1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十六日(月曜日)
午前十一時十五分開議出席委員
委員長 小金 義照君
理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
理事 今澄 勇君
今泉 貞雄君 榊田 博君
澁谷雄太郎君 中村 純一君
福田 一君 南 好雄君
村上 勇君 西村 榮一君
風早八十二君
出席政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
委員外の出席者
工業技術庁長官 井上 春成君
専 門 員 谷崎 明君
十一月二十日
委員永井要造君辞任につき、その補欠として大
上司君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
委員阿左美廣治君大上司君及び中村幸八君辞任
につき、その補欠として江花靜君永井要造君及
び池田勇人君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
委員池田勇人君及び江花靜君辞任につき、その
補欠として中村幸八君及び阿左美廣治君が議長
の指名で委員に選任された。
同月二十六日
委員加藤鐐造君辞任につき、その補欠として西
村榮一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
理事中村幸八君が理事に補欠当選した。
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十一月二十六日
企業合理化促進法案(小金義照君外三十四名提
出、衆法第七号)
同月二十一日
外国映画輸入に関する請願(風早八十二君紹
介)(第一六二三号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十二日
電力の緊急対策等に関する陳情書
(第九三七号)
電源開発等に関する陳情書
(第九三八号)
企業合理化促進法案に関する陳情書
(第九三九号)
電力危機打開に関する陳情書
(第九四〇号)
けい肺特別法制定に関する陳情書
(第九四一号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
小委員及び小委員長の補欠選任
連合審査会開会に関する件
企業合理化促進法案(小金義照君外三十四名提
出、衆法第七号)
地下資源開発及び合理化に関する件
工芸指導所東北支所存置等に関する件
請願
一 大淀川発電所復元に関する請願(平井義一
君紹介)(第七六号)
二 奥只見川流域変更による電源開発反対の請
願(菅家喜六君紹介)(第一〇四号)
三 電源開発促進等に関する請願(辻寛一君紹
介)(第一八七号)
四 工業技術庁陶磁器試験所廃止反対の請願(
大石ヨシエ君紹介)(第一八八号)
五 中小企業に対する金融対策確立に関する請
願(大石ヨシエ君紹介)(第一八九号)
六 電気料金値上げ適正化に関する請願(松浦
東介君紹介)(第三六三号)
七 電気料金値上げ反対の請願(佐藤重遠君外
四名紹介)(第三六四号)
八 同(關内正一君外一名紹介)(第三六五
号)
九 中小企業者に対する金融対策強化拡充の請
願(塩田賀四郎君紹介)(第四四七号)
一〇 工業技術庁陶磁器試験所東海支所廃止反対
の請願(多武良哲三君紹介)(第四四八
号)
一一 丸山ダム建設に伴う治水利水権に関する請
願(江崎真澄君紹介)(第四八五号)
一二 電気事業による公納金増額並びに保証年限
延長の請願(岩本信行君紹介)(第五一五
号)
一三 輸出球根を貿易調整品目等に指定の請願(
遠藤三郎君紹介)(第五七二号)
一四 水火力調整金制度撤廃等の請願(植原悦二
郎君紹介)(第六〇六号)
一五 積算電力計購入資金として見返資金融資等
に関する請願(多武良哲三君紹介)(第六
〇七号)
一六 工業技術庁陶磁器試験所廃止反対の請願(
大石ヨシエ君紹介)(第六四八号)
一七 電力増強対策確立に関する請願外一件(星
島二郎君外一名紹介)(第八五八号)
一八 国内がーキサイト開発に関する請願(高橋
權六君紹介)(第九〇七号)
一九 東北地区の電力使用制限緩和等に関する請
願(庄司一郎君紹介)(第九〇八号)
二〇 グリニッチ島の燐鉱石採掘に関する請願(
庄司一郎君紹介)(第九五九号)
二一 須原発電所電力増強工事施行の請願(田中
角榮君紹介)(第一〇一二号)
二二 電源開発助成法制定等に関する請願(有田
二郎君紹介)(第一〇五三号)
二三 電力増強対策確立に関する請願(有田二郎
君紹介)(第一〇五四号)
二四 電気料金値上等に関する請願(中島茂喜君
外一名紹介)(第一〇七九号)
二五 水火力調整金制度撤廃等の請願(倉石忠雄
君紹介)(第一〇八〇号)
二六 鉱毒対策費国庫補助に関する請願、(小澤
