1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十七日(火曜日)
午後二時六分開議
出席委員
委員長代理 理事 押谷 富三君
理事 北川 定務君 理事 田嶋 弘文君
理事 中村 又一君 理事 猪俣 浩三君
角田 幸吉君 鍛冶 良作君
佐瀬 昌三君 高橋 英吉君
花村 四郎君 古島 義英君
牧野 寛索君 松木 弘君
出席政府委員
法務政務次官 高木 松吉君
法制意見長官 佐藤 達夫君
検 事
(法制意見参事
官) 位野木益雄君
委員外の出席者
判 事
(最高裁判所事
務総局人事局
長) 鈴木 忠一君
専 門 員 村 教三君
専 門 員 小木 貞一君
―――――――――――――
本日の会議に付した事件
閉会中審査に関する件
裁判所職員臨時措置法案(内閣提出四一号)(
参議院送付)
請 願
一 法務局出張所渡切費増額に関する請願(山
本利壽君紹介)(第一二八一号)
二 長崎地方法務局湯江出張所存置の請願(岡
西明貞君紹介)(第一三五二号)
三 戦争犯罪者の釈放に関する請願(岡田春夫
君外二名紹介)(第一三五三号)
四 岡山地方法務局新加茂出張所存置の請願(
逢澤寛君紹介)(第一三五四号)
五 長崎地方法務局蚊焼出張所存置の請願(岡
西明貞君紹介)(第一三五五号)
六 長崎地方法務局時津出張所存置の請願(岡
西明貞君紹介)(第一三五六号)
七 長崎地方法務局三重出張所存置の請願(岡
西明貞君紹介)(第一三五七号)
八 名古屋法務局福江出張所存置の請願(福井
勇君紹介)(第一三五八号)
九 亀岳登記所存置の請願(岡西明貞君紹介)
(第一三五九号)
一〇 千葉地方法務局片貝出張所存置の請願(片
岡伊三郎君紹介)(第一三六〇号)
一一 和歌山地方法務局栗栖川出張所存置の請願
(世耕弘一君紹介)(第一四六九号)
一二 和歌山地方法務局本宮出張所存置の請願(
世耕弘一君紹介)(第一四七〇号)
一三 盛岡地方法務局土沢出張所存置の請願(高
田弥市君紹介)(第一四八〇号)
一四 裁判所職員の給与改訂に関する請願(足鹿
覺君紹介)(第一五一六号)
一五 同(稻田直道君紹介)(第一五六〇号)
一六 戦争犯罪者の減刑等に関する請願(足鹿覺
君紹介)(第一五一九号)
陳情書
一 長崎地方法務局管内出張所存続に関する陳
情書外四件
(第七四一号)
二 簡易交通裁判所設置に関する陳情書外一件
(第七四二号)
三 比島戦犯者救命に関する陳情書
(
第七四三号)
四 登記事務渋滞防止に関する陳情書
(第七四四号)
五 戦犯者の釈放に関する陳情書
(第七
四六号)
六 戦犯者追放解除等に関する陳情書
(第七四七号)
七 戦犯者釈放等に関する陳情書
(第八九〇号)
八 大阪拘置所移築計画反対に関する陳情書
(第八九一号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/0
-
001・押谷富三
○押谷委員長代理 これより会議を開きます。
本日はまず裁判所職員臨時措置法案を議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。この際お諮りいたします。国会法第七十二條により、最高裁判所より発言を求められておりますので、これを許したいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/1
-
002・押谷富三
○押谷委員長代理 異議がなければさようとりはからいます。猪俣浩三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/2
-
003・猪俣浩三
○猪俣委員 裁判所職員臨時措置法案でありますが、これは臨時措置法ということになつておりまするから、裁判所職員を特別職にするにつきまして、一般的な根本法がつくられるものと思うのでありますが、そうしたものはいつごろ国会に提出される予定でありますか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/3
-
004・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 公務員法によりまして今年一ぱい一般職ということになつており、かつ裁判所法でありましたか、それにより、また公務員法の改正によりまして、来年の一月一日以後は特別職になるということがきめられておりましたので、われわれといたしましては、前々からこの新しい裁判所職員の身分についての制度をいかにするかということを研究しておつたわけでありますが、たまたま御承知のように、いわゆる政令諮問委員会におきまして、国家公務員法の再検討というようなことについてもいろいろ意見が出ておりますし、いずれまた国家公務員法そのものについて、相当合理化と申しますか、改善を要する点もあろうという機運が向いて参りましたものですから、ただいまのところでは、それと見合せながら、裁判所職員の将来の制度をも考えて行こうということで、この際とりあえずこの臨時措置法を御提案申し上げたわけでございます。さようなことでございますので、この国家公務員法の再検討というものの成行きとあわせて研究を進めて参りまして、国家公務員法がある程度改正されるという時期が参りまして、国家公務員法についての処置がきまりましたあかつ’きにおきましては、それと距たらない時期に、裁判所の職員についても永久的な法制を立てて御審議をお願いいたしたいというふうな心構えでおるわけであります。従いまして、それとの見合いにおきまして、迅速に処置をとつて行きたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/4
-
