1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月十四日(金曜日)
午前十一時三十分開議
出席委員
委員長 佐藤 重遠君
理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君
淺香 忠雄君 有田 二郎君
川野 芳滿君 清水 逸平君
塚田十一郎君 夏堀源三郎君
三宅 則義君 宮幡 靖君
宮原幸三郎君 武藤 嘉一君
高田 富之君 深澤 義守君
出席政府委員
大蔵政務次官 西村 直己君
大蔵事務官
(日本專売公社
監理官) 久米 武文君
大蔵事務官
(主税局長) 平田敬一郎君
大蔵事務官
(主税局税制課
長) 泉 美之松君
大蔵事務官
(管財局長) 内田 常雄君
大蔵事務官
(銀行局長) 河野 通一君
通商産業事務官
(臨時通商業務
局長) 佐枝 新一君
委員外の出席者
大蔵事務官
(管財局国有財
産第一課長) 松永 勇君
農林事務官
(大臣官房農林
金融課長) 林田悠紀夫君
日本專売公社理
事
(塩脳局長) 西川 三次君
日本專売公社塩
脳局塩業課長 小林 章君
專 門 員 椎木 文也君
專 門 員 黒田 久太君
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三月十四日
租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
閣提出第七〇号)
資産再評価法の一部を改正する法律案(内閣提
出第七一号)
通行税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
七二号)
災害被害者に対する租税の減免徴收猶予等に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
七三号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案
(内閣提出、第十二回国会閣法第一四号)
塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する
法律案(内閣提出第四〇号)
農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する
法律案(内閣提出第四四号)
関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第五三号)
日本專売公社法の一部を改正する法律案(内閣
提出第五五号)
国有財産特別措置法案(内閣提出第五九号)
一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日
援助物資等処理特別会計からする繰入金に関す
る法律案(内閣提出第六一号)
郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計
法の一部を改正する法律案(内閣提出第六七
号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/0
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001・佐藤重遠
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
まず昨十三日本委員会に付託されました郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案を議題として、政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。西村大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/1
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002・西村直己
○西村(直)政府委員 ただいま議題となりました郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
この法律案は、郵政事業特別会計及び電気通信事業特別会計につきまして、その経理の合理化をはかることを目的といたしたものでありまして、改正の第一点は、両会計所属の固定資産について、一般物価の変動によりその価額が著しく不適当となつた場合に、一定の基準に従つてその価額の評価がえをすることができることといたしますとともに、これによつて生ずる評価増または評価減については、両会計の経理上固定資産評価積立金の勘定を設けて経理することにいたしたことであります。
改正の第二点は、両会計所属の作業資産についてその出納の経理上必要がある場合には、その価額を改定することができることといたし、これによつて生ずる増減額については、物品価格調整引当金の勘定を設けて経理することにいたし、また作業資金を事業の用に供した後不要となつた場合に、これを売却処分しないで再び作業資産に繰りもどし、その価額に相当する額を物品価格調整引当金勘定を設けて経理することといたしたことであります。改正の第三点は、会計法の規定では、主任の職員に前渡しした資金については、その前渡しの時に支出として経理するのが建前でありますが、両特別会計におきましては、前渡しを受けた職員が現実に支拂いをしたときに、支出として経理することにいたしたことであります。
以上申し上げました諸点のほか、今回の財政法及び会計法の改正に伴いまして、所要の改正を加えることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださるよう御願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/2
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003・佐藤重遠
○佐藤委員長 次に塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案、農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、日本専売公社法の一部を改正する法律案、及び一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案の五案を一括議題として、質疑を続行いたします。質疑は通告順によりこれを許可いたします。三宅則義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/3
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004・三宅則義
○三宅(則)委員 私は、ただいま議題になつておりまする塩田に関しまする件につきまして、一昨日も質疑をいたしましたが、二、三残つておりまするから、この際申し上げたいと思うのでございます。日本の塩田事業につきましては、昨日も専売公社の総裁の御出席を得まして、質疑を続行したわけでございまするが、日本の内地製塩だけでは足らない。内地の生産が七十万トン、こういうふうに承知しておるわけでございまするが、外塩も相当これは輸入しなければならぬということは当然でございます。外塩に対しましては、計画的にこれを輸入することになつておりましようか。さらにまた講和が成立いたしました以後におきましては、どういうふうに外塩を輸入する計画でありましようか。久米監理官の答弁を得たいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/4
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005・久米武文
○久米政府委員 ただいまお尋ねの外塩の輸入の問題でございまするが、外塩はもちろん計画的に輸入いたすことに相なつておりまして、内地製塩の方は政府の基本的な方針といたしまして国内の食料塩というものは国内で自給するというのが、根本的な建前に相なつております。大体さしあたりの目途を国内製塩七十万トンといたしております。なお本日この席上に提出いたしました資料におきまして内地塩の製造能力を示してございますが、内地塩の製造能力は年間六十万トン、そう御了承願いたいのであります。その製塩方式別に申し上げますと、真空式で三十二万トン、蒸気利用式で二十万トン、平がま式で五万四千トン、その他で二万六千トン、合計して六十万トン。ただこれは、実際の塩田の現在の状況、あるいは戰後施設の現在の状況というものから判断したところの製造能力でございまして、現在の能力は六十万トン。別に塩専売法で塩業者が公社から許可を受けておりますが、その一許可を受けるときの製造許可高というものが別にございまして、これは七十五万トン程度に相なつておりますが、実際の能力は六十万トン。なお最近の状況は、二十四年度実績で三十九万五千九百六十四万トン、二十五年度は四十二万五千五百五十七トン、それから二十六年度の見込みは約四十五万トンとなつております。予算で予定いたしました事業計画よりは、約十万トン程度内輪になりました。従いまして、この輸入との関係を申しますると、輸入は、本年度予算上は百七十万トンで、ございましたけれども、実行上は百八十万ないし百八十二万トシという程度に考えておりまして、この輸入の方はおおむね順調にその手続を進めております。大部分はもう輸入の手配を終えております。来年度は予算で御承知の通り相当数量の輸入は予定しております。要するに国内で食料塩を全部自給するという理想的な状況まで、現在の段階では進んでおりませんので、不足分は外塩の輸入にまつということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/5
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006・三宅則義
○三宅(則)委員 わが国の製塩もだんだん進歩いたして来ると思いまするが、根本的にひとつ政府としてもお考えを願いたいのです。私はたびたび言うことでございまするが、外塩のみに依存するということは、まことにわれわれといたしましては心細い。こういう点を考えまして、もう少しく増産計画を行う必要があると思うのでございますが、政府はなぜそういう方法をお講じにならないか。外塩ももちろん重点の一つではございましようが、内地製塩に重点を置いて、外塩はそれに付随するというような線に切り替えることこそ、われわれは政府当局のなすべきことであると考えまするが、これに対しまして所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/6
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007・久米武文
○久米政府委員 塩の国内生産を十分に振興いたしましてただいまお述べになりましたような方向に持つて行きたいということは、まつたく同意見でございます。私どもといたしましても、できるだけそういうふうな方向に向つて、あらゆる施策を進めて参つたつもりでございます。今後もなお御鞭撻を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/7
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008・三宅則義
○三宅(則)委員 大分つつ込んだ話でありまするが、この製塩事業につきましては、何か制約を受けておるのではないでしようか。内地塩をこのくらい製塩しろ、外塩はこのくらい入れようというような割当、もしくはその他の示唆があつて、そういう意味合いで今までやつておられたかどうか。そういうことはないけれども、自然に要求があるから、そういうようにいたしたというのでしようか。もう少しつつ込んで御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/8
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009・久米武文
○久米政府委員 内地製塩につきましては、先ほども申しました通り、大体七十万トンのところのラインまでは、できるだけ早く持つて行きたいということで、設備の改良、あるいは政府からの低利資金の供給、その他一切の施策を、そういう方向で進めておるつもりなのでございます。ただ今御指摘の御意見の点は、あるいは終戦後のある時期においては、いろいろ司令部関係の意向その他で、内地製塩の進歩のテンポが少しゆるめられたのではないかというふうな御指摘かと思いますが、そういうふうな事情は、御承知の通り若干あつたかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/9
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010・三宅則義
