1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十二日(木曜
日)
午前十一時十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 西郷吉之助君
理事
岩沢 忠恭君
中田 吉雄君
委員
石村 幸作君
高橋進太郎君
堀 末治君
安井 謙君
岡本 愛祐君
小笠原二三男君
相馬 助治君
国務大臣
国 務 大 臣 岡野 清豪君
政府委員
国家地方警察本
部次長 溝淵 増巳君
地方財政委員会
委員長 野村 秀雄君
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治庁次長 鈴木 俊一君
地方自治庁財政
課長 奧野 誠亮君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
常任委員会専門
員 武井 群嗣君
説明員
国家消防庁総務
課長 横山 和夫君
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本日の会議に付した事件
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○地方財政平衡交付金法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○地方行政の改革に関する調査の件
(行政整理に関する件)
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001・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今から本委員会を開催いたします。
昨日に引続きまして提案されております二法案に対する質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/1
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002・小笠原二三男
○小笠原二三男君 その前に大臣がお見えになつておりませんから、その間行政改革に関する一般方針について地方自治庁、地方財政委員会等の職員についても影響があるようでありまするが、その点関係者からどういうことになるのか、その根拠を、理由等も明らかにして説明を願つておきたいと考えるのですが、如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/2
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003・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 昨日実は説明を聞きましたが、もう一度鈴木次長から説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/3
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004・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 地方自治庁と地方財政委員会の人員整理の問題でございますが、これは事務処理の能率化を図り、人事関係、会計事務等内部事務の簡素化を図ることによりまして一〇%くらいは整理できるのではないかというようなことで、閣議におきまして両機関の人員整理を一〇%、こういうふうに決定をされたわけであります。それによつて地方自治庁、地方財政委員会といたしましては、できるだけ事務処理の能率化を図りまして、定められました定員によつて処置をいたすように努力いたさなければならないわけでございまして、地方財政委員会におきましては現員が百四十一人ありまして、これを一四人整理することになつておるのであります。地方自治庁のほうは現員五十七人のところ五人整理する、こういうことに相成つております。いずれも地方公共団体一万有余の行政なり財政なり公務員制度、税制その他の地方公共団体の運営に関する問題を所管をいたしておりまする関係上、地方の実態をよく把握いたしまするためには相当の人員を要するわけでありまするが、政府全体の方針といたしまして、できるだけ行政を簡素化して行くという建前から、その一般の方針に従いまして事務処理の合理化を図りまして、今後その措置に対処して行きたいということであります。ただ非常に平素仕事が忙しい関係で、地方自治庁におきましても地方財政委員会におきましても、長期病気欠勤者等が現に相当おります。それらの者の事務負担が現員にすでにかかつて来ておるわけでございまして、整理等の行われまする場合におきましてはよほど事務の合理化を図らなければならん。又そういう努力をしなくちやならん、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/4
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005・小笠原二三男
○小笠原二三男君 地方財政委員会のほうについても次長は御答弁できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/5
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006・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 地方財政委員会のことにつきましては便宜申上げた次第でありまして、奥野財政課長からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/6
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007・小笠原二三男
○小笠原二三男君 結論としては、自治庁のほうは極力事務の合理化ということでやらなくちや容易でないだろうというような御意見があつたのですが、地方財政委員会十四人整理せられて、それでなお従前通りやつて行けるかどうかということを端的に伺つておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/7
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008・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど御説明のありましたように年度の中途で十名殖え、更に三十名殖えるというふうになつて参りましたし、又事務がどの程度整理されるかということにつきましては現在のところ従来と何ら変つたところはないわけであります。そういう点から言いまして、整理ということについては非常な困難が伴うだろうと思うのでありまして、この点につきましては昨日野村地方財政委員長から地方財政委員会としての立場をお話になりましたので、それで御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/8
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009・小笠原二三男
