1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二日(金曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長代理 理事 奧村又十郎君
理事 小山 長規君 理事 内藤 友明君
有田 二郎君 大上 司君
佐久間 徹君 高間 松吉君
塚田十一郎君 三宅 則義君
宮幡 靖君 宮腰 喜助君
早稻田柳右エ門君 深澤 義守君
出席政府委員
外国為替管理委
員会委員 大久保太三郎君
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵事務官
(理財局長) 石田 正君
大蔵事務官
(管財局長) 内田 常雄君
委員外の出席者
大蔵事務官
(理財局外債課
長) 上田 克郎君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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十一月一日
未復員者給与法等の一部を改正する法律案(長
島銀藏君外十八名提出、参法第二号)(予)
同月二日
未復員者給与法等の一部を改正する法律案(参
議院提出、参法第二号)
の審査を本委員会に付託された。
同月一日
株式の譲渡所得に対する課税廃止に関する陳情
書
(第四〇四号)
外資導入に関する陳情書
(第四一〇号)
漁業協同組合に対する課税緩和の陳情書
(第
四二一号)
揮発油税を目的税として道路改良の財源に充当
することに関する陳情書
(第四二七号)
同(第四二
八号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案
(内閣提出第一四号)
外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一六号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/0
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001・奧村又十郎
○奧村委員長代理 これより会議を開きます。
去る三十日本委員会に付託に相なりました、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたじまして、まず政府当局より提案趣旨の説明を求めます、西川政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/1
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002・西川甚五郎
○西川政府委員 ただいま議題となりました外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提出の理由を御説明申し上げます。
現在外貨資金の運営につきましては、外国為替管理委員会が一元的にこれに当つているのでありまして外国為替銀行は、外国に自己名義の外貨資金を保有して輸出入取引を行うことができず、これら取引は、すべて外国為替管理委員会名義の外貨勘定を通じて行われ、輸出代金は、ただちに外国為替管理委員会勘定に入金され、輸入信用状は、原則として外国為替管理委員会勘定引当てに発行され、輸入代金は、同勘定から支払うこととなつているのであります。
このような機構のもとにおきましては、外国為替管理委員会が外国為替銀行に対し、外国為替管理委員会にかわつて同委員会の勘定に外貨資金を預入し、または同勘定からの支払いのさしずをする等の権能を付与いたしますことが、外国為替資金特別会計の事務の円滑な運営をはかる上において必要であります。
従来、外貨資金の管理者が総司令部であつた当時におきましては、外国為替管理委員会が総司令部の委任を受け、同委員会は、日本銀行及び外国為替銀行に委任し、外国為替資金の運営をして参つたのであります。その後、外貨資金の管理権が日本政府に委譲されてからは、実際の取扱いにおきましては、日本銀行から外国為替銀行に再委任しているのでありますが、現行の外国為替資金特別会計法におきましては、外国為替管理委員会の業務の委任は、日本銀行に対してなし得る規定があるにとどまりますので、この際日本銀行がその委任された事務の一部を外国為替銀行に再委任し得る旨を明定して、外国為替銀行の外国為替管理委員会に対する地位を明確にして、もつて外国為替資金の円滑な運営に資することとしたいのであります。
以上の理由によりましてこの法律案を提出いたしました次第一であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/2
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003・奧村又十郎
○奧村委員長代理 次に、在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案を議題といたします。質疑を継続いたします。塚田十一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/3
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004・塚田十一郎
○塚田委員 在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案についてお尋ねいたします。
一番最初にお尋ねしたいことは、終戦後に国家が国民に対して負つておるいろいろな債務、あるいは確定的に債務と考えらるるものもあり、またこれから債務として処理しなければならないものもある。そういうものの中から、どういう理由で公館借入金だげをお取上げになつたか。それを一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/4
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005・石田正
○石田政府委員 この公館等の借入金につきましては、その発端の事情を申し上げた方が、御質問に答える点において便宜かと思いますので、その点もあわせて答弁させていただきたいと思います。
御承知の通りに終戦に相なりまして、この終戦ということは今まで経験しなかつたことでございまして、いろいろ内外ともに非常な混乱があつたわけでございます。そうしてその事態をどういうふうに処理するかということにつきましては、なかなか当時として予測困難な事情が多かつたのでございます。この公館の借入金の問題につきましては、まず現地におりますところの同胞が、どういうふうにして引揚げ掌無事に完了することができるかということが、当然国民の大きな関心事であつたかと思います。その際におきまして、いろいろと国の資金が必要であろうということは予想せられたところでございますが、終戦直後の事情といたしましては、日本とそれらの地域との間におきますところの一般的な交通、とりわけ資金の交流が断絶されろという事態が起つたわけでございます。これは、終戦後における予想といたしましては、いろいろな見方がございましたが、ある程度まで海外との交流は続くもの、また続けて行つても国家経済上、国民経済上何とかやつて行けるもの、こういう考え方があつたかと思います。それからまた戦後における財政の見通しにつきましても、いろいろ戦争に伴うところの負担がなくなるので、あるいは国の財政というようなものも、戦争をやつておるときよりも楽でありはせぬかというような予測も、相当行われたかと思うのでございます。そういうふうな考え方が支配的であつたかどうか、あるいはそれが正しかつたかどうかということは別問題といたしまして、そういう空気があつたことは否定できないかと思うのであります。そういう間におきまして、在外同胞が引揚げて来るのについて、相当の金が必要ではないか。それについて、その金を政府としてはどうするかという問題が、まず起つて来たわけでございます。本件に関しまして、政府の側におきましてとられました措置といたしまして、まず外務大臣が在外公館あてに発したる電報がありますことは御承知の通りであります。これを念のためにもう一ぺん読み上げさしていただきます。
在留民処置に付ては此の上とも各館に於て万金の策を講ぜられ遺漏なきを期せられ度之に要する経費相当多額に上るものと察せら之が一部は勿論出来得る限り各現地の事情に応じ民団、民会、日本人会等をし引受けしむべきものと思考するも結局大部分は国庫に於て負担する外なきに至るべし。
然る処之に対する予算の計上困難なるのみならず送金亦不能の情況なるを以つて差当り各現地に於て便宜凡有る方法により支弁し置かれ度し。
後日之を整理することと致すべきに付、其の使途、金額明細出来得る限り証輝書類等を整備し保存し置かれ度。