○三宅(則)委員 私は今の久米監理官の御説明で大体了承いたしましたが、もう一つ申し上げたいと思います事柄は、この製塩事業はもちろん天候に災いされますときによりましては、災害があるわけでありまして、今度の改正によりましで大分よく直つて来たわけでございます。私はさらに拡大強化する意味におきまして、新たに塩田を設ける必要があると思いまするが、この設備をされる用意があるかないか。これ以上進展せしむるために、塩田を拡張する、こういう方面についての政府の御見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/10
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011・久米武文
○久米政府委員 塩田は非常に天候に左右されるところが多く、またその他いろいろ自然の條件の制約が多いわけでございます。塩田としての適地につきましては拡張ということも考えられます。しかしごく大局的な表現を用いますならば、現在あるところの塩田を改良してその塩をつくる能力を高めて行くというのが、まず第一である。自然の各種の條件がそろつた塩田適地については拡張もいたす。そういうような大体の考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/11
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012・三宅則義
○三宅(則)委員 また元へもどるわけですが、外塩につきましては、中国あるいは南方の諸地域であろうと思いますが、またポンド地域からも来ることと思います。これらにつきましては、あらかじめ年間計画を立てまして、年々専売公社を通じまして契約を続行されることと存ずるのでございますが、その処置において、多少向うに変更がある場合がありはせぬかと思います。たとえば契約にいたしましても、来年からは減らすということになりますると、こちらの方で不安が生ずるわけですが、そういうようなことは絶対皆無でしようか、どんなものでしようか、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/12
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013・久米武文
○久米政府委員 御質疑の趣旨がちよつとわからない面もございますけれども、皆無とは申しませんけれども、大体計画通り行けるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/13
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014・三宅則義
○三宅(則)委員 さらに承りまするが、きのう専売公社の秋山総裁から、海水からとることを研究しておるという、まことに耳寄りな話を承つたのであります。私は技術者ではございませんが、相当これは技術面において、あるいは経費の面において、費用がかかるものと考えるのでありますが、政府はそれについて研究と考慮を拂つておられますか。その内容をひとつ承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/14
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015・久米武文
○久米政府委員 海氷直煮——海水を直接に煮て塩をとるという方法につきましては、現在公社といたしましては、小名浜にその工場をつくつております。一万トンの能力の工場でございます。これは熱エネルギーとして電力を使いますので、電力の供給が一つの前提條件になつております。なお御承知の通り関西におきましても、民間の会社でそういう計画が進んでいる。これは発電事業と一貫の関係においてそういう計画が進んでおるという二とも、皆様御承知の通りでございます。この方法は技術的に十分間違いない方法であろうと考えております。ただ電気の供給を確保すること、その設備資金を確保すること、そういうふうな点に実際の問題があると思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/15
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016・三宅則義
○三宅(則)委員 私はこの塩田につきまして、政府が今後も十分に研究を遂げ、機械製塩、あるいは蒸気製塩、あるいは真空製塩等々ありましようが、そういうようなあらゆる部面に力を用い、たとえば農林漁業の資金の一部を融通する、あるいはその他の研究資料を提供いたしまして増産をはかる。どうかそういう方面に奨励をいたしていただきたいと思います。これにつきまして、塩はもちろん専売になつておりますが、ある程度まで民営と申しますか、あるいはほかの方に共同してやらせる、あるいは専売の一部分でございまするけれども、民間にある程度までこれをやらしめて、しかる後にこれを統制して行くのが、今日の情勢であると思いますが、大幅にもう少し民間に積極的にやらせる方法はないものであろうか、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/16
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017・久米武文
○久米政府委員 塩の製造は御承知の通り、製造したいという希望者は、製塩の許可を得て製塩をする。できました塩を公社が収納するという建前でございますので、製造そのものの、いかなる方法で製造する、またここに製塩適地があるからここで製造したいというふうな、民間のいろいろな着想というものは、塩の専売法上は製造許可という形で、民間の方のイニシアチーヴは十分に現われて来るというふうな、大体の仕組みになつておるように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/17
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018・三宅則義
○三宅(則)委員 私はその塩田の災害復旧事業につきまして今回の改正は了といたしますが、さらに私どもの考えといたしましては、これは天候に支配されますから、天候のよろしいところ、たとえば雨の少いところ、中国地方であるとか四国地方等につきましては、さらに私は拡大し得られると考えておるのでございます。これらにつきまして、農林中金あるいはこの資金の方からまわるわけでありましようが、もう少しく特別な会計を設けて、これに補助させるような方法はないものかどうか。これを一点伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/18
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019・久米武文
○久米政府委員 自然の條件が整つた塩田適地につきまして改良あるいは拡張をして行くという上の資金の面につきましては、御承知の通り農林漁業資金融通特別会計から、塩業関係について二十六年度は六億四百万円、それから二十七年度は十億という金額を予定しておりまして、全体の農林漁業の特別会計のうち、大体五%程度を塩に確保しておる。農林漁業の特別会計の中でも、いろいろその中に盛りたいという御希望の向きがたくさんございまして、塩といたしましてももちろん重要なものでございますので、そのわくの確保につきましては十分配意しております。来年度は四月以降十億ということでごかんべん願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/19
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020・佐藤重遠
○佐藤委員長 深澤義守君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/20
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021・深澤義守
○深澤委員 農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、農林当局にお伺いしたいのでありますが、大体農林漁業の資金を現在どの程度消化されているかということであります。どうも政府は農林漁業に対するこの対策をもつて日本の農業、漁業あるいは林業に対して、相当な政策をやつているのだと言われているが、事実上はなかなかこの農林漁業資金が、一般の下の方では借りることができないという状況にあるのです。そこで全体の資金のわくに対して現在何パーセントこれを消化されているか。ここにも表がございますが、なおひとつ金融課長の方から具体的な御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/21
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022・林田悠紀夫
○林田説明員 農林漁業資金特別会計につきましては、昭和二十六年度におきまして百二十億の予算でやつております。それから二十七年度につきましては、二百億の予算を計上しておるわけでございます。それで二十六年度におきましては、現在までに貸付決定を見ておりますのは、百二億四千九百万円になつております。それであと十七億五千万円ほど残つているということになつておりますが、これは積雪寒冷單作地帶の土地改良の補助金が、一月と三月の間に活定いたしまして、それに対して地元負担の八割以内の融資が十五億ほど見込まれておりますのと、林業の伐採調整が五億ほど見込まれておりますので、その点で遅れておるわけでありますが、三月一ぱいにはこれを実行するという計画にしております。現在までにすでに金が届いておりますのは、大体この貸付実行報告累計よりも十二億ほど上まわりまして、八十二億ほど手元に届いておる状態になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/22
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023・深澤義守
○深澤委員 今のお話によると、昭和二十六年度は大分資金を消化したということになつているようでありますが、そういたしますと、資金は消化したが、まだ下の方では借りたくても借りられないということになると、政府の計画しておる予定と、需要というものの間に、相当の開きがあるということになるわけであります。需要に対して何パーセント程度現在の資金で出しているか、そういう事情がおわかりでございましたら、ひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/23
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024・林田悠紀夫
○林田説明員 貸付の申請額は百五十三億六千万円ほどに達しておりまして、それに対しまして百二十億の予算で貸すということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/24
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025・深澤義守
○深澤委員 私の方の県の実例なんかを見ましても、信連等を通じて申請を出しましても、なかなか書類がむずかしくて信連が受付けない。従つて受理したものが、大体農林省の方では申請したものというぐあいになつて来るわけですが、申請の形にならない前に信連ではねられており、信連でまごついているものがたくさんあるのです。そういう事情は農林省の方はおそらくおわかりにならないと思うのでありますが、まず私は一つの例を申し上げてみたいと思います。現在の貸付のやり方は、農業協同組合を通じてやつているのであります。ところが農業協同組合の過去三箇年の実績というものを、具体的に調査をいたしまして、そしてその信用程度というものが、貸出しの基準に実はなつているようであります。そういたしますと、最近において、農協が非常に困難を来しております。私の方の山梨県におきましても、四十二組合が再建整備の組合になつております。再建整備の組合には絶対に貸せないという方針で、いくら相談に行つても断られているわけです。再建整備をいたしまして再出発しようといたしましても、再建整備による政府の補助金等は二、三万でありますから、これは問題になりません。あとの資金というものが再建整備の組合ではまつたく得られなくて、非常に困難を来している。そこで私がお聞きしたいのは、農林当局は、再建整備にかかつているような農業協同組合には、この農林漁業資金は融通しない、こういうような方針を持つておられるのか、あるいは持つておられないのか、その点をひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/25
