1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十四日(土曜
日)
午前十一時九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 平沼彌太郎君
理事
大矢半次郎君
木内 四郎君
委員
愛知 揆一君
岡崎 真一君
黒田 英雄君
山本 米治君
小宮山常吉君
菊川 孝夫君
松永 義雄君
櫻内 辰郎君
森 八三一君
木村禧八郎君
国務大臣
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
政府委員
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵省主計局次
長 東條 猛猪君
大蔵省主税局長 平田敬一郎君
大蔵省主税局税
制課長 泉 美之松君
大蔵省主税局調
査課長 亀徳 正之君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
常任委員会專門
員 小田 正義君
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本日の会議に付した事件
○所得税法の臨時特例に関する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法
律案(内閣送付)
○物品税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
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001・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第十九回の大蔵委員会を開会いたします。
所得税法の臨時特例に関する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案(予備審査)、物品税法の一部を改正する法律案(予備審査)、この四案を一括して議題として質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/1
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002・木村禧八郎
○木村禧八郎君 これまで、今度のいわゆる臨時的な税制改革について主税局長、泉税制課長、大蔵大臣等に質疑をして参つたのでありますが、最後にこの法案に対して我々まあ態度を決するについて締括り的に一つ御質問申上げたいのでありますが、先ず第一は、若しこの法人税が反対などあつて成立しないような場合、来年度の税収にどの程度影響があるか、この点はこの前ちよつと伺いましたけれども、何億円くらいあるかをちよつと伺つておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/2
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003・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 法人税の税率引上げの分が国会を通過しなかつた場合におきまして、来年度の税收に影響いたします考え方が二つございますが、それは法人の事業年度関係で三月決算というのが相当多いのでございます。これによりまして影響を受けるのが七十億前後だと思います。それから今回否決になりますと来年度どうかという問題があるのですが、来年度フルに計算いたしますと、税率引上げの分が三百億円程度で、ほかの何と申しますか、価格変動準備金とか或いは退職積立金の非課税とか、或いは特別償却の問題、法人税法以外の分で引上げと関連して考えておる措置が大体百億余り、百億程度のあれでございます。ネツトの收入が二百億円程度来年度減收になるわけです。それよりも私の考えておりますことは、税の調整でございまして、所得税を軽減すると同時に法人税を引上げる、こういう考え方で負担の調整というところから来ておりますので、若し法人税の引上げができないということになりますと、所得税の減額と、今の軽減を来年度にまで続けて行くということは非常な影響があるのではないかということを心配しておるのであります。それでよろしうございますか。御質問の点に答えましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/3
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004・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大体わかりました。そうしますと来年ネット増税になるのが約三百億円でございまして、それからいろいろな減価償却、その他それによつて減少する分が百億、差引約二百億ということになるのですね。そうしますと来年度大体大蔵大臣がまあ七百億減税をやると言つておりますが、今年度約四百億、両方で一千億くらい、それで若し来年度法人税でネツト二百億増税して更に七百億減税ということになりますと、個人のほうの減税は約千億近くになるのではないか、いわゆる税法上の減税は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/4
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005・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 大体来年度と今年度の今御審議になつておるのを中心にいたしまして或る程度の減税案も盛り込みたいくらいに思つておりますが、個人の所得税のほうでは大体一千億円の減税になる。法人税のほうで二百億円の増税になる。それから砂糖消費税におきまして六十億円ばかりの増税をいたそうとしておりますので、大体七百五十億円乃至八百億円の減税を計画いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/5
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006・木村禧八郎
○木村禧八郎君 次にお伺いしたいのですが、大蔵大臣は、財政規模は来年度も大体本年度と同じ程度にいたしたいということを言われていますが、それはいつも大蔵大臣の言われる国民所得のその比率においての規模そのものにおいて大体本年度と同じようになる、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/6
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007・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 本年度と大体同じという表現にしますか、大差のないという表現にしますか、或いは八千億円台という表現にしますか、いろいろ考えて見まして、とにかく御承知の通り来年度は相当平和回復関係の費用が要りますので、私は本年度と同額程度ということをやめまして、大体大差のない程度、八千億円台、こういう考え方でいつておるわけであります。この考え方につきましては、来年度の国民所得がどのくらいになるかということも勿論考えております。又国民所得に対する規模も考えておりますが、又一般の租税收入その他の雑收、或いは又歳出方面につきましても或る程度の検討を加えまして、八千億円台で而も今年度と大差のない、こういう表現をいたしておるのであります。九千億円を超えることのないようにというので、できるだけ緊縮政策を続行しておりますということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/7
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008・木村禧八郎
○木村禧八郎君 官業收入は大体本年度千六百億円くらいですが、大体その程度考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/8
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009・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 官業収入は今のところたばこの売れ行はかなりよいようでございますから、大体今年度より上廻るのではないかと思いますが、まあ余り大差はございますまい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/9
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010・木村禧八郎
○木村禧八郎君 雑收入ですが、これは本年度四百八十二億ですが、ざつと五百億ですが、明年度も大体その程度と見てよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/10
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011・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 雑收入のほうはかなり減つて来るのではないかと思います。御承知のように今年度は公団関係の清算によりまする收入が相当ございまするが、来年度はこれが相当落ちて来ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/11
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012・木村禧八郎
○木村禧八郎君 どの程度減りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/12
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013・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今はつきりした数字を覚えておりませんが、大体これは落ちて来ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/13
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014・木村禧八郎
○木村禧八郎君 これは私が試算して見たのですが、大体国民所得がどのくらいになるか、これは問題ですけれども、いろいろ算定の仕方はあると思いますけれども、一応安本あたりでも自立経済計画を立てる場合の前提として約四兆八千億よりちよつと少いくらい、まあまあそのくらいじやないか、こういうふうに推定されているようであります。それに対して国民所得に対する財政規模を来年度も大体同じくらいな比率であるといたしますると、今年度の比率が一七・六%でありますから、それで計算しますと大体四千八百六十六億、大体八千五百億となるのですが、大蔵大臣は大体最近新聞に出ているところでは八千億台と言いますが、台には相当巾がありまして、八千九百億になつてもやはり台なんです。八千五百億でも台でありますけれども、大体国民所得に対する財政規模の比率から見ますと、八千五百億ですと、本年度は一七・六%ですが、大体同じそういう程度に考えれば間違いないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/14
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015・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) そこはまだ何とも申上げられません。とにかく九千億台にならないように考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/15
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016・木村禧八郎
○木村禧八郎君 理窟みたいなことですけれども、台というのはどの程度を台というのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/16