これが本件の発端をなすところの電報でございます。この字句から想像いたしますのに、政府としてある責任をとらなければならぬ、またそういう方策も大体講ぜられるのではないか、こういうふうなことで、予算等の措置あるいは国の債務として確定するというような措置もとらずに、早々の間に発せられた。こういうのが事件の発端であろうかと思うのであります。それからお尋ねの点に関連いたしますが、さてそういうものをどういうふうに国の債務として確定して、どういうふうにしてこれの支払いをすべきかということにつきましては、もちろんその事案自体の問題もよく考えなければならぬかと思いまするが、また同時に、国の負担能力も考えなければならぬかと思います。またほかのいろいろな債務との関係も考えなければならぬ、こういうふうに思う次第でございます。戦後におきましての経過を見ますると、一番初め私が申し上げましたような楽観的な予想に反して、国の財政は非常だ苦しいものであつたことは御承知の通りであります。そういう関係からいたしまして、なかなか予算的な措置が講ぜられずに今日まで来た、また法律的な措置も講ぜられずに来た、こういうことになるかと思うのであります。なお、その間におきましていろいろ情勢はかわつております。特に最近におきましては、平和条約の調印も行われたという状況でございます。これから先におきましてはいろいろな変化がある。また国として確定債務であるかもしれませんし、あるいは確定債務でないかもしれませんが、そういうものにつきまして、何らか処置を迫られる問題が多々起つて来るであろう。特に国際関係等におきまして、相当そういう問題が出て参集してなかなか処置が困難な問題が多々あるであろう、こういうふうに想像せられるのであります。それらのことをいろいろ勘案いたしながら、本法律案は提出になつた、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/5
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006・塚田十一郎
○塚田委員 いろいろ困難な事情はよくわかるのであります。昨日参考人の意見をいろいろ聞きましたが、たとえば満州国なんかの場合には、特定の数人の人たちが、自分の責任において、これは将来国家から返してもらうんだということで、発生したものだということになつておる。朝鮮なんかの場合には世話人会にやつていただいた。これは外務省と交渉したのだという話でありますけれども、その交渉の径路は、必ずしもそのために国家がほんとうにこの債務を負わなければならないというほどの形になつておつたかどうか、かなり疑問がある。外務大臣が訓令を出されたといいましても、在外公館のあるところだけ出されたものであつて、場所的に全部の地域に出て来たこういう債務を、国家が背負うということ自体に問題がある。また地域的にそういう実情であるとすると、こういうものが事柄事態の上から、当然国家が今日負わなければならない債務としてあるのか。それともその他のいろいろな事情を考えて、今度のこの法律でもつて債務にするのか。そこのところはどうなんですか。債務としてあるものをこの法律で確認するという形で、政府が考えておられるのか。それともどうもいろいろ意味において疑問はあるのだけれども、しかし事柄の実態を見れば、これは当然国家が返さなければならない性質のものなんだから、それをこの法律でもつて返すようにするのか。この辺この法律の、ことに五万円で打切るというのは、憲法に違反するのではないかという問題と関連しで、かなりめんどうなように考えられるのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/6
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007・石田正
○石田政府委員 第一回の御質問と関連するかと思うのでありますが、この公館等借入金の性質は、現実に行われましたあとを各地にわたつて調査いたしますると、必ずしも画一ではございません。と申しますよりも、その土地土地によりまして非常な複雑な変化を持つておるわけでございます。それからもう一つの問題といたしましては、これをほかの債務、たとえば在外財産と申しますか、そういうふうなものとの関連においてこれをまるきり別のものと考えることが、はたして妥当であるかどうかというような点も、相当問題であろうかと思うのであります。そういう点もございまするが、しかしこの点に限りましては、すでに昭和二十四年六月一日に公布施行せられましたところの、在外公館等借入金整理準備審査会法というものがございましてへその第一条におきましてこれはどういう金額において、あるいはどういう内容において最終的に確定するかはわからないけれども、しかし現地通貨で表示せられましたところの借入金を、国が返済する債務として承認するということは、この法律においてきまつたものと、われわれは考えておるわけでございます。問題はその現地通貨で表示されました借入金を、法律の定めるところに従い、かつ予算の範囲内において国の確定債務として中身のはつきりしたものといたしまして、どういうふうにきめるかという点が残つております。その点に関連いたしましてそういうことをさらに準備調査いたしまするために、昭和二十六年三月三十日の法律第五十四号をもちまして、在外公館等借入金の返済の準備に関する法律というものが、公布施行せられておるわけであります。今度の法律はその法律に基きまして、いろいろと評価方法等も、この法律にありますところの在外公館等借入金評価審議会に付議し、その答申を得るということもいたします。また先ほど来お話がありましたようなぐあいに、国の確定債務であるか、あるいは債務でないかもからないが、とにかく将来いろいろと国の負担となるべきようなもの、現実に支払いを迫られるものも彼此勘案いたしまして、この法律案を提出するに至つた、こういう経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/7
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008・塚田十一郎
○塚田委員 どうもお尋ねす此言葉が十分でなかつたので、お答えもお尋ねしたい点については、なかなかぴつたりとして出て来ないのでありますが、もう一度表現をかえてお尋ねしてみらいと思うのです。つまり昨日あたりからいろいろお伺いいたしました意見で、政府が今一応返さなければならないという考え方になつて、予算を組んでおられるものの内容に違つたものがある。ほんとうに国家が外務大臣の命令で出先公館に対して命令を出した、それに基いて借り入れた債務というものは、当然これは国家が負担しなければならない性質のものだ。それと同じような事情にあるもので、事情は同じようであつたけれども、そういう法律的な径路や何かにおいては、幾らか違う事情から発生した債務、そういうものが径括されてこの法律の中に含まれるのであると私は思うのです。そうすると、ほんとうに国家が責任を負わなければならないという形において発生した債務というものは、これは返すという法律をかりにあとでつくつたとしても、それはあたりまえのことを法律にしただけです。しかしそうでない、債務として確定はしてないのだが、ああいうときにああいう事情で借りて、しかもああいう目的に使われた金だから、これはどうしても事柄の条理的な性質上返さなければならないのだということになれば、これはこの法律が出てからほんとうに国家の債務として確定する。そうすると前の場合の当然返さなければならないものを、この法律で確認したという性格のものである。この金額を打切るということはちよつとおかしいじやないか。五万円なら五万円でぶち切るということはおかしいじやないか。しかしあとの国家の債務としてほんとうには確立はしてないのたが、この法律でこういう条件で認定がついたものは、この程度に払うのだということになさるものならば、これは五万円で打切りになろうが三万円で打切られようが、これはもうもののきめ方次第、こういうことになると思います。だからつまりこの法律の内容として、返還されるべき債務の中に性格の違つたものがあるのに、一つの法律で、一本でぶち切られようとするものだから、非常に憲法上や何かに疑義が残つて来るのではないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/8
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009・石田正
○石田政府委員 お尋ねの点を、私の考えで申しますると、さらに二つにわけてお答えした方がいいかと思います。純粋な法律論をいたしますと、先ほど読み上げましたところの訓電というものは、昭和二十年の九月の七日に出ております。それからそれだけの観点から申しますると、九月七日の電報が現地に潜いて、それからあとこれを在外公館の公館長がよく理解いたしまして、そうしてその訓電の趣旨通りやりましたものだけを対象とすべきであろう、こういうことも言えるかと思います。それからまた在外公館の訓電は、当時外務省が出したものでありまして、いわゆる朝鮮、台湾あるいは南洋という方面には行つておらないという事情がございます。そこらの地域におきましても、いろいろな交流関係から、自然そういうものがあるのだということによりまして、事実上同じようなことをやつたものがある。これをどうするかというような問題もあろうかと思うのであります。これはまず取上げる対象の問題として、どう考えるかという問題があるわけであります。それからなおこの訓電も、これは先ほど申しましたような経緯で出ておりますが、内容を見ましても必ずしも明確でない。法律的に疑問のところがあるわけであります。それでこの訓電を受取つた公館の中の問題にいたしましても、はたしてそれをそのまま全部—
