1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月二十八日(金曜日)
午後二時十三分開議
出席委員
委員長 中村 純一君
理事 高木吉之助君 理事 多武良哲三君
理事 中村 幸八君 理事 山手 滿男君
理事 今澄 勇君
今泉 貞雄君 江田斗米吉君
小川 平二君 小金 義照君
土倉 宗明君 永井 要造君
福田 一君 村上 勇君
加藤 鐐造君 風早八十二君
出席国務大臣
国 務 大 臣 周東 英雄君
出席政府委員
公益事業委員会
委員 宮原 清君
公益事業委員会
事務総長 松田 太郎君
総理府事務官
(公益事業委員
会経理長) 中川 哲郎君
通商産業政務次
官 本間 俊一君
通商産業事務官
(通商企業局
長) 石原 武夫君
経済安定政務次
官 福田 篤泰君
経済安定事務官
(産業局長) 近藤 止文君
経済安定事務官
(産業局次長) 岩武 照彦君
公益事業委員会
需給課長 竹田 達夫君
経済安定事務官
(物価庁第三部
長) 森 誓夫君
委員外の出席者
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 越田 清七君
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三月二十八日
理事今泉貞雄君の補欠として多武良哲三君が理
事に当選した。
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本日の会議に付した事件
理事及び小委員の補欠選任
公聽会開会に関する件
商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提
出第五二号)
中小纎維産業緊急融資に関する件
電気事業に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/0
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001・中村純一
○中村委員長 これより会議を開きます。
本日の日程に入ります前に、委員の異動に伴う小委員を、委員長において補欠選任いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/1
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002・中村純一
○中村委員長 御異議なければ御指名いたします。
電気及びガスに関する小委員として土倉宗明君、中村寅太君、風早八十二君。地下資源開発及び合理化に関する小委員として上林與市郎君、高橋清治郎君。中小企業に関する小委員として高橋清治郎君、風早八十二君、工業に関する小委員として上林與市郎君。繊維に関する小委員及び貿易に関する委員として風早八十二君をそれぞれ御指名いたします。
なお理事今泉貞雄君より理事辞任の申出がありますので、これを許可いたし、その補欠として多武良哲三君を理事に補欠選任いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/2
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003・中村純一
○中村委員長 御異議なければさようとりはからいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/3
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004・中村純一
○中村委員長 それではまず商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑は前会において大体盡きておるのでありますが、他に御質疑はありませんか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/4
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005・高木吉之助
○高木(吉)委員 この前大体石原局長より御答弁を願つたのでありますが、少しく追加をしてお尋ねいたしたいと思います。まず第一にお尋ね申したいことは、取引仲買人の破産免責の問題に対してであります。普通債務者が破産しました場合には、債権の求償権は普通自然の場合におきましては本人の死亡により相続人が限定相続をせぬ限り、債務弁済め義務が残るのが、普通破産法の解釈でありますが、取引仲買人の場合におきまして、一旦破産をいたしまして、他日別の営業によりまして相当な利潤を得て財産を獲得したという場合におきましては、旧債に対しまして、取引仲買人の破産者につきましてはいわゆる破産免責ということがあるのでありますか、もちろんこの破産は善良な意味の破産でありまして、財産の隠匿あるいはその他の不当行鳥がない場合を申し上げておるのでありますが、これについてお尋ね申したいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/5
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006・石原武夫
○石原(武)政府委員 お答え申し上げます。ただいま御質問のございました仲買人が破産をいたしました場合に、当該仲買人が将來他の事業等で資産ができた場合に、仲買人当時の破産をいたしました際において不履行になりました債権について免責されるかどうかという点につきましては、ただいまお示しがございましたように、一般の破産の場合と同様に、個人の場合におきましては、その破産債権は存続いたしておりますので、免責ということに相ならぬという解釈が正しいのであります、先般御質問がございましたときに、免責になるというような趣旨で御答弁申し上げましたのは誤りでございます。ここに訂正をいたしまして、ただいまお尋ねの通り免責にならぬ、仲買人の場合につきましても同様の解釈をしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/6
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007・高木吉之助
○高木(吉)委員 次に先般の局長のお話につきまして、速記録を調べてみますと、少し了解のつきかねる点があるのであります。それは特別担保金に対する先取特権がございますが、特別法で規定をいたしました場合は、国税その他の公課に優先するのではないかと考えるのでございます。またそこまで先取特権を認めることは通産省と大蔵省の話合いによつて、そんなにする必要はないということになるのでありますか。特別法に設定しました際はそれに優先するというふうに考えるのでございますが、これに対する御解釈をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/7
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008・石原武夫
○石原(武)政府委員 お答えをいたします。先般も御質問がございましたが、優先弁済権が商品取引所法で與えられております。それと他のさような優先的な弁済権の順位の問題でございますが、これはその後われわれの方でも法務府等と打合せをいたしまして研究いたしましたが、順位といたしましては国税が第一でございます。あるいは地方税その他それに準ずるような公の公課は第一次優先に相なります。第二番目といたしまして、本法等にありますような特別の法律によります優先弁済権、それから三番目といたしまして、その他一般の民法等によります先取特権、こういう順位になるというふうに解釈いたしております。これは法務府等の意見も聞きまして、さような解釈にいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/8
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009・高木吉之助
○高木(吉)委員 次にお尋ね申し上げたいことは、たとえば仲買人が綿糸部門と綿布部門と二つに入つておる。その場合におきまして、綿糸の部分においての違約者をかりにイといたしますと、そのイが綿布の部分にも入つておる。その場合に綿糸の部門におけるところの会員信認金、仲買保証金、売買証拠金または特別担保金は全部これをもつて損失に充てるという場合でございます。これは当然そのようになるわけでございますが、そのイが綿布部門になお特別担保金を持つておるという場合に、かりにイが破産をいたす場合におきましては、当然綿布部門にあるところの保証金も債務として取立てる権利があるわけでございます。その場合に、綿布部門のその保証金は、やはり一般の債務に優先してとれるものでありますか、あるいはやはり普通の序列によりましてその債権というものが処理せられるものであるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/9
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010・石原武夫
○石原(武)政府委員 お答えをいたします。同一人が綿糸、綿布両部門で商いをしておりまして、片一方の、たとえば綿布部門に違約が生じた場合におきまして、仲買保証金、会員信認金、あるいは今回できます特別担保金等に対する優先弁済権は、当該違約の起きました商品市場、たとえば綿布についてのみでございます。従いまして他の商品部門におきまする会員信認金その他につきましては、優先弁済権はございません。それらに対しまして弁済を受けます場合には、一般の債権者と同様の一般の債権という形で行くことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/10
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011・山手滿男
○山手委員 簡単に一点だけお尋ねをします。各地で米の関係で取引所をつくりたいというふうな動きがあるようでありますが、そういうものについての動きをできれば御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/11
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012・石原武夫
○石原(武)政府委員 お答えを申し上げます。ただいまお尋ねの米の取引所の問題につきましては、これは実は所管が農林省になつておりますので、正確なお答えはいたしかねます。実は商品取引所法は、商品別にその所管の大臣が主務大臣ということになつておりますので、かりに米の取引所をつくるといたしますれば、農林省の所管になりますので、正確なお答えはいたしかねますが、われわれが今伺つておりますところでは、農林省では統制を廃止してもただちに米の取引所をつくるというお考えは、今のところないように伺つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/12
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013・多武良哲三
○多武良委員長代理 ほかに御質疑がなければ、討論はこれを省略いたし、これにより採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/13
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014・多武良哲三
○多武良委員長代理 御異議なければ討論はこれを省略し、これより採決に入ります。本案に賛成のお方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/14
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015・多武良哲三
○多武良委員長代理 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。この際お諮りいたします。本案に関する委員会報告書作成の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/15
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016・多武良哲三
○多武良委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/16
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017・多武良哲三
○多武良委員長代理 次に中小繊維産業緊急融資に関する件について、今澄勇者より発言を求められておりますので、この際これを許します。今澄勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/17
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018・今澄勇
○今澄委員 石川、福井を初めとする繊維産業の危機について、当通産委員会が参考人を呼んで実情を聞き、その結果、これらの繊維産業の危機は非常に深刻なものであるということになり、政府は百五十億の預託金を金融機関に流したのでありますが、中小企業については五十億を確定しておるにすぎません。この際私は、以下述べる決議を当委員会で御採択願い、至急これらの中小繊維産業融資に、政府が努力すべきことを要請するものであります。
中小繊維産業緊急融資に関する決議
ボンド貨過剰に基く為替軟化見透の為に採られたボンド地域向輸出抑制方策並びに昨秋以来の金融逼迫と年度末徴税攻勢とは、互に因となり果となり。わが国中小繊維産業の前途に未曽有の危機を招来するに至つた。
殊に中小の繊維産業界は、いまや倒産相次ぎ、收拾し得ない状態に陷りつつある。剰て加うるに、電力料金の引上が巷間に流布せられるに及んで、もはやその全面的壊滅は決定的となるであろう。然るに政府は、商工組合中央金庫及び国民金融公庫に対する僅かばかりの融資をもつて当面を糊塗して以て中小企業金融対策全しとしているのは誠に時局認識を欠如するものといわざるを得ない。
政府はよろしくこの大局に着眼し因循姑息な小策を排し、大量の資金をこれら中小企業金融機関に投入し速かに業界の再建を期すべきである。
