1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年十一月二十一日(水曜日)
午前十時十五分開議
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議事日程 第二十号
昭和二十六年十一月二十一日
午前十時開議
第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案(第十回国会内閣提出、同衆議院送付)(委員長報告)
第二 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第三 農業共済再保険特別会計における家畜再保險金の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の讓與並びにこれに伴う財政措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 公職に関する就職禁止、退職種に開する勅令の規定による覚書該当者の指定の解除に関する法律案(内閣提出)(委員長報告)
第六 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送る)(委員長報告)
第七 農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
第九 失業対策事業費国庫補助増額等に関する請願(委員長報告)
第一〇 失業対策事業資材費国庫補助増額に関する請願(二件)(委員長報告)
第一一 香川県美台村の失業対策事業に関する請願(委員長報告)
第一二 特需関係労働者の労働條件改善に関する請願(委員長報告)
第一三 担保川改修工事促進に関する請願(委員長報告)
第一四 災害復旧費国庫補助に関する請願(委員長報告)
第一五 鵡川、平取両村間道路改修促進等に関する請願(委員長報告)
第一六 北海道熊石八雲準地方費道改修促進に関する請願(委員長報告)
第一七 高知県別府村別枝地すべり地帯防災工事促進に関する請願(委員長報告)
第一八 高知県森村笹ノモト砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第一九 高知県長者村地すべり地帶砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第二〇 高知県大崎村宗津、大薮両地区砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第二一 高知県加茂村御鉾谷防災工事施行に関する請願(委員長報告)
第二二 江川川上流砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第二三 桐見川ゴロメキ砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第二四 江差岩内線準地方費道開さくに関する請願(委員長報告)
第二五 国立公園大雪山観光自動車道路開設に関する請願(委員長報告)
第二六 特別都市計画事業費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)
第二七 土地区画整理委員会委員の任期等に関する請願(委員長報告)
第二八 指定府県道三原呉線改修工事促進に関する請願(委員長報告)
第二九 朱太川切替工事施行に関する請願(委員長報告)
第三〇 北海道大谷地せき止工事等施行に関する請願(委員長報告)
第三— 北海道倶知安、赤井川村間道路開さく等に関する請願(委員長報告)
第三二 北海道大沢村白神、吉岡村間海岸道路全通に関する請願(委員長報告)
第三三 北海道福島町福島、岩部間道路開さく工事継続施行に関する請願(委員長報告)
第三四 国道四号線中一部改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第三五 北海道準地方費道入舸岩内線開さく工事施行に関する請願(委員長報告)
第三六 北海道美河、奥高見間道路開さく等に関する請願(委員長報告)
第三七 地方費道江差瀬棚線中一部改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第三八 幌別川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第三九 岩手県の災害復旧工事費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)
第四〇 加茂川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第四一 根知川上流砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第四二 国道十六号線補装工事促進に関する請願(委員長報告)
第四三 福島、山形両県連絡道路中一部改修工事促進に関する請願(委員長報告)
第四四 中小河川江花川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第四五 利根川中流部河床しゆんせつ工事施行に関する請願(委員長報告)
第四六 災害復旧事業費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)
第四七 北海道準地方費道江差岩内線中一部開さく工事促進に関する請願(委員長報告)
第四八 夕張市清水沢、鹿島間道路開さく工事継続施行等に関する請願(委員長報告)
第四九 北上川右岸姉体築堤工事施行に関する請願(委員長報告)
第五〇 火災によるり災者に住宅復興資金融通の請願(委員長報告)
第五一 火災によるり災町村に公営国庫補助庶民住宅建築資金追加割当の請願(委員長報告)
第五二 埼玉県入会地内上江橋架設工事継続施行に関する請願(委員長報告)
第五三 横須賀市追浜転換工場地区再接収中止に関する請願(三件)(委員長報告)
第五四 岡山県下のけい流砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第五五 福岡県小倉市の都市計画用地買収費国庫補助等に関する請願(委員長報告)
第五六 国道三号線中別府、中津両市間改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第五七 夷隅川増田橋改築工事施行に関する請願(委員長報告)
第五八 県道冨山岐阜線中庵谷峠トンネル開さく工事施行等に関する請願(委員長報告)
第五九 ルース台風による災害復旧費国庫補助等に関する請願(委員長報告)
第六〇 余野川の災害土木助成工事施行に関する請願(委員長報告)