公館借入金は初めから国の債務であると見るべきであるかどうかということは、疑問があろうかと思うのであります。ただこの問題は、昨日参考人の方方からいろいろ御意見の御陳述もございましたが、こういう借入金がありましたことによつて現地の方がお引揚げになるときに、非常に役に立つたということは事実でございます。そこで今申しましたようなこまかいわけ方をやつたことが、法律的には正しいにいたしましても、それが現実の問題としてできるかどうか、こういう問題があるのでございます。この点は実際にいろいろとこまかい話をいたしておりまする間に、とうていこれはそういうふうなきちんとしたことでわけることは、ほとんど不可能であろうかと思うのであります。そこでこの公館等借入金の一番初めに申しましたところの整理準備審査会法におきましては、そういうふうな区分をせず、一応これを対象とするということにきまつたわけでございます。それならこれは国の債務であるから、そこで確定してきまつたのであつて、これの評価をどうするとか、あるいは金額をどこで打切るとかいうことはおかしいではないか、こういうふうな御疑問が次に起るかと思うのであります。これがお尋ねの第二点と思います。こういうことは今申しましたような性質がございますので、これをどういうふうに処置するのが妥当であるかどうかということ、については、法律的にもまた実際的な妥当性の上から言いましても、相当考慮をしなければならない問題でございます。これは今申しましたようなことで、対象をきめると同時にその処理が確定いたしてしまいますれば、そういう数点に関する御疑問も割合に少くて済んだかと思うのであります。ところが事実問題といたしましては、まずそういう対象について、これは現地の借入金であるということで、現地通貨で幾ら借入金があつたかということをまず確認して行こう。それからそれをどういうふうに金額的に評価をし、またどれだけ返すようにするかということについては、別に法律の定めるところに従つて、予算の範囲内においてということで行きましたために、そこで非常に疑問を生ずるような結果を来したということに相なろうかと思うのでございます。
なお先ほど申し落しましたが、在外公館等借入金の整理準備に関する法律のあとに出ましたところの、返済の準備に関する法律の方におきましては、第二条におきまして「借入金の返済の方法は、国民負担の衡平の見地から、公正且つ妥当な基準に基いて定められなけばれならない。」こういうことでほかのいろいろな見地を総合してしなければならぬ、こういうことが書いてあるのでございまして、これらは先ほど申しましたようなぐあいに、一応現地通貨の借入金として返済すべきものと認めるが、しかしほんとうの現実に返す仕方をどうするかということについては、そこらを加味して考えるべきだ、こういうことになると思うのです。と申しますことは、先ほど申しました第一段と第二段とが一挙に解決できず、経過をたどつて来たということによつて起つたものかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/9
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010・塚田十一郎
○塚田委員 その点はそのくらいにしておきまして、次にお尋ねしたいのは、政府があれだけの予算を組んで出して来られるまでに、いろいろ御審査をなさつたと思うのでありますが、審査の径路において、国の債務として一体確信をお持てになつたかどうか。なるほどこの程度の額においては、確かにこれは借りたものとして返さなければならぬだろうということは、別の観点から申しますならば、かりに実額がつかめないとしても、ほんとうはもつとお返ししなければならぬのだが、まあこの程度までならば確かにこれはお返しせねばならぬ金額だ、またこういう事情で発生した債務は、確かにお返ししなければならぬのだという、いろいろな観点から国の債務として確認ができたものが、あの予算に出て来ている数字か。また現実に予算がそういう積算の上から出て来ておるのでないとすれば、現在いろいろ確認をしておられる経過においての判断の基準というもの、ほんとうに確認できたもの、そうしてこれを国の費用で返すということによつて、その間に何ら将来疑義が紀らぬものだという確認が、おできになつておるかどうか。また債務の発生しました事情が、非常に特殊な事情のもとにおいて出たのであり、それから昨日からいろいろな参考人の意見を聞きしまても、証拠書類というものは、つくつたものがあり、つくらないものがある。つくつたものも、十分内地へ持つて帰れないという事情があつたようでありますが、その辺の確認される上の感じはどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/10
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011・石田正
○石田政府委員 この確認の方と、それからどういうふうに支払いをすべきであるかという点とあろうかと思いますが、先ほど来申しましたようなぐあいに、法律の経緯というものは、まず現地通貨で幾ら借入金があつたかということを、確認しようということから起つたわけでございます。この整理準備に関するところの法律の方は、外務省所管でございまして、外務省においてこの事務に当られたわけであります。もちろん大蔵省からも人が出ておりまして、そこにおいて討議にあずかつておるわけであります。大体申しますと、現地通貨の借入金の確認ということに関する限りは、これはきのうも参考人の方々からるる御陳述がありましたごとく、非常に明確を欠くものが表のでございます。これをいろいろ審議いたしまする経過におきましては、まるきり証拠のないもの、こういうものはどうも国といたしまして、確認書を出すわけには行かぬということに相なります。しかしながら一応証拠がある、しかし多少の疑念があるという場合には、できるだけその借入金が行われました実情等に照しまして、できるだけ確認し得るような、確認を要求される方に有利なように解釈いたして参つております。自信があるかという点になりますと、そういうことでありますから、自信はないけれども、まあまあという点があるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/11
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012・塚田十一郎
○塚田委員 もう少し問題の論点をわけて、お尋ねしてみたらいいかと思うのですが、たとえば現地においてこれだけのものを借りたということの、ある程度の確認ができる場合に、その借りた金の用途というものが、どういうぐあいに使われたかという吟味ができる状態であつたのか。そのあたりはどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/12
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013・石田正
○石田政府委員 これは借入金をしますところの衝に当りました公館長なり、あるいは民団の責任者の方、それらの方々にいろいろと伺つおります。これも相当こう使つたということが、ある程度資料をお持ちの方もありますし、まるきりそういう資料のないところもある。ただうろ覚えであるとかいうような意味のお話のところもございます。従いましてほんとうに確信が持てるかということになりますと、これは確信が持てないという方が正直であると思います。ただ信頼するということしか道がないというのが、実情ではないかと思います。ということは確定の資料があるものについては、その資料をそのまま信用するということに相なります。それから多少普通の意味においては信頼すべからざる資料であつても、まあそうであつたろうかと、こういう善意に解釈するのが適しておるというふうに認めて、あえてその点を追求することは、それ自体こちらには資料がないのでございまして、適当ではないのじやないか、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/13
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014・塚田十一郎
○塚田委員 非常に正直に御答弁をいただいて、確信がないということでありますが、確信がない国の債務を払うということは、国会としてはどうも非常に困るのでありますが、まあ事情やむを得ないということは了承できます。しかしかわにそういう状態であるといたしましても、各地域的に、どこではどれだけの債務、どこではどれだけの債務というようなことが一応出て来る。どの地区からはどれくらいの人が、大体どういうような事情で帰つて来ているというようなことも、ある程度これはおわかりになつておると思う。そういうようないろいろな資料をもつて判断をされました場合に、特殊の地域においては非常に金をよけい使つておるというようなことを、お感じになる節がありはしないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/14
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015・石田正
○石田政府委員 その点の答弁は、外務省の方で確認をやつておりますので、デリケートな議論になりますので、そちらの方にお伺いしていただいた方がいいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/15
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016・塚田十一郎