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017・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) その程度しか考えていない。この八千何百億円というところまで行つておりません。とにかく国民所得に対しまする規模、或いは歳入、歳出、こういうところからやつているので、一七・六%以上になるかもわかりませんが、成るべく以下にしたいと努力をしておるのであります。何分にも普通の予算とは違いまして、非常にアンノウン・フアクターが多いのでございます。今私がここでお話のように八千五百億円程度かという御質問に対しましては、お答えを留保したほうがいいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/17
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018・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大蔵大臣は責任がある立場ですから、細かいことははつきり幾らということは答弁しにくいでしようが、大体まあその程度と私のほうは了承しまして、そうしますとこれから雑收入及び官業收入を引いて見ますと、来年度の租税收入というものは大体六千三百五十億という、これは私の計算した数字ですが、大体まあ六千三百五十億或いは六千五百億とも言う人がありますが、大体その程度の租税收入をお見込になつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/18
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019・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 減税後の收入につきましてはまだ検討を加えておりません。今ちよつと私の答えが間違つておりましたから申上げます。公団收入や或いは官有財産の收入を見ておりまして、従つて官有財産の收入が少し減つて参りまして、それから雑收入のほうは或る程度動かんのじやないか、私は公団及び政府出資金等の收入を雑收入のほうに入れておると思いましたが、官業收入になつております。従いまして官業收入のほうはそのままで、雑收入が減ると申しましたが、雑收入はそのままになつて、公団等の收入とか政府出資金等の收入とか、こういうふうなものは官業收入になつておりますから、このほうが減ることに訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/19
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020・木村禧八郎
○木村禧八郎君 租税收入は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/20
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021・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 租税收入のほうは何千何百億かちよつと申上げ兼ねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/21
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022・木村禧八郎
○木村禧八郎君 併し大体新聞にも随分出ているようでありますし、それから来年度の予算編成方針も今日の新聞に出ておりました。大蔵大臣に前に私が質問したときに、あの程度のことだつたら前に御答弁できたのじやなかつたろうかと思うのですけれども、昨日、まあ今日でありますけれども、編成方針ですね、これから二十七年度の予算編成について大体ドツジさんとの交渉に入ることになつて行くのだろうと思うのですが、やはりいわゆる税制改革問題を考える場合に、当然来年度との関連において考えなければ意味がありませんので、大体私聞いておるのですが、それはこの租税收入如何によつては、講和関係費と国内、いわゆる内政費と申しますか、それとの振り分けの場合に随分大きな問題が出て来ると思うのです。ですからラフでもよろしうございますから、大体私どもが試算した六千三百五十億というものは、大体推定される数字とそんなにかけ離れているかどうか、この点を伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/22
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023・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今日の新聞に載つておりました予算編成方針は、閣議決定をしたものでも何でもございません。私も見ておりません。実は一、二回主計局長から持つて参りまして、ここがいかん、あそこがいかん、こう言つて、こういう考えを入れろ、ああいう考えを除けというだけで、見ていないのでありますが、閣議決定はいたしておりません。今日の閣議にも実は提案していないのであります。来週中ぐらいに一つ出そうかと思つております。
それから租税收入はやはり專門家の木村さんのことでございますから六千三百五十億ですか、まあそのくらいになるのじやないかと思いますが、私はその程度でございましような、はつきりしたことは申上げられません。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/23
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024・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それで結構です。大体のおよその、我々まあこれからいろいろ検討する場合の参考になるよりどころを言つて頂けば結構です。我々どうせ素人ですから、細かい計数を持つておりませんし、それは何と言つても大蔵省が一番よく御承知でありますから……。そうしますと、結局まあお伺いいたしたいのは、その租税收入、大体まあ六千三百五十億になるかも知れませんが、その見当として総額、その他の官業收入、雑收入合せて大体八千五百億、大きく踏んで……。このうち大蔵大臣は大体内政費を一応確保したいということを言われておりますが、このうち内政費という場合、いわゆる二十六年度予算の項目のうち、いわゆる講和関係費を除いたものを内政費と言われておるかどうか、その中には例えばインベントリー・フアイナンスの問題、ああいうものはやはり一応内政費として入つておるのかどうか、内政費を確保するという場合の内政費という場合にはどういうものをお指しになつておるか、講和関係費以外を全部内政費と考えてよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/24
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025・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 大体講和関係費以外を内政費と考えておりますが、講和関係費と申しましても、外債が入るとか或いは対日援助が入るとかという議論があると思いますが、私はそういうものはやはり講和関係費と考えております。それから傷痍軍人遺家族とか、こういう問題につきましては内政費と考えております。こういう点から申しますると、外為その他のインベントリー・フアイナンスの問題は内政費に入るのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/25
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026・木村禧八郎
○木村禧八郎君 二十六年度において、二十七年度の内政費を……、講和関係費と見られるものとしては、終戰処理費、警察予備隊等でありますが、そういうものを加えて二十六年度七千九百三十七億から引いて見ますと、いわゆる内政費というのは六千六百七十七億になるわけであります。そうしますと、この内政費六千六百七十七億になるのですが、仮に八千五百億、いろいろな政府收入ですね、税收及び雑收入、官業收入全部合せて八千五百億とした場合、六千六百七十七億を引きますと、いわゆる講和関係費というのは二千億以下になるわけですね、千八百億くらいになると思うのです。そうすると講和関係費をその程度に圧縮しなければ内政費は確保できない、こういうことになるのですが、その講和関係費は、内政費を先に確保して、講和関係費をそういうように圧縮できるというものか、或いは講和関係費というものを最初大体この程度確保することをきめて、それであと内政費のほうをこれに彈力性を持たせて調整して行くか、どちらのほうの方針で行かれるのか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/26
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027・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 両立するような方針で行きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/27
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028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますと、両立するようにいたしますと、減税は困難じやないかと思うのです。減税もやり、而も内政費を大体本年度と同じように確保するということになると、減税が困難になるのじやないかということを予想されるのです。で、この際私、大蔵大臣は何回も減税されると言われておりますけれども、本当に減税をおやりになるのかどうか、若し減税ができなかつた場合は、この予算は来年度の減税を前提にしておるのでございますから、これは重大な問題になるわけであります。いわゆる公約違反ということになるのですが、そういう場合には大蔵大臣は重大な責任が出て来るのですけれども、責任をお取りになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/28
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029・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は来年度も減税するという方針でいつておりますが、それができなかつたときにはどうするかというのは、それができなかつたときに考えればいいので、私は政治家として、自分の方針に従いましてできるだけ忠実に実行しようという決意を持つております。併し情勢その他の変化がありまして、できないという場合におきましては、そのときはそのときに考えればいいので、御承知のようにどちらかというと猪武者のほうで、考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/29
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030・木村禧八郎
○木村禧八郎君 これは今度の……人の進退についてどうこう言うことは私も余り好ましくないし、好きじやないほうですが、ただこれまでの総司令部とのいろいろ折衝等について、特に私は、司令部のほうでこれは駄目だと言われて、政府はそのままじや、司令部が言つたんじや仕方がないというのでは、我々国会でこういう法案を審議する場合何ら意味がなくなつて来るわけなんです。非常に考えさせられてしまいます。殊に今年のこれは来年度の減税を前提にしての税制改革なんですから、それが若しか駄目になつたということになると、これは非常に大きな問題になるわけです。その意味で大蔵大臣の決意のほどを今お伺いしているので、職を賭してでもこの減税をやらなければならない重大な責任があると私は思うのです。そういう意味で伺つているのです。
そこで先ほどのあれに移りますが、内政費と講和関係費両方とも満たすようにするという御意見ですが、どう数字で彈きましても、内政費を大体本年度と同じくらいの程度に抑えて行く、それから講和関係費を世上伝えられているように大体二千億と抑えて行きます、足らないと思うのですよ、どうしても足らない。ですから、これは増税に求めるか或いはインフレ的な手段によつて辻褄を合わすか、それとも内政費を圧縮するか、或いは又内政費を確保するとすれば、講和関係費をこれを二千億以下に切下げる。そうしなければどうしても辻褄が合わないと思うのです。そこでどこにしわが寄つて来るかが私は問題で、そういう場合には大蔵大臣はどうしても内政費は大体本年度と同じ程度を確保する、そういう御決意でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/30