第六一 江部乙、雨竜両村間準地方費道の石狩川に架橋の請願(委員長報告)
第六二 災害復旧事業費全額国庫負担に関する請願(委員長報告)
第六三 豊平川架橋に関する請願(委員長報告)
第六四 福岡市席町地内農地借上料増額に関する請願(委員長報告)
第六五 北海道清水町、日高村間道路開さくに関する請願(委員長報告)
第六六 兵庫県由良町海岸地盤沈下工事施行に関する請願(委員長報告)
第六七 府県道高知中村線中荒倉トンネル開さく工事促進に関する請願(委員長報告)
第六八 ルース台風災害救済に関する請願(委員長報告)
第六九 ルース台風による災害復旧応急費国庫補助の請願(委員長報告)
第七〇 ルース台風によるり災者の収容住宅増築の請願(委員長報告)
第七一 公共施設災害復旧費全額国庫負担に関する請願(委員長報告)
第七二 土木災害復旧工事継続施行期間短縮に関する請願(委員長報告)
第七三 ルース台風による災害復旧の請願(委員長報告)
第七四 福岡県十龍線県道新設工事促進に関する請願(委員長報告)
第七五 巨瀬川川尻開さく工事施行に関する請願(委員長報告)
第七六 筑後川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第七七 府県道宇美青柳線改修工事促進に関する請願(委員長報告)
第七八 不動産取引法制定に関する請願(委員長報告)
第七九 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法中一部改正に関する請願(委員長報告)
第八〇 北海道道南地方の国道等整備に関する陳情(委員長報告)
第八一 国道十八号線改良工事施行に関する陳情(委員長報告)
第八二 越辺川外二河川改修工事促進に関する陳情(委員長報告)
第八二 災害復旧事業費国庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
第八四 建築関係法令の整理統合に関する陳情(委員長報告)
第八五 北上川柳津橋架替に関する陳情(委員長報告)
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001・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/1
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002・三木治朗
○副議長(三木治朗君) これより本日の会議を開きます。
この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。議席第二百五十四番、地方選出議員、富山県選出、館哲二君。
〔館哲二君起立、拍手〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/2
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003・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 議長は本院規則第三十條により館哲二君を内閣委員に指名いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/3
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004・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、お諮りいたします。奥むめお君から海外旅行のため会期中請暇の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/4
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005・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつて許可することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/5
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006・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程第一、租税特別措置法の一部を改正する法律案(第十回国会内閣提出、同衆議院送付)、日程第二、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、日程第三、農業共済再保險特別会計における家畜再保險金の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、日程第四、学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の讓與並びにこれに伴う財政措置に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/6
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007・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長平沼彌太郎君。
〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/7
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008・平沼彌太郎
○平沼彌太郎君 只今上程されました租税特別措置法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
本案は第十国会より継続審議となつておる法案でありまして、その内容の一点は、先に実施せられた漁業法によつて旧漁業権が全部消滅し、新漁業権が民主的な方法で再配分されるに伴いまして、旧漁業権等の所有者に対し補償金が交付されるのでありまするが、現行税法では資産再評価税、所得税、法人税等相当多額の税負担となりますので、これを軽減するため六%の資産再評価税のみを課するようにして、漁業改革の実現を容易ならしめようとするものであります。第二点は、土地收用法等によつて土地その他の物件が收用された場合に交付される補償金についても同様な課税上の問題が生じますので、右と同様な課税軽減の特別措置をしようとするものであります。