○塚田委員 そこで次にお尋ねしたいのは、憲法上の問題なんでありますけれども、さつきもちよつと申しかけたですのが、そういう非常に確認の困難な法律債務というものをあれする場合に、ひとつそれが憲法的にどういうぐあいになるのかということと、それからさつきも申し上げたように、五万円で打切つてしまうということは、昨日の参考人の意見全体を通じて、非常な反対があつたところなんでありまして私どもいろいろ研究はしてみおるけれども、これに対してはまだ自分らとしては結論が出て来ない。政府はそういう点に対しましてはどういうようにお考えをまとめておられるのか。その点をひとつお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/16
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017・石田正
○石田政府委員 累次の御質問で、内容が必ずしも確定し得ない分が多いものであることは、御了承願つたかと思うのでございます。そういうふうなものを国の債務として承認するのがいいかどうか、こういうことが一つあろうかと思います。しかしこの点については、先ほども申し上げましたようなぐあいに、整理事務に関する法律の中で、そういうものも国の債務として確認しようということは、すでに御決定に相なつておるわけでございます。ただそれは無条件にそれを全部返すのだということでありませんので、先ほど経過的に申し上げましたようなぐあいに、法律の定めるところに従つて、予算の範囲内でその債務を確定するということに相なつておるのであります。従いまして本来でありますならば、国の債務を確定する場合に、あらゆる面を一ぺんにきめてしまうというのがいいのでございましようけれども、順々ときめるというような形に法律がなつて参りまして、これは最後に一本に合せてみれば、一ぺんに確定したのと同じことになるのじやないか、こう解釈するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/17
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018・塚田十一郎
○塚田委員 次に不明確な要素は、各地域の換算率の決定の点にあると思うのでありますが、この点を御決定になつたいきさつを、ごく概略でけつこうですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/18
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019・石田正
○石田政府委員 この借入金は全部一応現地の通貨で表示されております。そこでこれは金銭債務ではないか、こういうことがまず第一に起つて来るかと存じます。そこでその金銭債務を払いますにつきましては、円で払うということに相なります。この関係をどうするかということが、評価の問題といたしまして法律にすでに取上げられておるところでございます。どういうふうに具体的に評価するかという問題に関連いたしまして、まず普通の金銭債務であり、その通貨がそれぞれ現在に生きておりまするならば、これは為替相場等を勘案してきめる、こういうことが妥当であろうかというふうに思われるのであります。妥当であろうかといいますよりも、簡明率直であろうかと思われるのであります。ところがきのうも岡崎参考人からお話があつたと思いまするが、それらの通貨につきましては、もうすでに現在これは現地において通貨として流通しないものが、大部分であるというような実情がございます。そこでまたもう一つの観点といたしまして、これは率直に申し上げるのでありまするが、たとえばかりにこれをそのときの為替換算率でやつてみたらどうかということで、一応試算をしてみたものもございます。これはたとえば、今払うとしたらどういうことになるかということでありまするが、たとえば一例をとりますと、中古の儲備銀行券というものは、法幣か二ずつとさかのぼつて参りまして、そえしてその換算率が二百であつたというふうなことで、今かりにやるとすると、どういうことになるかといいますと、これはいろいろ議論もございまするが、一円について八百八十万元というような数字も出て参るのでございます。これはもう何と申しましても、ちよつと常識から考えておかしなことになるではないかというふうなこともございます。それから先ほども申しましたような点も考えあわせまして、何かほかの方法によることができないかと、こういうことに相なつて来たわけでございます。
それからその次に、当時の物価指新でやつたらどうかという問題もあるしけでございまするが、これはなかなかそれらの現地におきまして、物価指数というものがどれだけ信頼できるかしいうことについて、戦争前からすでに問題のあつたところでございます。終戦後におきましては非常な混乱がありまして、そういうものを的確に把握できないというふうなことで、どうもそれによるわけにも行かない。
そこである一つの物資葛とつて、日本の内地のものと比較してみたら、割合にうまく行くのじやないか。これはタバコの問題もございましようし、砂糖の問題もございます。いろいろ考えてみて、主食が一番妥当ではないだろうかというふうなことに、審議をいたしている間に大体なつて参つて来たわけでございます。そこで各地域の主食をとるということはどうかという問題が起つて来るわけです。たとえば満州においては高梁がどうであろうか、あるいは北中支においては小麦がどうであろうか、あるいは内地においては米がどうであろうかというふうなことになつて参りますが、それぞれの地域ごとに最もおもなるものを出してやるということにつきましては、それぞれの間の比率とかなんとかいうふうな問題につきまして、なかなかうまく行かないというような問題も起つて来るわけです。たとえば米と高梁の比率というものが、それらの地域を通じて全部同じである、日本の内地もしかりということでありますれば、割合簡単に行くわけでありますが、なかなかそれもむずかしい。そこで結局米の値段をとりまして、そうしてまずつくつてみると、どういう数字になるであろうかということで、一応の数字を出してみたわけであります。なおそれをやつております間に、また御承知の通りに、それらの通貨につきましては、法幣にかわつておるというような問題もございますので、そこにそれらの通貨相互間の価値というふうなものも、問題になるのであります。一応そういうふうなところでまとめてみまして、一つの表ができて来るわけでございます。そこでそれらを審議会におきまして、いろいろと検討をしてみて、その出た数字というものが、やはり各地域間において見た場合に、どうも常識に反することになるかならぬか、こういう点を検討願つてそれをやりました結果、やはり何といいますか、一番初めの案から申しますると、だんだん甘い方にさや寄せすると申しますか、そういうふうな考慮も多少あつたかと思います。それは各地域については、それぞれ御不満があるかと思いますが、全体とすれば、気持としましては無理に軽くするというのでなくということで、まあこの表に出ましたところの換算率表というものが、でき上つて来たという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/19
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020・塚田十一郎
○塚田委員 いろいろ困難な事情のもとに御決定になつたのでありますから、すつきりしたものができるとは思われないのでありますが、ただ私どもが昨日の各参考人の意見を聞いておりまして、ことに関東州の参考人の意見を聞いておりまして、非常に不思議に思うのは、同じ時期においても、関東州と満州中央銀行の間に、非常な開きがあるということであつたのです。これなんか常識的に考えたら、今おつしやつた非常におかしいから直すという口に入つて、直せなかつたものなのですかどうなのですか。そういう考慮をもつてしても、なおこういう差別をつけなければならないような事情があつたと思うのですが、その辺の事情をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/20
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021・石田正
○石田政府委員 換算率の問題につきましては、多少言い落した点があろうかと思います。今後の御審議にも関係があると思いますので、つけ加えさしていただきたいと思います。