佐重喜君紹介)(第一二一六号)
二七 鉱山資源開発道路開設費国庫補助に関する
請願(中村幸八君紹介)(第二一一七号)
二八 電力危機突破並びに電源開発に関する請願
(上林與市郎君紹介)(第一二一一八号)
二九 同(勝間田清一君紹介)(第一二一九号)
三〇 同(田中織之進君紹介)(第一二二〇号)
三一 同(八百板正君紹介)(第一二二一号)
三二 同(成田知巳君紹介)(第一一二二号)
三三 同(佐々木更三君紹介)(第一二二三号)
三四 同(青野武一君紹介)(第一一二四号)
三五 同(鈴木茂三郎君紹介)(第一二二五号)
三六 同外一件(赤松勇君紹介)(第一二二六
号)
三七 産金奨励に関する請願(今澄勇君紹介)(
第一三〇九号)
三八 只見川電源開発促進に関する請願(渡邊良
夫君紹介)(第二二〇号)
三九 中小企業等協同組合法の一部改正に関する
請願(千葉三郎君外一五名紹介)(第一三
八七号)
四〇 中小企業資金融通法制定に関する請願(千
葉三郎君外五名紹介)(第二二八八号)
四一 電力刊限許可制に関する請願(松永佛骨君
紹介)(第一四一〇号)
四二 東北の開港場に輸出物資検査出張所設置の
請願(大内一郎君紹介)(第一四一一号)
四三 浮海選炭機設置費国庫補助等に関する請願
(平井義一君紹介)(第一四三二号)
四四 中小企業者に対する融資対策確立の請願(
坂本泰良君紹介)(第一四五二号)
四五 電源開発促進等に関する請願(坂本泰良君
紹介)(第一四五三号)
日程追加
一 外国映画輸入に関する請願(風早八十二君紹
介)(第一六二三号)
陳情書
一 南西諸島向輸出品に対する輸出品取締法一
部緩和に関する陳情書
(第
九号)
二 電源の開発増強促進に関する陳情書
(第二一号)
三 北陸通商産業局設置に関する陳情書
(第五三号)
四 中小企業金融打開策に関する陳情書
(第八
二号)
五 中小企業振興対策に関する陳情書
(第八三号)
六 北海道における電源開発増強促進の陳情書
(第一三五号)
七 暖ちゆう房用家庭炭の確保に関する陳情書
(第二二五
号)
八 奥只見川流域変更による電源開発反対に関
する陳情書
(第二二九号)
九 度量衡事務諸手数料の収入を地方庁へ委譲
の陳情書
(第二三七号)
一〇 中小企業の滞貨金融に関する陳情書
(第二六八号)
一一 中小企業等協同組合の育成強化並びにその
課税免除に関する陳情書
(第三〇一号)
一一 電気需給調整規則改訂に関する陳情書
(第二二一
号)
一三 貿易振興に関する陳情書
(第三一五号)
一四 只見川電源開発の促進協力に関する陳情書
(第三四〇
号)
一五 ガス料金減額に関する陳情書
(第三五
四号)
一六 北海道における中小企業金融難打開等に関
する陳情書
(第三五八号)
一七 中小企業金融対策に関する陳情書
(第四〇八号)
一八 電気需給調整規則改訂に関する陳情書
(第四〇九号)
一九 事務用機器の輸入割当確保に関する陳情書
(第四一一号)
二〇 東北興業株式会社に対する水力発電事業実
施促進に関する陳情書
(第四一七号)
二一 若狭地方の電力所属変更に関する陳情書
(第四七
〇号)
二二 度量衡事務諸手数料の収入を地方庁へ委譲
の陳情書
(第五一〇号)
二三 電力危機打開に関する陳情書
(第六〇四号)
二四 電力下足の対策に関する陳情書
(第六〇五
号)
二五 電源開発等に関する陳情書
(第六〇六号)
二六 中小企業資金拡大強化に関する陳情書
(第六〇
七号)
二七 輸入不振の現状打開策に関する陳情書
(第六九五号)
二八 工業技術庁陶磁器試験所廃止反対に関する
陳情書
(第六九六
号)
二九 中小企業振興助長法の制定促進と危機打開
策に関する陳情書
(第六九七号)
三〇 信用保証協会の法制化並びに国家再保証に
関する陳情書
(第七五五号)
三一 電源開発と国有鉄道電化促進ご関する陳情
書(第八
二九号)
三二 電源開発と離島及びへき地の電化助成対策
に関する陳情書
(第八三〇号)
三三 亜炭鉱害復旧国庫補助に関する陳情書
(第八三二号)
三四 暖房用石炭価格に関する陳情書
(第八喜二号)
三五 電力危機打開等に関する陳情書
(第八三四号)
三六 長野県電力料金の地域差設定及び水火力調
整費撤廃に関する陳情書外一件
(第八三五号)
三七 電源開発に関する陳情書
(第八三六号)
三八 自転車競技法中国庫納付金改正に関する陳
情書(第八三
七号)
三九 第三・四半期の電力割当増加に関する陳情
書(第八三
八号)
四〇 東北地方鉱山製錬事業の電力使用制限の是
正緩和に関する陳情書
(第八
三九号)
四一 電気事業に係る公納金増額及び保証年限延
長に関する陳情書
(第八四〇号)
四二 電力の緊急対策等に関する陳情書
(第九三七号)
四三 電源開発等に関する陳情書
(第九三八号)
四四 企業合理化促進法案に関する陳情書
(第九三九号)
四五 電力危機打開に関する陳情書
(第九四〇号)