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031・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 責任の問題を言つておられますが、私が辞職して国のためになるならいつでも辞職いたします。私は国のためになるようにと思つて日夜努力いたしておるわけでございます。自分の方針は飽くまでも貫くように変りない努力を続けて行きたいと思います。
それから内政費或いは平和関係費という問題でございまするが、これは新聞に出ておりまするが、誰もまだ知りません。事務当局は考えた点があつたかもわかりませんが、御承知の通り私の責任におきまして予算をやり繰りいたしますので、まだ平和関係がどれだけになるか、内政費のどこを殖やしてどこを減らすかという問題は只今研究中であるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/31
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032・木村禧八郎
○木村禧八郎君 インベントリー・フアイナンスについてはこの間ちよつとお伺いしましたが、これはやはり続けるという御方針のようですが、併しこれは食糧管理特別会計についてのインベントリーは、恐らくこれはやらずに済むようになるだろう、こういうお話でしたが、そうすると来年度は米の統制撤廃ということが前提になつている。こういうふうに解していいでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/32
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033・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十七年産米からは撤廃の方針で行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/33
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034・木村禧八郎
○木村禧八郎君 併しその撤廃には條件があるわけでして、国内の消費が確保できるか、供出が確保できるか、それから輸入の、国外の食糧価格がどう動くか、この三つが追つ付かなければできないわけです。若し大蔵大臣の言うように、考えている通りにできるなら本年度とつくにできているはずだ、それができなかつたのは、その條件が満たされないので、今大蔵大臣がそういうふうにおつしやつておりますけれども、来年度の統制をどうするかということについては、来年度予算編成方針と重大な関係があるわけです。それで行けるのですか、本当に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/34
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035・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 既定方針通り行くつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/35
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036・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますと、そつちのインベントリーはなくなると一応解釈できるわけです。それから外為のほうのインベントリーは大体本年度と同じあれを継続して行くと考えてよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/36
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037・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 考え方は同じであります。金額は動くかもわかりませんが、考え方は同じであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/37
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038・木村禧八郎
○木村禧八郎君 金額は減るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/38
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039・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは御承知の通り外為に外貨を集中いたしまして今やつておるのですが、これは必ずしもいい方法じやない。そういう点を考慮し、又昭和二十七年度の国際収支を今検討いたしておる状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/39
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040・木村禧八郎
○木村禧八郎君 このインベントリーが殖えるか減るかは重大な問題ですが、一応内政費とそれから講和関係費との両方これを満足させるという場合には、やはりこのインベントリーあたりを減らして、そつちに向けるということも……インベントリーを本年度は九百億ですか、食管を除けば八百億ですね。これを減らせばそつちへ向けられるのですが、講和関係費その他に向けられるのですが、そういう調整を取る関係上、或いはその目的じやないかも知れませんが、八百億よりも減ると見てよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/40
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041・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) このインベントリー・フアイナンスは財政の調整の意味で使つておるのじやございません。インフレ対策というのでこれはやつておるのでございます。従いまして今年度の八百億円、実質的に申しますと実は千億円でございます。国際通貨基金の二百億円、あれは国際収支から申しますれば千億円に相当するインベントリーが必要で、それを国際通貨基金の加入というので二百億円を分けたのであります。インベントリーとしましては国際収支からすれば実は千億円というわけであります。従つて来年度に何か千億円或いは八百億円が減るか殖えるかということは、一に二十七年度の国際收支がどういう恰好で現われるかと、こういうことによつてきまるのでございます。今殖えるとも減るとも申上げる段階に至つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/41
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042・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私はこれをインフレの抑制に使つていることは承知しておるわけですけれども、これを財政上まあ必要がある場合、他に振り向けるということもできないことはないと思います。例えば日銀借入に振替えればできないことはないと思うけれども、そのときにインフレが起るわけです、インフレが起ると思います。これをやればインフレになると思います。それで若しこのインベントリーを少くし、或いはやめろという意見もあるのですけれども、若しやめたら、他方でやめただけのインフレ措置を講じなければこれはやめられない。そういうことで、どうもこれを減少したり何かする場合、他において金融上どういうインフレ措置を講ずるかという御質問をしようと思うわけです。それでインベントリー・フアイナンスをこのまま、千億は今実質的にはあると思うのですが、やはり来年度も続けられるかどうか、こういうことなんです。そうすればその問題は起らないのです。尤も国際收支如何によつて更に多く必要が出て来るかも知れませんが、この程度は来年も必要と認められているか、或いは非常に財政上苦しくなつて、二百億捻り出すのに二百億円日銀借入れにして、そちらをどこかに廻す、こういうようなことが出て来ないかどうかということなんです。そういう場合には二百億分の又インフレ対策をどこかで講じなければならないわけです。そういうことをお尋ねしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/42
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043・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) お話の通りで、ございまして我々はインフレ対策としてやつているわけであります。それじや輸入のアンバランスと申しますか、外貨が溜つたのだから、この場合收支が合えば非常にいいのですが、それのインフレ対策としてインべントリーをやる、それなら外貨が溜らないように輸入を、うんとやつたらどうか、こういうふうになると、やはり輸入資金がないから日本銀行から出て行く、こういう恰好になりますので、お話のような点は考えておりますが、なかなか今どういう措置をとるかという場合、どれだけインベントリー・フアイナンスを必要かという金額にもよることでございますので、先ほど申上げましたようにまだ結論は出ておりませんが、いろいろな点からインフレ対策としてこうやつているのですが、これもやはりほかに向けるべきものをこうやつてやらざるを得んような状態であります。お話の点は篤と考えて何とかいい方法を見出すように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/43
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044・木村禧八郎
○木村禧八郎君 次に平衡交付金の問題ですが、この間大蔵大臣にお尋ねしたときに、大体千二百億の金額については岡野国務大臣は変らないだろうという、確保するという衆議院での御答弁でしたが、それは平衡交付金という名前であるかどうかは今後わからないので、平衡交付金みたいに地方に與える金額が千二百億で変らない、こういう意味であろうということを大蔵大臣言われたのですが、そうしますと、今問題になつております酒、たばこの財源を地方に還付といいますか、これを與える、こういう問題が起つて来るのですが、これはそういうふうにお考えになつているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/44
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045・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 平衡交付金の一部として出しますか、或いは現地還付として出すかというところがあると思います。平衡交付金の一部として出すことになれば、平衡交付金はそれによつて動きませんし、現地還付ということになりますると、平衡交付金より除外して、別の財源として與えることになりますから、それだけ平衡交付金が減ることになるのであります。この問題は税制懇談会で話がありました。可否の論議もあると思いますが、そういう方向で行つたならば地方の財源を確立して行く上においていいのじやないかという気持を以て私どもは検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/45
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046・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そういう場合に、酒とかたばこの価格の値上げということが問題になりませんか。大体官業收入のほうはたばこの專売收入、それから酒税ですが、そういうものの收入は一応大体本年度と同じくらいに確保して、それ以上に何か附加税というか、そういう形でそれを確保するということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/46
