1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月二十八日(水曜日)
午前十時五十四分開議
出席委員
委員長 田中 重彌君
理事 關内 正一君 理事 高塩 三郎君
理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君
井手 光治君 岡西 明貞君
加藤隆太郎君 庄司 一郎君
福永 一臣君 石川金次郎君
田島 ひで君 稻村 順三君
出席国務大臣
電気通信大臣 佐藤 榮作君
出席政府委員
電気通信政務次
官 平井 太郎君
電気通信監 山下知二郎君
電気通信事務官
(大臣官房審議
室長) 大泉 周蔵君
電気通信事務官
(大臣官房人事
部長) 山岸 重孝君
電気通信事務官
(業務局長) 田辺 正君
電気通信事務官
(業務局国際通
信部長) 花岡 薫君
電気通信事務官
(経理局長) 横田 信夫君
電気通信技官
(施設局長) 中尾 徹夫君
委員外の出席者
電気通信事務次
官 靱 勉君
専 門 員 吉田 弘苗君
専 門 員 中村 寅市君
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五月二十七日
委員益谷秀次君辞任につき、その補欠として岡
西明貞君が議長の指名で委員に選任された。
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五月二十八日
放送法の一部を改正する法律案(高塩三郎君外
五十三名提出、衆法第五四号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
日本電信電話公社法案(内閣提出第二一二号)
日本電信電話公社法施行法案(内閣提出第二一
二号)
国際電信電話株式会社法案(内閣提出第二一四
号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/0
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001・田中重彌
○田中委員長 これより開会をいたします。
日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案及び国際電信電話株式会社法案を一括議題とし、質疑を続けます。石川金次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/1
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002・石川金次郎
○石川委員 国際電信電話株式会社法案を以下会社法案と言います。会社法案附則の第二十四、電気通信設備評価審議会でありますか、この審議会には経費は必要といたしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/2
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003・花岡薫
○花岡政府委員 この電気通信設備評価審議会は郵政省に置くことになつておりますが、これは実は最近におきましても、警察電話の電気通信省への移管に関してほぼ同様の事例がございまして、ただいまお尋ねのような雑費その他多少事務執行上のいろいろな便益の問題がございますので、その点はかれこれ詳しいことは規定してございませんけれども、郵政省に設置するということによりまして、ごくわずかの問題でございますので、その点はそれで大体乗り切れるだろう、こういう了解を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/3
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004・石川金次郎
○石川委員 乗り切るのにわずかであつても、どこから金が出て来ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/4
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005・花岡薫
○花岡政府委員 こういうような会合上の雑費あるいは筆墨その他技能者というような問題につきましては、雑費で処理ができる場合が多いのでありますが、ただこの問いろいろと設立準備委員についてお尋ねがございましたが、まとまつた経費ということになりますと、報酬の問題その他設立費用というようなはつきりした性質を持つて来ます場合には、これは設立費用といたしまして、別途一般商法上の処理をしなければならぬかと思いますけれども、ただいまお尋ねの場合は、ただ集まつて相当の資料をつくつて、その資料によつて審議決定をする。数回の会議を開くことによつて結論が出るものと考えております。従いましてごく些細な雑費以外には、評価審議会には必要はないものと考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/5
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006・石川金次郎
○石川委員 しかしこの評価審議会は国際電信電話株式会社に譲渡する、移転する価格をきめるのではないですか。その職務は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/6
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007・花岡薫
○花岡政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/7
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008・石川金次郎
○石川委員 価格査定をいたしますのには、かなりの価格査定のための費用がかかり、日数もかかり、技術も要すると思いますが、ただ単に一片のわずかな経費だから雑費から出す。その雑費はどの項目であるかわかりませんが、あとでお伺いしますが、それだけで間に合いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/8
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009・花岡薫
○花岡政府委員 ただいまお尋ねのようなある程度まとまつた経費を必要とするというような場合は、たとえば現場に臨みまして設備を実地調査をするというようなことも考えられるかと思います。しかしながら郵政省に設置された一つの審議機関であるという関係からいたしまして、その程度の経費なりば、これはいわゆる雑費的な処理をしてさしつかえないのではないか、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/9
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010・石川金次郎
○石川委員 それではその雑費は、どう雑費から出て参りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/10
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011・横田信夫
○横田(信)政府委員 お尋ねの問題についてお答えいたします。先般お話がありましたように、この評価審議会は行政庁の一種だろうと思います。従いましてこれに必要な経費がいるといたしますならば、国家一般会計の経費になるわけであります。先ほど話がありましたように、そう大した金はいらぬと思いますが、必要ならば場合によつては予備費というものも使えますし、そういう経費の充当はできると思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/11
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012・石川金次郎
○石川委員 それでわかつて参りました。さつき会社の設立の費用から出すというようなお考えをおつしやつたのでありますが、それは間違いでしような。そういうことはないだろうと思います。
それからもう一つ、これは小さな問題ですがお尋ねしておきますが、大臣の認可で定款が効力を生じて、商法の日六十七条、これは認証でありますが、公証人の認証を排除した理由をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/12
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013・花岡薫
○花岡政府委員 これは定款を作成しまして、郵政大臣の認可を受けるということで、定款の作成段階はそこで一応確定した、こういうふうに法律上規定いたしましたので、商法の公証人による認証は、これは除外してもよろしいだろう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/13
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014・石川金次郎
○石川委員 よろしいだろうという根拠です。これは小さいようでありますが、あの商法の認証という規定を置きますには、置きますだけの理由があつてやられたのでありましようから、それを定款を認可するということで排除してよろしいということでありますが、排除しなければどうなんですか、排除しないであのままやつて行つたらですね。もう少し申しますと、実際において登記が可能だというところまでお取調べになりましたか、設立登記が可能だという点まで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/14
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015・田辺正
○田辺(正)政府委員 商法百六十七条におきまして、公証人による認証をきめましたのは、定款の内容を明確にいたして、会社設立後定款に関する紛争等の生ずることがないようにということで定めたものであります。従つてこの法律におきまして、郵政大臣の認可といたしましたので、公証人の認証にかわるものとして、同じく定款の内容を明確にし、事後における紛争を防止することができる、かように考えましたのでこれは排除したような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/15
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016・石川金次郎
○石川委員 登記手続はそれで大丈夫でありましたか。設立登記の場合に、登記手続は何らさしつかえなかつたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/16
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017・田辺正
○田辺(正)政府委員 これはさしつかえないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/17
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018・石川金次郎
○石川委員 それでは附則についてはこれだけにしておいて、あと本文の方をお伺いしたいと思います。まず公社法のときに明確にしておけばよかつたのですが、公社法の三条をちよつとお伺いしたいのでありますが、ここに「公衆電気通信業務」こういつておりますが、この意味は電信法第一条の電信及び電話と同一でありますか。さらに電信電話より拡張せられた意味でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/18
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019・横田信夫
○横田(信)政府委員 今のお話の点につきましては、電信法にいう電信電話の中には、個人の専用に供するものが入つておるわけであります。一般の不特定多数人というものでなしに、個人の専用で、いわゆる公社でないものも入つている。そういう意味におきまして、公衆電気通信業務と申しますのとは、いささか意味が違うように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/19
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020・石川金次郎
○石川委員 すると電信法第一条にいう電信電話、あれから個人的な施設を除いたものというように承ればいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/20
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021・横田信夫
○横田(信)政府委員 さようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/21
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022・石川金次郎
○石川委員 そこでお伺いしたいのでありますが、本法案の第一条によりまして、会社が国際通信業務を経営することのできる権利、こういう権利は、これは本法によつて原始的に取得された権利であるのか、従来国が持つておつた権利、業務権とかりに言いましよう。業務権を政府より承継したということになるのか、ひとつお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/22
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023・田辺正
○田辺(正)政府委員 この点につきましては、従来国でやつておりましたものを——会社法の附則の三十三項におきまして、国際電気通信業務は、「国際電信電話株式会社ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得」というふうに規定いたしましたその趣旨は、従来国でやつておりましたものを、この会社設立後におきまして、国際電信電話株式会社において行うという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/23
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024・石川金次郎
○石川委員 御説明によりますと、国が持つておつた業務権を会社に譲渡するのだ、承継するのだということになるようでありますが、そういたしますと、この事業が従来非常にもうかつておつたということになるが、それを一個の会社に権利をただ単に譲渡してやるのは、これは無償で行くのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/24
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025・田辺正
○田辺(正)政府委員 従来国でやつておりましたものを、国際電信電話株式会社に営業権と申しますか、あるいは業務権と申しますか、それを承継させるという意味ではございませんで、今まで国でやつておりましたものを、この会社設立後は、国際電信電話株式会社が行うのだというだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/25
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026・石川金次郎
○石川委員 そういたしますと、従来国が持つておつた権利を継承するということではなくして、それはこの法ができたから会社が業務権を取得するのだ、こういうようになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/26
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027・田辺正
