1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月十六日(金曜日)
午後一時三十二分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河井 彌八君
理事
松平 勇雄君
溝淵 春次君
山花 秀雄君
委員
郡 祐一君
上條 愛一君
成瀬 幡治君
楠見 義男君
竹下 豐次君
栗栖 赳夫君
三好 始君
三浦 辰雄君
政府委員
内閣官房長官 岡崎 勝男君
内閣総理大臣
官房監査課長 岡田 典一君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正二郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○公職に関する就職禁止、退職等に関
する勅令の規定による覚書該当者の
指定の解除に関する法律案(内閣提
出)
○本委員会の運営に関する件
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001・河井彌八
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開きます。
公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令の規定による覚書該当者の指定の解除に関する法律案、これを議題といたします。先ず政府から提案の理由の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/1
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002・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 只今、議題となりました公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令の規定による覚書該当君の指定の解除に関する法律案の提案理由を御説明申します。
政府は、覚書該当者の指定の解除については、従来極力努力をいたして参りまして現在までに数次に亘りその指定の解除が行われており、特に本年に入りましては、去る六月の昭和二十二年勅令第一号の改正により指定が公正を欠くと認められたものについては、内閣総理大臣はその指定を取消し得ることとなり、爾来政府は能う限りの努力を傾注いたしこれが実施に務め、十月三十一日を以て十九万三千余名の覚書該当者中十七万七千余名に対して指定の取消を行なつたのでございます。今回の措置は、多数の者につき処理の迅速を期するために専ら政府資料に基き実施いたしましたのでこれが終了した現在においては、取消を受付なかつた一万八千名の覚書該当者について、訴願を受理し、陳述を行う機会を与え、これに基き指定が著しく不公正と認められる者につきその指定を解除する途を開くことは、政府として措置の公平を期するために当然考慮すべきことと存ずる次第であります。
もとより所謂公職追放の措置は、終戰後の重要行政措置の一つでありましてこれについての取扱いは充分に慎重を期すべきものでございますので、学識経験者を以て構成する公職資格訴願審査会を総理府に設置し、覚書該当者としての指定解除の措置につきましては、この審査会の意見を徴し、慎重且つ公平を期する考えでございます。
右の趣旨によりまして、覚書該当者でその指定が著しく不公正と認められるものの指定を解除し得る途を開くと共に諮問機関として公職資格訴願審査会を設置いたしたく本法律案を提出いたした次第でございます。
何とぞ慎重御審議の上、速かに御賛同あらんことを御願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/2
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003・河井彌八
○委員長(河井彌八君) この際法律の内容について少しく御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/3
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004・岡田典一
○政府委員(岡田典一君) それではお手許にございます法律案をご覧願いたいと存じます。
第一條におきましては、総理大臣が覚晝としての指定が著しく不公正な者につきまして解除できるという規定でございます。これには昭和二十三年勅令第一号に基きまして追放該当者としての指定があつた者と、それから現在団体等規正令によつて公職追放者に準じて扱われる者も含んでございます。
それから第二條におきまして申請をする手続でございますが、該当者は内閣総理大臣に対してその指定が著しく不公正であると思料する場合には、書面によつてこれに必要な証拠書類を付しまして指定の解除の申請をすることができます。この場合に、今まで第一次、第二次の訴願委員会がございましたが従来と違う点は、該当者が死亡者であります場合には、本人の遺族又はその他の縁故者が訴願の申請ができるということが掲げてございます。もう一つ違う点は、従来は調査表を必要條件としておりますが、この度は調査表は煩鎖でもございますので、調査表を必要としませんで、本人の経歴その他を詳しく記載した必要な証拠書類で足りる、そういうことになつております。もう一つ従来と違う点は、従来訴願申請をしたる期間を第一次、第二次も三月と限定したわけでございますが、この度は時期の制限によつて訴願をする機会を失わしめないように期間を限定しておりません。併し勿論本人のためでもございますので、政府といたしましては、できるだけ速かに訴願をされることを希望する次第でございます。
第二項は、事務的な規定でございまして、総理大臣は申請書を受理したときは、速かに訴願審査会に送付することとなつております。
それから第三條は、指定の失効でございますが、当然の規定でございまして、念のために指定の解除か遡及しないという入念規定でございます。
それから第四條は、覚書該当者は公私の恩給、年金等を受ける権利又は資格を失いますが、今度解除がありましたものにつきましては、その権利又は資格の指定の解除のあつた日に回復する、遡及はしないという規定でございます。細部は政令で定めることになつております。
第五條は、單なる公表の規定でございます。
第六條、第七條、第八條は、委員会の組織と議事に関する規定でございまして、従来ありました訴願委員会の規定と始んど変りございません。
第九條の第一項は、従来作つております審査会は、必要のある場合には関係者、又は本人から「必要な資料を提出させ、又は事実を説明させることができる。」とございまして、第二項が特に新らしくできました規定でございまして、慎重審議をするという建前から解除を不相当とする議決を審査会におきましてする前には、本人に通知をいたしまして、口頭で本人の意見を陳述する機会を与えなければならない。特に審査を慎重にする意味で規定しましたものでございます。
それから第十條は、秘密を守る義務、第十一條は庶務は内閣総理大臣官房で行うということでございます。
第十二條は、委員会の必要な事項は委員長が定める。
第十三條の罰則は、従来は懲役があつたのでございますが、罰金だけにいたしまして、而も本人の虚偽の申請につきまして罰金を課するという規定でございます。
それから附則の第一項は御説明は要りませんと思いますが、第二項はこの六月からいたしました指定の取消ができるという條文と、指定の取消をした場合に恩給が復活するという條文がこの法律案によつて必要がなくなりますので、この附則の第二項によりまして、勅令第一号の第四條のニ、第四條の三、第五五條の三項を削るという規定を作つたわけでございます。それから第三項は、総理府設置法の中に、この公職資格訴願審査会に関する事項を加えます。そういう法律案になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/4
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005・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御質疑があればこの際御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/5
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006・山花秀雄
○山花秀雄君 只今約一万八千名ほどの覚書該当者が残つておるということに伺つておりますが、どういう種類のところが残つているか、又どういう種類のものが今まで解除になつているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/6
