この点は、なおあとに又お尋ねすることにいたしまして、次に五十五條に「無効とする。」とあるのですが、但書のは対抗できんという規定に照してちよつと矛盾があるように考えられるのですが、どうですか。これは民法の総則のいわゆる意思表示の場合におけるところの規定の仕方と異なるのか、或いはそれと同様に考えているのか。同様に考えているとすればむしろ同じようを表現を用いることがいいのではないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/84
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085・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) お答えいたします。この民法の九十四條の表現と変つていないというふうに考えておるのでございますが、「無効トス」と、そうして善意の第三者に対抗することができないというふうないい方になつておりますけれども、同様な趣旨であるというふうに考えております。この九十四條二項の「前項ノ意思表示ノ無効ハ」とございますが、これは常に意思表示の場合に限つておりますからこういうふうになつておりますが、こちらのほうは、こういうふうに書き方はやや違つておりますが、趣旨においては変りはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/85
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086・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 第五十六條と五十七條に……、例えば五十六條の場合を見ますと、「会社が更生手続開始後会社財産に関してした法律行為は、管財人がない場合を除き、更生手続の関係においては、その効力を主張することができない。」と、この「更生手続の関係においては、」ということは、恐らくその会社が更生手続開始決定になりますればすべてが更生手続の関係であるように考えれるのですが、「関係においては」というと、関係におかない場合があるのですか、どういう場合を想像するのですか。又それは事実上においてその認定処理が非常に困難ではないでしようか、こう規定の仕方は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/86
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087・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 「更生手続の関係においては、」という言葉は、まあ余り明瞭でないというふうな憂えがないということはいえないと思いますが、破産の場合におきましては、破産債権者に対抗できないというふうな字句になつております。たたこの場合に関係人が債権者に限らず多うございますので、こういうふうな「更生手続の関係においてはその効力を主張することができない。」という言葉を、ほかに適当な言葉が見当らなかつたものでございますから使つたのでございまして、趣旨においては同様に考えております。そうして更生手続る関係以外においては有効だという、その更生手続に関係しない部分というのはどういう場合かと申しますと、更生手続が成功せずに廃止になつた、或いは会社がうまく非常に好況になりまして更生手続の必要がなくなつて更生手続を廃止することになつたというふうな場合に、会社が管財人があるにかかわらず第三者と或る取引をしたという場合に、会社としては十分そういうことを意識しつつ取引をしたのにかかわらず、手続が廃止になつた後におきましても依然としてそういう取引は知らぬ顔をして無視していいかということを考えますと、これは不都合じやないか、管財人のない場合に会社の行為の効力を制限したのは、ほかの関係人の関係以外を考慮してそういうふうな制限を置いたのであつて、そういうふうなほかの利害関係人に関係のない関係におきましては十分会社の責任を認めてもよいのではないか。余りにそういう場合にもやはり画一的に無効であるとすると、会社の得手勝手を許して第三者の権利を侵害することになるのではないか。ですから、そういうふうな場合には、廃止後におきましては、相手方はお前はあのときにこういう行為をしたではないかということを主張してその行為の責任を問うということができるというふうにしてあります。そういう場合が関係以外の場合になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/87
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088・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 今の御説明は、管財人のない場合が主になされているのですが、管財人がある場合においてはどうですか。ある場合において「更生手続の関係においては、」というのは、すべてが関係においてということになるのではないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/88
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089・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 今申しましたのは、管財人がある場合です。管財人があるにもかかわらず会社が勝手な行為をした場合「更生手続の関係において」というのは、更生手続が廃止後にほかの利害関係人にもはや関係しない場合には、会社に対して責任を負い得る本来の行為があつたのであるが、その行為の責任を負い得るという場合は認める必要があるのじやないかということで、更生手続の関係においては主張できないがそれ以外の関係においてはすべて主張できるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/89
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090・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 本條の第一項の場合は、更生手続中においてはそういう問題が起らんが、更生手続が何らかの理由で終了した後においてはできると、こういうことを言おうとするのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/90
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091・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/91
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092・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 更生手続中においてはすべて関係中においてということになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/92
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093・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/93
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094・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 六十三條には買戻付のときも含むのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/94