○田辺(正)政府委員 そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/27
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028・石川金次郎
○石川委員 そこで今度問題になつて参りますのは、なぜ一体政府はこの業務権を放棄するのか。それはちようど会社の設立が必要だという御説明に該当するのだと存じますが、なぜ権利の放棄が必要なのかということをお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/28
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029・田辺正
○田辺(正)政府委員 国際電気通信業務につきましては、日本電信電話公社と別に、民間の企業体に行わしめることが適当であるという趣旨から、さようにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/29
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030・石川金次郎
○石川委員 それでは公社に移りますところの業務権も、やはり公社法ができたから継続的に公社がこの権利を取得するのだ、こういうようになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/30
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031・田辺正
○田辺(正)政府委員 その通りに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/31
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032・石川金次郎
○石川委員 公社法に書いてある会社施行の際の権利及び義務が一切公社に移るという中には、業務権ということを全然考えなかつたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/32
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033・田辺正
○田辺(正)政府委員 その場合には、業務権が移る移らないということを考える必要がないというふうに考えておるわけであります。ただ今まで国がやつておりましたものが公社に移ります場合に、業務上におきまして国との間に継続的な契約もございます。またいろいろ債権債務の関係もございますが、そういうものはやはり公社に移しませんと、これは業務の関係において妥当ではございません。従つてそういうふうに、国と外部との関係が生じました権利義務の関係は、公社に移ると了いうふう規定いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/33
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034・石川金次郎
○石川委員 ところが公社法によりますと、公社法が施行になりますと、国が持つておつた電信電話の営業権、業務権の全体が一応移るのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/34
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035・田辺正
○田辺(正)政府委員 今のお話には、業務権全体が移るというお話でありましたが、私の申し上げましたのは、国が公社の設立の前日まで、外部との関係によつて生じましたところのいろいろな権利義務の関係がございます。それがそのまま公社の方に移つて参るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/35
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036・石川金次郎
○石川委員 そこで公社法によりますと、電信法が改正せられて、電信電話の業務が公社に移ることになるのでありますから、内外を問わず、国際通信業務たると、それから国内における公衆通信業務たるとを問わず、一応全部公社に移るのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/36
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037・田辺正
○田辺(正)政府委員 おつしやる通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/37
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038・石川金次郎
○石川委員 そうすると、一応公社に移るのでありますが、公社に移つた権利、営業権といいますか、営業できる法律上の地位を、本法一片の制定で公社から奪い取るのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/38
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039・田辺正
○田辺(正)政府委員 その関係は、国でやつておりました電信電話事業の経宮が公社に移ると同じ関係でありまして、会社設立の日におきまして、公社がやつておりました国際電気通信業務に関する仕事は、会社の方に移るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/39
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040・石川金次郎
○石川委員 そこで公社から会社に移るというのは、どういう理由からでありますか。それでいいのかということです。一たび公社に与えた一つの法律上の権利を、一片の法律でとれるのか。とることが妥当であるというお考えだろうと思いますが、その理由であります。法律を制定すれば何でもいいじやないか。たれが持つておつた権利であろうとも、法律を制定すればただちにとることができるのだというお考え方を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/40
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041・田辺正
○田辺(正)政府委員 これは憲法の財産権の保護と申しますか、いろいろ憲法に定められております権利の保護に関する規定との関連ということだと考えますが、これは公益上の必要によりまして、公社にありました仕事を別な会社に移すことは適法だと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/41
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042・石川金次郎
○石川委員 ところで、今度は附則の三十三、これは電信法の改正規定でありますが、電信法の一部を次のように改正する。「第一条の二に次の但書を加える。但し主務大臣ハ日本国外国間二於ケル電信及電話二関スルモノハ国際電信電話株式会社ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得、」政府にはすでに業務権はないのであります。ないものを行わしむることができるという御趣旨は、ないものを改正するのですか。電信法第一条の二の業務権がないものをここでこういう改正をすることができるのでありますか。全部移つたとおつしやる。全部移つたならば、すでに第一条の業務権というものは公社に移つている。移つているものをこの三十三の改正規定で移して行くことができるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/42
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043・田辺正
○田辺(正)政府委員 電信法の第一条の改正でございまして、電信電話は政府がこれを管理するということに規定しております。それでその管理の内容でございますが、電信電話に関する業務は公社に行わしめますけれども、管理という意味は、何と申しましようか、そういう業務上のことは自分で経営しないけれども、それについては国としてのある程度の監督権と申しますか、統制権と申しましようか、そういうものはやはり留保されているものだと考えているわけであります。そういう意味から、会社の方におきましても、主務大臣がそういうことができると規定いたしましても違法ではないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/43
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044・石川金次郎
○石川委員 そうすると、そこに「政府之ヲ管理ス」とありますが、その管理の中には一切の支配権があるのだというふうにお聞きしておけばいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/44
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045・田辺正
○田辺(正)政府委員 一切と申しますと、実はちよつと御答弁いたしかねるのでございますが、とにかく第一条の現在の規定は「管掌ス」というふうになつているのでありまして、それを今度改正案におきまして「管理ス」としておるのであります。その意味は電信電話の業務の執行、それは公社をして行わしめるということでございまして、従つて国としてやはり電信電話の業務に対する統制——統制といつては当りません。支配といつても当りませんけれども、要するに電信電話に対しまして、ある程度の統制権と申しますか、支配権と申しますか、そういうものを持つておるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/45
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046・石川金次郎
○石川委員 そうなりますと、国の都合によつていつでも法規をかえることによつて、この会社から業務権といいますか、国際通信業務の権利をとることができる、国の手に収めることができる、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/46
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047・田辺正
○田辺(正)政府委員 おつしやいますように、法律でもつてそういうことを規定いたしますれば、可能であると考えます。しかし実際の問題といたしまして、そういう法律をいたしますことは妥当ではない。もし事前にそういうことが予測されますならば、たとえば期間を五十年に限るとか百年に限るとかいうような措置が必要であろうかと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/47
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048・石川金次郎
○石川委員 妥当でないとおつしやるならば、公社からとつて行くことも妥当でないのじやありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/48
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049・田辺正
○田辺(正)政府委員 その点こういうふうに考えます。公社に予定もありませんのに、公社がたとえば自分の仕事はこれだけの幅であると考えて仕事をしております場合に、突然にその業務内容を変更するということは、これは私法律上は可能であると思いますけれども、妥当でないと思います。しかしながらこの場合におきましては、公社は七月一日から国でやつております電信電話事業の経営をいたしますけれども、国際電信電話業務につきましては、国際電信電話会社ができたならば、それだけの仕事はやらせるということを同時に規定して行くことになりますので、公社としてはそういうことはもうわかつておるはずであります。従つてお話のようにはならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/49
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050・石川金次郎
○石川委員 公社としてはわかつておるとおつしやるが、なるほど私たちはこの法文の何からいつてわかつておりますが、国民の側からいえば法律を見るだけでありますから、公社がわかつているということで、みんなを納得させることにはいかないかもしれませんが、その点はお考えになつていただきたいと思います。それではそういうように潜在的に法律を制定することによつて、この国際電信電話株式会社からも、業務権は再び政府の手に収め得る、国の手に収め得るというならば、その権利があるということをなぜ条文に表わさないのでしようか。ここがみんなの言いたいところなので、公聴会の場合におきましては、再び必要な場合には国がやれるのだ、政府がやれるのだということを明らかにしないと、公共のための設備、みんなのための設備に対して非常な不安がある。これを明らかにしていただきたいということが、公述人の意見にもあつたのでありますが、そのように潜在的の権利があるとしたならば、どうしてここに言い表わさなかつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/50
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051・田辺正
○田辺(正)政府委員 私たちは、この公社並びに会社を設立いたします場合に、将来と申しましても、われわれが考えておる上におきまして取入れなければならぬ期間を想定いたしましての話でございますが、近い将来と申しましようか、政府におきまして期間を予定いたしまして、これを国に取上げるということの必要は感じてないわけでございます。従つて公社並びに会社によつて事業の経営をやつてもらつて一向さしつかえないというふうに考えておりますので、そういうふうなことは規定いたさなかつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/51
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052・石川金次郎
○石川委員 そこでだんだん御説明を聞いて参りますと、結局日本国、外国間における通信及び電話に関するものは、国際電信電話株式会社をしてこれを行わしめることを得、国家が会社に行わしめるのだ、こういうことになるのでありますから、会社法の第二条に参りまして、国際電信電話株式会社は、国際電気通信業務を営むことが国の委託ですか、わかりませんが、国の何々によつて国際電気通信事業を営むそれ自身の固有の権利としてではなくして、国の権利のあるものを営んで行くのだという表現をした方が、間違いがないではありませんか。先ほどは本法によつて固有にできた権利だとおつしやつた。だんだんに、行わしめるという条文からして、国から引継いだかのごとく、潜在的の権利があるとおつしやつた。どつちになるかわかりませんが、いずれにしても第二条をきめますときは、その潜在的な権利があるのだということを表現することが、実際にかなつておるのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/52
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053・田辺正
○田辺(正)政府委員 私は第二条とこの附則の三十三の電信法第一条の二の改正でございますが、それを両方読み合せまして、第二条におつしやいますようなことを入れる必要はないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/53