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007・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは今岡田政府委員から詳しく御説明もできますが、概略申しますると、一番多いのは軍人、軍人の中で憲兵をした、それから特務機関であつた人、それから大佐の古いところから上の将官、こういうものがありまして、陸海軍軍人全体としては一万三千百九十七名でございます。その次に多いのは戰争犯罪人、これが三千三百九十一名、それから次に多いのは極端なる国家主義団体等の関係者、いわゆる右翼団体七百十五人、それから大政翼賛会関係者が二百二十人、海外の何と申しますか、満鉄とか何とかいう開発会社、これの一番音脳部と称せられた者が十人残つております。それから占領地の行政長官等が三十四人残つております。その他の政治家であるとか、外交官であるとか、いろいろな種類の人がぼちぼち残つておるのがみんなで三百八十三人、共産党関係で団体等規正令等で、或いはマツカーサー・レターで追放になつた人が六十一人、合計して一万八千十三人、こういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/7
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008・山花秀雄
○山花秀雄君 マツカーサー書簡によつて公職を追放された人もこの訴願委員会で扱うということですか。これは全然扱わないということになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/8
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009・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これはやはり法律の規定からいいますと、訴願は受理することになると思います。ですから何でも追放された人は受理するということになるのじやないかと思いますが、マツカーサー・レターといぅ特殊なものはどうなりますか……、判定は無論どれにしてもわからんと思いますが、受理はするということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/9
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010・山花秀雄
○山花秀雄君 受理はするという建前ですね。
大政翼賛会関係の上部団体と申しましようか、二百何千人、相当大量残つておりますが、相当有力な人も解除されておるのを私ども知つておるのでありますが、これは訴願によつて解除されたという意味なんでしようか。相当な人で解除になつておる人は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/10
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011・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは前は訴願委員会で解除になつた人もありますが、今年の六月から始めた追放解除の行為は、これは訴願によつたものではありません。政府側で審査会を経て、こちら側で解除したものであります。このたくさんあるように載つておりますが、たしかこれは軍人が相当あるのです。ですからこちらの陸海軍人というほうに入る人かも知れないのですが、軍人であつて翼賛会関係者ということですから、翼賛会関係として離れなかつたというので残つておる人が非常に多い。こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/11
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012・山花秀雄
○山花秀雄君 大体わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/12
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013・楠見義男
○楠見義男君 二、三お伺いしますが、一條と二條との関係なんですが、一條でしまいのほうに、まあこれは「内閣総理大臣は、」云々とあつて、「その指定が著しく不公正であると認めるに至つたときは、」云々ということになつておりまして、ここに「不公正」という言葉が出て、それから第二條にもこれは審査請求者のほうの立場から「不公正と思料する」云々と出ておるのでありますが、これは言葉は同じことを意味しておると思いますが、いつか官房長官からお話を承わつた際に、この前のときであつたと思いますが、指定をしたときには不公正でなかつたけれども、その後の情勢によつて当事の指定が不公正かどうか、妥当を欠くような状態になつたのでこういうような大勢の解除が行われた。不公正というのを客観的な判断といいますか、判断がときによつて変つて来て、大量の解除があつたというよろな御説明を伺つたことがあるのです。そこで恐らく一條の不公正というのも、講和條約も発効して、指定した当時と事情が異なつたということになろうかと思うのでありますが、ところが審査請求するほうの立場から見れば、一応この前には審査請求の期限付きではあるけれども、全体としての審査請求の機会を与えられて、そして洩れた人がそのままに残つておると、こういうことになるので、何か客観的の標準でもお示しにならない限りは、実は不公正か不公正でないかということの審査請求権者といいましようか、審査請求者側の立場から見るめどといいましようか、標準がないのじやないか。従つて一応はこれは全部出すことになるというようなことにならざるを得ないようにも思うのですが、そこら辺はどういうことになるでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/13
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014・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 我々のほうは全部出してもらいたいくらいに考えております。不公正というのは、お話のように意味はいろいろありますが、この基準ということはなかなかむずかしうございまして、公職追放に関する規定は今は、現在ありまして、それから独立後も或る程度は残らざるを得ないのじやないかと思つております。極く最少限度にしましても……。そこでその規定は残るけれども、中に該当する人は相当外れてしまうことを我々は期待しておるのですが、従つて規定自体に対してこれを動かすということはしたくないと思います。従つて個々の事件を見て、それで不公正かどうか判断するので、まあできればすべての人が訴願をされるのが至当であろうかと思つておりますが、中には考え方が違つておつて、自分は当然該当するのは当り前だから訴願しないという人もあるわけであります。併しだんだんやつて見ますと、例えばこんな例、こうなるかどうかわかりません。ほんの仮の例ですが、例えば軍人の中で或る中将が解除された、こういうことがわかりますと、今まで訴願しなくても、中将でも解除されるなら少将は解除されるだろうというので訴願を出して来ない。そういう点で実際上にはここまでは不公正であり、ここまでは公正であるという点がわかつて来るかも知れませんが、それは事実上わかるのであつて、基凖を出すということはなかなかむずかしい、いわば多くの人が訴願を出されて公正な審査を得て、そして而も解除しないときまる場合は本人を喚んで、調べて聞いて、その上で依然として解除することはできないことになるのです。できるだけ事情をよく本人に聞いて、そうしてどの階級はいけないなんということはせず、あらゆる階級に対して、例えば翼賛会の主脳部であろうとも、陸海軍の将官であろうとも本人の事情、その後の生活状況、考え方、それから無論過去の経歴を見て解除すべきものは解除する、こういうことにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/14
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015・三好始
