1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十七年二月九日(土曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長 中村 純一君
理事 多武良哲三君 理事 中村 幸八君
理事 山手 滿男君 理事 今澄 勇君
今泉 貞雄君 小金 義照君
澁谷雄太郎君 土倉 宗明君
福田 一君 高橋清治郎君
加藤 鐐造君 風早八十二君
出席国務大臣
通商産業大臣 高橋龍太郎君
出席政府委員
通商産業政務次
官 本間 俊一君
通商産業事務官
(大臣官房長) 永山 時雄君
委員外の出席者
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 越田 清七君
―――――――――――――
昭和二十七年二月六日
大阪工業試験所四国支所存置に関する請願(成
田知巳君紹介)(第四九九号)
中小企業等協同組合法の一部改正等に関する請
願(江崎真澄君紹介)(第五三五号)
の審査を本委員会に付託された。
昭和二十六年十二月二十六日
東北興業株式会社強化に関する陳情書
(第七九号)
昭和二十七年二月七日
大阪工業試験所四国支所の存置に関する陳情書
外一件(第三
五〇号)
工業技術庁陶磁器試験所移転反対に関する陳情
書外一件(
第三五一号)
総合陶磁器工業試験所設置に関する陳情書
(第三五二号)
中小企業金融の円滑化促進に関する陳情書
(第三五三号)
東北興業株式会社振興に関する陳情書
(第三五四号)
を本委員会に送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した事件
小委員会における参考人招致に関する件
ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する
法律案(内閣提出第一五号)
旧軍工廠施設拂下げに関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/0
-
001・中村純一
○中村委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。
まず旧軍工廠施設拂下げに関する件について質疑の通告がありますのでこれを許します。山手滿男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/1
-
002・山手滿男
○山手委員 年末、この問題が少し具体的に動き始めた当時、私はここで少し質問をしたわけでありまするが、その後の事情もありまするので、大臣及び通産当局に御説明を求めたいと思う次第であります。
御承知のように、賠償指定施設はわが国内に全部で八百数十箇所あるということは御承知の通りであります。この八百数十箇所の賠償指定施設は、その後民間そのほか私有のものは逐次返還をされたり、逐次活用済みにもなつておりますが、百四、五十箇所の政府、国家所有のものが、非常に大きなウエートを占めているにもかかわらず、いわゆる国有財産であるために今日まで凍結されたような形で温存をされ、日本の経済再建のためには未稼働の状態になつていることは事実であります。地方に行きますると、今日まことに惜しいような工作機械だとか、何か非常に優秀なものが格納されて、終戦後五、六年間にもなるにもかかわらず、そのまま放置されている。しかも管理費だけでも相当なものを今日まで費やして来ているのでありまして、早急にこれを復活して活用してもらいたいという希望は何人も否定することはできないと思います。政府はこの賠償の問題とからんで、これら賠償指定施設、その中にありまする工作機械とか種々な機械、そういうものとの関連はどういうふうになつて行くのか。一応概括的にお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/2
-
003・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 賠償とは今日は全然関係がないことになつております。今までは賠償の問題を考慮して、そういう処置が遷延しておつた点があると思うのですが、今日では平和條約もああいうふうになつておりますので、賠償には関係ないことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/3
-
004・山手滿男
○山手委員 賠償と関係なしにああいう機械類そのほかの施設がああいう関係に置かれているというのは、私どもそれを聞いて非常に嬉しいと思うのでありますが、半面防衛関係を目標とする行政協定の締結とからんで、この問題が日本人関係で活用する段階に来ておらないということでああいう状態になつているわけでありますか。その方の話合いはどういうふうになつているのか、お聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/4
-
005・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 行政協定の関係は、あるいはその方の行政協定でそれらの二、三の工場をそういうふうに使うことになるかもしれぬとは私も考えるのですが、何もそういう確たる情報は得ておりません。話合いもまだそういう点に触れておりません。ただ今日まで私どもの自由に処分することもできない立場にあるのです。今のこれらの遊休施設が早く活動することは御説の通り非常に望ましいことでありますから、漸次そういうふうに進めて行きたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/5
-
006・山手滿男
