1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十一日(水曜
日)
午後二時二十三分開会
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委員の異動
本日委員大野木秀次郎君、森田豊壽
君、草葉隆圓君及び西川甚五郎君辞任
につき、その補次として青山正一君、
宮田重文君、石川榮一君及び平井太郎
君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 吉田 法晴君
理事
杉山 昌作君
千葉 信君
委員
青山 正一君
石川 榮一君
加藤 武徳君
宮田 重文君
木下 源吾君
森崎 隆君
紅露 みつ君
政府委員
内閣官房長官 岡崎 勝男君
内閣官房副長官 菅野 義丸君
(内閣総理大臣
官房審議室長事
務代理)
総理府事務官 増子 正宏君
人事院事務総局
給與局長 瀧本 忠男君
大蔵省主計局次
長 東條 猛猪君
事務局側
常任委員会専門
員 川島 孝彦君
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本日の会議に付した事件
○一般職の職員の給與に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出・
衆議院送付)
○昭和二十六年度における国家公務員
に対する年末手当の額の特例に関す
る法律案(内閣提出・衆議院送付)
○国家公務員等に対する退職手当の臨
時措置に関する法律の一部を改正す
る法律案(内閣提出・衆議院送付)
○特別職の職員の給與に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出・
衆議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/0
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001・吉田法晴
○委員長(吉田法晴君) それでは只今より人事委員会を開会いたします。
一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案、その他船與関係の法案と退職手当に関します法律案につきまして質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/1
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002・杉山昌作
○杉山昌作君 官房長官がおいでですから一つ伺つておきたいのですが、この人事院の勧告についてですが、今まで人事院がしばしば勧告しても政府は予算その他の事情で勧告通りの給與の案ができないというふうなことで、そういう案はできて來なかつたわけであります。ところが我々から考えますと、勧告はああいうふうに人事院というものがちやんとあつて、相当な組織を持つて丹念に勉強してきめたんだから、これは政府が当然これを尊重すべきだということになる。從つて政府から国会へ提案された案を審議するにも、その勧告がどうなつておるかということが相当審議の資料として問題になるわけです。これが政府へだけ勧告してあつた場合には、まあ国会といたしましては、政府の案を審議するに参考資料、まあ政府へそういうものが出ているそうだというふうな間接的な関係になつているわけです。ところがこの人事院の勧告に限りましては、政府及び国会へ勧告しておるわけなんです。我々はそういう政府が案を立てるときに政府の資料としたという意味じやなしに、人事院から直接勧告を突きつけられでいるわけなんです。そうしますと、我々のところで審議するのは一つには政府の案が審議の対象であるけれども、それを国会宛ての勧告なるものは、政府へ出て來た勧告をちよつと見せてもらうということじやなく、国会へ直接人事院から突きつけられているということになりますと、勧告というものと政府の案を見比べるときに、余ほど勧告というものに対して我々は重きを置かなければならんという立場になつて來るわけであります。これはまあ勧告が国会へ対して勧告されているのですからう当然だろと思います。そういう立場にありますと、どうしても国会の審議ということは、單純に政府へだけの勧告の場合よりも余ほど勧告というものが重要になつて來ると思います。我々は今までそういうふうな考え方育つているのでございますが、それによりましても、今までも勧告は殆んど勧告通りにできたことはない。或いは将來そういうことができるかできないか、これはまあいろいろ政府といたしまして予算の関係その他の関係がおありですから、お約束も無論できないものなんですが、ただこういうことになりますと、先だつても公聴会のときに公述人の話が出たが、政府が、政府と言いましようか、国家が人事院というふうなああいうちやんとした役所というのですか、機関を設けて、而もそれの勧告があるというふうに、而もその勧告は非常にオーソリテイを持つたものだということになつておるのに、その勧告通りのものがいつも実行できないということになると、いろいろ内部に事情はあるにしても、一般の人から見ると却つて混乱する。あの勧告が内部のものだつたらまだいいが、あの勧告が外部のオーソリテイを持つたものであるがゆえに更にいろいろな議論が混乱して、却つて世間で見ていると非常におかしいというふうな公述人の話なんかもあつたわけなんです。将來政府は一体この人事院の勧告というふうなものは、やはり今まで通りの制度を設けて、又その取扱に対しても今までのようなお心持でやられるということか、或いは今までやつて來た実績等に鑑みて、人事院の勧告なるものに制度的にもつと違つたものにしようというふうなお考えでもありましようか、その点を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/2
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003・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これはお話のような点は確かにその通りだと思うのです。ただ立法したときの精神から見ますと、何といいますか、両方の力といつたら語弊がありますが、両方の考えを自由にやらして、そして丁度ぶつかつたところでバランスがとれるようなものにしようということじやなかつたかと思います。つまり人事院のほうは予算ということを全然考えずに、全然考えずと言つたらいけませんけれども、とにかく予算というものを考えずに、一番公務員に対する適切なる給與は何であるかということを中心にしてあの勧告を出す。政府のほうは今度は予算というものから見て一体どの程度これが実現できるかというところでぶつかつて、丁度そこで予算でもできる範囲で勧告の趣旨を講じて行く、こういうことに初めは考えてああいうものができたんだと思います。ただ本年の五月五日にリツジウエー大将から声明を出されまして、主としてこれはポツダム政令等を見て言つておられるのですが、連合軍の指示その他スキ・ヤツピン等で出されたものについては、政府でもう一遍研究することをオーソライズするということになりましたものですから、いわゆる占領下の法規については成るべく広く研究をすることにいたしております。但し今まで研究をしましたものは御承知の通り経済関係の法律、それから行政の機構と人員事務、それから今研究してもらつておりますのは教育制度ということになつて、まだこの人事院とかその他いろいろの行政委員会等についてどういうふうにすべきかということは正確には出ておりません。この行政機構の改革の中で、政令諮問の委員はこういうふうにしたらよかろうという案は出しておりますけれども、これは各論に入りますので、まだ政府として取上げるまでに至つておりません。併し一般的には人事院の問題のみならず、占領下に作られましたいろいろの制度法規その他はできるだけ慎重に研究して、趣旨はいずれも立派なことでありまするけれども、実用に合うように、そして能率の挙がるように、そうして費用も余りかからんようにという趣旨で研究をすることにしておりまして、まだ私からどういうふうなつもりでいるかという御返事はできませんけれども、研究の対象には将來なるということは申上げますが、ただそれは人事院だけでなくほかのほうも一般に皆研究の対象になるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/3
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004・杉山昌作
○杉山昌作君 将來の研究問題になるということなんでが、これらは人事院の勧告があり、或いは政府の給與の引上案が出る度に非常に大きな問題になつております。御承知の通りにこれはひとり勧告に限らず、先般参議院では予備審査の階段にありますが、例の専売裁定の問題につきましても、あれもやはり裁定というものは結局ストライキかできないのだ、だからしてああいうふうなものになるということになれば、当然裁定は尊重されるべきことでありましようが、それらのお取扱等は政府のほうでは必ずしも法規的にはどうか知りませんが、親切ではなかつた。從つてそれが問題になつて、結局国会の中でいろいろな論議の結果、裁定は尊重すべきだということで、あの案はどうなるかわからない、参議院における予備審査ではあの案の取扱について政府にも多少のお考えもあるようだから、暫らく審議を棚上げだということになつた。これらも裁定といい勧告といいます言葉は使うけれども、いずれも公務員なり或いは準公務員の労働運動或いはストライキというふうなものを制限して、それを救済する最も中正妥当な解決案ということが勧告であるし裁定であるということになつておるのであります。そこらについてのお取扱について必ずしも今までは十分でなかつたからこそああいうふうな国会の内外を通じた問題になるのだろうと思いますが、只今のお話ですと、これはいずれ研究問題になるだろうということですが、どうぞ一日も早くやはりこういう問題ははつきりさして、要らざる論議紛争を起すことのないような御措置を願いたいと思います。それだけお願い申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/4
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005・千葉信
○千葉信君 只今の杉山委員の質問に対する御答弁の中で、法律が勧告の問題を規定したときの考え方として、人事院から出された勧告を政府のほうでこれを検討をして、両者歩み寄つて最後のいい結論を出すという建前で設けられたものだというところのお話がありましたが、こういう出発点からしてこの法律の解釈というものは只今のお話でははつきり間違つておると思うのであります。それはどういう点かというと、今の官房長官の御答弁では人事院と政府というものの両者の歩み寄りということで考えておられますけれども、一番大事な公務員諸君の立場というものを完全に忘れてる考え方だと思うのであります。もともと本來ならばこれは公務員諸君と政府との間で一応こういう問題について話合つて解決すべきものを、そういう状態に放置すればどうしてもこれは公務員諸君が自分たちの生活の権利を守るために政府と話合が付かないときは或いは罷業権を行使するというような恰好になつて相当紛争が予想される。從つてそういう立場から人事院という中間的な機関を設けて、そこで政府と公務員の中間的な、両者の中間的な立場に立つて合理的な両者に納得することのできる合理的な結論を出す、そういう立場からこの勧告の問題なんかが取上げられているわけですから、そういうことになりますと、もともとの考え方というものとは、人事院が出した勧告を政府のほうで検討して、人事院と政府との間で考え方が歩み寄るところに最後の解決点を持つというような、そういう考えは私は根本から間違つた考え方だと思うのであります。これに対しては官房長官どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/5