○小笠原二三男君 昨日も伺い今日も資料が出たので伺つたわけですが、他の官庁関係を所管する委員会においてもそれぞれ研究し結論を得て、内閣委員会のほうに公式の申入れをしておるようでありまするが、当委員会におきましても地方自治庁並びに地方財政委員会の職員に関して整理する問題については、検討の上何らかの結論を仮に得た場合においては内閣委員会に申入れをするというような取運びにしたいと考えるわけですが、その点一応お諮り願えるならお諮り願つて、後刻或いは後日、この問題は改めて調査する、こういうふうに願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/9
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010・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 只今小笠原委員からお聞き及びの通り地方自治庁並びに地方財政委員会の定員についてここで結論を出したならば、内閣委員会に他の委員会同様申入れをしてはどうかという御発言でありましたが、その点如何いたしますか、皆様にお諮りいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/10
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011・中田吉雄
○中田吉雄君 行政機構が新らしい法律が制定されますに連れて順次厖大になつて来る傾向は否みがたいわけでありまして、そういう観点から整理するということも是認されるかと思いますが、私たち昨年国会に出まして、いろいろ地方財政なり地方行政の問題を担当いたしまして痛感いたしますことは、内務省が過去の日本の戦争遂行に大きな役割りを果したというようなことから内務省が解体されて、そういう気持というものがずつと継続されまして、そうして警察や建設や厚生関係が分離した点はあつたと思いますが、その固有の地方行政を担当する自治庁と地方財政委員会については、我々はそういう内務省解体の余波を受けて、なお必要以上に陣容が充実されないではないかということを考えるわけであります。特に昨日も申しましたように地財委なり自治庁が対象といたします地方公共団体は一万有余に亘りまして、その把握ということは、我々といたしましては現在の人員では到底十分でないではないかということを考えるわけであります。例えば平衡交付金を千二百億にしたらいいか千三百億にしたらいいかというような的確な数字がなかなかつかみ得ないということも、対象が非常に広汎で内容が複雑多岐であるからだと思うわけであります。そういう点からいたしまして、私は過去一年有余の体験からいたしても、もつと充実してもらわねばならんのではないかというふうに考えておりまして、今回の行政整理が杓子定規のように適用されることについては甚だ適当でないのではないかというふうに考えているわけであります。自由党のほうにおかれましては党の政策もあつていろいろ困難があると思いますが、平衡交付金の増額等については超党派的にやつて頂いておりますので、一つこの点も同様な御気分になつて頂いたら大変地方自治の振興に結構ではないかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/11
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012・安井謙
○安井謙君 今の小笠原さん、中田さんの、いろいろ我々の関係している官庁について事務がスムースに運ぶようにしたいという御趣旨には全く賛成なんであります。ただ最近内閣委員会で取上げております定員法の問題に各委員会からいろいろ意見が具申されているようでありますが、私はこれは個人としての考えなんですが、定員法自体の問題は、これは内閣の行政機構の問題として所管の箇所がある。各官庁の出先のような形でこの常任委員会がいろいろ働くというような形になるのは多少どうかという気が実は一つしておりますのと、それからでき得る限りそういつた人員の整理というものは、若し事務に何とかやり繰りがつくならば、これは国民の税金の関係でもありますから、一つスムースにやつて頂きたいという希望を持つておりますので、特にこの自治庁或いは地方財政委員会からこうして頂きたいという特例の御希望があればともかくといたしまして、若しそうでなければ、成るべくなら所管の委員会で御処置を願いたいという気持を持つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/12
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013・小笠原二三男
○小笠原二三男君 安井さんの御意見も御尤もな点があろうかと存じます。ただ具体的には地財委或いは自治庁においても、地方行政簡素化本部の長官もしておられる岡崎国務大臣がやはり長官をしておつて、行政上遺憾ではあるという考えが仮に肚にあつても、当局として特段な申入れができかねる事情にあるだろうという点も忖度されるのでありまして、私の申上げますのは、反対であるという結論を以て内閣委員会に当れということを言つておるのではないのであつて、一段と後日或いは後刻調査の上結論が出て、原案と変つた形が仮に出るならば、手続きとして内閣委員会のほうに申出るようにしたい。出ないならばそれはそれで終るという意味合いで申上げておるので、一辺倒の話をしておるのではございませんから御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/13
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014・高橋進太郎
○高橋進太郎君 これはなかなかむずかしい問題なんですが、いわゆる定員法が国会にかかるという大きな理由は、むしろ定員を増加してそれが国民の負担になるという難点が一番大きい問題じやないかと思うのです。そういう観点からいたしまして、まあ政府が、政府部内でとにかく切詰めて、これだけ減らして、これだけでも最小限度やつて行く、こういう決意をされて、特に財政委員長の昨日のお話を聞きましても、まあ諸般の情勢から見てやはりこの程度に、まあ自分もできないところであるけれども切詰めてやつて行く、丁度平衡交付金の算定のときに、地方財政の苦しい中からも幾らかやはり節約をして、そうして要求は二百億なら二百億と切つたというようなのといわゆる同じ考え方だと思うのです。従つて私はやはりそういうふうな、折角自治庁長官なり或いは財政委員長なりが御苦心なされて、一応内閣とも折衝せられて定員法をきめられたのですから、これはこの何でやつて、そうして恐らく地方財政なり或いは地方行政に根本的にいろいろ触れる問題があろうと思うので、そういうときに改めてこれはこれとは切離して陣容を整えるならば、従つてその陣容の整え方によつておのずから定員が増加するなんということも考えられるべきじやないかと、こう考えるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/14
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015・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そういう内容に立入つて話をする段になれば、私は今時間を取つても、後刻、後日とは言わんでやつて結構だと思う。そういう今の高橋さんのような御意見もあろうし、そうでない意見もあるだろうが、今差当つて法案の問題があるからあとに廻して、調査の上結論が仮に出る場合にはそういう手続きをとつたらどうかという提案をしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/15