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054・石川金次郎
○石川委員 そうすると主務大臣がということは、政府がということになりましようが、結局この会社をしてこれをこうして行わしめることを得という感じは、これを受けたのは、政府がこの会社に行わせるのだ、この業務をやらせるのだというのでありますから、自分が持つておる権利を一応やめて、その代行みたいなものをやらせるように見られるのですが、そういう趣旨ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/54
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055・田辺正
○田辺(正)政府委員 それは先ほど申し上げましたように、電信法の第一条の管理すということにも関連を持つて来ると思うわけでありますが、先ほど申し上げましたように、公社がやつておりますところの国際電信電話業務を、会社設立の日から会社に行わせるというのでございまして、それを政府の代行と観念いたしますかどうか、わかりやすい言い方をいたしますればあるいは代行ということになろうかと考えますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/55
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056・石川金次郎
○石川委員 それは代行という御趣旨であれば、それを条文に移しておきませんと、これはあとでたいへんでありますよ。原始的に権利をとつておるのだということになりますと、今度はこうなる。あとでこの会社を政府が必要であるときに、業務権というもの自体を評価するかしないかという問題が出て来る。代行しておるのだということ、その点はだまつてとつておる、あとは財産はこれで行くのでありますから、財産の評価の問題が残つて来る、あとでこの国際会社の問題を、国営としてやるべきだという議論が将来出ないとも限らぬと予測する、そういうことを考えてこの法文をこしらえておかなければならない。なぜかといえば、これは非常に公共性の深い事業でありますから、一会社にまかしておく方がいいのか、やつてみてこれはいかぬ、この事業というものはやはり政府でやつた方がいいという議論が出ないとも限りません。出て来ている。世界の流れと申しましようか、傾向——その場合に問題になつて参りますから、これを聞いておくのでありますが、代行させるということであるならば、その趣旨をしつかりと法文にうたわなければ、あなた方の立案の趣旨、立法の気持というものが法案に現われない。あとにいたずらに紛争を起すだけでありますから、それを明瞭にお書きにならなければならぬというお考えでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/56
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057・田辺正
○田辺(正)政府委員 今お尋ねの問題は私はかように考えます。これを代行と観念いたしましても、あるいはまた代行ではなくて固有の権利をこの条文によつて発生せしめたというふうに考えたといたしましても、かりに将来国際電信電話業務を国でもつて回収するという場合におきまして、私は今のような一つの考え方の相違によつてかわりないと考えるわけであります。と申しますのは、この法律に書いてございますように、公社から国際電信電話株式会社に出資いたしますが、財産については時価を基準として収益率を参酌して決定いたすことになつております。従つてかりに将来国際電信電話株式会社の業務を国に回収いたします場合におきましても、これはその会社が持つておりまする資産の時価、それに収益を参酌する。これはちようどたとえば地方鉄道を買収いたします場合に規定がございます。そういうふうな取扱いをすればいいのであつて、これは代行と観念する、あるいは固有の権利と観念することによつて、国が会社の業務を回収いたします場合に、私は差異は生じないものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/57
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058・靱勉
○靱説明員 ちよつとその点についてお答え申し上げます。ただいま田辺政府委員から御説明いたしておりまするように、大体電信法あるいは無線電信法におきまして、在来は国が公衆通信事業を独占して経営しておつた。その他の施設の通信については、これは特に許可を受けなければできない。有線と無線と差がございますが、そういつた体系になつておつた。そういう意味合いにおきまして国の意思というものは、公衆電気通信事業は在来の形におきましては国の独占だ、何人も公衆通信事業を営むことができない、こういう形になつておりました。今後公社法をつくり会社法をつくりまして、電信法を改正いたしておりますのは、公社は内外を問わず公衆通信事業を営むことができるという権能を与えた。すなわち国の独占をここにおいて解除した、こういうふうに考えるのであります。それから国際通信につきましては、やはり国際会社にそういう権能を与えたのであります。国にかわつて代行させるという意味ではありません。両法案を比較してみますと、決して国際通信会社が国際通信業務を独占するという規定はないのであります。両方並行してできる形になつておりますが、政府の方針としましては、両法案を立案いたした場合におきまして、原則として国際通信業務は国際会社にやらせる、こういう方針をとつておりますが、法文上におきましてはその点は一つも明らかにされておりません。なおまた将来におきまして他の機関に国際通信事業を許すということも、国の意思としてこれはできるものと考えております。またあるいは条約の協定によりまして、外国が来て国際業務を営むということも、国際条約によつて協定されますればできるということでありまして、国は全体的に電信電話に関する管理権を持つておつて、それをたれにそういう権能を与えるかということは、要するに国民の意思できまつて来るという法律体制をとつている、こういうふうに解釈するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/58
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059・石川金次郎
○石川委員 だんだんにわかつて参りましたが、そういたしますと国は管理権を持つておるのですから、公社も国際通信業務を営むことができる。会社もできる。そして会社が自分もやるんだが、政府では管理権に基いて国際会社の方でおやりになつてもいい、自分がやるんだ、だから施設は売りませんということもできるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/59
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060・靱勉
○靱説明員 その点は出資の範囲につきまして協定がつかない場合には、郵政大臣が最後に決定する。これは結局法律上明らかにいたしまして、国の管理権に照応いたしております。それからさらにこの法律においては明らかでないのでありますが、現在電信法を根本的に改正する法律の立案にあたりましては、この業務の範囲をやはり郵政大臣がきめるようにするという形に、電信法を根本的に改正する意図を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/60
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061・石川金次郎
○石川委員 しかし一応その業務権というもので私はかりに言うが、業務権も財産も公社に全部移るのでありますから、公社の側から言えば、国際通信は公社の方が一番いいという考えを持ちまして、御趣旨の議論を発展させて参りますと、公社の方では国際会社には業務を譲渡しないということもできるのであります。それを取上げようと思つて、別の法律を制定するならば取上げることはできるのだというその議論は別として、公社はそういうことを言えるか、そういう権能を持つておりますか。なお失礼ですが、私は主として大臣にはお聞きいたしませんのですから、お忙しければ御中座くださつてけつこうであります。私の伺うのは小さい問題でありますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/61
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062・佐藤榮作
○佐藤国務大臣 たいへん重大な問題でありますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/62
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063・靱勉
○靱説明員 それは一つの他の法律の規定がない場合におきましては、公社は自分であくまでやるのだ。法律的に他に制約がなければそういうことになります。但し今度の両法案において現われておりますのは、要するに出資の範囲につきまして最終的には公社は、たとえば小山の送信所はおれの方でやるのだといいましても、この業務は国際会社にやらせるのは妥当だと思うから、出資しなければならないという裁定ができるように法律ではなつているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/63
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064・石川金次郎
○石川委員 それはお間違いじやないですか。一応施設が公社に移るという規定であります。大臣はこれを裁定するわけには行かぬです。法律が通ると全部移つてしまいます。全部移るのでありますから、これをやらないというわけに行かない。あなた方の御苦心はわかります。両方立てて行こうと思われて、いろいろとられる政治上の政策はわかります。私はこの法律について聞いている。私は何も知らない国民だから、全部移つてしまうとそういうことはできないじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/64
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065・靱勉
○靱説明員 公社に全部移ります。公衆通信用の施設というものは全部移ります。その上におきまして国際会社が法律が施行になり出て参りますと、この附則に書いてありまするところによりまして、その分配をするということを法律で郵政大臣が権限を持つように書いてありますから、それは公社がこの範囲のはいやだといつてもだめだということになるのであります。これは法律ではつきりきめているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/65
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066・石川金次郎
○石川委員 いやだといつてもだめだということは書いてないのです。書いてないからお伺いしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/66
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067・靱勉
○靱説明員 この法律の観念はあくまで強制的に国際会社がこれを奪い取るというような規定にはなつておりません。原則としましては公社と会社との間に協議してきめろ。しかし協議がととのわない場合には郵政大臣の決定に従う。その場合において協議のととのつたものと認める、こういう法律の規定になつているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/67
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068・石川金次郎
○石川委員 それは財産の範囲の紛争のとき、私の聞いておりますのは、私の方ではやるといつても言えるじやないかという……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/68
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069・靱勉
○靱説明員 業務の点は、この法律によりますれば小山送信所をやつても、公社の方が別に送信所を立てて国際通信業務をやろうと思えばやれる形になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/69
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070・石川金次郎
○石川委員 そこで小山の方はやらない。自分の方でやりますということができるのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/70
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071・靱勉
○靱説明員 お答えします。施設をやらないというわけには、先ほど申します通りこの法律に書いてありますのでできません。協議がととのわないという場合には郵政大臣がこれを決定するということになつておりますから、施設自体はどうしても郵政大臣がそれを国際会社に移さなければならぬということになれば、この法律の規定によつて移さざるを得ない。しかしさるがゆえに業務が必ず奪われるかといいますと、この法律だけではその点ははつきりしていない。今石川委員がおつしやつた通り、あくまで国際業務をやるということを法律的に禁止する規定は出てない、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/71
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072・石川金次郎
○石川委員 次官のおつしやることは附則の四でございましよう。つまり会社に譲渡することができるという規定をおとりになつている。四でございましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/72
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073・靱勉
○靱説明員 五項、六項であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/73
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074・石川金次郎
○石川委員 それでは三項を見れば「日本電信電話公社は、会社の設立に際し、会社に対し、現物出資をすることができる。」出資することができるのであつて、出資すると書いてない。できるというのはたいていの場合、会社に、できるかできないか、その意思決定を留保せられておるときに現わんて来る法律上の表現じやないのですか。私無学でちよつとわかりませんけれども、大体そうじやないかと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/74
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075・靱勉
○靱説明員 このできるというのは、強制いたしておりません。必ず現物出資しなければならぬということじやない。それで国際会社の法律の全体といいますか、本質論から見ますれば、国際業務を営むことができるという権能を与えられた。従いまして電通公社の持つている施設は全部お断りだ。自分が新たに設定するのだということも可能であろうと思います。しかしそれは国として二重施設になりますし、また行政作用として郵政大臣が公社を監督しておるという全面的な形から、法律的にその用意全部ありやということになれば、電信法の改正の際に、国際会社と公社との間の業務の範囲をだれがきめるということをはつきり書いておきますれば、今おつしやつたような疑問はないかと思うのでありますが、現在はその規定が欠けておりますから、施設については出資することができる。そこは公社と会社の間に国の施設を二重にする必要もないということで妥当な解決ができるもの、こういうことで現物出資できる規定を設けた、こういう形であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/75
