1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年六月五日(木曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長 松本 七郎君
理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君
理事 前田榮之助君
逢澤 寛君 淺利 三朗君
宇田 恒君 高田 弥市君
西村 英一君 三池 信君
中島 茂喜君 増田 連也君
池田 峯雄君 佐々木更三君
出席政府委員
建 設 技 官
(河川局長) 目黒 清雄君
委員外の出席者
建設事務官
(河川局防災課
長) 賀屋 茂一君
専 門 員 西畑 正倫君
専 門 員 田中 義一君
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六月三日
琵琶湖総合開発に関する陳情書外三件
(第二一八四号)
住宅対策推進に関する陳情書
(第二一八五号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部
を改正する法律案(淺利三朗君外二十五名提出、
衆法第六四号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/0
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001・松本七郎
○松本委員長 これより建設委員会を開会いたします。
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案、淺利三朗君外二五名提出、衆法第六四号を議題といたし、これより質疑に入ります。質疑は通告順によります。池田峯雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/1
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002・池田峯雄
○池田(峯)委員 こういつたようないわゆる議員提出法案なるものが予算措置を伴わぬ場合には、いろいろ問題があるようでありますが、はたして予算的措置の裏づけが可能であるかどうか、この点について提案者に御質問したいと思うのであります。可能であるならば、どの程度の予算的措置が現在見通しできるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/2
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003・淺利三朗
○淺利委員 この予算の問題は国費全体に関連する問題でありますが、これは現在の予算の範囲でもやればやれるのであります。なぜならば、過年度災害においても、政府の方針としては三箇年内にこれを復旧するという計画を立てておりましても、財政の都合によつてそれが実現できないということで、今日まで延びておるような状態であります。ただこれが補正予算等について特に裏づけがなければ、予定の事業量が減り、また年度が遅れるということはありますけれども、直接ただちに予算の上において支障を来すということはないのであります。ただわれわれといたしましては、将来こういうことをやる以上は、これに伴うところの予算の裏づけをなるべく多くするように今後とも努力を要する、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/3
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004・池田峯雄
○池田(峯)委員 現在の予算の範囲でも、事業年度を延ばすとか、そういつたことによつて、この法律は何ら矛盾なく施行できる、こういう御説明でありますが、なるほどそうでございましようけれども、それではこの法案を出した効果というものがなくなるというふうに考えられるわけでありまして、どうしても予算的措置が伴わなければ、画龍点睛を欠くようなものになるのではなかろうかというふうに考えられるわけであります。従つてこの点につきまして、建設大臣あるいは大蔵大臣等から政府の予算編成方針についての説明を、私は直接承りたいと思うのでありますが、提案者の方でそういうことを折衝されたかどうか。折衝されたとして、どういうような回答があつたかどうか、これを御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/4
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005・淺利三朗
○淺利委員 この問題については、大体建設委員の大部分の方が提案者でありまして、委員長からも私からも直接大蔵大臣及び主計局長とも交渉をいたしたのであります。主計局長のごときは、むしろこの超過工事は現状でもやれるというような誤解を最初持つておつたのでありますが、この第四条の括孤内の規定において、それがいけないということが判明したものですから、これに対しては同意をいたしておるのであります。ただ十万円以下の市町村の工事については、あまりにこまかいのを取入れるのはどうかということで、事務的には多少の意見がございました。ところが大蔵大臣の方は逆に、超過工事の方は金額が多いからそこに難点を持つが、市町村の十万円以下のものはあまり重きを置かない、こういうことでありまして、この両方の意見を調整しまして、結局この法案を提出することについて、積極的な賛意は表しませんけれども、まあ出されてもやむを得ない、こういう程度まで進んで参つたのであります。それからただいま予算委員会の理事会にも行つて説明いたしまして、大体社会党の人にも改進党の人にも、与党はもちろんのこと、了承を得て参つたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/5
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006・池田峯雄