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095・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この六十三條の趣旨は売渡担保の場合に内部的には所有権が移転していないというふうに認められ場合がございますが、そういう場合には財産権がどちらにあるのか、むしろ売渡したほうの債務者のほうにあるのじやないかというふうに考えられますので、取戻権がこの場合にも適用があるようでありますが、そういうふうにいたしますと不測の第三者の権利を侵害いたしますので、たとえ内部的には所有権が移転していなくても、取り戻しができないということを規定したのがこの趣旨であります。買戻付の場合には勿論内部的に移転した場合のことも考えられますので、そういう場合には勿論取り戻しができない。六十三條の中にはそこまで言わなくても併し当然そういう場合はできないというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/95
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096・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると解除條件附とか、信託財産の場合は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/96
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097・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 解除條件附の場合には、すでに條件成就前は所有権が移つているわけでありますから、これは取り戻しができない。それから解除條件が成就すればできるということになります。信託財産の場合でありますが、これはやはり同様信託によりまして、財産の所有権は会社のほうに移つているということがいえると思うのでありますが、信託法十六條によりまして、そういう受託財産につきましては、強制執行ができない、原則として強制執行ができないということになつておりまして、そういうものは会社の更生手続に利用し得る会社の財産の中には、その信託財産を含まないと考えられますので、それは任意受託者を解任するというふうなことによつて取り戻し得るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/97
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098・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 信託財産の場合については更生のために必要な場合においては信託契約を取消して取入れるこういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/98
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099・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) いや信託をした会社のほうから取上げることができる。委託者のほうから取上げることができるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/99
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100・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 契約を解除してですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/100
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101・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/101
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102・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そういう場合においては信託契約解除ができるということを謳わなくてもいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/102
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103・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 信託法の規定から当然できると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/103
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104・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 信託法何條ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/104
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105・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 四十七條にありまして解任いたしまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/105
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106・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 解任の理由になるのですね。六十七條で「効力を失う」ということが末段のほうにありますね。「和議手続、整理手続及び特別清算手続は、その効力を失う。」これは前段の場合と同様に中止にするという取扱のほうがいいのじやないでしようか。若し更生手続が廃止になつた場合において、再び又和議手続をする、整理手続を繰返えさなければなりませんね。その間中止せしめておいて、和議手続が成功しなかつた場合には復活して又進行ができるようにして、前段の場合と同様に中止という措置を講ずるほうが適当じやないでしようか。これを区別して前段は中止し、後は効力を失うということにした理由を伺いたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/106
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107・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 中止ということも考えられるわけでございます、元来和議手続整理手続及び特別清算手続というようなものは、大体この更生手続と競合的な性質を有する手続ではなかろうか。而もこれらの手続はその効力といいますか、におきまして更生手続よりもやはり幾分弱いと考えられるわけです。更生手続のほうがこれらの手続よりはより強力な制度じやなかろうか。いろいろな手続が認められておりまして、これよりも相当更生のためには、これらの手続よりも便利に、強力にできているのではなかろうか。そういたしますと和議手続を中止して置きまして、今度更生手続が不成功に終つた場合に再びこのような手続を繰返してやつて見ても恐らくは無駄じやなかろうか。若し、そういう必要が絶対にないとは言えないが、そういう場合は又もう一度開始することを考えてもいいというのであるがそういう場合も殆んど少いのじやないか。むじろ恐らく更生手続で失敗すればこれらの手続はもはや取上げるに値いしないのじやないか。ですからすでに開始した以上は、これらの手続はもはや効力を失うことにして、そうしてこの更生手続一本で進めるというふうにしたほうがよくはないかということを考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/107
