1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月十日(土曜日)
午前十一時四十四分開議
出席委員
委員長 佐藤 重遠君
理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君
大上 司君 川野 芳滿君
島村 一郎君 苫米地英俊君
夏堀源三郎君 宮幡 靖君
宮原幸三郎君 深澤 義守君
久保田鶴松君 中野 四郎君
出席政府委員
大蔵事務官
(銀行局長) 河野 通一君
大蔵事務官
(銀行局銀行課
長) 大月 高君
委員外の出席者
検 事
(検務局総務課
長) 津田 実君
検 事
(民事局第四課
長) 吉田 昂君
大蔵事務官
(銀行局特殊金
融課長) 有吉 正君
国民金融公庫総
裁 櫛田 光男君
專 門 員 椎木 文也君
專 門 員 黒田 久太君
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五月九日
昭和二十七年度における行政機構の改革等に伴
う国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に
関する法律の特例に関する法律案(内閣提出第
一九七号)
緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する
法律案(内閣提出第一九八号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一八三号)
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001・佐藤重遠
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
前会に引続き、国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。奧村又十郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/1
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002・奧村又十郎
○奧村委員 国民金融公庫の関係の方にお尋ねいたします。国民金融公庫法の一部を改正する法律案によつて、公庫の役員及び職員を国家公務員でないものとするというのが目的でありまして、これは給與及び旅費などは、公務員の例に基かないということになるのでありますが、そのほかに、何か身分上かわつた点ができて来るのでありますか、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/2
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003・櫛田光男
○櫛田説明員 お答え申し上げます。このたびの法律の御改正によりまして、国民金融公庫の役職員が国家公務員でないものとなりました場合におきましては、ただいま御指摘の給與関係あるいは旅費等の経費関係のほかに、身分関係におきましても、現在服務関係あるいは職務上の災害に対する補償でありまするとか、罰則の適用等が、全部公務員法に基いて行われておりますが、それがはずれまして、別な関係の規定を受けることになるわけであります。たとえば服務関係でありますとか、休日、休暇等に関しましては、一般的な労働基準法とか、そういつたものにのつとることになつて参ります。そういつたような違いが起つて参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/3
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004・奧村又十郎
○奧村委員 国民金融公庫の役員、職員の待遇については、たとえば商工中央金庫、農林中金などの役職員の待遇と比べて、はなはだしい差異があるということで、大蔵委員会においても、議員提案でもつて法律といたしたいということで、かねてからわれわれ用意しておつたところでありますが、実はいろいろな事情で、今日までこれは提案されなかつたわけであります。そこでこの法律が通つて施行されましても、予算上縛られるんじやないかという不安があるわけでありますが、この法律が施行されて、予算の範囲内で、この公庫の役職員の給與それから人員、こういうものは、さしあたつてどの程度ことしは変更されるお見込みですか、お尋ねいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/4
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005・櫛田光男
○櫛田説明員 お答え申し上げます。ただいま御指摘の待遇改善の問題につきましては、御承知のように予算がございまして、予算関係によりましてある程度の拘束を受けるわけであります。本年度におきましては、大体人件費が二億四千三百万円組んでございまして、若干の余裕があるわけでありますが、そのほかになお一億三千万円の予備金がございますので、これをいかに使つてどの程度のことができるか、これは政府御当局と今後なおいろいろ御相談申し上げねばならぬことでございますが、いずれにいたしましても、給與の改善は実行できるであろうというぐあいに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/5
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006・奧村又十郎
○奧村委員 銀行局長にお尋ねいたしますが、先ほども申し上げたように、われわれ大蔵委員会としても、公庫の役職員の待遇については相当改善すべきであると考えて、一年間いろいろ努力して来たわけでありますが、今回政府提案でこの改正案が御提案になつたことはまことにけつこうであります。しかし予算上縛られていたんでは、せつかく法律を施行しても実効は上らぬ、こういうことでありますので、この法律提案と同時に、政府の方におかれても、予算上相当思い切つて待遇改善をしていただきたい。そうして公庫の事務が敏活にはかどることを、われわれは希望するのでありますが、政府のお考えを承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/6