○三好始君 二、三承わりたいと思いますが、追放問題は、従来の一般の観念から申しますというと、占領政策に伴う措置としてこれについては容喙できないものだと、こういう国民の観念ができておるのじやないかと思うのであります。ところが講和條約発効を間近に控えまして、この問題に対する一般の考え方も恐らく変つても来るでありましようし、法的な措置としてもこうして新たに法律が提出されるようなことにもなつておるわけでありますから、やはり新らしい事態に即して我々として考えて行かなければいけないのじやないか、こういう気特もするのであります。追放なり、或いはその指定の解除なりは個人にとつては極めて重大な問題でありますから、こういう立法措置を講ずる場合には、我々として慎重な態せでこれを取扱つて行きたいと、こういう気特もいたすのであります。そういう前提に立つて二、三のお伺いをしたいのでありますが、先ほど官房長官は現行の追放令は講和條約発効後も存続をせざるを得ないだろうというような意味の言葉があつたかと思うのでありますが、そこではつきりお伺いいたしておきたいのでありますが、ポツダム勅令なり、ポツダム政令による追放令なり、或いは団体等規正令というような根拠法を講和條約発効後どういう形にして行こうとしておるか。若しこれをさつき長官が言われたよぅに実質的に継続するというお考えであつたならばこういうポツダム勅令等の取扱い方をどういうふうにお考えになつておるのか。それを先ず伺つておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/15
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016・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 私が言いましたのは、追放に関する法令がそのまま存続するとは考えていませんけれども、その中の或る部分はどうしても存続するのじやないかというふうな気がするのであります。その理由は、これは占領政策ではありますけれども、我々が終戰の運びに至つたのは、ポツダム宣言を受諾したからであつて、ポツダム宣言の一番初めのところには、言葉はちよつと正確じやありませんが、要するに日本国民を誤つて軍国主義に導いた責任者は永久に追放をせらるべしという文句があるわけです。それを日本政府は受諾したのであります。従つて永久というのも随分ひどい言葉のようにも思いますけれども、とにかく独立したから、もうそれで全部追放措置がなくなるのだというのはどうかと思うのです。追放というものがありましても、実質的にこれに該当する人が一人もなければ、仮に極端に言えば追放令はあつても、該当することがなければ、それはまあ追放される人は実際なくなつてしまうのですけれども、多少でも残るということもあり得ると思うのです。それでそういう意味で或る程度追放者というものは暫くの間残るのじやないかこういうことを申上げておるのです。
それから団体等規正令のことは、これはまあ全然別問題でありまして、これはどうするかということは今研究中で、まあ新たにこの際追放を日本人が日本人を追放するというのはどうかという気持ちも非常にしているのですが、このほうは研究中ですから、別にお考えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/16
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017・三好始
○三好始君 私は特にお伺いいたしたいと思つた実質的な問題は、講和條約発効後今まで追放されておらないものが新たに追放されるような実質的な規定が残るかということを聞きたかつたのでありますが、それは現行法令そつくりの形ではないけれども、残るというような意味のお答えだつたと了解していたのでありますが、そうしますと、私は前提として特に申上げましたように、追放されるということは、その個人にとつては、極めて重大な問題でありますから、これは慎重に取扱わなければいけない、こういうふうに思うのであります、そこで当然にさつき楠見氏からも聞かれたことが問題になつて来るのでありますが、審査会の審査基準を法律で最小限度規定する必要があるのではなかろうか。こういう追放というような重大な問題、或いはその解除というような問題は、單なる行政措置として一任してしまうということでなしに、重大な問題については、一応の審査基準を法律できめる必要があるのじやなかろうか。これはさつき私が問題にしました新たな追放の場合もそうでありましようし、又それを解除するという、この今審議しておる法律に直接関係する審査会の審査基準についても同様だと思うのでありますが、その審査基準をやはり最小限度のものを設けておく必要があるのではなかろうか。恐らく実際に審査する場合には、無方針で審査を進めて行くのではなくして、一応の方針が立つて、それに基いて審査が行われるものと考えるのであります。そうしますというと、審査をやつて行く上の基凖の大綱は、問題の重要性を考えるならば、法律自身に規定しておくのが慎重を期するゆえんではなかろうか、こういうふうに思うのでありますが、この審査基準等の問題についての御意見を更にはつきりお伺いしておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/17
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018・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 只今少し誤解がおありかと思うのですが、団体等規正令に関する問題は暫く別にしますと、今のこの追放者というのは、終戰までの行為によつて公職から追放された人です。こういう人を今後新たに又指定して追放しようという考えは毫もありませんし、又その必要はないと考えます。で、問題は、今まで追放になつた人が事情の変化、本人の考え方の変化等によつてどの程度解除して行くかという問題になる、それも一定の基準といいますか、そういうものもあることはあるとしましてもですね、一般の社会情勢の変化によつて、例えばもう民主主義が非常に確立されているから、元の多少軍国主義的の考えの人が公職から追放されていたが、これが解除になつても、もう民主主義態勢は崩れる心配はないということになれば、これは解除してもいいという議論が出て来るわけであります。それは一般の社会情勢政治情勢、その他によるもので、このほうはだんだん変化して行くのであるから、法律で以てきちんとこの程度のものは解除だということを書くよりは、そういうものを書かずに非常に良識のある、いわゆる学識経験者を以ての審査会で十分審議してもらつたほうが効果がいいのじやないか、こう思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/18
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019・三好始
○三好始君 私は、新たな追放という言葉を使つたのは、団体等規正令の適用を受けるもの、追放令による追放指定を受けるものも実質的には同じような結果になるので、問題を一括して申上げたに過ぎないのであります。この審査基凖の問題について別に法律を設けなくて、良識を持つた委員がそのときの情勢、事情に基いて判断してきめたほうがいいというような意見でありますが、これは私必ずしも賛成しかねるのであります。この問題は一応は本日はこの程度にしておきますが、次の問題として、審査をして行く委員を七名総理大臣が任命するという制度に案ではなつておりますけれども、問題をやはり慎重に取扱つて行くという趣旨から行きますというと、これを国会の承認を得て任命する、こういうことにするほうが慎重を期するゆえんではなかろうかと思うのであります。と申しますのは、追放の解除の問題は事実上はどうかわかりませんけれども、新聞、その他を通じて世間に与えておる印象は、何らか政治的にこれが手心を加えられたかのような印象も確かにあるわけであります。慎重を期する立場からは、委員の任命には国会の承認を必要とするということが、一応考えられるのでありますが、これについてのお考えを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/19
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020・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 速記をとめてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/20
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021・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/21
