1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月十七日(土曜日)
午前十一時十二分開議
出席委員
委員長代理 理事 奧村又十郎君
理事 西村 直己君 理事 内藤 友明君
淺香 忠雄君 大上 司君
川野 芳滿君 佐久間 徹君
清水 逸平君 三宅 則義君
宮腰 喜助君 岡 良一君
八百板 正君 高田 富之君
中野 四郎君
出席政府委員
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官) 久米 武文君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 佐藤 一郎君
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 岸本 晋君
大蔵事務官
(主税局税制課
長) 泉 美之松君
大蔵事務官
(主税局調査課
長) 亀徳 正之君
文部事務官
(管理局長) 久保田藤麿君
食糧庁長官 安孫子藤吉君
委員外の出席者
農林事務官
(蚕糸局糸政課
長) 新沢 寧君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
十一月十七日
委員松尾トシ子君及び上林與市郎君辞任につき、
その補欠として岡良一君及び八百板正君が議長
の指名で本員に選任された。
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本日の会議に付した事件
食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするため
の一般会計からする繰入金に関する法律の一部
を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
三二号)
日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三三号)
糸価安定特別会計法案(内閣提出第四三号)
学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の
譲与並びにこれに伴う財政措置に関する法律案
(内閣提出第四四号)
旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一
部の有効化等に関する法律案(内閣提出第四七
号)
昭和二十六年度における給与の改訂に伴う国家
公務員共済組合法の規定による年金の額の改定
に関する法律案(内閣提出第四八号)
旧令による共済組合等からの年金母給者のため
の特別措置法の規定による年金の額の改定に関
する法律案(内閣提出第四九号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案に関す
る件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/0
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001・奧村又十郎
○奧村委員長代理 これより会議を開きます。
昨十六日本委員会に付託に相なりました、昭和二十六年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法の宙定による年金の額の改定に関する法律案、旧令による共済組合等からの年会受給者のための特別措置法の規定による年金の額の改定に関する法律案の二法律案を一括議題といたしまして、まず政府当局より提案趣旨の説明を求めます。なお租税特別措置法の一部を所正する法律案につきましては、国会法上正式の議題とはいたされないのでありますが、議案審査を促進する意味において、この際参考のため政府当局より説明を聴取しておきたいと存じます。西川大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/1
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002・西川甚五郎
○西川政府委員 ただいま議題となりました、昭和二十六年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案外一法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
国家公務員の給与につきまして、昭和二十六年十月分からその給与水準を改訂することといたしたのでありますが、これに伴いまして、本年九月以前に退職した共済組合の年金受給者に対する年金の額を、これを新給与水準を基準とするよう引上げる必要がありますので、この法律案を提出いたした次第であります。
次にこの法律案の内容の概略を申し上げますと、まず年金額の改定でありますが、昭和二十六年十月分以降は、従前の年金額の算定の基準となつた俸給を、国家公務員の新給与の水準に引直して計算することといたし、また国家公務員共済組合法施行以前の公務に基因する年金についても、同様に増額することといたしております。
次に、この年金額の引上げによつて増加する費用は、国、地方公共団体、または公社がそれぞれ負担することにいたしております。
次に旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額の改定に関する法律案の提案の理由を、御説明申し上げます。
国家公務員等の給与につきまして、昭和二十六年十月分からその給与水準を改訂することといたしたのでありますが、これに伴いまして、恩給法及び国家公務員共済組合法による年金額も、この水準まで増額することとし、別途法律案の御審議を願つているのでありますが、陸海軍関係共済組合、外地関係共済組合等の旧令による共済組合等からの年金受給者に対する年金額も、同様に引上げることとし、この法律案を提出いたした次第であります。
すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者に対する年金額は、昭和二十六年十月分以降は、従前の年金額の算定の基準となつた俸給を、国家公務員の新給与の水準に引直して計算することといたし、なおこれに要する費用は、国庫より交付することといたしているのであります。
以上がこの二法律案を提案した理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを切望してやまない次第であります。
次に租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、御参考までにその趣旨を御説明いたします。
政府は、さきに所得税法の臨時特例に関する法律案、及び法人税法の一部を改正する法律案を提案し、御審議を願つている次第でありますが、さらに、最近における経済情勢の急激な変転にかんがみ、企業の有するたなおろし資産または有価証券について、新たに価格変動準備金制度を創設して、これらの資産の価格の低落による損失に備えることとするほか、土地区画整理等があつた場合における課税の特例を設ける等の必要を認め、ここに本法律案を提出することにいたしたのであります。
次に大要を申し上げます。まず価格変動準備金に関する制度についてでありますが、この制度は、青色申告書を提出する法人または個人に対して認めるものでありまして、その有するたなおろし資産及び有価証券について、帳簿価格に比して期末時価の九割相当額が低い場合に、その差額に相当する金額以下の金額を、価格変動準備金勘定に繰入れたときには、その繰入額を税法上の損金または必要な経費とすることを、認めることといたしているのであります。これによつてこれらの資産の価格の変動があつた場合に、それによつて企業の受ける急激な影響を、緩和することができるものと考えるのであります。しかして、その時価に対する低減割合は、租税収入に及ぼす影響等を考慮して、二年後に九割となるように、漸次低減することとしているのであります。
次に、日本経済の再建に資する特定の機械設備または船舶につきましては、現在その取得後三年間、法定償却額の五割増しの償却をすることができることといたしているのでありますが、法人の場合におきましては、取得後三年間の償却不足額は、その三年の経過後でなければ償却できないこととなつておりますのを、今回その三年を経過する前におきましても繰越し償却し得ることとして、その合理化をはかつているのであります。