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007・河野通一
○河野(通)政府委員 この改正法律を提案いたしました趣旨の幾つかあるうちの一番大きな問題は、公庫の職員の給與あるいは旅費等につきまして、待遇の改善をはかりたいということが主たるねらいであるわけであります。この法律が通過いたしますれば、できるだけその趣旨に従つて給與の改善等もはかつて参りたい。しかしながら給與の改善と申しましても、おのずからやはり程度の問題がございます。どの程度にいたしますか、類似の金融機関あるいは他の政府の金融機関等との権衡等も考え、仕事の内容ともあわせて権衡をとりながら、考えて参らなければならぬと思うのであります。現在のところでは、まだ正確にどの程度まで給與の改善をいたすかということはきめておりませんが、いずれにいたしましても、現在の予算では、先ほど公庫の総裁からも御説明申し上げましたように、給與費が二億四千万円ばかりに対して一億三千万円の予備費がとつてある。しかもこの二億四千万円の給與費も若干のまだ余裕があるわけでございます。かれこれ考えますると、現在の予算を変更しなくとも、相当程度の給與の改善をはかれるというふうに私どもは見ております。具体的にはさらに実情をよく調べまして、権衡をとつたところできめて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/7
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008・小山長規
○小山委員 関連して。ただいま奧村委員から申されましたところでありますが、われわれがこの問題について議員提案をしたいと考えましたそもそもの問題は、地方に参りますと非常に人員が不足しておるとか、あるいは旅費その他の予算が少いというようなことで、実際行われるべき貸出しが行われなかつたり、あるいは非常にそれが手間取つたり、これを何とかひとつ給與面あるいは旅費その他の面から、是正して行きたいということでこれは考えたのでありまして、この点について政府も同調されてこの法律案を出されたのでありますからして、この法律案が通りましたあかつきには、一日も早くその面から是正されないと、せつかく法律が通りましても、国民の受ける便利は一向かわらない、こういうことになりますからして、この点はさらに確かめておくのでありますが、一日も早くそれらの不便を除いて、国民大衆が便益を受けられるように、たとえば手不足があるならば人員の増加もやる。手不足があることはわかり切つておるのでありますから、人員の増加をやると同時に、給與の改善あるいは旅費その他の費用の増額ということは、ぜひとも一日も早く実行していただきたい、こう考えるのでありますが、さらにその点についての政府としてすでに考えておられる、あるいは今後やろうと思われるところを、簡明にひとつ御答弁を願つておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/8
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009・河野通一
○河野(通)政府委員 ごもつともな御意見でございまして、御趣旨に従つて善処いたしたいと思います。ただ給與の具体的な金額をどの程度にするかという点は、もう少し検討を要するのであります。
それから人員の点につきましても、これはまさに手不足で非常に公庫が弱つておる点であります。この点も十分考慮はいたしたいと思いますが、どの程度の人員を増加するかという点につきましても、今ここで具体的に申し上げるわけには参りません。よく御趣旨の点をくみまして、できるだけすみやかなる機会に善処いたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/9
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010・小山長規
○小山委員 ただいま申されたことは、こういうことですか。人員の増加ということについては考えておる。ただその程度の問題だけがわからないのだ。あるいはもう人員は増加せぬでもいいという趣旨ではなくして、増加はやるのだ、やるについてはどの程度かという趣旨ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/10
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011・河野通一
○河野(通)政府委員 はつきり申し上げませんでしたので、あれですが、給與の増加はできるだけ早くやる。しかし程度についてはもう少し考えたい。人員の増加については、増加の必要は十分あると思います。これはもうしばらく調査をして、必要に応じて考えたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/11
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012・奧村又十郎
○奧村委員 この際に国民金融公庫総裁に特にお尋ねしたいことなんですが、最近の新聞に国民金融公庫の代理貸しが浮貸しされておる。つまり相互銀行あるいは信用金庫の国民金融公庫の代理貸し、これが浮貸しされておるという記事をちらほら見ることがありますので、これについてお尋ねしたいのであります。かようなことはおそらくあり得ることと思いますが、かようなことがたまにあるからして、これがために今後これら代理貸しをやめるとか、あるいは減額するとか、方針をかえられるのであるかどうか。もしそういうことに方針をかえられるとしたならば、これはないへんだと思うのであります。国民金融公庫の支所は各府県に一箇所——東京都が三箇所でありますが、各府県に一箇所でありますから、公庫のこの非常に国民大衆から喜ばれる融資を受けるものというのは、ごくわずかであります。そこで信用金庫なり相互銀行の支店、出張所などでも代理貸しをするということは、まことにこれはけつこうであります。あまねくこれらの恩典を国民全体に均霑させなければならぬ。この建前で代理貸しを認めておるわけであります。二、三その中で浮貸しがあつたからとして、それをやめたり、あるいは方針をかえたりするということは、これはたいへんであります。従つて今後こういう浮貸しをしないように、公庫の方でできるだけ代理店の仕事を監督していただいて、むしろこの代理貸しは今後とも資金の許す限り積極的にふやしていただきたい、こういうふうに考えるのでありますが、この際総裁のお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/12