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022・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/22
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023・三好始
○三好始君 さつき官房長官の言われたうちで、ポツダム勅令が講和條約発効後も日本の義務としてこれを続けて行かなければいけないのだというような印象を受けるお話があつたかと思うのですが、つまり整理基準を設ける場合に、ポツダム勅令の内容を変えなければいけないことにもなる、こういう表現もあつて、そういう印象を受けたのでありますが、そうしますというと、講和條約とのものに触れて、今両條約の委員会をやつておる方面にも触れて来ることになるかと思うのでありますが、講和條約とポツダム勅令との効力の関係はどういうことになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/23
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024・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これはその内容によるのです。例えば日本の若干の土地を連合軍が占領をするという規定があります。これは講和條約が発効すれば当然なくなります。併しながら、例えば永久に追放せらるべしということを日本が受諾しておる場合、ポツダム政令は、これは講和條約と同時に乗り換えをしなければならん。講和條約に関連する法案かなんかで日本が仮に永久にこういうことをしようということを受諾しておれば、講和條約になつても、やはり永久というのですから、約束で何等かの形で守らなければならん。ポツダム宣言は効力を失うことになつても乘り換えるものがなければならん。つまりポツダム宣言の内容によつていろいろ変るだろうと思う。民主主義を確立するということは、ポツダム宣言にあるから、これがなくなつても、そういう約束をやつてるから、民主主義の確立ということを日本の憲法なり、法律で実現を図るようにして行かなければならん。もう講和條約ができたから、これは御破算にするということにはならない、こう考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/24
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025・三好始
○三好始君 追放令を規定しておるポツダム勅令は、民主主義という一般問題でなくして、もつと具体的な内容に関する問題でありますが、その内容が義務として継続するかどうかということについては、相当大さい問題でもあると思うのであります。私の了解しておるところでは、戰犯等については、講和條約ではつきりしおると思うのでありますが、追放令そのものの具体的な規定が、條約発効後も義務として守らなければならんということについては、私、本日は準備なしの常識にて質疑をしておるのに過ぎませんから、更に調査した上で機会を改めてお尋ねいたしたいと思いますが、一応追放令というような具体的なものを義務として続けて行くということについて、やや腑に落ちかねるという気持だけはあることを申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/25
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026・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 私は追放令そのものがずつと残るというのじやない。その精神が残るであろうから何かしらの形において少し残るであろうということを申上げておるので、追放令そのものが続くとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/26
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027・成瀬幡治
○成瀬幡治君 先ほど団体等規正令のお話が出まして、全然別にというお話があつたのですが、日本人が、日本人同士を追放するのはおかしいじやないか、そういう点が非常に有力な意見で目下研究中である、こういうふうに了解してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/27
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028・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) いや、それはただ私の感じだけでしてね、そうじやなくして、要するに我々が守つて行こうという民主主義に対して、これを破壊しようという分子が仮にあれしたときに、公職からこれを追放しなければ民主主義というものは守れないか、追放しなくても、ほかのことで守れないか。これが研究の題目、要するに民主主義維持ということについての邪魔を排除する方法如何ということでやつておるので、その方法としてはなるべくならば、同じ日本人同士は公職追放という措置をしないで済むものならばそのほうがいいじやないかという気持がある。こういうことを申上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/28
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029・成瀬幡治
○成瀬幡治君 先ほどもお話が出ました追放令との関係なんですが、私もどうもよくわからないのですが、今後そうすると、政令で出たものは残して行かれると思うが、書簡で出たようなものはあると思う。それで追放されたもので、そういうようなものは先ほど山花君の質問によつて明らかになつたのですが、受付けるし、講和発効されて来ると、そういうものはどんなことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/29
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030・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) マツカーサー元帥の書簡で出たもの、占領下におきましては、法律と同様に効果はあろうと政府は考えます。それでなければ、個人の権利を侵害するような追放という措置は、行われないはずであります。従つて講和後でも、そういう措置をされた人に対しては、まだ有効に継続しておると、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/30
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031・成瀬幡治
○成瀬幡治君 いやそうではなくして、私は講和発効後も効果があると、こういうふうに見ていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/31
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032・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/32
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033・成瀬幡治
○成瀬幡治君 その次に委員の国会の承認にからんでとかくの噂があるということ。委員の任期というような点について何かお考えになつて、そしてまあこんなふうに考えられたので任期などを入れるというふうなことについて検討されたことがあるか。この点についての御意見を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/33
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034・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 任期の問題も考えて見たのですが、併しこれはちよつと時間的に今となつては無理かも知れませんが、占領下における措置として行いたいと、こう思つたのでありますので、独立後は或いは別の考え方も出て来るかも知れない。併し、すぐにそういう根本的に改正するということはできない。これでずつと暫らく進んで行かなければならん。講和條約発効後も九十日間は占領軍の清算期間でもありますから、そういう意味で、期間を区切ると特に書きませんでしたが、まあ一年もかかるとは考えておらない。早く委員会の仕事はもつと早く終る、そういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/34