次に、土地収用法等により、土地等の収用があつた場合の租税負担の軽減につきましては、さきに提案いたしました租税特別措置法の一部を改正する法律案において、御審議を願つたのでありますが、今回さらに土地区画整理または土地改良事業による換地処分、または交換があつた場合におきましても、軽減をはかることとしているのであります。すなわち換地処分または交換により清算金を取得した場合には、その清算金の額を再評価額として再評価税を課税し、所得税及び法人税は課税しないこととしているのであります。また換地として土地等のみの交付を受け、金銭の交付がない場合には、そのときにおいては再評価を行わず、譲渡所得に対する所得税も課税せず、課税を延期することとしているのであります。
次に、国及び地方公共団体に対して、贈与または遺贈があつた場合におきましては、その性質にかんがみ、再評価税及び譲渡所得に対する所得税を、課税しないことといたしているのであります。
さらに、さきに制定されました森林法により、立木の伐採制限を受けた者に対して、農林漁業資金融通法により、伐採調整資金の貸付が行われる場合の抵当権の取得の登記につきましては、その実情にかんがみ、その登録税の額を現行の債権金額の千分の六・五から、千分の一に軽減することといたしているのであります。
最後に、さきに御審議を願いました所得税の臨時特例に関する法律案に関連して、外国人が対外支払い手段の提供により取得した株式の配当所得に対しましては、社債利子の場合と同様に、一般の源泉徴収税率は二〇%となつておりますのを一〇%に軽減して、急激な負担の増加を避けることとする等の措置を講じているのであります。
以上御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/2
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003・奧村又十郎
○奧村委員長代理 次は食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、日本専売公社法の一部を改正する法律案、糸価安定特別会計法案、学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲与並びにこれに伴う財政措置に関する法律案、及び旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部を有効化等に関する法律案の六法律案を、一括議題といたしまして質疑を行います。
ただいまお見えになつておられる政府委員は大蔵省主計局給与課長、同じく主計局法規課長、主税局税制課長、主税局調査課長、農林省食糧庁長官が見えておられます。内藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/3
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004・内藤友明
○内藤(友)委員 ただいま政務次官が提案の理由説明をなさいました法律案のうち、二つの法律案はまだ私どもに配付になつておらぬのです。法律案を配付なされずに提案理由を説明せられても、審議のしようがないのでありますが、これはこのごろそういうことになつたのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/4
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005・西川甚五郎
○西川政府委員 その点はよく調べましてさつそく配付いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/5
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006・内藤友明
○内藤(友)委員 大蔵省の日本専売公社の監理官がお見えになつておりますから、一、二お尋ねを申し上げたいと思うのであります。それは日本専売公社法の第四十三条に関することでありますが、四十三条に「郵便局又は市中銀行」という言葉が実は書いてあるのでございますが、市中銀行という言葉は日本の法律の中にどこにもありませんで、この専売公社法の中にしかない文字なのでありますが、まことに抽象的でありまして、何を意図してお書きになつた言葉かわからないのであります。それはそれといたしまして、実は葉タバコの収納代金は、農業協同組合が全体の九三%まで取扱つておる現状であります。しかしこの四十三条の法律では、予納金は農業協同組合に渡すことはできないということになつておりまするために、一般銀行をトンネルとして使つて、非常に無理なことをやつておるのであります。そこでこの四十三条の規定で、郵便局または市中銀行ということになつておるのを、さらに農業協同組合もしくはその連合会もつけ加えて、おやりいただくような法律の改正は願えないものだろうか。私は実は法律の中には「郵便局又は市中銀行」ということをお書きなさらずに、そういうことはこまかいことでありますから、政令で定める金融機関に扱わしめるというようなことで、専売公社としてこれは大丈夫だと思われる金融機関を、そのときそのときに応じておきめになる方が、いいのではないかと思うのでありますが、それにつきまして監理官のお心持をひとつお漏らし願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/6
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007・久米武文
○久米政府委員 ただいま御指摘になりました点は、日本専売公社法第四十三条の十八の業務にかかる現金の取扱いに関する条文のことと存じます。御指摘の通り「公社は、その業務に係る現金を国庫に預託しなければならない。但し、現金を安全に取り扱うため、日本銀行の支店又は代理店を簡便に利用できないときは、政令の定める範囲内において、郵便局又は市中銀行に預け入れることができる。」という現行条文になつております。市中銀行という、字の意味を明瞭にするという意味におきまして、法律改正をするということにつきましては、今御指摘のような意味も含めまして検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/7
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008・内藤友明
○内藤(友)委員 そうしますと、今御検討いただいておりますことは、現実に取扱つております農業協同組合も、お加えいただくという意味も含まれておるのでありますか。それをひとつはつきり伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/8
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009・久米武文
○久米政府委員 農業協同組合を含めるという意味におきまして、研究いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/9
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010・内藤友明
○内藤(友)委員 これは別なことでありますが、実は私どもの方へ、タバコの小売業者から、タバコの売上げの利益率をもう少し上げてくれという陳情が参つおるのであります。いろいろ実情を聞いてみますともつともなのでありまして、貯蔵だとか陳列に今日非常に金がかかります。また主食の代金の値上りあるいは電気、ガス、その他交通料金も上りましたため、営業費というものは以前に比べまして非常にかさんで来ておることは事実であります。従つてその利益率を何がしか上げなければならぬことになつて来ておるようでありますが、しかしこれをあまり上げますると、また専売益金の方も非常に響いて来ますので、おのずからそこには一定の限度があろうかと思うのでありますが、専売公社ではこういう問題につきまして、どうお考えなさつておられるのでありますか。もし内内でもおきめでありまするならば、ひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/10
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011・久米武文