005・猪俣浩三
○猪俣委員 そうすると法務府といたしましては、この国家公務員法の改正立案がいつ、ころできるという見通しはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/5
-
006・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 ただいまのところ、いつごろという見通しはございません。目下鋭意研究を続けておるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/6
-
007・猪俣浩三
○猪俣委員 裁判所職員というものの中に執行吏が含まれておるものであるかどうか、その点についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/7
-
008・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/8
-
009・猪俣浩三
○猪俣委員 現行法上執行吏に対する最も直近の監督官庁はどこでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/9
-
010・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 地方裁判所であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/10
-
011・猪俣浩三
○猪俣委員 そうすると監督権は地方裁判所にあるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/11
-
012・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/12
-
013・猪俣浩三
○猪俣委員 どうも執行吏のやり方についてわれわれの耳にもいろいろなことが伝わるのでありまして、この監督があまり十分行われておらないのではないか。私どもは今あまりやつておりませんが、昨年たまたまやむを得ざることで仮処分のことを執行吏に頼みましたが、四回ばかりその現場に待たせられておつて、その日は執行不能というようなことで、何もしないで帰るというようなことをやつております。その際に聞いたことは、ほまちを出さないとすつとやつてくれぬ、あるいは車代とか弁当代というものを出した方に先にまわつて、出さぬ方は今日はもうだめだというので流してしまうということを慣例としてやつておる。私はそんな車代なんというものを出すことに気がつきませんでしたために、四回ばかり流されたことがあるのですが、さようなことについての監督がはなはだ遺憾な点があると思うので、これは裁判所でもけつこうですが、執行吏役場の改善について御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/13
-
014・鈴木忠一
○鈴木最高裁判所説明員 御質問のような事態があることは、ときどき耳にいたしております。ただいま政府委員から説明がありましたように、執行吏の直接の監督機関は、その所属する地方裁判所が監督機関でありまして、その監督を実際に行うについては、裁判官会議の議を経て、裁判所長が監督を実施するわけなのでありますが、そういう面からいいましても、従来の裁判所構成法時代の監督権と比べて、執行吏に監督が及ぶ速度が若干おそいというような面も実際にはあるかもしれません。しかし法制上は地方裁判所が執行吏に対する一般的な監督権を持つておりますし、また具体的な事件について、ただいま猪俣委員から仰せられましたような事項がありますならば、裁判所の当該執行の事務を取扱つておるその部に、方法に関する異議の申立てをするというようなことによつて、解決がつくのであります。けれども依頼者の方からいえば、そういう具体的な場合に、一々異議の申立てをし、あるいは一般的な監督権の発動を求めてやればいいとはいえない。そんなまどろつこしいことをしていては、らちが明かぬという面もありましようし、裁判所の方といたしましても、そういう事態の起らないように始終不断に監督をしなければならないので、監督をする方向に心がけておるわけでございますけれども、往々にして今おつしやられたような遺憾な事態ができて来るわけであります。これは一つには執行吏の職務というものがあまり世人から歓迎されない職務であります。従つて学歴のある経験者が執行吏の職につくということは、期して得がたい点でありますから、一方において最高裁判所としては、執行吏の質を改善するということを常に心がけて、これについては各地方裁判所の執行係の判事に、執行吏の監督、教育をするようにということは不断に言つております。それから中央におきましては民事局が主になりまして、在京の弁護士、裁判官、それから執行吏の実務に携わる者、こういうもので会を組織してどういう点が執行吏の職務をとる上において欠陥があるかというような点を研究しております。これは研究しておるだけでなくて、近い将来に何とかして執行吏の資格をよくするということ、それから実際の職務をとる上において遺漏がないようにするということの手を、具体的に民事局あたりが中心になつて打とうとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/14
-
015・猪俣浩三
○猪俣委員 地方の裁判所におきましては、専門の執行吏というものがなくて、事務官だか書記官だかが執行吏に早がわりをしている点が多々あつて、非常にさしつかえておる面がありますが、さような裁判所の事務官と執行吏が両刀使いをやつているようなところは何箇所あるかという調査をなさり、なおまたそれらについては改善策をお立てになつておるかどうか、一応承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/15