換算率の問題につきましては、一番常識的なという意味から申しますと、終戦直前におきますところの日本の円と、各地通貨との交換率と申しますか、そういうことが考えられるかと思うのであります。この点につきまして、その当時の実情を率直に申しますと、終戦のときにおきましては、それらの通貨ができました当初と違いまして、大分事情がかわつて来ております。と申しますことは、具体的に申しますならば、北支の例をとつて申しますと、北支の中国連合銀行券と日本の円というものは、等価ということで終戦になつておる。また法的には中支、南支におけるところの中央儲備銀行券は、百元が日本の十八円ということで、法定となつておるのであります。しかしながらその当時の実情から申しますと、これは日本が悪いことをしたのだという議論もあるかもしれませんが、とにかく日本の内地におけるところのこういう円の価値と申しますか、そういうものとこれを等価にいたしました連銀券、あるいは十八円でありますところの中央儲備券との間に、実際問題としては非常な大きな隔たりがあるということは、もういなめない事情になつておつたかと思うのであります。そうしてまた当時におきましては、そういう現地におきますところのインフレというものは、法定換算率を通じて日本に波及して参るということについて、そのまま放置するかどうかという問題が、終始通貨当局を悩ましておつたわけでありまして、これは終戦の前のことでございますが、あるいは送金したものの三割しか払わないで、あとは特別預金にしてしまう。あるいは北支からのものについては四十九倍、それから中支からの送金については、六十九倍の調整料をとるというようなことを違法的にやつておつた、こういう実情であつたと思うのでございます。そういうことでございまして、この公館等の借入金の問題を処置するにあたりましての考え方は、これは終戦後のものである。要するにほかにもいろいろございますが、戦前のものではないので、終戦後のものである、こういうことが一つ大きな処理の基本として流れておるかと思うのでございます。そういうわけでございまするので、終戦後の先ほど申しました常識と申しますか、そういうものにおきましても、終戦後借入金が行われました時分における、その通貨の値打とかなんとかいうふうな問題についての常識というものは、考えたのでありまするが、その前の方まで常識をさかのぼらせてて行くということをやることはしなかつた、こういうのが実情だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/21
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022・塚田十一郎
○塚田委員 昨日北条参考人がこういうことを盛んに言うにおつた。そんなばかなことは、われわれ常識的にはあり得ないと思うのでありますが、政府がこの率をおきめになるのに、総額をいつも頭に置いて御決定になつた、その総額は十億円だ、こういうお話でしたが、その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/22
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023・石田正
○石田政府委員 この評価の審議会、これは何回にもましていろいろ議論がございまして、非常にむずかしかつた問題でございます。しかし他方法律の関係から申しまして、この前の臨時国会にどうしても法案を提出しなければならない、こういう事情もあつたわけでございます。それでいろいろとそういうふうな評価問題について、最後の段階まで実は評価をやつておつたわけでございます。法案ができますのは、もう非常に何と申しますか、前々から準備はいたしておりましたが、最終的なそういう点の決定は、割合に短かい間にできたのでございまして、決して初めから何億とかいうのを頭に描いて、実際仕事をやつておつたということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/23
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024・塚田十一郎
○塚田委員 この率をおきめになるのに、昨日参考人の意見の中に、借入れ時期を基準にしてきめろということが出ておるのでございますが、これはものの考え方としては一応理論的な考え方だと思うのですが、もしそういうぐあいにしまして、借り入れた時期をもう少しこまかく区切つて、この率を考え直すというような場合に、参考になるべき資料があるものかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/24
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025・石田正
○石田政府委員 その資料は、ある程度あるわけでございます。たとえば米の値段が毎月どういうふうに満州なら満州において動いておつたか。こうりやんの場合についてはどうなつておつたか。これらは、現地の方がお持ち帰りになりました資料等によりまして、おそらくそうであつたろうと推測する資料はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/25
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026・塚田十一郎
○塚田委員 それからこの表の中で、時期の制限を区別を全然つけておられない種類の貨幣がたくさんあるのでありますが、こういうものは大きくそういう変化がなかつたということでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/26
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027・石田正
○石田政府委員 これは終戦後の事情といたしまして物価等が非常にはげしく変動いたしております。ほんとうに理論的に申しますれば、あるいは毎日あるいは毎月というふうなぐあいに、わけねばならぬかというふうに思われるのであります。しかしながら、そういうふうなことをいたしますると、これは非常に複雑なものに相なるということが一つ考えられます。
それから確認書の中にはきのうも参考人の方が言われましたが、書式につきましては非常に簡単なものが多いのでありまして、そういう不明確なものは全部いけないということにしてしまえば、これは問題がないかと思いますが、もしそうでない場合には、こまかく切つた場合に、一体これをいつの時期に入れるかということにつきましても、相当問題があるであろう。そこで事態がそういうふうでございまするので、ほんとうに理論的には行かぬ。けれども、できるだけ一つの時期でやつた方がいいのではないかというふうに考えて、できるだけ区分をしないで、大体こういうことだという平均で行つたらどうか。個々の人につきましては、これは非常に影響するところが多いかと思います。また利害関係等もいろいろ複雑であろうかと思いまするけれども、そこは率直に申しまして、がまんしていただくよりほか処理がむずかしいのではないか、こういうことが一つでございます。
それから次に、わけました地域がございます。これは大体どういうふうにして算定時期をとるかという問題でございますが、もし一つでやるということになりますると、まず一番借入れの多かつた時期、そこを中心にしてとらえまして、その前後の事情を勘案してきめるのがいいのではないか、こういうことでスタートしたわけです。ところが、このわけました地域におきましては、そのピークが二つ現われる、こういう状況になつて、どちらのピークに寄せるのも、ピーク自体として見た場合におかしいではないか、こういうことがございましたので、そういうピークをいずれともとりかねて、二つ出ておるというところにつきましては、ピークとピークとをまず見まして、その間の中間地帯をもつてこの前後をわけるという式をとつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/27
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028・塚田十一郎
○塚田委員 昨日私がちよつと参考人にお尋ねしたのでありますが、私は米というような一つのものを基本にして御決定になるときに、それにあわせて参考とすべき資料として、その時分のその土地で、どれくらいの金でもつて一日なり一月なり生活ができておつたかということを、あわせて考えていただくと非常にいい、こういうように考えておつたのですが、そういう点何か御考慮になつたことがあるか。またそういう御考慮を加えるとした場合に、よるべき資料が何かあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/28
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029・石田正
○石田政府委員 これは区分をまず北支とか、華北とか、華中、華南とかいうふうなぐあいにわけましたのも、そのあらゆる場合がそうでございますが、その中の土地によつて非常に違うということが一つ言えるかと思います。それから今お話のありましたような状況は、これは日本の内地も外地もそれぞれ同じような生活をしておる。それが許される。こういうふうな状況でありますれば、一つの有力な参考資料になるかと思うのでございます。しかしながら実情は地域々々によつて非常に違つております。非常に苦しい生活を過されたところもございまするし、割合平常事態に過されたところもございます。また時期によりまして、同じ地域の中におきましても非常に違うということがございます。そういうことでございまするので、そういうことだけできめるというのもどうかというふうなこと、ちようどこれは物価指数について、たよるべきものがないのと同じようなぐあいに、私のところでは幾らくしておつた。私のところはどのくらいであつた。これはまたそういう生活状況も違いますし、お金の集まりぐあいによつても違うということもありましようし、いろいろございますので、それによるということは困難ではないか、こう思つたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/29
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030・塚田十一郎