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035・竹下豐次
○竹下豐次君 簡單にお尋ねしますが、第一條、ほかにもあるかも知れませんが、著しく不公正であると認めるに至るという、その著しくというのは、何か特別な意味があるのでしようか。ちよつと考えますると、公正である場合には解除してやるということが正しいのであつて、それが著しかろうと著しくなかろうと、やつぱり許してやるべきじやないかという気特もするのですが、特に著しいという言葉を使つたのは、何か特別のものがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/35
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036・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 速記をとめて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/36
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037・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ではちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/37
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038・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/38
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039・竹下豐次
○竹下豐次君 これは私のほうで調べればわかることでありますが、急に調べられないのでお尋ねするのですが、指定の解除があつたときの恩給にしろ、年金、その他の権利又は資格の復旧ですか、それは指定の解除のあつた日においてという、従来、今日まで指定の解除になつたものもやはりこの通りの解除を受けておることになつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/39
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040・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは前に訴願委員会を設けて、追放解除を行いましたときは、指定が誤りであつたとの認定でやりましたから、その代り極く少数しか追放解除にならなかつた。ところが追放になつた日から遡つて権利を回復した。本年非常に多くの人を追放解除にした。これは追放されたときは、当然追放の理由があつたけれども、情勢の変化や本人の考え方の変つて来たことやらで、今では追放する必要はない。そこで今は追放になつていることは、諸般の事情から著しく不公正であるというので解除した。従つて本年解除された人は、追放解除になつた日から権利を回復しておる。今回も同様の考え方です。指定が誤りじやないのだ。指定は誤りじやないけれども、今になつては不公正になつているから、解除された。そういうわけですから、解除された日から恩給等を開始する、こういう考え方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/40
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041・竹下豐次
○竹下豐次君 これも私の記憶がはつきりしないからお尋ねするけれども、従来ありました訴願審査委員会の委員、これは国会の承認を求めておりましたか、求めてなかつたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/41
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042・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは従来は国会の承認を求めずに総理大臣が任命いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/42
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043・竹下豐次
○竹下豐次君 その通りなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/43
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044・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) そういうわけなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/44
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045・成瀬幡治
○成瀬幡治君 先ほど何かお聞きしていましたときに、この法律は講和発効前になくなつてしまうというような大体仕事を進めて参つた。なくなるというようなことをお聞きしたわけですけれども、そうしますと、団体等規正令の追放を受けた人を、今後もこういう訴願された問題を解除して行くというような機関も必要になつて来ると思いますが、その点前のことを私が聞き間違えたのか、その点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/45
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046・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これはつまり今追放になつている人は、すべて訴願をするであろうという建前の下にいたしておるわけであります。そして訴願をしたものについては解除するか、解除しないか、解除しない場合には本人を呼んで直接意見を聞いてからでなければ解除をしないということをきめる。こういう方法でしておりますから、全部今追放された人は網羅されておりまして、更に人を追放するかどうかは全然きまつておりませんから、ここでは考えておりません。こういうわけです。そこでその仕事はできるだけ早く運びたいから、今となつては講和條約発効のときまでに全部終るとはちよつと言えませんけれども、それに九十日のまだ猶予期間がとにかくありますから、そのうちには終りたい、こう考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/46
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047・成瀬幡治
○成瀬幡治君 お話は現に団体等規正令が生きていて、追放することができることになつている。それが根本的にあなたが先ほど研究中であつた云々という点で、そういうものがないのだという前提に立たれてのお話を承わつて、あなたがそういう御意見であるならば、私は遡つてこれがなくなるのだということについて非常に期待していたということなのですが、これは意見ですからそれでいいですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/47
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048・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) それは今の団体等規正令のみならず今の追放令も生きております。そして例えば国内にある人は全部済んだとしても、仮にシべリアから帰つて来た人が追放令に該当するかどうか。新たに追放するという場合も法律上なきにしもあらず。実際上はどうかわかりませんが、そういう点は法規上からいえば、団体等規正令も一般の追放令もまだ生きております。で将来の、今後どうするか。これは実際の問題ですからわかりませんけれども、ただ法律で考えておりますのは、追放されておる人に対してどういう措置をするか、こういうことだけしか法律ではちよつとそれ以上のことはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/48