-
016・鈴木忠一
○鈴木最高裁判所説明員 直接の所管事項でありませんから、ただいまの御質問についてはただちにお答えすることができませんので、これは調査の上お答えいたすことにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/16
-
017・猪俣浩三
○猪俣委員 それでは具体的に申しますと、この執行吏のやり方について、はなはだ不都合であると感ぜられた場合には、第一に地方裁判所長に対してそれを具申するということになりましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/17
-
018・鈴木忠一
○鈴木最高裁判所説明員 地方裁判所に対して、すなわち地方裁判所を代表する地方裁判所長に対して、その不服の点を申し立てて一般的な監督権の発動を促していただけばけつこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/18
-
019・猪俣浩三
○猪俣委員 本案に返りますが、十一月十六日の朝日新聞によりますと、岡崎官房長官は、本法案は継続審議にしてよいと語つたと伝えられておるのでありますが、国会の職員もやはり特別職という形になるのであります。その国会職員の取扱いも、今具体的にこういうような法案なんかは出ておらぬのでありますが、そういうものともにらみ合せまして、一体これは継続審議にしても裁判所側は別に不都合であるのかないのか、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/19
-
020・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 裁判所側のお答えを述べます前に、私から一言申し上げたいと思いますが御承知の通りに、期限がはつきりきまつておることでもございますし、また実施のためには、たくさんの裁判所規則を準備しなければならぬといろ事情もございまして、私どもの立場から言いますならば、明瞭に、今国会中に成立さしていただかなければ困るということを申し上げ得るのであります。またこれはおのずから明らかなことであろうと存じます。ただいまのお言葉にありました官房長官云々については、私も新聞記事で見ましただけでありまして、そういう発言があつたかどうか確かめておりませんが、おそらくそれは当時最初にきめられた会期を延長するかどうかという前日の話のように思いますので、かりにこれだけが残つたからといつて、そのために会期の延長をお願いするまでのことではないというような、あるいは気持があつて、もしも言われたとすれば、その程度の気持で言われたのじやないか、これは推測でありますが、そういうことは別といたしまして、とにかく今国会に成立さしていただかないと非常に困るということは、はつきり申し上げ得ると存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/20
-
021・鍛冶良作
○鍛冶委員 この法案について関連してお聞きしたいのは、特別職とはどういうものかということになると、われかれも今まではつきりしなかつたのですが、法制意見長官の御意見をひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/21
-
022・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 特別職と申しますのは、国家公務員法の二條でありましたか、そこに列挙されておるものを申しますので、その中には上は国務大臣から下は進駐軍労務者まで、おのおのその特殊性において列挙されておるわけでございます。それらのものにつきましては、国家公務員法が全面的に適用にならない、たとえば国務大臣の例で申しますならば、国務大臣の職務関係、身分関係についての一般法というものはございません。俸給について、特別職の俸給に関する法律というようなものがある程度でございまして、割合に法制上はルーズに扱われておるわけでございます。ただつけ加えて申しますと、国会職員あるいは裁判所職員についても同様でございますが、これらについては、国務大臣とは違いまして、一般職からはずして特別職にしたからといつて、野放しにすることが適当でないことは当然であります。また法律の趣旨も、それらについてはその職務の特殊性に応じた、また適切なる立法を予想して国家公務員法ができておると思いますので、それに対する手当をここで法案として提案申し上げたということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/22
-
023・鍛冶良作
○鍛冶委員 この公務員法の建前から申しますると、特別職と定めたものだけが特別職であつて、特別職と定められないものは一般職である、こういうように解釈されると思うのです。ところがこの提案理由を見ますると、一般職としてはまつておらぬものはみんな特別職になるように聞えますのですが、そこは観念上ちよつと違うように思いますが、私が申し上げたことは間違いでしようか。国家公務員法で特別職として特に定めたものだけが特別職なんだ、そのほかは全部一般職なんだ、こういうように考えられるのです。私は今までもそう思つておつたのですが、ところがこの提案理由の説明を見ますると、そうじやなくて、一般公務員でない、普通一般の行政官にはまらぬ、その他のものはみな特別職になるように、これはちよつと読めるようですが、たいへん観念が違うから明瞭にしておいた方がよいど思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/23