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108・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それは併し立法者の独断じやないですか。人が代るというと又できることもあり得るのだから、甲の人が話たつてできないのが、乙の人が行くと容易にすらすらと話ができるということもありますから、まあ更生手続が強力な内容を持つておるのですが、強力でない内容の和議手続によつてできないとも限らない。何かそれを続けて置いて、更生手続のほうが強くて和議のほうが弱くても、副次的に、予備的に持たして置くということが当時者に対して、国民に対して親切ではないかと思います。あれば更生手続進行上差障りがあるというならこれは別問題ですが、そういう理由がなければ、ただ強力だから、それでやつたのだからそれより弱い手続では到底見込みがなかろうということは、あなた方の、立法者の独断じやないですか。効力を失わせたほうがいいという、何か特別の理由があるというならば、ともかくとして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/108
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109・野木新一
○説明員(野木新一君) この点は確かに仰せのような見解も有力に成り立つと思いますが、ここで効力を失うといたしましたのは、やはり今位野木参事官が説明いたしましたように、むしろ法理的の見解を基礎として、即ち更生手続のほうがより強力な手続でありますので、それが進行している以上は、片一方は効力を維持せしめる法律上の実益がないだろうというような見解に出たのでありますが、又別の見解から参りますれば或いはお説のような見解も研究の余地はないではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/109
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110・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 次に七十二條の申立の中に株主が加わる必要があるのじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/110
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111・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この七十二條の申立権利者は、個々の債権者とか株主に許しますというと、非常に濫用される虞れがある。一々それを通すということでありますと非常に手数がかかつて手続が遅れはしないか。それで申立権利者を有力な、管財人、審査人及び会社に限定した。個々の債権者とか株主というようなものが、こういうことをしたいという場合には、管財人、審査人に申立てるとか、裁判所の職権を促すというふうな方法によつてその目的を達し得るのじやなかろうかと考えて、株主は入れなかつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/111
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112・伊藤修
○委員長(伊藤修君) これは新商法の改正の全趣旨から申しまして、小数株主権の行使ということに対して重要視しておるのであります。そういう点から考えましても、会社に対して利害関係を持つところの株主というようなものに、この申立権を与えたほうがより以上効果的ではないかと思われるのですが、ただ管財人その他の独裁に帰するということはどうかと思いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/112
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113・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 仰せのように、株主の保護という点のみから申しますと、株主にも一々そういう権利を認めて置くということは好ましいことだと思いますが、この手続は非常にやはりたくさんの利害関係人が集りまして、いろいろな犠牲を忍んで強力な効果を以てほかの手続をも押えて手続をするということを考えておるのでございまして、やはり手続を成るべく能率的に、円滑に運ぶという要請も相当大であろう。そうして実質的には終局的に権利を保護するというような考え方で行つたほうが適当ではないかということで、入れなかつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/113
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114・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この審査人若しくは調査委員ですか、これはどういうものか、又どこで選任するものか、どういう資格のものを予想されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/114
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115・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 先ず審査人でございますが、これは百九十一條に審査人についての規定がございます。利害関係のない者を審査人に選任して、管財人がするような調査報告、それから更生計画案の作成発起人、清算人などに対する責任追求の訴の遂行、或いは会社の業務及び財産に関する監督その他裁判所の命ずる事項を行う。但し管財人と違う点は、会社の業務及び財産の管理はしないということで、管財人がない場合に会社だけに更生事務をさせて、計画案を作成させる、或いは業務を管理させるということでは監督が不十分で不安であるといううふうな場合には、この審査人を選任してそういう点の補充といいますか、そういう点の必要を充足するというふうなことを考えて審査人の制度を置いたのであります。これはやはり計画案の作成というふうな場合には、実業家といいますか、法律家よりもむしろ経済的な面に通じておる人がよいのであります。又責任追求の訴というような場合には、これは弁護士というようなふうに、個々の場合に適当な人を選任する。それから調査委員のほうは四十條に規定がございまして、これは更生手続の開始決定前に、更生手続を開始する原因、そのほか開始決定をすれば管財人を選任する必要があるかどうかというような、更生手続開始に必要な事項を調査させるために裁判所が選任するものである。これは、資格要件といたしましては、必要な学識経験のあるもので、利害関係のないものというふうなことになつておりますが、場合によつては法律家でもよろしいし、或いは公認会計士とかいうふうな経理状態に詳しいもの、或いは実業家の人にいたしましてもこういうところの方面に適した人があれば勿論それでも差支えないということで、いずれも裁判所の職務を補助するというふうな人であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/115
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116・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 法務若しくは司法に関係があるのですが、これを選任するのに何か手続とか、範囲とか、資格というものは施行規則か何かで賄うのですか。それとも内規でおやりになるのですか。裁判所の権限に委すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/116
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117・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この選任されるものの資格等につきましては、裁判所の運用に待つということを考えております。特にそれ以上の細則をきめてもらう、裁判所の規則にきめてもらうというふうなことは現在のところ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/117
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118・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 併し最高裁判所では又作るでしよう。法務府のほうで考えないというと最高裁判所で必ず作るでしよう。法務府のほうで考え方があればむしろ施行細則か何かで織込んだほうがいいのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/118