○塚田委員 次にそのようにして御確定になつた数字に三割をプラスする。おそらく金利のつもりであろうと思うのでありますが、金利で出すならば、日歩四銭でもらいたいという意見があつたのですが、そういう点はどういうお考えであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/30
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031・石田正
○石田政府委員 これは一番初めからお話がありましたようなぐあいに、この債務がどういう債務であるかということです。これはいろいろと問題にすれば、し得る、こういうことでございます。それから先ほど申しましたように、換算率を—支払い期限がないのだから、今払つたらどうかというような極端なことをやりますと、これは常識に反した、ほとんど払わぬでいいという結果にも相なりますから、どうしてもさかのぼらせて借入れ時のあれで行かなければ、払うということの意味がないではないか、こういうことで借入れ時にさかのぼる、こういう考え方にわれわれとしてはなつて来たわけであります。そういうことになりますと、先ほど申しましたようなぐあいに、これは元の性質は何かといえば、すなおにいえば金銭の借入れである。こう言つた方がいいのではないか。それから払う時期については、即刻払うというふうなぐあいに書いてあるのもございまするし、状況によつて払うというのもございましようけれども、そこらの点についての考え方から申しまして、これはある意味からいえば、払うときに今言つたものを払えばいいのだ、こういうふうな極端な議論もあろうかと思います。しかし事情をいろいろ考えてみますと、そうばかり言つてしまうのも、これは妥当でない面もあるのではないか。政府の施策が遅れたために遅れるという面も、多少考えなければならないのではないか。そこで金利だということをはつきり言うかどうか、こういう問題も起つて来るわけでございまして、そこに本件全体が割切りがたいという点も加味いたしまして、百分の三十を加算する、こういうことをいたしたわけであります。これがかりに六年目でありますれば、逆算すれば五分ではないか、こういう議論も出て来ると思います。きのう北条参考人から日歩四銭というお話もありましたが、これは銀行等の問題でありまして、銀行につきましては、四銭ではなくて、五分ということに相なつておるのではないかと思つております。しかし私はそういう金利の論をいたそうというつもりは毛頭ございません。ただそういう気持であるという、せめてその気持だけを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/31
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032・塚田十一郎
○塚田委員 次にお尋ねいたしたいのは、小品のものはこの換算率であれするということではなしに、ひとつ別に考えたらどうかという意見が確かにあつたのでありますが、この考え方は私は確かにりくつがあると思うので、ことにあまり小額のものは打切つて、この換算率で換算してしまつたら、おそらくもらいに出て来る日当にも旅費にもならぬと思う。場合によるとバス代にもならぬという場合が出て来るのではないかと思うのですが、実情は一体どうなのか。そういう非常に小品なものが相当あるのではないかということと、そういう小口なものに特殊な考慮をしてみるというお考えがおありにならないか。その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/32
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033・石田正
○石田政府委員 これは何と申しますか、考え方が大いに影響するかと思うのでございます。たとえば終戦後におきまして、現地から送金がございました。これはすべて日本へ参りましたときに全額払うということができませんで、千円で切るということに相なつておつたのであります。その後引揚げをされます場合に、その千円さえ持つて帰れないという方も多かつたわけであります。これらの場合におきましては、現実問題として政府は千円払つております。ここらの観点に相なりますると、初めのうちは、さつき申し上げましたような終戦時の換算率を一応適用して、関係方面の了解を得て、こういうふうにやつておるということであつたのですが、おしまいの方になりますと、それもできないことに相なりましたので、千円を黙つて渡すと申しますか、そういう面にかわるべきことも、これは換算率にこだわらずにやるというようなことで、やつた例もございます。そういう前例もあるのだから、今度もそれをやつたらどうか、こういう問題になつて来るかと思うのでありますが、これは在外財産一般の問題とか、それから為替のそういう引揚げに伴う問題とかいうふうなことと違いまして、この法案を出しますにつきましては、一応これは国の金銭債務である。内容はともかくとして、確定されたものとして国の債務となるのだ、こういう建前をとつておるのでありまして、それに対しまして、千円を越えるものはこう、千円を越えないものはこう、というふうなことを申すのは、あるいは場合によつては本法案全体のあれにも関連するのではないか、こういうふうな感じからいたしまして、目下のところ政府としては、かえようという意思は持つておらないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/33
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034・塚田十一郎
○塚田委員 実際にそういう小額なものがどれくらいあるか、統計がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/34
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035・石田正
○石田政府委員 これはいずれ数字を割つて後刻御返事申し上げることにいたしたいと思います。相当小額なものがありますことは、お説の通りだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/35
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036・塚田十一郎
○塚田委員 ものの考え方としては、今局長が言われたようなものの考え方も、確かにその通りだと思うのですが、これは法案全体として、そんなにきつちりとした債務ということになつていないのでありますし、さつきも申し上げたように、非常に小額なもので、実際にはこれはもらいに来るバス代にもならないというようなものになると、これは国民に何か便宜をはかつてあげるつもりで、実は何にもならない。ばかにしていやがるという感じを起させる非常に大きな原因になると思うのであります。ですから、そんなにその点はりくつ通りにお考えにならぬでもある程度の線までは、あまり換算率にこだわらずに払つて行くという考え方をなさつたらどうかと思うのですが、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/36
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037・石田正
○石田政府委員 これは五万円の問題もいろいろございますが、かりにこの千円未満のものをどうするというふうな場合におきまして、終戦時の例によるということに相なろうかと思うのであります。これだけを見ますと、まことにそうした方が常識ではないか、こういう御議論もあろうかと思います。しかしこれらの通貨の問題は、さらに広い意味におきまして、具体的にどうするかという処理がついておらぬのでございます。それらの点も考えまして、ただ単に対内的な問題ばかりでなく、対外的な問題も考慮しなければなりませんし、対内的な問題と申しましても、先ほど申し上げましたようなぐあいに、在外財産、それから送金で片がついておらないもの、そういうものもございますので、この点だけから常識的な解決をするということは、率直に申して躊躇せざるを得ないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/37
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038・塚田十一郎
○塚田委員 次にお尋ねしたいのは、昨日参考人の意見に見えたように、たくさんの人の分をまとめて、一品にして出したというものがある。しかし初めから打切るということがはつきりしていなかつたために、それは各出した人間の名前で申請をしなかつたというようなために、非常に損をしている人があるということでしたが、そういうことの実情がどんなふうになつているか。それから、そういうものに対して、あらためて各個人別に申請をさすというふうな機会を、お与えになつたらよいではないか。ことにこの点に関連いたしましては、昨日北条参考人から、二十万人のうち、まだ八万人も申請をしない者があるということでありますけれども、これらの中には、ほんとうにもらつてもしようがない、もしくは金額も大したことはないというようにお考えの者ばかりでなしに、周知徹底しない者があるのではないかと思うのですが、もう一度再申請の機会を与えるということをされたらどうかと思います。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/38