四六 けい肺特別法制定に関する陳情書
(第九
四一号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/0
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001・小金義照
○小金委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。この際委員の変更についてお知らせいたします。去る二十日永井要造君が辞任せられて大上司君が、二十一日阿左美廣治君、大上司君及び中村幸八君がそれぞれ委員を辞任せられて、江花靜君、永井要造君及び池田勇人君が、二十二日池田勇人君及び江花靜君が委員を辞任せられて、中村幸八君及び阿左美廣治君が、本日加藤鐐造君が辞任せられ、西村榮一君がそれぞれ補欠選任せられました。これに伴いまして、永井要造君、中村幸八君及び阿左美廣治君はそれぞれ従前通りの小委員とし、中村幸八君につきましては、地下資源開発及び合理化に関する小委員長、請願及び陳情書審査小委員長にそれぞれ補欠選任し、西村榮一君につきましては、電気及びガスに関する小委員、地下資源開発及び合理化に関する小委員及び繊維に関する小委員にそれぞれ補欠選任いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/1
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002・小金義照
○小金委員長 それではそのように決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/2
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003・小金義照
○小金委員長 次に請願及び陳情書を議題といたします。これにつきましては、請願及び陳情書審査小委員長より、小委員会における審議の経過及び結果の御報告を求めます。中村幸八君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/3
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004・中村幸八
○中村(幸)委員 請願、陳情書に関する小委員会の審議の結果を御報告いたします。
今国会においてわが通商産業委員会に付託せられたものは、当初請願四十五件、陳情書四十一件でありましたが、その後会期延長に伴う受理期間延長のために追加せられたもの請願一件、陳情書五件があります。前後合せて請願四十六件、陳情書四十六件となりました。
これらにつきわが小委員会におきましては、去る十七日及び今二十六日の二回にわたり慎重に審議検討いたしました結果、請願中留保すべきもの一件、議決を要せざるもの三件、合計審議未了とすべきもの四件、その他四十二件は全部採択すべきであり、また陳情書四十六件は全部了承すべきであるとの意見に一致いたしました。請願中留保すべきもの一件は、奥只見川流域変更による電源開発反対の請願であり、議決を要せざるもの三件は、いずれも電気料金値上げに関するものであります。
以上簡単ながら御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/4
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005・小金義照
○小金委員長 以上で審査の経過及び結果の報告は終りました。これに対して何か御発言はございませんか——別段御発言がないようでありますから、ただいま小委員長の御報告がございました通り、本日の請願日程中第一、第三ないし第五及び第九ないし第四五の各請願並びに追加日程第一の請願は、それぞれ採択の上内閣に送付することととし、第二はさらに考慮の余地あるものとして保留し、第六ないし第八につきましては、すでに本請願の趣旨は先般の電気料金値上げ決定の際におきまして実現せられておりますので、これにつきましてはあらためて議決を要しないものとし、陳情書につきましては、その趣旨をいずれも尊重する意味において了承することに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/5
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006・小金義照
○小金委員長 御異議なしと認めます。それではそのように決定いたしました。
なお委員会報告書作成の件につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/6
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007・小金義照