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013・櫛田光男
○櫛田説明員 お答え申し上げます。最近二、三の代理所におきまして、ただいま御指摘のような事実があつたようでございます。まことに残念千万な話でございますが、それだからと申しまして、ただいまおつしやいましたように代理貸しの関係を急に引締めますとか、代理所の数を減らしますとか、そういう考えは毛頭持つておりません。御承知のように私どもの店の数も少ければ人手も足りないのでございます。全国に私どものいろいろなさねばならねことが相当広いことは、御承知の通りでありますので、今後とも代理所をもつと活用して行くという方針にはかわりはございません。現に代理所の数も四百七十に近くなつて参りましたし、今後もこれをふやして行くつもりでおります。また資金の配備につきましても、当初は新規資金の二割見当しかまわせないような状況でありましたが、本年度からは大体新規資金の四割見当を、代理所にまわし得るような状況にもなつて参つております。他方また私どもの仕事の性質にもかんがみまして、代理所におきましても、私どもが直接貸しをすると同じような態度、やり方、方法、気持でもつてやつていただきたいことは申すまでもございません。今後とも代理所どの間の連絡を密にし、またその監督等につきましても手を加えまして、万遺漏なきを期したいというぐあいに考えているわけであります。何分にも人手の関係その他がございまして、十分に届かぬ点がありまして、最近二、三御指摘のような事実が起きましたことは、たいへん相済まなく思つております。今後かかることのないように十分気をつけて参りたいと思います。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/13
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014・佐藤重遠
○佐藤委員長 大上君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/14
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015・大上司
○大上委員 先般本委員会におきまして私は資料を要求しておりまして、ただいまもらつたのです。しかし私の一番聞きたいと思つている資料が出て来ておりません。ということは、私がまず申し上げたのは、なるほど公務員でなくしまして、相当給與を上げて行く、そこで仕事が十分できるという趣旨でございますが、そうすれば経営のコスト面から見たパーセンテージはどうなるんだ、收支バランスから見たらどの程度のものを考えておられるのか、これを特に強調したのですが、それがこういうふうな具体的な資料になりかわつて来ております。すなわち「昭和二十七年度予算がすでに成立した今年度においては、予備費一億三千万円もあるので、それにより、」云々。最後には「給與等を勘案し、できるだけ実情に即した改善に努力いたしたい。」こういうふうな漠然としたものである。もう一つは、同じく「昭和二十七年度の公庫予算における人件費の総額は二億四千万円であり、給與引上げに財源は十分あり、これにより公庫の経理は害されるおそれはなく、また貸付利子の引上げを行う必要はまつたくない。」というきわめて漠然としたお答えしかないのを、はなはだ遺憾に思います。そこで特にこの面は今から資料をさらに要求するようなつもりはありませんが、いわゆる漠とした問題でもけつこうでありますから、いま少し櫛田総裁から承つてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/15
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016・櫛田光男
○櫛田説明員 ただいまのお尋ねは、給與をある程度改善いたしました場合に、公庫の経理状況等がいかになつて参るかという御質問かと存じますが、大体本年度の予算額を基準にして申し上げてみたいと思います。御承知のように、先般御決定いただきました予算書におきましては、收入の合計が貸付金利息その他を合せまして十二億余円に相なつておるのであります。これに対しまして支出面でありますが、事業損金が大体七億三千六百万円、そのうち俸給、給與が三億四千三百万円ということに相なつております。そのほかに予備費一億三千万円をもちまして、支出合計八億六千六百万円、差引三億円近いものが剰余金として残るというふうな計算になつておるのであります。かような状況でありまして、大体から申しまして、先ほどお配り申し上げました資料に要約いたしたわけでございますが、その範囲内において給與の改善をいたしましても、経理全体として支障を起すようなことは万々ないという確信を持つておるわけでございます。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/16
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017・大上司