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039・石田正
○石田政府委員 大口の借入金については、実際の供出者は一名でなくて多数にわたるものがあるのではないか、それをどう処置するつもりであるか、こういうお話でございます。これはきのう北条参考人からお話がありました点については、多少政府といたしましては違つた考え方を持つておるのでありまして、申請は受付けたけれども、それに対していわゆる補助的な資料等を出すことは、政府としてはいかぬということを申すべきでもないし、申さぬつもりでおるわけで場あります。従いましてかりに五万円で打切るということがなければ、黙つてもらつてみなでわけるというものが、この関係から打切られるために、実はこういうふうになつておるのだというものをあとでお出しになりましても、それは初め出したのが一品であるから、もう分割はできないのだ、そういう非常識なことはせぬつもりであります。この点は外務省が実際の確認事務に当つておりますが、われわれ大蔵省といたしましても、そういう点については不当なことが起らぬように措置いたしたい、こう思つておる次第でございます。
なお審査の確認請求の受付期間をもう一ぺん延ばしたらどうか、こういうお話でございますが、これはかねがねそういう議論がたびたびございまして、そうして案は第一回の法律が出ましたあと、またその延長をいたしました。実は一回延ばしてやりました結果でございまして、たびたび延ばしに延ばすというふうなことをやつておりますと、いつになつてもこれは片がつかない、こういうことに相なるかと思います。ただいろいろ法案の経過もございまして、払つてくれるか払つてくれないか、まだきまつておらぬから出さなかつたのだ、あれが早くきまつておれば、私は出すのであつたというふうなことを、お申出の方もあるかもしれないので、これは研究を要する点かと思いますが、本日はさらに研究するということで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/39
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040・深澤義守
○深澤委員 参考にお伺いしたいのですが、今まで周知徹底にどういう方法を政府としてとられたのか。つまりこういうぐあいにしてお返しするのだ、従つて申出を願いたいということの周知徹底に、どういう手段をおとりになつたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/40
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041・石田正
○石田政府委員 法律が三つにわかれておりまして、第一の法律は外務省所管であります。第二は大蔵省所管でありまして、今度は大蔵省から出したというような形に相なつております。今の周知徹底の問題は、第二回目の大蔵省の法律は、どうして返すかということを具体的にきめるということに関する、準備ということが言えると思います。それから第一回のは現地の債務を確認するということでございまして、この方面は外務省の方で担当されておるのでありまして、周知徹底の方はそちらの方に関係するところだと思いますので、私ははつきりしたことは申し上げられませんが、私の聞いております点におきましては、新聞広告も依頼し、それから各市町村を通じて周知徹底に外務管においてお努めになつておる、こういうふうに拝承いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/41
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042・深澤義守
○深澤委員 塚田委員によつて詳細に御質問がなされましたので、私は二、三の点についてお伺いしたいのです。本法律案は「在外公館等借入金ということで、「等」が入つていますから、非常に広汎に考えられるのがありますが、公館として機能を失わずに借入れをやつたのはどのくらいあるのか。それから公館を代理してやつた、つまり世話人会というようなものが扱つたのはどの程度あるか。もしおわかりになつておつたら、それを地域別にお聞きしたいのであります。朝鮮、満州、関東州、華北、華中、華南、タイ国、仏印という地域がありますが、これらの地域では公館としてやつたところと、あるいは公館が機能を失つたために、世話人会がやつておるというような事情になつておるところとあると思うのですが、これは地域別にどういうぐあいになつておりますか。その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/42
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043・石田正
○石田政府委員 在外公館は終戦後において一応残つておつたのでありまして、公館の機能が全然なくなつたとい参のはどういう意味であるかわかりませんが、ただ借入れの実態から申しますと、きのう参考人の方々からいろいろお話がありましたごとくでございまして、実際の中身から申しますと、民団等の名前において借り入れておるところのものが大部分だと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/43
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044・深澤義守
○深澤委員 その民団等が借り入れたものを、当時の在外公館がそれを認めておるというのが大部分でございますか。その点をひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/44
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045・石田正
○石田政府委員 これは在外公館のありますところとないところがございまして、あるところとないところでは多少違つた状況があろうかと思いますけれども、しかしそういう借入れが在外公館の名前でなく、民団等の名前において行われるといいますか、そういうふうなことにつきましては、在外公館の者も知つておるというのが多かつたかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/45
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046・深澤義守
○深澤委員 これは債権確認の重大な要素になりますので、正式な書類あるいは証拠等は今申しました地域別においてないにいたしましても、民間の世話人会がやつておることを在外公館が認め、あるいは黙認しておつたというのが、大体の事情であるかどうか。あるいは特殊の地域においてはそういうことがないというような事実もあつたのか。その点を明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/46
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047・石田正
○石田政府委員 外務大臣の一番初めの訓令におきましては、それは民団等において行うことを認めるという趣旨が出ております。それから現地におきましても趣旨において黙認といいます。か、公認といいますか、承認のもとにおいてそういう形で相当行われておつた、こう思います。ただ具体的にどういう地域でどうであつたかと申しますと、確認の方の事務は外務省の方の仕事でありますので、詳細なることは外務省の方から御答弁を願うということにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/47
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048・深澤義守
○深澤委員 ただいまの御答弁によりますと、外務大臣の訓令によつて在外公館がやるべきものを、世話人会が代理してやつておつたのだということでありますが、そういたしますと、それは大体の地域において世話人会がやつたことは公館がやつたこととかわりない、こういうぐあいに承つてよいのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/48
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049・石田正
○石田政府委員 先ほどからたびたび申しましたごとく、現地における事情は非常に混乱いたしておるわけであります。それからこちらからの連絡等も不十分であつたわけでありますが、趣旨においてそういうことで事実上行われた、こういうことは私申し上げております。しかし今お話がございました代理とかなんとかいう法律的な問題になりますと、これは別問題であろうかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/49
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050・深澤義守