○小金委員長 御異議なしと認めます。それではそのように御一任願つたものと決します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/7
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008・小金義照
○小金委員長 次に地下資源開発及び合理化に関する件について調査を進めます。本件につきましては、去る二十二日の地下資源開発及び合理化に関する小委員会において審査をせられました。その経過について、小委員長より発言の申出がありますので、これを許します。中村幸八君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/8
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009・中村幸八
○中村(幸)委員 地下資源の開発その他に関する地下資源小委員会の調査の結果を御報告申し上げます。
地下資源小委員会におきましては、去る十月二十四日並びに本月二十二日の両回にわたり、地下資源開発に関する当面の重要問題として、一般鉱害復旧並びに鉱山の嘱力需給、金鉱業の振興、銅、鉛、亜鉛の国際協定参加等に関し、政府当局並びに業界代表者等をも招致いたしまして調査研究いたしました。その概略をここに御報告申し上げます。
一、鉱害復旧。まず鉱害復旧法案についてでありまするが、この法案につきましては被害者、鉱業権者、地方公共団体等の関係各方面から、本委員会に対しても種々陳情、請願のあつたことはすでに御承知の通りであります。政府当局におきましても、問題となつた諸点に関するこれら各方面の要望にかんがみまして、その後法案の内容にある程度の修正を施さんといたしておるのであります。その第一点は、復旧団がみずから復旧事業を行うことができることとし、その名称も復旧事業団と改めること。第二点は、これら法案の内容の変化に伴い、法律の名称を鉱害復旧事業団等に関する法律と改めること。第三点は鉱業法の規定による供託金を復旧費に充てることができるようにすること。第四点は、家屋の復旧は鉱害の安定を絶対必要条件としないこと。第五点は公共土木事業に対する国庫補助金は、鉱業法の規定による鉱業権者の賠償責任にかんがみ、後日鉱業権者から年賦償還せしめること等でありますが、問題の賠償責任の消滅すなわち復旧工事が終了しても地方が完全に回復しない場合に対する打切り補償の問題は、現在の段階ではいまだ結論に達していないとのことであります。
二、鉱山の電力使用制限。次は鉱山の電力使用制限緩和の問題であります。今次電力飢饉のため、各種産業が致命的打撃をこうむりつつあることは、あらためて説くまでもないのでありまして、ことに金属鉱山は主として東北、関西などの電源枯渇地帯に立地せる関係上、その影響はまことに深刻なものがあるのであります。鉱山業は重要基礎産業であること、保安電力を大量に要すること、硫化鉱のごとき肥料と一体不可分の関係にある物資やニッケルのごとき特殊の重要資材を生産すること等々の関係上、鉱山の電力使用制限については慎重なる考慮を要するものがあるのであります。よつてわが小委員会におきましては、前後二回にわたり業者代表並びに関係政府委員とともにしさいに懇談検討いたしましたが、その結果政府当局もその実情を十分に了承し、事情の許す限り最善の考慮をいたすことと相なりました。
三、産金振興。次は権金助成策についてであります。政府は昨年二月金鉱業復興対策に関する件を閣議決定いたしました。しかるに政府の金買上げ価格は、依然として十七年前の米国公定価格を基準とした一グラム四百一円にすえ置かれたままであり、一方国内物価を反映した生産原価は著しく高騰いたしておるのであります。従つて現状のままでは、高品位部分だけを抜掘りすることによつて辛うじて命脈を維持している稼行中の鉱山も、早晩休廃するの余儀なきに至るでありましようし、また昭和十八年の金山整備によつて全設備装置を根こそぎ奪い去られたまま休止中の金山の復活のごときは、とうてい思いも寄らぬ次第であります。猟つて買上げ価格並びに探鉱奨励金の交付その他一連の助成策が強く要望せられる次第でありますが、時あたかも去る九月国際通貨基金に関する声明発露もあり、かたぞれわが国においてもこの際何らかの産金助成策を講ずべき下あると考えるのであります。政府におきましても、平和条約の成立に伴う国際経済機構べの復帰による金の重要性を再確認し、産金奨励のための諸方策をそれぞれ検討中でありまして、来年度予算に探鉱奨励金その他合計三億五千万円の補助金計上を考慮するとともに、買上げ価格に関しても、産金量の半額と自由販売する案の実際的効果いかん等について、それぞれ検討中であることが明らかとなりました。