右決議する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/18
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019・多武良哲三
○多武良委員長代理 ただいまの今澄勇君の御提案についてお諮りいたします。ただいまの中小繊維産業緊急融資に関する決議を委員会の決議として議長に御報告し、なお関係政府機関に参考送付いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/19
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020・多武良哲三
○多武良委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。なお決議案文の文句の多少の変更につきましては、委員長に御一任願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/20
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021・多武良哲三
○多武良委員長代理 次に電気事業に関する件について、昨日に引続き調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。今澄勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/21
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022・今澄勇
○今澄委員 それでは昨日に引続いて、電気料金値上げに関する質問を続行いたします。きのう配付を受けた資料にも、自然需用の明細については何ら材料を提供いたしておらぬのでありますが、昭和二十七年度の電力不足の程度はどうか、並びにこれらの不足したときの対策をどうするか、昭和二十七年度の自然需用はどのくらいと推定せられ、またこれに対して平水年の供給力とすれば、どのくらい不足する見込みであるか、また一割程度の豊水、渇水年とすれば、その不足量の程度をどの程度に勘案しなければならぬか、なお平水年の電力不足に対し、いかなる対策と措置を考えているかというような具体的な問題について、公益事業委員の方からひとつ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/22
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023・宮原清
○宮原政府委員 お答え申し上げます。すべて数字的な問題にわたつておりますのと、また技術長も参つておりませんから正確を期することは留保していただいて、とりあえず松田事務総長から一応の御説明をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/23
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024・松田太郎
○松田(太)政府委員 ただいまお尋ねの詳細な点は、後ほど技術長を呼びまして詳しくお答えをさせていただくことにいたしますが、大体過去九箇年間の水の状況を見ました場合に、昨年度におきましては、九月、十月という例年にない異常渇水を見たのであります。しかしながら年間を通じますと、大体例年の一〇五%程度の水が出ておまりす。その際にいろいろ利用率と申しますか、各発電施設をどの程度活用したかという点につきましては、当初はこの三十六年度の計画といたしまして、いわゆる利用率を九一%程度に見ておつたのでありますが、今申しましたように、いろいろな渇水その他の電力不足の状況に対応するために、設備等につきましても、当初の計画通りの修理等もできない。またいたさずにできるだけこれを活用しようというので、実績におきましては九四%強の利用率の強化をはかつたような次第になつております。そういうふうなことで、大体水の状況は、最近においては一年を通じますると、そう悪いわけでもないのであります。ただ水の状況というものは渇く、結局例年の平均を基礎にして、今後の電気料金の改訂につきましても、また二十七年度の電力の需給計画、つまり電気料金の基礎になつております電力の需給計画を考えます場合にも、一応水の量は過去十箇年の平均程度を勘案いたしておりまして、ただ今申しましたような利用率等については、過去の実績、特に最近の実績等を考えて、できるだけ出力の増強をはかるようにいたしております。その他いろいろ詳細にわたりましての御質問がございましたが、こまかな点につきましては資料を御提出いたしまして、技術長の方から詳しく御説明をいたすようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/24
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025・今澄勇
○今澄委員 今回の三割七厘の値上げ申請に対して、公益事業委員会は、昨日の質問に対しても、この値上げに対する見通し、あるいは取扱いについての方針を示すことがなかつたのでありますが、私はこの際、これは事務官でけつこうですが、安本、物価庁、通産省の相当責任者に、今回要請された三割七厘の値上げ申請については、値上げの必要が一体あると思われるか、あるいは産業界全体から見れば、どの程度の値上げが妥当なのであるか、それとも全然必要がないのであるか、こういう点をおのおのの役所の立場からここで説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/25
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026・本間俊一
○本間政府委員 お答えいたします。御指摘のように、三割七厘の値上げ案か公益事業委員会に提出せられて飾りますが、御指摘もありましたように、最近の市況が一般的に停滞をいたしております状況、それから日本の産業界を見ますると、御承知であろうと思うのでありますが、原料高、製品安の傾向が強い状況から見ますれば、このたびの電力料金の値上げ分をはたして企業が吸收し得るかどうかということにつきましては、相当検討をしなければならぬ問題があるわけであります。従いまして今後の世界的な市況、それから国内の産業の実際の状況等から愼重に検討をいたしたいと思つておるのでございます。もう一点は、電力料金の値上げの原価計算でございますが、その原価計算の要素には、御承知のように、人件費、燃料費、修繕費それから株式に対する配当というような、電力会社の努力によりまして節減し得る余地があるかどうかというような点も、愼重に検討いたさなければならぬかと考えておるような次第でございます。従いまして通産省といたしましては、まだ最終的な態度を決定いたしておりませんが、ただいま申し上げましたような観点から慎重に考慮をいたしまして、最後の態度を決定いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/26
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027・近藤止文
○近藤(止)政府委員 ただいまの電力料金の値上げの問題につきましては、経済安定本部におきましても、物価庁が中心になりまして料金改訂の内容につきましてただいま具体的に検討中でございます。先ほど通産政務次官からお話がございましたように、原価計算の点につきまして、ある程度検討を要する点があるようでございますし、またそれらの結果から出て参りました総括原価をもとといたしまして、これをいかなる料金によつてはじくかというレート・メーキングの点につきましても、これは一般の産業及び電気事業としての公益性の問題とからみ合せまして、適当な点におちなけなければならぬというふうに考えまして、ある程度具体的に現在検討中でございます。安本といたしましてもここ数日中には大体まとまつた意見が決定できると存じますが、そのときに具体的に申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/27
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028・今澄勇
○今澄委員 今通産、安本両当局から漠然とした御見解を承りましたが、少くとも電気料金のごときこういう公共的な問題については、おのおの民間会社からその値上げの限度を決定して要求をして参つた場合には、やはり機構の上にも大きな不備があると私は思うが、政府の当局者として、日米経済協力から来る電力需用の増加、あるいはこれが産業界にはね返る影響、あるいは電力の値上げが、一般物価の下落するような恐慌の状態にあるときにおいて、原料高の製品安の上に一体どういう影響をもたらすかという点を考慮して、公益事業委員会は公益事業委員会としての見解を持ち、あるいは一般政府の各担当役所としては、これに対する正確な資料の上に基いて見通しを持ちながら談合するということでなければ、私は電気料金値上げの問題等についての真劍な討議をすることはできないと思う。一体公益事業委員会は、この三割七厘の値上げについて関係役所と何らかいろいろ意見の交換その他をしたのかどうか。あるいはこの値上げについては、どの程度を許可することが適当と思われるか。出席委員の御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/28
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029・宮原清
○宮原政府委員 ただいまのところはすべて事務当局間における密接な交渉をいたしておりまして、その結果について時々報告を受けております。自然私どもの方の方針といたしましては、一般の公聴会を経た上であらためてさらにいろいろ御相案ずるという手順になつていると信じております。なおしかし今出ております事務局の者から、この経過について何か御参考になるようなことがありましたら、もう一応御説明いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/29
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030・松田太郎
○松田(太)政府委員 今度の電気料金の改訂につきましては、先般今澄委員からも御指摘のようにちようど時期が昭和二十七年度の電力の需給計画を立てなければならぬときであります。またその需給計画が決定された上において、電気料金の問題をその線に沿いまして考えなければならぬ問題でございます。従いましてまず第一に昭和二十七年度の電力の需給計画につきましては、相当以前から経済安定本部、通産省等と密接な連絡をとりまして、昨日も経済安定本部の岩武次長の方からお答えいたしましたように、大体におきまして経済安定本部とは意見の一致を見まして、その需給計画、言いかえれば供給量並びに各地域別における需用をどう見るかという線に基いて、各電力会社もその線に沿つて電気料金の申請をしておりまして、そういう意味では各電力会社の申請いたしました内容について、申請と同時に各社別にその申請の内容について詳細な説明身聞いているのであります。これはもちろん物価庁、経済安定本部等とも一緒になつてこれを聞いているのでありまして、ただいままでのところ十分関係官庁の方とは緊密な連絡をとつていたしております。なお次の、どの程度の腹づもりかということにつきましては、ただいま宮原委員からこれに関する御答弁がありましたので私は省略させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/30
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031・今澄勇
○今澄委員 それでは料金制度についてひとつ私は公益事業委員会にお伺いをしたい。現在の料金制度はあまり複雑でわれわれしろうとには全然この料金の内容がわかりがたい。一般の消費者もとよりであろうと私は思います。その料金の目安も立てがたくて、事業経営の上にも平均三割七厘の値上げということであれば、自分のところでどうなるかという結論はなかなか出がたい。現在の制度は割当制度が採用されておつてこれが複雑の元祖である。標準水力料金と高価な火力料金にわかれておつて、單に料金の笹上げだけでは、その割当運用はさじ加減でどうにもこの値上げ率の変更をすることができるまことに変態不可思議な制度でございます。大口需用家はもとより要領よく運用して割当量の増加をはかるであろうし、これに反して小口や動力は一切みじめな状態におるということは、きのういただいた二十七年度の想定需用表によると、電燈派は二一%が追加電力量であるのに対して、大口の丙種はわずか四%という数字がきのうの資料の中に出ておる。その上電力不足の際には割当量以下に制限が加わることがある。しかも業種別にこれが異なつて来るのであるから、料金はますます複雑で、電燈には夏と冬の料金差があり電力には需用電力、力率、負荷率、変圧器の変化による料金差が設けられ、また早收遅收による差が一般に設けられておる。さらに料金とは関係ない事業税、電気税まで賦課されて、まつたく電気料金のシステムは非常に複雑厖大な組織になつておつて、これだけでも一つの学系を形づくるくらい複雑な料金制度にできておるのであります。われわれはこういう複雑怪奇な料金制度と、鉄道料金やガス料金というものを比べてみて、少くともこの際日本の電燈料金の算定というものについては、私が述べたようなかなかのごとき複雑怪奇な電燈料金制度でなくて、すつきりとした最も分かり易い電燈料金の打出し方をして、一般国民の納得を得るというわけには行かないものかどうか。この点についてはこれから通産、安本、物価庁、公益事業委員会おのおのの立場から、ひとつこの複雑なる電力料金制度というものについての見通しと、御見解とを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/31
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032・宮原清