○久米政府委員 タバコ小売人の手数料の問題につきましては、専売品たる製造タバコが順調に売れて行くように、適正なる手数料というものを定めて参らなければならぬのでございますが、現在小売人の手数料はピースが七・五%、光が八%、それからその他の新生、バット等は六%、そういうふうな率に相なつております。本年度におきましては、タバコの売上げは順調に推移して参つておるのでありますが、今後の順調な売れ行きがそのまま推移いたして参りまするならば、十二月一日からこの手数料を若干引上げる。これは全国各小売店の要望でもありまするし、また当国会におきましても、各委員からいろいろ御熱心な御用望がございます。そこら辺のところも十分考えました結果、十二月一日よりピースにつきましては現在の七・五%を八%に、光は八%でありますからすえ置きでございます。その他の現在六%の分は七%に、そういうふうな改正を予定いたしております。このことはなお別の席かと思いますが、大蔵大臣の答弁及び主計局長の答弁においても若干触れております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/11
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012・内藤友明
○内藤(友)委員 そこで十二月一日からお上げなさるのでありますが、このお上げなさるので、全体といたしましてどれだけの金額になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/12
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013・久米武文
○久米政府委員 はつきりとした数字は覚えておりませんけれども、三億六千五百万円くらいであつたかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/13
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014・奧村又十郎
○奧村委員長代理 私ちよつと政府委員にお尋ねしますが、約十億近くの引上げになるんじやないですか。というのは平均一分引上げれば、売上げ千数百億なんだから、少くとも十億以上の引上げになるんじやないですか。三億六千五百万円は非常に過小な見込みじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/14
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015・久米武文
○久米政府委員 ただいま記憶は若干はつきりしない点がございまするので、後刻資料として提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/15
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016・内藤友明
○内藤(友)委員 もう一つ簡単なことでありますが、タバコの売れ行きにつきまして、公社はいろいろ御心配になつておられまして、いつも予定の計画を遂行されておりますことにつきましては、まことにありがたいことであります。そこで私ども村へ参りましていつも感ずるのでありますが、村の農業協同組合にこういう小売をやらしたならばどうだろうかというので、出先の公社の皆さんにいろいろ頼むことがあるのであります。ところが何だか知りませんけれども、一昨年の六月の二十一日でありますか、専売公社は通牒をもちまして、農業協同組合には小売まかりならぬ、こういうふうなことをおつしやつておられるということを聞いておるのでありますが、それは事実であるか。もし事実であるならば、どういう理由で農業協同組合は小売まかりならぬのであるか。私は農業協同組合というものの性質は、組合員のお互いの物を売つたり共同購入したりするものだから、それはあるいはタバコの小売ということは、組合の本質から見てりくつが少し合わぬということがあるかも存じませんけれども、それはやり方によりましては、農業協同組合に働いておりまする責任者の個人の名前でもけつこうであります。いずれにしましても、村の組合というものは村の人が集まるところで、そこで物を買い、また米も持つて来るというところなのでありますから、たやすいところでタバコを売るというようなことになつておりますと、農業の諸君に便利でもあるし、非常にいいのではないかと思うのでありますが、もし農協というものの本質論から、それはいけないということであるならば、少し考え方をかえればできないこともないと思うのであります。そういう点につきまして、公社は通牒まで出してまかりならぬとおつしやるのは、どうかと思うのでありますが、そういう通牒が出ておるのかどうか。それはこういうわけなんだということをお知りでありますれば、ひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。そして今日は多少支障があるかもしれませんけれども、将来は農業協同組合にやらせようというお心持があるかどうか。それもあわせて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/16
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017・久米武文
○久米政府委員 タバコの小売人につきましては、タバコ専売法の定めるところに従いまして、小売人の免許の申請がございますれば、必要な要件を備えているかどうかということを判断いたしまして、措置いたしておるわけでございます。ただいまの特に御指摘になりました通牒につきましては、午前中私その通牒を確認いたした上でお答えしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/17
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018・川野芳滿
○川野委員 先ほど内藤委員の質問に対しまして、タバコ小売人の販売、利益率の問題について近く引上げを行う、こういう御答弁でまことにけつこうであると思います。ところがしようのうは台湾を失いました現在のわが国におきましては、南九州の一部分でしようのうをつくつておるという現状でございますが、しようのうの政府買入れ価格を引上げてもらいたい、こういう陳情が実は前からあるわけでございまするが、引上げがまだないのであります。この点についてはどういうお考えを持つておられるか、お伺いしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/18
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019・久米武文
○久米政府委員 しようのうの価格の点につきましては、いろいろ従来から御要望がございまして、専売公社としての御趣旨に沿いまして、十分適当な結論を今後も見出して行きたいと考えております。なお本年の夏に若干引上げをいたしたように記憶しておりますが、その引上げでなお不十分であるというふうな事情でありますれば、その実情をよく調べまして適当な措置をとらなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/19
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020・川野芳滿
○川野委員 今年の夏にわずかな価格の引上げがあつたわけでありますが、あのくらいのことでは採算がとれない、こういう業者の立場で、特に関係地域から先般も数人はるばる東京に参りまして、専売公社に陳情申し上げた、こういう事情でございます。ベースも引上げの今日でございますし、また山代金等も相当上つておりますことは、御承知の通りでありますので、早目に引上げの決定をしていただきたい、こういうふうに希望申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/20
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021・岡良一