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049・上條愛一
○上條愛一君 この一万八千名残つている人は申請をしないというと、解除の手続をしないということなのですか。申請をしない人でも、適当な機関を以て政府みずから審査するということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/49
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050・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは申請を全部してもらわなければならないことになつておりまして、例えば第一條にも内閣総理大臣は云々と途中にありますが、解除の申請に基いてと書いてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/50
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051・上條愛一
○上條愛一君 申請をしない人は今後ともずつと永遠に残ると、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/51
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052・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 形式的にはそういうことになります。従つて今回は生きている人のみならず、亡くなつた人にも解除の申請をすることができる、こういうことにしてできるだけ申請を出させるようにするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/52
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053・上條愛一
○上條愛一君 もう一つ私知りませんので、御質問するのですが、この残つた一万八千名というものは、一応は追放に値いするかどうかということを審査して残つたものですか。これは審査せずに残つているものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/53
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054・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは政府の資料に基いて審査して、そして只今は追放解除はできないということで残つたものであります。併しこれは政府の一方的の資料に基いてやつたものですから、今度は本人から資料を出して、そして公正に見て行く、こういう考え方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/54
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055・上條愛一
○上條愛一君 それでは一万八千名というものは、政府の資料に基いては、追放は継続すべきものであるという意向の下に残つている人でありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/55
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056・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/56
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057・三好始
○三好始君 さつき問題の出た審査会委員を国会の承認を得て任命するという問題と政党色の問題でありますが、私は国会の承認を得るということにしたからといつて、委員が政党色を帶びる虞れはないのじやないかと思う。むしろ国会は政党色を帶びるような委員を阻止する、政党色をおびている委員を阻止するという消極的な役割しかできないわけでございまして、承認を求められる側の国会から積極的にこういうものを委員にせよという要求ができるわけでもありませんので、立場というのはただ消極的に不適当だと思うものを承認しないというのにとどまるのでありまして、国会の承認を得るような制度にしたから政党色をおびる虞れがあるということは全然考えられないし、問題は逆じやないかと思うのでありますが、さつきの官房長官のお話なんですが、その点腑に落ちないのでありますが、もう一度お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/57
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058・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 今のお話は速記をとめて申上げたのでありまして、ここに速記にとることは工合が悪いのですが、おつしやる通りです。国会は決して政党色でされるものではないと思いますが、私の希望から言いますと、訴願委員会をできるだけ早く、作つて、早く仕事をしてもらいたいと考えております。というのは、講和條約発効の日もさう遠くないと予想されますから、その間にできるだけ仕事をしてもらいたい、こう考えておりますので、只今のところではこの政府の案で御承認を願うほうが諸般の関係上法案の成立が早く、訴願委員会の成立が早くなり得るので……。従来もずつと訴願委員会はたしか過去ニ回ありまして、それから公職資格審査会というのが今年作りましたものもありますが、いずれも総理大臣の任命であつて来たのであります。仕事を早くする意味において、その法案で御承認を願いたいに政府は希望するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/58
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059・三好始
○三好始君 委員はそれでは大体内定しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/59
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060・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) まだそこまで行つておりません。併しこれはまあ国内で誰が見ても成るほどと思うような人を任命したいと思いますので、そういう人はそうたくさん数があるわけでもありませんから、本人が承諾してくれれば、そう時間がかからないで、人選等は一週間もあれば人選をして、交渉して承諾を得るというところまで行くのじやないかと思いますが、まだ人選については、正直なところ全然考慮しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/60
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061・三好始
○三好始君 誰が考えても納得できるような人選であれば、国会の承認を求めたからといつて非常に遅れるという心配もないのじやないかと思いますが、そうしますと、大事な問題を扱う委員は一応国会の承認を得てから任命するという手数を履むほうが正しいのじやないかと、そんな気持がするのであります。これは意見になりますから、これ以上申しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/61
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062・竹下豐次
○竹下豐次君 もう一つお尋ねしたいのですが、官房長官の先ほどの御説明で、この審査請求書の提出の期限は無制限だというようなお話ですが、そうですか。何か私の間違いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/62
