1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十一日(水曜
日)
午後一時二十四分開会
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出席者は左の通り。
委員長 木下 辰雄君
理事
松浦 清一君
千田 正君
委員
秋山俊一郎君
玉柳 實君
政府委員
水産庁長官 藤田 巖君
水産庁次長 山本 豐君
事務局側
常任委員会専門
員 岡 尊信君
常任委員会専門
員 林 達磨君
説明員
水産庁漁政部長 松任谷健太郎君
水産庁漁政部漁
業調整第一課勤
務 安福 数夫君
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本日の会議に付した事件
○水産物増産対策に関する調査の件
(漁業協定に関する件)
○小型機船底びき網漁業整理特別措置
法案(内閣送付)
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001・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
法案に移る前に、日米加漁業会議の進行状態について、その衝に当つている水産庁長官から一応御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/1
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002・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 日米加三国の漁業会議の只今までの経過を御報告いたしたいと思います。
十一月の四日にアメリカ、カナダの代表が羽田に着きまして、五日の午後三時から本会議があつたわけです。それで本会議のときに主催国を代表しまして農林大臣から挨拶があり、次にアメリカ、カナダ、日本という順にそれぞれ意見の開陳をやつたわけであります。
次に、六日の二時から第一回の委員会がありました。この委員長はアルフアベツト順にカナダ、日本、アメリカというふうに毎回その委員長を交代しようということで、一番初めの委員長はカナダのベイツ漁業次官が委員長になつたわけであります。一番初めはその本会議で述べられました各国の意見を更に詳細に敷衍して説明をするということから始つたわけであります。先ず、七日にアメリカの代表のヘリングトンさんから本会議に述べられましたアメリカの意見を更に詳細に述べるためにステートメントが出、それからそれを仮に案に示せばこうなるという意味のいわゆる試案が提示をされたわけであります。その後、先ずそのアメリカ側から出ました試案について、日本及びカナダから質問をいたしました。その質問が大体十二日まで続けられたのであります。
その次は今度はカナダ側が案があれば示す順序でありますが、カナダ側は特にこれを出すものがないということで、それでは日本側から日本側の意見を開陳いたしますということで、十五日に日本側から更に本会議に述べました意見を開陳して、それに対してこれを更に明らかにするならばかような案文になるという意味で、日本側の試案を提示したわけであります。その案の内容は、そのときは新聞で発表をそれぞれいたしております。次に十六日から日本側の案についてアメリカ及びカナダからいろいろ質問がありました。十六日に一応終りまして、今後更に小委員会を開いて一つお互いに研究をしようじやないかということで、各国から三人ずつ委員会が出まして、小委員会を開いて行こうということになつたのであります。それで小委員会はアメリカ側からはヘリングトンさん、それからアレン、これは国際法学者です。ローカー、これは業者のかた、その三人。カナダはベイツ、これは漁業次官、オゼア、これは法律顧問、それからブツカナン、この人は業者であります。日本側は外務省の土屋調査局長、業界のほうでは横山さん、それから私と三人が小委員会の委員になつて小委員会を開いております。十八日からずつといろいろ両方し得るような一つの案に到達しようということで、今いろいろ研究を続けておるのでございまして、率直に申しまして、アメリカ案も日本案も実質にはそう大して差がないのでありますが、表現の方法なり考え方が違う、それで根本になりますのはやはり前文の書き方、つまりプレアンブルの書き方、それにその趣旨が表現されているかという問題、それからやはり大きい問題は、今後満限になつた資源について、そのとき実績のない、又沿岸国でもない国が遠慮せねばならんかどうか、その点がやはり一番大きな問題であります。それで現在まではその点について日本側の主張とアメリカ側の主張と違つておりますので、それをまだ討議をしているところでありまして、今日もやつたのでありますが、まだ結論には達しておりません。今後これを委員会で更に続行してこれをやつて行く、それからその他の点について、これはそうさほど困難ではないと思うのでありますが、そういうものについてもお互いに字句その他のことについても意見の合致を見るように第三案を作つて行こうということで、今いろいろ研究をいたしておりますわけであります。以上が大体これまでの経過であるわけであります。ちよつと速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/2
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003・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/3
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004・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて下さい。何か御質問があつたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/4
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005・松浦清一
○松浦清一君 この前にも山本次長が御出席の際でありましたか、お伺いをしておつたのですが、漁業協定の交渉が始まりましてから長官が初めてお見えになつたので、そのときにも明確になつていなかつたのですが、改めて伺いたいのは、日米加の漁業条約が成立すると、一体日本の漁業はどの方面まで操業が可能になるのかということなんです。言換えると、どの海域の漁業についてアメリカ、カナダと協定しようとしているのかという基本的なことがわからないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/5
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006・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) これは一応我我は北太平洋の水域、それで私どもの感じといたしましては、オホーツク海、ベーリング海等もこれは問題が起ればそれは含まれていいのである、こう思います。私どもの言つているのは、北太平洋の水域であつて、これはアメリカ、カナダ、日本の三国の間に漁業上最も関心の深い水域、その水域の漁業協定、こういうふうに考えておるわけなんです。大体併し何いたしますのは北東、いわゆるアメリカ、カナダ寄りの所と、それから日本が若し何かアメリカ、カナダに対してあちらが來るのを遠慮してもらいたいという主張をする場合には、当然そういう水域、日本の……例えば東支那海なり、或いはオホーツク海、べーリング海、こういうものは当然入る、この点はなお今後どんな事件について問題になるかということをもう少しやりまして、それできめたらいいのじやないかと思つております。観念としては一応北太平洋と、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/6
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007・松浦清一
○松浦清一君 そうすると、やはり条約の中で北緯何度とか、東経何度とかいつて、そういうことで表現することになりますか、水域については……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/7
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008・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 条約の適用区域というのは一応北太平洋と書きまして、それ以外は何も触れません。それから行くことを遠慮するとか遠慮しないとかいう区域はこれは我々の考えでは緯度、経度では現わしません。アメリカ側も緯度、経度で現わそうとは考えておらないのです。ただそれをどういうふうな字句で現わすかということが今後むずかしい問題だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/8
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009・松浦清一
○松浦清一君 これが基本になつて、将來やはり日本が出て行きたいと思う海域の操業についての協定がほかの国と行われることになると思うのですが、具体的にいうと、東支那海方面は中共との協定がなされ、北洋方面はソ連と協定がなされる、それから南方の委任統治領になると言われておる昔戰争前に真珠貝とか、高瀬貝とかいうものをとりに行つていた島々、ああいう所は一体どの国と協定を結ばなければならないということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/9
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010・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 仮に東海黄海で協定を結ぶといたしますと、これは先ずやはり朝鮮とか、それから台湾でありますとか、それから中共ということになるだろうと思いますが、併し現在のところまだ日本は直接中共と交渉することは許されておりません。從つて果して東海黄海における漁業協定というものが近い機会に可能であるかどうか、これは非常に疑問があると思います。それからアラフラ海の真珠の問題、こういうふうなことになりますと、これはやはり一番関心の深いのは濠州、ニユーギニア、こういう所との間に漁業協定が問題になるだろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/10
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011・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 今問題になつておるのは北太平洋ということですが、太平洋の真中にある島、例えばウエーキ島とかああいつたものは現在そばまで行つていますね。ああいう所も含んでの話になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/11
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012・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 一応観念上は含まれると思います。ただそういう資源が満限資源でない限りは、これは直接漁業活動の制限の規定は全然置かれてないので、ただ何か調査に協力するという問題はあるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/12
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013・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 それからこれは今後置かれるであろう信託統治の日本の旧領土ですね。例えば小笠原とか或いは沖縄とかいつたようなものに対する問題はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/13
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014・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) これがどちらの国であるか、例えば沿岸国という解釈のときに、ああいう信託統治の島はどちらが沿岸国であるかという質問をいたしましたときには、アメリカ側の代表は、これは島を現に信託統治をしておる国ですね、つまりアメリカが沿岸国になるだろう、こういうような回答をしておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/14
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015・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この問題はこの間平和条約でも非常に論議せられたわけであります。日本はこれらの南西諸島及び小笠原島、ああいう島の主権を放棄していない、從つて主権は日本にあるということをダレス氏もアメリカでも言つておる。ただそれがいわゆる潜在主権として、立法、司法、行政の三権は委任統治国が持つておるので一応主権はあるけれども引込んで隠れておる。從つてそこの住民も勿論日本国民である。日本の国籍を持つておるのだとこういうことで、領土問題にいてはそこでもどうもはつきりしない点が残されて非常に論議されたのです。それはいずれにしてもいいが、そういう問題についてアメリカが自分の領土のごとき考え方を以て律せられるということは非常に困ると思います。これは飽くまでも日本の領土であるということになつておるのだから、そこは行政上の取扱とか、或いは資源保護の問題ならそれは日本でも同じような立場に立つのだが、その点は今後はつきりしてやつて頂きたいと思います。そうしませんとあとに非常な問題が残つてしまう。条約委員会でも非常にその点が論議されたのです。漁業問題ではなしに、主権があるなら国民も日本の憲法によつて律せられるべきじやないかと言つたところが、それは委任統治になる以上は一応潜在しておるだけだというような結論なんですね、法務総裁などは……。併し潜在しておつてもあることには間違いないのだから、漁業問題等において将來それが解けたときに、そういうものの残滓が残つては困ると思います。日本がその附近の資源保護とかいうような、或いは資源の維持とかいつたようなことでやるのは日本が主となつてやればいいのであつて、そこの辺は向うが領土と患わないような考え方で進んで頂きたいと思います。