本案審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じますが、審議中の質疑の主なものを一、二申上げますと、一委員から、漁業権証券の本年度の償還予定額は五十五億とのことであるが、これを更に十億を増額して六十五億償還することはできないかとの質疑に対し、池田大蔵大臣から、御希望に副い得られるものと思うとの答弁があり、又一委員から、来年度農林漁業資金融通特別会計において、漁業関係に特に別枠として十億円の融資を考慮してもらえるかとの質疑に対し、根本農林大臣から、責任を以てできる限りの努力をしたいとの答弁がありました。質疑を終局し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。
本案の趣旨は、現行の外国為替資金特別会計法におきましては、外国為替管理委員会の業務の委任は、日本銀行に対してなし得る規定があるにとどまりますので、この際日本銀行がその委任された事務の一部を外国為替銀行に再委任し得る旨の規定を設け、外国為替銀行の外国為替管理委員会に対する地位を明確にし、外国為替資金特別会計の事務の円滑を図ろうとするものであります。
本案審議の経過につきましては、速記録によることを御承知願いたいと存じます。かくて質疑を終局し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、農業共済再保險特別会計における家畜再保険金の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案という長い表題の法律案について御報告申上げます。
農業災害補償法に基く家畜共済の対象となつております牛及び馬の平均危險率を見ますと、昭和二十五年度において、乳牛の結核病は三二・六倍、牛の流行性感冒は九二・六倍、馬の伝染性貧血は八・四倍と、従前予想し得なかつたほどの異常事故が発生したために、これに要する再保險金の支拂額は、通常予想される事故のための再保險金の支拂額一千四百十七万余円を上廻り、二億二千七百五十八万余円に達し、その麦拂財源に著しい不足が生ずることとなるのであります。而してこの支拂財源の不足に対しては、農業災害補償制度の趣旨に鑑み、一般会計からの繰入金を以て補慎することが適当と思われますので、農業共済再保險特別会計の家畜勘定に生じた再保險金の安拂財源に充てるため、昭和二十六年度において一般会計から二億一千三百四十方三千円の繰入をいたそうとするものであります。
さて委員会の審議に当りましては、熱心なる質疑応答が交されたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることといたしたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲與並びにこれに伴う財政措置に関する法律案について御報告申上げます。
従来学校及び保育所における給食用ミルク及び小麦等につきましては、米国政府の寄贈、又は米国対日援助見返資金の支出によつて賄われておりますが、今後は政府の負担において本年度内の給食を継続する方針をとり、所要の経費を補正予算に計上しているのであります。これに伴う必要な法的措置を講じようとするものであります。ミルクにつきましては、買入契約したものが本年度内に輸入できないために、買入財源として一般会計から食糧管理特別会計への繰入を年度内に終らない場合は、支拂に支障を来たさないように、繰入できなかつた金額を来年度に繰越して使用できることとする等、所要の規定を設けようとするものであります。
本案審議の詳細は速記録に譲ることを御承知願います。かくて質疑を終り、討論採決の結果、全会一致を以て原案過り可決すべきものと決定した次第であります。
右御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/8
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009・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。
先ず租税特別措置法の一部を改正する法律案、農業共済再保險特別会計における家畜再保險金の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲與並びにこれに伴う財政措置に関する法律案、以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/9
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010・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/10
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011・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 次に、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/11
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012・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/12
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013・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 日程第五、公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令の規定による覚書該当者の指定の解除に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
〔河井彌八君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/13
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014・河井彌八
○河井彌八君 公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令の規定による覚書該当者の指定の解除に関する法律案の内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
本案は内閣委員会において二回審査をいたしまして、去る十七日に全会一致を以て可決すべきものと決定いたしたのであります。