○岡(良)委員 私は、学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲与並びにこれに伴う財政措置に関する法律案に関連いたしまして、文部当局の意向を徴したいと思うのであります。この法律案は学童給食に重大な関係をもつているものであります。そこで先般来学童給食の存続については全国的に、父兄といわず、学校といわず、その存続についてほうはいたる輿論が巻き起つて、文部大臣もその実現に相当な努力をせられ、ようやく納得の行く解決を見たわけでありますが、この学童給食の問題にからみまして、新聞紙の伝えるところによりますと、文部省の一部幹部の中に汚職事件があつた。この学童給食は、言うまでもなく学童の共同親和の精神を養い、また主婦の負担を軽減し、あるいは子供の栄養を高め、また合理的な栄養摂取というふうないろいろな意味において、きわめて教育的な効果の多い施策であります。従いましてかかる問題について、文部省当局において忌まわしい汚職事件が起つたということは、単なる刑法上の事犯にとどまらない。もしこの新聞記事を見た子供が、お父さんに向つてこの問題を聞きただされたときには、その父兄は当惑せざるを得ない。これは実に教育上、道義上の大きな責任問題であろうと思うのでありますが、まず管理局長よりその真相について、忌憚のないところを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/21
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022・久保田藤麿
○久保田政府委員 御指摘の点につきましては、昨日もこの席で深く私としては陳謝の意を表しているわけであります。また正直なところ私も、どの点にどういう関係があるのかというようなことを、確認いたすところまで行つておりません。そんなような状態でございますので、目下のところはただ世間さまに、そういう意味でのお騒がせをいたしたということについて、深く心からおわびいたしたい。また教育全般について、学童の心にそうした悪影響を与えているということについても、同様のおわびを申し上げる次第でございまして、いましばらく事件の明らかになりますのを待ち、その上で措置を考えたいというふうに存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/22
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023・岡良一
○岡(良)委員 事犯の具体的な内容については、まだ十分おわかりにならないというお話でありますが、きわめて遺憾であります。本日の読売新聞によれば、文部大臣のいわゆる国民実践要領の草案というものが出ておりますが、その第一章にも、個人の項において、「いかなる場合でも不正不義を避けなければならない、常に正しい人が世の光である」と明らかにうたつている。これは一文部大臣だけではなく、おそらく文部省首脳部の諸君が協議決定せられた、国民の実践要領であろうと思いますが、こういうふうな美しい言葉を高く掲げながら、そのひざ元において、しかも教育上ゆゆしい影響を学童に及ぼすようなそういう汚職事件がありながら、いまだにその内容についてわれわれにそれを公表する段階に至つていないということは、私は文部省の非常な怠慢であると遺憾に思わざるを得ないのであつて、この問題は、繰返し申し上げまするが、単に刑法上の事犯ではなく、道義上、教育上の重大な問題として、勇断をもつて文部省も迅速にこれが処置については、納得の行く解決を与えられんことを切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/23
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024・高田富之
○高田(富)委員 ただいま御質問がありました学童給食にからむ汚職事件、収賄等の疑いをかけられた件でありますが、この問題は、ただいまもお話がありました通り非常に重大な問題でありまして、いやしくも教育上並びに児童の保健の必要上、国庫から莫大な金を出しまして給食を継続しようというやさきに、たまたまこういう大き問題が起りましたので、これにつきまして責任ある当局としては、当然事の真相を本委員会を通じて、全国民の前に詳細にわたつて明らかに曽ていただく必要があると思うのです。まず第一にこの点についてお伺いしたいことは、先般新聞紙上で伝えられましたところによりますと、給食用の大豆の加工を特定の業者に委託させた。大体特定の業者に委託したということ自体この種のものの扱い方に対する通牒か規則か何かあると思いますが、これに対する違反であるということが第一点。またこのときには、特に公取委員会から、独禁法違反であるというような警告があつたということがここに出ております。従つて、このような特定の業者に委託するやり方については、いろいろな問題がありますが、これについての見解はどうか。この点をお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/24
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025・久保田藤麿
○久保田政府委員 御指摘のように、道徳的観点において大いにこれを考えなければならぬということは、私も十分了承をいたします。ただ特定業者の選定の問題でございますが、私どもも普通一般の場合、たとえば運送といつたような種類の単純な仕事の場合には、できるだけその仕事の関係を明白にします意味合いで、競争入札と申しますか公入札と申しますか、そういう手当をいたしております。今度の大豆に関連しての場合には、これを一番簡単に扱います方法で申せば、地方に全部分散させて一一切の責任を地方で負つてもらうようなやり方も一つの方法であると思います。もう一つは、できるだけ私どもの関係において全責任を負つて行く形をとる。この両方の極端な場合を考えたわけであります。元来一般の問題の考え方として、この給食のような種類の仕事はできるだけ地方に分散して、その責任をばらばらにするというやり方はとらない方がよろしいと、日ごろから考えておりました。今度の問題についても、できるだけ分散するという方法を避けたいという考え方は、基本的に持つておつた考え方であります。ことにこの大豆を放出してもらうという関係につきまして、関係筋との話合いの点において、多少私の誤りの部分があつたかもしれませんが、少くともそういう決定をいたします当時の認識としましては、どういう形において関係筋の推挙に合して行くか、しかもそこに間違いを起こさないように持つて行くかという観点から、判断したやり方であつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/25
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026・高田富之
○高田(富)委員 当時の新聞紙上伝えるところによりますと、この問題につきまして、安本の方ではしようゆ、みそ製造業者のリストをつくりまして、文部省にあてて、この中から競争入札で指定した方がいいということを連絡してある。ところが文部省の方では、そういう方法をとらずに、今度問題になりました富士醤油会社へ指定をしてしまつたので、これを安本の方ではふしぎに思つた。それで文部省の方へ連絡をしてみたところが、文部省の方では久保田管理局長が、これは自分が扱うので、何も変なことはないんだというようなことを言つたということから、相当ここに疑惑が持たれているというようなことが伝えられております。これにつきましては、従来この種のものの配給の例につきましても、あるいは小麦粉等の配給については、通牒が各府県の教育長あてに出ておるし、この扱い方には一定のきちんとしたあれがあると思うのでありまして、こういうふうに特定のものを選んで、入札制によらないでやつてしまうということになれば、コストが相当高くついてしまうことは常識的にわかる。なぜ安本の方から出したりストの中から競争入札の方法をとらずに、特定の業者に一括してやつてしまつたか。その間の事情があれば、詳細に御説明願わないことには了解がつかないのであります。その間の事情がありましたら、述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/26
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027・久保田藤麿
○久保田政府委員 ただいま御指摘の点は、先般文部委員会でも同じことがございました。そのときにもお答えいたしておきましたので、まつたく重複する形になると思いますが、安本から私にそういう直接のお話があつたという記憶は、毛頭持つておりませんし、また係の方からそういう連絡を受けたことも、私の記憶にはございません。それからなぜ公入札にしなかつたという点を、できるだけ具体的に話せというお話でありますが、第一の点は、その当時の私の確認におきましては、関係筋の推挙という点が第一にあります。第二の点は、その当時の業界の持つておりますストックの関係、第三の点は、当時の業界にこれを委託する場合に、どういう形がそこに現われるであろうかということについての、私の判定の問題でございます。それから第四には、この場合価格がどういう形にな下るかということについては、私どもだけでなく、そういうことに対して責任を負つてもらえる関係筋に十分連絡をつけて、そこに明白な線を出そう、こういう構えからその点を決定いたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/27