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026・林田悠紀夫
○林田説明員 再建整備にかかつておりまする農業協同組合に対しましては、絶対に貸し付けてはいけないということは、いたしておりません。個々の場合にその資産内容を検討いたしまして、貸し付けるということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/26
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027・深澤義守
○深澤委員 そういたしますと、その資産内容というものは、今私が申し上げましたように、過去三箇年間の実績を調べて参りまして非常な赤字が出ておるというような場合においては、これは貸せないということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/27
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028・林田悠紀夫
○林田説明員 たとえば資本金が非常に小さくございまして、それに対して借入金が非常に多いというふうな場合につきましては、十分検討する余地がありますので、貸付が困難なような事態も生じますが、普通の場合で、その資金によつて再建整備もやつて行けるという見通しがついておるものにつきましては、貸せるというふうにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/28
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029・深澤義守
○深澤委員 そういたしますと、試算表等によりまして、大体資本金以上に貸出しがないというふうな場合には貸せる、大体堅実な農協に貸せるということになる。ところが最近における再建農協なんかは、再建整備をいたしまして、何十万円あるいは何百万円の負債を背負つておるところが多い。そういうところは勢い貸せないということになりまして、結局は農林省は通達は出していないが、再建農協のような状態のところには貸せないという結論になると思うのですが、その間の事情はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/29
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030・林田悠紀夫
○林田説明員 たとえばその組合が農村工業をやるというふうな事案につきましては、その資産の内容が相当問題になりますが、土地改良をやるとか、あるいは造林をやるとか、こういう公共的な施設をやつて行くという場合につきましては、貸せるということになりまして、おのおのの事項別の貸付内容によると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/30
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031・深澤義守
○深澤委員 事実上は結局再建農協は、今申しましたように、土地改良をやろうとしても、あるいはその他共同事業をやろうといたしましても、なかなか貸してくれないというのが実情でありましてこの点が実際において農林漁業が、普通の金融ベースの立場から考えて行く場合には、ほんとうに借りて再建しようとする、苦しい立場から立ち上ろうとする農村には、これが役立たないという結果になつておるというのが、私は実情であると考えておるのであります。そこで農林省は一応計画の中には酸土改良に対しまして、昭和二十六年度においては二万五千町歩を予定し、四億五千万を予定しているのであります。ところがこれが実際は、その酸土改良に関する限りはほとんど資金融通をやつていない。あなたの方から出た表によりますと、そういうことになりますが、これは事実やつておりますか、やつておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/31
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032・林田悠紀夫
○林田説明員 酸土改良につきましては、相当やつておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/32
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033・深澤義守
○深澤委員 ひとつその具体的な数字をお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/33
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034・林田悠紀夫
○林田説明員 酸土改良につきましては、牧野改良の中に相当程度含まれておりまして、大体二億予定しておりまするが、一億五千万くらいすでに決定いたしております。それでこれから出ておるわけでございまするが、そのほかに酸土改良につきましては、国の補助金によりまして相当出ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/34
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035・深澤義守
○深澤委員 その酸土改良を牧野改良の中に入れるということはどういうわけですか。どうも牧野等の地帶が酸性土壌が多いということはわかつておりますが、現在の普通の耕地でも酸性土壌が多いのであります。ところがその酸性土壌を改良することによつて、増産が非常にたやすくできるのですが、牧野に酸土改良の処置をいたしましても、牧野の生産力というものは非常に不十分であります。私は酸土改良は既成耕地に対して優先的にやるべきである、という見解を持つておるのでありますが、既成耕地にはほとんどやつていないのが現状であります。私はそこを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/35
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036・林田悠紀夫
○林田説明員 既成耕地の酸土改良につきましては、国の補助金の方で見ておるわけであります。それでこの融資につきましては、牧野改良を非常に重要視いたしまして、ことに牧草の酸土を改良するということは、有畜農業にとつて最も重要なことでございますので、その方を考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/36
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037・深澤義守
○深澤委員 そういたしますと、酸土改良は牧野改良に限つて、既成耕地の酸性土壌の改良はこの資金ではやらない、それは補助金でやる、こういうぐあいにきまつておるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/37
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038・林田悠紀夫
○林田説明員 既成耕地の酸土改良あるいはその他鉄分の不足の土壌とか、いろいろございますが、こういうような土地改良につきましては、現地融資をやつて行くかどうか、検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/38
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039・深澤義守
○深澤委員 そこでちよつとお伺いしたいのでありますが、新潟県の亀田郷、これは日本で最大の土地改良をやつております。ここに対するこの農林漁業による融資というものは、どの程度やられているのか。最近その問題にからんで不正問題が起きています。それで農林当局の中央のある人が、検察庁の喚問を受けたという話も聞いております。この間の事情がもしおわかりでありましたら、これは日本最大の土地改良のところでありますから、特に私は関心を持つていますが、この間のいきさつをひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/39
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040・林田悠紀夫
○林田説明員 新潟県の亀田郷のお話でございますが、これはおつしやるように日本最大の土地改良事業でございます。それでこの件につきましては、私もうすうす聞いておりまするが、十分な聞き方はいたしておりませんので、なお御必要がございましたら、後刻よく調べた上で御答弁したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/40
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041・深澤義守
○深澤委員 この事件の内容のいきさつはともかくとして、亀田郷に対してどの程度の融資をやられておるか。その総額がおわかりになりましたらひとつお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/41
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042・林田悠紀夫
○林田説明員 たしか七千万か、八千万ぐらいだと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/42
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043・深澤義守
○深澤委員 そこで私がお願いしたいのは、この農林漁業資金に関しましての各府県別あるいは各事業別に、従来の実績が詳細に記された資料が、たしか農林省でつくられていると思うのですが、念のためにそういう資料を大蔵委員会に御提出願えれば、非常にけつこうだと存じますが、そういう資料が御提出できますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/43
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044・林田悠紀夫
○林田説明員 現在つくりつつある状態でございまして、本日中にできまするので、あした提出いたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/44
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045・佐藤重遠
○佐藤委員長 午前中はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午後零時八分休憩
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午後二時四十四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/45
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046・佐藤重遠
○佐藤委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
午後はまず第十二国会に提出せられ、閉会中審査を経まして今国会に引継がれました在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案を、本日の日程に追加して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/46
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047・小山長規
○小山委員 ただいま議題となりました在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案につきましては、去る十二国会において提出され、本委員会において審査され、さらに閉会中の審査を受けて本国会に引継がれた法案でありますので、この際提案趣旨の説明聴取を省略し、ただちに質疑に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/47
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048・佐藤重遠