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006・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 歩み寄りと私は別に言つておるのではなく、予算の関係で政府はこれを見る、これは法律においてそうなつておるのであります。予算の点から政府はこれを実現できるかできないかということを見るということは当然認められると思います。初めから法律にそうなつておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/6
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007・千葉信
○千葉信君 そういう考え方の問題はやつてもしようがありませんから、次に入りますが、政府のほうとして今度の人事院の勧告なり、それから十月の十八日に申入れた法律改正に関する意見書等を御覧になつて、一体人事院の勧告の中で一番大事な、一番根本的な点はどういう点にあるというふうにお考えになられたでしようか。例えばもつと具体的に申上げますと、この勧告の主張しておりますところは、公務員の給與は一万一千二百六十三円に引上げなければならない、同時に企業官庁の職員に対しては特別俸給表をこの際適用するように、第三には奨励手当制度を設けるべきだ、それから特別手当の問題もありまするが、これは一応年末手当という問題でありますからこれはとにかくとして、その次には休職者に対する給與制度を確立すべきだ。こういうようないろいろな條件勧告されておりまするが、政府としてこの勧告を御覧になつて、一体この勧告の中に何が一番大事だというふうに御認識になられたかどうか、その点を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/7
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008・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) どうも誠にむずかしい御質問でありますが、やはり我々の考えの中心はベースアツプの点であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/8
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009・千葉信
○千葉信君 私もその点では官房長官の只今の御答弁に賛成だし、当然だと思うのであります。そういう考えを持ちながら政府のほうでは今度御承知のように一万六十二円なんという法律案を出して來ておられる。この一万六十二円の中には相当な数字上の疑惑を持たれる節がかなりありまするが、その一万六十二円をそつくりそのまま信用するとしても御承知の通りに人事院の勧告は非常に大きな開きがある。政府のほうとしては今度の給與引上げの法律案の中で予算上は大体百五十三億という給與引上げの何を考慮されておられるようですが、それでも人事院の勧告とは百七十八億五千万円という大きな開きを持つている、そつくりそのまま一万六十二円という政府の数字を信用してもそれだけの大きな開きがある、つまり三百三十一億五千万円要するところへ政府のほうでは百五十一億円しか計上しようとしておらない、他の特別俸給表であるとか、奨励手当であるとか、休職者に対する給與というふうな問題もあるにはあるけれども、とにかく今官房長官が言われたように今度の勧告の中で一番根幹的な、一番人事院が強く主張しておるのもやはりこの給與の引上げというところに重点が置かれておるのであります。而も政府のほうから提案された理由を見ますと、人事院の国会及び内閣に対する勧告を原則的に尊重しておるという言葉を使つております。こういう重大なものをば蹂躪に等しい態度で取入れておきながら一方で尊重しておるという言い方をしておるというのは誠に珍妙だと思うのであります。この点については官房長官としてはどうお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/9
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010・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) それは法案で御覧の通り平均給與といいますか、一万幾らという点では予算の関係上人事院の勧告にそのまま從うわけに行かなかつたのでありますが、從える範囲内では、例えばそのうちの俸給表の作り方とか、或いは休職者の手当とか、或いは特別の俸給表を作るとか、いろいろの点でできるだけ人事院の勧告に從うことに努めて來たのであります。予算のほうはどうも予算という財源その他の関係がありますので、遺憾ながら全部そのままとるということはできなかつた、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/10
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011・千葉信
○千葉信君 予算の問題ということになりますと、これはもう政府として例えば千二百億とか、千三百億税の増収分があるなどという事実が一方にあるにかかわらず、その予算は政府の政略的な、極端に言うと政略的な方向に非常に多く使われているという状態から言いますと、予算がないということはもう初めから逃れ口上で、政府のほうで出そうという意思がなかつたからほかのほうに予算をとつてしまつて、あとはこつちのほうにはこれしかないのだということを言うだけであつて、私は予算がないなどという言い方自体がもうすでに人事院の勧告を尊重するという考え方や、それから又民主的に国家公務員法を運営するという考え方を最初から政府が持つていなかつた証拠だと思うのであります。大体今官房長官は予算上の問題等を一方では理由とされながら、一方では人事院の勧告をできるだけ尊重したんだということを言つておられるようですが、大体今度の給與予算の問題等を見ますと、まあ今度の政府の給與法改正の一般的な考え方は別として、そういう予算を増額するとか何とかということについて人事院の勧告を尊重したなどということがもうすでにおかしいと思うのです。で、私は次の点をお尋ねしたい、私どもの承わつているところによりますと、今年の四月頃政府のほうではやはり公務員の給與は一人当り二千円くらい引上げるんだというような話をされたこともあつたようです。これは正式に閣議にかかつたのではないかも知れないけれども、総理大臣がそういう意思表示をされて、そうして大蔵当局に予算上の検討をしろということを言われたというようなことも新聞でも報道されておりましたし、それから又地方選挙のすんだあとでは、検討の結果、千円くらいしか予算上の見通しが立たないというような話もありましたし、そして又その後大蔵省のほうでは公務員の給與の引上げのために、千五百円程度増額するためにいろいろ作業を続けている。ところがそういう大蔵省当局の作業の過程の中で人事院のほうから八月の二十日に勧告が出ているんです。その出た勧告では明らかにこれはもう千五百円なんかでは足らないという勧告が出ているんです。その後一体政府のほうでは人事院の勧告を尊重して、大勢当局でいろいろ検討を続けていた千五百円を一銭も増額されていないじやありませんか。初めから一体政府のほうでは人事院の勧告なんかを尊重したり、考慮したりするという気持を持つていないじやありませんか。一体そういうふうな大蔵当局が千五百円くらい増額するとかしないとか言つて検討されていた後に出た人事院の勧告に対して、改めてその増額分なんかについて考慮されたことがあるのですか、ないのですか、その点を承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/11
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012・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) いろいろ千葉委員からお話がありましたが、これは千葉委員の御意見でありまして、我々は無論人事院の勧告が出ればそれをまじめに検討し、又財源も検討するのは当然のことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/12
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013・千葉信
○千葉信君 それでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/13
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014・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 御質問は検討したかどうかということだと思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/14
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015・千葉信
○千葉信君 而もそれだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/15
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016・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 無論検討したんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/16
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017・千葉信
○千葉信君 検討されて、一銭も増額できなかつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/17
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018・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 今も千葉委員から、自分でもおつしやつたように、二千円ということもあつたかも知れない、千円ということもあつたかも知れない、千五百円になつたかも知れない。要するに財源と睨み合せての問題ですから、初めから千五百円しか出さんということにきめて、人事院の勧告が出ても一銭も増額しない、そういうことじやない。一遍もきめたことはないのでありまして、人事院の勧告が出てから検討して幾ら上げることができるかということをきめた。その結果が大体千五百円という今の案になつたわけです。その前に幾ら上げるということをきめたことは全然ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/18
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019・千葉信
○千葉信君 そんなことを言つたつて国民は第一この答弁じや納得しませんよ。幾ら政府のほうで人事院の勧告の出る前に、千五百円なんて金額を考慮したとかしなかつたとか言つたつて、あんなにじやんじやん新聞なんかに報道されている。これはもう政府のほうでは新聞に出た記事なんかに我々は責任を負わないということは切口上としていつでも言われておりますけれども、あれほど報道され、私どもも又大蔵省のほうへ行つてそういう作業が行われていたことを知つている。それをあなたが今ここで、国会で答弁さえしちやえばそれで万事終るんだというような恰好で、我々は千五百円なんという問題は全然とり上げも考えもしなかつた、人事院の勧告前にそんなものはとり上げもしなかつたなんて言つたつて、それは答弁としては一応それですむかも知れんけれども、国民の腹の底から納得しないような答弁をしておいて、それで通るというようなことを思つているのなら、あなたは実際民主主義国家としての官房長官の立場を忘れているんじやないか。まあ併しその問題についてはこれ以上官房長官はお答えになるはずもありませんから、この点は私ども法案審議の上で考慮することにして、その次の問題に入りたいと思います。