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076・石川金次郎
○石川委員 私の問いようが悪いのですか何ですか、公社は国から引継いだ施設なるものを会社にやろうとやるまいと、会社自体の意思によつて決定されるのだ。あとで公社ができ上りまして、経営委員会、執行機関等が、これは公社がその使命を達成するために国際通信をやらなければならぬという確信があつた場合には、必ずしもその出資をやらなくてもいいのだ、こういうように了承できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/76
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077・靱勉
○靱説明員 法律的にはおつしやるようになるかと思います。私ども一つの無線施設を考えてみましても、そういう場合が予想できる。今まで国際通信に使つていたが、公社としてはこれは国内通信に使いたいという場合におきまして、これは出資するのはいやだ。国際会社は出資してもらいたいといつた場合、その協議がととのわざる場合に、郵政大臣がいかに決定するかにかかるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/77
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078・石川金次郎
○石川委員 それでは進めて参ります。これは申し上げるのも私自身あまり気持よくありませんけれども、委員会において自由党の橋本委員からも質問がありたように思われ、公聴会においても自由党の石原委員から質問があつたように思われますが、政府が会社案を立てられました理由について、何となく世間の人が疑つているのじやないか。今まで国家が持つておつた権利を一会社に与えてしまう、何かしら臭い、変だと思つている。私は鈍感にしてわかりませんでしたが、自由党の諸君からこういう話が出た。これはひとつ明らかにしておかなければならない。私はそういうことはないと思います。なぜといえば、吉田内閣が成立の当初に、政治道徳を高揚しなければならぬということをおつしやつた。大臣も通信事務のいろいろな事件が起りましたときに、しばしば身をもつて道義の高揚に挺身せられることを誓われておるのでありますから、そういうことはみじんもあるまいと思いますけれども、お聞きしておかなければなりません。政府の説明によりますと、列国間の通信網の獲得のためにこれが必要なのだ、こういうのであります。それから通信業務の拡張のために必要なのだ。諸外国との間に伍して通信事務のサービスをよく提供しなければならないのだ、こういう要請にこたえるためには、企業活動の自由なる機動性が必要だ、これはしばしば用いられる文句でありますが、これが必要だ。だからこれを民営にするのだ、こういうのでありますが、一体民営でやらなければおつしやつたようなことはかなわないか、できないかということ、これはやはり明瞭にしていただきたい。あの公社のときも何を言つたかというと、やはり機動性を持たせるためだ、こう言つている。公社をやつて機動性を持たせ、その機動性ではさらに足りなくてやるというのでは、会社の手でよほど程度の高い機動性のあるものが生れて来るだろうと思うが、この公社で現わし得なかつた機動性が、会社法になつてどうして出て来るかという点を御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/78
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079・靱勉
○靱説明員 これは御承知のように公社の性格につきましては、政府機関に準ずるものとして、法案におきましてもいろいろ政府の規律が規定されておるわけであります。また電信電話は国内におきましては、事業の本質からあくまで独占をもつてやるという形にこの法案はなつております。国際通信におきましては、今取上げておつしやられましたような理由があるので、できるだけ自由な形をさらに徹底さしたい。先般来からいろいろ御意見がありますように、公社の理想形態はまだ実現してないと私ども思つております。現段階においてはなかなか公社の理想形態を一挙にして解決することができない。しかしながら国際通信におきましては、国際間の競争が明らかにあるのであります。ことに日本を中継して通信が流れる。アメリカからドイツに行く通信が日本を中継して流れる場合には、これはまつたく一つの商売である。日本の国民は何ら関係ない。電報料金をここでかせぐという形になつておりまするそういう国際通信の本質から見まして、公社案と会社案をお比べになれば、企業活動がどつちがより自由であるかということはおわかりになつている点じやないかと思うのでございます。段階的にさらに国際通信については企業的な自主性を与えた、こういう点におきまして、その目的から見まして一つの結果を出しておる、こういうように私ども考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/79
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080・石川金次郎
○石川委員 競争というのでありますが、国内には国際電信は一箇所なのであります。相手は外国にあるのであります。外国にあるのとこつちにあるのとの競争とはどういうことです。こつちが発信する、向うが受ける。向うが発信する、こつちが受ける、これは一つなのであります。あなたの言う競争というのは、国際通信に関する限り根本的には起つて来ない。外国によしこれがあつても、外国の会社と競争するということにならぬじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/80
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081・靱勉
○靱説明員 その点は少し説明が足りなかつたかと思いますが、国際通信に明らかに競争があるのであります。たとえば具体的に例をとりますと、ギリシヤがアメリカと通信をやる場合、これは英国系を通つてアメリカと通信することもできますし、直接アメリカの系統を通るという場合もあるわけであります。従いまして各国は、一国から出る通信を、自分の方の通信系統に奪うという競争が現在ある。東洋におきましても、そういうことは予想し得るのでありまして、かりに韓国が国際通信をやる場合に、通信料が非常に低い場合には、それぞれ世界の各国に直通回線を持つということは、これはなかなか容易にできるものではありません。また波長からいいましても、これは制限されて参ります。その場合に日本を中継して行くか、マニラを中継して行くかということは、まさに日本とアメリカの会社との間の競争になるわけであります。そういう競争は、国際通信において常に昔からあつたところでありまして、ことに直通をある国とつくるかつくらないかという点において、非常な競争が起るわけであります。パキスタンとアメリカがかりに通信連絡があるとしまして、日本がパキスタンと直通ルートを持ちたいという場合に、競争になりまして、いや、パキスタンとしては日本とはあまり通信がないから、ヤニラを中継して日本に送ればいいのだという立場もとれましようし、その際における競争というのは、やはりサービスの点とか、あるいは料金の点におきまして競争が必ず起り得る、こういう形であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/81
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082・石川金次郎
○石川委員 その点は御専門の御説明を聞いて、わかつて参りました。それでは四条を聞いてみたい。四条の規定によりますと、株式所有の資格でありますが、これは当初には外国の資本支配がなかつたというので株主たり得た会社が、あとで外国支配が出て来たり、資本が増加して来たというような場合は、どうなるのですか。そうすると、この会社の株式が持てないということになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/82
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083・靱勉
○靱説明員 ここに「所有することができる。」と書いてありまして、これに該当しない場合はできないということになります。ですから、初めは外国の支配を受けてない法人が株を持つていた場合に、そういう状態になりましたならば、所有することができませんから、これは処分しなければならぬ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/83
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084・石川金次郎
○石川委員 だれが処分するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/84
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085・靱勉
○靱説明員 その法人としましては、国際会社の株を所有することをこの法律によつて禁止せられておりますから、その会社自体が処分しなければならぬし、またもしそれを怠る場合には、これはもちろん訴えの対象にもなるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/85
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086・石川金次郎
○石川委員 訴えの対象ということになりますと、結局は株主権を停止させるのだ、こういうふうになるのですか。それからその株式はどうなつて来るのですか。株主総会における株主権はどうするか。超過して持つておつた株式を、その所有法人が処分すればいいのでありますが、しなかつた場合には、配当はどうなるのか。それからその株をいつまでも持つているなら、どういう方法でこの法律にはまるような方法をおとりになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/86
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087・靱勉
○靱説明員 これは一般の法律的な問題として解釈される問題でございまして、要するに株を持つことができない者が、持つておつた場合にはどうするか。これは他の者に移さなければならぬものと思いますが、その間株主権を行使できるかできないとかいう問題は、一般的な法律問題かと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/87
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088・石川金次郎
○石川委員 これは条文としておもしろい条文でありますから、さらにお聞きしておきたい。株主総会があつた場合に、これに違反した法人が株主権行使に行つた場合は、株主権は行使させないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/88
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089・靱勉
○靱説明員 株主権は行使できないものと私どもは解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/89
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090・石川金次郎
○石川委員 株式に対する利益配当は、どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/90
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091・靱勉
○靱説明員 これはどうもそういう具体的な場合に会つたことがありませんのですが、あるいは会社としては配当しまして、どこかへ供託しておく、あるいはその資格を持つ者に移つた場合にそれを払うということになりますか、法律論といたしまして、そういう持てない者が持つておつた場合には、配当しなくていいのかどうか、その点一つの法律問題といたしまして考えますが、実際論としましては、それを他に譲渡いたしまして、そちらの方へ配当を持つて行くということによつて処理がつくのではないかと思います。とにかく持つていても、配当を受けることもできませんし、株主権も執行できないという形になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/91
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092・石川金次郎
○石川委員 そうすると超過した株式の分については、これは株主権の行使もできないし、会社も配当をしない、こういうことになりますね。配当しないというと語弊があるかもしれませんけれども、その株主としての配当請求権を拒むのだ。配当は帳簿でやつておるかもしれないが、配当の金額の請求は一応拒否するのだ。拒否ということは法律用語にありませんが、応じないのだということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/92
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093・靱勉
○靱説明員 完全にある配当期間に該当した場合、持つてない者が持つていた場合におきましては、持つべからざる者の請求に対しては、それに応ずる必要がないという法律解釈でいいのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/93
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094・石川金次郎
○石川委員 わかつて参りました。次官がおつしやいましたように、非常に珍しい法文で、あとで問題が起きたときに解釈しなければならないから明らかにしました。そのとき、株式を持つことはいかぬから、会社が行つて何かできますか。方法がありますか。持つていることはさしつかえないが、配当請求と株主権の行使を拒んでいるのだ、これだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/94
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095・靱勉
○靱説明員 この法律の解釈になりますが、持てない者は配当も受けないし、株主権も行使しなければ、持つていていいという規定になつていないと思います。やはりこれは持てないのだから、持てないような措置をとることを強制して行かなければならないではないかと、この法律の解釈として考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/95
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096・石川金次郎
○石川委員 その強制するという方法は、競売法にはちよつと出て来ません。この場合競売で処分するということは出て来ないじやないでしようか。これは私言い切ることはできませんけれども、競売申請にこの場合はないかもしれません。ただ取返して来るわけには行かぬですからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/96