○佐藤委員長 ただいまの小山君の動議のごとく決定するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/48
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049・佐藤重遠
○佐藤委員長 御異議ないようでありまするから、本案につきましては提案趣旨の説明を省略してただちに質疑に入ることといたします。塚田十一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/49
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050・塚田十一郎
○塚田委員 この機会に、本法案は前会期に相当私もいろいろなことをお尋ねいたし、同僚委員もお尋ねになつて、大体結論が出たようであつたのでありますが、なお関係者からの強い要望がありまして本会期まで継続審議をして参つたのであります。そこで問題になつておりました点は、そのうちの一番根本のものは五万円で打切るというところにあるのでありまして、これが一方財産権の侵害になるという意見と、政府が借りたものを返さないということは、道義的によくないという考え方と二つあつたようでありますが、一応結論がこの前の委員会におきましても、今日の財政経済の実情からいたしましては、五万円では無理じやないかということで、われわれも了承して参つたのであります。しかしよくまた関係者の意向を聞いてみますと、非常に気の毒な事情にあるものがやはり相当あるのでありまして、このうちことに気の毒だと思われますのは、当時の混乱した状態におきまして行われたことでありますので、その実質においては、当然幾人かの人たちが分割して醵出されたものを、まとめてお出しになつた。ところがその証拠が十分にないために、今度の確認においては十分分割ができないでおるという件数が、かなりあるように思われる。そこで前会期の終るまでに、一応到達いたしましたわれわれ委員会の結論といたしましては、その問題と合せて、今までの申請打切り期限までに申請漏れをしているものに、相当気の毒なものがあるというので、再申請の機会を與えたいということが、当委員会の大体の共通した結論であつたのであります。そこでその点は本委員会として修正案を出す心組みでおるのでありますが、その再申請の機会に、今申し上げましたような、実質において当然幾口かに分割さるべき形様をもつておるもので、証拠等が十分ないために、かなり困難をしておられるものについても再申請——この場合には分離申請であると思いますが、分離申請の機会を與えて、そうしてその判断の基準を、当時の混乱しておつた事情をよく考慮されて最大限に好意的なとりはからいをやつていただく御意思があるかないか。この点を一点政府側にお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/50
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051・西村直己
○西村(直)政府委員 お答え申し上げます。公館借入金の問題につきまして、ただいま塚田委員からお話がありました点は、十分了承いたしたいと思うのでございます。と申しますのは、ああいう混乱の状態下におきまして行われたことだけに、あるいは分離されておつたものが、内地へ帰りましてこの法案をいじります際におきまして、あるいはその前におきまして、確認等の行為につきましてどうしても当時の事情を急速につかむために、分離ということを十分実体を確めないでやつた場合があるかもしれません。また同時に、終戦後数箇年の間寝ておつた問題をここでいじりましたために、当時住所その他の関係から、申請漏れという状況下に立つておるような人もあろうと思います。従いましてできるだけ私どもの方としては、再申請の機会がもし與えられます場合におきましては、同時にこの分離されて扱う、言いかえればまとめられたものを、当時の混乱した状態をできるだけしんしやくして分離申請を認めるような方法で扱うようにいたしたい、こう解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/51
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052・塚田十一郎
○塚田委員 いま一点お尋ねいたしたいのは、これは前会期におきましては、あまりわれわれもはつきりとそういう問題の存在を意識しなかつたのでありますけれども、今会期の、ことに予算が通過したあと、今日になつて非常に感じますことは、在外公館の借入金をこのように打切つたとはいいましても、五万円までというような相当寛大なる判断でもつて補償する。ところが今度一方で戦争で犠牲を受けた方々は、一命をなくされた方でも五万円しか、しかも公債でしか行かないというような場合、非常に不つり合いを生ずるおそれがないかということ、ことに在外公館借入金も在外資産の一種であると思うのでありますが、他の在外資産はそれでは一体どういう措置を受けるのかということ、これらのものを総合的に考えました場合に、これは前国会におきましては五万円がむしろ低過ぎるという感じが、かなり強く出ておつたのでありますが、今日の状態では五万円もむしろ多過ぎるのじやないかというふうに考えられないでもない。これらの点を政府でどういうぐあいにお考えになるか。その点をひとつ新しい事態に即して一応お尋ねしてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/52
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053・西村直己
○西村(直)政府委員 お答えいたします。御存じの通り遺家族に対しては一柱を中心としまして五万円、しかも交付公債、これ自体でも少いというような問題があり、また一面におきまして在外公館借入金を五万円で切りましたというのも、理論的根拠があるようでない、一つの目安である。これは建前からいいますならば、逆に財政支出の面からもある程度考えて行かなければならぬ。こういう点から目安の点をどこに求めるか、理論はどうにも立つと思うのであります。一方におきまして私どもが見ますように、引揚げた方々の生活というものを考えて参りますれば、そういう面において国としてある程度それを支拂つて行かなければならぬ。しかし一面におきまして今お話がありましたように、在外資産の補償にも、ややもすれば事実上関連しやすい問題でもあり、その目安の問題でありますが、私どもは今のところ財政、それから今度は気の毒であるという建前、あらゆる観点から考えて大体まあ五万円のところで打切るのが、妥当ではないかという意味で考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/53
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054・佐藤重遠
○佐藤委員長 本案に対する質疑はこの程度にとどめ、次会に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/54
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055・佐藤重遠
○佐藤委員長 次に塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案、農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、日本専売公社法の一部を改正する法律案、及び国有財産特別措置法案の三案を、一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。夏堀源三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/55
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056・夏堀源三郎
○夏堀委員 主税局長にお伺いいたします。一般金融機関の通常の貸付金に対しての貸倒れ準備積立金に対しては、法人税法の施行規則によつて免税措置がとられておるということを聞いておりますが、それはその通りでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/56
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057・平田敬一郎
○平田政府委員 金融機関と企業と両方でございますが、貸倒れ準備金といたしまして一定の金額を積み立てた場合におきましては、一定の限度を限りましてその事業年度の損金に算入するという措置を講じておりますことは、お話の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/57
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058・夏堀源三郎
○夏堀委員 一定の限度ということはどういう限度ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/58
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059・平田敬一郎
○平田政府委員 これは一般の金融機関の場合におきましては、積立て額の残高の最高限度を、期末における貸付金の百分の二、それから毎期の積立て限度を、同じく期末の貸付金高の千分の七、または利益金額のたしか三割五分、その以内において積み立てた場合におきまして損金として算入する、こういうことをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/59
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060・夏堀源三郎
○夏堀委員 農林漁業の資金融通法においてこの準則省令第七條によつて受託者が未回收元利金の二〇%の金額を、借受入にかわつて弁済することになつておるのでありますが、その受託者はこの分に対して貸倒れ準備の積立てをしなければならない、こういうことになつておるようであります。ところが現行法人税法では、この農林漁業資金融通法の面で、貸倒れ準備の積立金に対して法人税を課せられることになつておると聞いておりますが、これはどのようなことになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/60
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061・平田敬一郎
○平田政府委員 ただいまのお話はどういうものでありますか、私まだ詳細に聞いておりませんので、はたしてお答えが適当かどうかわかりませんが、その受託者がたとえば金融機関であるという場合におきましては、その受託者を通じまして貸し付けるわけでございまして、その金融機関が貸し付けました期末の貸付金の残高、並びにその期の利益金額の一定割合以内、それに該当する限度におきましては、そういうものにつきましてもやはり貸倒れ準備金は積み立て得るものと、私は了解しておる次第でございます。ただそれが単純なあつせん程度でございますれば、そういうふうにならぬと思いますが、受託金融機関が一応自分の貸付金として最終の貸付先に貸し付ける、こういう場合におきましては当然法人税法の規定によります貸倒れ準備金の制度が適用になる、このように見るべきものだと存じます。その辺の具体的内容がどのようになつておりますか。それによりましてまたはつきりさせる必要があろうかと思いますが、一般的にはそのようになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/61
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062・夏堀源三郎
○夏堀委員 この法律によるいわゆる受託者ですから、金融機関が自己資金ということではなく、政府資金を預かつておる、そのうちの二〇%は、金融機関がもし回收が不能になつて来れば、その損失を負担しなければならない、こういうことなんです。そのために二〇%を積み立てておく、こういうことになつておる。そこでその損失ということは、二〇%であるかあるいは一〇%であるか、これは未定の問題でありまするけれども、農林漁業という、貸付は結局零細な農業者、漁業者、主として組合が借り入れるということになるだろうと存じます。これは個人でもありまするけれども、そういう零細な連中への貸付金でありますから、従つて回收不能の面があるいは二〇%以上も出るのではないだろうか。これはまだ結果には現われておりませんが、私はそういうような予想をするのであります。そうであつたならば、普通の金融機関としても同一の方法をとるべきではないだろうか。ひとり農林漁業金融の融通法の法律によつて定められた、これにだけいわゆる免税の措置がないということはどういうことか、こう考える次第であります。その点をもう一ぺん御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/62