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047・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 附加税のつもりではございません。今の価格体系をそのまま踏襲しまして、その收入の一部を地方へ渡そう、こういうのであります。渡し方に今申しましたように現地還付か或いは平衡交付金に入れるかという問題があるのであります。附加税を各府県で取るという考え方は持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/47
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048・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますとこう理解していいわけですね。そのたばこ及び酒の税を地方に還付という形でやる場合には、平衡交付金がそれだけ減るのですから、国庫收入のほうでは、特に酒、たばこあたりで税收を特に値上げしたり何かして殖やした分をやるのじやなくて、たばこ、酒の收入のあつた分を平衡交付金の代りに金として振替えにやる。そちらが殖えれば平衡交付金が減る、こういうふうに理解していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/48
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049・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/49
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050・木村禧八郎
○木村禧八郎君 今予算委員会が大蔵大臣が出ていないので休憩してとか言つておりますので、私の質問はまだ少しあるのですが、最後の結論に行つていないのです。今ずつと御質問したことから最後の結論を言うつもりであつたのですが、一応ここで私は大蔵大臣があちらに参りましてから、途中ですからあと保留させて頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/50
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051・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 今大臣は予算委員会のほうへ行かれたのですが、大臣の御質問は午後にお願いして、大臣以外に質問のありますかたはお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/51
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052・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それでは主税局長に……。大蔵省として、この中央の税制改革の今度の臨時特例が、来年は本法になるのですね。それと関連して今の地方税の問題、どうしても御研究になつているはずだと思うのですが、自由党の政策として発表したところを見ますと、相当地方税制改革の点も出ているのですが、大蔵省で今臨時特例を本法にするについて、地方税ですね、これをどういうふうに改革されて行くか、相当大きな変化があるように思うのです。例えば全体として地方の收入バランスは合つても、府県によつて非常に違うのです。東京とかそういう所は非常に收入があるが、他方において非常に貧弱な府県があつて、その調整が困難であるというふうに思いますが、今のたばことか酒の問題もやはり全体として、臨時特例を本法にするのと関連して地方税制の改革についても相当御研究になつていると思いますが、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/52
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053・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お尋ねの通りでございまして、私どもも今地方税の制度につきましてどうするか研究いたしております。まだいずれも結論というところまでには参つていないのでございますが、御指摘の通りたばこと酒の税の一部を確定財源として交付してあると、まあ還付してあるというようなものも一つの調整方策としております。それからもう一つ一番の問題は附加価値税と事業税をどういうふうに処理して行くか、これは実は一番大きな問題でございまして、まだ結論を得てないのでございますが、一般の議論はどうも附加価値税はやめて事業税を何とか変えてやつてくれという声が大分多いようでございます。事業税を併し今の所得金額に対する一二%そのままでやるかやらないか、これは相当税制の上におきましても問題でございまするので考えておるのでございますが、一つの議論は半分くらいを外形標準にしたらどうかという議論もございます。つまり今の一二%の税率のうち六%を所得だけ残して、あとの六%の部分に相当する総税額を売上金額の約千分の五くらいの税率でほぼ同額を上げるというようなシステムに変えたらどうかという意見もございますが、又外形標準にすると、さような又反対論がございまして、可否得失を目下研究中でございますが、まあ附加価値税はいろいろ議論がございますけれども、考え方としましては一つの考え方でございますので、やめてしまうということにきめたら、或いはもう少し模様を見て延ばすということにしますか、延ばすということにしますと、事業税も余り根本的には変えないで、若干の調整くらいでやつて行こうか、まあ最近は又後者の考え方が大分強いようでございますが、その辺解決しなくちやならん問題だと思います。併し事業税をいずれにしても残す場合におきましては、少くとも個人の事業所得者の課税上五万円程度の基礎控除を認めるということにつきましては何か一つ考えてみたいというふうに考えておるのでございますが、そういう問題がございます。それから財源の偏在に関連しまして先般もたびたび申上げておりまするように、法人の市町村民税ですが、これはどうもやつて見た結果、財源が非常に町村に偏在する傾向がある、都市の近郊の町村なんかに少し大きな工場がありますと、固定資産税と法人の市町村民税でもう收入が十分で、あとの税は殆んどとらなくてもいいといつたような例もあるようでございまするし、その辺も何か少し検討してみたい、むしろ法人税の、市町村民税のほうは若干減らすという方向がいいのじやないかと思つておりますが、そういう点も問題としてあります。それからもう一つは固定資産税につきまして、電気の施設とか特別の固定資産でございますね、そういうものは一般の固定資産税と別に切離しまして何か特別の課税をしたらどうか、こういう問題もございまして、これも研究いたしております。それから入場税と遊興飲食税は税率が非常に高くて、特に遊興飲食税の場合は税率通り実行されていない、している所としてない所とがある、その不均衡が相当甚だしうございますので、これはむしろ税率を或る程度下げまして、厳重に実行するという方向に行つたほうがいいのじやないか、その際にむしろ国税に移管してやつたらどうかという意見もございますが、併しそこになりますと、折角府県に認めました独立財源を又国に移管するという問題にもなりまするので、そこまで行かないで何か実効を挙げる方法がないか、まあそういう問題がございます。それからなお自動車税につきましては道路の補修費等に関連いたしまして、もう少し引上げる余地はないかどうか、これも問題でございます。
それから地方税の税務行政につきまして一つ問題がございまして、今事業税は実は所得税で所得を捕捉すると同時に、府県の事務所でやはり事業の所得を独自の立場で調べておるというのがあつて、非常に納税者も迷惑しておる、調べた結果、結論がいずれも正しく行くならいいのですけれども、必ずしもそうじやない場合も出て来る、そうなつて来ますと、むしろどこか一本できめましてそれに乗つかるほうがいいのじやないか、つまり地方税、国税を通じました簡素化と申しますか、そういう点を図つたほうがいいのじやないか、これは大した制度の根本改正ではございませんが、実際上納税者との関係におきましては相当大きな問題じやないかと思つておりまして、何か統一するような方法を考えたい、固定資産の評価につきましても同種の問題がございますが、ただこれは今年新たにやつたばかりでございますので、もう少し模様を見た上で更にどこの役所で評価したほうがいいか、研究してみたいと思つおります。
大体以上申上げましたような諸点につきまして大蔵省としましても十分検討いたしまして、妥当の結論が出るようにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/53
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054・木村禧八郎
○木村禧八郎君 酒とたばこを還付税にする場合、前はそうだつたが、還付税というものは前のやはり考え方に変るわけですか、それで平衡交付金というシャウプさんのああいう考え方、精神というものはこれで覆えるかどうか。それからこれを還付するという場合ですね、やはり平衡交付金の考え方も必要経費ですが、そうすると收入との差額というのですが、具体的にどういうふうに還付するのか、還付の仕方が問題になると思うのですが、そういう点は少し技術的になるかも知れませんが伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/54
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055・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 御指摘の点正にいろいろ問題がございまして、今検討いたしておるのでございますが、本来の嚴密な意味の還付税と申しますと、收入の上つた地方団体に国で徴收した税金の一部をそこに交付してやる、昔の地租と家屋税がそうだつたのですが、これは本来の厳密な意味における還付税です。それで酒とたばこは割合に普遍的ではございますが、併し田舎と都会とではやはり消費率が大分違う、従いまして收入に応じまして地域にこれをそれぞれ分けてやりますと、財源の調整という点におきまして必ずしも面白い結果を来たさない、そこで今考えておりますのは、一つはむしろ人口別によりましてもう少し機械的に、再配分を今までの平衡交付金よりもう少し機械的な方法で財源の調節になるような一つの物差を見出してそれで分けてやる、そうしますとむしろ還付税というよりも配付税、昔の配付税に近くなる。そういうような行き方がいいか、或いは今申しました收入の上つた地域にやつたほうがいいか、これはいろいろ問題があるようでございまして、検討いたしておりまして、少くともそれをやつた結果、財源が更に余り過ぎるという府県、こういう府県には行かないような措置を還付税と称しましても最小限度講じなければいかんのじやないか、どういう方法によれば最も地方の或る程度の確定財源にもなり、且つ富裕団体とそうじやない団体との財政調整にもなり得るか、その二点を考えて、うまい方法がないものかということで目下検討いたしておるわけでございまして、いろいろ地方団体によつて事情が違いますので、まだ結論を得てないのでございますが、そういう問題を中心に検討いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/55
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056・菊川孝夫
○菊川孝夫君 ちよつと一点、租税特別措置法の改正につきまして、第三條でございますが、これは外貨で收入を得たものについては配当所得を一割に軽減する、こういうことになつておるわけでございますが、この外貨で取得した場合、普通のものだつたら源泉が二割になるわけですが、それを一割にするというのはどういう理由からこれは一割にするのですか、その点を一つお聞きして、それからこういう例が諸外国の場合においてあるかないか、なぜ日本だけがこういうふうにするかということを一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/56