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016・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) この問題につきましてその他に御発言ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/16
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017・岡本愛祐
○岡本愛祐君 だんだんお話がございましたが、小笠原君の今発言がありましたように、今直ぐここで結論を出そうというのじやないのですから、もつとよく調査をして、それからその結論によつてそういう措置をとるということにしたほうがいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/17
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018・相馬助治
○相馬助治君 私遅れて来て誠に申訳ないのですが、昨日私も発言を求めて、行政整理についての質問をしてお聞きしたのですが、今のお話で、岡本委員からの説明では、調査をして後ほどこれを取上げるということで了解がついたようですけれども、私は今のこの段階が一番委員会として結論を出すべき時期だと、こういうふうに政治的に考えているわけなんです。勿論自由党側としてはむずかしい事情があろうかと存じます。高橋先生なんかのお話は、政府の考え方というものを便宜上ここでお述べになつたので、勿論その通りだと思うのです。ここは政府の出先機関じやなくて独自な委員会なのですし、御案内のように農林委員会も、聞くところによると文部委員会等も独自の見解に立つて行政整理についての考え方というものをまとめて内閣委員会に申入れたと聞いているのです。それを真似するとか何とかいうことでなくて、私どもとしては今までこの委員会でいろいろ仕事をして来て常に感じたことは、大蔵省を相手にしながら地方財政委員会並びに地方自治庁がいろいろの点で困難を感じている状況を目のあたり見せられているわけです。そういう立場からいたしますと、私どもとしては地財委の職員を救うとか何とかなどというような小さな考え方でなくて、今の段階において本当に地方自治の振興ということを考えるならば、当然この自治庁並びに地財委の天引き行政整理には反対せざるを得ないわけで、ここでこの委員会が満場一致で以てきまるならばなおいいですが、仮にきまらないとするならば、でき得ることならば後日でなくて、今日の午後というような含みでしたら私も賛成するが、三日、四日又遅れて先だというのでは如何なもの……反対というのではないのですが、如何なものかと思うのですが、私はそういう意見を持つているのですが、もう一度委員長から諮つて頂きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/18
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019・岡本愛祐
○岡本愛祐君 今相馬君からのお話ですが、今議題になつているのは地方税法の一部を改正する法律案及び地方財政平衡交付金の一部を改正する法律案の審議ですね、この過程で今直ぐ定員の問題を取上げて精細な調査をするということはちよつと筋違いかと私は思うのです。だから若しそういうお含みで急ぐならば今日午後から改めてそれを議題にしてやつてもらうということならば私異議ございません。ただ今ここでやることは、議題になつているのはこの両法案の審議なんですから、定員の問題について詳しくここでやることはこの過程においては避けたらどうかという意見であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/19
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020・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) お諮りいたしますが、今岡本君、相馬君からも御発言がございましたが、本日の午後いたしますか、明日に延ばしますか、そういうような点について御希望の意見を御開陳願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/20
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021・小笠原二三男
○小笠原二三男君 公報には両法案並びに地方行政改革に関する調査と、三本建でこの委員会の案件が載つているわけでありまするから、それを必ずしも議題とするというような点について拘束を受けることはないと思うのです、この点に関しては……。併し岡本さんもおつしやる通り大臣の出席を求めても、当面の問題はこの法案に関する問題でございますから、相馬君のそういう希望的な意見もありますし、両者勘案しまして、私午前中この法案の審査をし、午後は定員に関する問題を議題として調査するというふうにして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/21
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022・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) お諮りいたします。只今小笠原さんからの御発言で、午前中は法案の審議、午後は定員法の問題を取上げる、それに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/22
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023・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) さよう取計います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/23
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024・中田吉雄
○中田吉雄君 ちよつと議題からそれるようでありますが、岡野国務大臣にお伺いしたいのですが、昨日内閣において平衡交付金をどうするかという問題で閣議で議題にするようにお伺いいたしまして、昨日大臣は御欠席になりましたので、いろいろ野党連合のほうで総司令部に当つて見ますと、岡野国務大臣のほうは増額要求されるし、池田さんのほうは、池田大臣はそんな必要はないというふうで、ちぐはぐしていまして、我々としても閣議で統一した意見の下に総司令部に当つて頂きたいと思うのですけれども、ルース台風の補正については難色があるようですし、昨日の閣議の結果を一つ……、それから吉田内閣の平衡交付金の増額に対する基本的な態度について一つ今後の運動もありますのでお漏し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/24
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025・岡野清豪
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げますが、閣議の内容は絶対申上げることは……若し速記をとめて下さるならば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/25