この前の八千円ペースのときに、御承知の通り上と下との倍率の問題がございましたことは、これは官房長官も御存じだと思います。人事院のほうからは七・五倍という倍率の勧告が出て、政府のほうではこれを八・三倍というふうに上下の開きを増大して国会にお出しになつた。そこで国会の中で、こういう低い賃金の水準の中でこんな上下の倍率を開くことは差控えるべきだという点が相当論議の対象になつたはずであります。ところが今度の勧告と政府案とを比較して見ますと、これは冗談かも知れませんけれども、今度の人事院の勧告は十倍強の倍率で、政府案のほうは九倍強の倍率だ、人事院よりも上下の開きを縮めたんだから、だから今度はこの前のようにこの点についての論議は行われないだろう、そうして笑い話みたいに、そういう政府案を作成された大蔵省の一部の人が、今度は千葉がこの倍率の問題で何と言つて文句を言うだろうと楽しみにしているという話まで聞いております。それで私どもも本当にそういうふうに政府案の倍率の問題について文句を言わなくてもいいような政府案が出て來るんだろうと思つていたところが、どつこい出て來たものを見たら実は今度の政府案では人事院の倍率よりももつと開いたあくどい倍率の政府案を出して來ているのです。勿論今度の政府案の倍率は一番下と一番上とを比較すると成るほど九倍強です。併し今度の政府案の特徴を見ると、上からずつと直線を描いて來た給與の倍率が、三級以下に行くとぐつとこれがはね返つて、一級、二級、三級だけが特に増額されている。一級、二級、三級だけが、特に一級だけが増額されているために、成るほど一級と十四級との倍率は縮まつた。併しそのために一番不利益を蒙つているのは一番公務員数の多い、而も一番働いている中堅的な四級、五級、六級という連中が片つ端から叩かれている。一体こういうふうな上下を平均して殖やすような、当然やらなければならないまじめなやり方をしないで、どうしてこういうインチキな、どうしてこういうためにする惡意を持つたと言つても差支えないようなこんな作り方をされたか、その理由をこの際承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/19
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020・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは我々としましては何といいますか、基準の四千円なら四千円というところを幾歳の人に置くかというような点を先ず見まして、そうしてあとは普通の方法でずつと計算して行つたわけでありまして、それについては人事院の勧告の趣旨も十分に考慮しまして、それで今の俸給表を作つたわけであります。おつしやる点は非常に技術的で、私よりも或いは説明員のほうがよく説明ができるかも知れませんから、我々としては決して惡意を持つてやつたんではない。これでちやんと行つているのだと確信しておりますが、細かい点は説明員からでも十分御説明申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/20
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021・千葉信
○千葉信君 官房長官で御答弁できるようは御質問を申上げます。この問題に関して、大体政府のほうでは今おつしやられた十八歳の独身の公務員を基準として人事院のほうからは四千二百円の勧告がなされた。政府のほうからはこの基準に対して四千円という法律案が出て來た。そうして政府のほうでは人事院の勧告に比べても成るほど俸給表では二百円少いけれども、併し税率の改正等によつて大体人事院の勧告通り支給した場合に受取る手取金額よりも、税率の改正を見込めば政府案のこの四千円のほうが手取がむしろ一円ぐらい多くなる。こういう政府のほうでは基準の十八歳の諸君だけを例にとつて、自分のほうの給與も決して人事院の考えと、人事院の勧告よりも不利ではないのだという説明をされておりますが、先ほど申上げたように、一級、二級、三級のところだけ直線を画いて來た給與の増加率から見ると、ぐつと殖やしているために、成るほど二級三号のこの基準の四千円の公務員は政府案と人事院案とは大差ないようです。併し大差ないけれども、今度は先ほど申上げた四級、五級、六級という諸君になると、政府案と人事院案とがその税率を全部計算してみても非常に段違いになつて來ている。その点はつきり申上げてみると、一級から二級までは大体政府案のほうが少し手取が成るほど税金を計算すれば損にはならなくなつた。ところが今度所得税や地方税なんかを全部計算すると、極端な例で行くと、一級三号の場合にはこれは勧告と政府案とを比べてみると、二百七十一円ですから、この点は余り大した問題にならん。これは本俸のほかに東京都の地域給をもらつている人の場合の計算ですが、それを全部つけて計算すると、成るほど政府案のほうが二百七十一円だけ多くなつている。税金を全部計算してです。それから二級の三号あたりでは少しこの点は多くなつておる。ところが驚いたことには、例えば四級四号に行くと、今度は人事院案に比べて政府案のほうは税金を全部計算しても百九十円足りないのです。それから五級の五号なんかの場合にはこれは百七十九円足りない。最も極端な例を言うと、八級五号の場合には政府案のほうが四百六十七円、税金を全部今度の改正される税率で計算しても四百六十七円足りないのです。以下大体もう十一級あたりまでは完全に政府案のほうが非常に手取金額が少くなる。税金を計算すればそうはつきりなるのです。こういう恰好だと、政府のほうで盛んに二級三号の基準だけを盾に取つて、おれのほうが決して損じやないのだということを言つておられますけれども、一級、二級だけの場合であつて、その他の連中は、その他の諸君の場合には非常に不利になつておる。こういうふうに税金を全部計算してもなお且つ大きく不利になるような取扱をどうして最も中堅的な四級から七級、八級の諸君に対して取らなければならないか。この理由を一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/21
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022・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これはさつき申しました通り、基準をつけまして、あとはいつものようにずつとこの俸給表を作成して行くのでありまして、その結果そうなつたのかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/22
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023・吉田法晴
○委員長(吉田法晴君) ちよつと途中ですが、官房長官は衆議院の内閣委員会で恩給法の採決をするので、暫時暇をもらいたいという、こういう申出でございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/23
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024・千葉信
○千葉信君 相当審議に時間がかかると思うのですが、成るべく二十七日までに上るようにやりたいので、できるだけ今日も又続行したいと思いますから、直ぐお出で願えるでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/24
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025・森崎隆
○森崎隆君 私のほうはちよつとお聞きしたいのですが、お急ぎのようですからもう一遍あとから又來て頂きましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/25
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026・吉田法晴
○委員長(吉田法晴君) 内閣官房副長官が來ておられますから……。それじや二十分程度休憩をいたします。
午後三時二分休憩
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午後三時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/26
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027・吉田法晴
○委員長(吉田法晴君) 休憩前に引続き質疑を続行いたします。
〔委員長退席、理事千葉信君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/27
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028・森崎隆
○森崎隆君 官房長官があちらに行かれまして、副長官の菅野さんが來られておりますから、今千葉委員からいろいろ基本的な御質問が随分ありましたのですが、十分なお答えが頂けなかつたので非常に残念がございますが、まだあの御質問が続行されるようでございまするが、今まで千葉委員からお聞きいたしましたような内容につきまして、多少補足的な意味で副長官にお聞きいたしたいと思います。
一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明書、この日丁度私引揚げのほうに行きまして、あとから聞きますと、十分審議はされていなかつたようでございまするが、この提案理由の説明書につきまして二、三お聞きいたしたいと思います。最初の一頁で「職員の困難な生活事情にかんがみまして」と書いてありまするから、政府におかれましても、やはり現在の給與体系ではとても公務員の生活を支えることはできない、そのために給與を改訂して生活の安定を図るというこの意味のお気持はあつたことだと思いますが、その次のところに、給與水準の研究がなされていたということ、それから所要財源の捻出に鋭意努力を続けて参られたということを書いてありますが、從いまして人事院の勧告案が出されます以前から、もつと具体的に申しますると、昨年末の給與の改訂直後からずつとこの誠意を具体化する意味におきましてですね、御研究が続けられたことだと思いますが、今官房長官に聞きますと、結局まあ今度の政府案がその最後の結末だということになつておりますのですが、時間的な関係でお聞きしたいのは、理窟は人事院の勧告案が出て、それと見合わせまして政府の最後案が出たことになつておりまするが、やはり勧告案が出ますまでにも相当人事院も作業し、相当時間もあつたことだと思いますが、その間において或る一つの水準といつたような、まあ結論じやないでしようけれども、中間案といつたようなものが政府のほうで持たれましたかどうか、持たれておりましたならば、どういうような研究をされて、どの程度ということが妥当だと、例えば四月の時期と六月の時期と八月の時期と、又現とではおのおの変つておりますけれども、その各段階にはやはり一つのこの程度はなくちやならんというものがあつたろうと思います。この御研究されました具体的な経過、その中の節々のところだけちつよとお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/28
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029・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 公務員の給與……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/29
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030・千葉信
○理事(千葉信君) どうぞお坐りになつて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/30