それからもう一つこの間の条約委員会でお尋ねして、山本次長にお尋ねしたときに御返事がはつきりなかつたように思いますが、その後質問をするのに時間をとつたために遠慮して質問しなかつた点があるのですが、それはダレス書簡によりて相手国と申しますか、関係国との間に漁業協定ができるまでは、一九四〇年に行つていなかつた海面は行かせないということを言明しておるわけですね。ところが当分の間漁業協定のできる見込みのない所もあります。今のところでは日米加の問題がある。その他の国とはいつ協定ができるかわからんが、その間は飽くまであれをいつまでも一九四〇年を貫くのかどうかという問題ですが、それはどういう水産庁としては考えを持つか、その協定がない以上はあの線で釘付けだということを言つておるのだが、そういうことに文面通りになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/15
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016・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) その点はあれはひとり吉田、ダレス書簡によつてアメリカに対してそう言つているのみでなく、その後その他の国に対しましても同様趣旨のものであるという声明をいたしております。あれはたしか七月の十二日でありましたか、吉田ダレス書簡の趣旨は他の国との関係についても同じであるという声明を日本政府がいたしておりますが、やはりその趣旨で行かなきやならんと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/16
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017・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 今のは私は長官の答弁は不十分だと思うのです。というのはあのときの吉田ダレス書簡は一九四〇年に行かなかつた保存海域においては日本は行かない、こう書いてある、保存海域外の所は行かなかつた所も行き得ると解釈しておるが、それに対してどう解釈するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/17
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018・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 委員長と同じ意見でありまして、この約束はつまり保存漁場であるということが一つ、つまり国際的又は国内的処置によつて措置がすでにできている保存漁業であるということが一つの条件、而も日本国又は日本登録船舶が一九四〇年つまり昭和十五年に操業をしていなかつた漁場である、この二つの条件の合致しております所には日本は自発的措置として国際的に権利の放棄を意味することなしにそこへは行きませんということを言つております。從つて実績が仮になかつてもそれが保存漁場でなければそれは我々は何も約束しておりません。それから保存漁場であつても実績のある所へは日本は何も行かないという約束をしておりません。つまり二つの条件が合致した所へは日本は行かない、こういう約束をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/18
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019・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/19
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020・千田正
○千田正君 一番根本的に考えて今度の漁業条約というものは、要するに日本は敗戰によつて或る程度一定期間主権の活動が停止しておつたのがこのたびの講和条約によつて回復して來た、それを契機として日本とアメリカとカナダの間において漁業に関する条約を結ぼう、こういうのでありますが、アメリカ側の提案しておる面においても、日本側の提案しておる面においても原則として公海の自由を認め、且つ又人類の食糧補給面において最高の政策を公示しながら条約をやろう、こういう非常に目標の掲げるところは理想的にきめてあるのですが、実際の条約の面に入つて來た場合においてアメリカ並びにカナダにおいてはそういう資源が保護され、且つ又沿岸の利益が確保されるのであるが、日本側にとつてはどれほどの一体利益があるか、どれほど日本が保護され、どれほど日本の漁業の進展に寄与する点があるかというようなところに頗る疑問な点がありますので、この条約が今進行中でありまするからかれこれの批判は別としましても、日本側の考え方としての、我々としましては折角主権が回復して自由平等の立場において条約を結ばれるとするならば、相手国のカナダ、アメリカのみが一定の保護をされ、且つ又沿岸の権利が保有されておつて、日本側のほうにおいてはただそれに同調するという点だけであつて、ちつとも日本側の保護にもならなければ利益にもならないという条約であるとするならば、一方的ないわゆる権利獲得のための条約にしか考えられないのですが、その点を明確に一つ話して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/20
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021・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 今回の漁業協定によつて今後日本が公海漁業に從事する場合のつまり根本的な態度というものを明らかにすることになる、こういうふうに私どもは思います。それで從來の国の印象では、何か日本は自由独立国になれば又マツカーサー・ライフも撤廃されればどこへでもどしどしやつて來て、そうして荒し廻るのじやないかというふうな印象を非常に受けて、そうして我々の考えている以上の杞憂を持つておるということが考えられる。從つてこの際私は何らかの意味で日本はさように無制限にどこへでも荒し廻るということではないので、日本は勿論正当な発展は希望するが、併しこれは飽くまでもやはり資源については十分な考慮を払つている、その資源が永続的に維持されるためには、保存措置については日本は十分協力するのだということをよく理解させるということが必要であろう。そういうふうな意味で日本のそういう立場をはつきりいたしませんと、各国はただ徒らに杞憂を持つて、そうして日本がその近所へ來ないように何でもかんでもここからは入つてくれるなというふうな主張をして來るとか、或いは又領海は現在認められている三海里以上のもつと広いものでなければならないというふうな主張をして、そうしてそれを守ろうというふうなことをするだろうと思う。それで私ども大切なことは、今後日本という国は飽くまでも從來の国際法の原則は主張するが、同時に保存措置についても十分積極的な関心を持つてこれに協力する。資源は徒らに荒すばかりじやないということの観念をはつきりさせることは、延いてほかの国を安心させるだろう、從つて杞憂にとどまつておつたような提案は又これをその必要なしとして引込めるというふうなことも考えるであろうと思います。そういうふうな意味で私は今回の漁業協定が日本の態度を明らかにするという意味で、今後結ばれる国にも一つの影響を持つて行くであろうということの趣旨があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/21
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022・千田正
○千田正君 今の長官のお話は非常に日本は紳士的に、いわゆる国際国家の一国として紳士的協約を結ぼうということであつて、実質的においては大してない。ただそういうふうに考えるのですが、ただ私はここに特にこの条約の進行について主張して頂きたいのは、或いは今長官のおつしやる通り実質的にはアメリカやカナダの沿岸まで燃料の高いとき行つて漁獲をして見ても実際経済的効果がないから、恐らく行かないでしよう。行かないでしようが、この条約を結ぶことによつて次の段階に進んで來た場合において、この米加両国以外の国、いわゆる今の日本と利害が相接触するところの仮にフイリピンであるとか、中華民国であるとか、若しくはインド或いは濠州、或いは朝鮮、或いはソヴイエトとこういうふうに日本の近接しておるところの国国が同様の条件を掲げて参つた場合において、この条約が仮にモデル・ケースとするならば、到底これは国際公法上これと同様の条約を承諾せざるを得ない、こう思うのでありますが、それでこの条約を結ぶに当りまして、次の段階、或いは更に今後発展し波及するところの条約に対する問題を相当慎重に考慮しなければならないと思います。が、その点でこの今度の条約と抵触する面においては十分アジヤストして行かれるつもりでありますか、その点も伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/22
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023・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) お話のように私どもは、現在やつておりますこの漁業協定というものはこれは今後のモデルになる、つまり先例になる。從つてアメリカ、カナダと結ばれる条約は、これは今後ほかの国と結んだ場合においても日本の從來の主張その他に照して支障のない形というふうなものでなければこれは結ぶことができないというふうな態度で交渉しております。從つて我々といたしましては、大体アメリカ、カナダで結ばれる漁業条約がそのままこれを他国に適用された場合においても何ら支障のないようなものを作りたい。勿論これはほかの国とは又それぞれ特殊な利害関係があり、又このいろいろ相互の漁業関係が複雑でありますからして、必ずしもその通りであるかどうかということはこれはわかりませんが、少くとも考え方において、根本的な考え方においてはやはりこの現在結ばんとしておるところの漁業協定の面でも支障ないというものをやりたい、こう思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/23
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024・千田正
○千田正君 もう一点伺つておきたいのは、この前外務当局のかたから一応説明がありました際、私は質問を保留しておつたのでありますが、当時答弁に立たれましたのは土屋調査局長でありましたが、アメリカ側の提案のうちにいわゆる権利の行使を放棄するという問題があつたのであります。それで私はこれを多少読み違えまして権利を放棄するのじやないかということを質問しましたところが、いやこれは権利の行使の放棄であるという解釈であつたのであります。権利の行使の放棄、権利の放棄とは実質的には大した差がないと思うのですが、アメリカが今後といえどもやはりこの権利の行使の放棄という問題を一つの原則として掲げて、今の会議の進行中においてもそれを主張しておるかどうかという点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/24
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025・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) この点についてはこの英語でウエイヴという字が使われておりまして、それが放棄と日本語で訳されております。併しながらこの点はアメリカがこのウエイヴというのは日本側にいう放棄、つまり永久にそれをなくしてしまうのだというふうな意味でない、もつと他の意味を持つている。つまり何と申しますか、日本語で言いますと棚上げするというか棚上げするというような感じに近い言葉を持つている。アバンダンするのではない、つまり捨て去る、アバンダンするのではない、棚上げするという言葉に近い、一応区別はあるんだけれども、それが一時サスペンドされておるのだというようないろいろ説明をされております。併しその点はどうも誤解を招く字句であれば、字句については必ずしも拘泥しないということを言つておられます。その後はウエイヴという字は言わずに、むしろ他の言葉、つまりアブステインとか、そういうふうな字で述べております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/25
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026・千田正
○千田正君 そうしますと、それはその条約の期間の或る一定の期間の間にこの権利の行使を停止される、或いはお互いの国において自粛抑制するという意味にとつていいのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/26
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027・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) いろいろ聞いて見ますと、アメリカ側もそういうふうに解釈をして使つておるようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/27
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028・玉柳實