○池田(峯)委員 昭和二十七年一月一日以降発生した災害に対して適用するのでありますから、今どのくらいの予算がかかるか、これはちよつとわかりませんが、例を昭和二十六年度にとりまして、昭和二十六年度における災害を、十五万円以上のものに補助した場合と、かりに十万円に満たないものを除外して、その他のものに補助をする、こういう建前でやつた場合とを比較対照いたしまして、昭和二十六年度においてはどれだけの金を余分に支出しなければならなかつたか。こういつた数字的な資料がおありでしたならば、それをひとつお示し願いたいと思うのであります。
〔委員長退席、内海委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/6
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007・淺利三朗
○淺利委員 ただいまの十五万円と十万円の差額については、今日まで実際において十万円以上というものは調査の範囲外でありますので、確実な計数はつかみ得ません。ただ建設当局が参つたら、正確な統計もできるでありましようが、私どもの今日まで調べた範囲によりますと、大体一億五千万円程度でありはせぬか、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/7
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008・池田峯雄
○池田(峯)委員 重ねてお尋ねしますが、一億五千万円程度余分に支出すれば、十万円以上の災害に対しても国庫が補助することができる、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/8
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009・淺利三朗
○淺利委員 これは要するに災害の状況によつていろいろ変化があるのであります。一つの市町村において、十万円以下の工事が何箇所もあるというような場合もありますし、あるいはまた十万円を越えた工事も二、三箇所以上あるというような場合もありまして、これは一概には申せぬので、十五万円で切るのが正しいか、あるいは十万円で限界を設けるのが正しいか、あるいは市町村全体の災害費が五十万円、六十万円に達するにかかわらず、局部的にはみな十万円以下であつたという場合にはどう見るか。これはかねてより当委員会においてしばしば問題になつたことであります。ただ今日の現状から見ますれば、大体市町村の財政の窮迫の状態からいえば、十万円程度のものを取上げてこれを援助するということであれば、市町村の財政の窮迫を緩和することができると思うのでありまして、それで大体この程度に引下げたわけであります。しかし予算の実施から見ますれば、やはり緩急軽重によつて十万円を超えた工事であつても、その年度にただちに実施するか、あるいはほかの重要な工事で急を要するものがあるからその方を先にしてこれがあとまわるかということは、要は予算全体のわくの問題にからまることと思うのでありますから、予算のわくさえ十分ふえて参りますれば、ぜひこういうものは引下げるという方針で進めてもらいたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/9
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010・池田峯雄
○池田(峯)委員 かりに昭和二十七年度において十万円に満たないものに対しても国庫負担の対象にするというようなことにいたじますと、どの程度の予算的措置が必要であるか、そういうことを提案者は御研究なさつたことがありましようか、ありましたならはその金額をお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/10
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011・淺利三朗
○淺利委員 これは過去の災害についてはすでに認定も済んでおります。また今日になつて過去の分を調査するということは至難でありますから、過去には適用せぬのであります。でありますから、二十七年の一月以降に発生した工事から適用する、こういうことにいたしておりまするが、二十七年の災害はどういう様相をもつて起るか、あるいは起らぬか、また起きた場合においても十万円以上の工事が多いか少いかという問題は、実は今日の段階においては正確なる推定を下し得ないのであります。でありまするから、過去の実例から見てただいまわかつておるところは、これも推定でありまするけれども、一億五千万円程度じやないか、こういう推定を基準として考えれば、今後においてもこれまで程度の災害があつた場合はどうなるか、こういうことで考えるほかないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/11
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012・池田峯雄
○池田(峯)委員 ですから、おそらく想像になると思うのですが、想像というのは過去のいろいろな災害の量、その他を照し合して大体昭和二十七年度においてどのくらいの災害が発生するかということを予想するわけであります。その予想において、十万円に満たないものを含めた場合にどの程度の災害額に達するかという予想がつくであろう、こういうことなんでありますが、そういうことも勘案して、そうしてこの法律をつくられたと思うのでありますからして、もし十万円に満たないものにまで国庫が負担することにすれば、総額としてどのくらいになるだろうかということをお尋ねしたわけでありますから、その点もう一ぺんお尋ねしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/12
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013・淺利三朗