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031・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 公務員の給與につきましては、その後の物価の値上り等は常に注視いたしておりまして、それに対しまして給與の改訂をしなければならないというような結論を持ちまして、その財源の捻出に努力いたしましたのは、人事院から政府に対しまして勧告がなされました以前一、二カ月のところだと記憶しております。併しながらこれは主として財源捻出でございますので、政府全体として決意をはつきりしたのではなく、むしろ大蔵省等におきまして、財政全般を見ましてどのくらいの財源が一体可能であろうかというような検討をいたしております。併しながら給與の改訂というのは勿論財源によつて相当いろいろに変つて來るのでございますが、それのみでは完全でございませんので、その後の物価の値上り、或いは民間等の給與の実態を毎月勤労統計というようなもので以つて見まして、財源と睨み合わして研究をしておつたのであります。從いまして御質問の或る一定の財源の具体的の数字を確定して、そしてそれでやれば何円ベースになるというようなことは政府として決定したものではなく、大蔵省等でいろいろな案を考えておりますときに、そういうことが、数字が出まして、それが巷間政府の案であるかのごとく伝えられたのでありますが、政府といたしましては、最後的の決定は勿論人事院からの勧告があつた後でございます。それまでは研究或いは検討の途中の段階の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/31
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032・森崎隆
○森崎隆君 今の言葉から考えますと、ベースの改訂という科学性に立脚いたしましたベースそのもののスライド的研究ということじやなく、先ず財源という面からこれを中心にして御研究になつた、言い換えましたならば、出し得る財源というものの一つの絶対條件の下に給與水準というものを作り上げて行こうというような御方針で御研究になつた、こういうように解釈していいのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/32
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033・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) それが政府といたしまして、この給與改訂の裏付をする場合におきましては、非常に大きい要素になりますので、勢いそれに重点を置いてやるのでありますが、先ほどお答えいたしましたように、それのみでは完全でありませんので、その他の一般客観的情勢を常に注視して、それと睨み合せて検討しておつた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/33
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034・森崎隆
○森崎隆君 それで二頁の「目下財政経済等の諸事情を総合的に勘案して」云々ということになつて來ましたのですね。それではその次に「給與改訂は一日の遷延をも許さない情勢に立ち至つておるのであります。」これはやはりはつきりね、結論が出たと思います。これ以上ベース・アツプをしないでおくことはできないという結論に達したと思う。このはつきりした結論を出されるその決意をされた基底になりますものは、一体どういうものではつきりした決定がなされましたか、それをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/34
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035・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) これは主として人事院の政府並びに国会に対する給與政訂の勧告であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/35
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036・森崎隆
○森崎隆君 それでは人事院の勧告案が出まして後に決定がなされたというように考えてよろしうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/36
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037・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/37
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038・森崎隆
○森崎隆君 その次のところでございますが「生計費、民間賃金その他諸般の事情を彼此勘案いたしました上」、これは結構でありますが、
〔理事千葉信君退席、委員長着席〕
「つとめて人事院勧告を尊重する建前の下に」というお言葉がありますが、これまでずつと研究されて來ましたところが、財源措置というものの大きな條件の上に立つてベース改訂のことが考えられて來た、そういう関係から人事院の勧告案を尊重するに至つたのでございましようか、言い換えましたならば、政府自体に人事院の勧告案、あの水準に対抗するような一つの給與に対する基本的な意見がまだ作られていなかつたところに人事院の勧告業が出た、從つてその人事院の勧告案を尊重するというようなことに解釈していいのでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/38
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039・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/39
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040・森崎隆
○森崎隆君 その場合、人事院の勧告案を尊重する建前というのですから、どの程度尊重されたか、具体的には何を尊重されたのでございましようか。人事院勧告案のどこを、又どことどこをどのように尊重して政府案が打ち立てられたという、尊重の具体的な御説明をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/40
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041・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 人事院の勧告につきましては、財源の許す限りこれは全部そのまま尊重して法律案にするのが理想でございまするが、何分にも財源にも制限がございますし、これは又一般財政状態との均衡からも出し得る財源というものが定つて参りまするので、人事院の勧告の中におきまして、給與の額につきましては勧告通りには参つておらないのでございます。それでその他の点につきましては奨励手当を、現業職員に対する奨励手当の問題は多少まだ検討の余地がございますので、これを勧告通りにはできなかつた、この以外は給與表の作成の方針、又その方法、その他休職者の、休職職員の給與等につきまして、殆んど人事院の勧告をそのまま採用して法律案を作つたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/41
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042・森崎隆
○森崎隆君 勧告案を尊重するということにつきましても、今のようなお言葉があつたようでございますが、その点いろいろ私ども疑問を持つておるわけであります。例えば人事院の勧告案でこれこれの予算が要る、それだけの予算はない、精々七〇%ならば七〇%程度の予算しかない、その三〇%をどんなにして減すかという一つの方法論が出て來るわけですね、言い換えましたならば、人事院の勧告案の一つの水準というものを個々一つ一つに平等に何%減ということがまあ出て來るわけですね、そういうようにして予算等ではくくつたが、それ以外は全面的に尊重したということは、一つはつきりした話もわかると思いますですが、実際出されましたベースはさつきも千葉委員が申されましたが、大部政府の手で政府自体の独自の意見があるということを如実に証明しておるように…政府自体の考え、御意見というものが政府案の中に入つてあるような気がいたします、その点につきましてはどうでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/42
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043・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 財源の点が人事院の勧告通り賄えない場合におきましては、ひとり俸給表の個々の額ばかりでなくその他についても多少是正を要する関連事項がございますので、その点につきましては、政府の考えを入れまして案を作りまして、最後の決定は国会の御審議に待つという方針をとつておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/43
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044・森崎隆
○森崎隆君 さつきは奨励手当、それから財源の制限の枠内からいろいろ政府の意見を入れた、それ以外は全面的に人事院の案を尊重していると言いますが、具体的にはちつとも尊重されたところが私にはわからないのでございます。地域給の問題はこれは一応全面的ということになりましよう。そういう具体的なところ、どことどこをどうだと、例えば一つのカーブができますですね、ベースの水準で人事院のカーブと政府のカーブでは大分千葉委員が指摘されたように、違つておるのです。私たちは惡意という気持はないのですが、やはり或るベースができまして、それを予算的に全面的に出せないから、何とか何割か減さなければならんといつたときに、公務員全体の生活というものを本当に何とか守つてやろうという気持がありますれば、その乏しい枠内におきまして最大多数のものを成るべく優位にしてやろうといつたようなお考えは当然政府の気持としてなければならんと思うのですね、ところが出されたベースを見ますと、何といいますか、ちよつと彎曲したような中だるみと申しますか、さつき千葉委員が申されましたように、四級、五級、六級のあたり、実はここは一番公務員がたくさん入つておる、そこに全部入つている、初任級あたりのところ、それから上のほうは極く少数、そこにどうも私たち割切れないものがある、これは繰返して恐縮ですが、千葉委員がはつきり指摘されましたように、素直に全体を何%か減すということになれば、又政府としてもそれは筋が通つたことでございましようが、一級、二級あたりのところはちよつと意識的か何か上げてあるのです。それは四千のところをどこに取るかという御意見で、これは人事院と意見が違うと言えばそれまででございますが、あそこを上げますと、倍率が非常に低くなるというような点もございまして、私たちが惡意でこれを考えますと、何か人だましのためにわざわざ末端だけを吊り上げて、まん中をぐつと押えて上を又上げるという非常に惡質なカーブを意識的に出したのではないかといつたような結論にならざるを得ないのでありますが、この点について一つ腹蔵のない御答弁を頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/44