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026・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 速記をとめて下さい。
午前十一時三十六分速記中止
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午前十一時五十三分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/26
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027・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて。では先ほどに引続きまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/27
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028・岡本愛祐
○岡本愛祐君 関連して伺つて置きますが、二十六年度の地方税の実収高の見積りですね、それはどういうことになりましようか。初めの見込みと実収分とどのくらいの差が出て来ましようか。府県と市町村別にわかればなお結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/28
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029・岡野清豪
○国務大臣(岡野清豪君) お手許に資料として出しておりますように、道府県の普通税にありましては千百十一億六千六百万円、市町村の普通税にありましては千三百九十七億二千五百万円、その他目的税等を合しまして、合計して二千五百十億四千三百万円という税収入見込を伝えておるわけであります。今後の経済界の推移の激変がありません限りにおいてはこの程度の税収入は確保できるのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/29
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030・岡本愛祐
○岡本愛祐君 それが府県と市町村に分けてどのくらい見込増になりますか、又減になりますか、初めの予想と……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/30
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031・岡野清豪
○国務大臣(岡野清豪君) 当初税収入は二千八十七億というふうに総額において考えておつたわけでありますが、それが二千五百十億になつているわけでありますから、四百二十三億の増加を見込んでおるわけであります。でそのうち道府県税につきましては二百七十三億、市町村民税につきましては百四十九億の増加を見込んでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/31
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032・中田吉雄
○中田吉雄君 四百二十三億二千百万円……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/32
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033・岡野清豪
○国務大臣(岡野清豪君) 四百二十三億二千百万円。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/33
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034・中田吉雄
○中田吉雄君 それじや自然増収がそうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/34
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035・岡野清豪
○国務大臣(岡野清豪君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/35
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036・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 御発言がなければ、時間も正午前でありますから、午前中はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/36
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037・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) それでは午後は一時から開始いたしまして定員法の問題を取扱います。
これにて休憩いたします。
午前十一時五十七分休憩
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午後二時四十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/37
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038・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 只今より委員会を開会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/38
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039・相馬助治
○相馬助治君 只今提案になつておりまする行政整理の問題に関しまして、この際国警本部並びに国家消防庁から今のところどういうふうに具体的に話がなつているのか、そして又それによつてその行政整理が現在閣議決定の通りに行われるとしたならば、どのような影響を及ぼすのであるか、この点について国警本部並びに国家消防庁のほうから説明されるように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/39
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040・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 只今の御質問につきまして国警の行政整理の状態を一応御説明申上げたいと存じます。