○玉柳實君 今後の漁業協定によりまして指定されます海域というものが、何か図面ででもはつきりお示し下さればなお結構だと思うのでありますが、お話だけ伺つておりますと、私が想像しておりましたよりも遥かに広大な地域が指定されたように感ずるわけです。繰返えされますように、国際法上公海の自由の原則というものを承認した上での人類共通の資源の涵養というような崇高な使命からこの協定を結ぶとすれば、その指定される海域は極めて局限されたものにしなければならないと思うのですが、これが余りに北太平洋水域といつた非常に広大なものでありとすれば、やはりその国際法上認められた公海の自由という原則というものと実質において異る結果になると面白くないと思いますが、その海域の範囲を非常に局限しなければならんものだと私は考えております。その点どういうふうにお考えになりますか。又その点については政府においてはどういうふうに考えておられますか、伺つておきたい。
それから先ほどお話の中に私が聞き違つたのかも知れませんが、今後協定の結ばれる地域は国際的にも国内的にも手続を完了した保存漁場についてそういう場合に限つて結ばれるのだというようにお話を伺つたのでありますが、北太平洋水域というものの中に国際的、国内的に手続を了した保存漁場というような観念が残存していたものが今度の漁業協定によつてその保存漁場を認められるものであるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/28
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029・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 海域はお説のように私どもは日米加三国で現在深い関心を持つている区域、こういうふうな意味ですから、必要な限度に切りたいという気持を持つております。併しこの点は今後の交渉で仮に日本において現在保存措置を講じておる資源があつて、アメリカ、カナダから來てもらつて困るというふうな主張をしなければならん場合は、それはやはり日本のこの近海も含めておかなければならんとか、でありますからして、これはもう少し先になりまして、どういう資源についてそれが対象になるかということによつておのずから区域がきまつて來るんだというふうに考えております。それから国際的又は国内的保存措置と申上げましたのは、私は吉田、ダレスの書簡の趣旨をほかの国に対してもやはり同じように行きますという声明をいたしております。それは通常的に使つておるのでありまして、つまり国際的に保存措置をしておるような資源、これは二国間或いは二国以上の国で保存措置に関する漁業条約をすでに結んである資源がある、例えばアメリカ、カナダの間において結ばれておる資源もある。それからそういうふうな国際的には結んでないにしましても、現在或る国が保存措置をやつてるというふうなことが認められておるものもあるだろう、そういうふうな所であつて、而も日本が從來一九四〇年において行つていないような所は、協定ができるまでの間は日本は自粛をいたしましよう、こういう声明をしているわけであります。でありますからして、それまでの間はやはりそういうふうな原則で日本は行かなければならない、ただそれが保存措置なりを講じていると見られるか見られないかということについては、これ又いろいろ見方の相違が出て來るだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/29
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030・玉柳實
○玉柳實君 今後協定を予想されます東亜の諸国なり、濠州方面の海域にも過去において国際的、或いは国内的に手続を終了した保存漁場なるものは相当存在するわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/30
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031・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 我々としては、そういうふうな所で現実にそう死活問題になるようなものはたくさんないと思つております。もつと率直に申しますと、例えばアラフラ海の真珠等はこれに該当するかどうかという問題があるだろうと思います。これについては日本は從來行つておるから問題はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/31
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032・玉柳實
○玉柳實君 これはちよつと行き過ぎたお尋ねになるかもしれませんが、今度の三国協定が将來他の諸国と結ばれる協定の一つのモデルになるということを想定して、さような場合においても日本側にとつて不利にならないようにという考えの下にいろいろ交渉を進められているということは御尤ものことと思うわけでありますが、これからお尋ねすることが少し突飛で余り端的過ぎるかもしれないのですが、今回のかような漁業協定は今回の三国協定だけにとどめて、あとの諸国とは結びたくないというような考えの下に、今回の三国協定が将來も他国との協定のモデルにむしろならない、モデルにならないように今回の漁業協定は三国間の場合にのみ結ばれる特殊な協定なんだ、それがもう将來他国と協定を結ぶ場合に直ちにモデルとして運用されるというようなことがむしろないように、何かその適当な釘を打つような意味合いの下にこの協定というものが行われたのかどうか、まあ端的に言つて恐縮なんですが、差支えなかつたらお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/32
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033・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) これは平和条約の第九条に、日本の国は、いわゆる漁猟の制限又は規制及び漁業の保存及び発展について若しも他の国が希望するならば、その希望する国家との間に速かに漁業協定の交渉に入るのだということが書いてあります。日本としては飽くまでもやはり平和条約第九条の精神で今後応接しなければならんと思うのであります。でありますからして、勿論我々としては我々の正しい主張を続けて行くということが必要であろうと思うのです。正しい主張を続けて行く結果、協定が急に成立しないという場合が予想されるかもしれませんけれども、ただ何でもなく、ただ協定はいやだいやだということはこれはできない、態度としては飽くまでも若しも我我の正しい主張が容れられるならば、希望する国家とはいつでも結びますというような態度で行くべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/33
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034・玉柳實
○玉柳實君 お話の通り、平和条約によつて他の国が協定を希望するならば日本国としてそれに応ずる義務を承諾しているわけですが、併しこれを他の国の自由なる思意の下に何でもかんでも希望して來れば直ちに応ぜなければならんのだということを制限的な意味にするために、今度の三国協定は特別な使命と事情の下に行われるのであつて、他の海域においてそれがモデルとして利用される筋合のものではないのだという特別の事情の下に協定されるというような方法というものは成り立たないものですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/34
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035・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) それは私どもは非常に日本の主張を理解してくれる国は、やはり何と申しましてもアメリカでありカナダであろうと思います。といいますのは、勿論アメリカも沿岸漁業を持ち、同時に遠洋漁業を持つております。他の国との間にやはり日本と同じような立場に立たれる場合をアメリカは持つている。それからカナダはこれは現在は沿岸国でありますけれども、将來遠洋漁業に出ようとする国であります。やはり日本と同じような立場に立つ場合が多い。從つてこういうふうな国との間で合理的に結んで行くというふうにしたほうが私は合理的な協定ができる。ただ單に何といいますか、遠洋漁業は持たない、沿岸漁業だけ持つておるという国と仮に結びます場合、どうしても対立的な立場に立たされる。でありますから、もつと率直に申しますと、それは日本は來てくれては困るのだと、こういうような主張のほうがそういう国では強くなるだろう、そういう際に日本の立場をいろいろ了解してもらうにはやはりそういうふうな経験といいますか、希望を持つておる国のほうがよく理解してくれるだろう、そういうふうなことでありますからして、我々としては何もその他の国は全然何と申しますか、結ばないとか、或いはこれは例外的なものだというようなことを何も我々は謳う必要はないので、日本はこういう内容のことならどこでも結びますというふうな態度で臨んだほうが、日本の立場がはつきりしていいのじやないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/35
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036・千田正
○千田正君 まだ聞いておらないのですが、この点は一応質しておきたいと思うのは、この条約が結ばれるというと、当然三国の国際委員会が設置される。この国際委員会の内容においては、三国が一致した場合においては当該国に対して勧告をする。この勧告がこれは絶対その当該国は拒否することのできない勧告であるか、或いはその国の立場において、場合によつては委員会の決定に基く勧告に対しても拒否できるかどうかという点について、どういう観点に立たれておられるのでありますか、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/36
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037・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) この国際委員会の勧告というものは、直ちにその締約国は受諾しなければならない法律上の義務はありません。ただそれぞれ締約国が委員を出しており、そうして而もその勧告というものは全会一致で行われる。常に委員の発言というものはその締約国の政府の意向を反映するように常にやり得るわけでありますから、從つて法律上の義務は私はないと思うが、ただ、委員が受諾したものを、国として拒むというような立場になるわけですから、道義的な問題は出て來ると思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/37
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038・千田正
○千田正君 そうしますと、この国際委員会なるものは一面日本の例えば水産業なら水産業を代表するところの全権委員と見て、全権委員に相当するものが出席するものとみなして差支えないわけでありますか、委員の権能です。一国を代表する委員と見てこの委員会の発言なり、或いは委員会の決定というようなものは、少くともそれを道義的には当該国は承知しなければならん立場に置かれるだけに、その委員会のウエイトというものは少くとも外交会議と同じような立場におけるほどの重要さの全権を出さなければならないと思うのだが、そういうふうに承知してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/38
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039・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) それは全権的な立場で委員が出されることが一番理想であろうと思いますが、併し仮にそれができない場合でも、やはり委員というものは常にそれを受諾する場合を考えてこれを討論し、意見を述べる、そういうふうな態度で行くように常に連絡して行かなければならん、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/39
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040・千田正
○千田正君 大体伺いましたが、只今進行の過程ではありますが、アメリカ、カナダの主張する点と日本側が主張する点との合致しない点、そういう点がどこにあるかという点だけを一つ、現在のところはどの点が一体合致しないのであるか、或いは合致しているけれども字句の訂正、若しくは多少修正しなければならん点において未だに進行の過程をとつているのだ、どの点が一体合致し、どの点が合致しないかという点だけを結論として今の過程における立場においてお話願えればお話して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/40
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041・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/41
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042・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/42
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043・千田正
○千田正君 沿岸国の規定という問題に対して恐らくカナダ、アメリカは沿岸国としての立場を相当強く主張しておるようでありまするが、沿岸国の解釈はどういう解釈をしておられますか。カナダ、アメリカの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/43