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045・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) お言葉でございますが、政府のほうでは財源の制限がありますので、成るべく公務員の数の多いところを故意に減らして、そうして均霑するようにというような、言い換えれば俸給表の体裁をよくして、少い財源で以てたくさん上げたかのごとく見せかけるような意思は毛頭ないのでございます。人事院勧告をどの程度尊重したかということにつきまして、具体的に申上げますと、先ず俸給表の作成でございますが、成年独身男子の標準生計費を人事院勧告と同様に二級三号といたしましたのは同様であります。この点につきまして前回は人事院と不幸にして意見が違いまして、勧告通りにはできなかつたのですが、今回は二級三号で以て人事院の勧告通りであります。それからその額につきましては、これは人事院の勧告当時予想されなかつたいろいろな諸料金、運賃等の値上げ及び今回のこの臨時国会に出しておりまするところの比較的低収入の勤労者に対する大幅な減税という要素も勧告には入つておりませんが、これは当然入れまして、計算いたしますると、人事院勧告が四千二百円になるのが、政府の計算は四千円でございまして、この点につきましては人事院も了承しているような次第であります。その四千円を二級三号にとりまして、今度はその上のほうでございますが、今回の人事院の勧告はすでに御説明があつたと思いまするが、各級ごとに民間の給與を刻明に調べまして、そうしてその平均の近似値を取つてカーブを描いているのであります。從いまして、政府といたしましては、その人事院の非常な努力と手数の結果を全面的にこれを尊重いたしまして、その給與曲線に沿いまして俸給表を作つたのでございます。併しながら二級三号に四千円を置いたということと、それから最低の給與を確保したいというような気持から多少その辺の格差は違つておりますが、カーブは人事院のカーブに一割二分ばかり減らしたものがそのままのカーブになつて繋つているわけでございます。その結果大体この十四級の最高といいますか、いわゆる通し番号で七十号くらいのところは人事院の民間給與の実態調査によりますと、取締役級の給與額に該当いたしますので、その結果におきまして検討しますると、あながち局長級が取締役級に該当するということで以て不当なものでないように考えるわけでございます。
それから企業官庁の職員に対しましては、勤務の特殊性に応じまして、人事院の勧告通り企業官庁職員特別俸給表というものを作ります。それから、先ほどお話のように、勤務地手当の支給区分は本年五月の人事院の勧告をそのまま採用いたしました。それから休職者の給與につきましては、人事院の意見を十分尊重いたしまして、これを法文に明記したのであります。なお、人事院勧告では八月からこの給與の改正をするようにという勧告でございましたが、遡つて二月目、三月目に給與の改訂をするということは、今回の法律案の附則を御覧になつてもわかりますように、非常に複雑な手数をとりますのと、恩給法その他につきましていろいろな問題が起りますので、政府の案は十月からといたしましても、その八、九の二月分は本年に限りまして年末手当を〇・三だけ増額するということで以て一応実質的には八月から改訂をしたと同様につまり実質的には勧告の趣旨を尊重しているような次第であります。從いまして、先ほど御質問のありました四級、五級のところが中だるみになつているのじやないかというようなお話につきましては、民間のその程度のところの給與がそうなつているのでありまして、その人事院の曲線を尊重いたしまして、それに沿つて今回の俸給表を作り上げたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/45
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046・森崎隆
○森崎隆君 これは専門員室のほうでお作り頂いた資料によりますと、一級から十四級までずつと地域級なんかを加算しまして、税金なんかを全部差引いてあるのですが、人事院の案の場合には手取は幾ら、政府案の場合には手取は幾らかという比較をして見ますと、一級、二級、三級あたりは政府案は人事院案よりは少し手取が多いのです。この点は若い人にとつては感謝申上げるところでありますが、だんだん漸増いたしまして、四級か五級あたりから人事院の案よりも政府案のほうがだんだん手取が減りまして、最後に十一級あたりだつたと思いますが、その辺になると、こうなつております。一級三号では勧告案が先ず税金控除額を引きまして、四千百二十五円になつております。政府案では四千四百六円になつておりますからこれはよいわけですね。これが二級三号になるとどうなつておるかと言いますと、人事院案では四千四百一円、政府案では四千六百十九円、こうなつております。三級、四号になると今度は俄然ここで変りまして、人事院案では五千九十二円、政府案では五千八十五円、ここですでに七円ほどのマイナスになる。四級四号になりますと、もつとマイナスがひどくなります。一番ひどいのはどこですかね。八級の五号、これが山でありまして、ここになりますと、勧告案では大体一万四千九百二十二円、ところが政府案では一万四千四百五十五円で、随分開きがある。ずつと見ますと、十二級三号を最後といたしまして、十三級前後になりますと、今度は政府案のほうがプラスになつて行くのです。この中だるみというのは実際私たち考えますと、政府はあなたのほうでいろいろ申されましたが、この現実を見ますと、私は非常に腑に落ちない点がたくさんあるわけです。勿論これは家族構成員の問題もございますが、結局公務員の生活実態から考えますと、五級、六級、七級、八級、九級あたりは政府案は勧告案よりもずつと低くなつておる。この部面の人々の生活が一番今脅やかされておるのじやないかと思うわけです。金が足りなければ足りないで、こういうところをもつとよくするということについて、そういう意味の研究は当然給與についての研究としてやつてもらいたかつた。それがこれは具体的なこういう資料がございますので、これについて非常に私は不満に実は思うわけなんです。こういうような惡意じやなくて、こういうように私さつきも申上げました私たちの意見は、昨年の十二月におきましても、官房長官、それから磯田さんと随分渡り合いまして、どうしても調整法との間違いを幾ら突つ込んでも、あの法案のほうは頑として応じなかつた、飽くまで突つ張られた、到頭突つ張つてしまつた。突つ張つた結果あなた方の押切つたところの政府案が正しかつたかというと、その後にいろいろな問題が出て來た。今でもそうでしよう。予算を特別組まなかつたが、あの調整法その他の調整のために特別に費用を使つているでしよう。そういうような間違いがありましても、一旦政府が出したという面子を中心にしまして、我々がとにかく素直にこれが適当じやないかと言つた意見に対しまして、徹底的にあなた頑張られたんですね。非常にあのとき私は悲しく思いました。ああいうような気持が又今度もあるのじやないかというような、私は一度だまされて來ますとそういう気になるのです。そこが問題で、やはり公務員の給與について政府は本当にまじめに考えていると、この提案理由の説明書なんか実にうまく書いてございますが、果して本気でこれだけの気持を持つておるかどうか、そこへ結局帰着する問題なんですね、そういう点から私たちやはりいろいろともう今度だまされないという気持でだんだん人が惡くなるんですな、そういう意味でお聞きしておるのでございまして、そういう観点から立ちますと、やはりここにも一応努めて人事院勧告案を尊重するなんて申しておりますが、私たちから考えますと、どうも尊重していない、まあ小さな問題はいろいろございましようが、本当に勧告案を尊重する、基本的な尊重の中心になるものは、これはこの間も公述人に東大のあの鵜飼先生も來て頂いたのですが、鵜飼先生もこの点はつきり言つておられまして、私は非常に感服したのでございますが、勧告案を尊重するということはベースそのものを尊重するということなんですね、それ以外の末梢的なものを幾ら理由を付けて、あれを尊重した、これを尊重したと申しましても、それは本当に尊重したことにならないのです。中心の一番大事な眼目だけうんと削りまして、その他の面でいろいろきれいに申されても、私たちはやはり納得行きかねる。從いまして、この提案の説明書の中の人事院の勧告案を尊重したという言葉ですね、美辞麗句として從來のような官庁の文書としてこういうことを言わなければ気が済まないのでしようけれども、給與につきましてはもう少し端的に私は言うべきじやないか、こういうような言葉は取下げてもらいたい、人事院の勧告案を尊重しようと思つたが、できなかつたらできなかつたと正直に言うべきなんです。それをきれいに言つてこれで置くということに非常に私たちは実は不満を感ずるわけなんです。そういう意見を附してこの点非常に遺憾の意を表したいと思います。
それから結局財政措置の問題で財源の捻出ということが中心になつて來ておるのでございますが、これは官房長官あなたがたのほうで結局大蔵省との折衝は随分あつたことだろうと思うのですね、公務員のためには随分大蔵省との折衝の意味におきまして、少くとも私は期待いたすのでございまするが、あなたがたのほうでは何とか人事院の勧告は実施したいというような気持の上に立つて大蔵省と財源措置の問題で折衝されたことだと私は信じたいのでございますが、そういう折衝の経過等につきまして、まあお答えできる範囲で承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/46
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047・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 財源と申しますときには、必ずこの補正の予算になるわけでございますが、補正予算の案を作りますときには、大体どのくらいの財源が給與改訂のほうに向けられるか、從つてその財源を現在の平均給等に加えればどのくらいになるかということは検討をいたしましてきめなければならんのでありますが、そのときまでに至るまで、つまり大体の骨子の案ができるまでは内閣といたしましても大蔵省と数回に亘り非常な折衝をいたしまして、そして大蔵省のほうでもできるだけ多くの財源を給與改訂のほうに廻すという気持ちで以つていろいろ検討してくれるわけでありますが、今回の人事院の勧告はどう考えましても、現在の財政事情からは全面的にこれを呑んでその財源の賄いをするということはできないという結論になりまして、今回一応一人当りの平均給千五百円程度ということで以て案を作らざるを得なかつたような次第であります。併しながら公務員の給與をよくしなければならんということにつきましては、仰せの通り政府といたしましても常に考えておるところでありまして、将來財源の余裕さえできれば、人事院の勧告をそれこそそのままでも採用いたしたいと、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/47
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048・森崎隆
○森崎隆君 そのお言葉はもう今までたびたび聞いたのでございまするが、それがまあ具体的な現われ方によつてですね、私はその言葉を信用する度合が実は変つて來るわけなんでございますが、大蔵省との折衝、勿論これは政府でございますから、その中でどうこうということは私たちとして言い得ない立場でございますが、やはり折衝されたことだと思うのですね、私たちは本当に聞きたいのはどの程度あなた方が頑張られたかということ、言い換えましたならばこれは人事院の勧告案をこれを何とか実施するという気持が果して当初からあつたかないかということをお聞きしたかつたのであります。その点につきましては何かもつと具体的な御説明はつかないものでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/48
