1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二日(金曜日)
午前十時五十分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河井 彌八君
理事
溝淵 春次君
山花 秀雄君
委員
郡 祐一君
松平 勇雄君
上條 愛一君
楠見 義男君
竹下 豐次君
栗栖 赳夫君
三好 始君
三浦 辰雄君
国務大臣
厚 生 大 臣 橋本 龍伍君
政府委員
行政管理政務次
官 城 義臣君
行政管理庁次長 大野木克彦君
行政管理庁管理
部長 中川 融君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○行政機関職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/0
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001・河井彌八
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/1
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002・橋本龍伍
○国務大臣(橋本龍伍君) 法案の提案の理由を説明帯申上げます前に御挨拶を申上げます。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきましては、大分前に閣議で決定をいたしまして、国会の御審議の時間をできるだけ置かなければならないと心得えまして、これを急速に提案するようにいたして努力をいたしましたが、関係方面との折衝に若干暇取りまして提案が遅くなりましたので、極く最近衆議院のほうに提案をいたしました次第でございます。本日こうして参議院の側も事前審査を頂きまして誠に有難うございます。不敏でございまするが、私も相当に検討いたしながら提案いたしたつもりでございます。どうか十二分の御審議をお願いいたしたいと思います。
さて只今議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申上げます。
御承知のごとく、戰時から戰後に引続きまして、複雑厖大となつて参りました行政を簡素化して、現下の我が国力にふさわしい行政体制を樹立いたしますることは、政府が常に意を用いて参つたところでありまして、すでに一昨年相当規模の行政整理を断行したのでありますが、今日におきましても、行政機関職員定員法の定員のみを見ましても、なお八十九万を算しておりまして、戰前に比較いたしますれば非常な膨脹をいたしております。平和條的の実施を控まして、経済上の自立を達成いたしますためには、できる限り行政費を節約すると共に行政事務の能率化を図ることが必要でありますので、政府はここに各省庁の事務の実情に応じて、人員を大幅に縮減することといたしました。
今回提案いたしました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は、右の趣旨に則りまして、各行政機関の職員の定員を約九万人削減いたしますと共に、この人員整理を円滑に行うために必要な措置を講じようとするものでありまして、その内容は大要次の七点に要約されます。
第一に、各行政機関における休職者の取扱いにつきまして、行政機関職員定員法にいわゆる職員には休職者を含まない旨を規定することといたしました。この措置によりまして、従来ややもすれば長期病気欠勤者が整理の対象とされる弊を除去し得ることとなるのであります。
第二に、各行政機関における職員の総定員を現在の八十九万六百五十五人から八十万二千七百四十人に縮減いたしまして、差引き、八万七千九百十五人を減ずることといたしました。この定員の削減の各省別の内容につきましては、それぞれ主管省から御説明をいたすこととなりますが、総括的に申しますれば、各種行政事務の簡素合理化に伴い、且つ各省庁の事務の実態に応じまして整理を行うこととし、占領の終結に伴い不要となる事務、経済統制の撤廃により縮小し得る事務、その他不急又は不要となつた事務につきましては大幅に人員を縮減いたします一方、治安関係の職員、造幣、印刷、電気通信事業、郵政事業等に従事する現業職員、登記事務、職業安定事務等の窓口事務に従事する職員及び国立病院、療養所並びに各種試験研究機関等の職員につきましては、その業務の特殊性を考慮いたしまして軽微な整理にとどめておるのであります。
第三に、終戦処理事業費、特殊財産処型附帶事務費等の支弁にかかる職員につきましては、その数を現行の三千五十五人から二千七百四十人に縮減いたしました。
第四に、国家地方警察の警察官で、管区警察学校及び警察大学校に在校する者については、現在五千人を限り、これを定員外に置くことができることとなつておりますが、この数を二千六百人に削減いたしました。
第五に、整理の時期につきましては、原則として、六カ月の猶予期間を設け、昭和二十七年一月一日から六月三十日までは、新定員をこえる員数の職員を定員の外に置くことができることといたしました。併しながら農林省の職員で国営競馬事務に従事するもの、通商産業省の職員で米国対日援助物資等処理特別会計及び貿易特別会計の事務に従事するもの並びにアルコール専売事業の現業に従事するものにつきましては、これらの事務及び事業の整理の都合上、九月末又は十二月末まで整理の時期を延期することといたしました。又食糧庁の人員につきましては、米麦の統制解除を前提として相当大幅な整理が織込まれておりますが、米の統制解除につきましては、なお関係方面との話合が済んでおりませんので、この統制の解除が明年四月一日までに実施されるに至らなかつた場合には、予算の定める範囲内において、政令によつて食糧庁の職員の定員を増加し得る旨を附則に規定することといたしました。