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028・高田富之
○高田(富)委員 このときに大豆の総量は四千四百トン、その四千四百トンが太平商事の所在地に送られたときは、四千百八十トン、五%減になつておつた。さらにその後のロス等が見込まれて、四千百八十トンの七七%分に減つて、最後には三千百トン、それで残余の二千二百トンをトーン当り三千二百円で、今問題になつておる土屋氏に払い下げた。ところがこれは時価四千円といわれておるものであつて、三千二百円という非常に安い価格で、土屋氏のところへ払い下げたということもいわれておりますが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/28
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029・久保田藤麿
○久保田政府委員 ただいまの御指摘の点も、それとまつたく同一の御質問が、文部委員会において共産党の方からあつたのでございますが、それはまつたく何かの誤認ではありますまいか。大豆が神戸からそれぞれの油会社に運ばれました場合の計数は、全然そういう事実はないはずでございますし、それから三千円、四千円の関係も、大豆の問題としてそういうことは全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/29
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030・高田富之
○高田(富)委員 それではこまかい点は別といたしまして、この業者に一括依頼したということのために、その業者にはそれだけの設備がなくて、たくさんのところへ下請させて、そしてその間にたくさんのマージンがとられ、さらにそういうのを一括して中央へやつたために、各種の製品が非常に交錯して、全国的に輸送するという点からいたしまして、コストが非常に莫大なものになつてしまつた。もしこの場合大豆を通常の方法によつて末端へ配給いたしまして、各府県でその嗜好に合うように、合理的にその地方で加工させるという方法をとれば、はるかに安く、かつ嗜好に合うものを配給することができたのではないかと、常識的に考えられるのですが、それにもかかわらず特定の業者に委託したということは、どうも納得が行かない。この点についているく疑惑を持たれ、あるいは収賄とか何とかいうことがいわれて、すでに検察当局の問題にもなつております。ですからこの際あなたは、特に直接関係のある責任者として、この問題について自分の手落ちと思うところはどことどこであつて、今後そういうことのないようにする。それからその他の疑惑を持たれておる点について、全然その疑惑が間違つておるなら、間違つておるということについての結論的な当局の責任ある言明を、要望したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/30
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031・久保田藤麿
○久保田政府委員 御指摘の私が最も誤りであつたろうかと思う点を述べろという部分について、お答えいたしますが、それは業者の選定そのことについて、私が誤つたというよりも、むしろ司令部との推挙関係について、あるいは誤認があつたのではあるまいかという部分を、私は今深く反省いたしております。しかしこの点は、私が最もその点で対象にしなければならない特定の人らが現在おりませんので、その点の確認ができないことを、私はまことに残念に思つておりますが、その点は関係筋の推挙のいかんの確認に帰すると思つております。
それから輸送費やなんかの関係について、計算的にどうかというお話がございましたが、これは油にしますことがまず基本線でありまして、油にしますためには最も簡単な状態にあるものを運ぶのが、運賃として一番安く計算できる。これを複雑な加工をした後において、あちらこちらに送る関係のために出て来る差額といつたようなことは、一応計算してみたのでございます。
第三のこれらの結末が一応出るならば、また現在これがそういう意味において、エラーであつたということに確定しましたときの私の責任というお話でありますが、この部分はいま少し関係をはつきりさせた上で、私としてももちろん考えることは考えなければならぬと思つております。むしろこの事件自体の問題でなくて、今後学校給食が正常な形で成長いたしますために、どういう手段を考えたらいいか、また現在この仕事が進行途中でありますので、いかにそこに効果的な結果を出させるかという点に、私は今専心苦心いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/31
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032・奧村又十郎
○奧村委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/32
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033・西村直己
○西村(直)委員 議事進行に関しまして動議を提出いたします。ただいま議題となつております六法律案のうち、旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律案、並びに食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案を除いた四法律案につきまして、すでに質疑も尽きたと思いますので、この際右四法律案につきまして、質疑を打切られんことの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/33
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034・奧村又十郎
○奧村委員長代理 ただいまの西村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/34
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035・奧村又十郎
○奧村委員長代理 御異議ないようでありまするから、さよう決定いたします。
それではまず日本専売公社法の一部を改正する法律案、及び学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲与並びにこれに伴う財政措置に関する法律案の両案を、一括議題として討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/35
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036・西村直己
○西村(直)委員 ただいま委員長から御発言のありました両法律案につきましては、討論を省略し、ただちに採決に入られんことの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/36
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037・奧村又十郎
○奧村委員長代理 西村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/37
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038・奧村又十郎
○奧村委員長代理 異議ないようですから、右両案については討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。右両案に賛成の諸君の起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/38
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039・奧村又十郎
○奧村委員長代理 起立総員。よつて右両案はいずれも原案の通り可決いたしました。