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049・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 人事院の勧告を仮に全部このまま実施するといたしますると、一般会計、特別会計で二百七十八億二十六年度において増加しなければならないような計算になるわけでございます。現在の財政上二百七十八億の金を二十六年度十月以降だけで以て要するような給與の改訂は、到底我が国の国力の堪え得られるところではないということであるのでありまして、政府案を実施する上におきましては、一般会計、特別会計ございますが、表面的な数字は百五十二億でございます。併しながらこれは各会計の間にいろいろ重複等がございますので、これらを差引きますと、百二十七億でできるのでございます。而もこの勧告をそのまま実施いたしますると、現在のベースに対しまして三割一分以上の値上げになるわけでございます。政府案は一割七分四厘という数字でございまするが、民間給與の実態を見ましても、本年の一月以降こんな大きな値上りはしておらないのであります。大体私のほうで以て見ますると、大体二割強くらいでございまして、とにかく現在の給與というものがよかれ惡しかれ一月一日から実施するように国会のほうで以ておきめになりまして、それを実施しておるのでございますが、それから以後考えて民間が二割強の値上げにしかなつておらないのに、公務員だけが三割一分強の値上げをするということは、何としても国民の了承するところじやないとかように考えまして、一応政府案をとつたのでございますが、勿論人事院の勧告は非常に科学的な根拠の上に立つて、若し財源の点が許されるならば現在あるべき理想の公務員の給與体系であるというふうに言われておるのでございますが、私たちは常に現在の給與に対してどういう関連に見るかというふうに考えて参りまするというと、先ほどの御説明申上げたように相当な値上りになりますので、而も財源も倍以上に財源がかかるというような点で止むを得ず千五百円程度で以て案を作つたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/49
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050・森崎隆
○森崎隆君 副官房長官のその御意見、まあ三割以上上がるのはどうもおかしい。そのこと自体は私よくわかるのですがね、ただあなたのおつしやるその意見は言換えましたならば、昨年末に決定したあのベースで本年の一月一日のあの実施のベースですね、あれは当然公務員が文化的な生活の最低水準を保持できるという一つの基本的なことがはつきり確立された上におきまして、余り上がらしてはいけないということはこれはわかります。言換えましたならば、この前のベースそのものがあのように歪められているという、言換えましたならば、前のベースの修正プラス今度の上昇率を加えるというような建前に立つて頂かないと、公務員の生活を守るベースを作り出すということは私はできない、その根底から私は間違つていると実は考えるわけです。一応あれは法律化していると言えばそれまででございますが、あのときは十分そういう意味の意見を実は我々あなたがたに申上げていたわけです。その点を特にこれは考えて頂かないと、民間給與との関係から三割以上上がつてはいけないと言いますが、その基本そのものがすでに間違つているのです。そういう御意見は私は実は成り立たないと思います。
それからもう一つですね、その問題に関連しまして、七月のあれは中旬でしたか、私たちが総理の官邸のほうにお伺いしまして、官房長官と実はお話合いいたしました。あの当時官房長官がはつきりこう言われた。国実公務員だけならば、人事院の作りましたこの勧告案は、そのときは勧告案はありませんが、いや八月の中旬でしたか、あれが出たあとですから、日附を私間違つておりました。当然実施できるのだが、地方公務員のことを考えたならば、必ずしもこれはできないといつたようなことがあつたのです。そのことは非常に私としましては疑念を持つたままに今日まで來ているわけでありますがね。あれはどういう意味でございましようか、私にはわからないのです。もつと具体的に申上げますと、あの言葉を若し正直に私たちが受取るといたしましたならば、地方公務員というものがないといたしまするならば、国家公務員だけには人事院の勧告案のあのベースは当然実施できるとこうおつしやつた。それは言換えましたならば、今あなたのほうで何か百二十七億とか幾らのものがあればできるとおつしやいました、言換えましたならば、政府案がここへ出されましたその差額百二十七億というものは地方公務員のほうにもこれを出さなければいけないから、一応政府案というものが中間でできたことになるのではないか、こういう意図で進まれたことになるのではないか、私たちはそう大体解釈できるわけです。それを逆説的に申しますると、從いましてこの国家公務員に対して勧告案を実施した場合、政府案を実施した場合のこの差額百数十億あなたが申されましたこの金は、そのまま当然地方公務員のベース改訂に全面的にこれを持つて行かなければこれは話が合わないのですね。そういう点について副官房長官はどのようにお考えでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/50
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051・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 恐らく官房長官がお答えいたしたのは、今度の給與勧告についてではないと思いますが、給與勧告の額によりましてはそういう場合が起り得ると思います。例えば政府部内だけならば財源も賄い得られるような場合がございましても、これを政府機関、或いは公共企業体、或いはもつと広く言えば地方公務員のことを考えますと、国家公務員の給與を、財源が一部分許するからと言つて全般的に上げるということもでない場合が考えられると思います。で地方公務員は地方公共団体の職員だから構わないじやないかというようなお説もあるかも知れませんが、結局これは平衡交付金等によりまして国家財源にかかつて來る問題でありまして、現在の地方公務員法によりましても、国家公務員に準ずる給與をやることになつておりますので、やはり財源として考えますときには、軍に政府部内ばかりではなくて、そういうような機関を全般的にやはり考える必要があるとかように考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/51
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052・森崎隆
○森崎隆君 もう一つ、さつきのあの数字でございますが、これは主計局の次長からあの通りの数字でいいのでございますか、ちよつと念のために正確なところをちよつとお聞かせ頂きたい。数字をちよつとお聞きいたしますが、十月一日実施といたしましては、三月末まで政府案による予算はこれは一応わかつておりまするが、人事院勧告案を実施した場合にはどれだけ余分に出さなければならないかが一つ、もう一つは八月一日に遡及して実施しました場合に、人事院勧告案ではどれだけ余計にしなければならないか。又政府案では幾らプラスしなければならないか。もう一つはまあこの政府案というものが通過するということを條件にしまして、年末手当の三割加給ということが臨時に考えられておりますが、この当時の〇・三ですね、これに要する予算は大体どう組んでいるか、その数字を正確なところを次長のほうからお聞きいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/52
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053・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) この席ですぐお答えができます数字と、取調べまして後刻申上げたい数字と二通りございますので、その点御勘弁頂きたいのでありますが、私どもの計算で十月一日から人事院勧告を実施することになりました場合に、どのくらい殖えるかという数字でありますが、これは先ほど副長官から申されましたように、結局一般会計におきまして一億六千六百万、特別会計におきまして六十五億一千万ということに相成ると計算いたしております。それからこれも御参考までに申上げますると、地方公務員につきまして百十一億六千九百万ということに相成ると思つております。それからこれも又御参考でありまするが、これを平年度計算にいたします。私どもが先ほど來御質疑を承わつておるのでおりまするが、補正予算の問題のみならず、問題は來年度予算に突つかかるという意味合におきまして、平年度の数字を申上げますると、一般会計におきまして百四十億三千万、特別会計におきまして百四十九億一千五百万、地方公務員におきまして二百八十九億七千二百万、こういう数字に相成ろうかと思つております。あとこれを八月に遡及した場合はどうなるかということにつきましては、只今資料を持ち合せておりませんから後刻申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/53
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054・森崎隆
○森崎隆君 もう一つ、年末手当のあの○三の予算はどのくらいになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/54
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055・東條猛猪
○府政委員(東條猛猪君) つまり〇・五と〇・八との違いでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/55
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056・森崎隆
○森崎隆君 分けて教えて頂きたい。それからもう一つ副官房長官にお尋ねしますが、八月一日から遡及することは事務手続上非常にむずかしい。十月一日にして二カ月分の差額を〇・三にしたわけです。特別に年末手当の場合に〇・三を加えた場合のそれに加わる税金その他の総額、これがベースに織込まれて、言換えますならば八月九月二カ月分で〇・三に相当する、それの部分の税金との間の差額はこれはおなじものかどうかということ、これも今すぐにお答えできないかと思いますが、お願いしたい。それからもう一つ次までにお願いしたいのは、八月一日に遡及して政府案を実施した場合、それと十月一日の今度の案との間の二カ月のズレの金額、それも実はお聞きいたしたいと思います。そうすると両方比較ができると思います。大体それは千五百円アツプで三千円というふうに、そういうふうにお考えだろうと思いますけれども、念のために一応計算をして出して頂きたい。それにつきましても又いろいろお伺い
したいことが出て來るかも知れませんから……。結局副官房長官にお尋ねしますが、〇・三で二カ月分をああしてまあカバーしたとおつしやいますが、この実施面につきましては、すでに政府は八月一日主食の値上りの様会に同時にやるべきだとおつしやつておりましたが、それが〇・三というふうに補正されたと思うのですが、手続上非常にむずかしいというのは、十月一日に遡及した場合と八月一日に遡及した場合と、そんなにやはり手間がとれるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/56
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057・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 遡る期間が長ければ長いほど人の異動、或いは昇給、退職と、いろいろとございます。これを一々合併するとか、或いは差額を追給するとかというような手数が非常に多いのでございます。又俸給の額によつて何らかの、例えば恩給等がきめられております場合におきましては、その決定も或いは直さなければならないといういようなこともありますし、殊に今回は企業官庁におきましては特別俸給表も作つております。この間の人事の入れ替り等も考えられますし、その他特別俸給表を適用するものがたくさんございますので、非常に複雑して來るわけです。そういう意味から言いますと、公布の日から施行するのが一番簡單でございまするが、一応十月に提案いたしまして、十月一日から適用するということにいたしまして、その手数と、それから複雑ないろいろな会計上の手続を成るべく少くするように心掛けたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/57