御承知のように現在までの国警の警察官の定員は三万人でございます。その三万人に加えまして、この前の警察法改正の折に五千人の増員を認めて頂きました。これは学校を入れるという条件で認めて頂いたのであります。それからこれも又警察法の改正の結果、町村の自治体警察から引継ぎました定員が一万三千百八十人くらいあります。これを合せますると四万八千百八十人になるわけでございます。この警察官につきましては、我々としては折角お認め頂いた五千人の新増員を、それから又自治体から引継いだ一万三千人をそのまま受入れるようにいたしまして治安の責に任じたい。かように存じておりましたところ、丁度行政整理の問題が持上りまして、国警も現在職にある者ですら退職を余儀なくされる事態において、現にまだ募集もしておらない定員の中から多少の犠牲を出すのは止むを得ないのじやないかというような政府の御意向もありまして、この結果いろいろ折衝した上でこのうちの、四万八千百八十人に対する約五%、二千四百人を整理するということになりまして、我々も折角お認め頂いた五千人を削るのは非常に惜しいと思いましたけれども、一万三千人……、当初予定しておりました一万人よりも多く三千百八十という数が自治体警察から入つて来たことでもありまするしいたしますので、この二千四百人の整理に応じまして、まあこれでやつて行こう、こういうつもりであります。
それからその他の職員でございますが、その他の職員につきましては皇宮護衛官は現在八百三十人おりますが、これは整理することは困るということで政府でお認め頂きまして、八百三十を整理しないということにいたしたのであります。
それから一般の職員の定員は現在一万六千百五十七人おるわけでございますが、このうち通信の関係の職員と鑑識関係の職員とは特別な任務でございまして、全く技術的の現場的の仕事が多いのでございますので、このほうは整理を許して頂きまして、その他の者につきまして或る程度の整理をすることにいたしたのでございます。それは現業職員としての守衛、小使、警防手、自動車運転手、逮捕術教官、それから拳銃工場等に若干おりますが、これらの部分につきましては大体五%を整理することにいたしました。その他の定員につきましては人事、会計、庶務等の一般職員、これらにつきましては○、二%整理することにいたしまして、千六百九人という者を整理することになつたのでありますが、従いまして千七百七名が一般職員から、警察官以外の職員から整理することになつております。なお十月一日自治体警察から引継ぎました職員が三千三百十一人ございますが、これも二割の整理をいたしまして二千八百六十人まで削る。こういうようにいたしたのであります。
大体整理の状況は以上のようでございますが、今後の治安に対する見通しといたしまして御質問がございましたが、我々としましては極力この新定員で努力いたしまして、治安の維持に邁進したいと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/40
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041・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) 次に国家消防庁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/41
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042・横山和夫
○説明員(横山和夫君) 国家消防庁のほうにつきまして御説明申上げます。国家消防庁が発足いたしました昭和二十三年は、丁度すでに行政整理の問題が起つておる最中でありましたので、もう少し大きい機構でというような構想もあつたようでありますが、そのまま現在のような機構のままに成り上つたようであります。その後数回に亘りまして増員の時期に又行政整理というようなことで、現在百二十二名の定員のままで全国の消防に関する事務をやつておるという状況なのであります。実は今年の、いわゆる来年度の予算におきましても若干の増員を計画いたしまして、大蔵省とも事前の話は進めつつあつたのでありますが、時たまたま行政整理の問題に出つ食わしましたので、結局政府の行政整理というこの基本的な方針に従いまして、お手許に差上げましたように管理的な者、技術的な者を含めまして合計十名を整理するということにいたしまして、百二十二各の定員から十名減の百十二名を新定員としてやつて行きたい、こういうような案を一応我々のほうで考えて行政管理庁その他に出すということに相成つておるわけなんであります。事務といたしましては決して減少して参つておらないのでありまして、最近におけるところの大火災頻発の状況なり或いは高次の意味における治安の維持というような観点からいたしまして、事務の分量は日を追うて増加するとも減少はいたしておらないのでございますが、ただ我々のほうといたしましては、根本的な行政整理という方針に副いまして、この人員というものを最高度に活用して、能率的な運営によつて方針に副うような行政に持つて行きたい、こういう状況で現在まあいろいろなことを考えておるのでありますが、ただ定員に対しますところの充足状況は、欠員は現在一名でありまして、あとは全部充足されておりますので、今後の問題といたしましては相当いろいろの問題を考究しなければならないということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/42
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043・相馬助治
○相馬助治君 国警側に一点だけお尋ねしておきたいと思いますことは、この頂いた資料の一番お終いの三、整理人員合計という中に千七百七人プラス二百十一人、二百十一人というのを区別してここに資料として出ております、実際の整理をこの通りにやります場合には両方ならしてやるものですか、それとも自治警察より引継いだ職員の分は二百十一人、その分から正確に整理するということになりますか。将来に属することではありまするけれども、自治警察が国警に移つていろいろな問題をはらんでいるときでもありまするので、念のためにその点を明らかにされたいと思います。
次に国家消防庁のほうでお尋ねしたいのは、この頂いた資料の説明の中に技術、管理要員十人を整理するとありますが、国家消防庁の機構をはつきり私は存じていないのですが、この技術、管理要員という中には消防器具の改良、発明その他をやつている課があるはずだと思うのですが、研究所ですか何ですか、そういう所も減員される予定なのですか、どうですか。それらについてもう少し詳しく今の案を聞かして欲しいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/43
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044・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 只今のお尋ねでございますが、我々の考え方としましては、自治体から参りました事務職員の中から、私この点の説明を先ほど落したのでございますが、二千八百六十人の中から二百十一人を整理する、こういう方針でおりますので、これを他のほうと平均してやるというようなことにはならんと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/44
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045・横山和夫
○説明員(横山和夫君) 国家消防庁におきます現在の機構は、いわゆる消防の管理的な面を担当しております部門と研究的な面を担当しております部門の二つに分れておるのでありますが、御指摘になりました機械、器具の発明なり或いは機械、器具の選定、こういつたような関係のものは主として研究所のほうが担当しておるわけでございます。今回の整理の問題としましては、成るべく我々としては重点を研究に携つておるというような者において整理の部面を少くして、管理に携つておる者のほうでこれをカバーして行く、こういうような考え方を持つておるのでありますが、具体的にその中をどういうようにということにつきましてはまだ確たる結論というものには達していないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/45