○宮原政府委員 お答えいたします。ただいまの御設はいわゆる旧来の複雑なる電気料金の制度に関する抜本的な御意見でありまして、事柄を簡明にするということは、仕事の上にもまことに望ましいことでありますので、御説は十分了とするところでありますが、何分にも極端な電力不足のこの際において、割当料金制度というような問題を変更することができないというところにすべての出発点があるように感じております。従いましてただいまお話のようなある程度の改正をすることについては、おそらく電気の数量が漸次増すに従つて、そういうことに対する対策が行われることでありましようが、今ただちに御説のごとくすつきりしたところまで持つて行くためには幾多の難点があると思います。しかしながらそういうことはひとり電気に限りませんので、およそ諸種の事柄が簡明で筋の通つたものであることは御同様望ましいことでありますので、われわれとても将来とも十分にそういう点についての研究を続けて行きまして、そうして各所在の料金においての差等はやむを得ないとしましても、これは政府自体における簡明すなおなりつばなものができまするならばまことに仕合せだと思います。その程度のことをお答え申し上げて御了承を願いたいと思います。なおこの料金の割当等についての数字的な問題は、また後に経理長からでも御返事いたさせたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/32
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033・石原武夫
○石原(武)政府委員 ただいまの点につきまして通産省としてお答え申し上げます。ただいまお話がございましたように、現在の電気料金の制度が非常に複雑になつておるわけでございます。従つてこれをもつと簡素化されることは原則論としてわれわれも望ましいと存じまするが、ただ現実がその複雑な料金制度のもとに割当の関係とも関連して現実に動いておりますので、これを一挙に簡素化した非常にすつきりした案にいたしますと、あるいは業種により、業態により非常に影響を受ける分も出て来やせぬかと思います。従いまして今後料金制度を簡素化するにいたしましても、具体的な影響がどの程度あるかということを十分に検討の上でないと、予想外の混乱を来すおそれがあるかと存じますので、その辺もにらみ合せまして、関係のところと御相談をして今後さようなことに進めて行きたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/33
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034・今澄勇
○今澄委員 安本については安本長官が見えたときに聞くことにして、私は今の通産省の企業局長に、今回の三割七厘の値上げの申請に対して通産省の企業局としてはそれが産業界に及ぼす影響その他の情勢を勘案して、どの程度が妥当であると思われるか、あるいは日米経済協力に伴う電力の需用増という大口の変化についてどういう影響がもたらされるか等々の見通しについてひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/34
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035・石原武夫
○石原(武)政府委員 お答え申し上げます。あるいは先ほど通産省といたしまして、政務次官からお答えがあつたかと存じまするが、われわれといたしましては、電気会社の電気料金の値上げの内容を目下検討いたしておるわけでございまして、電気会社の申請で、全国平均三割ぐらいになつておりまするが、これが妥当であるかどうか、最終的な結論がまだ出ておりませんので、はなはだ恐縮でございますが、もうしばらく時間をかしていただきたいというふうに考えております。ただわれわれとして考えております問題といたしましては、電気会社の今申請に出おります事項のうちに、われわれとして問題として取上げ、今後検討しなければならぬという点が数点ございますので、その点を、ごく簡単に申し上げますと、人件費の中におきましても、期末の給與等につきましては、これはその他の公益事業におきましても、料金算定の際において加算をいたしておりませんで、それらのものはもつぱら企業努力と申しますか、さような面から支出するような形になつておると承知しておりますので、電気だけ特段の扱いをするかどうかということが第一であります。
それから第二には、燃料の問題でありまするが、これは石炭の炭価の面について目下検討をいたしておりまして、会社から出ておりますような炭価が今後の石炭の価格として妥当であるかどうか、これがあるいは高過ぎやしないかどうかという点を檢討しております。それから同じ燃料費につきまして会社案によりますと、輸入炭を一部期待しておるようであります。これはなおわれわれの方でも檢討いたしまするが、一應二十七年度の石炭の需要といたしましては、発電用にたきます分につきましては、輸入をまたずに国内だけで一應まかなえるのではないかというふうに考えております。その点も檢討いたしております。次に会社の修繕費等につきましても、前回もいろいろ問題がございましたが、今回の申請に計上されている点についてそれを檢討する余地があるというふうに考えております。その他各項目についてまだ檢討中でございますので、電力の原価計算の面から見た値上げ案がどの程度通産省として公正かという結論は出ておりませんので、その点御了承願いたいと思います。
それからなお産業に及ぼす影響につきましては、これは御承知のように各業種によつて異なりますが、電力を特別に大量に原單位として要します肥料その他につきましては、一割近いくらいの影響があろうかと思いますが、ものによりまして非常に軽微なものもございます。ただ御承知のように現在非常に一般の経済界が不況でございますので、多少の値上りにいたしましても、これを吸收する余地はなかなか少いのではないかと思いますので、さような意味におきまして産業の影響という点からいたしますと、極力値上げを軽く済ませてもらわなければならないような客観的な事情があるように考えておりますので、電力の事情等をよく勘案いたしまして、通産省としてはその程度のことが適当ではないかということを出しまして、公益事業委員会、安本等とも御相談いたしたいというふうに考えております。現在はただいま申し上げましたような程度の段階でございますから、さよう御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/35
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036・今澄勇
○今澄委員 詳細な説明で大分わかりました。そこで私は公益事業委員会にもう一つ伺いたいのでございますが、問題になつているのは、共同自家発の活用を一体今後どうするかということ、それから共同自家発の法的な制限、これは共同自家発がたいた電力の割当については、割当電力を減らされるので、どうも協力の意欲が少い。こういう自家用発電力を持つている所有者の不心得もまことに遺憾千万でありますが、こういう現実の状態になつて来ていると、電力供給面についての自家用発電電力に対する公益事業委員会の方策というものがやはり大きく浮かび上らなければならぬと思いますが、この点についての御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/36
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037・宮原清
○宮原政府委員 お答えいたします。たいへん切実な御質問でありますが、あいにく私はすこぶる事情にうといのでありますから、私からしさいな返事は申し上げられないのでありますが、ただいまいかように利用されるかということをまず申し上げるために、係の方から御説明をいたさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/37
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038・竹田達夫
○竹田説明員 自家発の問題に関しまして現在電氣事業者と自家発との関係につきましては、事業者の方で、受電契約をどういうふうに自家発を持つておられるところと契約を締結するかという問題と、さらにアロケーシヨン、標準料金の割当を、自家発を持たれるところに、どういうふうに制限をつけられるかという二つの観点から、事業者のものと自家発との連繋があるわけでございます。共同自家発もこれは一種の自家発というふうに廣義に考えて行きますと、自家発の問題と事業用の関係をどういうふうに調整して行くかという問題になろうかと思うのでございますが、自家発のあるものに対しまして、受電の契約をどういうふうに電気事業者は対処し、それに対しまして委員会の方で受電の認可をどう取扱つて行くかという問題がございますので、今までのところにおきましては自家発が従来の程度自家発をされまして、そうして生産の伸びがありますために、受電の契約をふやしたい、こういうお話のものにつきましては、受電の契約を認めて行く、大体こういう指導を行つておるわけであります。ただ従来自家発をしておられましたものが、自家発の方が売電よりも高いために、従来の火力の自家発等を売電の方に置きかえるために、契約の増増加を申請して来られる。こういうものに対しましては、現在のところ、電気事業者の方も十分応じておりませんし、受電の認可の際にもそれは認めないという形に大体の方針がなつております。そこで、これに対してアロケーシヨンの方においても安定本部では自家発のものが高い発電費を要し、売電の方の標準料金の割当をもらいますならば非常に安い形になりますので、自家発をアロケーシヨンに置きかえたい、こういう御要望に対しましては大体從来の実績程度の自家発を前提にしまして、そうして不足の所要量をアロケーシヨンの対象にするという考え方をとつて来られていたわけであります。しかし最近におきまして、電力の絶対量が足りませんので、自家発を利用したならばどうかという、自家発を推奬するような考え方が出て参つております。そこで従来無理をされた火力の自家発の実績をそのまま継続されるという前提によりまして、アロケーシヨンを考えて行くというのは少し酷ではないか。全驗の所要量から実績をどの程度考えるかという際に、実績をあるいは九掛とか八掛というふうに、少し低目に見まして、そうして所要量をはじきまして、それに一般の自家発のないものと同じような割当を考えて行く。こういうふうな案が安定本部の方において考えられまして、われわれの方は契約の面から、アロケーシヨンでありますならば安定本部と、それぞれ原局において仮割当をされるものをのんで行く、こういう考え方で現在進んで参つております。ただこの問題に関連いたしまして今後の自家発を積極的につくられましたものに対しましてアロケーションの関係はどうなるか、一部におきましては今後自家発を開発いたしますならば、従来のアロケーシヨンが減らされるのではないか、従来のアロケーシヨンが減らされますと、せつかく高いコストで自家発を開発されました会社が、結果的には安い電力コストが高い電力コストに置きかえられる、こういう点から申しまして、自家発を推奬しておきながら、アロケーシヨンの面では推奬しないという形になりはしないか。こういう問題が自家発奬励の線と関連しまして矛盾するという点がありますので、これにつきましては従来のアロケーシヨンはいくら情勢がかわりましても減らさないという保証を一項、アロケシヨンの際に考えますと同時に自家発は火力あるいは水力でそれぞれ高いコストのもので開発されるので、売電の方も幾らかそれを御援助するというような形でアロケーシヨンも考えて行くのが、自家発推奬の線に浩つておるのではないかという考え方によりまして、どの程度まで自家発推奬のためにアロケーシヨンをふやして参りますか、これは従来の自家発の実績をだんだん小さく見積つて行くという考え方と歩調を合せまして、推奬的なアロケーシヨンを考慮して行きたい。こういう安定本部の方の御案でありますわれわれといたしましては、一応この線に方向としては同調して研究を進めておる、こういう段階であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/38
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039・今澄勇
○今澄委員 いろいろ質問をして来たけれども、電力料金の値上げの問題に対して一番重大なのは、料金制度の根本を一体どのようにするか、あるいは自家発等の現在のものをフルに利用するには一体どうするか、あるいは電力料金値上げをやらなければほんとうにやれないのかどうか、その根底にある電力行政はてんでんばらばらだが、これでよいのかというような問題がいつもいつも繰返される。それでこの委員会で質問しても意味がないから、私は本会議の緊急質問をしようとした。ところが運営委員会では委員会において十分討議を盡させるからということで、多数決によつて自由党の横暴の前に敗れておる。だから私はこの委員会におけるきのうの質疑に引続き大臣の出席を要求しておるが、いまだに姿が見えない。公益事業委員に聞けば、そういうアロケーシヨンの問題や自家発の問題は係に説明させる。それで国会の通産委員会に対する電気関係事業者の立場が一体国民に対して済むのかどうか、委員長に十分お考えを願いたいと思う。私がこのことを速記録にとどめて置くのは、今後電力値上げ反対の場合には、われわれはこの問題を全国国民の前に率直に流す考えを持つておりますので、あらかじめここで念を押しておきます。電気料金の値上げの問題その他をやる際に、だらだらとこういつた質疑を続けなければならぬということは、これまた通産委員長の責任でもある。私はぜひ安本長官の一人ぐらいはここへ呼ばれることを要望します。
もう一つ、私は公益事業委員にお聞きしたい。今言つた自家発の説明のああいう技術的な問題についてはともかくも、私はこの共同自家発を修理をして増強することが、こういう電力のないときには望ましいのであるが、それらの修理資金の問題について、公益事業委員会ではどう考えておるか、またこれらの問題に関係する公共事業令あるいは独禁法等の法律とにらみ合せて、公益事業委員会がこういう自家発と電力量不足という問題をどう考えて
おるか、どういう観点に立つておられるか、ひとつ公益事業委員の抱負と見通しをこの際聞いておきたい。このくらいのことがわからぬようならば、公益事業委員をやめなさい。公益事業委員会は松永さん一人がやられるのか、それなら私は委員会という名前をやめて松永会にしたらいいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/39
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040・宮原清
