1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月二十五日(火曜日)
午前十一時十四分開議
出席委員
委員長 中村 純一君
理事 高木吉之助君 理事 中村 幸八君
阿左美廣治君 今泉 貞雄君
江田斗米吉君 小川 平二君
小金 義照君 澁谷雄太郎君
土倉 宗明君 福田 一君
森山 欽司君 風早八十二君
出席政府委員
通商産業政務次
官 本間 俊一君
委員外の出席者
専 門 員 谷崎 明君
専 門 員 越田 清七君
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三月二十五日
委員高橋清治郎君辞任につき、その補欠として
森山欽司君が議長の指名で委員に選任された。
同日
理事神田博君の補欠として多武良哲三君が理事
に当選した。
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三月二十四日
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案
(内閣提出第一〇一号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
石油及び可燃性天然ガス資源開発法案(内閣提
出第二二号)
輸出信用保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六三号)
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案
(内閣提出第一〇一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/0
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001・中村純一
○中村委員長 これより会議を開きます。
本日の日程に入ります前にお諮りいたします。理事神田博君より理事辞任の申出がありますのでこれを許可いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/1
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002・中村純一
○中村委員長 御異議なければさようとりはからいます。
つきましては理事の補欠選任を行わねばなりませんが、理事の補欠選任は先例によりまして委員長より御指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/2
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003・中村純一
○中村委員長 御異議なければ多武良哲三君を理事に御指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/3
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004・中村純一
○中村委員長 それではまず輸出信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する質疑は終了いたしておりますので、これより討論を省略し、ただちに採決に入りたいと存じますが御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/4
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005・中村純一
○中村委員長 御異議なければ、これより討論を省略し、採決に入ります。本案に賛成の方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/5
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006・中村純一
○中村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なおこの際お諮りいたします。ただいま議決いたしました議案に関する委員会報告書の作成に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/6
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007・中村純一
○中村委員長 御異議なければさようとりはからいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/7
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008・中村純一
○中村委員長 次に中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたし、政府より提案理由の説明を求めます。本間政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/8
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009・本間俊一
○本間政府委員 ただいま上程に相なりました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
このたびの改正の目的は、本法施行後二年有半の経験にかんがみまして、組合の組織及び運営の合理化をはかろうとするものでありまして、そのおもなる内容はおおむね次の通りでございます。
第一は、組合員たる中小企業者の規模の基準を引上げる等の措置を講じまして、組合の組織の安定強化をはかろうとするものであります。
第二は、いわゆる広地域の連合会の事業に関する制限を廃止いたしまして、その事業活動を促進しようとするものであります。
第三は、一定の制限のもとに員外役員の選任を認めまして、組合の業務の執行を円滑ならしめようとするものであります。
第四は、総代会の権限を拡充いたしまして、大規模組合の運営を容易ならしめようとするものであります。
以上がおもなる改正事項でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御協賛賜わるようお願いいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/9
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010・中村純一
○中村委員長 これにて提案理由の説明は終りました。質疑は次会に行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/10
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011・中村純一