ポツダム政令に基く公職追放に関する勅令、即ち昭和二十二年勅令第一号、これが去る六月の改正によりまして、追放の指定が公正を欠くと認められましたものについては、内閣総理大臣はその指定を取消し得ることに相成りましたので、政府はこれまで訴願を受付けまして二回ほど大幅に追放解除をいたしたのであります。更に本年の六月からは政府自身の調査に基きまして、最近まで多数の解除数を見た次第であります。併しながらなおその解除に至らずして解除洩れになつている人員が大体一万八千余名となつているのであります。そこでこの際、これらの人々に対しまして十分なる審査をいたしまして、そうして大幅の解除をしようということが本案の要点であるのであります。
そこでどういう人々がどのくらい未解除になつて残つておるかと申しますると、A項といたしまして戰犯及びその容疑者三千三百九十一名、B項といたしまして陸海軍人の上級の人が主でありますが、それから特務機関等一万三千百九十七名、C項といたしまして極端な国家主義者或いは暴力団体のごときもの四百四十九名、D項といたしまして大政翼賛会、翼賛政治会等二百二十二名、E項といたしまして日本の膨脹に関係した各種機関の役員十七、F項といたしまして占領地の行政長官等三十四名、G項といたしまして各省大臣、官吏、特高、経済界、言論報道界の人々、在郷軍人、武徳会の役員等四百四十四名、そのほか法務総裁の指定いたしました解散団体の役員二百六十六名、総計で一万八千十三人がこの審査の対象となるのであります。
そこでこの審査をいたしまするためには公職資格訴願審査会というものを作りまして、これを内閣総理大臣の諮問機関といたすのであります。そうしてその決定権は内閣総理大臣に属するということになつておるのでありますが、内閣委員会において愼重審議を遂げました結果明らかになつた事柄を申上げます。それは申請は、不公正な取扱を受けておる者は何人といえども申請することができる。それは追放を受けておる本人ばかりでなしに、死亡者であつた場合にはその遺族又関係者という者が解除の申請をすることができるのであります。そうしてそれは書面を以てし、証拠書類を付けて訴願をするのであります。総理大臣は、この書面を受けましたときには速かに公職資格訴願審査会にこれを付議しなければならんというのであります。そうしてこの資格訴願審査会は七名の委員を以て成るのでありまするが、これは政党等に関係なく、最も公正な審査をすることができる立派な人を網羅して組織しようというのであります。で、それは勿論総理大臣の任命によるものであるのであります。そうして審査の結果解除を受けるというときにはどうなるかと申しますと、解除を受けた人は、その解除を受けた日から当然各種の資格を取戻すのであります。従つて又、恩給、年金その他の利益もその日から回復いたすのであります。但しここに問題になつておりまするのは、軍人或いは準軍人の人々であります。これらの人々は解除になりましても、昭和二十年勅令第五百四十二号の恩給法の特例に関する件というのがありまして、これによりまして、どうしても今のところではこれを受けることができないということになるのであります。その他の人々は解除と同時にこの特殊の利益を受けるということに相成る次第であります。
そこでこの訴願審査会において、審査をする基準というものはどうであるだろうかという問題につきましては、別にこれは基準を制定することはできない。できないが、大体は追放の解除の見込のないものと申してよかろうと思いますが、戰争犯罪による受刑者、極端な国家主義者、或いは暴力主義者或いは反民主主義者というようなものは、どうも解除せられることは困難だろうということであります。それから最後に、教職追放の人々はどうなるかと言えば、この法律によつては訴願等の利益は認められないのであるが、いずれはさような取扱をするように、立法を要するだろうということであります。
大体それらの点が明らかになりまして討論に入りましたところが、この訴願審査会を設けて、まだたくさんの人々に対する不公正と考えているところの追放をば解除するという途を開くことは最も大切なことであつて、この訴願審査会の任務は極めて重要なものである。その任命につきましては、国会の承認を経るということが適切とは考えるけれども、又各種の事情も勘案しなければならんのであるから、その選任につきましては、政党的な支配を受けるとか、影響を受けるとかということのない最も適正な委員を選任してもらいたい。そうして愼重にこの審査を遂げまして、適正な結果を得るようにということを希望せられたのであります。これは各委員からさような発言がありまして、只今申上げました通り、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/14
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015・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/15
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016・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/16
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017・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 日程第六、漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
〔木下辰雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/17
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018・木下辰雄
○木下辰雄君 只今議題になりました漁業法の一部を改正する法律案につきまして、水産委員会における審議の経過並びにその結果を御報告いたします。
新漁業法によりまする漁業制度改革の一環といたしまして、許可漁業についても、漁業の民主化を図ろうという見地から、現在の許可制度に再検討を加えまして、漁業制度改革を円滑に実施する必要があるということと、又先に総司令部から日本政府に勧告がありました、いわゆる「日本沿岸漁民が直面している経済的危機とその解決策としての五ポイント計画」なるものに掲げられておりますところの濫硬漁業を禁止して、水産資源の枯渇を防止する必要があるという、この二つの見地からこの法律案が立案されたのであります。
この法律では、漁業許可の権限は大部分都道府県知事に委任するのでありまするが、その許可し得る限度を農林省において把握して、漁業の調整を図ろうとするのであります。而してこれに要する経費は、五カ年間に約三十億円余を必要とするのでありまするが、今回は補正予算で小型機船底曳網漁業の減船整理費として二億四百万円、瀬戸内海機船船曳漁業の減船整理費として二千万円が計上されておりまするので、その整理の実施に必要な事項を本法において制定しようとするものであります。