次に糸価安定特別会計法案、及び国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。内藤友明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/39
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040・内藤友明
○内藤(友)委員 ただいま議題となりました二つの法案につきまして、条件をつけまして賛成をいたします。
まず糸価安定特別会計法案でありますが、これは繭も将来買い上げるということの希望をつけましてこれに賛成いたします。
それから国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、これにつきまして希望付で賛成いたしたいと思うのであります。その希望と申しますのは、閉鎖機関整理委員会に勤めております職員は、これは機構の改廃または予算実行上の要請に基いて退職するものでありまして、この法律の附則第六、第七項によりまして、その退職者の手当の支給基準がきめられているのであります。ところがこの支給基準は、今回改正されますこの支給基準に比べまして、著しく悪くなつておりますので、この点を将来さらに適当に法律を改められることを希望いたしまして、ただいま提案になつておりますこの法律案に対して、賛成いたすものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/40
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041・奧村又十郎
○奧村委員長代理 高田富之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/41
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042・高田富之
○高田(富)委員 ただいま議題となりました糸価安定特別会計法案に対しまして、日本共産党は反対であります。
これは農林委員会におきましても、実体法につきまして相当議論のあつたところによつて明らかな通り、わが国の蚕糸業というものは、零細な農家による特殊な生産の形態をとつておりまして、その生産コストを常に不当に割るような価格がつけられるのが通例であります。また製糸業におきましても、中小製糸業者が相当多数であり、今日その生産の形態、労働条件等におきましても、国際的にもまれに見る原始的な形態にある特殊な企業であります。従つてこの企業は相当の保護育成策をとらなければ、適正な労賃並びに利潤を保障することはできない性質のものであります。しかもわが国の生糸は、世界的にも独占的な商品でありまして、他に追随を許さない商品であります。従つてもしこれが自然の貿易関係にゆだねられるならば、相当の高価格がおのずから成立できる要素を持つております。今これに対して相当の保護育成策を政府がとるならば、かなりの程度において引合うところの、わが国としては唯一の貴重な産業であります。しかるに最近におきまして、たまたま糸価が高騰したということのために、購買看たる外国の方から高過ぎるじやないかというようなことを言われまして、これによつて糸価の高騰を押えんとするがごとき傾向にありますことは、先般の国際絹業会議の勧告を見ても明らかな通りであります。このようなことでは、せつかくわが国において唯一の外貨獲得のための独占商品である蚕糸業に対しまして、非常な国際的な圧力を受け、その結果依然として農家並びに中小製糸業者及びそれに雇われている労働者が、不当な圧迫をこうむるということになるのでありまして、まことにこれは不都合なものであるといわざるを得ないのであります。ことに最近におきましては、綿花の輸入等においても、相当の高い価格で綿花を輸入しております。繊維製品につきましては、綿が中心になりまして、価格の変動があります。綿花が高いときには、わが国の生糸も相当高いのが当然であります。従つてわれわれは、一方買う方の綿花は野放しに高いものを買わされ、売る方の生糸は、不当なところに押えられるというところから出て来た本法案は、そもそものねらいがそこにあるということが明確である以上、われわれはかかる立場に対しては、徹底的に反対しなければなりません。そうして糸価の暴落のときに、これを保護的な立場から安定させるということは、むろん必要でありますが、それには生産費を厳密に計算いたしまして、適当な利潤を保障する、最低価格を保障するということで足るわけでありまして、今回のねらいは、むしろそうではなく、高騰を押えるということにありまして、はなはだこれは不当なものであることは明らかであります。以上の理由で、わが党はこの糸価安定特別会計法案には反対であります。
それから国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきましても反対であります。
退職手当を出すということはむろん賛成でありまして、むしろこれは足らない、もつと出さなければいけませんけれども、今回の退職手当法というのは、先般本院を通過いたしました定員法によりまして、きわめて不当な警察国家を編成するための人員を増加するために、一方必要な方面の人員を減らすという性質の不当な行政整理、首切りを促進するために、退職者に対して若干のものを出そうというふうな裏づけになる法律であります。従つて今日職員は、この退職手当の問題などは問題にしておらない。この不当なる行政整理の撤回ということが、中心の問題となつておるのでありまして、このような不当な行政整理の裏づけである本案に対しましては、反対せざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/42
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043・奧村又十郎
○奧村委員長代理 八百板正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/43
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044・八百板正
○八百板委員 私はただいま議題となつておりまする両法案に対しまして反対するものであります。
反対の理由につきましては、先ほど反対の意見として述べられた点に、やや通ずるものがあるのでありまするが、まず第一に糸価安定に関しては、事実しかんじんな繭価の安定についての考慮が払われておらないという点に、賛成することができないわけであります。なお糸価安定につきましても、事実上、中小製糸家の保護を、これによつて達成することはできないという点で、賛成することはできないわけであります。
次に退職金に関する点につきましては、これまたこの前提となりましたところの定員法、首切りそのものに対して、われわれは賛成することができないのでありまして、これに基くところの退職金、これを定めましたところの本法案に対しましては、賛成いたしがたいわけであります。
以上簡単に反対の理由を述べまして、日本社会党二十三控室の意見を述べる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/44
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045・奧村又十郎
○奧村委員長代理 討論は終局いたしました。
これより右両案の一括議題として採決に入ります。右両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/45
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046・奧村又十郎
○奧村委員長代理 起立多数。よつて原両案はいずれも原案の通り可決いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/46
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047・奧村又十郎
○奧村委員長代理 次に食糧管理特別会計の歳入下足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、質疑を継続いたします。宮腰喜助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/47
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048・宮腰喜助