○淺利委員 大体これは池田さんも私も将来の見通しについては同じ程度の認識だろうと思うのであります。先刻申し上げました通り、二十七年度に現われる状態はどうなるかということは予想はつきませんが、その年によつては十五万円以下の工事の多い場合もありましようし、割合に少い場合もありましようから一概には言えませんけれども、大体過去に五百万円程度災害があつた、こういうふうに仮定いたしましたならば、先刻申し上げたように大体一億五千万円程度じやないか。これも過去の計数を正確に調べておりませんから推定でありますが、この推定が基準となつてこのくらいになる。そうすれば国家予算の大綱から見ても一億五千万円によつて市町村の窮乏は緩和される、これによつて災害がただちに防除されて将来の拡大を防ぐという効果があれば、この改正は相当に意義あるものと考えるのでありまして、この点は池田君も私も、その認識の程度においてはあまり差がないのでありまして、これ以上申し上げても結局水かけ論になりはせぬかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/13
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014・内海安吉
○内海委員長代理 池田ざん、河川局長がお見えになつておりますから、そういう具体的な数字の問題は、かえつて政府委員にお尋ねになつた方がよくわかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/14
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015・池田峯雄
○池田(峯)委員 それでは河川局長にお伺いいたしたいと思います。先ほどから質問しておることは、この法律を離れまして、災害の国庫負担を十万円に満たないものにまで適用するとすれば、総額どのくらいが必要であろうか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/15
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016・目黒清雄
○目黒政府委員 これは過去でも十万円以下のを調べたことはありません。十五万円で一応切つておりますから、結局十万円以下は推定に基く数字ですが、これから毎年五百億くらいの災害があると仮定いたしまして申し上げますと、それの二割が町村工事ですから、百億が町村工事です。それのせいぜい二%くらいだろう。そうすると一億五千万円から二億円くらいの範囲でこれがまかなえるのではないか。そうすると全体の五百億に対しては非常に少い金とわれわれは推定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/16
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017・池田峯雄
○池田(峯)委員 そういたしますと、十万円に満たないものにも、この災害復旧のための国庫負担をやりましても、国庫としては大したことはない、こういう結論に達するわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/17
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018・目黒清雄
○目黒政府委員 その通りであります。大体大した金じやないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/18
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019・内海安吉
○内海委員長代理 前田榮之助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/19
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020・前田榮之助
○前田(榮)委員 実は私も今池田委員から御質問になつた点をお尋ねしようと思つたのでありましたが、今お答えがありましたから、それで了解することにいたしますが、ほかに一点提案者に御意見を聞きたいことは、今参議院においては、会期延長を二週間に議決をいたしておりまして、おそらく衆議院もこの二週間会期延長を同意するのではないかと想像いたしておるわけであります。しかも参議院における会期二週間というものは、現在参議院にかかつておりまする重要法案と考えられるものだけを審議する上から見通しをつけて二週間と決定いたしたようでありまして、議員提出案等その他の法律案は審議することを欲しないというような問題まで、この会期を決定する場合において議論になつたそうでありまして、従つて本法案を今こちらで審議いたしましても、参議院で審議未了になるという公算がきわめて多いわけでありますが、こういうこと等について、参議院側との御交渉も——せつかくここで議決をし、本会議を通過いたしましたら、われわれといたしましても両院を通過せしめて、法律としてこれを成立せしめたい、またせしめるような見込みのないようなことでは困る。こういう立場からいたしまして、その点を非常に心配いたしておるわけでございますが、参議院側に対して、この法律だけは何とかやつてくれぬかというように向うの建設委員長等と御懇談をなさつたり何かする考えがあるか、また今までされたことがありますか、この点お伺いいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/20
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021・淺利三朗