○大上委員 大体わかつたようでわからぬようですが、そこでもう一つお尋ねします。同じく資料に基いて、いわゆる予算上の給與ベースとして日本輸出入銀行は三万円、それから開発銀行が一万九千円、国民金融公庫は一千二千円です。そこでまず銀行局長にお尋ねしたいのですが、もちろん国民金融公庫には、現在の立場からして、あなた方が非常に関係がおありだと思いますが、同じく前者の両金融機関も、いわゆる一般普通銀行ではございません。そこでこれだけのべース・アツプをして、一つは倍以上なんです。これをどういうふうにお考えになつておりますか。もちろん今次の法案を提出する理由は、これに追いつけるべく考えておられる意図は十分わかります。決して反対するものではございませんが、なぜこのような跛行的なものが出て来たのか、少しお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/17
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018・河野通一
○河野(通)政府委員 日本輸出入銀行と開発銀行の問題を、先に御説明申し上げた方がいいと思います。大体同じ程度の年齢、学歴その他の経歴等を比較いたしましたものにつきましては、日本開発銀行と日本輸出入銀行とは大体同じくらいです。ただ問題は、輸出入銀行は御承知と思いますが、人数はわずか四十人ばかりでやつておる。そうして実は非常に言葉は悪いのですが、頭でつかちな仕組みになつておる。全体の人員のうちで重役、また部長とか課長とかいう人間の占めておる割合が非常に多いわけであります。実際の実務的な計算をいたします人々は、大体普通の銀行の調査をそのまま使うということになつておりますので、人員構成が非常に頭でつかちになつておるという点で、全体の給與の平均のべースとしては非常に高くなるわけであります。個々の人々の経歴等から見た給與は、大体開発銀行と輸出入銀行は同じ程度になつておる、こう御了承願います。開発銀行は一万九千円と予算上一応なつておりますが、これは今市中銀行の一番大銀行等で見ますと、大体月二万二、三千円くらいが平均のベースじやないかと思います。それらと比較いたしまして、開発銀行も預金等を扱いませんので、やはりどつちかといいますと、人員の構成は普通銀行よりも頭でつかちの方向にございます。従つてその点等も勘案いたしますと、個個の同等程度の経歴の方々の給與といたしましては、一万九千円と二万二、三千円との開きよりももつと開いておる、こういうふうに御了承いただきたいと思います。従いまして、一般の市中銀行よりはやはり政府機関たる輸出入銀行、開発銀行の給與は相当程度低い、こういうように御了承いただきたいと思います。それから国民金融公庫につきましては、やはり人員構成からいいますと、現場の仕事が非常に多い関係もございまして、今の頭でつかちの程度は、輸出入銀行、開発銀行よりも人員構成といたしましては、下の方々のウエートが相当重いと思います。従いまして、人員構成を頭に置いて考えますならば、ただ平均のベースということだけでは判断ができないわけであります。それらの点も十分頭に置きまして、しかも類似の金融機関との権衡と申しますか、そういうつり合い等を十分考えた上で、具体的にベースをきめて行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/18
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019・大上司
○大上委員 最後にもう一つだけお尋ねいたします。同じく開発銀行は初任給が一万円、農中が八千八百円、商工中金は九千二百円、そして現在議題になつている国民金融公庫は六千円です。そこでもしも本法案が通過した場合は、総裁は初任級をどの程度までに持つて行かれようとする腹案があるのか。その腹案によつて概算をとれば、大体年間のベース・アップ等も私ども了承するのですから、そうこまかいことは言わぬが、大体どの程度へ持つて行く意向があるのか。それが一つと、それから一等最初の第四項に出ております旅費の支給についても、行政権の行使を担当する公務員の場合とはちよつと違うというのですが、今日までやつて来られた旅費規程その他は、公務員によつて非常に縛られる。ところが、金融機関の現場調査員は特別に経費がいるように、この資料の案件が出ている。文書がそうなつているのだが、どこにそれだけの食い違いと、どこにどれだけの仕事の量が潜在的にあるのか、この二点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/19
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020・櫛田光男
○櫛田説明員 初任給についてのお話がございましたが、ただいまの段階におきましては、私個人の見解になりますので、その程度で御了承願いたいと思いますが、私自身といたしましては、実は国民金融公庫の前身である庶民金庫及び恩給金庫時代におきましては、農林中金及び商工中金と大体同じ見当をもつて、十年の間雁行して参つておりました。それが一つの目安になろうかと存じまして、でき得べくんば商工中金、農林中金程度まで持つて行くことができれば今では仕合せだ、最小限度そのくらいのものは何とかできないものかなと、実は希望いたしております。
それから旅費の点でございますが、ただいまのところ最近旅費に関する法律の御改正がありましたので、少しかわつたかと思いますが、今までは、たとえば東京におきまして私どもの職員が都内に調査のために出張いたします場合には、管内出張ということになりまして、日に六件ないし十件相当のところをぐるぐるまわるわけでありますが、その手当が一日八十円であります。これで電車代がまかなえるか、まかなえないかという状態で、実情を調査してみますと、大体において百五十円見当のものが、日額として與えられればよろしいのではないかというぐあいに考えております。これも全体としては予算の方の関係がございますが、先ほども申し上げました通り相当の予備費も組んであることでありますので、ある程度のことは実現できるのではないか、かように希望をいたしておる次第であります。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/20
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021・大上司