今その内容について申上げます。第一は、中型まき網漁業であります。これは現在も都道府県知事の許可でありまして、その数は現在三千カ統ありまして、更に殖える傾向がありまするので、これを六十トン以上の大型漁船は大臣の許可といたしまして、又中型でも特殊海域のものは大臣の許可といたし、その他はすべて都道府県知事の許可に委ねまするが、農林大臣が都道府県ことに定めた枠の範囲内で許可をなすことにいたした次第であります。
第二は、小型底魔網漁業であります。これは現在その数三万五千隻ありまして、沿岸において酷漁濫獲の甚だしいものであります。而してこの船には十五トン以上のものと、十五トン未満のものとありますが、ここに言う小型底曳網漁業は、一応十五トン未満のものと定めて、十五トン以上のものは第一に減船整理の対象といたしまして、漸次十五トン未満のものに及びまして、昭和三十一年度までの五カ年間に一方五千隻を整理して、この漁業の健全なる発達を図ろうとするのであります。而してこれらの減船整理の手続基準等は別の法律で定めることといたしまして、目下審議中であります。
第三は、瀬戸内海機船船曳網漁業の減船整理をするための規定であります。この漁業は主として「いわし」及びその他の稚魚を採捕するもので、自然稚魚の濫獲を来たしますので、農林大臣の定めた枠の範囲で知事が許可し、その他は減船整理をするものであります。
この法律案は政府提案で、衆議院が修正可決して本院に送付になつたものであります。衆議院の修正の点は次の二点であります。即ち第一は、農林大臣が許可の総枠を定める場合に、政府原案では、「中央漁業調整審議会の意見をきかなければならない。」とあるのを、関係都道府県知事の意見をも聞かなければならないということに修正いたしたのであります。
第二は、附則の第三項として左の一項を加えたのであります。即ち、「主務大臣が定める海域において、総トン数十五トン以上で主務大臣の定めるトン数に達しないスクリューを備える船舶により、底びき網を使用し、主務大臣の定める漁法によつて行う漁業は、昭和二十九年三月三十一日まで小型機船底びき網漁業とみなす。」という二つの修正であります。
委員会は、十一月七日から審議を重ねましたが、主なる質疑を申上げますと、中型まき網漁業において大臣許可になる特殊海域というのは、どういうところを予定しておるかという質問に対しまして、政府は、第一は北部太平洋海区、即ち青森県から千葉県までの海区、第二は中部日本海海区、これは石川県から兵庫県までの海区、第三は西部日本海海区、これは鳥取県から長崎県に至る海区を予定しておるとの答弁がありました。それに対しまして、北海道海区は最も重要な海区であるが、これを大臣許可にしない理由はどういうわけかという質問に対しまして、政府は、北海道海区は重要な海区であるが、一行政管区であるから、府県同様知事の許可にするつもりであるとの答弁がありました。又衆議院修正の附則第三項において、主務大臣の指定する海域とはどこを指しておるかという質問に対しまして、政府は徳島県の北灘村を指しておる。この漁村は全村が整理の対象になる十五トン以上の底曳網漁業をなしておるので、これを一時に整理すると、漁村全滅の虞れがあるので、三カ年の余裕期間を置いたのであるという答弁がありました。その他種々質疑応答がありましたが、これは速記録によつて御承知願いたいと存じます。
かくて十一月の二十日に質疑を終了いたしまして、討論に入りましたところ、秋山委員から次のような強い希望條件を附して賛成の意を表されました。即ち、衆議院が修正した附則第三項は、法の運用如何によつては、本法制定の趣旨を根本より覆えす虞れがあるから、行政措置については、質問の際答弁された趣旨を厳重に守つて万遺憾なきを期せられたい。又青山委員から、北海道海区は世界三大漁場の一つであり、我が国としては最も重要なる海区である。よつて省令を定める場合には、この海区におけるまき網漁業許可権は、北部太平洋海区、中部日本海海区、西部日本海海区同様に大臣の権限とすべきであるという強い希望條件を附して賛成するという意見が発表されました。
よつて討論を終結し、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/18
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019・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/19
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020・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/20
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021・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 日程第七、農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長羽生三七君。
〔羽生三七君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/21
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022・羽生三七
○羽生三七君 只今議題となりました農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案の農林委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