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063・平田敬一郎
○平田政府委員 今のお話の受託機関の貸付関係がどうなるのか、その辺の事情によりまして若干違うかもしれませんが、要するに税法といたしましては、受託機関の期末における貸付総額、ひとりそういう特別の資金だけではございません。その金融機関の一般の貸付資金、それからを全部含めまして、先ほど申し上げましたところで毎期千分の七、それから利益に対しまして二割五分、その範囲内にあきまして貸倒れ準備金を積み立てることができる。そういう場合におきましてはその分は損金に算入する、こういうことになつておる次第でございまして、今お話の点も、そのわくの中におそらく入つて来ると存ずる次第でございまするけれども、わくの中に入つている限りにおきましては、やはり一般の貸付と同様な扱いを受ける、このように相なるかと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/63
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064・夏堀源三郎
○夏堀委員 農林省から林田さんがお見えになつておりますが、今私が主税局長に質問しておりますることは、回収不能になる場合を考えて、二〇%の積立てを金融機関はやらなければならないんだ。それはその通りやつておるでありましよう。はたして二〇%でこの損失の補償が一体足りるのかどうか。この点に対して、まだ結果が現われないので、ちよつと御答弁はお困りになるかもしれませんが、何か見通しはわかつておると思います。この点に対して御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/64
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065・林田悠紀夫
○林田説明員 農林漁業資金につきましては、何分にも農業というものは、非常に長期の融資を要するものでありまするし、またその健全性におきましても、いろいろ考うべき余地があるのでありまして、特に貸付金の元利合計が回收できない場合に、その二割を金融瀞関で負担してもらつて、この貸付の健全性を、金融機関が融資をするにあたつて考えてもらうことによつて、融資して行きたいというふうな考えから、これをやつているわけでありまするが、この貸付にあたりましては、相当貸付を受けるものの資産内容にわたつても調査しておりまするので、そんなにそれによつて回收ができないというようなことは、ないじやないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/65
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066・夏堀源三郎
○夏堀委員 回收ができないことはないだろうと、たいへんけつこうな楽観した御説でありますけれども、これまでの結果から見て、農林漁業者に対しての貸付は、そう順調には行つていないはずであります。たとえば農林中央金庫の貸付がどうなつているか。それは帳簿に残つているからいつかは回收になるだろう。しかし帳簿に残つていることによつて、完全回收になるとは考えられない。あなたは今大丈夫だとおつしやるけれども、期限後何箇年をもつていわゆる回收不能であるか、あるいはまだ見込みがあるかということは判断ができましようか。この点どのようなお考えを持つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/66
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067・林田悠紀夫
○林田説明員 ただいまおつしやいましたように、特に回收が困難であるというようなことが予想されまするのは、たとえば災害復旧について使う資金のようなものが考えられます。その他のものにつきましては、あまり回收の困難であるということが最初に予想せられるものにつきましては、貸付を行つておりませんので、今のところは災害復旧のようなものが第一に考えられます。その他のものは、大体貸付の回收ができて行くじやないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/67
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068・夏堀源三郎
○夏堀委員 これは水かけ論になるかもしれません。農林中央金庫の帳簿を見ればわかることであつて、今全国の農業協同組合、漁業協同組合の経理がどうなつているか、ほとんど資金難で困つているのであつて、これが貸しても返せないのだということで、農中ではあまりこの貸付に対しては歓迎しないのだ。これは実際問題である。この農林漁業の今問題になつているのは、この金は政府資金である。この農林漁業者がどことなく政府資金は当然返さなくてもいいのだ、こういうようなことを考えているのであります。であるから農林省は今御答弁になりましたけれども、私の考えとしては、これは相当回收は不能である面が出て来るであろう。結果を見なければわかりませんけれども、今までの成績から見て、大体そういうふうな予想は当るのじやないだろうかと申し上げても、さしつかえはないと思います。そうした場合に金融機関が二〇%の損失を負担するために、積立金をしてあるのだ。これに対して今主税局長からいろいろ御説明がありましたけれども、普通金融機関の貸倒れ準備金に対しては、これは免税するということははつきりしておるようであります。これはいろいろ御意見もありましようけれども、今のところ農林漁業の金融の面に対しては、そういう法的措置はないのである、こう解釈してよろしいのであるかどうか。これも普通の金融機関と同様な措置をとるのであるかどうか。これをはつきり御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/68
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069・平田敬一郎
○平田政府委員 その点も今申し上げた次第でございますが、受託金融機関の場合におきましては、その金融機関のほかの貸付金と一緒になりまして、私がさつき申し上げましたような限度でそれぞれ準備金の積立てができる。従いましてそういう資金を受託金融機関を通じまして貸す場合におきましては、その貸付はやはり当該金融機関の貸付になるのではないか。もしもそういう方法ではなくて單純なあつせんでございますと、そういうことにはならないと思いますが、やはり受託金融機関が貸し付けたことになりますれば、これはやはり当然先ほど申し上げました一般の貸付金高になりまして、その部分に対しましても、先ほど申し上げました限度の以内において、それぞれ準備金の設定ができる、こういう関係になるかと思います。その辺の関係がどうなるかということにつきましては、私案は今初めてその問題をお聞きしまして、内容をそれほど吟味しておりませんので、そういうことでありますればそのようになるということをお答え申し上げまして、はつきりいたしたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/69
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070・夏堀源三郎
○夏堀委員 まだその内容を十分におわかりにならぬということですから、政府に今ここではつきりした御答弁を承ることは無理だと思いますが、あつせんという言葉が当るかどうか、やはり委任状によつて受託者となる、こういうことになつております。委任状によつて受託者となつている。そして二〇%のいわゆる損失負担をしなければならないのだけれども、これに対しては手数料が入るのだということが、まあいろいろの面で考えられましようけれども、それは積立てしてあるのだ、こういうことである。それでこの問題は法律の面では免税の措置はない、こういうようなことに考えておりましたので、なお十分にお調べの上で、もし私の考えていることが適当なことであつたならば、ひとつこれも免税の措置があつていいのじやないかと考えておりますから、ひとつお調べ願いたいと存じます。
まだ銀行局長が見えませんから林田さんにもう一点。この金融をする際に各県のわくというものがあるのが。あるいは申込金によつて貸し付けているのかどうか。これはどちらの方でありまするか、御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/70
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071・林田悠紀夫
○林田説明員 農地に対する貸付につきましては、各県のわくをつくりまして、その中から各県別に順位をきめて貸し出し、そのほかにつきましては各県のわくはきめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/71
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072・夏堀源三郎
○夏堀委員 農地に対してですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/72
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073・林田悠紀夫
○林田説明員 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/73
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074・夏堀源三郎
○夏堀委員 その他はわくはない……。この資金の融通に際しては非常にむずかしい手続を要する。金を借りることにまことに機敏な頭のいい連中は、早く申し込んでこの融通を受ける。だが中央から離れたたとえば東北とか北海道の方は、その手続というものもこのころは少々わかつたようですけれども、県自体がぼうつとしているので、その手続がおそいために、全然法律で定めた金融の恩典にあずかることができない、こういうことがあるようであります。そうしてわくがあればとおつしやいますが、わくを各県に定めても、今のように手続がおそいためにみなこれをとられてしまつた、そういう事実があるかないか。この点はいかがでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/74
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075・林田悠紀夫
○林田説明員 土地改良につきましては、今申し上げましたように県別のわくをきめておりますから、県でほかの方にとられてしまうということはないと思いますが、その他のたとえば酪農施設というようなものに例をとつてみますと、やはり早く上つて来たものについて、貸付をやつて行くというようにやつておりますので、あるいはそういうふうな点があつたかも存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/75
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076・夏堀源三郎
○夏堀委員 これは事務上のことで、ここで論じてもいたし方ありません。今申し上げたように金を借りる二との上手な人は、事務的に非常に手取り早くやる。まあこればかりじやなく、すべて諸会社がその係を置いて、金融面においては非常に機敏にやるというようなことで、地方の方ですべての金融の措置に対して恩典にあずかれるその方法を知らぬ者は、いつも非常にばかを見るということは、御承知の通りであります。私の今まで各方面から承つたところによりますと、やはりこれは手続が非常にむずかしい。近い所であればちよいちよい上京して、いろいろのことを勉強するけれども、県の方でもこの問題に対してはあまり指導面がはつきりしておらぬので、せつかくの法律も、その恩典に浴することができないという面がたくさんある。こういうことを聞いておりますので、この点を農林省の方から地方庁に対してその連絡を緊密にして、できるだけこの恩典に浴するように御措置あらんことを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/76