四、銅、鉛、亜鉛の国際協定参加。次は国際原料会議の銅、鉛、亜鉛委員会参加問題でありますが、国際原料会議は現在七種の物資別委員会があり、わが国は現在そのうち三種の委員会に加入しておるのでありますが、さらに銅、鉛、亜鉛委員会への参加が当面の問題となつておるのであります。本件はわが国の現状にかんがみ、今ただちに参加することは時期尚早なるやにも感じられるのでありまして、やむを得ず参加するといたしましても、わが国の特殊事情にかんがみ、参加によつてこうむる不利な影響を最小限度に食いとめるよう、あらかじめ万般の措置を講ずべきであります。政府としては、わが国のごとき非加盟国も割当を勧告せられるものであり、現に本年第四・四半期の国際消費割当に関し、米国陸軍省を通じて日本政府に勧告せられておる実情でありますから、外部にあつて割当だけを受けるよりも、むしろ積極的に参加し、内部にあつて日本の立場を解説強調する方が得策ならんとの在外事務所の意向均も参酌いたしまして、目下それぞれ検討中であります。結局国際的経済協力のため加入するのほかなき見込みでありますが、その際たとえば生産量の査定に関し、今次電力飢饉による生産激減の実情を考慮すること、消費量の査定においても加工貿易に必要な原料地金を確保すること、また価格に関しても、現在の国内価格よりも低廉な犠牲価格で地金を輸出するがごときことのないよう努めるごとなど、要するにわが国現下の実情に即応する措置を講じてもらうよう、加入の際はもとより、その後においてもあらゆる機会をとらえて最善の努力を尽す旨の答弁がありました。
以上をもつて地下資源小委員会の報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/9
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010・小金義照
○小金委員長 以上で小委員長中村幸八君の発言は終りました。これについて何か御発言はございませんか。——別段御発言もないようでありますから、これにてこの問題は打切ります。この際午後二時まで休憩いたします。
午前十一時二十九分休憩
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午後二時三十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/10
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011・小金義照
○小金委員長 休憩前に引続き会議を再会いたします。
まず理事の補欠選任につきお諮りいたします。去る二十一日理事中村幸八君が委員を辞任せられ、翌二十二日再び委員に補欠選任せられたのに伴い、同君を従前通り理事に補欠選任いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/11
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012・小金義照
○小金委員長 御異議なしと忌めます。それではそのように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/12
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013・小金義照
○小金委員長 次にただいま本委員会に付託せられました企業合理化促進法案について、提出者よりその提案理由の説明を求めます。中村純一君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/13
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014・中村純一
○中村(純)委員 講和条約の成立によりまして、わが国は近く完全に独立することとなるわけでありますが、これに伴いまして、わが国の経済もまた完全に自立しなければならないのであります。従いまして、わが国の産業を振興し、輸出を増大させることは、刻下の急務でありますが、そのためには、企業の急速な合理化を促進することによりまして、優良な商品の廉価な生産をはかり、わが国の産業が国際的競争に打勝つようにすることが最も必要であると存ずるのであります。
わが国の企業は戦時中及び戦後の空白期間を通じて、その技術、機械設備、原材料、動力等の諸点において著しく国際的水準に立遅れを来しておりますので、この際これらの諸点につきまして、それぞれ合理化促進に必要な事項について立法化するざとといたしまして、本法律案を提出いたします次第であります。
本法律案は、右の趣旨にかんがみまして、大要左のような措置を内容といたしております。
一、技術の向上を促進するため、一定の試験研究を行う者に対して補助金を交付し、政府所有の施設を貸与し、また試験研究用機械設備等の特別短期償却1これは三年間の均等償却でありますが、これを認める。また右の機械設備等の固定資産税の減免をはかること。