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058・森崎隆
○森崎隆君 結局それは十月一日に遡りましても、同様なことが言えるわけで、大小程度の差に過ぎないと、こういうふうに私どもは確認してよろしいのですね。その煩瑣の度合が少しうるさくなるから十月一日に切ると、これだけの理由で十月一日遡及に御決定になつたのでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/58
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059・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/59
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060・千葉信
○千葉信君 森崎君の質問に対する御答弁の中で、ちよつと腑に落ちない点があつたのでお尋ねいたしますが、たしか去年の十二月給與法審議の最中にも、政府のほうから人事院の勧告通りやれないのは、予算の関係上、財源の関係上不可能だという理由かはつきりございましたね。そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/60
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061・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/61
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062・千葉信
○千葉信君 そうしますと、今年一月の給與の改訂というものは、一応これは予算の関係上政府としても人事院の勧告を実施できなかつたわけであつて、今度改訂された給與が予算上に縛られたために満足なものでなかつたということが言えるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/62
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063・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) これも価値判断は別ですが、人事院の勧告と違つておるという点は了承いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/63
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064・千葉信
○千葉信君 違つておるということは、政府としては人事院の勧告を尊重したいけれども、予算上どうにもできなかつたという理由でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/64
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065・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/65
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066・千葉信
○千葉信君 ところで只今の森崎君の質問に対する答弁の中で、一体今年の一月給與ベースの勧告をした後で、民間の給與の上り方を見ると、決して今度の政府案よりも多く上つておらないと、こういう御答弁でございましたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/66
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067・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/67
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068・千葉信
○千葉信君 そういたしますと、その基準になる今年の一月の給與の改訂が予算上縛られたために如何ともできなくて、満足な給與の引上げが行えなかつた。そういう状態で一月には上げておきながら、併し今度は一月以降の民間給與の引上げが政府案と同じ程度にしか上つておらないから政府案が合理的なんだと、それから又政府案は或る程度これは満足してもらえるものだろうというような結論は出ないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/68
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069・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 予算上の制約はございますが、これは国会におきましてほかの財政一般の事情を勘案されて、その程度でその予算を出すことが現在の日本の財政力からして適当であるという御判断の下にその財源を承認され、それに基く法律案が可決されまして、そうして一応公務員の給與というものは成るほど人事院の勧告通りにはなつておりませんが、現在の日本の財政状態から許される最大限の給與法として一月一日より実施せよということで以て国会の意思が決定されたわけでございますから、それを根拠にして考えますと、先ほど申上げましたような結果になるわけでございます。恐らく人事院の勧告の姿はこの前の勧告のものがそのまま実施されておりましたならば、今回の勧告をそのまま実施してもその差というものは恐らく民間の給與の値上りと殆ど同じになつておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/69
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070・千葉信
○千葉信君 私のお尋ねしているのはそういうむずかしい問題じやないのです。この前一月の給與の改訂は予算上の理由から政府としても思う通りに引上げられなかつた。政府自身も予算上如何ともできなかつたということを今あなたも確認されたというように言つているわけですが。從つて今度の給與改訂の場合の予算上であるとか、財源関係であるとかいうことは抜きにして、大体政府のほうでは今度も人事院案を握つている大きな理由は財政上とか予算上の問題に籍口しているわけですが、その問題は一応抜きにして、今菅野さんは森崎君に対する答弁の中で、一月に公務員のベースが引上げられた、ところがその一月に公務員の給與べースが引上げられた当時からの民間の給與の引上げの状態も、今度の政府の引上率以上に上つておらない、だから政府案も一応民間の給與と比べると合理的だという御答弁を言われておるのですが、遺憾ながら一応その基礎になつた一月の公務員の給與というものは今申したように合理的なものじやなくて、予算上の理由から上げられなかつたのだということは今も、あなたは確認されたわけですが、そうするとそういう不合理ないわゆる又非常に低い水準で決定されてしまつたものを基礎として、その後における比較は公務員よりも高い民間の給與の水準の中での引上げと、今度の政府案の引上げが同じくらいであるからこの点で合理的だという答弁は理窟としては成立たないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/70
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071・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) お話御尤でございます。併し一月に実施された現在の給與法も予算上の制約を受けておりますが、そのときと比べまして今回は予算上の制限がないということは、又そういうような状態に日本の財政が置かれているということは考えられないのでございまして、給與法も予算上制約されて勧告通りいわゆる理想の形にはならなかつたけれども、今回もやはり同様の事情によつて勧告通りいわゆるあるべき理想の姿にならなかつたのでございますが、私どもは制限をしなければならないという立場に置かれながらも、大体民間の給與と同様、或いはそれ以上の値上りがあれば、この前の実施のときと同じ状態にはなり得るのではないか、こういうふうに考えて妥当性を申上げたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/71
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072・千葉信
○千葉信君 ですから私がこうして質問したのは、今度も又予算上の理由から低く不当に抑えられようとしている。ところが不当に抑えられようとしていることに対して副長官のほうから、一月にも引上げたが、一月の引上げのときには何か理合的な引上げが行われた要素に立つているような考えで答弁されたようなわけになるわけですから、從つて一月にも間違つた引上げが行われた。今度も又ぞろ予算の問題に籍口して低い水準にきめられようとしている。併しきめられようとしている水準は決してこれは高いものじやなくて、予算上の理由から低くきめられようとしているわけです。そういう状態からして、先ほどの民間給與の増加率、引上率を引合いに出されて、今度も一応合理的な引上げであるかのような答弁では不満ですからちよつとお尋ねしたようなわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/72
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073・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 一月実施された現行の給與法が予算上いわゆる勧告と違いましたものであると同様に、今回も予算上制限されたものであるということはお話の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/73
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074・千葉信
○千葉信君 予算上の問題については又問題は大きいですから、今日は大体時間もありませんから、この程度で散会されることの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/74
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075・木下源吾
○木下源吾君 この予算編成のときには初めから今度の給與の政府案というそういう建前でこの予算は組まれたのか。もう少し人事院勧告なり何なりを尊重するという建前で初めはやつぱりかかつたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/75
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076・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) これは先ほど副長官から御説明申上げた通りで、政府といたしましては人事院勧告を尊重してそのままこれを予算化いたします場合においては、どの程度の所要額になるかということは勿論考えまして、その計算をし、又それに伴いまして補正予算の全体の計数が如何であればこれに対する財源措置はどうなるかといういろいろの計算をいたしましたが、遺憾ながら人事院勧告をそのまま実現するということで補正予算は組めない、こういうことになつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/76
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077・木下源吾