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097・靱勉
○靱説明員 その法律の規定は、これでは明らかではないのでございますが、これの解釈論といたしまして、もちろん会社としては、そういうものを持つてはいかぬということが法律に書いてあるのですから、会社の責任者としてその持主に対して、お前は持てないのだ、これをだれかに譲り渡さなければならぬということは言えますし、またもしあくまで持つていた場合は、裁判にひつかけてどうなるということは別として、とにかく法律の解釈の問題として発展して行く問題かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/97
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098・石川金次郎
○石川委員 それでは苦情はほかにまかせておいて、この法律ではここだけしかきめないのだ、苦情があれば関係者が適当にやつたらよかろうという法律でございますな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/98
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099・靱勉
○靱説明員 なくなつたものと考えて、とにかく株主権も行使することができないし、配当もできませんから、盗難にかかつて、だれも持主がないという形になりますか、そこらはまつたく、この法律をいかに解釈するかの問題でございまして、会社としては、そういうものがあつた場合にはただちに、お前は持てないのだということを忠告して、あるいは裁判所に訴えて、そういうものの株式を無効にするというようなことができるかできないかは、新たな法律解釈として考えて行かなければならぬのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/99
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100・石川金次郎
○石川委員 立案なすつたときどういうふうにお考えなすつたか。むしろ直接法文をおこしらえになつた方からお伺いした方がいいかもしれませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/100
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101・靱勉
○靱説明員 要するにこの点は株式の所有の無資格者をつくつたということが、立案者の意思であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/101
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102・石川金次郎
○石川委員 ただそれだけでは法としては解決しなくなります。やはり執行まで行きませんと、別な法律でとおつしやいますけれども、解決の方法をこしらえませんといけないのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/102
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103・靱勉
○靱説明員 お答えいたします。私少し勉強が足りないで恐縮でございますが、たとえば外国人が日本の特別の権利を持てないというような前例もございます。それから過去におきまして、国策会社についてかなり規定された規定でもあります。具体的にそういう判例もございませんし、事態も起つたことはないのであります。ただむだに株を持つているというような事態は、事実上経済的には問題はなかつたのでありまして、何かの意図でもつてそういうことをやるという場合に、名義書きかえは、もちろん新たにやる場合はできません。初め持つていて、そうなつた場合の処置ということが御質問の要点でございますが、法律的な措置はできるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/103
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104・石川金次郎
○石川委員 過去にありましたのは、たとえば日本銀行の株式の所有禁止でありますが、その場合は株券の名義書きかえに困るので、はつきり用が足りたのです。今度は外国資本の債権という問題が入つて参りましたものですから、われわれ考えてみたわけです。結局こうなりはしませんか。株主として権利行使を許さない、従つて配当を受領することもできない、株主総会に来て権利を行使することもできないのだ。それだけでいいのだ。持つておつたつて一文にもならないから、持つていらつしやい。競売して処分するということまで考えなくてもいいじやないでしようかどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/104
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105・靱勉
○靱説明員 実際におきまして、さようであると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/105
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106・石川金次郎
○石川委員 それから第八条でありますが、この第八条で、この会社に外資が入りました場合、国会の議決を得た範囲で国が保証するというのでありますが、この保証をする場合、これは保証契約によつて明らかになるかもしれませんけれども、保証する場合、日本による保証責任ですか、債権者国たる方の保証なんですか、保証の責任はどつちによるのでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/106
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107・横田信夫
○横田(信)政府委員 私どうも頭が悪いものですから、今のお話の趣旨がよくわからなかつたのですけれども、これは国会の議決を経た金額の範囲内において元利支払い保証を、政府が保証契約をいたすという問題で、別に疑問ないじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/107
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108・石川金次郎
○石川委員 それじやいいでしよう。この保証債務の負担は、保証人の法律上の義務がどういうものであるかということは、民法の中に規定があるのじやないでしようか。各国に民法がありますね。そうすると保証といいましても、連帯保証もあれば、単純保証もある。単純保証の場合には、保証人はこういう権利、こういう義務を持つておる。ドイツなどは日本に似ておるかもしれませんが、私は学者でないからわかりませんが、アメリカの場合における保証と必ずしも合致しないかもしれません。そうなりますと、金を貸した方の法律による法律上の保証の責任を負うのか、日本の債権法によつてきめられた保証人としての責任を負うようになるのか、どちらに行くのか。それを保証する場合は、そんな不明瞭なことはしない、保証の限度をちやんと証書に書くよとおつしやるのか。証書に書くならば、どちらの法律のものを書くようになるのか、これをお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/108
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109・横田信夫
○横田(信)政府委員 その点につきましては、この保証契約は国内法に基く規定でありまして、日本の国内法に基く保証契約をする、こういうふうに解釈をいたすべきだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/109
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110・石川金次郎
○石川委員 それでわかりました。ところで会社の企業になりますと、これは申し上げるまでもなく会社というのはそもそもの発生から、どんな目的があるかというと、資本を擁護する、その次には利益をとつて行くということ、資本を擁護し利益をとつて行くということは、会社の生命であります。そのために公共の福祉ということは忘れがちになるのであります。だれかがこういうことを言つた。資本というものは何だと聞いたところが、あれは一分の利益があるときは目をさます、五分の利益があるときは立ち上る、一割の利益があると活動を始める、十割の利益があると殺人強盗をあえてする、こういうふうに資本のことを教えたといいますが、そういうものに公共の事業をまかせるのでありますから、ずいぶん危険だと私は思う。それはだれも私は悪人だと言う者はございません。私のような足りない者でも、さかしいと思つているのでございますから——。会社というものは、定款を見ても目的を見ても、みな正しいように書いてあります。しかし実際やつていることはどうかというと、公共の福祉は第二にあげて、ずいぶんきわどいことをやつております。二百年の過去において会社という一つの業態を考え出して来て、これはいかぬ、公共の福祉という目的を達せんとすれば、みなの福利ということを達せんとすれば、会社制度ではいかぬというので、御承知の通り株式会社不要論というものができ上つたことは、申し上げるまでもございません。そこで会社に経営をまかしてしまうとなると、最も大切な国際通信業務の公平ということを維持できるかという点でございます。日本の今までの通信業務は、電話でありましても電報でありましても、それは確かに戦後においては非難もありました。あつたけれども、従業員の堅実であること、仕事に対して着実であること、取扱いが公平であるという点については、非難がなかつたと思う。少くとも取扱いに対しては公平であつた。ある人、ある資本が左右するということはなかつた。これは日本における逓信事業の私は誇りであつたと思う。これを利益追求を主とするところの会社にまかして行くということになりますと、どうも取扱いの公平ということが非常に困難になりはしないか。その防止を法のどこで規定したか。その場合には、さつき田辺さんがおつしやつたですが、法をまたこしらえて取上げますか。そういう不公平が現われて来たら、また法を制定してこれを取上げてしまいますか。そういう決意でこの法案を出されているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/110
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111・田辺正
○田辺(正)政府委員 お尋ねの点は、第十五条に「郵政大臣は、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」ということが書いてございます。それからこの会社法案全体を通じまして、会社に対しましてある程度の監督をいたしておるわけでありますが、そういうものを通じまして、今お話になりましたような、そういうようなことのできないようにやつて行ける、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/111
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112・石川金次郎
○石川委員 十五条は、ちやんとそのときの準備のための条文だろうと拝見しております。ところが監督をやつた場合、聞かないかもしれない。これは利益追求がいいとか悪いとかではないが、会社の本質はそうなるのです。自分の会社が倒れるということになれば、監督とか命令というよりも、資本擁護をしなければならぬ。その証拠には、株式会社などにおきましては、自分の資本に傷がつくと思うならば、どんなに長年難儀してくれた従業員でも、涙なく首切るのが従来の例でありました。それは皆さんも見ておられる。そういういやしくも不公平なこと、公共の福祉に反することがあつた場合には、法律をこしらえて、その業務を国家の手に移すぞという決意があるかどうか。そういう決意がなくして、この法案をこしらえたということですか。ただ単に利益追求の機関に渡すのでありますから、それを考えないでやるということは、少し変だと思いますが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/112
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113・靱勉
○靱説明員 お答えいたします。この会社が、そういうふうに公共の利益を害するようなことがありましたら、国民の意思でやはりとりもどすとか、あるいは他の機関にやらせるという措置は、当然できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/113
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114・石川金次郎
○石川委員 そこでそう安心させてくださるために、この条文にお書きくださつたらどうでしよう。今お書きくださる意思がございませんか。それを条文に表わしてくれというように、修正のお考えを持つておる方々が、この委員中にないとも限りません。それをお入れになるお考えがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/114
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115・靱勉
○靱説明員 現在の電信法の態勢と、先ほど申し上げましたが、これは書かなくても当然そういうことができるという考えでございますので、せつかくこういう目的を持つて、国際通信の発達のために、国際通信会社をつくるという観念になつておるのでありまして、そういうことが絶対にできないとなれば、これは書かなければなりませんけれども、書いてなくてもできるという考えで、しいて修正する必要がないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/115
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116・長谷川四郎
○長谷川委員 関連して……。それはどうしてもぼくには納得行かないのです。この間から言つておるのだけれども、監督という権限で、国で必要だという場合には、これを取上げて行くことができるのですか。監督権ということで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/116
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117・靱勉
○靱説明員 十五条の規定によつてするというのではございませんで、わが国における電信法の態勢から、そういうことができますと申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/117
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118・長谷川四郎
○長谷川委員 それではお聞きするのですが、電信法は明治三十何年かにできておるのでありますが、その中に国際電気通信会社というのがあつたが、その法案をもつて昭和二十二年に取上げたのですが、それは何条にあるかを御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/118
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119・靱勉
○靱説明員 かつてありました国際電気通信会社は、総司令部の指令によつて廃止いたしたのであります。それからただいまおつしやつたことは、要するにこの会社は、この法律によつて国際通信業務を営む権能を与えられておる。電信法におきまして、国は電信電話を管理しておる。そういう建前でありますので、この会社が十分その目的を達しないという場合には、国の意思としましてそういう立法ができる、こういうことを申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/119