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057・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 外貨で取得した株式に対しまして特別軽減いたしまするのは、それによりまして結局外資をできるだけ日本に導入するようにしよう、外資が入つて来ますとそれだけ国際收支の面におきましてもよくなりますし、又それによつて日本の経済の資本の不足が補えることになりますので、今の日本経済の状況、実状から見ますと、一番望ましいのじやないかという意味で、社債と同じような意味におきまして優遇策を講じよう、こういうわけでございます。これは日本経済の現在の要請に応じまして、税制上こういう特別な優遇の措置を講じたほうがいいという考えで今のような規定を設けておるわけであります。なお外国におきましては、小さい国ではやはりいろいろ外資導入、外国人の課税等につきましても優遇措置をやつているところがあるようでございますが、大きな国では現在のところは余りこういう制度はございません。ただ二重課税の防止協定に関連しまして、相互に若干調整をしているところがあるかと思つておりますが、この制度にそのまま似通つているような制度は今のところ諸外国の有力国におきましてはないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/57
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058・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと資本蓄積といつて日本人が成るべく日本で資本を蓄積しなければならん、金ができたら国内のいわゆる法人の株を持つたり国債を買つたり、社債を買つたりするのは、日本の貯蓄の奨励並びに資本蓄積、そういうほうに向けられなければならんと思うのでありますが、そうすると、税金が半分になるからこれはアメリカの株ということになるとなかなか困難なことになりますが、資本の逃避ということを奨励することになりませんか、こつちで持つていると税金が余計かかる、外国の株なり債券を持つたら税金が半分になるからというので向うへ逃げて行く、こういうことを奨励する結果になるのじやないですか。丁度中国におきまして蒋介石が外国の金で持つているとか、外国の銀行に預金をするというふうにしていわゆるその安全を保つ、日本が安全ということよりも、税金が苛酷であるから外国のほうの銀行に預金をしてしまうという傾向になつて、その利息をこつちへ取寄せるということになると、半分で助かる、こういうことになるのですが、その点はお考えになつての処置ですかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/58
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059・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の点は実はこの措置によりましては、むしろそれと反対の方向になることを期待しておりまするし、まあなるのでございます。と申しますのは源泉課税をいたしますのは日本に本店又は主たる事務所を有する法人の金でございます。租税対象になりますのは日本の会社の株を持つている、外国人でなくてもいい、日本人でもいいのですが、外国に居住している人、例えばアメリカに住んでいる人とかアメリカ人とか或いはアメリカにおける日本人でもいいのですが、所得税法施行地以外に住んでいる人が外貨を以て日本の株を買つた場合、その株の配当に対して二割普通なら課税のあるところを一割にするわけでざいますから、逆に資本逃避ではなくて外資が日本に入つて来る関係でございます。そういう場合免税しようというわけでございますと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/59
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060・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますると、例えば名義の場合、そういうほうに許しますると、実際には日本人である名義、日本人の所有でありながら外国人名義でやつているやつは、これは今の自動車の問題が極端の例でありますが、三万台の車というやつは、大部分同じ日本人で使つておりながら外国人の名義になつているということを申しておりますが、そういう名義詐称のような虞れができて来ないかどうか、この点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/60
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061・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 現在御存じの通り外国人が株式を取得する場合におきましても、外資委員会の審査を経まして許可を得て買うことになつております。而もそれが外貨を以て取得したのだという証明が要りまするので、お話のような点は先ず今の段階におきましてはなかろう、将来この為替管理法等が緩和され、或いはそういうことにつきまして根本的に前提が変りました場合におきましては更に課税の上におきましてもどうするか考えなければならんと思いますが、今のところお話のような点は先ずなかろうかと、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/61
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062・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その今の外資管理委員会ですか、そこの審査を受けなければならんというわけでありますが、実際問題としてこの審査を受ける場合に、外人名義で而も入つて来た外貨をそういうほうに使うというその処置は、これはもう丁度昔のあのドル買の中で逃げさせよう、合法的にやろうと思えば私はやる処置は幾らでもできると思いますが、その点の取締りの処置或いはあれを否認するというような措置はこの中には余りないように思いますが、そこはありますか、規定の中に、この措置法の中に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/62
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063・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その点は今申上げましたように外貨を以て取得したものであるということと、それから所有者がさつき申しましたように法人税、所得税法施行地以外の居住者である、この二つですね、これを條件にいたしておりますので、その関係を取調べますればはつきりする。それから今御指摘の日本人が持つ場合は、実は前から申しておりますように二割の源泉課税は申告しまして総合課税の際に控除するのであります。従いまして株に関する限りは何も外人名義にするということの実益は今のような課税制度の下におきましてはないかと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/63
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064・菊川孝夫
○菊川孝夫君 併し投資信託や社債の場合、証券投資信託……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/64
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065・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) それから社債の場合におきましても、日本に住んでいる人が源泉課税を受けました場合におきましては、それもやはり総合の際に二割は控除するということになるのでございまして、強いて外人の名義にするという実益はこれ又やはり乏しいのじやないかと思います。外国に住んでおる人の場合におきましては源泉課税のしつ放し、と申しますのは、そういう所得につきましては所得税の総合課税はやらない、所得税の総合課税をやりますのは所得税法施行地に住所又は一年以上の居所を有する場合、この場合におきましては全部総合しまして課税して、それから源泉で納めた税額を差引いて正しい税額を出す、こういうことになつておるのでありますが、外国に居住している人が有している場合におきましては総合課税をいたしませんで、源泉課税のしつ放しということになるわけであります。そういう事態につきまして外資導入の見地からこういう規定を設けまして、源泉課税の税額を少くしよう、こういうことになつておる次第でございますので、勿論お話のような点はなかろうというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/65
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066・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私の申上げるのは、日本人でありながら今の三万台の車を悪用しているような調子に、向うに住んでいる人の名義にして置いて、実際には受けるところの取得はこちらにおる者が取つてしまうというやり方をやろうと思えば、それは小さい者はやれません。そんなことは相当資金を持つた者でなければやれませんが、そういう者が隠匿方法、脱税方法を講じられる余地があるじやないか、それは考えられませんか、それの取締りについての規定はないように思いますが、あなたは管理委員会の審査を受けるのだ、こう言つておられるが、それだけによつて処置して行くつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/66
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067・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 勿論取締につきましては管理委員会の審査、それから実際調べます場合におきましても真正名義かどうかということは、相当まとまつてそういう免税があります場合におきましては、実情をよく税務署において調べなければなりません。それとほかに、さつき申しましたように、何も日本人が持つている場合におきましては二割源泉課税を受けましても、それは総合の際に実は控除してもらえるわけでございますので、特に外人名義にしたほうが有利だということにはそれはならないのでございます。自動車の場合とその点が少し違うかと思うのでございますが、特に日本人が株式を持つているのを外国人名義にしたほうが有利だということにはならないというふうに私ども考えておるのでございます。外人が持ちますと、今申しましたように源泉課税のしつ放しになるわけでございまして、控除するということはないのでございます。で従いましてこれにつきましては外資導入という見地からしまして必要な軽減を行う、こういう趣旨でございますから、ちよつと自動車の場合とは事柄がやや違うのじやないかと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/67
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068・菊川孝夫
○菊川孝夫君 次に第五條につきまして、これは外国人の給與所得と退職所得について優遇処置をやつて来たものを、退職所得は必要がなくなつたので、今後は給與所得だけの優遇処置ということになつて、外国の技術導入、それから外国の資本又は技術導入を必要とする事業を営む法人から受ける外国人の給與所得について所得税の半減をするということになるわけですな、そこで今のこの必要につきましては、一体外国人であるからというので所得税を、給與所得の税金を半額にしなきやならんという理由はちよつと今わからんのでございますが、如何にもこれは治外法権的な色彩を帯びておるような気がするのですが、もうそろそろこれは戦争が終つた直後とは違いまして技術の指導のために来ておる人の取る月給、そうでなくても大体外国人が来て日本の月給を取るときには、日本人の生活水準或いは日本人の給與水準よりも有利な月給をもらつていることはまあ大体明らかだと思うのでありますが、そういう人の月給、給與所得を半分にしなければならんという理由は私にはちよつとはつきりわからないのですが、どういう理由でそういうことをやられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/68
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069・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 問題を二つに分けてお答えいたしますが、今回の改正は今まで退職給與につきましても半分にするという特例がありましたのを、退職給與について御承知の通り一般に二分の一控除して課税しますので、外国人だからといつて特に高くなることはないからこれはやめよう、退職給與に対しまする外国人の特例をやめよう、今必要がなくなつたから、こういうのでございます。