○大上委員 大体わかりました。それで昨年あなたの方から出しておられるところの月報と申しますか、たしか十一月を私見せていただいた記憶がありますが、そこでそれを見ておりますと、もちろん今後国民金融公庫の改正をしたらそういうことはないと思いますが、いわゆる貸付件数並びに金額は、東京地区といいますか、本店所在地においてはほとんど四割も五割も占めておる。私兵庫県の出身ですが、兵庫県に割当てられた金額は非常に微々たるものであります。これに従つて各地方の府県ごとの件数と、いわゆる承諾をなさつた貸付金額が非常に少い。もちろん出張旅費等が公務員に縛られて、直接貸しの調査が十分できなかつたことは一応了承しますけれども、もちろんこれが施行になりましたあかつきは、資金の配分方法なり直接貸しを十分考慮してもらいたい。昨年の十一月の分を見たと思うのですが、ちようど前国会においてあなたのところが出たら質問しようと思つて調べておつたのですが、これから先徐々に旅費規程も改正してもらいたい。われわれの方から考えますと、農村方面の資金はほとんど農村に使えなくて、大都市に集中しておるのではないか。これはよく本委員会でも問題になつておる点であります。だからこういうふうな案が通れば、旅費規程も出していただいてそして資金の特殊性から見て十分公平な按分をしてもらいたい。すなわち直接貸しを各府県とも妥当にしてもらいたい。特に希望條件を付しまして、どの程度まで改正でき得るか、それを最後にお尋ねをして私の質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/21
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022・櫛田光男
○櫛田説明員 資金の配分の問題でありますが、ただいまのところ東京については、大体総額において二割見当の割合になつております。この資金の配分につきましては、單に申込みの状況でありますとか、あるいは職員の処理能力のほかに、その県その他地方におきます取引の状況でありますとか、あるいは中小企業の状況であるとか、あるいは生産額と申しますか、いろいろな経済取引の実情に応じまして、できるだけ公平にいたして参りたいというのが実は念願でございまして、先般来さらにいろいろ基準となるべきものについてくふうをいたしておるような次第でありますが、何分にも全国にわたりましてたいへんなお客様であります。最近の状況は月二万件の申込みが直接窓口にお越しになるような状況でありまして、旅費の点もさることでありますが、他方人手の点で非常に欠くるところがございます。かたがたいろいろな意味で御不便をかけておる点は恐縮に存じておるわけであります。今後先ほど来御審議をお願いいたしております法案が通過いたしまして、予算上の措置その他が十分にとれるようになりましたあかつきには、旅費その他の改正の点におきまして、また人員の点におきましても相当の改善が行われましたならば、今までの、あるいは調査が遅れますとか、そういつた点も相当の改善がされると存じますので、資金の配分については、先ほど来申しましたような考えをもちまして逐次是正をして参りたい。本年の第一・四半期の分につきましては、相当程度の是正を実行しかけておりますので、しばらく時日をかしていただきますれば、やがては相当のところまででこぼこがなくなり得るのではないか。そうやつて参りたいと思つておりますので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/22
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023・奧村又十郎
○奧村委員 私はまだ最後に一点だけ質問が残つておりますので、それをいたしたいと思います。
それは去る四月二十五日に参議院を通過した遺家族援護法案の中にある弔慰金に対する国民金融公庫からの融資の問題でありまして、幸い銀行局長及び国民金融公庫総裁がおられますので、特にお尋ねしておきたいと思います。これはたび重ねて衆議院厚生委員会においてもお尋ねしておるが、はつきりした御答弁はいまだに得ておらぬので、この際ひとつどうか明確に御答弁願いたいと思います。遺家族の遺族一時金というもの、つまり英霊一柱に対して五万円の公債は十年間のすえ置きでありまして、この公債の名前は参議院で修正されて弔慰金といわれておりますが、相かわらずやはり一柱に五万円と、それからそのほかに今度国家総動員法に基いての徴用者に対しても、三万円を政府から支給されることになりました。ところが十年すえ置きでありますから、生活困窮者で緊急にお金がいるという方に対しては、何とか便宜な取扱いが必要じやないか。そこで大蔵大臣及び厚生大臣は衆議院の予算委員会で、たびたび国民金融公庫からこの弔慰金の公債を担保にして、便宜政府が金融するということを答弁しておられます。ところが、それを具体的にお尋ねすると、根つから政府は具体的な対策を持つておらぬ。そこでお尋ねするわけでありますが、一体この弔慰金を担保にして、国民金融公庫から融資をされるというのでありますが、その資金があるかどうか。国民金融公庫は、今年は今のところ予算上約百十億の資金があるそうでありますが、これについては、今も総裁からお話のように、毎月二万件以上の申込みがあつて、従来からの公庫の業務に対する資金もとても足らぬ。従つて国民金融公庫としてこの弔慰金に対する担保融資をするとするならば、一体どの金を融資するのか。国民金融公庫の手元に、さような弔慰金に融資するような資金があるのかどうか。まずその点国民金融会津総裁のはつきりした御答弁をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/23
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024・櫛田光男