○淺利委員 本来この問題は、昨年の九州、山口方面の甚大なる災害を機会として起つたのであります。御承知のごとく災議員連盟ではしばしば集会いたしまして、衆参両院議員の問にこの問題が台頭して、その結果ここに議員提出となつたのであります。本来ならば参議院の諸君にも御賛成を願うつもりでありますけれども、議員立法の性質といたしまして、衆議院に提出するのは衆議院の議員だけがこの提案者となる、あるいは賛成議員となる建前でありますので、衆議院だけで今回は提案いたしております。しかしながら、この問題についての要望は参議院議員のうちにも多数あるのであります。ことに提案の前に建設委員の多くの方々とかねて話合いをいたしておりまして、むしろ参議院の方から早く出してくれ、なぜいつまでもぐずくしておるかという催促まで受けておるような状態であります。でありますから参議院におきましても、この必要を痛感される方は建設委員は大部分であり、ほかの委員からもその声があるのであります。ごとに法案の審議はたくさんありましても、建設委員会の法案として参議院に残されているものは、そうたくさんはないのでありまして、参議院においてもこの問題はそう長く審議を要することはないだろうと私は推定しております。今日の情勢からいえば、先ほど申し上げた通り、むしろ参議院側から早くこつちへまわしてよこせという催促さえ一部の方から受けておる状態でありまして、私はこの問題については、参議院においてことさらに審議を延ばすようなことはないんじやないかと楽観いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/21
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022・前田榮之助
○前田(榮)委員 ただいまの問題につきましては、提案者を代表して参議院の提案理由に当られる淺利委員に、ひとつ参議院における御奮闘をお願いいたしておきます。
次に目黒河川局長に一言お願い申し上げておきたいのは、工事の十万円と十五万円の差額については今お答えがあつたわけでございますが、原形復旧と改良工事との関係であります。従来建設省がとつて参りました原形復旧は、今の情勢としては不適当と認められるので、必要な改良工事も災害費用として認めるべきであるという建前を本委員会でとつて参つたのであります。従つてそういう関係での原形復旧のその際行う改良工事を加えた費用が、二十六年度においてはどのくらいの額になつておるか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
〔内海委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/22
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023・目黒清雄
○目黒政府委員 大体災害の残額が千百億ばかり現在あるわけですが、そのうちに超過工事が百五十八億で、これが二分の一とその率を上げますと、三十六億九千万円ばかり出るわけでありますが、これは全体でありまして、本年度のように二百数十億の予算でありますると、大体十七億ばかり不足することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/23
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024・池田峯雄
○池田(峯)委員 先ほど私が質問したことが少し誤解を受けておる。私の質問したのは、この法律では十万円以下の災害は除くのでありますが、これを除かないて十万円以下の災害まで全額国庫負担の建前をとつて行くことになると、一体どのくらいの金が必要になるだろうか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/24
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025・目黒清雄
○目黒政府委員 まだそれも推定で、現在ではちよつとお答えいたしかねると申し上げるほかありませんが、やはり何か線を引きませんと、その調査が非常に煩雑になつて、おそらくちよつとしたものでも調査しなければなりませんので、事務的に非常に困るのではないかという心配があります。われわれは、十万円ぐらいでひとつ線を引いたならばという声が町村からありますので、町村の希望をいれるのが妥当であろうと考えて十万円としたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/25
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026・池田峯雄
○池田(峯)委員 たとえば二十七年度において五百億円の災害があつたとすれば、五百億円全額国庫負担の予算的措置をすればいいと思うのですが、なぜ政府は五百億円の予算的措置をすることが不可能なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/26
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027・目黒清雄
○目黒政府委員 われわれは不可能ということを申し上げておるのではなくて、やはり自分の公共物ということからある程度地元でおやりになるという努力もほしいのではないかという考え方もあるわけです。そこで十万円以下をどこまでにすれば地元が納得できるかというところで一応十五万円を十万円に持つて行つたのですが、これがまたさらに町村財政が苦しくなりまして、それさえもできない状態に立ち至ればまた考えるといたしまして、一応今の段階では十五万円を十万円にして町村の財政を救つたらどうかという観点から言つておるのであります。不可能とか可能とかいう問題ではないとわれわれは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/27
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028・池田峯雄