それから第二の点は、それじや今やつている所得税の控除、これは今度改正するわけじやないのでございますが、これを再検討して課税する、特別な控除をやめたらどうか、まあこういう問題だと思いますが、この問題は前回もたびたび申上げましたように、所得水準が実は外国と日本と非常に違う。従いましてこの日本の累進税率が、例えば今百万円を超えますと五五になつておるのでございますが、今度は二百万円で五五になるわけでございますが、来年から……、仮に百万円といたしますと、アメリカの何ドルになるかと申しますと、これはやあ三千ドルでございますか、三千ドルくらいの收入になる。そうしますと、アメリカ等から例えば日本に来て仕事をやる人は、年收少くとも一万ドルかそこらの收入があるようでございますが、殆んどその大部分が日本の所得税の最高税率の適用を受けることになる、そうなりますと非常にその負担が高くなる。で日本にそういう人はもう来てもらわなくてもいいのだということなら別ですが、やはり日本の経済の再建、外資の導入或いは技術の援助ということをしてもらいますためには、やつぱりそういう人に相当来てもらわなければならん、学校の先生も同様でございますが、そういう見地から考えますと、やはり特例を設けたほうがいいのじやないかというので、日本の経済の再建、文化の振興を図る上におきましてこちら側から積極的に軽減いたしまして、来やすいようにしてやろう、こういう趣旨でございます。その点は所得税を大分軽くいたしましたが、なお根本的にはまだ残つておりますので、この制度はすぐやめるというわけには行かない、むしろ実際上この制度が実効がありますのは実は来年からでございまして、最近までは一般的に一律にそういう特例を認めていたのでございますが、来年からは措置法の本来の趣旨に従いまして外資の導入、文化の振興上望ましい人々だけがこの特例を受ける、それで来てもらつて大いに歓迎するわけでございますが、そうじやない、どうしても来てもらつて日本経済のためにやつてもらわなくてはならんという積極的意義のないかたがたにつきましては、来年からはこの特例がなくなつて来る。例えばバイヤーとか貿易業者の場合はこの特例はございません。そこに書いてありまする條件に該当する人だけが特例として残つて行く、こういうことに相成る次第でございますので、まあこれは暫らくはこのままでいいのじやないか、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/69
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070・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますとこの第五條の第一項にあります三百五十万円というのは、これは頭からそれだけを控除するわけですね、その三百五十万円控除した残りの金額に税金をかけるということになるので、大体一万ドルは免税ということにして、そういうことになるのですか、「その十分の五に相当する金額」、括弧して、その金額が三百五十万円を超えるときは、その金額から三百五十万円を控除した金額を收入とする、一万ドルだけを引いてしまう、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/70
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071・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは控除しますのは飽くまでも二分の一ということであります。但し控除額の最高を一万ドル、所得金額の二分の一が三百五十万円を超えます際は三百五十万円しか引かないということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/71
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072・菊川孝夫
○菊川孝夫君 併し実際問題としては三百五十万円を超えるですね、あなたの先ほどの説明からいたしますと、給與の水準から考えまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/72
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073・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 所得金額から控除する二分の一の金額が三百五十万円を超えます場合は三百五十万円しか引かない、勿論もう少し低い所得者の場合は、二分の一の金額が百万円でございましたら百万円しか引かない、そういうことでございます。三百五十万円というのは最高制限でございまして、すべての人から三百五十万円引くわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/73
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074・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、「日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む外資法人から給與所得又は退職所得の支拂」云々とこういうことになつておりますがね、一体これはその判定になりますると、この外国人ということはこれは連合国人じやないと思うのですが、いわゆるこの間の賠償法に、補償法による連合国人じやないのでありまして、これは一般どこの国籍の人でもいい、こういう意味でございますか、例えばまだ講和條約の締結されておらない或いは全然平和の回復しておらないところの人でもやつぱり外国人ということになるのですか、その点について一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/74
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075・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の通り国籍の如何は問わないのでございます。問わないのでございますが、ここの「日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む外資法人」というもの、どういう事業が果して必要であるかということは、これは相当詳細に大蔵省令を以て細かく規定することになつておりまして、例えばホテル業だとか料理業とかそういうものに従事する人にはこれは適用はないことにいたしておるのでございます。従いまして結果から申しますと、大体先ほど申上げましたように、日本の再建を図るために必要なかたがた、そういう人々に大体適用になるというような基準できめておりますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/75
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076・菊川孝夫
○菊川孝夫君 この外資法人というのは一体どういうのですか、民法にあるのですか、外資法人、こういう言葉はどこから出て来た言葉ですか。どれだけ外資が入つているものを外資法人というか、これは規定があるのですか、この点一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/76
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077・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 措置法の第五條の第四項に、これは先般御覧願いました大きな厚い税法集に載つておりますが、それに規定しております。外資法人とは、「左の各号に掲げる法人をいう。」というので、一つは所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人の同法の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人に対する対外支拂手段の提供、第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入又は当該事業の用に供する工業所有権その他技術に関する権利で同法の施行地外において取得したものの提供に因る投資について命令の定めるところにより計算した金額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人」と、こう規定しておりますが、つまり外資が一億円以上入つておるところの日本にある法人ですね、その法人に勤めておる人、こういうことになるわけでございます。
更にもう一つ第二号にやはり同趣旨のものがございますが、外資法人をこういう法人に限定するということにいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/77
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078・菊川孝夫
○菊川孝夫君 この千五十三ページに書いてありますが、そうすると日本で今具体的にこれに該当するのは一体幾つくらいあり、どういうのが具体的に実例があるのですか、どういう所に勤める人がこの適用を受けるということになるのか、具体的にお話願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/78
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079・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 具体的に申上げますと、大体例えば電気機械の製造業でございますね。そういう所で外資が入つておる法人がございます。そういう法人、一億円以上なんですが、そういう法人に外資と一緒に向うの技術者が来ておる。或いは管理者が来て、その法人の勤め人として仕事をしておる、そういう人の場合には第一号に該当する。その他電気機械事業じやなくて、いろんな化学工業等もございますが、要するに外資が入つて来ておるものの法人、そういう法人に外資と一緒に管理者なり技術者が向うからこちらに来ておる、そういう人の場合、それからもう一つは技術招聘と称しておりまして、外資は来ないが、技術指導を受けるために特に日本で来てもらつておる技術者が相当ございますが、そういう技術者の場合にこれが該当になります。それからそういうことのためには或る程度プレスとか銀行業、こういう方面の人も来てもらつてやらなければならんことになりますが、そういう人もこれは條文はちよつとほかの條文になりますけれども、同じような恩典に、利益に與ることになる、中心はそういつたところでございます。それから交換教授としまして日本に入つて来る人ですね、そういう人は後に條文がございますが、こういう人の場合にも軽減になるということでございまして、外国人全部この法律の適用を受けるわけではございません。ただ外国人につきましては、一昨年までは外貨の所得は実は課税していなかつた、昨年から課税することになつたのでございますが、昨年と今年につきましては経過的にこういう制限なく、同趣旨の特例を認めることにいたしていたのでございますが、二十七年分から今申上げました各本條の條件に該当する人だけがこの特例を受けるということに相成るのでございまして、実際におきまして十四條、五條、それから五條の二ですか、それから五條の三、この辺の規定がこれだけとして実効を現わしますのは来年からでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/79
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080・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、この技術が入つて来るのはわかるのでございますが、そのあとに、第五條の三の所へ参りますと、宗教の牧師さんもやはり規定になることになるわけでありますが、これはここには「牧師その他宗教の布教に従事する者として」ということになつて、これは牧師ということになりますと、これはキリスト教だと思うのですが、どんな宗教でもこの適用を受けるということになるのですか。これは最初の日本の経済再建のため、「日本経済の健全な発展のため」ということになれば、一応技術を教えてもらうのですから結構だと思うのですが、牧師さんとかその他の宗教の布教に従事するということまで入れてあるのはどういう理由ですか、この点一つお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/80