○櫛田説明員 資金の点でありますが、現状から申しますと、御指摘の通り新規資金五十億、今までの回收金六十六億、一般資金といたしまして、本年度運用いたします資金源は、百十六億というぐあいに見込んでおります。なおそのほかに厚生資金関係におきまして、従来の回收金約五億円を見込んでおります。かような状態でありますが、資金の需要面から考えてみますと、最近の金融情勢、経済情勢等を反映いたしまして、実は昨年の暮れ以来連日お客様方がふえる一方であります。百十六億の資金をもつて従来通りの仕事をして参りまして、はたしてどの程度貸付に応じ得るかにつきましては、連日需要がふえて参りますので心配はいたしておるわけであります。従いまして軍人遺家族の方々に対する弔慰金の公債の担保貸付資金に、幾らのものをさき得るかということになりますると、これは計画の立て方というものもあろうかと思いますが、何と申しまするか、きわめて余裕がないということを申し上げ得ると存じます。あるいは特別に何億かの金をさいたらどうだということもあり得るかと存じますが、もちろん全体が百十六億の資金でありますので、その余裕はきわめて少いと率直に申し上げるほかないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/24
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025・奧村又十郎
○奧村委員 公庫の総裁は、公庫の現在ある資金量では、その中から軍人遺家族の弔慰金に対する担保融資の資金はとうていさき得られない、こういう御答弁であつて、実はわれわれも公庫従来の業務に対する資金にしても足りないと、痛切に感じておるのであります。そこで政府におかれましては、この国民金融公庫の軍人遺家族に対する弔慰金担保融資は、別わくで政府が資金を国民金融公庫に流されるのであるかどうか。これだけはひとつきようここではつきり御答弁願いたいと思うのであります。もし国民金融公庫の現在持つておる資金の中からさくということであれば、これはとうてい至難であるので、おそらくわれわれ国会議員としては、それではもう政府はから約束に終るというふうに思うのであります。なぜここではつきり言うてもらわなければならぬかと申しますのは、御存じの通り新聞にも出ておりますが、各地においてすでにこの弔慰金を売買している。というのは十年すえ置きの弔慰金をもらつても、急に間に合わぬからひとつ半値でも売ろう、買おうというようなやみ売買か行われておるということが、新聞記事に出ておりますが、これに対して政府ははつきりと別わくで担保融資の資金を出す、條件はこれこれだという方針だけでも言明してくださるならば、全国軍人遺家族は政府の施策に安心して、さようなブローカーにかからぬだろうと思いますから、この点御答弁を願いたいと思います。もちろん弔慰金の実際交付されるのは、ことしの秋以後でありますから、政府がこの資金を国民金融公庫に流すということであつても、秋以後の補正予算で実行されればいいわけでありますから、出すか出さぬか、その根本方針だけはここではつきり言明願いたい。もしそうでなければ、大蔵大臣、厚生大臣は無責任なことをきようまで言つておられた、こういうことになりますから、ひとつ特にお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/25
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026・河野通一
○河野(通)政府委員 ごもつともな御質問であります。遺憾ながら予算その他の問題については、十分な御答弁を私としてはまだいたしかねる段階であります。大蔵大臣等からひとつ責任のある御答弁を願いたいと思います。しかしながら、今私どもが考えておりますところでは、お話のように国民金融公庫の資金量が、今までやつておる仕事の対象といたしましてもなかなか十分でない。これは財政の許す限り極力その資金量をふやして行く、これらの需要にこたえて行くということをやらなければならぬという意味におきまして、この点はまつたく同感であります。しかしながら先ほど申し上げましたように、財政事情その他の関係からなかなか十分なことができないことは、私どもも奥村さんとともに実は遺憾に存じているのであります。そのことはそのこととして考えますれば、今度の新しい担保金融につきましても、その資金をできるだけふやして行くことが適当であるということは、私も考えるところであります。ただいついかなる時期に補正予算を組むかといつたような予算上の問題にかかつて参ります。一政府委員としてはお答えいたすことがなかなかむずかしいのでありまして、申訳ない次第でありますけれども、御了承願いたいと思います。
なおこの問題につきましては、国民金融公庫等の担保金融だけではなくて、非常に生活にお困りの方々については、期前の買上げ償還、その公債を買い上げて償還するといつたような道も開いて参りたい。これもやはり同様予算上の問題が実は来るわけであります。そういつた道もできるだけ考えて参りたいということで、これの期前における資金化につきましては、軍に国民金融公庫のルートによる担保金融だけではなく、漁業権証券等について行いましたと同じような、生活に非常にお困りの方々の生活資金としてこれを買い上げて償還するということも、できるだけやつて参りたいということは考えておりますが、そのための金額は大体どの程度になるかという問題につきましては、これはやはり予算上の問題でありますから、大蔵大臣からお聞きとりを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/26
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027・佐藤重遠
○佐藤委員長 深澤義守君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/27
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028・深澤義守