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077・小山長規
○小山委員 農林漁業特別会計の問題につきまして一、二点伺つておきたいのでありますが、昨年度この農林漁業特別会計制度ができましたときに、時の農地局長及び官房長の御同意を得まして、災害復旧の問題、災害復旧に対しまする資金の考え方につきましては、法本来の建前は、今年度に起つた災害に対して、それを復旧する資金ということになつているのでありますが、昨年の農地局長及び官房長のおばからいによりまして、連年農地災害の起つているような、たとえば九州とかそういう地方におきましては、過去における災害復旧費の支拂いのできない部分、これについてもこの法の適用を受けるようにお願いして、事実そのようにやつていただいたのでありますが、今年度においてもそのようなお取扱いをなさるおつもりかどうか。この点について金融課長の御説明を伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/77
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078・林田悠紀夫
○林田説明員 災害復旧につきましては、宮崎県のように二十二年ごろの災害復旧で、まだ国の補助が全部完了していないようなものもございますので、そういうものにつきましては、特に主務所管局であります農地局とも相談いたしまして、特別の措置を講じて行きたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/78
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079・小山長規
○小山委員 それを伺つて非常に安心いたしました。
次にもう一つ共同施設の問題でありますが、私は農業共同施設というのは、農業倉庫とかあるいはその他特定のものというふうに、今まで了解しておつたのであります。ところが農村においては、たとえば農業協同組合の組織よりもつと下部の組織におきまして、製茶工場のようなものをつくりたいというような動きが、非常にあるのであります。たとえばあぜやたんぼに茶が相当に植わつている。そしてしかもそれをいろいろ手入れしているけれども、さて売先がない。ところがこれは農業協同組合の仕事としては少し小さ過ぎる。そこでそれらの人たちが任意の組合をつくつて、百万とか百五十万というような施設で、製茶工場をつくつて十分に採算が引合う、こういうような事例がわれわれのところにたくさんあるのでありますけれども、そのようなものはやはりこの農林漁業資金の融通対象になるものであるかどうか。この点をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/79
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080・林田悠紀夫
○林田説明員 今おつしやいましたような事例は、融通法の第三條のその他共同利用施設というものに該当するわけでございます。それでその他共同利用施設と申しますと、これは農林水産業者が集まりまして、共同に利用して行く施設という意味なのでありまして、それに何はいかぬというふうな限定的な規定はないわけであります。だから製茶でもその他何でも、そういうふうな共同利用施設はできるわけでありますが、従来資金量との関係で、そこまで手が延びていなかつたのであります。資金量が多くなるにつれましてそういうふうな農村工業的な面も、今後考えて行きたいというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/80
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081・佐藤重遠
○佐藤委員長 高田富之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/81
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082・高田富之
○高田(富)委員 これは関税定率法と関連があるので、主税局長にちよつとお伺いしておきたいと思うのであります。最近非常にたくさんの外国のお菓子が、ちまたに氾濫しておるのでありますが、あれは正式に輸入されたものですか。それとも放出されたものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/82
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083・平田敬一郎
○平田政府委員 日本の一般市場における外国品の販売状況でございますが、先般もお答え申し上げました通り、実は外国品につきましても、ことしの一月から外国為替のわくの範囲内におきまして、ある程度の輸入を認めまして、その認めたものにつきましては関税等を課税いたしまして、市場に売り出すということを認めて来たわけでございます。それまではどちらかと申しますと、どこのルートからであるか知りませんが、横流れかあるいは正式に放出されたようなものが出て来たのが、多かつたと思いますが、この一月以後の分につきましては、大体におきまして関税なり物品税等を課税いたしまして、それが一般に売られておる。これは日本に外国人が相当おられますので、主としてそういうふ人たちの需要に充てるということを、目的とするものでございます。そういうようになりますと、日本人の方にも平等な扱いをした方がいいじやないかという意味で、一般に売出しを認めているような状態でございます。今御指摘のお菓子が、それに該当するものでありますかどうですか、その点は取調べてからでないと、お答えしがたいと思いますが、一般的にはそのようになつておりますことを、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/83
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084・高田富之
○高田(富)委員 続けてお伺いしますが、数量が目につくほど非常に多くて学生などがアルバイトでどんどんそこらで売つている。これは日本の御菓子の製造、小売業者に対しまして相当大きな圧迫になるのじやないかと思います。今度の行政協定の内容を見ますと、駐留軍の家族とか軍属の家族、そういうようなたくさんの人々に必要なものは、無税で入るということになつておりますので、今後はそういうふうな形でたくさん入つて来たものが、また今までのように氾濫するということになつた場合に、これを取締る方法が、現在までああいう状態でありますから、ない。そうすると結局無税でどんどんそういうルートを通つて、菓子類が入つて来るという危険性があるのではないかと思います。その点についてどういうふうな対策を持つているかということが一つと、それからもう一つは今のお答えによりますと、一月以後正式に関税をとつて輸入ができるようになつた、こういうことで、輸入すると正式に入つて来るにしましても、いささかこれは異常に多過ぎるのではないか。そこでそういう外国のああいつた普通一般の菓子類は、日本に幾らでもできるのでありますから、国内の業者を保護するというような意味合いにおきまして、ほとんど禁止的な高率関税を課しても、さしつかえのない品目じやないかと思うのでありますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/84
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085・平田敬一郎
○平田政府委員 今お答え申し上げました通り、最近に出ておりますお菓子類がはたしてどんなものであるか。この点につきましてはよく事実を調べました上で、適当なときにまたお答えいたしたいと思います。私が一月から認めておるというのは、実は無制限に認めておるわけではございません。これは外国為替管理法で一定の資金のわくを認めまして、その範囲内におきまして、ある程度の外国の消費財の輸入を認めておるという趣旨でございますので、その点御了承願いたいと思います。
それから行政協定におきましては、軍人、軍属及びその家族の用に供するため輸入されるものにつきましては、免税するということになつておりますが、これを他の人の用途に供した場合には、当然課税するということにいたす考えでございます。そのような場合におきまして、はたして横流れを防止することがうまくできるかできないか。これは確かに一つの大きな問題でございますが、そういう点につきましては、今後は今までよりさらに一層はつきりした能率の上りますように、合同委員会等でよく打合せまして、対策を講じて行きたいと考えておる次第でございます。むしろそういう点は、今までよりもよほどお互いにはつきりいたす可能性が多くなる、このように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/85
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086・高田富之
○高田(富)委員 国有財産関係につきまして二、三お尋むしたいと思うのです。これは実例をあげてお伺いしたいと思うのですが、埼玉県の兒玉郡に大きな元の飛行場跡があります。この飛行場の跡が開拓地になつておるという例が、全国的に非常に多いわけであります。その開拓されまして、開拓者が入植しておりますところに、なお部分的に元飛行場の施設の一部が残つているという例も、おそらく全国的に相当あるだろうと思います。その一つの実例としまして、埼玉県の兒玉郡の大きな飛行場跡でありますが、そこに格納庫並びに滑走路が、開拓地の中に依然として残つておるわけです。非常に厚いコンクリートか何かで、何十メートルの幅で何百メートルというものが残つているのです。これは周囲が全部農地になつております関係上、どうしても、そこへ入植しておる人々とすれば、そういうものは早く撤去してもらつて、そうしてそこを農地にしたいという希望を持つておるわけです。なお格納庫なんかもそういう所に付属して一つくらいあるわけですが、それも現在はほとんど使つておりませんで、たまたま民間の会社なんかで物置などに使いたいということになりますと、大蔵省では相当の家賃をとつて、貸したり何かしておるようなことになつております。しかしながらこれはそういう開拓地の真中にある障害物でありますから、撤去するか、あるいは無償で開拓農民全体の利益になるような方法でこれを利用させるか、何らかの方法で開拓民に負担をかけずに、合理的に処置してしまうということが、今一般の非常に強い要望事項になつておるのであります。そういうふうなものに対しまして、大蔵省としましては、そういうものを自分の国の費用で破壊し撤去して、原状に復するということがどうしてもできないならば、開拓民がある程度自分たちが負担しても、労力を奉仕しても、そういうものを破壊して撤去したいというような話があつたときに、これは国のものだということで、そういうこともできないというようなあれがあるのでありますか。そういう施設をこの際何らかの方法で、さつき私が申しましたように、合理的に処理してしまう方法を考えておられるかどうか。またどういう方法があり得るか。それをひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/86
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087・内田常雄
○内田(常)政府委員 旧飛行場等で農耕に適する部分は、終戰後とりあえず自作農創設に関する法令等の趣旨に従いまして、大蔵省から農林省へ所管がえをいたしまして、農林省から自作農創設の一環として、売拂いをしておるものが多いようであります。その場合御説のように格納庫や滑走路が残つて、そのままになつておるものもあると思いますが、これは農耕地としてその土地を利用している農民の団体に、ただちに無償で交付するとか、あるいは破壊してもかまわないというわけには参りませんけれども、今後状況に応じて適切な措置をとつて参らなければならないものと考えます。ただ今回提案いたしました国有財産特別措置法等におきましては、たとえば格納庫等で公民館等に適するものがかりにありと仮定して、当該公共団体で公民館等に使うという場合は、特別な措置ができるようにはからつておりますが、同じような趣旨で今後具体的に考えらるべきものと存じます。なおまた実例によりますと、必ずしむその現地の農民関係等で、利用したり破壊したりすることが一番適当ではなくして、格納庫等はたいがい鉄骨でありますから、他の業者——たとえば倉庫業者でありますとかあるいは製鉄業者等が、移築して工業用に使いたいというような申請がある場合が多いようでありますが、そのような場合には、国の費用でとりこわすのではなくて移築を目的とする業者に国から拂い下げまして、とりのけるということもやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/87