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044・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) 沿岸国というのは領海に接属する公海については、その公海の沿岸国というのはその国である。表現が非常に逆になりましたが、つまり公海はその公海がどこに接属しているか、公海に接属している領水を持つている国、それがつまりその公海の沿岸国である、こういうような表現になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/44
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045・千田正
○千田正君 その沿岸国で漁獲される漁種というものに対して、特定の制限を要求しておりますか、要求しておりませんか。沿岸国でメージヤーとして、いわゆる主として漁獲される漁種に対する特殊な制限とか、抑制というような問題は今度の案の中には盛られてないわけですか、あるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/45
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046・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) それはいわゆる国際委員会の保存措置で、いわゆる漁族資源についてのいろいろの制限なり規制というものを律して行こう、こういう建前です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/46
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047・千田正
○千田正君 そうすると米加の要望しているのは、沿岸国の資源であるところの主たる漁獲物に対する保存措置を目的としての……が、大体主流として述べられているというわけでありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/47
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048・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/48
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049・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 私から一つ長官にお伺いしますが、今度の条約はダレス書簡に基いた条約であつて、ダレス書簡にもそれから講和条約の第九条にも、完全に主権が回復した場合においては速かに漁業条約を結ぶということを天下に声明しておる。その一番初めの条約が日米加漁業条約だろうと思いますが、この条約を私ども見ると、どうも片務条約の形がある、ダレス書簡もそうである。日本は何ら得るところがなくて、失うところばかりであるというように表面見える、併し或る説には北太平洋並びに隣接地区、こう書くのはこの条約を締結した場合においてこの三国間において相当広い範囲の保護をする、或いは将來南洋或いは朝鮮、中国、ソヴイエト、こういう工合に結ぶ場合において北太平洋の条約に加入し得る、そうして日本がこの条約に違反せぬ限りは公海自由の原則によつてどこへ行つてもよろしいということについては十分保護してやる、いわゆる双務契約であるというふうに主張する人もあるようですが、それに対する長官のお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/49
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050・藤田巖
○政府委員(藤田巖君) これは見方の相違と思いますが、表現方法が非常に片務的であるような印象をアメリカ側の案が与えたことは事実だと思います。その結果非常に我々が誤解をしたことも事実だろうと思います。從つてその点についていろいろ質疑を交わしてその真意を把握したいということを考えておるのでございます。でございますが、我々としては条約というものは平等の立場に立つて飽くまでも片務的でない、法律上は平等ということでこれを貫きたい、こういうことを考えておるわけです。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/50
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051・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 両条約はまだ進行の過程にありまして、その都度御説明を承わることにいたしまして、これから法案に入りたいと思います。小型機船底びき網漁業整理特別措置法案を議題に供します。昨日に続いて総括的な質問がありましたらお願いします。若し総括的な質問がなければ逐条審議に入りますから、総括的な質問から先にお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/51
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052・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 今回法案に盛られます小型底曳船というのは三万五千隻ほどあるということですが、それからの平均トン数はどのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/52
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053・山本豐
○政府委員(山本豐君) 計算したらわかるのでありますが、一応最初の予算の中に組んであるのでは、築磯についての、モデルになると思いますが、百三十五隻で以て三千五百十四トン、それの基準で出して行くと二十トン前後ですね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/53
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054・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 十五トン未満でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/54
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055・山本豐
○政府委員(山本豐君) 最初の築磯は十五トン以上のをやるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/55
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056・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 只今小型底曳の減船整理の点に関連しましての平均トン数でございますが、御承知の通り初年度におきましては、十五トンで枠付けをいたしまして、十五トン以上の小型底曳は全部枠外船として落すということで、残りの十五トン未満について五カ年の計画を以ちまして減船整理をするというような関係になつておりますので、最初の二十六年度の枠外船につきましては、それは今現在資料が手許にございませんが、十六、七トンというふうに記憶しております。それから十五トン未満のその次に至る船につきましては、十トンから十二、三トンの間の平均だと記憶しております。改めてこれは資料を提出して御報告申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/56
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057・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 今議題となつておるのは小型底曳の整理でございましよう。その枠外の船ではないでしよう。ですからこの枠内の小型底曳の、私の伺いたいのは小型底曳を八百五十八隻整理をする。ところでそれが過日のお話でトン当り三万円、二万五千円、一万五千円というような額でこれを整理するというのについて、大体トン当り何千円くらいの補償になるかということを知りたい。そこで平均を見たら大よその見当がつきはしないかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/57
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058・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 只今の補正予算で取れております二億四百万円程度の予算につきましては、これは初年度はもつぱら枠外船に充当するというような建前を以ちまして計算をしておるのでございまして、予算上の計数といたしましては八百五十八隻で七千六百八トンという計算になつておるわけでございます。内訳を申上げますと、そのうち四百隻で三千五百十四トンで、これが築磯に廻る部分として三万円。それから他種漁業に転換いたす分としての予算上の基礎は、四百隻として三千五百十四トンで、これが二万五千円というふうに計算しております。それから運搬船の改造の問題は、五十八隻で五百八十トンということで、トン一万五千円という計算で組んでおる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/58
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059・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうしますと、この今度補正予算に組まれております額は、この措置法には関係ないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/59
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060・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 一応措置法に関係なく実行できるように考えておるのでございますが、この整理の段階といたしましても、枠外船のみならず、十五トン以下の船につきましても整理を計画して参る場合があるわけでございまして、たとえて申しますると、特殊海域における制限馬力以下の船というものも若し予算の余裕がございますれば、一部手を付けて参りたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/60
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061・玉柳實
○玉柳實君 圧縮の目標を昭和九年頃の操業隻数二万隻程度に置いておられるようでありますが、なぜこの程度を以て適当と御判断になりましたか。その点を今少しく明らかにして御説明願つたほうがよいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/61
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062・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 昭和九年当時のいわゆる漁業状態から申しまして、資源的に或る程度緩和された状態において機船底曳の数もあつたのではないかということを想定いたしましたのと、それからその当時における沿岸漁業の小型底曳の占める、地位と申しますか、その程度が余り摩擦がなく存在をしておつたというような認定の下に、一応腰だめ的な、昭和九年当時の隻数が大体正確に申しますと一万八千隻といつたような計算になるわけでございますが、いずれにしましても資源の調査、研究の結果をはつきり見ませんと、適正隻数というものが出て参りませんので、その当時の隻数を基準にした腰だめの隻数で二万隻ということをきめたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/62
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063・玉柳實
○玉柳實君 各府県ごとの整理隻数をきめます場合に、やはり各府県ごとに昭和九年頃操業しておりました隻数を重要な根拠として計画をせられますか、或いはその他の要素を勘案せられまして、整理減船数をおきめになるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/63
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064・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 全体の目標につきましては、只今申しました通り、その当時の目標できめるように予定しておるのでございますが、各県別の整理の目標数になりますると、昭和九年以後におきましての各地の漁業の発達の程度も異つておりますし、又その海域、海域の資源の状態も違つておりますし、漁業者の増加数量等も違つておりますので、さような点も十分勘案いたしまして、資源に影響の非常に甚だしいような漁業種類でございますとか、例えば特殊海域における制限馬力の問題でございますとかいろいろの事情を勘案して、これら県別の比率を考えて行きたい、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/64
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065・玉柳實
○玉柳實君 これはちよつと総括論の際に具体的に入り過ぎて恐縮ですが、この別途計画表を拝見いたしますと、愛媛県と福岡県の二県のみは残存隻数一隻も残していないで全部整理することになつておりますが、これは何らかの理由があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/65