○深澤委員 最近金詰まりは非常に深刻になつて参つたのであります。それは政府のいわゆる金融政策の集中主義とかいうような方法によりまして、特に中小企業の面におきましては、金詰まりが深刻になつて来ると同時に、国民金融公庫の需要が非常に増大している。そこでさつき総裁がおつしやるように、月二万件もの申込みがある。これに対する応対のために、国民金融公庫の従業員はまつたく労働の過重になつていると私は思うのです。ところがこの国民金融公庫に参りますと、そういう関係がありますので、総裁はお客様と言つておられるが、その扱いは決してお客様じやない。不親切きわまる事例が幾多あるのであります。私は、その問題については、現在の金融公庫の給與関係から申しましても、非常に安いのでありますから、これは無理からぬ問題もあると思う。衣食足つて礼節を知るの格言によりましても、無理からぬ問題があると思う。そこで私は今資料を見ますと、先ほど大上君からも質問がありましたが、開発銀行は初任給が一万二百六十円、農林中金八千八百四十円、商工中金九千二百八十円、国民金融公庫は六千五十円、実に大きな開きがあるのであります。一体こういうような不公平な処置は、どこかに大きな原因がなくちやならぬと私は思うのでありますが、政府関係機関の金融機関に対しまして、給與関係については大蔵省が統制をしておるのか、あるいはまた政府関係機関の金融機関が、独自の立場からこういう問題は決定し得るのか、その点をまず根本的にお聞きしたいのであります。これは銀行局長から、政府関係機関の金融関係に関する給與に関しては、大蔵省がきめるのか、監督をしておるのか、それとも自主的に各金融機関がきめるのか、その点を明確にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/28
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029・河野通一
○河野(通)政府委員 政府関係機関と言われておりますのは、おそらく農林中金、商工中金も含めて言つておられるのじやないかと思いますが、私どもつが政府金融機関と申しておりますうちには、実は農林中金、商工中金は入つておりません。具体的には開発銀行、輸出入銀行、国民金融公庫といつたようなものが、大体政府関係金融機関と考えておるわけであります。これらにつきましては御承知のように特別な予算が組まれて、予算が組まれます場合に、その給與の單価というものを一応想定いたしまして、それに基いて積算が加えられる。従いまして、その予算を通じて給與のべースというものが事実上きまつて参つております。それから具体的には個々の人々の給與につきましては、そのベースの範囲内——べースを申しますが、予算に組まれておりますものの範囲内において、おのおのの総裁なり経営者がこれを具体的にきめて行く、こういうふうな筋道になつておるわけであります。開発銀行と国民金融公庫とが初任給におきまして非常な開きがありますのは、先ほど来申し上げましたように、国民金融公庫は公務員として給與上の制約を受けておる点に、主たる原因があるわけであります。この法律案が通過いたしますならば、この点は相当程度是正されると思います。しかしながら同じ政府関係金融機関であるから、公務員の適用をはずすならば、ただちに開発銀行と同じ程度になるかという点につきましては、これはおのずから各銀行の性格、あるいは金融機関の性格、あるいは任務等から見まして、必ずしもこれは一律になるものとも考えておらぬのであります。公務員の適用を受けないからといつて、その点はただちにそういうことにはならぬと思いますけれども、逐次その幅は緩和されて行く方向に向うと思います。農林中金、商工中金につきましてはこれは私どもは実は政府機関と考えておらないのであります。どちらかといえば一般の金融機関に近い。普通の市中銀行等とは違いますけれども、民間の金融機関に近いように考えております。これらの給與につきましては、私どもは個々に非常に強い干渉をしたり、あるいは何と申しますか、統制をしたりするようなことは、筋道としてやつておりません。ただ金融機関の経理ということを、私どもはいろいろな点から十分に見て参らなければなりませんので、その経理全体の問題の一環として、人件費、給與等につきましても、いろいろ私どもとしては行政上の指導はいたしております。そういうわけでありまして、農林中金、商工中金につきましては、その他のいわゆる政府金融機関と同じような給與上の統制を行つておるということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/29
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030・深澤義守
○深澤委員 政府関係機関に対しましては、予算上の関係において、やはり大蔵省が給與ベースに対しましてある程度關與する。一般の金融機関に対しましても、明らかに大蔵省が大きな制約をしておりますので、本国会に対しまして銀行関係の従業員から、給與に関する大蔵省の統制を排除してもらいたいというような請願も出ておるのであります。従つてこれは法律上あるいはいろいろな関係がありましようが、大蔵省がある程度において押えておることは、これは間違いない事実であります。そこで私は、今の銀行局長の意見によつて、今度の法案が通るならば公務員の制約がなくなりますから、できるだけ輸出入銀行あるいは開発銀行の程度に持つて行くということは了承できるのですが、根本的な観念として、大体輸出入銀行や開発銀行は、大きな資本家関係を扱うところの銀行である。だからこれに対してはある程度の待遇を與えるべきである。国民金融公庫は庶民金融金庫から発展した。これは下層のものを扱う金融機関であるから、これには輸出入銀行や開発銀行よりも、格を下げてやつてもいいのだというような観念があるのではないかと私は思う。そこに私は同じ政府機関でありながら、不均衡な條件になつていたという根本的な問題があつたのではないかと思います。しかしこれは根本的に一掃いたしまして、国民金融公庫こそ、今、日本の庶民の金融機関として重要視する必要がある。われわれが地方をまわつて参りましたときに、これは四国の例でございましたが、四国の国民金融公庫の責任者の一人は、いかにしても他の金融機関と同じつき合いはできない。いかにしても経費がかさみ過ぎてできない。まことに肩身の狭い思いをしておるのだという、実際切切たる陳情があつたのであります。こういうことでは、私は庶民金融に対する金融の円滑を期することはできないという意味で、この点は十分に今後こういうことのないようにお考えを願いたいと思うわけです。