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088・高田富之
○高田(富)委員 それから元造幣廠の跡か何かで、相当の建物がありますが、これに戦災者であるとか引揚者であるとかいう者が住み込みまして、現在まで住み込んでおつた者に、何箇年年賦か何かで買い取つてくれという買取りを申し入れておるようで、ほとんど今そういうふうに処置しているのではないかと思います。しかしそれもやはりそういうところに住んでいるぐらいの人でありますから、ほとんど失業者のような人が多くて、これを買わないで済むならば、無償で貸しておいてもらいたいとか、あるいはこく安い家賃で貸しておいてもらえるならばというような要求が、非常に多いのでありますが、もしそれを買い取らないと、よそに転売してしまうのではないかというようなうわさも飛んで、現在住んでいる人々がかなり不安に陥つている向きがあるのであります。これに対して政府当局は、何らかの方法でもつと特別に社会政策的な意味を含めて処置する考えはないかどうか。これをひとつ伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/88
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089・内田常雄
○内田(常)政府委員 ただいまのような実例が多くあると思います。もつともこれも個々の状況によるのでありますが、状況が適する場合におきましては、それらの引揚者や戦災者が住み込んでおる施設につきましては、住み込んでおる各個人に、これをただで讓與するということは困難でありますから、むしろその地方の市町村等の公共団体を相手といたしましていわゆる公営住宅の一環として公共団体に無償で貸し付ける。あるいは今度の国有財産特別措置法の中にも規定を設けておきましたが、状況が適するものはこれをともかく公共団体に無償で讓與する。但し、おそらく御承知のように、それらはおおむねそまつな建物でありますから、今後何年持つかわからない。従つて公共団体といえども、その土地まで無償で讓與することは適当でないでしようから、建物だけを公共団体に讓與していずれ土地は国が所有したままで保留しておく、こういうことをいたしております。公共団体はこれを国から無償で借り受け、あるいは譲り受けまして実際の管理費用だけをとつて、現に今住んでいる戰災者や引揚者にこく安い家賃で貸す。そういう公営住宅の運営をして経営する、こういうことが可能になるだろうと思いまして、さような條文を提案いたしました特別措置法の中に織り込んでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/89
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090・佐藤重遠
○佐藤委員長 宮原幸三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/90
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091・宮原幸三郎
○宮原委員 国有財産特別措置法案に関連して管財局長にお尋ねしたいと思います。本法案は、言葉は非常に悪いですが、いい意味の守銭奴的財産管理にとかくなりがちな、大蔵の伝統のからを破つたような意味の画期的立法で、さすがは内田管財局長が手がけられた法案だという趣旨においてわれわれはこの法案を一読しただけで、およそ賛意を表する気持が起るのではありますが、しかし何分重大な影響のあることでありますから、われわれは愼重に審議して、これに対処しなければならぬという感じを持つておるのであります。ところでこの法案の目的としておりまする財産処理の適切ということのほかに、各般の政策に寄與するという、重要政策に対する寄與といううちには、公共の福祉の増進または民生の安定、産業の振興というような、まことに国策のうちでも超重点的な目的を、ここに掲げられているのであります。このたびの行政協定によるところの施設提供の問題、これと矛盾なく両立ができるという自信を、大蔵御当局はお持ちになつているのであるかどうか。施設提供につきまして、予備作業班の発表せられておるところの原則のうちに、国有財産優先ということが施設提供の眼目になつておるようであります。もとより優先ということは、両立を排除するものではないことは、観念上申すまでもありませんが、しかしとかくこの予備作業班を構成するものは、米国側の立場から見まして、軍部関係の出身者がその作業班の代表または補佐という立場にいるのでありますから、アメリカに限つてそんなことはないでありましようが、わが旧日本の軍閥においても軍人重点主義に偏した。そこで平和産業であるところのこの法案の目的である重要政策を、軽視して処理せられるというようなことの杞憂を除くだけでなく、これは予備作業班そのものから出た直接の問題ではありませんが、たとえば海上警備隊の施設供與の問題でも、現に実例をあげれば際限がありませんから、実例は一々はあげませんが、相当産業を圧迫し、経済を乱すがごとき施設の提供を、海上保安庁の一部属僚において、力強く地元に要請をしているというような実情が実際あるのであります。予備作業班は今後の問題で、まだスタートを切つたばかりでありますから、将来そういうようなことをなからしめる趣旨におきまして、大蔵省とせられては、この予備作業班に大蔵省の代表を参加せられているようでありますが、管財局長とせられては、その点について、この国有財産優先の予備作業班の原則に対しましてこの法案の目的とするところと両立をさせて行くというだけの、強い御方針を貫いていただきたいと思うのでありますが、これに対するお心構えを一応お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/91
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092・内田常雄
○内田(常)政府委員 宮原委員の御心配になる点ごもつともだと存じます。この国有財産特別措置法は、ただいまの御質問の中にもございましたように、従来国が持つておりますところの財産を、ただ單に財政法だけの原則から内部的に処理する、高くとりさえすればいい、無理な金をとりさえすればいいといつたような形で処理するのでなしに、たとえばこれを学校に使うならば何割引もしよう、また中小企業の商業設備を改善するためならば交換もしよう、さらに進んでは社会福祉事業であるとか、公民館とか、図書館とか、こういうものの用に公共団体等が使う場合は、いろいろの便宜をはかろう、国のその他の重要政策と調整がとれるように、国有財産を処理するということでつくつたのでありますが、米軍に提供すべき施設、区域の問題は、お尋ねのように国有財産を優先させるという原則ができまして、この関係はこの法律をつくります際にも、十分承知しておつたのでありまして、行政協定に基く予備作業班の原則が、国有財産が優先になつたからといつて、国有財産法に矛盾するものではございません。予備作業班における原則におきましては、日本の再建と、ことに平和條約ができまして占領から解放されたということが、実質上国民にも了解されるように、できるだけ民間財産の接收を解除することに努めまして、米軍の必要とするものは、なるたけ従来の軍用財産等の範囲で済ましてもらうという趣旨でありますが、軍用財産等の予備作業班を通ずる打合せにおきましては、占領軍が駐留軍にかわつて参る過程におきまして施設、区域等も相当集約される見込みでありまして、機械等につきましても、賠償指定を排除せられるということになつて参りますと、国有財産として十分この法律の趣旨に沿つて生産に貢献させる余地があると存じます。私は行政協定における作業、またこの法律の目的とを、御質問のように十分貫くことができると考えまして、そのように処理いたして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/92
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093・宮原幸三郎
○宮原委員 法案の附則第四項にも出ておりますが、旧軍港市転換法との関連の問題であります。旧軍用財産特例法が廃止になり、それにかわつてこの特別措置法案が提出せられたわけでありますが、旧軍港市転換法は、多くを申すまでもなく、各地元の住民投票によつてこの法律の効果が認められたものであることは、すでに御存じの通りであります。従いまして今回の特別措置法案は、旧軍港市転換法に抵触するがごとき規定が設けらるべきはずはない。もし多少とも抵触するならば、それはある意味において憲法に違反するということも言い得るので、住民投票を用いざる法律をもつて、住民投票を用いたる法律を改正するということは、多少これは法律上反対意見があるかもしれませんが、しかし私どもはこれは改正し得ないものだと思うのであります。この法案を一読したところでは、何ら抵触することはないように思うのでありますが、なお旧軍港市転換法においても、旧軍港市地元住民の既得権、及び公共団体の期待または既得権、こういうものに対して、このたびの特別措置法案はもとよりこれを両立し得て、何ら抵触がなく尊重せられておるものであるという解釈を持つておるのであります。一応この法案を見たところでは、何ら矛盾も抵触もないように考えるのでありますが、この立法の起草に当られた管財局長のその点についての心構えは、どうであつたかを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/93
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094・内田常雄
○内田(常)政府委員 お答えを申し上げます。旧軍港市転換法におきましては、御承知のように国有財産の処理につきまして、旧軍港市が従来国の非常に厚い保護を受けておつた。しかるにそれが敗戦の結果、一切の国の保護はなくなつて、新しく平和産業都市として再建して行かなければならない、こういう趣旨から国有財産につきまして、特別のいわば、御質問のお言葉にもありましたような既得権を與えておることは、事実であります。今回のこの国有財産特別措置法は、国有財産の処理につきまして、先ほども申し述べましたように、国の進歩的政策と調整させて参るのでありますが、この場合その利益は当然日本中の各公共団体に及ぶと同時に、旧軍港市にも及ぶのでありまして、何ら旧軍港市の権益を排除するものではありません。しかるがゆえにこの附則の第四項にも、旧軍港市転換法の関係は、旧法はなお生きておる、言いかえますれば、旧軍港市であつたところの呉その他の都市は、旧軍港市転換法の利益も当然従来通り受けられるし、今回の法律による特別措置の利益も受けられる、いずれでも重い方を受けられるという関係になるのでありまして、これは宮原委員等が従来御努力になりました軍港市に対する国有財産に関する利益の一部を、同じ宮原委員等の御思想に基きまして他の公共団体に拡げた、こういう関係になるものでありますから、何ら旧軍港市の従来の関係が狭められることにもなりませんし、またさような取扱いはしないつもりでございますから、御承知願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/94
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095・宮原幸三郎
○宮原委員 法案の第二條に、臨港施設として公共の用に供する場合の無償貸付の規定があります。この臨港施設——水道施設は別として、臨港施設の内容でありますが、臨港施設としてもここに例示せられておるものは、防波堤、岸壁、その他もあると見えまして「等」ということが書かれておるのでありますが、この書き方は特例法の書き方と軌を一にしているようでありますが、むしろこれは港湾施設というふうに書きかえられた方が適当ではないか。つまり先ほど来本法案の目的について、大蔵省の高い角度からの進歩的御意見があつたのでありますが、この法案の目的にかんがみまして、その特別措置法案をここに立法するという段階になつておるのであります。そこで百尺竿頭一歩を進めて、港湾施設ということに改めて、港湾法との調和もとり、またこの例示されたほかに「等」ということの中には、ある意味において倉庫等をも含めてさしつかえないのではないか。ことに公共の用に供するという條件がついておるのでありますから、せつかくここに無償貸付の特例を設けようという段階に、依然としてどうも伝統的極限的な臭味がうかがわれて、われわれとしてはこの法案を取扱う上から、まことに遺憾に感ずるのでありまして、この点についてお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/95