○木下源吾君 補正予算を組めないというのはなんですか。あらかじめ収入というものを見て、これだけの収入という今度の歳入を先に全体を見て、そうして歳出を皆やつてると、給與にはこれだけよりはやれんという、こういうふうな方式でやつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/77
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078・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 一般会計につきましては大体お話のようなことでございます。特別会計でございますと、事業会計でございますれば、一般会計から赤字を埋めん限りは例えば料金の改定、そういうようなことで以て財源を埋めると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/78
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079・木下源吾
○木下源吾君 根本的なことは又あとでお伺いしますがね。専売裁定を政府は今度呑んだわけです。専売裁定は計算の根定、基礎は御承知ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/79
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080・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 大体承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/80
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081・木下源吾
○木下源吾君 二級一号四千四百円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/81
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082・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 二級一号を如何いたすかというようなことは政府がきめるというよりも、むしろお話のような仲裁委員会の意向を伺つて当事者双方できめる問題でありまして、政府といたしましては給與総額の問題と考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/82
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083・木下源吾
○木下源吾君 それでは内容をやつぱり政府はわかつておるでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/83
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084・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 仲裁委員会の裁定の内容はどうなつておるかということは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/84
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085・木下源吾
○木下源吾君 今の二級一号は幾らになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/85
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086・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 仲裁委員会の第二項でございましたか、四千二百円ということになつておつたのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/86
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087・木下源吾
○木下源吾君 それは四千二百円は違う、もう一遍調べて見なさい。我々は四千四百円と大体聞いておるのです。四千二百円でもよろしい、それは四千四百円に間違いないのだから……。そこで公務員の今度の場合は、政府は二級三号で三千八百円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/87
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088・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 四千円…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/88
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089・木下源吾
○木下源吾君 政府は四千円、そこで二百円違うね。二級一号と片一方は二級三号と、そこで同じにしても専売のほうは大変高いのだ、こういうことを承認するでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/89
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090・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 御承知の通りに公共企業体の給與体系の問題につきましては政府がこれを承認するとか、乃至は政府としてこういうことが適当であるとかいう判断を加えるよりも、むしろ国会で議決せられました給與総額の範囲内において、仲裁委員会の意向を尊重して当時者双方がきめるということになつております。從つて公共企業体の或る級の給與と、国家公務員の給與というものが必ずしも一致しなければならないものであるという結果にはならんでも、場合によつては止むを得ないとこう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/90
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091・木下源吾
○木下源吾君 私は一緒にならなければいけないと言つておるのじやないのですよ。大体生計費か、最低の生活費がどこらで一体食つて行かれるかということをやつぱり考えてるだろうと思うのです、あなたのほうで。ただ漫然と金がないからこれだけで働けたつてそういうわけには行くまい、人を使うのだから。そこで一方においては少くとも最低ですな、そこではこれだけでなければ食つて行けない。到底この政府はそんな余計なものをやれつこない。そこでその専売ではこれだけなければ食つて行けない。公務員はこれだけで食つて行けということは、同じ日本人であれば成り立たないと思うのですが、そこらをどう考えているかということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/91
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092・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) これは先ほど副長官から申上げました通り、今回の政府案では標準生計費は減税その他のことを考えまして、四千円が大体標準になるというふうに考えておるわけであります。そうしてそれを実現し得るように今回の法案を御審議願つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/92
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093・木下源吾
○木下源吾君 僕は今のは、あなたたちの政府案の基礎はそれはまだこれから二、三日も聞かなければわからないけれども、そうではなく、専売の場合と今のこつちの場合とを比較して今あなたに聞いておるわけなんです。幾ら言うたところがあなたのほうはこれだけで食つて行けるのだというのだから、一方のほうではこういうような同じ機関だから、政府機関のようなものです。そこではこういうようなところでなければ食つて行けないということがいろいろそれぞれの機関で決定してきまつておるのです。ただ漠然とした政府案、漠然として民間給與がどうだとかこうだとかいうようなことは、民間というものはぴんからきりまであるのだから、そんなことでは水掛論になるけれども、大体政府は公共企業体の元締めをしておるのだから、予算総額とか何とかいうことは、大蔵省のほうで、これなら手近なことは政府のほうでわかるのだと思つて聞いておるわけなんです。從つて今度の私の今のこれからあなたたちに聞こうというのは、実際に食えない、食えないだけの給與でそうして使うというこの不合理をあなたたちの考えではそれは合理的だと言う、それを我々は不合理と考えるので、それでいろいろあつちからもこつちからも理窟を持つて來て渡り合うわけなんです。今度はですから結局私の聞くほうは、あなたたちの今度のきめたやつはいいのだという根柢を考えておるのじやないです。私のほうは、そういう意味で聞くのでありますから、只今の質問も、専売のほうは裁定でこれだけでは食つて行けないというのに、やはりこれは政府のほうが関係しておるのもです、給與、予算総額だとかいろいろ……、そういうようにちやんと関係しておるものが食つて行けないというのに、公務員だけはこれだけで食つて行けるという理窟はないのだから、それだけのことはお考えになるだろうと思つてお聞きしておるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/93
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094・東條猛猪
○政府委員(東條猛猪君) 先ほど來申上げておりまするように、給與総額というものは国会の議決したことで、その範囲内におきまして当事者双方が協議をしてきめるのでありまして、これは公共企業体労働関係法と、国家公務員の給與に関する法律とは別個の法律が国会の議決によつてきまつておりまして、それに從つて給與のいろいろ基準なり体系というものがきまつております。という以上は多少のそこに違いがありましても、仲裁委員会の裁定或いは当事者双方の話合の結果が政府案と違つておるから政府のほうは不合理だということにはなるまいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/94
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095・木下源吾
○木下源吾君 それではこのくらいにしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/95
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096・吉田法晴
○委員長(吉田法晴君) それでは先ほど千葉委員のほうから動議がございましたから、本日はこれを以つて散会をして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/96
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097・吉田法晴
○委員長(吉田法晴君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
午後四時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214548X01119511121/97
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