○中村委員長 次に石油及び可燃性天然ガス資源開発法案を議題といたし質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。森山欽司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/11
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012・森山欽司
○森山委員 石油及び可燃性天然ガス資源開発法案に関連して、帝石の問題について御質疑を申し上げたいと思います。
この法案が通りますと、いろいろな面で、日本石油採掘の九六%を占めている帝石にとつて大きな影響があります。中小の石油採掘業者にもあるにはありますが、帝石への影響が一番大きい。そこで、もちろん帝石が自分で利害関係があるのでありましようが、この法案に対してここにあるような反対意見を書いて来ております。私は労働問題その他で帝石の内容を調査しておりますが、実情を知つている私にとつては、その内容を見ますとどうもおかしい点がたくさんある。たとえばこの法案には、石油の合理的開発のために政府は命令を出すことができることになつているが、それに対して帝石は行き過ぎであると反対しております。今までまじめに合理的開発をやつておつて、内外ともに信用のあるところの連中がこういうような反対をするなら別でありますが、御承知の通り昨年以来、コンサーべーシヨンの問題で帝石の経営者はさんざんみそをつけております。そういう連中がこういう意見を方方に配つて、この法案の反対運動を盛んにやつております。その無神経さにもあきれるのでありますが、大体この法案が今度の国会に出るについては、その間にいろいろな経過的なものがある。特に帝石におけるいろいろな失敗、たとえば八橋油田で不完全な仕上げの坑井から油をとつたり、また八森油田——これは八橋油田と同じく秋田の油田ですが、井戸と井戸との間を接近して堀つたので非常に石油の産出に影響を与えた、そういうような関係で、日本の石油資源を保ち、さらに発展さして行くためにこの法案が必要だということになつてこの法案が出たのであります。特に三月五日の労働委員会の私の質疑に対しまして、コンサーべーシヨンに関する資源庁の勧告を、帝石の経営者が祕密指令を出して破つているというところまで明らかになつているのであります。そういう遵法精神に欠けたやり方をしておいて、この法案が行き過ぎだというのは、これは俗に言う言葉で言えば、いささか盗人たけだけしいという俗語が当るような感じさえあるように思うのでありますが、通産省としてはどういうふうなお考えを持つておられるか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/12
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013・本間俊一
○本間政府委員 お答えいたしたいと思いますが、ただいま森山委員が御指摘になりましたように、例の秋田の八橋の問題その他で御指摘のようなことがあつたわけであります。実はその当時も通産当局といたしましては、無理な措置をせないようにということで、専門家などの意見も十分に聞いた上で、御承知のような処置をいたしたわけでございますが、その間ただいま御指摘のようないろいろな問題なども、付随いたしましてあつたように私どもも承知をいたしておるわけであります。そこで、先ほどちよつと申されましたが、この法律案において命令を出すことができるというふうにいたしましたのは、決していきなり一方的に命令を出すというふうには実は考えておらないわけでございまして、十分御承知でもあろうと思いますが、地下資源の関係は学問の上からいつて非常にむずかしい問題でございまするので、法案の提案理由の説明でも申し上げましたように、できるだけ合理的な開発をいたしたいという考え方の上に立つておりまするので、私どもといたしましては十分実際も調査いたしまして、また専門家の意見も十分にひとつ聴取をいたしまして、もし不都合のようなあるいは合理的な開発の線からはずれておりましたようなことがありました場合には、できるだけ話合いをするとか勧告をいたしまするとかというような方法をもちまして処理をして行きたい。ただ法律の建前からどうしてもそういう方法で解決のできなかつた場合には、命令を出すことができるというふうにいたした方がよりよかろうというような考え方で実は提案をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/13
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014・森山欽司
○森山委員 この法案自体はこの委員会で審議する事柄でありますが、法案を提出されたのは政府であります。今日帝石が希望しておるような改正意見というものを取入れることについて、これは賛成なのかどうか、ちよつとそのことだけごく簡単でよろしゆうございますからお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/14
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015・本間俊一
○本間政府委員 帝石がいろいろ御指摘のような動きをいたしておりますのも承知いたしておるのでございまするが、政府といたしましては原案が一番いい、こういう考えを持つておりまするので、帝石の考え方につきましては賛成をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/15
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016・森山欽司
○森山委員 次の質疑に移りたいと思いますが、大体資源庁なり通産省の従来のやり方というものは形式的に過ぎると思う。今までの勧告にしろ、何もこの法律が通らなくとも実質的には命令と同じである。八橋のコンサーべーシヨンの問題がああいう結論が出るまでには一年もかかつております。この法案もそういう歴史的な経過の中から生れたものであります。ところがその勧告を社外祕の祕密指令で破つている。これは帝石社内の開産発二〇一号という指令だそうであります。二〇一号と言えばわかるのでありますが、要するにコンサーベーシヨンの勧告なんかやまて、七本の井戸のビーコンを勝手に大きくしてやつた。そればかりでなく、勧告できめられた井戸の測定なんかほとんどやつていない。こういう違反の事実の実情を資源庁は係官を現地に派遣して十分つかんだとこの前委員会において私に答弁しておる。一体その後どうしたか、あのときの話ではこれに対し質問状を帝石に出し、回答を見てから処置をとると私に申しました。回答の期限は三月十日であります。ところが本日は三月の二十五日であります。もう二週間もたつておるのであります。一体これはどうしたのでありますか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/16