○宮原政府委員 大分痛烈な批判を受けましたが、ある意味においてはすぐ私から御返事ができないのをまことに遺憾といたします。しかしただいまお話のように、この電気の供給不足の際に処して、自家発を何ゆえにさせないかという御質問は、少くとも私の聞いておる範囲においては、修理に非常な金を要して、そうして自家発をする人自身の手においてすることに難がある。これを委員会で取上げて、ある種の電力会社に向つてその発電を引受けろということを命ずる場合においての、補償等についての金のこととかいう問題を考えますと、それよりは一方において各自の持つておる現在の発電設備に修理もしくは改善を加える方が手取り早い、こういうことで従来増強をして参つたのであります。すなわちロスの軽減とか、そういう種類のものについても、最も力をいたしたゆえんのものは、委員会の指図でありまして、自家発の方にはそういう話をときどきいたしますけれども、石炭不足の場合であつて、少くとも昨年においてはさようなことさえできなかつたのであります。今後石炭が高くても、またやるというときにも同じようなことになるでありましようが、一方における需用増加に対しては、ある程度の増強によつて——今回の需給の調整表等についてごらんくださればわかりますが、相当大わくの増強をしております。従つて日米協力と申しますか、あるいは特別なものに対する電気の需用ということから申せば、まだ非常に足りないのでありますが、しかし昨年の状況から比べれば、著しい増加を遂げておるのであります。ただいまの自家発がもつと活動すれば、より多くこの電気の不足を補い得るというお説はごもつともでありますけれども、一方において、その料金自体についての採算的基礎というものを考えますと、簡單にこれを公益事業委員会が命ずる、もしくは通産省側からの要望によつてそれをするというようなことはむずかしいであろうと思います。従つてただいまお話のようなことは、全体問題としてはまことに意味をなしますが、やはり一方において採算的な問題をも考慮しなければならないのでありますから、必ずしもお説のごとく、ただちに送行できることをしないでおるという立場でないことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/40
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041・今澄勇
○今澄委員 この自家発電の問題は全体の電気量増大の一小部門になるのでありますが、公益事業委員会は、現在公共事業令がポツダム政令から一般法律になることを、衆議院のわれわれの委員会において握つておるといつたような情勢を前にしても、これらの自家用発電電力の将来の府県堂電力の復元の問題等に至るまで、一つの大きな見通しを至急立てるという御答弁であつたけれども、公益事業委員会ができてから今日まで、これらの見通しや政策についても、はつきりしたことを聞かれないのはまことに残念であります。
なお、私はこの際ちようど安本の政務次官と通産の政務次官と二人おられるから伺いたい。大体今の日本の電力事業のあり方を見ると、公益事業委員会においては、電気事業者の料金決定、電力の調整、各社間の電力融通命令、電源開発等をつかさどつておる。通商産業省においては、電気事業者の工作物の保護、監督、自家用発電所の開設、運用、工作物の保守、監督、各府県の知事は、河川の水利権、安本においては、特別大口需用、電力の割当量のわくを取扱つておる。こういう今の電気事業のあり方というものは、一体どこが中心でやるのか。公益事業委員会に聞いてもはつきりしないような話である。これが今日電源開発の方式についても、水系別ブロツク案も出れば、一社案も出るもとである。どんなに電気事業の開発を一社によつてやつてみても、基本的なこういう電力行政というものがてんでんばらばらでは、電気の豊富低廉なる供給は私は望まれないと思うが、まず安本政務次官に、一体安本は、電力事業というものについては、国家の政治としてどういうふうな電力事業行政をやるべきものであり、その将来のあり方についてはどうなるべきものであるとお考えになつておるか、御見解を聞きたい。それから通産政務次官にもお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/41
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042・松田太郎
○松田政府委員 お答えいたします。ただいま今澄委員から御指摘になりました電力行政の従来のあり方と将来あるべき方向についての問題でありますが、安本といたしましては、現在行政機構の改革とにらみ合せまして、いろいろな電力行政について的確なことは申しにくい立場でありますが、御指摘の通りに、なるべくこれは一元化し強力な一貫した行政の担当者が見るべきであるという考えを持つております。同時にまた、六箇年以上の占領下にわたり、行政上法的に相当ゆがめられた面もあると思う。独立を間近に控えて、すつきりした行政機構に改正すべきだろうと思う点も多々あるだろうと思いますが、その一つとして電力行政もその例に漏れないという考えを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/42
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043・本間俊一
○本間政府委員 お答えを申し上げます。今澄委員の御指摘になりましたように、公益事業委員会があり、電気の工作物の関係では、資源庁に電気施設部があり、それから割当その他の問題についても関係するところが多いような関係で、今までやつた実際の経験に照してみましても、御指摘のような御非難もあろうかと思うのであります。今回の行政機構の改革にあたりまして、過般の閣議において、電気関係の行政機構は通産省に一元化するということがもうすでに決定になつているわけでございます。従いまして電気行政を通産省に一元化するという考えのもとに、ただいま準備を進めているような次第でございます。ただ御指摘にもありましたように、従来水利権の関係で府県知事それから建設大臣というような関係があつたのでございます。これは御承知でもあろうかと思いますが、その工事をする河川の上流、下流に対しまして相当な影響力を持ちますので、川をあずかつている関係から、従来の水利権というような関係で府県知事に相なりますか、あるいは建設大臣になりますか、その点はまだ明確でないのでありますが、従来の水利権のような関係からの仕事は、大ざつぱに申しますれば建設省の方に残るかと思いますが、それ以外の電力行政に対する機構は一元化するという方針で、ただいまいろいろ具体的な準備をしているような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/43
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044・今澄勇
○今澄委員 今の通産政務次官の言明で、非常に前途の見通しは明るくなつたと思います。引続いて質問するが、そういう場合において公益事業委員会をいかに処理し、いかに運用するか、あるいはそのまま廃止をするか、どういうふうな具体策を考えておられるか、あわせてひとつお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/44
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045・本間俊一
○本間政府委員 これはまだ明確に決定をいたしているわけではないのでございますが、通産省に吸收して仕事を一元化してやる、こういう方向になろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/45
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046・今澄勇
○今澄委員 私は前に商工省が通産省というような名前をつけるときにも反対をしたが、少くとも一国の産業行政は一番重大なものなので、この商工行政の中枢である通産省が、やはり電気事業を一元的に握るべきものである、そうして電気の割当その他一切の責任を負つて日本の産業の原動力である電気の供給量の増加に邁進するということでなければならないと思う。今の通産政務次官の答弁から判断すると、公益事業委員会を設立した公共事業令その他の問題については、かつて国会におきましていろいろ論議をされたことがあるけれども、そういう吉田内閣として考えて場おつたその際の考え方は誤りであつたことを時の流れが証明したものであるということに相なつたと私は思います。ただこの際、こういつた重大な電力行政だから、今度の料金値上げの際においても、そういう電力事業の一元的な集大成をなし、あるいは電源開発についても見通しをつけそうして日本の電力事業が軌道に乗つたあかつきにおいて、電気料金の値上げ並びに料金制度の改廃、統一等をやるという立場に立つて、この際電気料金の値上げをそれまでずつと見送るということだと非常にけつこうだと思うのですが、それでは大きな障害が生ずるか、あるいはそれでは何かいけないような理由がありますか。ひとつ安本、通産省、公益事業委員の代表の方から意見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/46
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047・本間俊一
○本間政府委員 電力料金の問題につきましては、先ほどもお答えを申し上げましたように、産業に対しまする影響の点、それから各電力会社が出しております値上げの内容につきまして、ただいま愼重に具体的な検討をいたしておりまするので、この問題に対しましてどういう態度を通産省として最終的に決定をいたしまするか、まだきまつておらない段階でございまするので、もうしばらく時間の余裕をいただきまして、できるだけ近いうちに通産省といたしましての態度を決定いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/47
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048・福田篤泰
○福田政府委員 近く公聴会も開かれますし、いろいろな輿論の反映もはつきり出て参ると思いますので、安本といたしましても、その公聴会の経過結果をよく見まして、なるべく早い時期にその決定についての態度をきめたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/48
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049・宮原清
○宮原政府委員 お答えいたします。公益委員会は電気料金の裁定をする立場にありますので、過般各電力会社から申請を受けまして、その場合申請についての大方の事情を了としまして値上げをしたいという考えをきめておるのでありますから、ただいまの御質問に対しては、そういう時を待つという考え方はいたしておらないということをはつきり申し上げたいと思います。なおその料率その他の適否、なおまたなぜそういうふうに早く上げなければならないかという御質問に対しては、すでに昨日松永委員長代理が今澄さんにお答えした部分で大体御返事をしておるように承知しておりますので、私からは差控えて、それだけを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/49
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050・今澄勇
○今澄委員 そこでお見えになりました物価庁の専門的な価格体系を握つておられる責任者に、今回の三割七厘の値上げということは、今の全般的な日本の物価体系から見て、どういうふうに考えられ、しかもその値上げのもたらす影響並びに物価庁としての御見解があれば、この際ひとつ伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/50
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051・森誓夫
○森説明員 現在会社から提出されて出されておりまする電力料金値上案を基礎にしまして、それが産業及び生計に及ぼす影響を一応試算してみたのでありますが、まず生計費について申しますと、これは東京地区だけについての話でありまして、全国的な調査はできておりません。東京電力管下の地区について申しますると、しかも生計費は東京都に限つて申しますると、現在のところ生計費の中に占めております電力料金の割合は一・四一%ということになつております。これが会社申請案の通り値上げがあるといたしますると、生計費中占める電力費の割合は一・七八%というふうに、〇・三七%の上昇を示すということになるわけであります。これがまた生計費全体に対してどういう圧迫を與えるかということにつきましては、幾多の問題をあわせ考えなければなりませんので、ここで私がすぐそれを申し上げることはできません。
それから産業に対する影響でありまするが、これは今度の値上案が非常に複雑な案になつております。つまり大口産業について申しますと、標準割当のものの中でも、また一部分のものについては火力料金をとるというふうな構想になつておりまして、はたしてこれが特に大口産業に與える影響がどの程度であるかということは、正確に捕捉することが非常に困難なのであります。つまり従来の生産コスト中に占めておる電力費がどの程度に上るものと見るべきかということは、非常に捕捉しがたいのでありますから、これもまず非常に大ざつぱに推測するほかはないのであります。中小企業に対する影響等は、結局小口動力がどの程度上るかということによつて推定することはできるのでありまするが、これは公益委の資料によりますると、全国的な料金の値上げ率が三割三分二厘程度になつております。従つて中小企業の電力費がそれだけ多くなるということで、従来よりはとにかくコストが上つて来るということが考えられるのであります。しかしこれが製品価格にどう影響するかということになりますると、私もここでは簡單にそれを申し上げることができません。