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046・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) その他に御発言はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/46
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047・岡本愛祐
○岡本愛祐君 溝淵次長にお尋ねいたしますが、今御説明のあつた警察官の整理数によりますと、簡単に言えば新増員を五千名やるべきところであつたけれども、今度の整理によつてその中から二千四百名は整理するのであるから、結局二千六百名を募集すればいいのだと、こういうことになつて、実際の現在の警察官になつておる人についてはいわゆる首切りをしなくていい、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/47
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048・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 只今のお言葉の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/48
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049・岡本愛祐
○岡本愛祐君 それから一般の職員のほう、これは千七百七人整理をするわけですが、これは何か振替える途はどういうふうに考えておられるか、又自治体警察から引継いだ一般職員、それも二百十一名、合計して千九百十八人の人をやめさせるわけですか、その整理したあとの身の振り方、これはどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/49
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050・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 只今の御質問でございますが、私どものほうでは千七百七名の中に多少の欠員はありますが、その欠員を大体埋めております。相当埋めておりましたので、定員が少いので、結局相当な人数の整理になるわけでございます。従いましてこの整理の人員の中で警察内部で振替えられる者は振替えたいと思つております。その数等はまだわかつておりませんが、多少のそうした者はあると存じまするが、その他の者につきましては今のところどこへ振り向けるというような目当はないのでございまして、相当今から心配いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/50
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051・岡本愛祐
○岡本愛祐君 国家消防庁のほうの整理人員は十人、欠員が一人あるから結局九人の整理人員ですが、これは何か身の振り方はついておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/51
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052・横山和夫
○説明員(横山和夫君) 御指摘のように九名の出血ということになるわけでありますが、直接の国家消防庁のいわゆる出先機関ということではありませんけれども、自治体の消防の方面にも、所によりましては新らしい者を入れるというようなことも若干考えられますので、そういう方面に極力お願いいたしまして、何とか身の振り方は考えたいということで、現在あちらこちらの話はいたしておるのでありますが、今日の段階におきましてこの九名の者をこれはこういうようにというような具体的な結論まではまだ達していないのであります。何とかしなければならんということで折角努力をしておるというような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/52
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053・安井謙
○安井謙君 国家警察のほうにちよつと伺いますが、この自治警から移管されました場合に、従来の国家警察の機能からいうと非常に機動性もあるから従来の自治体の警察員より減少してもいいと、いいような場合が起つておりませんか、全員これは引継ぐというような形のものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/53
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054・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 只今御尤もなお話でございましたが、実はこの自治体警察を廃止しましたその結果、全員こちらへ吸収いたしまするので、全体としての数が殖えるし、国警でやる場合には従来の配置からいいまして自警の数より少くして行けるということは大体常識として考えられるわけでございまして、この点から多少の人員が浮ぶということもこれも又事実でございますが、ただ廃止する場合に非常に自治体の方面の人々の心配がありまして、国警になると今まで十人おつた警察官が二人とか三人とかになつてしまうというようなことで非常な心配を持つて、自警廃止の上は自分の自治体へ何人置いてくれるかというような交渉が非常にありました。その結果我々としましては成るべく当分減らないで行こう、そうして余り不安をかけちやいかんじやないか、次第々々に多い所は調整して行こうということでやつておりますので、現在の自治体警察の廃止になつた地方を大体平均しまして七割乃至八割くらいを自治体の現場へ置いております。従つてそこから他の方面へ振り向けるのだというのは二割乃至三割足らないくらいだと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/54
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055・安井謙
○安井謙君 いまもう一つ、地方消防で、これは大きい所でしようが、例の消防に放火その他の犯人の捜査権を云云しておる話があるようですが、国家消防のほうじやどんなお考えを持つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/55
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056・横山和夫