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017・本間俊一
○本間政府委員 私もうつかりいたしておりまして、三月十日までにその後の善後処置の御報告を申し上げることになつておつたそうでございますが、つい実は知らずにおりまして、はなはだ申訳ないのでございますが、次会にでも調査をいたしました善後処置につきまして詳しく御報告を申し上げたいと思います。どうかその点は御了承を賜わりたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/17
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018・森山欽司
○森山委員 私の調査したところでは、三月十日に帝石から簡単な回答が来た、通産省側としてはそれには不満足であつたので、その後四、五日たつて、会社から厖大な資料を提出した。二十二日にコンサーべージヨンの委員会を開いて、目下検討中だというようなことを聞いておる。私はそういうようなことを聞くのは非常におかしいではないかと思う。大体帝石がやつたのは、結果を報告すべき井戸をごまかして、必要のない他の井戸の結果を報告して、やるべき坑底圧の測定をやらないとか、そういう勧告のサボないし違反であります。技術的に理由のあるものでもない、それをいまさら厖大な資料を出したからといつて、検討中とかコンサーべーシヨンの委員会を開くとかいうのはおかしい。すでに資源庁は違反の実態はつかんでいる、何ゆえにそれに対する明確な態度を急速にとらないのか、資源庁は問題をはつきり公表すべきであります。そうして帝石の経営者に対して断固たる措置をとるべきだと思う。今政務次官からお伺いたしますと、うつかりしておつたというようなお話でありますが、政務次官の仕事の範囲は非常に広いのでありますが、資源庁の事務当局としては、これは頭痛の種になるほどの刻下の重大問題になつておる。それをしも今日何らの返事がないのです。私の聞きたいのは、二十二日にコンサーべーシヨンの委員会を開いただけか、それで帝石にこの法案は行き過ぎだと反対運動をやらせているだけか、一体それで資源庁としての行政責任が果せると思つておるのか、通産省としての責任が果せると思つておるのか、一体どういう気なのか、私は全然わからない。大臣の意向も、また政務次官であるあなたの意向も、事務次官の意向も、資源庁長官の意向も、資源庁次長の意向も、どうも一向どういう考えでやつておるのか私にはわからない。そこでひとつ政務次官にお伺いしたいのですが、事実については一応政務次官としても十分御了承されていると思うのです。そこで次回の委員会に先ほど御返事をいただけるという話でありますが、大体どの程度の御返事がいただけるか、政務次官の腹をひとつある程度打ち明けていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/18
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019・本間俊一
○本間政府委員 さつそくひとつ相談をいたしまして、できるだけ御趣旨に沿うような線で御報告申し上げるようにいたしたいと思いますから、どうかその点はひとつ御了承を賜わりたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/19
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020・森山欽司
○森山委員 御承知だと思いますが、二十二日には東京地検の居林検事の指揮で、帝石本社は厳重な家宅捜査を受けました。私のところに入つた情報では、検事がただちに秋田の現場に乗込んで帝石の責任者を目下喚問中であります。不正問題は現在進んでいるのであります。これについても三月五日に私が労働委員会で質疑したときは助成金で買つた機械の問題が含まれているはずであります。あれだけでも経営者には非常に大きな責任がある。そうしてこれを監督すべき責にあるところの政府、通産省当局、また単なる監督的立場でなく帝石の最も大きな株主である政府の立場としても、私は政府の責任は非常に大きいと思つておるのであります。私は資源庁がそれをそのままにしておかれることのないように希望します。原簿は押収されてあるが業務にはさしつかえないように、みな写しがとつてある。検察庁もそれくらいの配慮をしておる。従つて帝石がやろうと思えば仕事はやつて行けるのです。実態をつかめないとか何とかというようなことを会社側も言い、また資源庁も万が一それをある程度認めるようなことがありますと、これは政府も国会も無視されておるのであります。そういうことではどうしてもいけない、私は帝石の重役はこの際総退陣させなければならない段階に来ていると思う。私は政務次官に現在の重役陣をどういうような形にすべきであるというような具体的な御返事を早急にいただきたいと思うのです。すでにこの問題については、かつて経済安定委員会において与党の志田委員が取上げております。それから予算委員会において改進党の中曽根委員が取上げている。労働委員会において私が取上げている。それから本日問題の実態が通産省の管轄事項でございますので、特に通産委員会に出席して、この問題を御質疑いたしておるのであります。議員としてなすべきことは、すでになし尽しておるのであります。これ以上少くとも私の立場として紳士的なアドヴアイスを通産省に差上げることはできないのであります。これ以上の時間を費されますと、私どもといたしましても、従来の紳士的な態度を一擲しなければならない、と申しますと、いささか強硬な言葉を吐くようでありますが、もう現実に検察庁が帝石本社を完全に家宅捜索をやつておる。検事が現に秋田の現地に行つて続々調べておる、今月末まで出張して調べているというような段階に入つておるときに、通産省が默つてこれを見のがしておくという、そういうばかな話はないと私は思う。そうなりますれば、この問題を大々的に国会において政治問題化して取上げなければならないと私は考えております。どうかそういうような最悪の事態が来ないように、できるだけ早い時期に通産御当局において、これに対するところのわれわれに納得できる結論を早急にひとつ御報告願いたい。政務次官は次回の通産委員会において御報告されるということでありますから、その御返答を鶴首して私は待つものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/20
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021・中村純一
○中村委員長 本日はこの程度にいたし、次会は明後二十七日午前十時より開会いたします。公報をもつて御通知いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X01819520325/21
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