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120・長谷川四郎
○長谷川委員 管理と監督ということがあるのですけれども、一旦民間会社に与えられた権利を、管理、監督という名前だけでもつて——どうしても国が必要だということは、私はあまり先に行かなくとも起つて来ると思つております。そういう場合に、何か法文というものにはつきり現われていなければ、困りはしませんかということが私の一番心配することです。この中全体で一番心配することなんです。でありますからその育成発展とか、こういう問題はまことにけつこうだと思いますが、そういう場合でなく、もし国で必要なときに、それを監督という名前で取上げられるということがないと、そのときにあたつてこの法文では不備がありはしないか。そのときには伝家の宝刀を抜いて、すぐそれでもつて国の経営にかわつて行くということを、何かここに入れて置かなければ困りはしませんか、こういうことなんです。決して争うのではないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/120
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121・靱勉
○靱説明員 この点は、先ほども御質問があつたのでありますが、法律によつて、この会社は権能を与えられて設立されるという形になつております。先ほどから国民の意思あるいは国家の意思と申し上げておるのは、法律の改正なり廃止なりによつて、行い得るということを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/121
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122・長谷川四郎
○長谷川委員 これは一株式会社、どんなにちうぽけな、たとえば五十円の株式会社であつても同じことです。だから法律でやられるのですけれども、そういうことを何かここに一項目入れて置かなければ、せつかくこれだけの、皆さんがお集まりでつくつた法案に一行抜けているということが、将来の災いになりはしないかと思います。役人は自分がつくつたものを天下一品であると思つて、これよりほかに絶対直すところがないというのが役人根性なんです。しかし役人根性はいい点もあるが、非常に悪い点もある。だから直さなければならぬと幾分でも認めたら、直してもいいのではないかと思うけれども、そういう気持はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/122
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123・靱勉
○靱説明員 単に監督とか何とかいうことで、そういうことを申し上げておるのではありませんで、もちろんこの法律によつて会社をつくると、そこに権利義務関係が発生いたします。それをやたらに、国民の意思に反して、かつてなことをするというようなことは、これはあり得ないと思うのでございます。そこでやはりこの会社を設立した目的に合致していない、あるいは別に大きな国の、国民の意思というものが表現されたという場合において、国会において十分審議されて、それを廃止するかどうかということが決定されるのでありまして、法律でもつてこれにさせてしまえば、めちやくちやなことができるというようなことを申し上げておるわけではないのであります。それからもう一つ、長谷川さんの言われるように、もちろんこれが絶対に直すべからざる法律だということは考えておりませんが、提案者といたしましては、この提案の趣旨を十分御説明申し上げる、こういう態度で、決して修正がどうのこうのということを申し上げておるのではないのであります。どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/123
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124・石川金次郎
○石川委員 七条をお伺いいたします。これは先取特権の規定でございます。これは社債権者が会社財産に対して優先弁済を受ける、先取特権を持つという規定でありますが、この社債を発行いたしました場合に、個々の不動産に全部登記がいりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/124
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125・田辺正
○田辺(正)政府委員 いらないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/125
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126・石川金次郎
○石川委員 それでは個々の動産、不動産に対して、抵当権が載つた場合、この場合はどうなりますか。その優劣は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/126
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127・田辺正
○田辺(正)政府委員 民法の一般の先取特権に次ぐものということで、その点の順位を規定したつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/127
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128・石川金次郎
○石川委員 その順位は拝見いたしました。拝見して、おつしやるようにこの第七条で載るのであります。社債権者に対して、先取特権ができて来る。ところが社債権のあるということは、各会社が所有しておる不動産には記載にはならない。登記されない。登記がないから、抵当権者が抵当権を設定して行く。その場合どつちが優劣か、優劣いかんという問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/128
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129・田中重彌
○田中委員長 これにて休憩いたします。午後二時再開をいたし、質疑を続行いたします。
午後零時二十一分休憩
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午後三時三十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/129
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130・田中重彌
○田中委員長 休憩前に引続き再開いたします。
質疑を続けます。石川金次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/130
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131・石川金次郎
○石川委員 午前中お尋ねいたしましたことについて御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/131
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132・花岡薫
○花岡政府委員 午前にお尋ねのありましたことは、会社法第七条による一般担保の問題が、抵当権とどういう関係になるかという御趣旨であつたと思います。非常にむずかしい問題でございまして、こまかい研究が行き届いておりませんで、はなはだ失礼いたしましたが、私どもといたしましては、この法第七条による一般担保は、大体において登記ある抵当権と同一のものだと観念いたしておつたのでございますが、さらに御注意もございましたので検討いたしましたところ、なお若干疑義もあるやに存じます。登記のある抵当権は、民法の一般の先取特権よりも優先すると、こういうような説も今実は承つておりまして、さらに本条一般担保の規定は、その民法上の一般先取特権に次ぐことになつておりますので、結論といたしましては、登記のある抵当権の方が優先するのではないかと存じます。第七条の規定の立法の趣旨といたしましては、この会社が社債を相当に必要とするということが予想されておる以上、何らかの担保規定がないと、一般の個々の不動産あるいは動産に関する担保の措置を講じなければならない。そこで一般担保の規定は少くとも必要である、かような趣旨におきまして、例もあることでございますので、その債権者保護の規定だけは存置した次第でありますが、なおその個々の債権返済に際しましての優劣競合の問題につきまして、多少研究が不足でございました点は、おわびいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/132
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133・石川金次郎
○石川委員 もう一度この七条を問題にして、疑義の点をお伺いしたいと思います。これはあとで社債が発行されました場合に問題にならないとも限りませんから、政府御当局の意を尋ね、本委員会においてどういうふうに審議されたかということを明らかにしておきたいと存じます。
そこでまず聞いて参りますが、第七条が社債権者の先取特権の規定である。第二項が順位の規定でありますが、社債権者は先取特権者として民法三百六条の——これは資料をいただきましたその参照条文にあります。三百六条の一般の先取特権、つまり三百六条に列記しておる一号、二号、三号、四号の次に会社の一般財産についての社債権者の先取特権が来るのだ、こういう御趣旨でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/133
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134・花岡薫
○花岡政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/134
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135・石川金次郎
○石川委員 そこで六法をお持ちでしたらひとつお開きになつてお教え願いたいのであります。商法の二百九十五条の第二項によりますと、第二項の読み方が「民法第三百六条第一号二掲グル先取特権二次グ」とありますから、民法の先に商法二百九十五条の先取特権が入るということに解釈できないでしようか、そうお読みになつておられるでしような。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/135
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136・花岡薫
○花岡政府委員 商法二百九十五条の使用人の給与に関する先取特権は、この七条の場合の先取特権とやはり同一に入るものだと存じます。
〔委員長退席、高塩委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/136
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137・石川金次郎
○石川委員 ところがこの規定だけでは商法二百九十五条の先取特権と、本法にいう七条の先取特権との順位がどうなつて行くかいうことはわかりませんでしよう。明らかでありませんでしよう。民法を読む場合はこうなるのではないでしようか。民法三百六条の第一号には共益の費用という次の方に、商法の二百九十五条の「身元保証金ノ返還ヲ目的トスル債権其ノ他会社ト使用人トノ間ノ雇傭関係一基キ生ジタル債権」これはこの二の先取特権になつて来るのであるというように見られるのであります。ところがこの商法の二百九十五条を御考慮の外に置いて、この七条をこしらえました結果が、いざこの会社の先取特権を債権者が行使しようというときには、商法の二百九十五条が入つて来る、そこでこの法の第七条によつて担保し守ろうとしたところの社債権者を守れないということになりはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/137
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138・花岡薫
○花岡政府委員 その点はそういう制約は生じて来ると存じます。社債権者の方につきましては、その問題とさらにほかにも、実は重要通信設備の場合には自由に処分ができないというような制約もございますので、総体といたしましてはやや不満足な担保であろう、かように考えておつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/138
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139・石川金次郎
○石川委員 もう少し明らかにしたいのであります。この国際電信電話株式会社の社債に応じようという人は、この法律の第七条を見まして、自分の債権がこの七条によつて担保され保護されるものだとして応募するに違いないのであります。そうして会社の責任は、この第二項によつて一般先取特権に次ぐものだといつておるのでありますから、民法三百六条の中に書いてある一、二、三、四、この次には自分の権利が行使できると思うに違いない。そう思つておるにもかかわらず、商法の二百九十五条の優先すべきものがさらにここに入つて来る。そうなつて来ますと、この七条で約束したことが社債権者に実行できないということになるのではないか。そこでこの七条を、商法の二百九十五条があるのだから、商法二百九十五条の先取特権のあとになるということを社債権者に明らかにしなければならぬ。この法律は法制局とも御相談になつたでありましようし、法務府とも御相談になつたでありましようが、どういう見解であつたのでしようか。もつとも私はよく研究しておりませんで、ちよつと条文を合せて変だと思つて聞くのでありますから、誤りなら誤りでよろしゆうございますが、この点は重要なことでありますので明らかにしていただきたい。このままでは通らないことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/139
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140・花岡薫
○花岡政府委員 民法第三百六条の中にあります「雇人ノ給料」あるいは「共益ノ費用」こういうものに該当いたします範囲では、この会社の社債権者に対する担保力は弱まつておる、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/140
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141・石川金次郎
○石川委員 私の申し上げることがちよつと理解しがたいでしようから、もう一度申し上げてお聞きしたいと思います。この法の七条によりますと、会社の社債権者はどう優遇されるかというと、民法三百六条の一般の先取特権の次に優遇されるんだ、こういう規定であります。これは間違いございませんでしよう。ところが商法改正の結果、四つの先取特権の間に商法二百九十五条の先取特権が入つたのであります。そうすると、この法律をつくつたときに、いかに三百六条の第四号の次に優待されるといつても、すでに存在する法律で、そこに商法二百九十五条の先取特権が入つて来る。そうすると、この七条によつて社債権者に約束したことが実行できないということになりはしませんか。商法二百九十五条の私の読み方が誤りだとおつしやればそれでよいし、第二百九十五条を排除するとなると、排除の規定が必要ということになりはしませんか。つまり担保力のないものをこれに書いておる。こういう法のこしらえ方はどうかということをお聞きしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/141