○説明員(横山和夫君) 先般来新聞紙上或いはその他でいろいろ大きく報道されましたので何でありますが、この捜査権の問題につきましては、実は先般帰りましたアメリカのエンジエルという人、消防の行政官であつたのでありますが、その人がアメリカの制度の観点から日本の場合においても消防の限られた人数の者が捜査権を行使することが適当であるというようなプライベートな勧奨がありまして、先般の第七国会の頃に若干そういう問題が起つたのでありますが、その後我々国家消防庁としましても、組織法の第四条の中にそうした方面の制度の研究をするということが書かれております関係上ずつと研究は続けて参つたわけでありますが、たまたま今度参りました消防の行政官も熱心にそういうような勧奨をいたしまして、自治体の消防の間においても是非とも早い機会に解決付けてもらいたいというような要望がありまして、俄然最近御承知のような状況になつたのであります。ただこの現段階において我々として特に苦心し又心配をいたしておる問題は、現実においてまあ警察のほうにおいて相当困難して放火、出火の捜査の問題をやつておるわけでありますが、消防の科学的な原因調査という問題につきましては、これは限られた大きい都市においては相当充実いたしておりますけれども、事犯罪の捜査ということになつて参りますと、必ずしも科学的な原因調査とイコールのものであるかどうかということは別な観点から考えてみる必要もありますし、なお又制度化されることになりますと、やはりその運用の過渡期における警察と消防との間のはつきり申上げれば感情的な問題とでも言いますか、そういうような問題も……このいざこざのないような極めて円滑な関係において解決されるということでなければ、将来の運営も決してうまく行くものではないというようなことを考えまして、我々のほうといたしましては、先ず取りあえず問題になつておるところが六大都市のようでありますから、六大都市の警察当局と消防当局とが忌憚なく意見の交換をして、こういう点がうまく行かない、こういう点はこういうふうにしたらいいというふうな打合せをして、一つの結論を出し、そういうようなものを又我々のほうで更に検討して、国会のほうにもいろいろ御検討を頂くというような方向で、決してあせることなく、一つ十分討議を遂げた上で行くべきものはないか、そういうような見解を持ちまして、現在なお且つ諸般の研究をしておるというような段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/56
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057・安井謙
○安井謙君 国警のほうではお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/57
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058・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 今問題になつておりますのは六大都市を中心にいたしておりますので、これに対して国警がいろいろなことを言うのはどうかというように我々考えておりましたが、併し警察制度の、警察運営の根本の問題であるということで、この間も衆議院の小委員会に呼ばれたのでありますが、その際、国警の意見を聞かれましたので、私どもといたしましてもこの問題はよほど考慮しなければならん問題だというふうに考えまして、警視庁の当局と同じように、現在の段階においては反対であるという気持を表明して置いたのでございます。我々の反対はいろいろ技術的にあるわけでございますが、私ども長い経験からいたしまして、火事場の捜査というものは非常に残酷なものでありまして、現に家が焼けておる折に証拠収集のために、そこの女、子供が泣き叫んでおる折に主人を引張つたり或いは参考人を引張つたりするようなやり方をするのでございまして、これは非常に警察としてもいやなことであります。それを消防にも同じような逮捕権を与え、捜査権を与えるということになりますると、火事場でこの残酷なことを両方が競争でやるというようなことになつた場合に、迷惑するのは国民じやないかというような感じがするのでございまして、その競争はよろしいけれども、結果として民衆に迷惑をかける、又日本の火事はアメリカの火事と違いまして殆んど焼けてしまう、丸焼けになつて何も証拠がないという場合が非常に多いのでございます。その点はアメリカなどは非常に証拠が残るようでございます。従いまして物的な発火原因等の調査は一応できましても、その原因を証明するものがなくして、むしろどういう人がどういう関係でここにあつたのか、或いは又火事の動機が何であつたかというような、人を目標にした捜査が日本では非常に必要なんでありまして、この点は従来から馴れておる警察官のほうが優秀ではないか、又同時に鑑識施設等も相当充実いたしておりますので、消防の無論捜査権で援助してもらうことは必要でありますが、警察がこの捜査を一元的にやつても支障はないじやないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/58
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059・岡本愛祐
○岡本愛祐君 只今の安井委員からお尋ねの消防官に対して、消防員に対して捜査権を与えるかどうかという問題、これはなかなか重要なむずかしい問題だろうと思います。東京警視庁のほうからも反対意見が出ておりますし、まあ国警の次長からもそういう意見が出ており、アメリカの各市における状態を調べてみましても、必ずしもエンジエル氏が言つておられるように一定していないのであります。ニューヨークのごときはこの捜査権はもとより逮捕、拘禁、拘引する権利すら持つているようであります。消防員が持つておるようであるが、ほかの所では捜査権はあるけれども、その逮捕の点は勿論警察官だけしか持つていないという関係にもあり、必ずしも一定していないようですから、まあこれはよくこの委員会でも研究して、もつともつと研究して解決すべき問題であろうと思うのであります。
それからもう一つ伺つて置くのですが、自治体警察を廃止しまして国家地方警察にそれを引取つたという場合に、今まで自治体警察のほうでは警視としておつた人がいろいろの関係で警部になつたり、今まで警部であつた人を警部補にしたり、いろいろなことが起つたろうと思うのであります。又署長であつた人が必ずしも署長になれないのですから、そういうような関係はどういうふうに実際に推移して行つたか、それが又うまく行つておりますか、その点を聞きたいことが一つと、それからもう一つは先ほど安井君から御質問がありましたように、東京の二十三区以外の接続町村におきまして自治体警察を持つておつて、そうして自治体警察をやめた場合に、自治体警察であれば二十人も二十五人も、警察の応援を受けて充実しておつたけれども、これが国警になると又元通り三人か四人にされてしまいはしないかというような虞れを持つて、当委員会が実地調査しましたときにもそういうことがないように是非ともしてもらいたいという話がありました。只今の御答弁でそれはまあ七割くらいにしたというのは御尤もだと思うのです。ただ田舎の町村へ行きますと、同じ隣り合せに国家地方警察と自治体警察のほうと並んでいる。片一方は三十人、片一方は二十人持つている。その自治体警察を廃したときに国家地方警察のほうの三十人では少いが、五人かせいぜい六人ぐらい足せばその町も合せて十分三十五、六人でやつて行けるという場合が多いだろうと思うのであります。そういうのは必ずしもたくさんおかれなくてもいいので、そこに余裕ができて来はしないかと思うのですが、そういうほうが多いだろうと思うのであります。大都会隣接の場合よりも、国家地方警察と自治体警察と並んでおつた、その片一方が廃止したときに、必ずしも七割ぐらいどかさなくてもいいのであつて、非常に、余裕ができて来たという面が私は確かにあると思うが、この点は正直に言つてどういうふうになつておるか、又それをどういうふうにうまく利用されるか、それを聞いておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/59