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081・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) この点は法文を作ります際にもいろいろ検討いたしたのでございますが、やはり経済の再建ということと文化の振興でございますか、この二点を実は考えたのでございまして、学校の先生とか宗教の布教師、そういう者は、そういう意味合いにおきましてやはり同じ待遇を與えたほうがいいだろう、こういう意味でここに書いてありますように、これはキリスト教だけには限りません。宗教の布教に従事する人につきましては、学校の先生と同じ待遇を與えることにいたしたのであります。と申しますのは、一つは牧師の資格でやつて来まして同時に学校で教えておる、こういう人が相当実際問題としては多いのでございますね。そういう場合におきまして学校の教師はいいが牧師さんはいけないということはどうもやはり常識に合わんところがございますので、やや御指摘の通り広くなり過ぎる観もないではないのでございますが、先ず広くこういう措置をとつたほうがいいんじやないかというようなことで学校の先生に準じまして特例を設けて認めることにいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/81
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082・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういうのはそれは牧師で英語を教えてもらうのを単純にあなた考えてやられたか知らんけれども、これはその他どんな宗教でも布教でも何でもいいということになるのだが、それでなくても日本では戰後の宗教は変な宗教が起きて来ているというのに、その他の宗教に従事する人たちまでも五條の三によつてするということは、ちよつとこれは行き過ぎじやないかと思うのですが、その点につきまして諸外国におきましても、これは外国の例もやはりこういうことはお互いのことでございますので考えなければいかんと思うのですが、こつちから天理教なり大本教をやるためにどんな優遇を受けておる例があるかどうか、そんな点も考えて処置しなければならんと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/82
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083・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 確かにいろいろ問題があつたのでございますが、今申しましたように学校の先生と牧師さんとの実際上の区分でございますね、これがなかなかむずかしい。それでやはり学校の先生だけにやるとなると、これは牧師さんをどうしてくれるか、今申しましたように牧師さんで学校の先生をやつておられる人が相当多数おられるのでございまして、そういう点から考えますと、今の実情では同じに扱つたほうがよほどいいだろう、こういうことでこの規定を設けた次第でございます。勿論宗教によつて差別を設けますのは至当でございませんので、如何なる宗教でもこれに該当するものはいいのでございます。ただ勿論日本に住んでいるというのじやなくて、外国から来た人、それに限りますことは御承知の通りでございます。その点から行きますと今の学校の先生とのバランス、それから実際上の兼職等の問題から考えますと、そういうことでやはりこういう規定を設けたほうがいいということで昨年御審査を頂きまして通過さして頂きました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/83
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084・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それで私は、この際にこれを改正するのでありますから、宗教法人、宗教団体から受けるところの給與等について特別の処置を講ずる必要はないと、こう思う。学校の先生として招聘して行くのはこれは必要であろうけれども、その以外のことをそのまま残して置くということになりますと、将来いろいろの宗教入つて来るだろうと思うのですが、その人たちも皆減税処置を受けてどんどん布教をやるということになることは、どう考えても日本の現在の実情から考えて、そういう人を歓迎しなければ……あなたのさつきの説明の第五條の一、二や、学校の教授というような点は必要性を認めるが、なぜこの際にこういう宗教問題の面を整理しなかつたか、余りにもこれは卑屈なやり方じやないかと思うのですが、これは諸外国の例をお聞きしたわけですが、日本の宗教団体で一体外国でそういう優遇を受けているようなものがあるかどうか、こういうことも考えてあなたがたのほうではやられたかと思うのですが、この前の改正のときになぜこういうことをしなかつたかということを、よそでも日本の宗教団体が優遇を受けておるのであつたならば、お礼の意味においてもこういう措置も必要だと思いますけれども、この点をお調べになつたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/84
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085・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 実はこの規定は先般申上げましたように、実効が出て来ますのは二十七年度からです。それで御指摘の通りいろいろ問題もございますので、昭和三十年までに、二十七年から三十年と法律にもはつきり語つてあります。従いまして学校の先生と牧師さんとなかなか実際問題としましても違つた待遇を與えるのは常識に合わん点もございますので、一応これで一つ実行して参りまして、この制度を将来どうするか、これは問題でございます。その際に御意見等も承わりまして検討して行きたいと思いますが、この規定は来年から適用になりますので、それまでこの規定を改正する考えのないことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/85
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086・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 大蔵大臣がお見えになりましたから木村委員から一つ御質問を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/86
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087・木村禧八郎
○木村禧八郎君 次に、引続きまして大蔵大臣にお伺いしたいのですが、結局私が大蔵大臣にこの税法改革と関連して結論的にお伺いしたいのは、二十七年度の予算編成と関連しまして、税收が確保できない場合に、国内費とそれから講和関係費と、どちらに重点を置いて行くかという問題なんです。どうも今までの大蔵大臣の御答弁や、それから新聞に載つていること、又自分自身でも乏しい資料でいろいろ検討したところによれば、国内費は大蔵大臣は大体本年度と大差なく確保されると言われますが、どうも私は国内費のほうの確保は困難じやないかと思うのです。特にその中で非常に重要な項目になるものは防衛分担金だと思うのですが、防衛分担金については、大蔵大臣はこの前予算委員会で佐多委員の質問に対しまして、考え方が二つあると、その一つは、これまで進駐軍が日本の施設或いは労務等を使つていたものの幾分かを分担するという考え方と、アメリカの占領費ですね。日本の占領費を幾分か分担するという考え方と二つあると、そのうち大蔵大臣は、これまで日本の国内の施設、労務を分担して来たそのものについての分担という線で考えておるという御答弁でしたが、最近ラスク国務次官が見えまして、その目的として新聞に伝えられるところによれば、国防省とそれから国務省との講和後において日本に自由を與える範囲についていろいろ意見が違つていると、その調整に来たというようなことを言われるのですが、特にその中でいわゆる行政協定の中では防衛分担については、例えば空軍の基地建設費、或いは又駐留軍の基地にこれまで占領軍としておつたところの基地の維持費、そういうものまでも、行政協定の中でどちらが負担するかというものの対象になると、こういうことが伝えられておるわけです。そうすると大蔵大臣の、これは我々国民としても成るべく少いことを望むわけですけれども、これまでのいわゆる終戰処理費の考え方と大分違うのではないか、こういう気がするわけなんです。そこでこの点大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておるのか。この前大蔵大臣が答弁された以後においていろいろ新聞報動を見ますと、相当大蔵大臣の主観的に意図されておるところと大分違うのです。そうしてこれは相当大きな問題になつて来ると思うのですが、これは大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/87
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088・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今お話のようなことは私は新聞で実は読んでいないわけですが、行政協定の内容その他につきましては私どもはまだ何も聞いておりません。従いましてどういうふうな負担になるかということを今お答えする資料その他を持つていないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/88
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089・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますと、どうも我々これまで大蔵大臣が大蔵委員会或いは予算委員会でいろいろ御答弁になつたことをいろいろ総合して考えて見ますと、相当楽観的にどうも受取れるのですれども、いろいろな新聞その他の情報を見ますと、講和関係費というものは大体大蔵大臣がお考えになつているよりも相当多くなるのではないかというふうに思うのです。そうして最近伝えられる一応二千億と押えても、どうしても税收六千三百幾らをもとにすると辻褄が合わないのです。どうしても国内費のほうを削るか、或いは講和関係費のほうを削るかという問題が必ず起きて来ると思うのです。そこでそういう場合に大蔵大臣はどういうふうにされるかということもお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/89
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090・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申上げましたように両者立つように一ついたそうと検討を加えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/90
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091・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それではまあ水掛論みたいになつてしまつて……。両者立つようにと言われるかわからない。大体先ほどの御答弁で、来年度の税收というものは大体姿がわかつたわけなんです。税收及び官業收入及び雑收入というものも大体数字的にわかつて来たのです。その範囲内で国内費及び講和関係費を考えて行くと、どうしても辻褄が合わない問題が起きて来るので、そのときどうするか、これについては何らお答えないのもしかたがないと思う。それで次にお伺いいたしたいのですが、法人税の收入というものは来年度においても非常に重要になつて来ております。それは本年度も無論エレメントになつておりますが、まあ大体来年度二千億近いものを予想されていると思うが、そんなにならないかも知れないが、千八百億か千九百億ぐらいを予定されているのではないかと思うのですが、最近の朝鮮の休戰の問題と関連して法人税がそんなに大きく来年度依存できるかどうかというのが大きな問題だと思うのです。この点は朝鮮の休戰と関連して大蔵大臣はどういうふうにお見通しになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/91