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142・花岡薫
○花岡政府委員 商法第二百九十五条の規定は、実は見のがしておつたわけではございません。研究は十分できておらないかもしれませんが、この第二百九十五条に該当する場合は、実際問題としては割合に少い、むしろ予見されないと実は考えておつたのであります。しかしこれが非常に大きくなつて参りますならば、まさにお説の通りであります。しかし法の体裁としては、一応民法第三百六条の一般先取特権に次ぐ、こういうことであります。法務府の方の意見はどうであつたかということでございますが、他の類似の会社の場合におきましても、同じような立法になつております。実際問題としては担保力の強いか弱いかの問題は起ると思いますが、大体これで体系づけられるのではないかと実は考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/142
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143・松井政吉
○松井(政)委員 先ほど株式、債権等の処分と株主の権利義務についての石川委員の質問に、こういう言葉でお答えになつております。大体従来の国策会社はそうだ、こうお答えになつており、ただいまの政府委員の説明では、これは従来のこの種の会社における例だ、こう言つております。そこで私がお伺いしたいのは、まず第一に、従来のこの種の会社というのは、一体いかなる会社を例にとつたか、引例された会社名とその条項を明らかにしてもらいたい。それからもう一つは、午前中の答弁で国策会社というお言葉をお使いになつておりますが、戦時中における国策会社、戦後における国策会社のいずれを問わず、株式と債権との処分をめぐる株主の権利義務で、疑獄事件、汚職事件に発展した例は幾らでもあります。そこでこういう国策的な特殊会社をつくる場合の条文は、真剣に検討されなければならぬと思うが、どういう意味でそういう言葉を使つたか、この二つの点を明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/143
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144・花岡薫
○花岡政府委員 お尋ねの第一の点でありますが、私ただいま他の例と申しましたのは、戦前にあつたような国策会社の意味で申し上げたのではございませんので、先般来問題になつております電源開発会社などのごく最近の例を実はとつたわけであります。それから国策会社という言葉を使つたが、どういう意味で使つたかというお尋ねでございますが、私午前中に実は国策会社という名称を使つた記憶がないのでありますけれども、この点はなお調べて、もし使いましたならばその前後のことによつてさらにあとで御答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/144
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145・松井政吉
○松井(政)委員 国策会社という言葉でなければ、特殊会社という言葉をお使いになつております。これは花岡政府委員であるか他の人であるかちよつと記憶がございません。しかし私は聞くとすぐノートしておりますから明瞭であります。特殊会社という言葉をお使いになつたか、国策会社という言葉をお使いになつたか、速記録を見れば明らかであります。あなたがお使いにならなくとも、責任を持つて答弁なさつておる政府委員としては、全員が同一の立場で同一解釈で同一責任を負わなければならぬ性質のものです。田辺政府委員の説明でも午前中疑義が出て、石川委員は再質問をやつておりますが、かくのごとく政府委員の間においてこの会社法案に対する法律のもろもろの言葉使いだけの食い違いだと思いますけれども、本質的には違つておらぬ、答弁のときの言葉使いの違いだ、こう善意に解釈しますけれども、そういう点についてはきわめて不十分な法律案だとわれわれは言わないわけには参らないのです。従つて他の例、たとえば電源開発会社とこう申されるが、電源開発会社の場合における第一条の説明は、まだ半分しか答弁なさつておりませんが、他の会社というのはどういう会社であつて、何条のどういうところにその規定がある、こういうことまで尋ねておるのですから、電源開発会社の第何条のどこにどういう条文の表現で一これと同一の形が出ているかということをお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/145
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146・花岡薫
○花岡政府委員 第一点の特殊会社という言葉を御指摘になりましたが、これは私あるいはほかの政府委員も使つておる言葉かと思います。この国際電信電話株式会社はやはり特殊会社の性格を持つておるものと解しております。もちろん戦前におきますもつと強力な、あるいは資本的にあるいは免税その他の特権において非常に程度の差がある、あるいはまた利益に対する措置の方法、あるいは政府の持株に対する利益配当の規定がある点が中心になつておると思います。この国際電信電話株式会社の案におきましては、そういう点はないか、あるいは非常に弱くなつております。従いまして特殊会社という言葉は使用いたしますけれども、これは戦後の特殊の時代におけるもので、戦前の特殊会社とは必ずしも内容の一致しない特殊会社の意味に使つております。それから電源開発株式会社法案におきまして、一応法案が案として是認されておる段階でありましたので、電源開発株式会社法案の中の条文がちようど同じ規定を持つておりますので、その点を私申し上げたわけでございます。この電源開発促進法案は議員提出でございますので、私どもそれを引例してかれこれ責任をどうこうとかいうことを申し上げるわけではございませんが、大体この程度において社債の発行は可能であろうというようなことを銀行方面にも一応問いただしまして、まあこの程度でよろしいのではないか、かように考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/146
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147・松井政吉
○松井(政)委員 電源開発はなるほどただいま議員立法で今国会に出ておりますが、そこで私は関連質問でありますから、もう一点だけお伺いして石川委員に返しますが、電源開発の場合とこの国際電信電話会社の場合の相違は、たとえば電源開発の場合は新しい会社をつくつて、それから政府の出資の形においてはこれと同じような形でありますが、あるいは端的にいえば、言葉は悪いのですけれども、電源開発会社は国有財産の払下げの形において資本を構成するものではございません。この会社は国有財産であるべきものが——形式は議論があろうと思いますが、われわれは一種の払下げ的形においてまず資本の構成が行われる。それで事業を開始してからいわゆる債券並びに社債の問題が発生して来る、こういう形だと思うのです。従つて根本的に電源開発会社の設立の考え方と、従来国営で国有財産を運営していたものを会社に移して、「特殊会社をつくるというのとは、根本的な要素が違つて来ると思う。従つてその場合の債権者の権利、さらにいわゆる株式、そういうものは電源会社と同一の考え方で、同一の法律できめることが正しいかどうかということについては、われわれ非常な疑義を持つ。だからこの点は電源開発会社と同じような特殊会社であるから、電源開発会社と同じような法律でいいんだという御解釈でいらつしやるならば、それでもけつこうでございます。われわれとは見解が違うのでありますからけつこうだけれども、その点をもう一つ明らかにお答えを願います。この電源開発会社の性格と、この会社の性格というものは、設立の当初から行う事業、発行する社債の社会的な価値から根本的に違つて来る、そういう点をいかようにお考えになつたかということだけをお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/147
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148・田辺正
○田辺(正)政府委員 ただいまお話のように、電源開発会社とそれから国際電信電話会社とは、その事業内容なりその他違う点が多々ありますことは、お説の通りであると考えます。しかしながら両方の会社が将来社債を募集いたします場合におきまして、社債権者の保護という点を考えますと、その間に大きく差異を認めることはなかろうというふうに考えられるわけであります。と申しますのは、電源開発会社におきましても、これは現在一番不足であります電力の増強という点でございまして、そのためにやはり必要な社債を吸引いたしますことを容易ならしめますために、社債権者の保護が必要であります。また国際電信電話会社におきましても、国際電気通信業務という公共性の高い事業をやつて参ります場合に、やはり社債の導入を容易ならしめますために、社債権者に対する保護が必要である。そういうふうに考えて参りますと、二つの会社の性格はもとより、また事業の内容も違いますけれども、社債の発行を容易ならしめるための保護規定という点におきましては、大体同じように考えてよろしいのではないかというふうに考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/148
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149・松井政吉
○松井(政)委員 同じように考えたと御答弁なさつておりますから、それはそちらの解釈でありますからいいけれども、もう一点お伺いしたい。先ほどから石川委員がお伺いしておるのは、商法の規定の二百九十五条、さらに民法三百六条、これがどうもおかしいではないかということだけを申し上げているすじやないのです。石川委員の言うのは、たとえば社債を発行して、それで今度は社債の権利を取得する者の立場が、この国際電信電話会社というものの性格から割出して、いわゆる社債を持つ権利を取得しようという人の立場に立つてこの条文がいいか悪いか、こういうことも加味して質問をしているのですから、たとえば電源開発会社の社債を所得しようという人の立場の考え方、それからこの会社の社債を取得しようとする人たちの考え方というものから解釈すれば、やはり商法と民法といろいろ牴触する問題が出て来る、こういうことになる。従つて他の会社、例の電源開発会社の社債を持とうとする人の考え方が、必ずしもこの会社の社債を取得しようとする者の考え方に当てはまらぬ。従つてその法の不備がここにもあるのではないか、こういうことも、条文の不備を引例しながら、いわゆる権利を持つた人の立場をどう考えるかということを質問しているのです。従つてそういう点で、明らかに電源開発会社と国際電信電話会社の社債を取得しようとするへの立場、考え方というものが違つて来ると思う。会社の性格が違い“営業の内容が違つて来れば、そのことをも考慮されてこの条文がよろしいとお考えになつてつくられたのかどうか、こういうことをもう一ぺんお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/149
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150・花岡薫
○花岡政府委員 御質問の御趣旨について、あるいはまだ誤解があるかもしれませんが、電源開発会社の場合における社債権者の立場と、国際電信電話株式会社の社債権者との立場の差は、確かにお説の通りあると思います。国際電信電話株式会社の社債権者は、電源開発の場合と違いまして、比較的拘束力の弱いところにおる。それは会社法その他、定款にも当然こういう規定は入るでしようから、定款その他の法律制度全体を通じまして、その立場が明らかになるものと思います。この立場の弱いことは、御指摘のように国有財産であつたものが、非常に公共性の独い事業の施設であつたものが民間会任に委譲される結果、重要な通信施設についてはある拘束を受ける、こういうことになりますので、その点については、御指摘のようにはつきり立場は違うと思いますが、これはやむを得ないのではないかという考えを実は持つしおるわけであります。立案の事情までも申し上げる必要もないかとも思いますけれども、実は会社の財政が割合に堅実に行きそうであるということはわかつておりますので、その社債発行の場合につきましても、かような一般担保の規定はあるいはなくてもできはしないか、こういうような案で臨んだのでございまするが、やはり石川委員からお尋ねがございましたように、法制的にどう言われたかという面でありますが、法制局で、法律の一貫性を欠いておるから、この程度の担保規定は必要である、かように実は立案の途中で修正を受けて、現在のようになつておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/150
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151・稻村順三
○稻村委員 今政府委員の説明を聞いていると、この程度でよかろうということで立案した、こういう話なんです。そうしてまた石川委員との間の問答を聞いておりますと、商法二百九十五条に規定されている先取特権の順位については、これは非常にまれな例だから無視してもいい、こういうようにも聞えるのですが、これを無視して社債の発行をやつても、ごたごたが起きるようなことはない、こういう立場でやつた、このように解釈していいのですかどうですか、その点ひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/151
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152・花岡薫
○花岡政府委員 社債担保の点につきまして、この程度と申し上げますと、はなはだ漠然とした印象で申し上げたかもしれませんが、これ以上に直接法律をもつて担保の規定を設けることはできない。さらに強力なことを考えますれば、工場財団だとかあるいは鉄道財団、その他十近くございますけれども、それにはこの会社の設備その他から推しまして不適当であるというような考えからいたしまして、それを一応除外して考えますると、まずこれ以上法律の規定の上において債権保護の方法を講ずる道はなかろう、こう考えております。それから商法二百九十五条はまれな例であるからやむを得ないというふうに申し上げた、かように御指摘がございましたが、この二百九十五条は特殊の場合に生きて来る規定でありまして、その場合が存在する以上は、民法三百六条との関係で、この会社法の第七条よりも先にそこに介入して来る場合はあり得ると思いますが、この点は、そういう場合が存在する以上はやむを得ないのじやないかということを申し上げたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/152
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153・石川金次郎
○石川委員 二百九十五条は、七条の場合先取特権が入つて来る。そうしますとこれは、第七条の第二項に、民法の規定による一般の先取特権及び商法二百九十五条の先取特権の次に続くとか、あるいは商法の前になるとかいうことを書かなくともよろしいでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/153
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154・花岡薫
○花岡政府委員 七条におきましては、民法三百六条に次ぐ先取特権であることをうたつておりますが、商法の二百九十五条には、民法第三百六条第一号に掲ぐる先取特権に次ぐ、こうなつておりますので、その少し食い違いがあります面だけはやむを得ない。しかし会社法といたしましては、民法三百六条の一般先取特権に次ぐものであるということをうたえば、私はさしつかえないのではないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/154