○山手委員 自由に処分はできないし、そうだからといつたつて、どうなるのか見通しも立たないということでは、ちよつと私どもも困ると思いまするが、もう講和條約の批准も完全に完了しておりますし、効力も発生をすることでございまするから、この活用について早急に具体的な指示を得るように、関係方面とお話合いを願いたいと私は思うのであります。特に行政協定の問題もからんで、それらの施設がまだ相当関係方面で引上げて使われるのではないか、こういうことが心配をされておりまするが、そういうことについてお話合いを進めておられるのかどうか、もつと具体的にお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/6
-
007・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 行政協定の結果そういう工場を使うかどうかということは、私は具体的に何も聞いておりません。また現在の、今進んでおりまする行政協定の話合いでは、それにまだ触れていないのだろうと私は思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/7
-
008・山手滿男
○山手委員 それではまあこの問題はそのくらいにいたしまして、先般来播磨製造所及び四日市の海軍燃料廠の関係で、これを早急に活用するということで、五人委員会をおつくりになつてこの活用の方法を御研究になつているようでございまするが、この播磨あるいは四日市は、これを日本の民間でやらすということがはつきりいたしているのでありまするかどうか、その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/8
-
009・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 やはり現在ではわれわれがかりにそういう方針にきめましても、一応関係方面の意見を聞かなくてはいけませんから、私は民間でやらすことにきめているかという御質問にはまだお答えできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/9
-
010・山手滿男
○山手委員 私はそうじやないのだと思うのでありますが、大臣はそういうお話でありますからいたし方ありません。この五人委員会というものはどういう性格のものであるか、これをちよつとお聞きしておきたいと思います。先般も、これは大臣の諮問機関であるというふうな御説明があつたように思うのでありますが、これらの工廠の活用についてはそれぞれ地元あたりの利益ということも非常に重要でありますし、それらの工廠をかつて軍が建設をいたしましたときには、地元の住民は非常な犠牲を拂つてこれに協力しておりますので、将来これらの工廠が活用されることになりますと、やはりその地元との関連性を無視するわけにも参らないと思うのでありまして、五人委員会というものは單に通産大臣に答申をするというふうな性格のものか、あるいは法的には何らの意味はなくても、大臣はこれらの委員会の答申を重視して、それに基いて、やはりこれらの委員会が出した結論に従うというような意味でこれを見ておられるのであるかどうか、あるいはまた五人委員会というものが、そういうふうな決議や何かを注いで、各委員がばらばらに、一人々々個人として答申して行くものであるかどうか、そういうふうな点についてもう少し御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/10
-
011・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 五人委員会は何も法的の何はないのでございます。私の諮問機関というべきものでありまして、私はむろん委員諸君の意見は尊重しますが、必ずしもそのまま採用しなくてはいかぬとは考えていない。あくまで私の責任で処理すべきものだと存ずるのであります。なお今の地元の意見を参考に聞くべきでないかという点は、昨年末でございましたかの委員会でも、そういう御発言がありましたので、私もそう考えております。何かの機会にそういう機会を與えたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/11
-
012・山手滿男
○山手委員 よくわかりました。本日の新聞にも載つておりまして、私もこれを読んでおるのでありますが、播磨の造兵廠については、二社が競願のようなかつこうになつて、その一社から、むしろこれは競売にすべきではないか、五人委員会というふうに、法的にも何ら約束づけられたのでないものが、何か非常な権限を持つたようにして現地に乗り込んで行つて、どつちにやらすかをきめるというようなことは非常に問題を複雑にするゆえんである。むしろ競売にして高く落札をした方にやらすというふうな行き方をした方が公正ではないか、こういう申出があつたのに対して大臣は、全然そういうことをする必要はない。やはり五人委員会というふうなものの意見を聞いて、競売というふうなことはネグレクトとして処理して行くのだというような御見解を述べられておるようでありますが、それについて御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/12
-
013・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 今お話の新聞は私読んでおりませんが、それと離れましてお答えいたします。競売に付して高いところへ売るというならば、私は全然関係しなくていい問題で、大蔵省の方で競争入札に付すれば済むわけなんです。ところが私の考えは、あれだけ国の大きな施設があるのだからして、それがわが国の生産にどのくらい貢献するかということを重点に考えなくちやいかぬと思うのです。何億か高く売れるからということで、その工場を活用して国の産業に貢献するという点においては、非常に劣つているところへ拂い下げるのはどうかと思う。私の立場はどの競願者がそういう見地から考えて一番適当であるかということをきめる。しかしそれは私がきめるだけであつて、あれを通産省だけで処分することはできないのです。しかし通産省はそういう立場できめる、そういう考えでおるのですが、実際にどういう法的処分をされますか、これは閣議できめることだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/13