農漁業協同組合及び森林組合並びにこれら組合の連合会のうち、その経営が悪化してみずからの力のみによつてはその建直しが困難なものにつきまして、政府から財政的支出その他の援助を與えて再建を行わしめるため、過ぐる第十国会において農林漁業組合再建整備法が成立したのでありますが、本改正法律案は、右の法律に対して大要次のような改正を行わんとするものであります。即ち第一は、政府から奨励金の交付を受けなければ自力では再建整備の困難な組合に対して交付される奨励金は、増資奨励金と固定化資金利子補給金の二通りがあるのでありますが、このうち増資奨励金、即ちその組合が指定した日以後における拂込済出資金の増加額に対して交付せられる奨励金は、毎年度拂込済出資金の増加の実績を基礎として算出される関係上、これが金額をその年度内に交付することが極めて困難でありますから、一部は翌年度において交付することができることとなさんとするものであり、第二は、再建整備を行う組合が合併によつて解散した場合において、合併によつて成立した組合又は合併後存続する組合が再建整備を行う場合の諸規定を明文化すると同時に、かかる合併組合に対しても法人税法の特例の規定を適用するの途を開くこととなさんとするものであり、策三は、法人税法の特例を設けて、再建整備を行う組合は昭和二十六事業年度末決算に計上された欠損金のうち、昭和二十五事業年度に生じた欠損金で繰越されておるもの及び昭和二十六事業年度に生じた欠損金は、これは昭和二十五事業年度以降において他の組合を吸収合併したために引継いだ欠損金も、又合併によつて新設された組合が被合併組合から引継いだ欠損金をも含めてでありますが、昭和二十五年度に青色申告をした組合であると否とにかかわらず、昭和二十六事業年度において青色申告をなし、且つその後の事業年度において引続いて青色申告をすれば、これらの欠損金を生じた事業年度以後五カ年以内の各事業年度において法人税法の所得の計算上損金に算入されて、当該年度の益金から控除され、繰越された欠損金の範囲内の剰余金に対しては課税が行われないこととなし、これに伴つて青色申告書提出のための承認申請書提出期限に特別措置を設け、且つ再建整備組合が昭和二十七事業年度以後合併によつて解散した場合において、合併組合が再建整備を行うときは、合併組合が被合併組合から引継いた欠損金のうち、昭和二十五及び昭和二十六事業年度に生じた欠損金についても所定の條件の下に所得計算上損金に算入することができることとなさんとするものでありまして、委員会におきましては、農林漁業組合再建整備の趣旨に鑑み、妥当且つ当然の措置と認め、全会一致を以て内閣提出、衆議院送付案の通り可決すべきものと決定した次第であります。 右御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/22
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023・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/23
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024・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/24
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025・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 日程第八、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長梅津錦一君。
〔梅津錦一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/25
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026・梅津錦一
○梅津錦一君 只今議題となりました検疫所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
今般連合国最高司令部総司令官からの覚書によりまして、入国指定港といたしまして、室蘭港、釜石港、舞鶴港、下津港、徳山下松港等が追加されました。これらの港における検疫業務を実施するため、厚生省設置法第二十條第三項の規定により、その地に検疫所の支所又は出張所を設け、外航船舶の運航経済に便宜を與えると共に、海外貿易を促進して業務の万全を図りたいというのが政府提案の理由の大要であります。
厚生委員会におきましては、十一月五日、十九日の両日に亘り審議を重ねましたが、格別の質疑もなく、質疑を打切り、討論を省略して採決に入りましたところ、全会一致を以て本件は承認すべきものと決定いたしました。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/26
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027・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與えることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/27
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028・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/28
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029・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程第九より第十二までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/29
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030・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長中村正雄君。
〔中村正雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/30
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031・中村正雄
○中村正雄君 只今議題となりました請願第三十九号失業対策事業費国庫補助増額等に関する請願ほか請願四件につきまして、労働委員会におきます審議の経過並びに結果を御報告いたします。
請願第三十九号、請願第二百六十五号、請願第三百六十七号失業対策事業費国庫補助増額等に関する請願は、いずれも失業対策事業の資材費の国庫補助を増額されたいとの請願であります。
次に請願第三百六十八号香川県美合村の失業対策事業に関する請願は、山間僻寒の美台村の失業対策事業を拡充強化されたいとの請願であります。
次に請願第七百五十九号特需関係労働者の労働條件改善に関する請願は、特需関係下の労働者は雇用水準の低下による労働時間の延長、強制残業、深夜作業の強行等労働條件の悪化が甚だしいから、これが改善を図ると共に苦情処理機関の設置並びに組合活動の自由を確立されんことを要望されておるのであります。
以上請願五件は、いずれもその願意妥当なるものと認めまして、これを採択し、議院の会議に付し内閣に送付すべきものと決定いたしました。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/31