そこで私は金融公庫の総裁にお伺いしたいのでありますが、金融公庫には労働組合というものが現在あるかないか。そしてあるとすれば、労働組合の方の意向はどういうような意向が総裁のところに出されているか。いまだかつてわれわれは、国民金融公庫方面の従業員の意見を直接聞いたことはないのでありますが、内部的にそういう民主的な協議あるいは運営上の問題について、従業員と公庫の当局との意思というものが統一されて運営されているかどうか。その点についての事情をひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/30
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031・櫛田光男
○櫛田説明員 お尋ねの組合の点でありますが、国民金融公庫にはやはり従業員組合がございます。目下国家公務員でありますので、国家公務員法に基くところの組合でございます。その規制を受けておる組合でございます。なお従業員の方々と私とがどういうぐあいにして話をし、うまく意思の連絡がとれているかというお話でございますが、この点につきましては、何と申しましようか、現在千人余の職員がおりますが、私といわず職員といわず、全部一つの気持になりまして、何とかしてこの私どもに與えられたとうとい仕事を滯りなくやつて行きたいということで、がつちりと手を組んで——と申し上げると、自画自讃になると思いますが、大体そういう態勢にあるというふうに御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/31
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032・奧村又十郎
○奧村委員 ただいま議題になつております国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきましては、質疑も大体盡されたと思われますので、この際質疑を打切られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/32
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033・佐藤重遠
○佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/33
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034・佐藤重遠
○佐藤委員長 御異議ないようですから、本案につきましては以上をもつて質疑を打切ることといたします。
これより国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。奧村又十郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/34
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035・奧村又十郎
○奧村委員 私は自由党を代表いたしまして、希望條件を申し上げて賛成いたしたいと思います。
国民金融公庫は、零細な庶民大衆に対して零細金融をするという仕事の性格上、事務がはなはだ煩雑であります。にもかかわらず、農林中央金庫あるいは商工中央金庫などの金融機関と比較いたしまして、公庫の職員の待遇も悪く、また比較的人数も少く、これでは事務がなかなか敏活に動かない。従つて国民も困る。こういう関係からわれわれ大蔵委員といたしましても、何とかして職員の待遇を改善いたし、また人数もふやしまして事務の敏活をはかり、ますますもつて国民に喜ばれるように持つて行きたい、こういうように考えて、議員で提案いたしまして、この法律案の趣旨を実現いたしたい、こう考えておりましたところが、いろいろな事情で実現しなかつた。ところが今回政府がここに御提案になつた。その政府の努力については敬意を表するものであり、心から、賛成いたすものであります。
しかしこの法律が施行されるについては、この際政府におかれましては、ぜひ予算上現実に待遇を改善いたしまして、また人員も増加いたしまして、国民金融公庫が敏活迅速に事務を運ぶように——現在までも非常に敏活に事務は行つておりまして、国民にも喜ばれておりますが、なお一層うまく行くようにしていただきたいし、また金融公庫もそのように御努力を願いたいと思うのであります。
なおいま一点は、軍人遺家族の援護対策の一環といたしまして、弔慰金に対する担保融資の問題でありますが、これはいまだにもつて政府の根本対策が明らかになつておりませんが、約九百億に近いこの弔慰金に対する国民金融公庫からの担保融資、これが援護対策の大きな一環となつておるのでありますから、この際政府はこれに対する資金は別わくで御心配になりまして、軍人遺家族の方々が安心のできるようにお願いしたい。これを希望條件といたしまして、賛成いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/35
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036・佐藤重遠
○佐藤委員長 討論は終局いたしました。
これより本案の採決に入ります。
本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/36
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037・佐藤重遠
○佐藤委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なお本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
次会は明後十二日午前十時より開会することといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X06319520510/37
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