一番の問題は大口電力でございます。この中でも特に大口丙と称する契約電力三千キロワツト、アワー以上の電気の需用家についてでございますが、これはただいま申し上げましたように、会社の申請案では、標準料金を、従来とるべき標準割当量の中でもある特殊の条件のものにつきましては、一部の火力料金をとるということになつておりまして、その値上げ率が非常に捕捉しがたいので、従つてその影響も一口に申し上げることはできないのでありまするが、大体二十七年度におきまして増産の量の非常に強く期待されておるもの、すなわち硫安とかアルミとか、石炭これは産業ではありませんが水道こういうものにつきましては、会社案によりますると、値上げ率が大口に対する平均値上げ率でありまする三割五分八厘以上の大きなものになつて来ることが考えられます。それが幾らであるかということは、おそらく公益委でも今はつきりわかつていないのだろうと思いますが、かりにこれを五割程度の値上げになるというふうに考えますると、現在の市価をそのまま維持して、企業の合理化によつて吸收し得る余地があるということを断言することはおそらく困難であろうと考えます。その他の大口産業で特に電気を比較的たくさん使いまするものとしては、銅の製錬業とか、電氣亜鉛、珪素厚板、苛性ソーダ等の品目がありまして、これらもコストがある程度上昇することは否定できないのであります。それが現在の市価を上げない範囲で吸收し得るかどうかということにつきましては、これもいろいろ複雑な要素が総合されまして、予言することは非常にむずかしいのでありまして、需要が今日以上にふえないで、従つて企業としては苦しいが、現在の市価でやつて行かざるを得ない、利潤が非常に縮小して参るという結果が起るかもしれませんし、あるいは需要がふえますれば、このコストの増加を簡単に市価に転嫁し得るということもありますが、そういう点について見通しをするということは、現在われわれとしては困難であります。少くとも二%とかあるいは五%程度のコストが増加するということを申し上げるにとどめたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/51
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052・今澄勇
○今澄委員 物価庁の今のお話の中で、二、三その影響については、ここで申し上げられないという御答弁がございましたが、私は今の正確にして割合に御親切な答弁で非常に感謝をします。しかしながら物価庁ともあろうものが、この際そういつた国民全体の大きな問題になるべきものの中心であるから、自分たちのせんとする物価体系の中の結論を、やはりこの程度のものはこうなるということをひとつ申し述べていただくということが、やはり国家の公吏として、それが特に信頼をしている物価庁の見解であるということを中心に、われわれも物事を判断するという立場の上に立つて、今の平均してどの程度のコスト高ということはわかりましたが、先ほどの答弁の中のそういう不明な点についての見通しをもう一度親切にやつていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/52
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053・森誓夫
○森説明員 この見通しにつきましては、ただいま物価庁で各方面の専門的知識を組合いたしまして作業をいたしているわけでございます。もう少し時間をおかし願いまして、後日その結果の出ましたときに詳細にお答えを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/53
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054・多武良哲三
○多武良委員長代理 次は風早八十二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/54
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055・風早八十二
○風早委員 この電氣の問題は言うまでもなく米や水と同じことです。これはわれわれの生活の必需品でありまして、どうでもこうでも税金のように電気料金は拂わなければならぬものなのであります。その電氣料金を値上げ値上げと絶えず年中行事のようにやられる。また今度も会社側から値上げ案が申請された。これに対して公益事業委員会は一応値上げの線に沿つて今やつておられる、こういうことでありまして、その結果が先ほどからもお話がありましたように、さしずめ米価でありますとか、あるいは鉄道運賃でありますとか基礎的なものにかかつて、それがまた一般の物価にかかつて来る。今、生計費についてもお話がありましたが、その率はきわめて微々たるものであるようでありますが、これは今の税金的な性格からいつて非常に勤労者にこたえる。こういうふうな重大な影響を持つた値上げであることは間違いないことでありまして、私どもはこの値上げの眞の理由なり、あるいは原因というものをはつきりさせたい。お尋ねいたすことは、具体的に今回の値上げについて大体その重要性に従つてその理由を、これは詳しいことはいりません。またあとでお聞きしますから、項目別に重要性に従つて答えていただきたい。これは宮原公益委員にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/55
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056・宮原清
○宮原政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。なお私のお答えをし得ない部分につきましては、各係の方から御説明することをあらかじめ御了承願つておきます。私の承知しておる範囲において、今回の値上げの大きな題目は、何としても石炭の非常な値上りであります。重要度について、前後するかもしれませんが、その次にはあらゆる意味において良質の電気を早く充実したいという点において、相当修繕費についての考慮を払つております。また同様な理由においての人件費の増加等がございます。その他、要するにあらゆる意味においての電気のロス軽減というようなことに対する特別の施設というものは資本勘定に関するものだと思いますが、そういう方面に対する諸種の経費が相当いる、この四つくらいがあります。これはただそれだけを申し上げたのでは不徹底でありましようから、もし数字について必要がありますれば、係から表について申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/56
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057・風早八十二
○風早委員 今出された項目は、われわれから見ますとまだまだ眞の原因というものかそこには出ておらないように思います。しかし一応今宮原委員がお答えになつたその項目に従つて、私はどうして一体値上げをやらなければならぬのかということについて、もう少し検討したいと思う。まず石炭の不足ということを言われるわけでありますが、そこでさしづめすぐ問題になるのは——本年度はもうあとわずかでありますが、本年度の石炭の需要供給の関係、特に火力用の石炭としてはどれくらいに充てられたかということと、来るべき二十七年度におきましてどれだけ使われるかという見通し、これをお尋ねしたいのであります。しかし同時に一体なぜ二十七年度において、石炭の需要が高まつたかということもひとつ明確に伺いたいと思います。これは公益事業委員会から先の質問に対してお答えを願い、さらにあとの問題につきましては安本政務次官からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/57
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058・宮原清
○宮原政府委員 後ほど事務の方から数字的な御返事を申し上げたいと思いますが、なぜそういうふうに電氣が値上げを必要とすることになつたかというお話は、たいへん含みのある御質問であつたようでありますが、要するに今回の需給のバランスにおいて非常な大量の需用がふえたという点を先ほど申し落しましたが、その点だろうと思います。それにつきましての数字等はあとで経理長から御説明いたさせることにしまして私の御返事といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/58
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059・中川哲郎
○中川(哲)政府委員 石炭の実績で幾ら入つておるか、また夢想でどうなつておるかということのお尊ねでございます。昭和二十六年度におきまする実績は、二月までは実績によりまして、三月は一応初めの需給計画の数字で推計いたしましたものを申し上げますと、石炭の消費量が約六百五十万トンでございます。ほかに重油が十万キロリットルということになつております。それで重油を石炭に換算いたしますと、おおむね六百八十万トン程度の石炭に相当するものを消費しておる。これが実績でございます。それから今回の需給計画として現在まで一応進んでおりまする点は石炭につきまして委託分等も入れまして七百八十万トン程度でございます。そのほか重油として五十三万トン、合せまして八百三十五万トン程度の石炭使用をいたしておる、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/59
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060・岩武照彦
○岩武政府委員 ただいまのお尋ねはどうしてそういうふうに石炭をたくさんたくような需要がふえたかというお尋ねだつたかと思いますが、その点について申し上げますと、お説のように昨年来産業界の活動がふえました結果、一般的に電力の消費がふえて参りましたほかに、来年度のいろいろな見通しとしましては、一つはアジア諸国に対しまする化学肥料の輸出、これは現在東南アジア方面から三十数万トンに上る窒素肥料の輸出の要望があります。そのほかに燐酸肥料につきましては相当な量の希望が参つておりますが、それらに対しまして、わが国の国内の需給関係を考えまして、ある程度増産したものを輸出しようということで、この分が現在の肥料年度におきまして窒素肥料で約十万トン、燐酸肥料で同じく十万トンでございますが、八月からの来肥料年度におきまして、大約十五万トン程度の窒素肥料の輸出、並びに燐酸肥料として約十万トン程度の臓一出を考えております。これは朝鮮、沖縄、台湾フイリツピン等の諸国に対するものであります。そのほか電力に大きくかかりますものとしましては、国際原料割当会議の他の原料協力の面におきまして、アルミニウム、あるいは亜鉛、銅等の相当な増産が見込まれておるかと存じております。なほ一般の産業活動の上昇に伴いまして、基礎的なエネルギー源であります石炭の問題でございまするが、これも昨年に比べまして約一割程度の増産が期待されておりまして、これはむしろ全体の産業活動の需用から申しまして、その程度のものは最低必要だろうと考えております。またこの増産の趨勢も大体そういうところに参つております。そのほかあるいは合成繊維等の関係の化学工業でございまするとかあるいは一般的な公共事業等の関係、たとえば私鉄でありますとか、国鉄でありますとか、ガス等のこういうふうな輸送量等の増加に伴いまして相当量の電力需用の増加がございます。われわれはこれを一応見積りまして電力の区分をしておりますが、ただいま受電契約が三千キロワツト以上の工場事業場等の需用につきまして、一応集計してみますと、約百五十余億であります。これは歴年におきまする一月から十二月におきます消費実績百二十四億に比べまして、約三十億近くの増加でございます。そういう関係で百五十余億キロワツト・アワーがなかなか充足されるような供給力には行きませんが、これは公益事業委員会とも数次折衡されました結果、これから二十億キロワツト・アワー程度の減の百三十三億程度は何とか供給力もできるだろう、この根拠としましては、水の出水状況を大体平水程度とみまして極力利用率を上げてもらう、あるいは水力の受電をふやしていただくほかに、やはり何といたしましても石炭による火力発電の増加ということを期待して行かなければなりません。従いまして石炭の消費量におきまして先ほど公益事業委員会の方からお話がありましたように、昨年の計画に比べまして約二百万トン近い石炭の消費量を見込まなければならないという状況でございます。需用の増加の内容は以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/60
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061・今澄勇
○今澄委員 せつかく安本長官が見えられたので伺いますが、電気の値上げに関するいろいろの質疑応答の結果、今日まで値上げをたびたびやらなければならないというようなことは、結局電力事業に対する行政の不備がもたらすものであるということになります。さらにそれは先般の閣議において将来の電気事業行政というものについての大体の方針が定まつたという通産政務次官の御報告でございましたが、この際責任ある安本長官としてこれらの電気事業行政の将来についての御方針なり、見解をぜひ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/61
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062・周東英雄
○周東国務大臣 電力行政に関してはでき得る限りこれを統一した形において電力行政が行われることが適切だと思つております。ただいまのところ行政機構に関する全般の案についてまだ審議中でありますので、確定したことについて申し上げる時期ではありませんが、遠からず確定した場合においては法案等について御審議を願うことになりますが、考え方としてはただいま申し上げたような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/62
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063・今澄勇
○今澄委員 安本長官に聞きたいのは少くとも現在の電力行政は公益事業委員会において電力料金の決定や、融資命令、電源開発、資源庁がこれらの工作物の問題、各知事が河川の水利権、安本が大口割当というように、各省、各庁にわかれたばらばらの姿が、電力の豊富低廉なる供給の隘路であります。そこで先般の閣議において本間行政務次官は先ほど電力行政というものは商工省に一元化することにきまつた。そうしてそれは建設関係の問題を少し建設省に残すけれどもという具体的な話があつた。その閣議へ出ておられた安本長官が、今まだ審議中で全然わからぬというわけのものではなかろう。私どもはこれからの電力行政のあり方として経済安定本部長官としてのあなたの御見解なり、そのときにきまつた閣議の方針を聞きたいという質問であるということを申し上げて、この際重ねで御答弁を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/63