二、機械設備等の近代化を促進するために、一定の近代的機械設備等の特別短期償却1これは初年度五〇%の償却を認める予定であります。また右の機械設備等の固定資産税の減免をはかること。
さらにまた道路、港湾等企業の合理化に資する施設の整備をはかること。原材料または動力の節約を目的として原単位の改善をはかること。中小企業の経営を改善するために、必要な診断、勧告等を行うこと。
以上が本法案の趣旨及び内容の概略でありまするので、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御協賛くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/14
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015・小金義照
○小金委員長 以上をもつて提案理由の説明は終りました。質疑は次会よりこれを行うことといたします。
この際お諮りいたします。企業合理化促進法案審査につきまして、大蔵委員会より連合審査会開会の申出がございますが、本委員会として、さよう決定することに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/15
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016・小金義照
○小金委員長 御異議なしと認めます。それではそのように決定いたしました。
なお連合審査会開会の日時は、大蔵委員長と協議の上追つて公報をもつてお知らせいたします。
次に高橋清治郎君より発言の通告がありますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/16
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017・高橋清治郎
○高橋(清)委員 産業の再建並びに輸出の振興をはかることは、講和後の独立した日本の産業技術者に課せられた重大な責務であると私は存じます。しかるにこのたびの行政整理に伴い、昭和三年以来わが東北、北海道はもとより、全国の工業技術水準の向上と輸出産業振興並びに国民生活文化の向上に寄与せられて来たところの、工業技術庁工芸指導所東北支所が、このたび東京に合同強化というような名目のもとに、事実上仙台の同支所が廃止されるというように承つております。これは特に東北のような特殊事情にある所の産業不振1いわゆる寒冷地帯であるとか、こういういろいろな特殊地方におけるところの産業振興のために、ぜひこれは仙台に存置すべきものであると私は思うのであります。ことに定員法に抵触することなく、東京にいわゆる中央集権、集中というような観点から東北地方の支所を廃止するということは、これはあらゆる観点から見ましてもはなはだ妥当でないと私は思うのであります。ことに過去におけるところのいろいろな戦争あるいは戦災、そういう点から見ましても、これは東北地方に、ことに現在完備しておる、充実しておる所に——これは強化するならば仙台にもつと強化して存置すべきものである、かく私は感ずるのであります。承るところによりますると、東京本所は下丸子に土地を買収したが、いまだ移転してはいない。本年中に移転を開始したとしても、研究開始までには、津田山の現地の例に明らかなように相当の年月を要し、数千万円の経費を必要とするものと思われます。その間の莫大な経費と業務のブランクは、国家財政上無意味であると私は思うのであります。そういう点からいいましても、ぜひこれは仙台に合流強化、合同強化という意味におきまして、今後ますく存続して、特殊地帯における産業の振興上、全国の先がけであるところの仙台の地に存続せられんことを私は要望するものであります。現に仙台には敷地三千五百坪、建坪千五百坪という設備をほとんど完備しておるのであります。これから新たに時日と施設と莫大な費用を費して中央に集中するということは、これはあらゆる観点からはなはだ妥当でないと私は思います。この問題につきまして、当局のこれに対する明確なる御意見と抱負とを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/17
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018・井上春成