-
014・山手滿男
○山手委員 活用の点から見て行くとそういうことになるだろうと思いますが、ああいう厖大な施設を評価して拂い下げることはなかなか困難な問題になるではないか、こういうふうに考えます。通産省の方でお考えになつているのは拂下げではなくて貸與するのだ、賃借料をとつて貸し付けるというような御構想のように聞いておるのでありますが、この点はどうであるか一ぺんお聞きしたいと思うのであります。ああいう相当荒れております施設を単純に賃借さしても、やはり何年か先にはその帰属にけじめをつけてはつきりさせなければならぬのであります。これを單純な形で賃借料何ぼかで貸してずつと活用さして行くということになると、結局最後は貸しくだされというふうなことになるおそれも担当あると思うのです。播磨もそうでありますが、四日市の海軍燃料廠にいたしましても、昭和十四年から建設を始めまして三億八千万円、今日の金にいたしますとかれこれ一千億円余りの国費を投入いたしております。国民の血税、その当時の金ですでに三億八千万円、今日の金にすれば一千億円くらいの資金を投入したものを、変なかつこうで貸しくだされというふうなことでけじめをつけて行くということになると、これまたたいへんなことになると思うのでありますが、そういう点についてはどういうふうにお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/14
-
015・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 私は、賃貸するというようなことは何も考えておりません。どういうところからそういう御質問が出るか知りませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/15
-
016・山手滿男
○山手委員 そうすると、四日市にしても播磨にしても全部拂下げて決済をさすということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/16
-
017・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 拂い下げる事務は大蔵省の方に移りますから、値段をきめるとか、條件をきめるとかいうようなことは私の方の所管でないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/17
-
018・山手滿男
○山手委員 しかし通産省の方でどれにやらすかということを考えになる以上は、そのことが非常に重要な問題になつて来ておるので、そういうふうにお逃げになることは私はどうかと思います。これはやはり大蔵省の方からも来ていただいて、その点一緒に聞かなければいかぬと思つている次第であります。それはあとまわしにいたしまして、四日市の海軍燃料廠のごときものは、国家的に考えても非常に重要な意味を持つておると思う。やはり国会にもいろいろな意味で報告をし、この通産常任委員会の意見あたりも御参考にしていただかなければならぬと私は思うのであります。それはなぜかと申しますと、四日市の海軍燃料廠は、戦前ありました日本の三つの燃料廠のうち、撤去を免れて残つたただ一つのものでございます。かつて日本の陸海軍がはなやかなりしころは、徳山の燃料廠を初めこの三つの燃料廠が非常に重大な役割を演じたわけであります。今日再び警察予備隊の防衛隊化あるいは海上保安隊の問題、そういう問題が再燃をして参りまして、日本の燃料問題は、今日イランや何かに見られまするように重大なる国民関心の的になろうといたしておるのであります。漏れ聞くところによると、政府はこれをある一つの会社に貸與でありまするか拂下げでありまするか、それをやろうといたしておられるように聞いております。ところが今日日本の石油会社のうちで、おそらく私はこれを一会社で完全にこなし得る石油会社はないんじやないかと思う。日本の石油会社の大部分は、大体五〇%、五〇%の割合で外資を導入しておる。ところがその実情をいろいろ聞いてみますと、人事権はほとんどみな向うにゆだねられてしまつておる、握られておるようなかつこうになつておる。株主総会とか役員会をやる前に、日本側の役員と向うの役員とが別々にやつて行つて、まず日本側が役員会を開いて、そうして向うに当つて行くというふうなかつこうになつて、非常におもしろくない雰囲気ができておる。そうして社員にいたしましても——それらの会社の社員の外資導入後のあり方をわれわれは研究もして行かなければならぬと思うのでありますが、比較的おもしろくない空気でやつておる。そういうふうな会社に、こういう四日市の海軍燃料廠のごとき問題を比較的安易な考えでまかしてしまうことになると、将来非常に大きな摩擦が起きやしないかという気がいたします。どういう会社に活用さすか、どういう性格のものでなければいかぬか、これは賃貸であるか、拂下げであるか、あるいは競売をどうするかというようなことは抜きにして、通産大臣は根本的な方針を考えておられると思うのでありまするが、その点についての御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/18
-
019・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 御意見は参考に承つておきます。外資が入つて来ることは歓迎するのですが、その管理が全然外国の手に移るということは、私は望ましくないととだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/19