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064・周東英雄
○周東国務大臣 私はただいま申しましたように、はつきりとこういうものは一元化すべきが適当であるということを申しました。しかしこの形につきましては、まだ最後決定に至つておりません。しばらく御猶予を願いたい。しかし私の言葉で大体はおわかりかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/64
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065・今澄勇
○今澄委員 こういう電力事情のもとにおいて値上り等々の際には、一例をとれば化学工業特に肥料工業等の国内値段についても大きく影響して来る。自由販売の際においてそれらの価格が制限を受けておること、そのこと自身も変な問題だが、これが価格の制限をしながらこういう電力料金の値上り等について、経済安定本部が電力量の割当その他物価庁等を包含する総合的な日本経済の企画の役所であるにかかわらず、こういう際にそういう莫然とした御答弁では、われわれははなはだ困ると思います。少くとも電気事業のあり方というものは、将来こういうふうに定める、今度の電気の値上げについてもこういう立場をとつておるという明確な御答弁を願いたい。このたびの電気料金三割七厘値上げについては、経済安定本部では妥当なものと思つておられるか、それとも全国的な価格体系の上にどのような影響を及ぼすか、どのようにあるべきものとお考えになつておるか、事務官の方から詳細な数字で何パーセントの影響を及ぼすかということは承りましたが、安本長官としての、大所高所からながめられた所見をひとつ聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/65
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066・周東英雄
○周東国務大臣 詳細の点については関係政府委員からお話申し上げたと思いますが、まだ具体的に何ぼにするということは公益事業委員会においても申出もありません。近くこの点については公聴会を開いて、各方面における値上げに対する意見が徴せられることになつております。従つてその意見をも参酌しりつ、公益事業委員会は最後の決定に至ると思いますが、その間におきまして、全体の産業に影響する面が、どのくらいにきめられる場合にどうなるということは、先ほど政府委員から御説明したと思いますが、私どもはこれができるだけ低い程度においてきめられることを望むのでありまして、電気料金をこの際どのくらいに上げなければ実際上経営が成り立たぬのか、コストの上でどうなるということについてはまだ詳細は聞いておりません。まだこれは正式にはなつておりません。おそらく公益事業委員会といえども各電気会社からの各自の要求が出ておる程度でありまして、公益事業委員会としても公聴会の意見を聞いて自分の態度を決せられるのでありましようし、それに関連して、それが表に出ましたときに、われわれの方では当然全産業並びに国民生活に及ぼす影響を考えつつ、それに対して意見も述べ、適当なところに持つて行きたい。かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/66
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067・今澄勇
○今澄委員 そこで長官もお忙しいでしようから簡單に聞きますが、この電気料金値上げの基礎をなすものは、将来の電気の開発がどうなるか、あるいは電力行政をどうするか、料金の複雑な問題を一つに全部整理統合して、すつきりした簡素な料金制度にする等、いろいろ問題がありますが、私はその一つの問題であるところの電源開発について安本で立てた一社案、あるいは公益事業委員会の立てた水系別の開発会社案、この両者について、昨日の委員会で松永氏に質問したところが、松永氏はいかにだれが何と言おうともわれわれは電源開発については、今まで考えておるところの水系別のこの開発会社が最も妥当であるし、その方針に従つて新しい会社をつくることに驀進するという答弁がありました。安本長官ととては一元化を言つておられるが、なぜ吉田内閣のもとにおける経済企画庁の安本と、公益事業委員会とがもつと緊密な連絡をとつて、一本の案にならなかつたか。松永公益事業委員会委員長代理が言うように、公益事業委員会があくまでも独自の見解を持つて最後まで進むというときは、安本長官はどのような見解をお持ちになるのか、御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/67
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068・周東英雄
○周東国務大臣 お答えいたします。その前に誤解があつてはなりませんから申しますが、今度御審議を願う電源開発促進法案の中に、一つの特殊会社というものがありますが、これが今後の電源開発を一社で独占するとけどこにも書いてありません。従来通り九つの電気会社がそれぞれ担当箇所を受持つて、電源の開発はもとより、フルに能力を與えられるように、場所的にも賛金的にも計画されておる。その一例を申し上げますと、来年度の計画におきましても、資金計画の上で一応千二百億円となつておりますが、うち政府関係資金と見られるものが六百十億円、そのうちこの新しい会社等において使うものは百十億であとの五百億はみな従来の他の会社の方に振り向けられるわけであります。従つて独占して行くものでないということをまず御了承願つておきたい。従つて今お話の松永さんのお話でありますが、水系別に四つだということが出ましても、これは新しく開発する部門における一つの部門にすぎない。四つになつたと仮定してのお考えがあつたとしても、やはり従来の会社が別々に開発箇所を担当される。だから新しく開発をされる担当会社が幾つにふえるかということでありまして、その点は御了承を願つておきたい。松永さんの御意見はどういう御意見でありましたか私は聞いておりませんから知りませんが、しかしこれは今やろうとおつしやれば、おそらく商法上の会社をつくることは自由でありましよう。これは別にとめる必要はございません。しかしその御意見の中にもあつたように聞きますが、やはり資金の問題が関連して参る。事実上において資金がどういうふうにわけられるかということによつてきまつて参ることでございましようし、松永さんの御意見をここで私は批判する必要もないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/68
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069・今澄勇
○今澄委員 私が聞いたのは経済安定本部の責任者として、公益事業委員会と屡次折衝をされて、経済安定本部においてはこういう開発会起案をもつて臨むといろいろ打合せられたにもかかわらず、公益事業委員会の方では何らそれに対する協力であるとか意見というものが出なかつたので、これをもつて打切るということをあなたの方できめられたという経緯にかんがみて通商産業委員会のわれわれは、通産政務次官にも聞いたのですが、経済安定本部が立てたいわゆる一社案に、現在の法律のもとにおいて電力の開発を担当するということを公共事業令によつてきめられた公益事業委員会が、賛意を表さなかつたという理由はどこにあつてそうしてそのいずれが正しくて、あなた方はどういう見解をもつて一社案にきめられたかということを聞いたわけであります。その観点で御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/69
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070・周東英雄
○周東国務大臣 公益事業委員会の反対の理由は、一社か数社かということに大体盡きるようであります。今日の事態といたしまして、特に公共事業費等で国家が多目的ダムとしてつくつたダム等の水源を利用しつつ発電をするという場所等につきましては、やはり総合的に見た見地からいろいろ大きな関係がありまするし、また大きな特定の地区——全体的にどこもかもやるというのではなくて、大きな箇所について大きく国の資金なりをつぎ込むという経営上の根本から見ましても、また特別な機関をつくる方がいいという考え方で進んだのであります。その点についてはただ水系別に四つつくつて、それに政府が金を出してくれという意見で、その意味におきましては意見の相違でありまして、私どもとしては今の政府の案がいいということで進んでおりまして、しかもその間におきましていろいろはなしを党からもいたし、また私どもからも出したのですが、ただその点についてのみ意見が合いません。
これは意見から言えば私は大体五分五分だと思う。私どもの考えるところにおきましては、内閣総理大臣が決定するところによつてこれはきめられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/70
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071・今澄勇
○今澄委員 そこで、安本長官からそういう話があつたが、公益事業委員会としては、どういう点とどういう点が特長の点であるということで、この水系別案を最後まで通すのだということを松永委員長代理はきのう言われましたが、どういうことになつておるのかということを、松永さんに聞きたいのでありますが、宮原さんがちようどお見えでございますから、宮原さんに公益事業委員会側の御意見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/71
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072・宮原清
○宮原政府委員 お答えいたしますが松永さんが旅行しておりまして御答弁ができないのを遺憾に思います。
私ども今まで委員会で論議をしたこと等について考え合せますと、ただいま周東長官のお話は、その通りに聞いております。また私どもの方の考え方は、要するに開発を急いでやるということについて、最も利便な方法でするということが重大課題であつて、その点について特に一社を別につくらなくともいいじやないかという考え方であります。従つてただいまお話の通り、関連する事項が非常に大きいのでありますから、公益事業委員会が方針とする九会社それぞれがやるだけでは足りない、別に一つの大きな会社があつてしかるべしということの根本については何の反対もないと思います。しかし先刻今澄さんもおつしやつた通り、この問題についてのしかとした返事を私から申し上げるのは、いささか私には重荷過ぎますのと、委員会自身の最終的にしからばどうするという決定は今後にあるのであります。また松永さんが自分の信ずるところに向つて進むということも、これも別にいいかげんなことを言われたのではありません。しかし信ずるところに進むということだけですべてが終局に至るということでないことが人生だと思います。松永さんがどれほどの御決心を持つて論議を進められるにしても、大きなその他の条件の変更によつては、われわれといえども今思つておることをかえないわけではありませんから、この点についての御返事を私から申し上げることを差控えたいと思います。お許し願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/72
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073・今澄勇
○今澄委員 私は今の御答弁で、公益事業委員会というものは、どうも松永さんの一人委員会のような印象を非常に受けました。少くとも公益事業委員というものは連帯委員であつて、松永委員長代理が言うた意味はこういう意味であるということを宮原さんがここで言えなければならない。しかし宮原さんの全般の答弁で、大体それが現存の公益事業委員会のあり方であろう、かように判断しておきましよう。
そこでもう一つの問題は、この電源開発について、先ほど安本長官が、将来の電気事業行政の帰趨ということを申して一元化ということを言われました。私は、当面する一番重大な問題は電気事業行政を一元化して、電気の開発方式のその国論を統一して、日本のあらゆる資金、日本のあらゆる技術を投入して日本の電源開発ができないということは、日本の国家の一大不幸だと思う。そこで電気の行政を一元化するものとすれば、一体どこへ一元化するのがいいのか、その一元化されたあかつきにおける公益事業委員会というものについての見解はどうかというこの二点を、経済安定本部の長官に聞きます。
第三点としては、きよう通商産業大臣が病気で休んでおられることは遺憾千万でありますが、歴代の通商産業大臣、大蔵大臣並びに経済安定本部長官の、電気事業の九分断は、将来の日本の電源開発について外資導入をする最も必要な條件である、そこでいろいろ国内に不満はあろうけれども、これを九分断して、日本の電源開発をやつてわが国産業の発展に資したいという答弁が、速記録を見ると数々残つているけれども、今日に至るまでこの電源開発について外資の導入はでき得ないのであります。日本の重要な基礎産業について、ある種の圧力や気がねからしてこれが外資導入にならなかつたということになれば、私は日本の不幸はこの上もないと思います。そこで公益事業委員会は、水系別の会社にした方が外資導入がよいのだとか、あるいは一元化にした方がよいのだとか、いろいろな意見はあるが、これらの外資導入に関する安本長官の御見解としては今日においてはその見込みがないというのか。一年半もしたならばとこの間大藏大臣の答弁がありましたが、会計年度は一年であつて、来年の見通しなどはほんとうに鬼が笑う話である。だから電気事業に関する外資導入については、どのような見通しとどのような立場に立つているかという点であります。以上三点の質問をいたして答弁に満足すれば、私は質問を終ることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/73