○池田(峯)委員 提案者にお尋ねしたいと思うのですが、そうすると提案者はどういうわけで十万円というところに線を引いたのですか。市町村としてはおそらく十万円よりももつと下げてもらいたいという要望があるのではなかろうか、十万円にしてもらえば幾らか助かるかしらないが、もつと下まで下げてくれた方がよろしいというように考えておるのではないか。とすればなぜ十万円というところに線を引いたのか。これは議員提出とするとすれば、五万円かあるいは三万円くらいに下げた方が理想的ではないか、こういうふうに考えるのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/28
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029・淺利三朗
○淺利委員 これは町村の希望から見れば、全額補助まで希望し、あるいはすべての災害に対して補助を希望するということはあたりまえでありましよう。しかし今日までの調査というものは、先刻局長の言われた通り、五百億と申しまするのも現在補助の対象となる範囲だけの災害であります。でありまするから現在においては十五万円以下の災害はどれだけあるかということは、統計の上にあるいは調査の上に残つておりません。その額はどれだけあるかわからぬのであります。ことに町村の災害もピンからキリまでありますから、あるいはちよつとしたことで付近の人が二、三人公共奉仕をすればそれで直る場合もありましようし、また町村の負担でやり得る限度もあるのであります。ただ私どもがなぜ十万円の限度に切つたかと申しますれば、一方国の財政の現状から見、地方の財政の状況に照らし合せまして、一般が十五万円で、府県及び大都市が十五万円であるならば、財政の窮乏する市町村に対しては十万円程度まで緩和するということが適当じやないか、ことに多くの市町村の希望が、すでにそこに現われておりまするから、そうでありまする以上は、この程度を採用するということは国会議員としての立場の上から適当じやないか、こういう考えのもとに十万円という線を引いた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/29
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030・松本七郎
○松本委員長 これにて本案に関しまする質疑は終了いたしました。
ただいまより本案を討論に付します。討論の通告があります。順次これを許します。田中角榮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/30
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031・田中角榮
○田中(角)委員 私は共産党を除く各派を代表し、本案に賛成の意見を述べるものであります。
本案は災害復旧促進の対策として多年懸案のものであり、本法成立後は、地方公共団体の財政面に対するプラスともなり、災害復旧の促進のための具体的処置として歩一歩を進めるものであり、以上の趣旨により、賛成の意を表するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/31
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032・松本七郎
○松本委員長 池田峯雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/32
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033・池田峯雄
○池田(峯)委員 私は共産党として、この法律案に反対であります。災害は、すべてその源は歴代政府の非常な苛斂誅求と、河川に対する治水治山対策の不徹底から来るのでありまして、従つてすべて災害の根源は、これを尋ねれば政府の悪政にその根源を発するのであります。従つていかなる災害といえども、これは全額国庫が負担するのがあたりまえであります。これは警察予備隊であるとか、あるいはアメリカ軍の費用であるとか、今後ますく増強すると伝えられる莫大な軍備費、こういうものをやめて、治水治山の方面に向けて行きますならば、災害は根絶し、また起る災害を全額国庫負担にして行くようなことは、これは不可能ではないのであります。可能であるのであります。従つてそういう意味において共産党は、災害はこれを全額国庫負担にすべしという、こういう党の政策から本法律案はきわめて不徹底なもので、選挙目当のごまかし法律であるというふうに考えられますので、反対でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/33
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034・松本七郎
○松本委員長 これにて討論は終結いたしました。
これより公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/34
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035・松本七郎
○松本委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。この際お諮りいたします。本案に関しまする委員会の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/35
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036・松本七郎
○松本委員長 異議なきものと認め、さようとりはからいます。
次会は公報をもつて御案内いたすこととし、本日はこの程度で散会いたします。
午前十一時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304149X04019520605/36
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