-
020・山手滿男
○山手委員 いやおうなしに、そういう外国の管理権まで入つて来るとか何とかいうことを抜きにいたしまして、これは国家的な意味からいたしましても、非常に重大な意味を持つて来るような結論になつて行くであろうと思います。将来海上予備隊といいますか、あるいは防衛隊化あるいは警察予備隊のごときものにいたしましても、あるいは航空力、海上艦艇、そういうものの機動力は、全部燃料工業につながつておるのであります。どうしてもこれを日本が何らかの形でしつかり確保しておかなければいけないのでありますが、外資が半分入つて来ておる。そういうものがまた自分のその会社も含めて新しい自分の資本を半分入れるという形でこういうものの活用を始めますと、おそらく五〇%ではなしに、新しい会社の支配権は、七〇%、八〇%もそつちにゆだねることになるのではなかろうかという気がいたします。その点について特に私は大臣に意見としてだめを押しておきたいと思います。ところで私はいろいろ研究もいたしておるのですが、四日市の海軍燃料廠のごとき問題を処理いたしますには、私は特殊会社をつくつたら一番いいと考えておる。これを何億で拂い下げるか、あるいはどういう形で処分して行くかということは、なかなかきめがたい問題である。やはり利権的にこれを見られるおそれが多分にある。だからむしろこれは政府が現物を出資して特殊会社をつくる。民間も技術や資本を出したいものは出さす。そして二、三年たつてある見通しがついたときに、政府所有の株を一般民間に拂い下げる、公開するというような行き方をすれば、これは公正に国民の税金でつくつたものがまた国民に返つて来るということになるだろうと思う。それを変なかつこうで特殊の一つの会社に売り渡すということをいたしまと、いろいろな疑問が生れて参りまし、いろいろな困難も生れて来る。特に相当民族的な自覚が高まりつつある折から、外資などの関係は、将来必ずしも芳ばしくないのではないかと思います。そういうことについての大臣の御配慮があるかどうか、伺つてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/20
-
021・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 政府の事業といいますか、そういうものでやつて行こうということは、私今まで考えたことはありませんが、御意見は参考に承つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/21
-
022・山手滿男
○山手委員 四日市の場合は十数社が競願状態になつておりまするし、裏にはいろいろな手が動いておるというふうにいわれて、新聞もやかましく報道いたしております。地元の正方でも、これがどういうふうな形で活用されるか、あるいはまた、どういうふうに発展をして行くかということを注目をいたしております。片一方において、もう終戦後野ざらしになつて五、六年間放置されておつて、これ以上あのままで放置され続けますると、ここ数年ならずして腐朽してしまつて使えなくなるのではないかというふうなことも心配をしておる者の一人でありまして、どうしても早急にこれらの施設の活用を具体化していただかなければならないと思います。それには資金的な面もいろいろありましようし、いろいろ困難な問題もありまするので、簡單にどこかの一社にまかすというふうなことではなしに、やはり国家がてこ入れをして、しかしそれは国家事業としてあくまでやり続けるという前提ではなくして、ある段階が来れば、かつて日鉄の株を公開したように、あるいは帝国石油やその他の会社を順次民間に開放したように、その特殊会社を順次国民の間に開放をして行くというふうな行き方をすることが一番早道ではないかと思うのです。そういうふうなことをいろいろ考えておりまするが、政府はこの四日市の海軍燃料廠の活用の時期、そういうものについての見通しをお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/22
-
023・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 ただいまのところ、まだ拂い下げるということがきまらないのですから、私は見通しができませんが、通産省で拂い下げる方針にいたしましても、また拂下げを受けたものの方針によつても違うでしようが、もし早急に拂下げができれば、おそらく業者の陳情を昨年来この委員会で聞いておりますのに、各社の言うところが、大体一年後くらいには一部分作業ができる。そうして年々拡張して生産を上げて行くというようなことを業者は言つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/23
-
024・山手滿男
○山手委員 どうもあれだけ大きな施設であり、非常に重要な産業界の問題になつておる問題を、大臣が知らないとか、よく見通しが立たぬというふうなこと一点張りのお話では、私たちたよりなくてしようがないのでありまして、もうこれ以上私は大臣にこの問題の質問をしたくないような気もするのでありますが、ぜひとも早急にこれは決定していただきたいし、早急に活用をしていただきたい。しかも活用にあたつては、暗い影を残さないように、強力に全面的に再開できるように、公正に処理していただきたいことをお願いしまして、大臣もお忙しいようでありますから、この質問は打切つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/24
-
025・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 四日市の問題についてはいろいろ運動があるようですが、私もにがにがしく思うておるのです。これを公正に処置をするということは、私もかたくやるつもりであります。