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119・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 適当な標準がございますれば規則で定めてもらつても勿論差支えないと思つておりますが、法律としてはこの程度の規定でまあ差支えないのじやなかろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/119
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120・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 七十五條、七十六條は査定及び異議の訴えの場合の判決ですが、既判力についてお伺いしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/120
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121・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 七十五條の査定の裁判の既判力でございますが、これは査定の申立をしたもの、それから査定を受けた相手方の取締役とか、監査役等に既判力の及びますことは勿論でございますが、更に管財人等の申立人は職務上の地位に基きまして、会社のためにこれらの行為を遂行するものでございますから、民訴法二百一條の二項でございましたかによりまして、会社にも当然既判力が及ぶというふうに考えております。それから七十六條についても同様と考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/121
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122・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると異議の申立は誰が相手方ですか。異議の訴えですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/122
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123・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 異議の訴は査定の裁判に不服なものでございまして、査定を受けた取締役或いは申立をした管財人というものが出ると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/123
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124・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 裁判所が職権で査定手続をすることがありましよう。そういう場合には誰を相手にして異議の訴をするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/124
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125・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういう場合には勿論この査定を受けましたほうが不服の申立をすることになりますが、査定を受けました取締役等が…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/125
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126・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 申立権者はわかつておりますが、相手方は誰ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/126
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127・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 相手方は管財人がある場合は管財人、管財人がない場合には審査人若しくは会社ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/127
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128・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 管財人審査人若しくは会社を相手方として異議の申立をするのですか、職権の場合……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/128
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129・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/129
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130・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 株金拂込請求権というものは、全株主がまだ拂込をしていないという場合も想像されますが、そういう場合はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/130
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131・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは発起人、取締役、監査役等に対する株金拂込請求権のみを考えておりまして、こういうものに対するまあ責任追及の方法を簡易化した。それ以外の株主に対する請求権の査定までは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/131
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132・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 要するに拂込んだ形にとつて、仮装の場合がありますね。そういう場合には審査人若しくは管財人が請求しなければなりませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/132
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133・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうでございます。それは普通の訴えで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/133
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134・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 普通の訴えでやることについては、この場合には入らないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/134
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135・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/135