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063・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは別に期限を切つておりません。ですけれども私の先ほど申上げましたのは、委員会の員の任期が別に制限はないということなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/63
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064・竹下豐次
○竹下豐次君 委員の任期が……、審査の請求書は期限があるのですか。提出の期限は…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/64
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065・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) それもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/65
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066・竹下豐次
○竹下豐次君 それはどういうのですかね。多いと言えば多いのですけれども、一万を越しておりますから、期限を切られたら提出者のほうで、いろいろな準備をするのに準備ができかねて困るから、成るべく困らないように助けてやりたいからというようなお考えで期限を切られないのですか。この前あれほど多数なものをお扱いになつたときにちやんと期限を切つてあつたように思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/66
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067・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) この前期限をつけまして、ラジオや新聞等にも出して広告したわけなんですが、それでも知らない人がありまして、期限を延ばさざるを得なかつた。延ばしましていよいよ締切つて、一年も経つてから、まだ自分は知らなかつたからというようなものが非常にありまして、非常に困つたのです。期限を切りますと、期限が切れたときにそのあとで出した人の取扱いに非常に困るものですから、今度は人数も少いし皆出すだろうと思いますが、期限は切らずに置こう、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/67
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068・竹下豐次
○竹下豐次君 いつかはお切りにならなければ、やはりいつまでもそのままにしておかれるわけにはいかないでしよう。委員七名は少数ですけれでも、任命されれば僅かな金額ではありますけれども月給も要るわけでしようし、ただいつまでも委員だけ任命しておいて、ずつと見送つておくわけにいかないでしよう。或る時期までには期限をお切りになる必要があると思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/68
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069・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) お話はその通りです。その通りですが、我々のほうの希望は、相当新聞等で、この法案がきまりました、早く出せ、早く出せということで、できるだけ早く出させるつもりでおります。期限を切りますと、どうも工合が悪いのですが、だんだん経ちますともうあと出さない人は何百人だとか何十人だというようなことも言いまして、できるだけ早く出せるようにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/69
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070・竹下豐次
○竹下豐次君 そうすると、成るべくそういう人たちの落ちのないように寛容な態度をとつてやる、或る時期が来たならば又打切る時期も来るだろう、こういうふうに理解してよろしいのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/70
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071・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 実際はそういうことにせざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/71
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072・楠見義男
○楠見義男君 今の期限の問題なんですが、一応形式的にいえば、この委員会は相当長期間続くというふうに見られるのですがそう見ていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/72
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073・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは成るべく早く始末をつけたいと思うのですけれども、ちよつと期限をつけますと、どうも仕方が非常にむずかしいのです。というのは、講和條約発効という不定期な一つの日取りがありまして、その先になつてもいいのか。これは占領中の規定なんですからして、追放令というのは、法規的にいえば、その建前は占領中に解除できるものは解除してしまいたいという建前なんです。最終的にそこがはつきりしないものですから、期限がなかなかつけにくいという点があるのです。決して長く置いておくというつもりはありません。まあ仮に三月発効になれば、六月で、九十日の期限を切る。そのくらいのときまでには仕事を全部終りたいというつもりなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/73
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074・楠見義男
○楠見義男君 もう一つは非常に細かいことなんですが、現在我々の委員会で定員法をやつておるのですがね、この委員会の庶務は内閣総理大臣官房でやると思いますが、これは現在の人で大体やり繰りして庶務をやる、こういうふうに理解してよろしいのですか。、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/74
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075・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) これは法案を出しましたのは、今ですけれども、大分前から話を進めておりまして、こういうものが出たときに庶務は内閣官房でやるということで、定員もそれのできるだけの定員を今のところ残しておるわけであります。そのほうはできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/75
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076・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/76
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077・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
今一つ伺つておきますが、教職員の追放問題でやはり残る人があると思いますが、それの処置については、この法案以外のものになりそうに思いますが、それはどうなるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/77