-
024・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 ちよつと御趣旨がはつきりわかりませんが、国家公務員というものをわかつて、一般職と特別職とするというふうに、われわれ単純に考えておるわけでございます。裁判官は初めから特別職ですが、それ以外の裁判所職員は、今まで一般職に入つておりましたのを、今度特別職にするというふうに考えております。提案理由の説明との関係についてのお尋ねは、どうもはつきりわかりかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/24
-
025・猪俣浩三
○猪俣委員 これは本法案とは直接の関係はないかもしれませんが、人事院というのがみな最高裁判所と書きかえられる。この特別職の人事は、すべて最高裁判所で管轄するというように相なるのでありますが、裁判所における現況から見ますと、判決の起案さえなかなか容易ならざるような状態で、ほとんど現行の裁判官の能率の限度に達しておるのではないかというようなことが伝えられ、何か改正案が出るとかいうことも伝えられておるのでありますが、こういう一般の職員に対しましても、最高裁判所が管轄権を持つというようなことになりまして、はたしてその機能が発揮でき得るやいなや。一体最高裁判所と読みかえた場合に、その最高裁判所なるものは、実際は最高裁判所の裁判官会議であるかどうか。最高の人事を取扱うものは、その最高裁判所の裁判官会議なりとするならば、一体さような事務までを責任を持つて、現行の裁判官がやり得るかどうかということについて、御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/25
-
026・鈴木忠一
○鈴木最高裁判所説明員 ただいま裁判所の、裁判官を除いた職員は、一般職として人事院の管轄下にあるわけです。従つて国家公務員法上要請されておる、及び人事院規則に、よつて要求されておるいろいろな手続、報告、そういうものは一切最高裁判所でまとめて、そうして人事院にそれぞれの手続をしておるわけです。従つて今度この法律によりまして最高裁判所が人事院にかわるということになつた場合、またはこの臨時措置法からさらに本来の法律が制定をされて、最高裁判所が人事院にかわつて行うという場合についても、従来やつておつたところと実際上の手続においては、手間の面において、そうヴオリユームにおいては大差ないだろうと期待しておるわけです。それから今の実際から申しますと、一般職の任命及び懲戒等の手続については、裁判官会議からすべて下級の機関に委任されております。これは全部がそれぞれ、級の高い者とか低い者とかいう差別によつて、最高裁判所の事務総長ないしある場合には人事局長、ある場合には各高等裁判所長官、地方裁判所長官、家庭裁判所の所長というように、それぞれ委任されておりますから、最高裁判所の裁判官が一々会議にかけて、その決定をするということには将来もならないだろう、こう考えております。従つてこのために裁判官会議の事務量が増加するということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/26
-
027・猪俣浩三
○猪俣委員 そうすると下級の人事については、下級の裁判所に委任されておる。ところがもし人事を誤りました場合、最高の責任はどこで負うわけなんでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/27
-
028・鈴木忠一
○鈴木最高裁判所説明員 具体的な場合には、直接の任命権者がその責任を負うわけであります。従つてごく卑近な例を申し上げれば、地方裁判所が任命をしたごく低い程度の職員に、何か過失があつたというような場合には、責任の限度は地方裁判所でとまるということになるだろうと思います。高等裁判所で任命した場合、最高裁判所で任命した場合、やはりそれぞれ直接の任命権者が責任を負うということでよろしかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/28
-
029・押谷富三
○押谷委員長代理 他に御質疑はございませんか——なければ、私からこの際鈴本人事局長にお願いをいたしたいと思うのでありますが、それは今猪俣委員からお尋ねになりました執行吏の関係ですが、執行吏の事務扱いについては、相当目に余るものがあるのは事実であります。そこでその原因等を糾明いたしたいと思いますから、御調査の上御報告を願いたいと思うのは、全国の執行吏の数が戦前は何ぼであり、今日何人であるかということ、それから戦前の事件数と今日の事件数、東京、大阪、名古屋といつた主要都市における執行吏の戦前の数と、今日の数、そうしてそれぞれの事件数を御調査の上御報告を願いたいと思います。
他に御質疑がなければ、これより討論を省略して採決に入りたいと存じますが、御異議、ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/29
-
030・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議がなければ、採決に入ります。本案に御賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/30
-
031・押谷富三
○押谷委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