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066・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) この点は先ほど御説明申したように、愛媛県、福岡県につきましては、二つに分けて考えておるのでございまして、例えば愛媛の内海の部分と、それからその他の部分、例えば宇和海の問題で一応整理のこれは一つの計算の目安でございまするが、先ほど申しましたように、十五トン以上の枠外船ですとか、或いは制限馬力以上の船でありますとか、資源に影響のある漁業の種類でありますとか、といつたふうな考慮を払つて一応想定してみますと、二つに分けた場合にかような数字が出て参るという程度の推定でございまして、この数字によりまして減船の目標を直ちに示すという資料ではございませんので、さような意味でお取扱い願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/66
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067・玉柳實
○玉柳實君 最初にお伺いをいたしたかつたのですが、政府としまして、この法案を制定するに当りまして、從來小型機船底曳網漁業の整理について、沿岸漁民方面からの陳情、或いは請願、或いは大会の決議等いろいろ要望が反映しておるかと思いますが、それらの点は水産庁にどの程度御反映になつておるのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/67
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068・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 只今御指摘になりましたように、小型底曳の減船整理の問題は、從來からの沿岸漁村の要望として政府がそれを取上げるというような問題でございまして、司令部の五ポイント計画というもので從來の沿岸漁民の要望を取入れて、濫獲漁業阻止体制というものとして打出された施策なのであります。從いまして、水産庁が案を作ります場合にも、各海区の委員会の意見でございますとか、或いは各協同組合の意見でございますとかいうものは、すべて県を通じて参酌して案を練つたのでございまして、その意味で先ほど例えば愛媛県の宇和海におきまして残存隻数を予定しなかつたと申しますのも、宇和海については海区調整委員会が全面禁止をしたい、又地元でもその意向で進んで参りたいというふうなことをやつて参つておりますので、それを数字に反映して現われたというふうな数字になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/68
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069・玉柳實
○玉柳實君 それからそれについて小型機船底曳網漁業者の方面からの反対の陳情とか請願とかいうものも出ておりますが、又それはどういう点について政府に善処してもらいたいという内容になつておりますか。併せて伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/69
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070・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) それにつきまして、小型機船底曳を営んでおります漁業者の要望といたしましては、政府がそれを取上げて、資源の面なり、漁業調整の面から減船整理をして行かれるという点についてはまあ誠に止むを得ない、これで漁村が調整され、資源的にも補填ができて、沿岸漁業というものは或る程度共存共栄の点で成り立つて行けるというようなことであれば止むを得んといつたような気持で現在はおるようでございます。ただ長年漁業を家業としておるというような代代の漁業者につきましては、漁業以外に転換する途がない、從つて小型底曳として或る地方ではともかく沿岸漁村に影響のない範囲において存続をさせてもらいたいというような、主張の所もございます。併しそれから他種企業に転換する途を政府として世話してもらえば喜んで転換するというような希望もあるようでございます。それからなお比較的新らしく漁業を始めた、と申しますのは、終戰後に漁村に帰つて漁業を始めたような漁業者もあるわけでございますから、これらのかたがたの意見は政府の補助施設と申しますか、そういう補助施設が十分であるならば、喜んで転換を希望しましようというようなかたがたもあるようでございます。いろいろと各漁村によつて異るのでございますが、そういつたような要望を申入れておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/70
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071・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) ちよつとお伺いしますが、三万五千隻というのは十五トン以上の船も含んでおるでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/71
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072・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 含まつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/72
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073・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 何隻含まつておるかわかりませんか。概数でいいですが、私は二、三千隻はあると思つておりますが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/73
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074・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 資料を忘れて参りましたので、あとでお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/74
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075・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 大体総括的な御質問がありませんければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/75
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076・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この整理を断行して行つた際に、瀬戸内における小型底曳というのは残存数がどのくらいになる見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/76
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077・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 瀬戸内海の小型底曳につきましては、現在総数が一万三千二百五十二隻あるわけです。このうち十五トン以上の船が六十二隻ございます。それはまあ当然切られるわけでございます。それから更に瀬戸内海につきましては、五年後の目標を馬力で押えて参るということで、十馬力の線を一応考えているわけでございます。暫定的には十五馬力程度で一応押えまして、それから五年、まあ三年ぐらいたちまして理想的な十馬力の線で押えて参るというふうに漸進的なことを考えているわけでありまして、終局の目標でございます十馬力以下の隻数、これがどの程度残るかというふうに推定して参りますと、現在の調査の数字によりますれば、一万一千四百四十二隻というものが残るような計算になつておりまして、一万三千二百五十二隻との差が整理されるというふうな計算になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/77
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078・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 次にこの小型底曳の整理をする地域は全国に亘つてやるわけですが、大体限定されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/78
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079・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 建前といたしましては、全国に亘つていたすような予定になつているのでございますが、但し年次別に緩急の順序を考えているわけでありまして、一番問題の多い瀬戸内でございまするとか、有明湾、伊勢湾、噴火湾といつたような所につきまして成るべくやつて参る。その他漸次それに連れてやつて行くというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/79
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080・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 今度出ている措置法は小型底曳でありますが、中型巻網及び安芸海における船曳、こういうものの整理については法律案は出ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/80
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081・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 中型巻網の問題につきましては、漁業法の措置によりまして現状をすべて抑制し得るというふうな建前になつておりまして、今直ちにこれを減船整理するという段階ではございませんで、現状を抑制して爾後の調整をやつて参るということでございますので、法律を要しませんと思います。あとは省令なりの措置で調整して参るということを考えているのでございます。それから広島の安芸海区のバツチ綱につきましては、それはバツチ綱そのものが資源の問題と漁業の関連におきまして、直ちに全国的に減船すべきであるかどうかということにつきまして、目下研究中でございまして、ただ問題は当該の海区におきまして、海区調整委員会とその漁村全体で相談して話がまとまつた、是非ともこの海区については船曳の集数を減らす必要があり、又具体的にその案を立てたということで政府のほうにその整理を要望されたわけでございますので、そういう地帯につきましては、個別的にこれを取上げて予算の裏打をして行くということで、補正予算といたしまして安芸海区についてのみ本年度は取上げたわけでございます。法律的な処置としましては別にこれをしないで、予算交付の要綱によつて指導して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/81
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082・玉柳實
○玉柳實君 この法律によりまして、整理減船を強行しましても、過去の整理と同じように数年後には又元通り殖えて來やしないかという心配があるわけですが、これに対しての監督なり、或いは取締りなりにつきましては、どういうような方針を持つておりますかどうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/82
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083・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) その点については最も心配な点でございまして、折角政府が予算を付け、法律によつて減船整理するのでございますので、減船整理した船の枠はそのまま小型底曳の枠から落ちて参るというような現実の関係を考えなければいけないということでございますので、大体の考え方といたしましては、この法案にもございまするように、海区協同組合というものが中心になりまして、具体的な減船の協議にあずかることになつているわけでございまして、これによりましてその漁村において仲間同志で、相互に減船されました船につきましては監督し合うというような体制と、それから補助金を組合を通じて出すということによりまして、補助金までもらつて転換ができなかつたり、或いは小型底曳の転換ができないというようなことになりますと、その村からは締出しを受けるようなことになるというようなことと、それから更に漁業協同組合等を中心にしまして、残つている沿岸漁業者が極力この整理で転換した小型底曳業者の共助の道を講ずるように指導して参るというようないろいろの方面から、極力元に復して無許可操業をやるというようなことのないようにいたしたいと思つているわけでございます。それと更に国家的な措置といたしましては、減船整理した船につきましては漁船登録の抹消でございますとか、或いは代船建造の禁止抑制といつたような措置を並行してとつて参りまして、御心配のようなことのないように処置して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/83