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074・周東英雄
○周東国務大臣 電気事業の行政は、あらゆる観点からして統一化されることが必要であるということは先ほど答弁した通りであります。しかしここの行政を将来どういうところに持つて行くかといえば、産業の全体をよく見通して仕事をしている官庁に持つて行くのが一番よいのではないか、今後における日本の産業をどの程度に持つて行くか、またこの産業を推進している間において、電気の料金問題あるいは電気の需給の調節、割当の問題等すべて産業行政をつかさどつているところに電気行政が統一されることが至当ではないかと思つております。
それから電気について外資導入の見通しはどうかということでありますが、電気のみならずいろいろな面に対して外野導入があれば、より一層将来における日本の産業の復興を早めると思う。また今日日本国内において相当たまつているドルというものについて、これをできるだけ使いつつ、さらに産業の幅というか指数を上げる上にいていろいろな設備等が必要でありますので、そういい関係から、どうしても重点的に電力開発に対する資金需要が考えられざるを得なくなります。従つてそういう面からいえば、ある程度これに対して外資の導入があれば他の産業への影響を少くしつつ進めることができると考えて努力はいたしておりますが、しかしいつになつたらどうかというようなことは、これは見通しでありますから申し上げるわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/74
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075・多武良哲三
○多武良委員長代理 風早八十二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/75
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076・風早八十二
○風早委員 せつかく安本長官、宮原公益委員が来ておられるので、根本的な問題を実は聞きたいわけでありますがその前にやはり私どもとしてもはつきり理解しておかなければならない、ものの前提になる事実関係がたくさんありますので、それをできるだけ簡單に早く答えていただいて、それから御両所にひとつお答えを願いたいと思います。
先ほど途中で切れましたが、今度のこの電力料金値上げの根本的な理由になるものは、もちろん石炭であるとかいろいろありますが、その石炭を一つとつてみましても、なぜ火力用電力石炭をよけい使わなければならないかという点になりますと、結局新しい電力需用がふえてている、そのことをお答えになつたわけです。しかもそれは硫安でありますとか、あるいはアルミでおりますとか、そういつた特定の部門というよりも、業種が大体限られておる、そういうことまでは一応明瞭にた
つたわけであります。さてそれが実際原価の上においてどれくらいの比重を持つものであるかという点を、もう少し承つておきたいわけです。
まず第一はアルミの場合でありますが、アルミについて、三月はまだわからないにしましても、一応の今年度のアルミに対する電力供給の絶対量、二十七年度の計画上の絶対量、そういうふうなものをお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/76
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077・岩武照彦
○岩武政府委員 二十七年度のアルミの所要量につきましては、まだ計画がきまつておりません。今までの生産状況から見ますと、大約電力量にしまして三億四千万キロワツト・アワー程度いるかと存じます。が、それがそのまま今度の需給計画に入りますかどうか、目下検討中でございます。従つてこのまま計画として確保できるかどうか、まだ結論を得ておりません。御参考までに申し上げますと、二十六年の一月から十二月までの消費量は二億八千万キロワツト・アワーでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/77
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078・風早八十二
○風早委員 そこでもう一つ、今度は石炭、重油も多少含まれておりますが、大体百五十五万トン増の見通しということでありますが、この百五十五万トンの火力用石炭、重油の値上がりによりまして、原価にどれくらい影響を及ぼすものであるか、その点もあわせてお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/78
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079・中川哲郎
○中川(哲)政府委員 今回の電気料金の改訂は、昨年度の総体の原価に対応しまして総額において約四百数十億の値上りになつております。このうち石炭は量のふえました点と、同時に炭価が高騰いたしました。これは平均三割以上の高騰があつたわけでございますが、これをひつくるめまして、概算二百億見当、すなわち総体の所要のコスト総額の四百数十億のうちの約二百億というものが石炭でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/79
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080・風早八十二
○風早委員 大体火力用の石炭の問題、さらにアルミにしましても、絶対量の何割ということは相当の量でありまして、これも大きく影響するものと思われます。
そのほかもう一つまだ確かめておきたいのは、今まで年々進駐軍に対する電力供給量ということものは相当大幅にふやして来ておつたのでありますが、これは二十六年度に対して二十七年度はどうなるか一つ一つ聞いて恐縮でありますが、これもはつきりさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/80
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081・竹田達夫
○竹田説明員 お答えいたします。二十六年の一月から十二月の歴年の実績でありますが、八億九千四百万でございます。今回の想定はやはり八億九千八百万程度の想定になつておりまして、わずかに四百万程度の増加で、大体におきましては同じ程度の数最でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/81
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082・風早八十二
○風早委員 そこで安本長官にお尋ねしたいのでありますが、行政協定の第七条によりますと、「合衆国軍隊は、日本国政府の各省各庁に当時適用されている条件よりも不利でない条件で、日本国政府に属し、又は日本国政府によつて管理され、若しくは規制されるすべての公益事業及び公共の役務を利用する権利並びにその利用における優先権を享有する権利を有する。」こうあります。もちろん電気の場合においてはこれは公益事業の最尤たるものでありまして、つまり米軍はこの電力を優先的にかつ最有利に利用する権利を有する、こういうわけであります。これがもし濫用なされればたいへんなことになるのでありますが、こういう点については駐留軍自身が直接消費する電力量は、絶体量としてはそう増加するわけではない、今そういう見通しであるというお話でありますが、しかしながら結局駐留軍がその駐留の目的あるいはまたもつとはつきり言うならば、これは極東アジアにおける作戦上の目的というその目的に役立つということが根本の問題でありまして、その目的に応じて必要とあらば全体の電力量をどこへまわすかということについては、特に優先的にかつ最有利に使える、こういう問題が出ておると思うのです。従つて三千キロワツト・アワー以上の電力消費の対象であるこの大口丙、これは安本が実際管轄しておられると思いますが、大口丙というものが全体の電力の消費の中で圧倒的に大きな割合を占めておつた。それは今まででも大口丙といえば、全国でわずか四百五十くらいの経営であつたと思いますが、こういうものが大きな割合を占めておる。しかもその大部分というものは特需あるいは新特需、要するに、これらははつきり兵器生産を含めた軍需生産に向けられるものであることは明らかである。そのほかといえば、もちろん硫安というようなものが大きな電力消費の経営でありますが、これもまたなぜ硫安をふやすかといえば、結局日本の国内で農民が使うということよりも、東南アジアへ送り込む。そうして軍需原材料を買い込む。そういうわけで必要とされておる。結局同じような本質が出ておると思うのであります。そういうところへ大量にかつ格安に電力をまわます、こういう問題が今までもあつたわけです。これに対して公益事業委員会におきましても相当の矛盾を感じておつた。しかしながら今度この行政協定の七条によつて、いよいよこの点がもう矛盾というよりも非常に大きな困難をこれへもたらす一つの根本の原因になる。こうわれわれは判断するのでありますが、こういう点につきましては安本長官とされましては根本的にどういうお考えなのであるか。これで今後の日本の電力生産と日本の産業との関係におきまして軍需産業以外の他の産業との関係におきまして、この点どういうふうにお考えになるか。ひとつ安本長官の見解を承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/82
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083・周東英雄
○周東国務大臣 いろいろと御心配になつてのお尋ねでありますが、私どもは国内における民需生産に対しても必要な電力の供給は遅滞なきように割当をいたして参つております。今後とてもその点についてはかわりはありません。今、行政協定の点をお引きになりましたが、これは今後駐留軍がおられる施設地域内における、主として点燈用とかあるいは暖房とかいうようなものが関係して参りますが、駐留軍が直接生産に当るわけではなし、その点において特別に優先的にたくさんとるというようなことが起つて参るとは思つておりません。産業上の問題においての割当は政府がこれをやつております。あなたはすべて軍需生産の方面ばかり、これは明らかなことでありますがということを前提にして言われますがその前提を一応きめつけておいてのお尋ねでありますけれども、私どもはそう思つておりません。ことに電力需用の増加するゆえんにおける造船関係もいります。あるい石炭をよけい掘るためにもいります。また化繊のことをあなたはお忘れになつている。つまり繊維類の増産に対しても、すべて国内民需に対する関係について必要な部面がたくさんあると思う。あなたは今肥料の問題について言われている。増産するものを東南アジアに出して軍需品を買うのだ。ここらに至つては少し思想がおかしいと思う。
今日まで朝鮮、台湾はかつて日本の領下であつて、そこの農民が使つておつた肥料は今日出している肥料の十倍近くの肥料を使つていた。そこらの農民の生産に対して肥料が国内の農業者に影響を及ぼさざる程度においてのわずかな量が輸出されるということをもつて、軍需生産との交換だと断定されるあなたの御意見を私は疑うものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/83
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084・風早八十二
○風早委員 取越し苦労だと言われますが、一体いためる腹は一つなのだ。この電力というものが絶対無限のものであれば問題はありません。しかしながら電力が非常に足りない、しかも足りないところへ新しく需用ができる。その新しい需用は何であるか。これは挑戦の動乱以後実際に事実が示しているようにこれはみな特需でしよう。特需がふえたから電力が不足したわけです。こういう歴然たる事実をあなたは隠蔽しようとして心配ないと言われますが、事実この朝鮮動乱以後なぜ電力が不足したか、それをまた口実にして、いつも電力料金の値上げをやられますが、そのたびに電力が不足していると言われるが、その不足はいつもこういう特需のために不足している他面において結局いためる腹は一つであるということは、その足りない電力の中からそちらへまわすために一般の産業の——あなたは心配ないと言われるが、心配ないどころじやない、事実それでみなつぶれている。電力がやれ停電である休電である。それでどれくらい各企業が迷惑をこうむつているかわからない。何も今まで通りの電力でも十分足りるところを新しく電力不足をほかの原因から起されておいて、停電、休電という目にあつている。またそのために実際停電日、休電日においてはへ労働者の賃金も満足には払われない。こういう多大の犠牲を一方ではしいているわけです。そういうふうに現実にわれわれの目の前で今日まで展開されて来た事案というものを、ただ一片の心配ないというような、そういう安易なことでごまかしておいたつて、だれも事実ごまかせるものじやないのです。何でもかでも私は軍需生産にものを持つて行くと言われるが一切が軍需生産とは言つておりません。新しく問題になつて來ておるのが軍需生産、これは朝鮮の動乱以来特に顕著であります。今日では公然と兵器生産をやるということを言つておる。これは新しい問題。そこに電力が食われる。先ほど現に化繊もあると言われましたが、実際に電力をどこが一番よけいに食うかということは、ちやんと安本当局もこうやつて出しているでしよう。一番電力を食うのは言うまでもなくアルミなのであります。アルミは一体何に使うのです。アルミというものはめちやくちやに電力を食う、電力が原料なんです。これは一体何に使うのです。アルミを日本の日常の必要品に実際使わせますか。アルミは一切消費規制で使えやしない。そしてこれを一切合財みんなアメリカに持つて行く。アメリカへ持つて行つて何にするのです。言うまでもなく航空機なんです。こういう兵器産業の下請を日本でやられておるわけです。でありますからこういう点は事実は事実としてわれわれは率直に認めた上で、これで一体電力問題々そういう観点からどう解決しようかということ々、われわれはもう少し問題にしてもらいたいと思うのであります。こういう事案そのものを、ただ一片の心配ないでもつて片づけられたのでは、かんじんの電力不足の原因を除去することはで営ません。私は周東安本長官とこれ以上この問題について別に議論するつもりじやありませんから、なおあとに留保しておきますが、私はこの際公益委員に一つお尋ねしておきたい。というのは前に松永さんと、さらにもう一人の公益委員の方のお二人に、しばしば繰返してこの同じ問題を私は今までの事実について質問した。そうしますと大口丙に対して、つまり三千キロワツト以上の大口に対して、特別によけいに電力を割当てなければならないということ、並びにそこに特に安く割当てなければならないということ、これは実際独立採算の建前からいつて矛盾であるということは今まで明確に認めて来られたわけです。さて矛盾であるといつてどうしようと