○宮腰委員 ただいまの議題の問題について、一般会計から特別会計に赤字補填のために繰入れた事件がたびたびあります。また本法案に関する繰入れ問題については、反対をするものではありませんが、食糧管理特別会計が一般会計から赤字補填に繰入れられている事件については、われわれの前回の委員会でも問題になり、また決算委員会でたびたび指摘されている点がたくさんあります。こういうような問題が今まで繰返されて参つたのでありますが、ことに公団の清算について、長官も御存じのように、十分なる監督が行き届いてない点があるのであります。こういう問題に関しまして、今後のこの公団の清算について、監督は大蔵省の管財局で監督するものであるか。あるいはまた食糧庁長官の安孫子さんの方で監督するものであるか。その点を一応お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/48
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049・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 公団の清算人につきましては、直接監督、直接の責任は大蔵大臣であります。従つて大蔵大臣の方から清算人が任命されまして、清算事務に当つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/49
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050・宮腰喜助
○宮腰委員 これは名前を発表すると、本人の名誉にも関することでありますが、これは安孫子長官も御存じの事件でありまして、長官とも交渉した問題の事件ですが、本人はその後どういう始末をつけておりますか。あるいはまた解決の緒が見えておるかどうか。その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/50
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051・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 ちよつとはつきりいたさなかつたのでありますが、どういう問題でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/51
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052・宮腰喜助
○宮腰委員 これはある大きな醸造会社の支払金について、食糧公団の方ではこの責任は自分の方にないのだ、従つてその酒造会社に責任があるのだという責任の転嫁のなすり合いについて、長官並びに食糧公団と交渉しておつたてんまつについて、長官も御存じのはずです。この問題については、本委員会が氏名を発表することは避けますし、また本人の名誉にもかかわると思いますが、あの事件の内容としては、刑事事件にも相当する問題でもありますが、その問題をその後どういうふうに御処置願つたか。その点をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/52
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053・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 私も想像にわたつてお話申し上げますが、その問題はただいま公団の清算側と私の方とで、いろいろ交渉いたしておりますが、まだはつきりした結論には到達しておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/53
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054・宮腰喜助
○宮腰委員 これは至急に解決をつけなければ、災いを将来に残すのでありますから、至急にその問題を片づけていただかなければ、私は監督官であつたところの長官も、監督不十分の責任を負わなければならぬじやないかという疑問を持つて参ります。ぜひ至急にその問題を片づけていただきたい。
それからその後麻袋等について特別な法人をつぐつて、何らか商売をやろうという計画をされておるということを、あるところから聞いておりますが、そういうような輸入米の麻袋の会社について、長官の御存じになつている範囲を伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/54
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055・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 前段の問題につきましては、至急に解決いたしたいと思います。
麻袋の会社をつくるという話は私は承知いたしておりません。ただこういう事情はございます。麻袋が相当逼迫をいたしておりまして、食糧の需給上麻袋の操作というものも大きな意味を持つておりますので、これは政府が一手に持つている形になつております。それが政府が一手に一々処置をいたしますことは、いろいろできません事情もありますので、協議会をつくりまして、そこで大体全般の動かし方について計画を立てて、実行いたしておるというものはございます。会社の問題は存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/55
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056・八百板正
○八百板委員 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、ちよつとお尋ねいたしたいと思いますが、大体政府は食管特別会計というものを将来どうするお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/56
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057・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 それは結局食糧政策に関する基本問題にからんで来る問題であります。先般の政府声明で一応見送りになりましたけれども、食糧需給調節法というようなものを策定いたしますれば、食管特別会計はやめまして、食糧需給調節特別会計というものに組みかえるという構想は、一時持つておつたのであります。御承知のように米穀法当時から、米穀需給調節特別会計というものもありまして、ずつと継続して、食糧管理法になりましてから、食糧管理需給調節特別会計というようにかわつて来たわけであります。今後も手放しの食糧政策というものは、おそらくあり得ないだろう。少くとも需給調整のところまでは行くのだろう。そういたしますれば、この会計は需給調節特別会計というように、肩がわりするのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/57
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058・八百板正
○八百板委員 それからこの際ちよつと承つておきたいのですが、米価はいつごろどんなふうにきめる方針ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/58
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059・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 大体今月末に、先ほど麦価をきめます際に、想定米価として発表いたしております七千三十円という線を、ぜひ実現したいということで進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/59
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060・八百板正
○八百板委員 もし今日伝えられるように、七千三十円の線がパリティ指数の変化等によつて保持されずして、万一これより下まわる価格できめられる場合には、この七千三十円に基いてきめられた消費者価格による配給が行われておることは、承知しておるのでありますが、その消費者の負担として、すでに支払われておる分は、食管会計の上でどういうふうに取扱われるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/60