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096・内田常雄
○内田(常)政府委員 御質問の趣旨はよくわかるのでありますが、御承知のように別に港湾法がございましてただいまお尋ねの港湾施設につきましては、別に当該公共団体に対する管理委託等の道もついておるのでありますから、第二としての国有財産の特例法としましては、まずこの程度にいたして、従来の特例法を受継いで参るということにいたした次第であります。その趣旨を入れまして、第二條には但書による港湾法の適用のことをうたつてある次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/96
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097・宮原幸三郎
○宮原委員 どうもその辺について見解が多少食い違つているようでありますが、それは保留をいたしまして、第三條に現われております時価の評価の問題であります。これは第三條だけでなく、そのほかにも出ておるようであります。従来の大蔵省の時価の評価の方針は、まことにけつこうなこととは思つておるのでありますが、しかし方針はまことにけつこうでも、末端に参りますると、なかなか運用において、本省の御趣旨に沿わないような場合が多々あるのです。その実例の資料は、私どものところにたくさん集まつておるのであります。評価の際になるほどあるいは勧業銀行を使つて判定をさせるとか、または付近の家屋を調査せられるとかいうようなことは、もとより当然過ぎることであつて、それはけつこうでありますが、ただそういう紋切り型の調査方法を金科玉條として、判定せられる傾向が末端にある。そこでこの特例法の精神にかんがみますと、むしろ事業の育成とか、すべてそういう面の角度から、時価についてもその利用価値、一種特別なる時価をここに想定するような取扱いにして、しかも財産の管理上は何ら支障のない一つの一新企画をここにお出しを願いたい。そうでないと、昔はお役所値段は時価に比較しては、多少穏当なところが見えたのでありますが、近ごろは民間の評価よりもお役所の評価の方が、むしろ高過ぎるのじやないかというような場合があります。移動のできる機械類等については、比較的時価即応でも一応了承できる場合が多いのでありますけれども、固定施設などで、ある意味においてその用途が多少変更されて、その固定設備が利用される場合に、長鞭馬腹に及ばずで、無用の長物になるような場面が多々あり過ぎて、そのためにせつかくのお役所の緻密な評価というものが、結局実情に即しないということが起るのであります。従いましてこの時価の評価については、今後末端との御連絡なり、またその時価の評価の方法等につきまして、相当のごしんしやくをなさるというお気持で、御処理をいただいたらどうかと思うのでありますが、この点についての御所見を伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/97
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098・内田常雄
○内田(常)政府委員 この法律全体が、單に財政法の一つの流れをくむ財務法規として国有財産を扱うのではないのだ。むしろこの第一條にありますような公共の利益の増進、その他の国の政策に調整せしめて国有財産を処理するものである、またそういうことが国有財産の処理についてはできるのだという、進歩的な考えをとつたものでありますから、従いまして、この第三條等における時価の判定につきましては、公共団体を相手にすることでございますし、またその目的がそれぞれ保健所法なり、あるいは社会福祉事業法なり、学校教育法なり、そういう法律で公共団体がその設置を義務づけられている施設に使うものでありますから、この法律全体の精神と、それから処分の相手方、転用の目的というようなものを考え合せますときは、従来の、ただ財産は入札等で高くさえ売ればいいのだという思想は、当然この法律によつてかわつて参ることと相なります。そのような趣旨で、時価は時価でありますが、決して高い方がいいという時価ではないように、ぜひ進めて参りたいと思います。ただこれに関して行政をやります私どもの立場から、むしろこの大蔵委員会にもお願いがあるのでありますが、国有財産の処分の結果等につきましては、いずれ会計検査院を経て、国会の決算委員会に提出をされるのでありますが、それらの場合におきまして国有財産の処分等につきましては、従来からなるべく高い方がいいのだというような思想が、必ずしもないわけではないようでございますから、同じ国会のお考え方でありますならば、大蔵委員会のお考え方を決算委員会にも移していただいて調和のある審議をお願いいたしたいようにも存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/98
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099・宮原幸三郎
○宮原委員 ただいまの管財局長の御発言は、相当これを重視していいと思うのであります。まことにごもつともなお立場でありまして、会計検査院またはその流れをくむ決算委員会等において、実情に即さざる、あまりに冷酷な批判的態度で御処理になるということは、従来聞かぬでもなかつたのでありますが、このたび国有財産について特別措置法案がここに成立いたしましたとするならば、これがすなわち従来の会計検査院流の監察方式を、この法律によつて徹底的に改善をしてもらう一つの目安になるという趣旨で、この法案を本委員会においては処理せらるべきものであろうと、私は考えるのであります。
次にお尋ねいたしたいことは、この第三條のハであります。ハの学校教育法に規定する学校の施設という中には、これは範囲は広いようではありますが、小学校、中学校という段階で、六・三制の中学校までは義務教育だというので、この中に包含するのでありましようか。高等学校はいかがなものでしようか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/99
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100・内田常雄
○内田(常)政府委員 この学校の関係では、第三條の第一項の御指摘のハの学校教育法第一條または第九十八條に規定する学校というものと、次の第四條の小学校、中学校、盲学校、聾学校または養護学校という場合と、二つ條文が出て参りますが、この第四條で七割引きまでいたしますものは、同じ学校教育法でも公共団体に設置義務があるものなんであります。この第三條のただいま御質問のハの学校と申しますのは、第四條の設置義務の学校のみならず、つまり高等学校等を含んでおります他の学校で、各種学校と申しますか、花嫁学校の類は、この学校教育法第一條または第九十八條の範疇に入りませんために、これは割引の対象にならない、こういうことに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/100
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101・宮原幸三郎
○宮原委員 それでは第四條と関連してお伺いいたしますが、この第四條で高等学校を除かれた趣旨を伺いたいのです。この高等学校というものを、義務施設でないからというのでお除きになることは、常識的に判断してどうもお間違いじやないかと私は考える。それは第四條の問題になるのですが、なるほど市町村という公共団体をごらんになれば、高等学校は義務でないということになるのですが、府県という公共団体を單位にお考えになれば、いやしくも県庁所在地とか、枢要な県内の都市に高等学校を設けずに、県の経営はできるものではない。それは法律上の義務はないかもしれませんが、しかし県の施設としては、中小の都会には高等学校を県内に幾つかは必ず設けなければならぬことは、社会上何と申しますか、一種の政治道義の上から当然都道府県の責任である。こういう意味合いからも、これを広く御解釈になつて、高等学校は当然第四條の中にお入れになるし、またこういう扱いのときに、市町村だけを軍にお考えにならずに、府県という地方公共団体をも念頭に入れて、御処理になるのが当然ではなかろうか。こういうふうに本員は考えるが、御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/101
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102・内田常雄
○内田(常)政府委員 御質問ごもつともとは存じますが、今日の学校教育法の構成から申しますと、公共団体として設置義務のありますのは、四條に掲げられた幾つかの学校だけでありまして、高等学校につきましては府県の設置義務という規定はないのであります。これは別に市町村のみを優遇して、府県のことを考慮に置かなかつたということではないのでありまして、たとえば四條の関係におきましても、小学校は市町村が設置義務がある。これは学校教育法の第三十九條にその規定があるのでありますが、盲学校、聾学校、養護学校というものは市町村に設置義務がないので、学校教育法第七十四條で、都道府県が設置義務を持つことになつております。従つて主体が都道府県であり、市町村であり、客体の学校が設置義務があるものだけをここに掲げております。これは他の予管措置におきましても、公共事業費等で六・三制の学校については、特別の建設助成をいたしておるのと趣旨を合せたものでありまして、将来これは高等学校まで、あるいは大学までも、さらに特殊の学校までも、国有財産等の画におきまして優遇することは、非常に希望せられるところでありますが、今日のこの法律の第一の出発では、まず以上申し上げました公共事業なり、六・三制等の建設助成と歩調を合せざるを得ないことに私どもは十分配慮をいたしまして、わざわざ條文を繰りまして、盲学校、聾学校、養護学校等をも入れました心持を、おくみとり願いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/102
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103・宮原幸三郎
○宮原委員 御趣旨はわかりますが、私はその御趣旨がわかつただけで、私どもの意見はまだ変更する気持にはなりかねるのであります。
なお第三條の列記せられておりまするイ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チというようなものの中に入つておりませんが、公共の用でなく、公用に公共団体が財産の譲渡を受け、または貸付を受けたい場合に、減額をなさるという点についての御考慮は、拂われなかつたものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/103
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104・内田常雄
○内田(常)政府委員 これは多々ますます弁ずでございまして、地方公共団体の財政等を助けますために、公共用のみならず、地方団体自身の公用のものも考えればよろしいのでございましようが、一応国の財務というものと、地方の財務というものは、今日税制あるいはその他の財政制度でも、峻別せられておりまして平衡交付金のごときも、その間のつなぎをなしておることは、御承知の通りであります。従いまして地方公共団体自身が公用に使うものまでも、この特別措置法で特別の扱いをするということは、今日の地方自治法なり、あるいは地方財政、国の財政なりの取扱いの関係上、やや行き過ぎると考えるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/104
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105・宮原幸三郎
○宮原委員 本法案については質疑が残つておりまするが、なお自分の方でも調査研究いたさなければなりませんし、本日は時間もたいへんおそくなりましたから、一応この辺で私の質疑を中止いたしまして、保留をいたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/105
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106・佐藤重遠
○佐藤委員長 次会は明十五日午前十時より開会し、質疑を続行することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後四時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X03319520314/106
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