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084・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 如何でございましようか、逐条審議に入りましようか。——この前山本次長から大体説明がありましたから、説明は大体おわかりになつたと思いますが、一条から三条まで御質問があればお伺いいたします。目的と定義と許可の期間の制限ですから大概……、御質問がなければ第四条に移ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/84
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085・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 第四条で、船舶の隻数、合計総トン数、或いは合計馬力数の最高の限度をきめるということになつているんですが、大体残存する小型底曳船、一万九千隻でございますか、それらの一隻のトン数はどの程度の限度に置くことになるのですか、大体総トン数は何トンくらいに押えて行くのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/85
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086・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 今のところ大体七、八トン程度に計算をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/86
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087・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 七、八トン程度以下ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/87
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088・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 七、八トン程度でございます。平均しまして七、八トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/88
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089・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 最高を十五トンにしてあるのですか、最高は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/89
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090・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 最高は十五トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/90
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091・玉柳實
○玉柳實君 第四条の第二項は大体どういう場合を予定しているものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/91
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092・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) これは第四条の一項が五カ年後におきますところの最終目標の数字を設定するということになつているわけでございまして、若し最終目標を、初年度に五年後の予想を立てたものがその間事情の変化によりまして、二万隻とこう最終目標をきめておりましたものが、或いは一万八千隻にしたほうがいいといつたような場合もできて参りまするし、或いは又二万二、三千隻にしたほうがいいといつたようなふうな事情もできて参りますので、さような場合にやはり毎年の実績なりを検討する必要もございまするし、予算の関係等も見る必要がございますので、この最高限度の変更を予想して規定したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/92
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093・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) それでは第五条に移ります。一応専門員から読んで下さい。
〔岡専門員朗読〕
(整理隻数の決定)
第五条 農林大臣は、昭和三十一年三月三十一日までに、小型機船底びき網漁業に使用する船舶の隻数、合計総トン数及び合計馬力数が前条に規定する最高限度以内となるように、昭和二十七年度から一昭和三十年度までの年度ごとに、都道府県知事及び中央漁業調整審議会の意見をきいて、その年度において整理すべき小型機船底びき網漁業に使用する船舶の都道府県別の隻数、合計総トン数及び合計馬力数を定め、これを公示するとともに都道府県知事に指示しなければならない。
2 前項の定は、当該年度の開始前(昭和二十七年度にあつては昭和二十七年六月三十日まで)にしなければならない。
3 農林大臣は、漁業調整のため必要があると認めるときは、都道府県知事及び中央漁業調整審議会の意見をきいて、第一項の規定により定めた船舶の隻数、合計総トン数又は合計馬力数を増減することができる。この場合には、これを公示するとともに都道府県知事に指示しなければならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/93
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094・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) この第五条について御質問がありましたら一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/94
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095・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この小型底曳船の許可というものは、勿論無許可もたくさんあるようですが、許可というのは何県かに跨がつた許可がありますか。跨がつたと言つちやおかしいですが、各県で受けておるというような許可がありますか、一隻で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/95
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096・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 現実の問題としまして、そういう許可はないようでございます。大体各県の沖合ということになつておりまして、例えば特殊海域などで入り合つておる場合におきましてもその所属する県の許可を受けておるといつたような現実になつておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/96
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097・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうしますというと、例えばA県でそれを整理すれば、もうB県、C県では全然影響なしに行く。ところがやつて見たところが、C県にもそれが残つておつたというようなことはないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/97
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098・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) それは許可の条件で自県沖合ということで限定して参る予定でございますし、又禁止区域等も小型底曳は別に作る予定になつておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/98
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099・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この小型というやつは、殆んど沿岸で以てやつておりますし、殊に瀬戸内海等ではやつておればどこの船かわからないような恰好ですが、整理したのちにおいてA県では整理しておるが、B県では一向何もしていないというようなことは、許可を受けていないのですから、それが無許可船であつても許可を受けておる恰好でやつておるというのでなかなかわからないのですが、それはどういう形で取締つて行くのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/99
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100・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) あとで八条の規定があるわけでございますが、一隻々々とにかく指定をいたしまして、その指定については許可をしないということで、その指定された船の相互監視という面につきましては、先ほど玉柳委員の御質問にお答え申上げましたようなことでやつて参る、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/100
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101・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) ほかにありませんければ第六条に移ります。
〔安福説明員朗読〕
(整理すべき船舶の指定)
第六条 都道府県知事は、前条第一項に規定による指示を受け、又は同条第三項の規定により、整理すべき船舶の隻数を増加する旨の指示を受けたときは、その指示があつた日から六箇月以内に、その指示に從い、漁業法第六十六条の二の規定による許可に基いて営んでいる小型機船底びき網漁業に使用されている船舶につき、左の事項を勘案して、当該年度において整理すべき船舶を指定し、これを公示するとともに、当該船舶の所有者(当該船舶により小型機船底びき網漁業を営む者が所有者でない場合にあつてはその者及び所有者)に通知しなければならない。
一 当該船舶を使用して小型機船底びき網漁業を営む者が当該船舶による当該漁業を廃止することを希望するかどうか。
二 小型機船底びき網漁業を営む者が当該漁業に関する法令に違反した事実の有無
三 当該船舶を使用して小型機船底びき網漁業を営む者の生計が当該漁業に依存する程度
四 当該船舶を使用して小型機船底びき網漁業を営む者が当該漁業に使用している船舶の隻数
五 当該船舶を使用して小型機船底びき網漁業を営む者の、当該漁業の漁場の属する水面において操業する他の漁業との協調その他当該水面の総合的利用に関する配慮の程度
2 都道府県知事は、前項の規定により整理すべき船舶を指定しようとするときは、あらかじめ、漁業法第六十五条第七項に規定する連合海区漁業調整委員会及び関係漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の意見をきかなければならない。
3 都道府県知事は、前条第三項の規定により、整理すべき船舶の隻数を減少する旨の指示を受けたとき、その他必要があるときは、前項に規定する連合海区漁業調整委員会及び関係漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の意見をきいて、第一項の規定により整理すべきものとして指定した船舶について、その指定を取り消すことができる。この場合には、第一項の規定を準用する。
4 連合海区漁業調整委員会は、第二項又は前項の規定により意見を述べようとするときは、あらかじめ、期日及び場所を公示して公聴会を開き、利害関係人の意見をきかなければならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/101
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102・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 第六条について御質問があればお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/102
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103・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この第六条に基いて知事が整理する船を指定した場合には、これに対する補助金といたしますか、そういうものはどうして決定するのでありますか。築磯とか、或いは転換とか、或いは運搬とか、それは希望によつてそれをはめて行くことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/103