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092・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) なかなかむずかしい問題でございまして、もう少ししてからお話申上げたほうがいいのではないかと思います。朝鮮の休戰がいつ実現するか、そうして又朝鮮の休戰後の朝鮮復興計画はどういうふうになるか、或いは東南アジア開発計画がどうなるかといういろいろな問題が出て来るのでございます。私今責任のある地位におりまして、朝鮮動乱中止後の法人の所得の状況はこうだと、これはなかなかむずかしい問題で申上げられないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/92
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093・木村禧八郎
○木村禧八郎君 政府では今合理化法案というのを考えているようですが、この合理化法案の中心は、大体税の減免というものが中心になつているようです。それで、それは主としてどういう点で税の減免というものを考えられているか、合理化と関連してです……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/93
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094・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) いつか申上げたと思いますが、一つは重要産業、合理化を必要としまする重要産業につきまして合理化のための機械装置を取得する場合におきまして二分の一を特別償却するというのが一つと、それから研究費につきまして、本来ならば支出の内容というようなものを三年間ぐらいで特別償却ができると、そういう点が主たる点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/94
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095・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この合理化法案と関連してですね、合理化を進めて行く場合に、平衡交付金とか公共事業費とか、そういうものには関係が出て来ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/95
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096・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 平衡交付金とか公共事業費には直接関係はないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/96
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097・木村禧八郎
○木村禧八郎君 次にお伺いいたしたいのですが、結局私は最後に大蔵大臣にお尋ねしたいということは、結局わからないわけでして、うやむやになつてしまつて……、今度のこの税制改革をどう来年度の財政と関連して判断していいのかわからなくなつてしまつたわけですけれども、結論としてまあお伺いしたいのは、結局来年度の予算との関連ですが、内政費も減らない、それから、従つて又国民生活等にもこれも悪影響がない、こういうふうな前提で、そうして講和関係費というものも一応今後の折衝如何につつて、わからないのですけれども、それを確保できると、こういうふうに大蔵大臣は言うのですが、結局もう一度念のためにお伺いして置きたいのは、内政費というのは一応確保できる。それから国民生活は引下げないで済むと、こういうことは……、最後の私は質問として伺うのですが、そういう方針で行かれると、こういうふうに理解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/97
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098・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 内政費もできるだけ確保いたしまして国民生活の、生活水準を引下げないような方向で検討を続けておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/98
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099・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それで今後は果してそうなつて行くかどうか問題でありますが、それをここで大蔵大臣は確信されたのですから今後の事実を我々は見たいと思うのです。これは最後の質問になります、私の……。これは直接税法とは関係ありませんが、歳末金融、年末金融のことなんですが、最近例えば西野産業とか何とかいろいろそういう所が整理が大分新聞に出て問題になつているのです。大蔵大臣は大体この歳末金融は大したことはないというようなお話ですが、どうも最近の実情を見ますと相当大したことがありそうなんです。で果して大蔵大臣が楽観しているような状態になるかどうか、去年の歳末といろんな点で非常に違うところがあると思うのですね。去年は朝鮮景気でもあります。電力危機というものはなかつた。そういう非常な事情の変化した状態にありますので、歳末金融というものはこれは非常に大変じやないか、これは歳末金融を一応乗切つても、来年の一——三月が非常に又問題じやないかということが言われているのです。この点どういうふうにお考えになつているか、それでそういう中小というのですか、そういう所がだんだん今後倒産するにつれて、それと関連した下請的なものも又つぶれて来て、相当私は金融上にも大きな影響が来るのじやないか、そういうものに大蔵大臣は一応融資を考えないというふうに言われますが、それで乗切れるのかどうか、この点最後にお伺いして置きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/99
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100・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 年末金融又年度末の金融は、我々は考えないというのではございません。いろいろな点を考慮いたしまして適当な施策を従来も講じて来たのであります。本年におきましてもそういう点は十分考えます。お話のように本年度は今までとは違つた特殊の点もあるのでございます。例えば生糸方面の商社が金融難に陷つているということも存じております。併しこれは全体として円滑に越年できるように日本銀行を初め各金融機関と大蔵省と常に連絡をとりまして、万全の措置をする覚悟でございます。私は融資をしないとか何とかいうことは申上げたことはございません。適正な越年ができるようないろいろな方法は考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/100
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101・木村禧八郎
○木村禧八郎君 前に大蔵大臣は原則としてそういうものに融資をしないと、こういうことを言われたのです。ですからその方針は私は変つたと思うのですが、そうじやないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/101
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102・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は年末金融なんかに融資しないとか何とか言つたことはございません。いつものことでございまして十分考えておりますと申しておるのであります。どういう方面へ融資するかということは私は御質問は受けたことはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/102
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103・木村禧八郎
○木村禧八郎君 誤解があつてはいけませんから……、その歳末を控えて全体的な融資云々じやなくて、例えば前の輸入引取資金の問題と関連して来るのですが、特にそういうものを救済するという方針はとらないということを言われたのを私は記憶しているのです。例えば西野産業或いは何とかいろいろ新聞に出ております、最近……。そういうものに対して原則としては救済措置を講じない、こういうふうに言われたことがあるのです。それからそういう例えば下請みたいな企業が非常に多過ぎるのだ、だからそういうものについて特に救済措置を講じない、こう言われたのです。速記をあとで見ればわかると思うのですが……、そういう点は十分考慮するようになつたと、こういうふうに理解していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/103
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104・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは金融全体の問題でございまして、個々の何々産業とか何々会社に融資するかせぬかとおつしやつても、大蔵大臣のあれじやないのでございます。年末を円滑に越えるために、つきましては適当な措置をとらなければいけません。ただ例えば生糸の輸出なんかの融資で十分再建復興のできる会社もございましようし、又数の多い中でございますから、年末決済資金で不如意の人も中には出て来ると思います。そういう問題でなしに、全体として越年できるような措置を講ずることは当然でございます。毎年のことでございますから……。全体といたしまして円滑なる越年金融ができる方法につきましては、各金融機関と緊密なる連絡をとりまして万全の措置を講ずる覚悟でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/104
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105・木村禧八郎
○木村禧八郎君 二十七年度予算は大体来週あたりの閣議ですか、大体新聞で伝えられているような方針ですね。ああいう方針として理解していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/105
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106・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) ちよつと今日の新聞を見まして、ああ書かれておるなあと読んだくらいで、深く読んでおりませんが、大体私の方針は皆様よく御承知の通りで、特に変つたことはございません。ただ平和を迎えます来年度の予算につきましては相当慎重に考えております。国内問題だけでございませんので、そういう意味で慎重を期しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/106
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107・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/107
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108・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。
本日の会議はこれで打切ります。
午後一時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214629X02019511124/108
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