○井上説明員 ただいま高橋さんからお話がございましたが、実はこの際行政整理の大体のいきさつその他を御説明した方が都合がよろしいのではないかと思います。行政整理につきまして政令諮問委員会の答申は、工芸あるいは陶磁器といつたようなものは、地方の研究機関でこれをやる方が妥当であろうというお考えのもとに、百パーセントこれを整理して、そうして地方の各府県にこれを委譲した方がいいであろうという案が出たのであります。今もお話のように、工芸あるいは陶磁器の問題が、日本の輸出産業あるいは一般の産業に相当いろいろな面で役に立つているということは——これは私が申し上げるのは変でございますが、ただいま高橋さんのお話のように相当貢献をしているということをいろいろ御説明いたしまして、最後のところは三〇%整理というような点になつたわけであります。三〇%整理をするという原則のもとに、相当こういうものを合理的に運営いたしまして、そうしてほんとうに輸出産業なりあるいは一般の産業なりに効果あらしめるにはどうしたらいいかということを考えますと、どうしてもどこかにこれを集中いたしましてその仕事を強化するよりほかに方法がない、こういうことになつたわけであります。そういう意味におきまして、何とかこれを強化しなければ結局政令諮問委員会の御答申の通りになるのでありまして、どうしてもその成果を上げてこれを強化するには、少い人間を有効に使うことでありますから、集中するのほかないと考えているわけであります。これをどういうふうに集中するかという具体的な問題についてはつきりした決定を得ているわけでありませんが、一応そういつた考えのもとにこれから先の操作を進めて行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。そういうために一体どこが一番都合がいいかというような問題につきましては、いろいろお考えもあることであろう思いますが、われわれといたしましては、ともかくも現在ございますのが東北と関西と九州というふうに本所のほかに四箇所にもまたがつておりますので、それをある程度集中するということはどうしても必要になります。その集中方法をどうするかということにつきましては、今申し上げましたように、必ずしもはつきりきまつておるという段階ではないのであります。今お話の点につきましては、われわれといたしましても十分考慮をいたしまして、その方法をはつきりきめたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/18
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019・高橋清治郎
○高橋(清)委員 ただいま技術庁長官のお話によりますと、どこかに集中して強化するよりほかにない。そうしてどこが[番適当な土地であるかということについては、目下いろいろ研究考慮中であるというようなお話でございます。研究中でどこともまだ決定してないということでありまするから、私は特にこういうものはある特殊性にかんがみて、資材とか原料とか、そういう点で最も獲得しやすい便利な所に、また特殊な事情——冬季間余剰労働力というものを活用するには、ああいう東北、北海道方面に特に設けるのが最も妥当であると思うのであります。この点につきまして、幸い政務次官がお見えになつておりますから、ひとつ御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/19
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020・首藤新八
○首藤政府委員 この問題につきましては、ただいま技術庁長官から今日までの経過を詳細に報告をいたした通りであります。しかしながら単に整理を徹底するということだけではこの問題は済まされないのでありまして、牛の角をためて牛を殺すというようなことに相なつてはいけないことは十分了承しております。従いまして東北地方の事情も慎重に考慮いたしまして、最終的な決定をいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/20
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021・高橋清治郎
○高橋(清)委員 私の質問は、あらゆる観点から研究調査をなさつて、特殊地帯というような所を特に御考慮に入れて最終決定をしていただくことを要望して終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/21
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022・小金義照
○小金委員長 これにて発言は終りました。
本日はこの程度にして散会いたします。次会は明日開きますが、時刻は公報をもつてお知らせいたします。
午後二時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101204793X01019511126/22
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