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104・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 第六条の規定の運用の問題でございまするが、実際の減船整理の実質上の計画そのものは、先ほども申上げました通り協同組合が中心になつて、各組合員の小型底曳船のかたがたと相談して具体的に、船が古くて使えない、築磯にしたほうがいい、或いはその漁業者はどこの延縄は一本釣に転換したほうがいいというふうなことで相談をするわけでございます。それは勿論知事が農林大臣の指示を受けました枠内で、協同組合のほうに又通達された整理した隻数というものを目標にして相談するわけでございまして、協同組合と海区調整委員会とそれから知事と三者が一体、と申しますと語弊がございまするが、相互に相談打合せまして、船の選定をやり、それから転換なりその他の処置も相談することによつて、できた結果に基いて知事がその船を指定するということになるわけでございますので、御指摘の点につきましては、大体漁業者の希望に副つて処置せられるというふうになると思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/104
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105・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この整理するというふうにして、いろいろな条件の下に整理をして行きましても、その整理において応じないといいますか、条件のそぐわないといつたようなことで、必ずしもスムースに行かない場合があり得ると思いますが、そういう場合には強制することになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/105
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106・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 別に強制する法的な根拠があるわけではないのでございまして、飽くまでも実質的に相談してその裏打を考えるというふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/106
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107・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 ただ許可をせんというだけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/107
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108・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/108
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109・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 許可をせんというけれども、或るものは許可をし、或るものは許可をせんのであつて、そこに私は非常にむずかしい点があると思うのですがね。同じような条件において、或るものはかける、或るものは除くということになると、何かそこに条件があればいいけれども、ない場合はいわゆる強制するという恰好になると思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/109
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110・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) その問題は、御心配の点が非常にあると思うのでございまするが、大体小型底曳を減船整理するというような漁村の要望に基いた線で考慮しておりますので、実体的にそれを実施して参ります場合におきまして、これだけは残したいといつたような建前の下におきましては、この第六条の一項の勘案事項で十分相談する、打合すというようなことでやつて行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/110
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111・玉柳實
○玉柳實君 この規定によりまして、整理すべき船舶を指定する場合に、無許可で操業している船舶がこの第二項の漁業調整委員会、或いは協同組合の意見如何にかかわらず整理するよう何らかの指示を得られますかどうか。それから全国では二万隻以上の無許可の船が操業せられておるようでありますが、これらは全部整理すべき船舶に指定せられるものと心得てよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/111
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112・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 初めに御説明を忘れたのでございまするが、この整理の対象になる船というものは、昨年、昭和二十五年の十一月一日現在で水産庁におきまして一斉調査をやつたのでございまして、現在その報告がまとまつているわけでございまして、その報告を見ますれば、如何なるかたの船で、どういう所有者の氏名、それからトン数、概歴というものがすべてカードに現わされておるのでございます。その後若干の調査漏れその他で訂正を行いましたが、整理を目標にして考えて参ります船は、その調査に載つた船ということを限定しているわけでございまして、從いまして昭和二十五年十一月一日以降に発生した無許可小型底曳船というものは補償の手段も講じないで、これは厳重に取締つて撲滅を期するというふうな措置をとつて参るということで話合いをしておるのでございます。從いまして、お話の第一点及び第二点を通じまして、減船整理する対象はリストに乘つておりまする大体総数約三万四、五千隻というものが対象になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/112
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113・玉柳實
○玉柳實君 その場合に三万五千のうちには無許可のもの二万一千含んでおるわけですね。それが優先的に整理せられるように措置をせられるのじやないかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/113
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114・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 現在三万五千隻のうちで正式に知事の許可になつておりますものが約一万四千隻程度あるわけでございます。而もこの一万四千隻の正規に許可を受けたものでも違反して操業をやつておる、違反が常態化しておるものも相当あるようでございます。それと残りが無許可の船になるわけでございまして、減船整理に対しましては、勿論その漁村々々の事情を考えまして、その当該県が大体すべて許可船であつても整理をしなければいかん場合もございまするし、又許可船が少くて無許可船が絶対多いという場合におきましても、多少その無許可船が残る場合も考えられるのでございまして、その点その漁村々々の実情に応じまして整理をいたして参るという方針をとつておるのでございます。ただ原則的に申しますれば、無許可の船を先きにして、許可の船は成るべくあと廻しにするということは言われ得るのではないかと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/114
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115・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) ほかにありませんければ、簡單な条項ですから、第七条と第八条を一緒に議題にいたします。
〔安福説明員朗読〕
(異議の申立)
第七条 前条第一項の規定による通知を受けた者は、当該通知に係る指定に不服があるときは、都道府県知事に対して異議を申し立てることができる。但し、同項の規定により公示した日から二十日を経過したときは、この限りでない。
2 都道府県知事は、前項の申立を受けたときは、同項の異議申立期間満了後一箇月以内に、これについて決定をしなければならない。(整理船舶についての許可の禁止)
第八条 漁業法第六十六条の二の規定による小型機船底びき網漁業の許可の申請が、第六条第一項の規定により整理すべきものとして指定された船舶につきなされた場合には、都道府県知事は、その許可をしてはならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/115
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116・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 第七条、第八条について御質問があれば伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/116
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117・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 第七条ですが、これは知事が指示しているものに対して異議を申立て、知事が最終決定をするということは一種の予算の復活要求みたいな恰好になつておるんですが、ちよつとおかしくはないんですかね。知事が決定したものを又知事に言つて來て知事が決定するということは、初め決定したやつはいい加減の決定をしているという恰好になるんですが、そういうことになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/117
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118・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 異議の申立の規定は常に処分官庁に対しまして申立てるというようなことになつておりますので、前例を踏襲しまして書いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/118
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119・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 第八条で、これは減船整理の対象となつた船を言つているのだと思うんですが、こういう場合には、例えばAというものは減船することになつた。そのAの所有している船を以てBという人が現在やつているが、その船は許可が残るのだ。ところでそのAの持つていた今度対象になつた船のほうがもつと船としてもいいし新らしいという場合に、自分の船を売却するなり処分してその船を買つてやりたいという場合に、この船には許可しないということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/119
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120・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 御指摘の点は代船許可の問題になろうかと思うわけでありまして、減船整理の建前から極力抑えて参りたいとは思うわけでございますが、海区々々の実情に応じまして減船整理の趣旨に副う範囲内におきまして認める場合もあるかと考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/120
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121・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうすると、この文面はおかしくなりませんか。指定された船舶につきなされた場合には都道府県知事は許可してはならないとあるのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/121
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122・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 具体的に考えて見ますると、例えば台風災害対策のような場合に鹿児島に船を売つた。その後でほかの船を補充するというような場合も考えられ得ると思うわけでありまして、さような場合につきましては、指定の変更という措置でやつて参つたらと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/122
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123・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 ちよつとおかしいですね。指定の変更といいますと、今整理して、今度整理しないで残すという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/123
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124・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 変更と申しますのは、まあ指定の取消しということと同じに考えたのでございまするが、その場合に総体としての隻数は減小するという目的を達し得ますると考えますので、小型底曳船の隻数が減る、枠が減つて参るという範囲において止むを得ざる場合に考えたらと思つているのでございまするが、原則的には極力抑制して参る、こういうことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/124