○深澤委員 大体現地の終戦処理の問題については、非常に困難をきわめておつたことはわれわれ想像に余りあるのであります。従つて公館等やあるいは日本政府の当然行うべきことが行われない。それを民間の世話人会がやり、しかもそれを公館も認めておつたということになりますれば、結局日本政府の当然やるべきことを、民間の世話人会が代行してやつたのだというぐあいにこの債務を認める以上は、そういう結論になると思います。そういう前提がない限りは、これを債務として確認することはできないのでありますが、大体そういう気持がこの問題処理の前提としてあるのではないか。またなければならないと私は考えるのでありますが、それはどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/50
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051・石田正
○石田政府委員 終戦直後におきましては、現地の事情がどういうふうになつておるかということは、的確につかみ得なかつたのがその当時の実情でございます。先ほども申し上げたのでございますが、外務大臣の訓電の中におきましても、できるだけ民団、日本人会、その他において世話ができるものは、そちらの方でやつていただくということにいたしまして——しかしそうは思うけれども、大部分国の負担にならざるを得ないということになるのではないかというふうなことで、事態をはつきり認識し、つかんで、そうしてこういうふうに行くんだというふうになつておらなかつた実情であろうと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/51
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052・深澤義守
○深澤委員 どうもはなはだあいまいでありますが、先ほど塚田委員からも御質問された結論として、大体の御趣旨は、当然これは政府が責任を負うべき性質のものであるというぐあいに認めておられて、その前提としてこういう債務の確認が行われているというふうに考えたいと思うのであります。
そこで私がお伺いしたいことは、この債務の内容、これはまあ非常に雑多なものがあると思いますが、昨日の参考人等の陳述によりますと、非常にたくさんの金を持つている者が早く引揚げてしまつた。あとに残つている者は非常に財産のない者が多くて、そういう者から零細な金を借りているんだというような、ある地域の人からの陳述がございましたが、大体この債務の内容は、大口はどの程度の大口であるか。大体の標準でけつこうであります。それから小口はどの程度の小口になつているか。そういう点をひとつ概括的にお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/52
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053・石田正
○石田政府委員 この法律案によりまして一応算定いたしました評価によりますと、小口の方が多かつたということは結論的に出て参ると思います。でありまするから地域的にいろいろ見て参りますると、最低でございますが、たとえば四十円というような結果になるものもございます。それからまた大きなものに相なりますると—これは実はまだ確認が全部外務省の方において済んでいるわけではございませんので、今後多少の入りくみはあるかと思いますが、評価いたしました結果でございますが、あるいは五十万というようなものもあるという実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/53
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054・深澤義守
○深澤委員 さらにその内容の性質について、個人からほとんど借りているのか。あるいはまたその大口の五十万というようなものは、法人か何かの個人以外のものから借りているのではないかと考えるのですが、そういう債務者の相手方の性質は、個人が多いのか、それとも法人等が多いのか。あるいはその大品等は個人なのかあるいは法人なのか、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/54
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055・石田正
○石田政府委員 これは全部個へでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/55
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056・深澤義守
○深澤委員 そこで私は先ほども塚田委員が申されておりましたが、債務の確認の機会を失つた者が相当あるやに聞いているのであります。そういう点についても陳情が大分来ているのでありますが、この債務の確認の機会を失つた者に対する今後の措置、この問題については何か政府は考えられているかどうか。この点をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/56
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057・石田正
○石田政府委員 これは先ほどもちよつと申し上げたのでございますが、政府といたしましては一回延長いたしておるのでありまして、一応とすれば手は打つたということが言えるかと思います。しかし他面におきまして、きのう北條委員からまだ確認をしそこなつたものが、八万件あるというお話がございました。しかしわれわれの方といたしましては、その確認請求がなかつたものがどのくらいの件数に上るかということについては、受付けたものについてはわかりますが、受付けないものについては、どれだけあるかということはわからないのでございます。ただそういうお話がございますから、そういう確認をこれから請求したいというお気持のある方がおられることは、否定できないと思いますが、しかしどのくらいの数に上つているかということは、われわれとしてはわかつおらない。そこで先ほども塚田委員にお答え申し上げたのでありますが、政府としては一応延期等の手続も考えてやつたんだが、もしこれをきりなくやるということになつたら、仕事がいつまで続くかわからぬということも言えるわけでございます。しかしまたお気の毒な方がおられるということも事実のようである。従つて私といたしましては今後研究さしていただきたいと、こういうふうに申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/57
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058・深澤義守
○深澤委員 申請件数と確認件数でありますが、これをひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/58
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059・石田正
○石田政府委員 大体大ざつぱな数字で申しまして、外務省の方に申請が二十万件ございまして、外務省が確認証を発給いたしておるものが、本年の十月までの数字といたしまして五万七千件ございます。ただそのほかにおきましていろいろと審理は進んでおりまするので、年度内にはなるべく確認証の発給を多くいたしまして、なお六万四千件くらいの発給をいたしたい。結局本年度中におきまして確認するものは、二十万件のうち十三万三千件くらいになるのではないかというふうに、外務省の方からわれわれは通報されているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/59
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060・深澤義守
○深澤委員 それで今は御研究なさるということでありますが、私もよくその間の事情は知りませんが、実は申請はもう打切つているのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/60
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061・石田正
○石田政府委員 これは去年の五月の一十八日にすでに打切つているわけであります。それまでに受付けた件数が先ほど申しました約二十万件でございまして、そのうち今までの審査によりまして、公館等借入金に該当すると思われる数字は約十三万三千件くらいではないか、こういう見通とを一応立てているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/61
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062・奧村又十郎
○奧村委員長代理 御質疑ありませんか。
これにて休憩いたします。
午後零時二十八分休憩
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〔休憩後は開会に至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X00919511102/62
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