第六に、今回の定員の減少に伴い整理される者については、本年十月一日に自治体警察から国家地方警察に編入された警察職員及び地方自治法附則第八條に規定する職員で整理される者をも含めまして、一昨年の行政整理の際におけると同様に、国家公務員法の規定する「審査請求」制度を適用しないことといたしました。これは多数の人員の整理される場合におきましては、この制度を適用することが実情に即しないためであります。
第七に、国立大学の教官及び労働基準監督官で今回整理される者につきましても、その整理を円滑に行うために、それぞれその罷免等につき、教育公務員特例法及び労働基準法に規定する複雑な事前手続の規定の適用を排除することといたしました。
以上が本改正法案の主要な内容でありますが、これらはいずれも現下の我が国力に相応する適正なる行政機関の規模を定めますと共に、その実施を円滑にするために必要な措置であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/2
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003・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 諸君にお諮りいたします。本日は会議はこの程度にとどめて置きまして、来る五日から引続いて審議をいたそうと思いますが、御異存ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/3
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004・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それではさように決します。
本日はこれにて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/4
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005・楠見義男
○楠見義男君 資料の点について政府のほうにお願いをしておきたいのですが、それはかねて打合会等でお願いしておつたことなんですが、従来の定員とそれから今回の定員の縮減に関連しまして、実は従来は用員等は定員の中から落されておつたのが、最近の定員法ではすべてこれが定員法に包含されておる。そこで比較いたします場合には、そういうものを同じスタンダードの下において比較することが必要だということで、実は資料の要求をいたしておつたのでありますが、その同じスタンダードにおける定員の旧来からの変遷と同時に、新らしく労働基準法その他ができまして、当然法律の要求するところに従つて行わなければならん、又増加しておる定員との関係について資料をかねて要求しておつたのでありますが、まだ出ておらないと思いますので、至急にお作り頂いて御提出して頂くようにお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/5
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006・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) 只今御要求の件につきましては、実は定員法施行前におきましては、用員の数が必ずしもはつきりしておりません。そういう予算によるものであります。いわゆる官吏に属する部分はわかるのでありますが、用員は必ずしも明瞭になつておりません。それからいわゆる官吏の区別でありますが、最近は官吏の従来の観念と必ずしも一致しておりませんので、御要求の通りの資料ができるかどうかちよつと問題でありますけれども、できるだけ御要求に合うようなものを作りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/6
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007・楠見義男
○楠見義男君 行政管理庁のほうで困難であれば、各省に命じてお作りになると或いはできるんじやないかと思うのでありますが、それは御承知のように各省が予算要求をいたします場合には、例えば従来でありますが、高等官或いは判任官、それに事務雇員、技術雇員、こういうような予算要求をしておりますから、例えば昭和六年なら六年の、九年なら九年というところをとつて見て行きますと、そのときの予算要求書を調べて見れば各省は当然すぐにわかることと思いますので、行政管理庁で以てお作りになることが困難とすれば、各省にお命じになつて、それをお取りまとめの上お出しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/7
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008・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは今日はこれを以て散会いたします。
午前十一時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X00419511102/8
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