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061・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 七千三十円は、実質的にぜひ実現をいたしたいと思つておりますので、ただいまのところ七千三十円を割つた場合の差益を、現在の消費者価格の引下げというものに使うか、どうするかという点につきましては考えておりません。七千三十円を相当割りますれば、筋合いとしては消費者価格を引下げるという方に、使うべきものだろうと思います。しかしながら生産者価格は、大体現在の情勢からいたしまして、七千三十円をぜひ確保いたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/61
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062・八百板正
○八百板委員 消費者価格が引下げられた場合に、すでに支払われておる消費者負担分を、食管会計の中でどつちに持つて行くかというふうな点について、この際考え方をちよつと聞かしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/62
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063・安孫子藤吉
○安孫子政府委員 過去における問題でなく、その分も見込みまして、将来における消費者価格というものを算定し、消費者価格をきめて行くということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/63
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064・西村直己
○西村(直)委員 動議を提出します。ただいま議題となりました食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、質疑も尽されたと思いますので、質疑打切りの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/64
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065・奧村又十郎
○奧村委員長代理 ただいまの西村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/65
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066・奧村又十郎
○奧村委員長代理 御異議がないようですから、さよう決定いたします。
食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案を議題として討論に入ります。討論は通告順にいたします。岡良一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/66
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067・岡良一
○岡(良)委員 ただいま御提出の法律案に対して、日本社会党の立場から反対をいたします。
反対の理由は、必ずしも不足補填をインヴエントリー・フアイナンスよりする繰入れによつてまかなうことに、反対をするのではないのでありますが、一般会計からする繰入れに対して反対をいたすのであります。国民の血税を大宗とするところの一般会計から、この特別会計の歳入不足の補填のための資金操作をするということに対しては、むしろかかることをするよりも、われわれは日本銀行なり運用部資金なりからの借入金をもつて、この資金操作をするのが妥当であろうと考えられまするし、かつはまたそれほどの余裕金があるならば、むしろそれをもつて政府の公共投資なり、減税その他の措置に充つべきが至当と考えるのでありまして、かかる事情から一般会計よりする繰入れに対しまして、日本社会党は反対の意思を表示する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/67
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068・奧村又十郎
○奧村委員長代理 高田富之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/68
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069・高田富之
○高田(富)委員 日本共産党は本法案に反対するものであります。
この食管会計の運用等につきましては、本委員会あるいは農林委員会におきまして、わが党からもまたその他の委員諸君からも、内容のより詳細なる説明を求めたにもかかわらず、なお十分納得するに至つていない点が多々あるようであります。特に中間経費につきましては、倉庫料、運搬料、業者のマージンその他につきまして、特に日通に支払う運搬費等の問題につきましては、なお多大の疑問点があるのでありまして、本来これらの点を相当合理的に明瞭に運用するならば、まだ中間経費を相当圧縮することも可能であろうということは、一般に考えられておる通りであります。従つて私どもは、安易にこういうふうな赤字補填のために、国民の血税をつぎ込むというやり方に対しては、反対せざるを得ません。特に今回のごとく政府の食糧政策が、非常に大きく絶えず動揺を続ける状態のもとにおきまして、本年度の食糧の供出量につきましては、まつたく見通しは困難といわざるを得ません。このように食糧政策の根本が大きく動揺しておるさ中にありまして、これを金額の上で計算をするバランス・シートをつくるというようなことは、不可能といわざるを得ません。しかるに今日こういうふうに繰入れをやろうというようなことは、まつたく矛盾撞着しておるといわざるを得ないのであります。従つてわが党は本案に反対であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/69
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070・奧村又十郎
○奧村委員長代理 八百板正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/70
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071・八百板正
○八百板委員 一般会計から繰入れるというインヴエントリー・フアイナンスの繰作そのものに対して、われわれは賛成することができないのであります。次に食管特別会計そのものが、食糧政策について何ら一貫した政策が政府のもとに樹立せられておらない。この場合において、このような繰入れを行うということに対して、これまた賛成できないわけであります。
以上の理由によつて、日本社会党第二十三控室を代表して、本案に反対いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/71
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072・奧村又十郎
○奧村委員長代理 討論は終局いたしました。
これより右案を議題として採決に入ります。右案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/72
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073・奧村又十郎
○奧村委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なお以上五法案の報告書の作成及び提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
本日はこれをもつて散会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204629X01919511117/73
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