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078・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 教職員のほうも別に考えなければならんと思います。これはちよつとむずかしいのですが、いつもこつちが……、ちよつと速記を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/78
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079・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/79
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080・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記始めて。それでは内閣委員会はこれで休憩いたしまして、三時から農林、大蔵との連合委員会を開きす。但し、大蔵委員は、今日出席はありません。さように御了承願います。
午後二時四十二分休憩
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午後五時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/80
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081・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは内閣委員会を開会いたします。内閣委員会の諸君にお諮りをいたします。文部委員会から連合委員会開会の要求がありました。これに対して同意することに御異存ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/81
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082・楠見義男
○楠見義男君 どうでしよう。それは文部委員長に代表して文部委員会の結論をこの委員会で発言をしてもらうということにしたら……。(「賛成」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/82
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083・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 委員長に対して、連合委員会を開きましても、開いた場合に、やはり代表的に質疑して頂きたいということは、常に交渉を続けて来たのであります、やはりその点につきましては同様に取計らいたいと思います。楠見君の御意見は連合委員会をむしろ開かない、拒絶して、そして委員長に代表質問してくれ、こういうことでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/83
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084・楠見義男
○楠見義男君 ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/84
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085・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 交渉はいたします。文部委員会においてはすでにそのことを決議しておりますから、委員長が主として質問するということに十分納得してもらうように努めまして、やはり連合委員会を開いては如何かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/85
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086・楠見義男
○楠見義男君 実は、私はだんだんとこういうふうに延びて来ますと、十日間の会期延長では審議できんと思うのです。こういう調子では……。そこで流すつもりなら問題はないのですが、かねて申上げるようにできるだけスピードを上げて、勉強をしてやりたい。こういうつもりでおる際に、次々と連合委員会の申出があつて、連合委員会の申出があつたときに委員長だけに御発言を願うということは、これはこちらの希望であつて、他の委員のかたの発言を拒否することは、これはできないと思うのですが、ですから我々は、例えば農林省についても、文部省についても、通産省についても、各省別に入つて行くのでありますから、従つて特に早急に文部委員会として御発言の希望があるとすれば、それは文部委員長として御発言願つて、そのほかの問題は、各省ごとに審議をする際に、委員外議員としての発言でも結構だから、これは委員外議員の発言は、委員長この間も申上げましたが、うちの委員長は必ずそれは許可せられるのだから、その際にやつてもらいたい。実は私ども本日も聞きたいことはずいぶんあつたのですが、併し農林省の時間があるから、そのときに内閣関係の、内閣委員の人々は讓つておるのです。そういうような行き方をしないと、先ほども繰返して申上げるように、十日間や二週間ではこの法案は審議できないような感じがするものですから、特に私の意見を申上げます。但し委員会の皆さんがたの御意見でそうじやなくて、連合委員会を開いたほうがいいというような御結論であれば、私はあえて自説は固執しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/86
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087・溝淵春次
○溝淵春次君 只今の楠見氏の意見に賛成します。で文部委員のほうのいろいろな御意見はあると思いますが、委員長が適当なときにおいで願つて御意見は言つて頂くことにしまして、連合委員会は開かない前提で内閣委員会の審議を本格的に一つお進め願うように願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/87
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088・三浦辰雄
○三浦辰雄君 大蔵委員会とのことは、この法案で残つておるのでありましよう。そこであの際委員長がお話になられましたのは、委員長から一名程度ということでありますから、でありますから私はこの際もうあとになつて先のほうはよくてあとのものは駄目だということでなしに、文部については、ずいぶん疑問の点が我々としても聞きたい点があります。ですから同様なこれは相談で、委員長のほうの連絡で大蔵委員会程度のことでおやりになるほうが委員会としてはいいと思います。その分はあとで取返すということが妥当だと思う。その後においてあらかじめ他の委員会に対して実はこの内閣委員会としての審議の関係から、こういう状況であるということを了解を求めて、申出の前に先に楠見委員の言われたような扱いにすることをもう一回了解を願つたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/88
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089・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/89
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090・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは速記を始めて下さい。
それでは、只今楠見君の御意見にもありましたし、これに対して委員諸君が多数御賛成でありますから、内閣委員会と文部委員会との連合委員会は、これを開かないことにきめまして、文部委員長に対しまして文部委員長みずから出て来られて、或いは一名ぐらい委員のかたがあるかも知れませんが、そうして適当に発言するように交渉するように取計います。さように御承知願います。それで明日は十時から内閣委員会を開会いたします。そうして定員法について審議をいたします。御承知願います。ではこれを以て散会いたします。
午後五時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101214889X01219511116/90
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