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136・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 七十八條以下の規定は破産法の否認権と同様であるという御説明があつたのですが、本法案の趣旨から考えて破産法の場合と同一にするのは少し考える余地があるのではないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/136
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137・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 仰せのように破産手続はその破産者の財産の最後策でございます。最後の総決算でございまして、又更生手続のほうは最後的の総決算ではございませんという点につきましては違いますので、否認権は後者の場合におきましては少し狹く認めてもいいではないかということも考えられないことはないと思いますが、ただこの更生手続もやはり或る段階におきまして会社の財産を清算すると申しますか、全部の財産を組合いたしまして、そうしてその組合したものを以て公平に利害関係人のほうへ割当てる。或いは会社に残すというふうにいたしまして更生を図る。全財産を動員して更生を図るというふうな手続でございまして、その意味におきましては一種の決算をやるというふうなことも申せるのであります。でありますからなるべくその関係者の間に公平を期する必要がある、ちよつと時期が早かつたから非常に得したということであれば、その手続としては非常に全体として見まして不公正だと言わざるを得ないような場合があるのであります。やはりなるべく公平を期する意味におきましては、なるべく広く否認権の行使を認めまして公平な権利の分配をやる必要があるのではないか、その点におきましては破産法とまあ変らないのじやないかという考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/137
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138・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 八十六條の後段の訴えが却下されたときでも、期間内であれば再訴ができるというふうに考えられるのですが、いわゆる形式不備で却下されるわけでしようが、却下された場合もできないという場合おかしいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/138
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139・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは期間内であればもう一度何といいますか、異議の訴えはできるというふうに考えております。ただ時期といたしましては通常の場合は訴え提起後に却下されるというふうな場合が予想されますのでその場合を想定した規定……、期間経過後却下するという事態がございますので、そういうふうな体裁になつておりますが、期間内であればできるというふうになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/139
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140・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうするとこの後段のは訴えが却下された場合でも期間内であればできるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/140
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141・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/141
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142・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 九十一條の更生手続の開始の申立ての日からとあるのは、破産法に照してやはり更生手続開始の決定の公示の日からにしたほうがいいのじやないのでしようかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/142
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143・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この趣旨は支拂停止のあつたことを知りながら弁済を受けた、或いは支拂行為の相手方になつた場合には非常に事情が悪いのではなかろうか、開始決定前一年内であれば免れるということであれば、手続がやや長びいた場合にも免れるということになつて非常な不当な場合も起りはしないか、ですからそういう事情の悪い場合には、或るべく取消が認め得るように申立の日から一年前までも擴張したという考え方からいたしたのであります。すでに申立のあつた日から問題が起つた、その問題の起つたときから一年前と、その後裁判所がこの問題が起つたについて審議する日時が不定であります。その審議した結果のときからということでは狹過ぎるのじやないかということからこういうふうにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/143
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144・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 九十二條で除斥期間にした理由がちよつとわからんのですがね、破産法の八十五條によれば時効にしておるのですが、これはどういう考え方から来ているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/144
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145・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 破産法は仰せのように時効ということになつております。この時効も行為のときから二十年ということになつております。行為があつても破産の宣告があるまでは告認権は行使できないわけであります。にもかかわらず施行期間は先行しておるというふうらこともありまして、これは時効じやないのじやないか、性質は除斥期間じやないかという学説がございます。まあ学問上から言えば相当疑問があるだろう。で除斥期間といたしましても、この場合は権利行使の方法が裁判所に訴えをする。或いは否認の請求をするというふうな、裁判所に対する申出といいますか、そういうもののみが否認権行使の方法として認められておるのでございますから、除斥期間と認めてもちつとも差支えない、むしろそのほうが理論上すつきりするのじやなかろうかということから除斥期間といたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/145
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146・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 何か御質問があるようですが、政府委員が何か御都合があるそうですから第三章は明日やることにいたしまして本日はこの程度にして明日は午前十時から御迷惑ですが御出席願いたいと存じます。
では本日はこれを以て散会いたします。
午後三時七分散会
出席者は左の通り。
委員長 伊藤 修君
委員
山田 佐一君
齋 武雄君
岡部 常君
事務局側
常任委員会専門
員 長谷川 宏君
常任委員会専門
員 西村 高兄君
説明員
法務府法制意見
第四局長 野木 新一君
法務府法制意見
第四局参事官 位野木益雄君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00119510905/146
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