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060・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 最初の問題でございますが、警視であつた署長或いは警部であつた署長等が、元の警部或いは警部補になつたというような者も相当あつたわけでございますが、これを国警に引継ぐ場合に、我々の方針としましては、成るべく国警に編入になつたがために不利にならないようにということを考えたのでありまして、全国の隊長諸君もその気持を伝えまして吸収いたしたのでございますが、併し何としても国警の現在おる、その当時から一緒におつた者の肩書等に比べましてどうにもならないというような者は、相当階級を引下げたのでございますが、併し引下げたと申しましても、警視を警部補にしたり、警部補を巡査部長にしたような、二階級を下げた者はこれは殆んどないのであります。大体一階級でございますが、それも大体納得されまして、その受入れの数日前に全部の署長に隊長から話をいたしまして、納得した上で移転させるというような行き方をいたしておるのでありますので、現在のこうした問題につきまして不安等のあつたようなことは、少くとも国警の本部ではそれがために文句が出て来たというようなことは一件もございません。そうして却つて、階級は下りましたけれども、国警に入つたので、これは我々の我田引水かも知れませんが、気持がむしろ今まで市町村等の当局で非常に複雑な関係にあつたものがすつきりした、そうして国警におつた者に負けないように働こうというような気持で、どこの県の状況を聞きましても、非常に何と申しますか、気分が明るくなつたというようなことで、私どもは最初に心配しておりましたような、自治警から来た諸君が、何だかよそよそしくて寂しい思いをしやせんかというような空気は全然ないようでございまして、非常に私ども今喜んで見ておりますが、併しこれも当座の状況であつて、或いは将来そういうことが長続きするか、果して渾然一体になれるかという問題は相当心配されるのでございまして、今後の行き方を十分気をつけるように注意をいたしておる次第でございます。
なおその次の問題でございますが、自治警と国警とが同じ町にあるような所は少くとも自治警は完全に廃止になりまするので、その全員が全部国警に入りますから、少くとも本署の要員としましては、そうたくさん殖やす必要はないと思います。従いましてその町にある外勤の警察官、これはどうしても減してもらつては困るという空気が非常に強く、従いまして自警と国警と両方が町にある警察署では、自警の本署の職員は始んど全部国警へ吸収してほかのほうに廻せる数字だと、かように存じております。従いましてその要員の浮きました人数は、これは或いは従来能力の足りなかつた警備とか警務とかいう方面に多少ずつ廻りますと同時に、二千六百名全部で殖える人数も考慮に入れまして、駐在所の数を殖やしまして、従来或いは欠員になつておつた駐在所、或いは又非常に重要な施設等がある所で駐在所のなかつたような所、大体現在の予定としまして全国で三、四百駐在所を殖やす予定でございます。
それから警察署の数は現在十月まで六百七十ございましたが、今度吸収されました所で地元の要望も非常に強く、又治安上も必要だという所で地区署二百十五でございましたか、殖やしまして、現在九百ちよつと足らない数字の警察署となつております。大体この配置なら先ず行けるのじやないか、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/60
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061・岡本愛祐
○岡本愛祐君 只今の御答弁で大体わかりました。自治警察から国警へ帰つて行つた者が継子いじめみたいになることは甚だ遺憾なのでありまして、又警察のいろいろ業務上支障が起るようなことがあつても困りますから、どうか今後とも一層その点に気をつけて頂きたいと思うのであります。
自治体警察を廃止した町、私どもの国の身近に起つております、その範囲内では町民も非常に喜んでおるようです。すつきりしたというので喜んでおります。併し自治体警察は威張らなかつた、地区署になつて又威張られるのではないかという虞れを抱いておる者もございます。ですから自治体警察のいい面、つまり自治体警察のほうがいわゆる民主警察でありまして、親しみやすい警察であつた、この点は否めないようでありますから、その点を十分考慮せられて、自治体警察を廃止したために又官僚警察に逆戻りした、又権柄ずくになつたというようなことがないようにこれは一層注意をして頂きたいということを要望して置く次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/61
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062・安井謙
○安井謙君 今のに関連しまして私聞き落したのは、七割なら七割程度配置しますと、あと三割が残るわけですが、これが三、四千人の人員になると思いますが、これは定員の上からいうと今度はどういうことになりますか、受入れた一万三千を大体七割くらいは現在配置しておる、残りの人員ですね。これは国警の定員は今の三万と五千を、今度削減して何人かになるというのですが、それはまあ大体配置は、基準はみんなきまつておるわけなんですから三、四千人浮いた形になりませんかね、定員の配置上から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/62
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063・溝淵増巳
○政府委員(溝淵増巳君) 只今の御質問ですが、定員としては浮いたということにはならないのでございまして、国警の大体その府県の定員になつております。それからその配置、でございますが、要するに五千人殖やしてもらつた分の千六百人は、これは学校へやる分でございます。その点は実際にはこういうふうになつて、その分は県にはいないわけでございますが、その他の者は、自治体警察のその区域から余つた人数が新しくできる駐在所とかそれから或いは警備係とか警務係とかに廻ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/63
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064・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) それではこの程度で本日は散会したいと思いますが、明日は予算委員会なり内閣委員会等も休むようでありますので、当委員会も明日はやらないことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/64
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065・西郷吉之助
○委員長(西郷吉之助君) なお、それでは明後日午前中地方税その他法律案の審議をしまして、午後定員の問題をしたいと思います。さようにいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214720X01419511122/65
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