この際お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議、ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/31
-
032・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議がなければ、さようとりはからいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/32
-
033・押谷富三
○押谷委員長代理 次に請願、陳情書の審査に入りたいと存じますが、本日の日程の請願及び陳情書は、去る十五日に審査いたしました請願、陳情書と同一趣旨のものが多いので、同一趣旨以外のものについてのみ、政府あるいは裁判所の意見を求むることといたし、その他は意見の聴取を省略いたしたいと存じます。本日の請願日程中、第一四、第一五、裁判所職員の給与改訂に関する請願について裁判所の意見を求めたいと存じます。
この際お諮りいたします。国会法第七十二條により、最高裁判所より出席説明いたしたい旨の申出がありますから、これを許したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/33
-
034・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議がなければ、これを許すことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/34
-
035・鈴木忠一
○鈴木最高裁判所説明員 鳥取地方裁判所の職員の請願については、そういう請願があるということを承知いたしましたので、すぐに調査のため人事局から職員を現在派遣してあります。しかし、さいぜん申し上げましたように、地方裁判所の職員、ことに地方裁判所の職員の中で下級の者の任命権は、その地方裁判所が持つておりまするので、最高裁判所の人事局としては資料が不十分でございますから、はたして請願の趣旨の通り、一般の地方裁判所に比して、鳥取の職員のみが特に給与が低い地位に置かれているかどうか、人事局としてはすぐにお答えができないのであります。しかしただいま調査の職員を派遣しておりますから、その結果、はたして請願において主張されているような結果が現われるかいなか、現われた場合には、その原因はどういうところにあるかということを十分に研究調査いたしまして、それについての対策をとるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/35
-
036・押谷富三
○押谷委員長代理 御質疑はございませんか——御質疑がなければ、本日の請願日程中、第一、第二、第四ないし第二の請願は、これはいずれも採択すべきものとし、議院において採決の上、内閣に送付することを適当と認めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/36
-
037・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議がなければ、さよう決定いたします。
次に陳情書の審査に入りたいと存じますが、本日の日程は、先日審査いたしました陳情書と同趣旨でありますので、政府の意見を求めることは省略し、日程第一、第四、第八はいずれも委員会においてこれを了承することとし、他はいずれも問題がありますので、その決定を延期することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あら〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/37
-
038・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議がなければさよう決定をいたします。なお本日までに審査いたしました請願に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/38
-
039・押谷富三
○押谷委員長代理 次に閉会中審査の件についてお諮りいたします。今会期も明日で終了いたすことになつておりますので、閉会中、なお裁判所侮辱制裁法案、裁判所の司法行政に関する件、法務行政に関する件、検察行政及び国内治安に関する件について審査をいたしたい旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/39
-
040・猪俣浩三
○猪俣委員 その中に刑事訴訟法の改正についても含まれるようになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/40
-
041・押谷富三
○押谷委員長代理 法務行政で行けると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/41
-
042・猪俣浩三
○猪俣委員 それではよろしゆうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/42
-
043・押谷富三
○押谷委員長代理 御異議がなければさようとりはからいます。
本日はこれにて散会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101205206X01819511127/43
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。