いうところまでは出ておりませんでしたけれども、今日の段階において、この矛盾はいよいよはげしくなると思うのであります。今回はさらに竿頭一歩を進めて、公益委員としてはこれに対してどういう態度、あるいは方針をとられるかということについてお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/84
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085・宮原清
○宮原政府委員 根本においてものの考え方に大きな食い違いがあるようでありますから、御質問の趣意は、私が承つた感じでは、要するに電気というものはある特定な仕事に必ず向けなければいかぬ。その間の融通等についてのことを全然必然的でないというような意味で御論議が進められますれば、今のようなことになると思います。しかしたとえば先刻お話があつて、これは私の関連したことではないのでありますが、アルミに使つてはいけないとか、銅に使つてはいけないとか、そういう品物で外国へ出て行くのは戰力の交換だというようなことでありますが、しかし日本の産業自体のあり方についても——私も企業に多少の関係を持つておりますが、そうすることによつて自分の商売を成り立たせる、国内で余つているものを買つてくれる外国に出すということは、もちろん一つの形であると思います。もつと適切に言えば、ある程度の貿易によつて外貨を得なければならぬとすれば、それ自体外国へ出すことさえも一つの目標であつていいのだと思います。その場合に国内における農民の使用するものを窮乏に導くかどうかということは、これは一つの大きな問題でありますが、それについて心配がないという建前においてする以上は、やはり、各製造会社の自活のため、もしくは国全体の貿易收支に関する問題というようなことの観点から、一つの国の政策としてあつた場合には、やむを得ないというよりは、それを別に阻止すべき理由がないというように考えるべきだと思うのであります。ただいまそれに関する矛盾についてはまことに困つたものだが、矛盾はあります。およそ矛盾のないことが簡單に済めば政治についての論議はないはずでありますが、矛盾が本体だと思います。ただその程度をそうはなはだしくは矛盾に導かないようなくふうをすることだけが当面の人々のかかわつた問題だと思います。従つて今のお話のような公益委員会の態度としては、そういうことについてどう思うかということは、すでに公益委員会は所要の電力分量を、どうしてもこれだけはという産業計画の要請に対しては、すこぶる無理な、無理といつてもできることでありますから無理ではないかもしれませんが、非常に困難を冒して努力して、そうして増強して増量したという建前を歩んでおつたのでありますから、その点については、そういう程度の矛盾は、ある程度理論的に矛盾だということであつて、実行上はそうしなければ一番都合の悪いことになるのだということでありますから、言葉のあやから申せば矛盾というのは非常に不都合なことでありますが、実行しているときは、その矛盾をある程度調節して実際に即したやり方をした、こういう意味に御解釈くだされば、単なる矛盾というようなことだけが、大きな課題でなくて、実行の面において電気を所要のところへ流すという一つの方針として、それが必ずしも独立採算に合わないということだけのことであつて、ことごとく独立採算に合わなければいけないという論議を進めれば、もう矛盾だらけであります。しかし矛盾の間に立つておのずから道をつけて行くということがあるいは政治といつていいか、あるいは経済理法であるといつてもいいのではないかと思います。お返事になつておるかどうか存じませんが、今承つたことに対する自分の感じを申し上げましてお返事にかえます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/85
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086・風早八十二
○風早委員 宮原さんから人生哲学みたいなものを承つたので浸りますが問題はこれは矛盾とか何とかいう抽象的なことではなくて、具体的にそれで日本の平和産業というもの、また一般家庭の電燈というものが実際に被害を受けるから、私は言つているわけです。どこにでも商売に合うところに向けようということは、商売を建前にしてけつこうなことでありますが、事実そうなつていないのは、むしろ政府の政策の側にあるわけです。つまりどこへでも向けなければならぬところを、ある一点にだけたくさん向けて、しかもそこへは安く出すということは、何と申しましても、これは單にりくつに合わぬということだけでなくて、そのとばつちりは必ずほかへ行くという問題を伴うのでありますから、そこで私は問題にしているのです。しかもこれはあなたは見解がまるつきり食い違うからと言われますが、根本においてお互いに日本人であり、お互いに日本の発展をこいねがつているものとして、この食い違つている点はどこであるか、それをよくもつと徹底的に究明して、そこから真の正しい方向を見つけるのが、これがあなたの人生哲学にも合致するのではないかと思う。ただ矛盾を矛盾として実際問題としては矛盾が現実なのであつて、それはやむを得ないのだと言われるばかりでは、これは実際日本を発展させるゆえんではなかろうと思うのです。大きな問題が今出て来ているわけです。先ほどの行政協定の第七条の問題にしましてもこれはおそらく公益事業委員会としても大問題だと考えるだろうと思うのです。今まではとにもかくにも名目上公益委員会というものが日本の電力行政の根幹を事実握つている。ところがこれから実際に使われる電力というものは、向うさんの都合で、これはもう法的な根拠を持つてどうにでも使うということにされても、公益委員会としてもどうすることもできないわけです。事実においてはそう極端なことが一気に行われるというようなことはまずないかもしれません。しかしあつた場合でもそれはどうしようもないのです。そういうことについて、そうなつたらそうなつたでただ済ましておられるのか、矛盾は矛盾としてただこれは事実であると言われることであれば、何をか言わんやだと思うのです。その点でどうも最初からわが党が質問をしますと、何か違つた見解から一つの考え方を持つているように思われる。われわれがもし間違つておれば、これはいつでも訂正します。先ほどの安本長官の話でもそうです。事実をもつて示せないでおいて御心配ありませんでは答えにならない。まあ、今日は、安本長官も帰つてしまわれたようでありますから、大事な論点でありますが、これはこの程度にいたします。しかしこの根本問題にぶつかつているということをはつきり政府なり、公益委員なりがまずこれは事実として認めて、そうしてどうするかということをひとつ考えて、これから答弁していただきたいということを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/86
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087・宮原清
○宮原政府委員 私は議論をするわけではありませんけれども、もつて念とすべしという将来についてのお言葉がございましたから、私の矛盾論はいつまでやつても、これはこんにやく問答になつてらちが明きませんが、しかし今お話の通り事実を事実として認めざるかのごときお話でありましたけれども、行政協定の七条というものがどれほどのウエートを持つておるかは私よく存じません。しかし風早委員のお話のごとくんば、もし日本が鎖国状態であればそうなるであろうというふうに解釈いたします。しかしやはり四方に交際を開いて、そうしてそれぞれのものを取入れたり、交易も続けてやつたり、援助を受けたものに対する始末をしたりということになれば、勢いそういう国内の立て直りのためには、ある物合においては飢餓輸出をしなければはらぬということは、ひとり日本ばかりでなく、敗戦国にはすでに実例があるのであります。われわれに課せられたものが非常に大きいために、国を立てるという大きな問題になれば、ぜひともこれは国内が一致してそのかたきに処して行かなければならない。まことに大きな負担を負わされておるということは御同様遺憾でありますが、これはつまり無謀な戦争をして敗戦国になつたという事実から生じた結果である。この既成事実を認めて出発すれば、おのずからそういう問題についても、つまり求められることについて、電気にしても使つたら料金をとるのであります。ただで向うに取上げられておるのではないのでありまして、そうしてそれに従事する人が自分のかてを得ることになるのでありますから、やはりそれは空疎に帰してはおらない。もし食い違いがあつて、よく原因を調べてみる必要があるというお話ならば、私はもう一ぺんそちらでもその原因をお調べくだすつたらわかるのではないかという気がいたしますので、私はなはだ勝手でありますが、これで退席さしていただくについて、あなたのお話は一応私にもわかりますけれども局時に私に次の疑問が生じておりますので、これは実に異例であつてよけいなことであろうと思いますが、ただここでお話するという形で申し上げたのでありますから、どうぞ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/87
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088・風早八十二
○風早委員 ここは議論の場ではありません。私は質問をしたいのですが、そういう前提の事実について、まるつきり具体的なそれの反駁がないわけでありまして、私はあの公益委員会から出された資料に基いて言つておるだけの話なのですから、その点について前提の事実を云々されるということは、これが反駁されない以上ははなはだ不可解だと思う。
それから敗戦国というお話でありますが、これについてもやはり政府、公益委員会必ずしも唯一であるとか、大きな責任母体であるとかいうことは言いません。しかしながら一体政府がやつて来た施策、たとえば両条約をのむとかのまないとか、行政協定を国会にかけるとかかけないとか、あるいはこれに賛否をどうするとかいうようなことは、これはやはり政府の責任が大いにあるわけです。そういう政府の責任ということを全然抜きにして、ただ敗戦国という事情を言つたのでは、これこそ政治というものはないのですね。そういうことでは全然政治の責任ということは考えられないわけです。そういつたようなお考えだけは、私はお断りしたいということを一言申し述べておきます。こまかいことがいろいろありますけれども、それは抜きまして、一元化の問題についてちよつとお尋ねしたいのであります。先ほど本間通産次官が一元化のことを考えておられると言われ、周東安本長官がまた非常にたやすく電力行政の一元化ということを口にされるけれども、これもまたまことに不可解千万な話だと思う。この一元化ということと今までやつて来た電力の九分割、これは直接関係はないでしよう、九分割のままでも一元化ということは、行政の面ではできるということを言われるでしよう。しかしどうも私はふに落ちない。この一元化ということが望ましいのならば、むしろ今までの一社でも、その方がかえつてよかつたのではないかというような議論も出て来るわけです。それが一つ。そういう点で、一体九分割なりこういうことと、どういう関係があるか。
それから第二は、公益委員会というものに対して、この一元化問題は、公益委員会の機能というものとの関係はどうなるのか。これは公益委員会をやめてしまうと言われるのか、そういう点もひとつわからないからお尋ねします。
さらに一元化できるという根拠ですね。これは一元化したいということは一応お考えとしてはわかりますが、一元化できるという根拠を示してもらいたい。先ほども若干触れられましたように、計画の面では安本が今持つておる。それから公益委員会がもちろん持つておる。また資金の面では大蔵省が握つておる。さらに工作物については資源庁が持つておる。水利権については建設省が持つておる。こういうふうに、もう手足はすつかりほかにある。それが今度は通産省に一元化され得るという、そういう根拠ですね。その三点についてお尋ねいたします——今政府当局で、この質問に対して責任のある回答をされる当事者がおられないということでありますから、この質問は一切次会に留保して、今日の私の質問はこれで打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/88
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089・多武良哲三
○多武良委員長代理 この際お諮りいたします。ただいま本委員会に付託されております電源開発促進法案は重要なる議案でありますから、本案について広く各界の意見を求めたいと存じますので、公聴会を開きたい旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/89
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090・多武良哲三
○多武良委員長代理 御異議なければ、さようとりはからいます。
なお議長の承認を得られましたら、開会日時、公述人の選任等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/90
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091・多武良哲三
○多武良委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。
本日はこの程度にいたし、これにて散会いたします。
午後四時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X02019520328/91
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