ただいま御発言中に、私が一向見通しを持つていないのではなはだ不安だとおつしやつだが、私こういう問題を、簡単に見通しを持つて、ここでこうなるのだ、ああなるのだというようなことこそ、あなた方不安にお考えになるのじやないかと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/25
-
026・山手滿男
○山手委員 大臣は今いろいろにがにがしく思うような動きが各社にあるというようなお話でございましたが、それはどういう事実であるか。これは非常に大切なことなんです。これはまだほかにもこういう賠償指定施設がたくさんあるのです。これは一つのモデル・ケースになつておるわけでありますから、そういうものについて私ははつきりして行くことが必要であろうと思います。それを臭いものにふたをするというようなことで、ことさらこういう委員会で押えて行くというふうなことば、私はとるべきではないと思うのです。ぜひひとつそういうことについて、こういうこともある、ああいうこともあるということの御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/26
-
027・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 ちよつと今の私の言葉にあなた誤解しておいでになるように思うのだが、私に対しては何も運動はありません。ただ陳情だけです。ただあなたも発言されたように、いろいろな運動があるということは、しばしば耳にするのです。それがにがにがしいことだと私は言つたのであります。誤解のないように願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/27
-
028・中村純一
○中村委員長 次にポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑は通告の順によつて順次これを許します。今泉貞雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/28
-
029・今泉貞雄
○今泉委員 先般当委員会におきまして、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案の第一條より第九條まで提案理由の御説明を承りまして、私もそれを了承するものでありますが、通商産業省関係ポツダム諸命令で当分の間存続すべきものの中の第一号に、兵器、航空機等の生産制限に関する件というものが、六箇月間の延長をされておるという、これらの点につきましてお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/29
-
030・本間俊一
○本間政府委員 お答えをいたします。御承知のように、平和條約では日本の兵器生産につきまして何らの制限もないのでございますけれども、現内閣の根本的な方針といたしまして、再軍備を急がないという考え方に立つておりますし、国際的な諸般の情勢をも勘案をいたしまして、とりあえず六箇月間だけ現状のままで進むことがよかろう、こういう見解のもとに六箇月間の延期を規定いたしておるような次第でございます。従いまして、諸般の情勢をも勘案いたしまして、政府の方でもこの種関係の事項につきまして方針が決定をいたしましたならば。その方針に従つて処理をいたしたい、こういう見解から御指摘のような処置にいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/30
-
031・今泉貞雄
○今泉委員 この兵器、航空機の生産制限が六箇月間延長されておる。その期間中にしばしば報道れておりますように、アメリカより日本に対して、兵器あるいは航空機、それからの生産が発注をされるというような問題が起りました場合は、これらに対してどういう処置をとるお考えであるか、一応お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/31
-
032・本間俊一
○本間政府委員 ただいまのところは御指摘のようなところまで話が進んでおらないのでございますが、御指摘のような場合になりますれば、日本の政府といたしましても、それに対処する方針が決定をすることと思いますので、その方針に従いまして六箇月の期間中でも処置をすることにあるいはなるかとも思うのでございますが、期間の点につきましては、ただいま明確にお答えできるような段階でないということを御了承賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/32
-
033・今泉貞雄
○今泉委員 了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/33
-
034・中村純一
○中村委員長 ほかに御発言ございませんか。——御発言がなければ大体において質疑は終つたように考えられますが、なお補充的な質問がありますれば、後日これを許すことにいたします。
なおこの際お諮りいたします。地下資源開発及び合理化に関する小委員長より参考人を招致し、意見を聴取いたしたい旨の申出がありますので、これを許したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/34
-
035・中村純一
○中村委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。なお参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願います。
ほかに御発言がなければ、本日はこの程度にいたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00619520209/35
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。