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125・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 私は船というのは、別に船に罪も何もないのであつて、整理の対象になつて來ますと、船をまあ運行を今までやつていた人がここの六条のこの項に該当しておつて、この整理の対象になつた、その船はもう使えなくなつたという場合に後に残る人がこの船はいいから俺の船と一つ取換えてやつて行きたい。一体代船許可で出願した場合にもこの許可をしてならないという条項が適用されるのですか。この文面から言えばそういうふうに受取れますが、今の非常に異変があつたり何かして枠が減つたというわけじやなしに、平常の場合においての考え方ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/125
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126・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 例えば同一の海区に考えまして、ABの二人の漁業者が小型底曳をやつておりました場合に、Aなる業者が減船の指定を受けた、Bは受けていなかつたという場合に、Bの船が例えば沈沒をしてしまつたというような場合に、減船の対象になつておる船を買つて、自分の船に充てたいというような場合もあるかと思うのであります。そういうような場合におきましては、やはり漁業者の便利を考えまして、指定の取消しの処置を講ずる場合もあろうかと考えておるのでありまするが、併し成るべくさような処置を抑制して進んで参りたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/126
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127・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうすると、この条文は少し行き過ぎているように思いますがね。折角そういうチヤンスを原則として許さんということになりますと、又新らしく船を造らなければならんというような面が出て來るのでここに何か条項を入れて置く必要はありませんか。そういう場合は多々あると私は思うのでありますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/127
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128・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 小型底曳全体の船が減つて参りますように実は処置して参りたいと思つておるわけでございますけれども、止むを得ずほかの人が使つておる船を買つて代船に充てるような場合というような、全体の枠が増加しないというような場合で、極く特殊の場合に只今申しましたような処置をとりたいと、こう思つておるわけでございますので、代船を建造するといつたようなことは、まあ基本的に認めないという方針で行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/128
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129・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうすると、あとで残存が二万なら二万、一万九千になつても、減つたものは減りつ放しであとは認めないと、こういうことなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/129
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130・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) さように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/130
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131・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そのときにはもう補助も何もなしに減りつぱなしというわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/131
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132・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) この法律の適用期限がある限り、減船の場合には補助して参りたいと、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/132
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133・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 それは例えば限度を二万隻と押えるか、一万九千隻と押えるか、仮に一万九千隻と押えまして、それだけは残すといつた場合に、一万九千隻で一応安定してしまいますね。安定した場合にも、船が沈沒したとか、或いは船が老朽になつて使えなくなつたというものに対しては、今後許可をしない、こういうことになりますか。今後五カ年の間にはそういう事態がちよいちよい出て來ると思うのですが、現在対象から免かれて、まじめに至極違反もなしにやつて來ておるということで、それは対象から免かれておるが、そういうものが船が古くなつたという場合には、お前はもう船が古くなつたから許可しないぞという処置をとるのであるか、或いは又沈沒したとかいう場合にはそれきりで減船の対象にすると、こういうことであるのか、そういうまじめにやつておるものは一万九千隻の枠の中にはめて代船を認めて許可をして行くということはないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/133
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134・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) さようなことを予想いたしまして、代船の許可を考えて行きたいと思うわけでございますが、その場合に新たに建造するということは極力抑えまして、絶対に今は抑えるといつたようなことにいたしまして、ほかの船で底曳をやつておるような、できるような船を買わせて代船に充てさせるというふうに指導して参りまして、小型底曳全体の枠が五年の間に少しでも殖えるというようなことのないように処置して参りたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/134
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135・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうすると、ますますこの八条はおかしくなりますよ。今の御趣旨だというと、新造は認めないが、よい船も使わせないということにこれはなるわけですし、これは逆のことではありませんか。新造は認めないけれどもそういう船は成るべく使わせるということにすれば活用ができて來ると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/135
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136・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 今の秋山委員のお話の点は、許可の申請があつた場合には、整理船舶を以て充てる場合には許可しないと、これはいいのですが、許可をすでに持つている人が整理の範囲に入らなかつたと、たまたま自分の知つた人が整理に入つたと、このほうの船がいいからこれと代えるということについては、八条のほうではこれは差支えないのではないかと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/136
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137・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) これは別に八条の規定ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/137
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138・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) それでは第九条に移ります。
〔安福説明員朗読〕
(補助金の交付)
第九条 政府は、第六条第一項の規定により整理すべきものとして指定された船舶の所有者又はその船舶を使用して小型機船底びき網漁業を営んできた者に対し、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、これらの者がその船舶を他の漁業に転用し、又は漁業以外の産業に転換することを促進するため、補助金を交付することができる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/138
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139・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 この補助金に対する税金のことはどういうふうに考えているのですか。いつも問題になるので、今度しつかりきめておかんと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/139
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140・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 補助金の税金の問題につきましては水産庁といたしまして、かかる減船整理、殊に小型底曳といつたような零細沿岸の漁業者の転換補助金でございまするので、免税の処置を講じてもらいたいという趣旨で、大蔵当局とも協議したわけでございます。大蔵省の税関係の意見といたしましても、転換でございますとか、或いは運搬船の改造といつたような部面につきましては、その年において経費として落る部面であつたらこれは税の対象とならんが、併し築磯に船を充てるというようなことで、政府が金を出して、丁度税の関係から言うと、国が買上げてそれを築磯にするというような形の上において明瞭な問題については、やはり再評価税程度はかかるではないかというような意向であつたわけでございます。その点につきまして、これは築磯漁業の転換補助金であるというような意味で、まあ再評価といつたような税の適用をすべきでないということを現在折衝しておるのでございますが、遺憾ながらまだ解決したという御返事を申上げかねる段階にあるわけでございまして、今後も十分折衝に努力したいと思うわけでございますが、今のところちよつと築磯の補助金部分につきましては見通しが困難な状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/140
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141・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 これは曾つての漁業証券に対しても苦い経験を持つておるのでございまして、この零細な漁業者をまあ減船するために或る程度の救済になつている処置だと思うのですが、この金額というものはそう大したものでないにいたしましても、受取る側から言うと非常に影響がある、生業を失い、僅かにもらつた金で何とかして行かなければならないというのに、税金を又取られるということは、これはとても忍べない問題だと思うので、この際かようにして出す補助金に対しては、飽くまでも免税ということを一つはつきりきめるような措置を講じて頂きたいと思うのです。そうしなければこれはうまく行きませんよ、やはり……。でこれを濁しておきますと、大蔵当局として何のかんので、まあここへ速記に残つておりましても、税法の建前からということで押して來ますと、又苦労しなければならないわけですが、この際もう極めて近い例があるわけですから、何らかの解釈によつてこの零細な補助金に対して課税しないということの確言を得るなり、何かはつきりとしてもらいたいと思うのです。ただ水産庁だけがそういうことをして話が進まんとすれば、この法案を審議する上において、委員会としても一つ処置を考えなければならないのじやないかと思うのです。この点委員長の御意見如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/141
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142・木下辰雄
○委員長(木下辰雄君) 秋山君と同感です。総括的な質問が済みまして、逐条審議を一通りやりましたが、この法律の実施面における補助金、これは今の税の問題もありまするが、まだ補助金の交付の仕方にいろいろな御意見がありますので、又更にそういう方面についての十分の討議をする必要がありますので、そういう点はこの次の委員会に譲りたいと思います。本日は一応この法案を打切りまして、閉会いたしたいと思います。
本日はこれで散会いたします。
午後三時四十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214562X00819511121/142
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