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032・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/32
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033・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/33
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034・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程第十三より第七十九までの請願及び日程第八十より第八十五までの陳情か一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/34
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035・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長小林英三君。
〔小林英三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/35
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036・小林英三
○小林英三君 只今議題となりました日程第十三から第七十九の請願六十七件及び第八十から八十五件の陳情六件につきまして、建設委員会の審査の経過並びに結果を報告いたします。
これらの請願、陳情は河川の改修、砂防工事の施行に関するもの十九件、道路橋梁に関するもの二十九件、災害復旧、特に先頃のルース台風の災害に関するもの十三件、住宅及び建築法令に関するもの三件、都市計画事業に関するもの三件等でありまして、いずれも国土の保全開発、住宅の復興、都市整備等のため、これを採択し、日程第七十八及び第七十九を除き内閣に送付すべきものと決定いたしました。
なお日程第五十三の横須賀市追浜転換工場地区再接收中止に関する請願三件につきましては、同地域は旧海軍航空技術廠跡でありますが、先に当時の米海軍基地司令官の特別の配意により、接收を、解放されましたので、地元は業者の誘致、育成に努めました結果、今日においては二十二会社、工場に及ぶ多数の会社、工場が業務を営んでおるのであります。請願者及び紹介議員の説明によりますると、これら二十二会社の資本金は約八千万円、従業者千八百名でありまして、建設に要した経費約三億九千五百万円、借入金四億一千万円を投じ、今日では年産二十億円に上り、将来同市産業の一中心地帶をなすべき状況にありますことは、先に制定を見ました旧軍港都市転換法の趣旨にも合致するものであります。又同地域の施設は、当初は賠償指定中でありましたので、業者は一時使用の許可を得て業務を開始したのでありますが、その後賠償指定も解除されて、その一部は業者が買取つておる実情であります。以上のような状況にありまする同地域に対しまして、今後若し再接收が行われまするといたしまするときには、関係業者はもとより、地方にも重大なる影響を與えることと考えられるのでありますので、委員会といたしましては、特別調達庁長官、外務省連絡局及び大蔵省管財局当局より、本件に関しまする諸般の事情を聴取審議したのでありますが、詳細な速記録によつて御承知を願いたいと存じます。政府当局の説明によりますると、占領軍当局におきましては、我が方の利益保護のためには多くの配慮が拂われており、又本件に関しては他の候補地も物色されておるようでもありまするし、この際政府は更に最善の努力を拂つて、本件に対して善処するよう特に要望しまして、本件を採択し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/36
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037・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、日程第七十八及び第七十九の請願のほかは、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/37
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038・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、日程第七十八及び第七十九の請願のほかは、内閣に送付することに決定いたしました。
本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五分散会
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○本日の会議に付した事件
一、新議員の紹介
一、議員の請暇
一、日程第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案
一、日程第二 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案
一、日程第三 農業共済再保險特別会計における家畜再保險金の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案
一、日程第四 学校及び保育所の給食の用に供するミルク等の譲與並びにこれに伴う財政措置に関する法律案
一、日程第五 公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令の規定による覚書該当者の指定の解除に関する法律案
一、日程第六 漁業法の一部を改正する法律案
一、日程第七 農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案
一、日程第八 地方自治法第百五十六條第四項の規定に甚き、検疫所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件
一、日程第九乃至第十二の請願
一、日程第十三乃至第七十九請願
一、日程八十乃至第八十五の陳情発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101215254X02119511121/38
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