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155・石川金次郎
○石川委員 この会社の社債権者があつて、社債を払つてくれない、そこで民法三百六条の一般先取特権に次ぐ権利を受けるものとして、財産に対して権利を実行しても、途中で二百九十五条が入つて来て、そういうはずはないと社債権者は言うでしよう。片一方の商法によつて守られている債権者は、私の方が受けるのではないか、商法二百九十五条で守れるのじやないかと言うでありましよう。そういう混乱、紛淆を来すことをこの法で明らかにしておかなくても大丈夫でありますか、これをお聞きしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/155
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156・花岡薫
○花岡政府委員 商法の二百九十五条は、それ自体が特殊の場合に発動して来る規定でありまして、たとえば動産に関する債権の不満を満たそうとする場合におきまして、やはり特殊の場合が介入をいたしまして、実はこの点を急いで頭の整理をいたしたのでありますが、非常に錯綜いたしておりますので、今お尋ねがあつても、私明快に御答弁申し上げることができませんですが、それと同じようにいろいろなものが競合いたすことはあり得る、こういうことで、不動産の場合もそういうことはあり得るのではないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/156
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157・石川金次郎
○石川委員 それでは、きようで質問を打切りますからやれませんけれども、あとは御研究を願いましよう。但しこういうことがある。国税徴収法にも先取特権が税金で行くんです。税金で行くのだと書いてなくとも、税金は特殊なものだから行けるのじやないか、それは社債権者が覚悟している。商法二百九十五条もあるのだから覚悟しているのだ、書かなくてもいいのじやないかという御理論をとるならばそれでもいい。ところがそうなるとまた問題が出て来ますから、御答弁はやはり御研究なさつてからお聞きすることにして、これで打切ります。
次に先ほどやはり会社の財産の中で、七条による社債を発行したけれども、不動産は登記の方法がないのですから登記しておらない。抵当権が残る、その場合は抵当権が勝つ、こうおつしやつたのですね。その通りですね。御説明の通りだと私も思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/157
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158・花岡薫
○花岡政府委員 その通り申し上げたつもりであります。なおちよつと説明が不十分でございましたので、その順位につきましてもう少し補足させていただきますが、債務の弁済順位につきまして、ただいま国税の場合などを御指摘になりました。実は私ども電信電話の料金につきましても、非常に現在特権的な支払い強制の保護を受けております。こういうものも国税に次ぐ規定が実はございます。そのほか地方税あるいは地方自治法によりますいろいろな公課、徴収金がございます。また厚生年金、健康保険等の社会立法上の負担金もございます。これもやはり地方税に次ぐ順位に入つておりますので、その点は申し上げませんでしたが、一般先取特権に次ぐということになりますと、非常に下の順位になりまして、御説明には申し上げませんでしたが、そういうような意味におきまして、いろいろな先行する先取特権がございますので、かなり弱いものであることはやむを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/158
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159・石川金次郎
○石川委員 それでは国税徴収法、その他の公共団体の税金、賦課金、それから電信電話料金は先取特権として行くのだ、それは書かなくとも覚悟して、社債権者はこの会社の社債に応ずるのだからよいというお考えでこれをつくられたのですか。そこまで思い切つていますか。次官どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/159
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160・靱勉
○靱説明員 私に御質問がありましたからお答えいたしますが、そういう場合、社債を募集するという方におきまして、そういう点をはつきりして、社債権者が知らなかつとたいうことがないようにしたらいいのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/160
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161・石川金次郎
○石川委員 しかしその点はどうしても法律技術上どうかと思いますから、ひとつお考えを願います。先ほどの抵当権のお話を進めて参りますが、今度は十三条をごらん願います。十三条の末尾の方に、「担保に供しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。」とございますから、担保に供する抵当権設定の場合も、郵政大臣の認可を受くることとするというわけですね。そこで社債はすでに発行した、社債権者を保護せんければならぬ、それにもかかわらず、抵当権を設定したいという会社からの申請があつたら、これによつて許さないでしようね。こう御説明があればわかつて来ます。そういうわけでございましようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/161
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162・靱勉
○靱説明員 その点は十三条と社債権者の保護とにらみ合せて、郵政大臣がきめるわけでありますが、実際上今おつしやつたようにするのが妥当であるというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/162
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163・石川金次郎
○石川委員 それでよくわかつて参りました。そうすると、思い切つてこうしたらどうなのですか。認可を受けなければならない、認可を受けなければ無効だとはつきり宣言された方がむしろよかつたのじやないでしようか。こういうところに、一体監督するのかしないのか、ずいぶんあいまいに法文が見えております。特殊会社だといつている以上、国家権力は一応監督をもつて強制するのが当然なのですが、これも民主主義で遠慮したのだ、これが民主主義だというのならそれでいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/163
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164・靱勉
○靱説明員 受けなければ効力を生じないというふうに書くことも一つのやり方と存じますが、本法におきましては十六条に罰則規定もございますし、そういう点につきましては、一応効力発生要件にはいたしてない、こういう形になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/164
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165・石川金次郎
○石川委員 四条にまたもどりますが、株式の所有者たることで外国が支配力を持つ会社にはならないということはわかりました。どころでこういう場合がありますね。取締役、監査役、そういつたものを、資本を出す代償として、いわゆる執行機関にさせろということはあり得る。執行機関が外国人であつてはならぬということは書いてない。大きな社債を持つて執行機関が入つて来る。そうなりますと、現在金融資本が産業を支配するとよくいわれますが、金融資本つまり債権者が会社を支配するということは幾らもあるのであります。債権者が会社の執行機関を持つて参りますと、十分会社を支配することができる。外国人もこの会社には、取締役、監査役等の執行機関になり得るでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/165
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166・靱勉
○靱説明員 国際会社の執行機関に外国人がなれるかどうかという点は、本法におきましては別段禁じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/166
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167・石川金次郎
○石川委員 それでは今度は第十一条、取締役、監査役を債権国の国民をもつて選任したという許可、認可を得るために申請がありましたら、大臣は許可いたします政治的方針であるかどうか。これは法律上のことではございません。方針としていかん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/167
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168・靱勉
○靱説明員 これは認めない方針と存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/168
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169・石川金次郎
○石川委員 それでは法文で株式所有の資格をきめたのでありますから、重役の資格もまたおきめになつた方が明瞭であつたと思います。御方針だけでは、次官が明日おやめになるとか——大臣になるならば大丈夫でありますけれども、そうでありませんと、御答弁はかわるかもしれませんから、やつぱりこれは法文にしておいた方がよかつたと思う。こういうことをしないと、買弁資本、外国資本などに圧倒されて、国を売るものだといわれないとも限りません。
それから第十条についてお伺いいたします。第十条に、「社債を募集し、又は弁済期限が一年をこえる資金を借り入れようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。」とありますが、これに違反いたしましたときの法律効果をお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/169
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170・花岡薫
○花岡政府委員 第十条の問題も、認可を受けなければその効力を生じないという行き方と両方ある場合でございますけれども、効力を生じないという方が非常に立法上強い行き方であるというので、これもあとに罰則を加えまして、認可を受けなければならないという訓示規定にいたしたのであります。強過ぎる点につきましては、やはり立法の全体の体系上、この点は途中で考え直しまして、罰則を加えればいいじやないかというふうにいたしまして、この現在の規定にいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/170
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171・石川金次郎
○石川委員 十条の認可を受けなければ、十六条によつて十万円以下の罰金に処するという法律違反行為が出て参りますね。それだけでありますか。それ以上認可を受けずに借りた場合、その貸借は有効か無効かという点をお聞きしておきます。そうでなければ、たくさん利益がありますと、十万円の罰金を払つてちやんと借りて来ます。政府はどんなことがあつても十万円の国庫の収入があればいいという意味じやないでしよう。その点をお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/171
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172・花岡薫
○花岡政府委員 この罰則に対しまして、御指摘のような見方をいたしますれば、あるいはその通りでありますが、これは法令に違反する重役に対しましては、ここにある罰則が全部ではございませんので、あるいは商法の中にも規定がございますし、それから場合によりますけれども、経済関係罰則の整備に関する法律といつたような法律の中にも、相当厳重に役員の不正を取締れるようにできておりますので、これを矯正する方法は他にあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/172
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173・石川金次郎
○石川委員 罰則は商法規定の罰則、その他の法規にあるかもしれません。一体この事項に関しては商法は来ないですよ。特別法なんですから、こつちが優先されるのです。私の聞いているのは、会社が認可を受けないですでに銀行から借金をしてしまつた。そのときには貸借は無効になり、罰金を取るというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/173
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174・靱勉
○靱説明員 これはこの法律規定におきまして有効でございます。それからなお先ほどの外国人の問題でございますが、なお会社の内部規定としまして、定款の規定等があります。あまりに何と申しますか、排外的な関係のこともしいて書けない。そこは政府等を御信用願うということで、個人の問題ではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/174
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175・石川金次郎
○石川委員 それでは定款を御認可になる場合、そこはうまく、執行機関は日本人たることを要す。外国人は入れぬと書かなくともよろしいでしようが、その点十分お考えになつてしかるべきだと思います。そうしますと、今の十条その他にも出て来るのでありますが、認可を受けることは有効の条件ではないのだ。ただこれは違反したその行為が悪いから罰則で片づけるのだということになると、これはちよつとどうなるかという点がある。もつとも次官はこれに機動性があるとおつしやるかもしれぬが、十万円払つて、たくさん金を借りてやる、そこが私設会社の機動性だとおつしやるかもしれません。そうすると法律がちよつと変になつて来るのですから、その辺は機動性だと御説明なさらぬ方がいいと思うのです。こういう点はしつかりきめて、有効にするか、効力を奪つてしまうか、ただ違反に対する罰則をそろえるかということは、十分お考えになつておこしらえになつた方がよかつたかと思われます。
次に時間もありませんから終りにいたしますが、これはお聞き願います。本法の国際電信電話株式会社の設立によりまし(打撃を受けますのは公社だと私は思います。もうけのある事業は分断してこれを私企業にまかしてしまう。公社にあればこそ幾らかでも入つて参りました金、それはあなた方の御提供くださいました資料によつても利益がある。それを設備にまわして行つてこそ公社自体が強くなつて来る、りつぱになつて来る。あなた方のおつしやるところの公共の福祉へだんだん発展して行くことができる。それを奪い取つてしまつたのであります。奪い取つてしまつて、公社自体を非常に困難な状態に追い込み、それで公社も大切だ、会社も大切だという理論は、どうも私には考えられないのであります。そこでこれを心配する。こんなに困らしておいては公社の業績が上らない。それで公社がまた私企業をする。そのまず第一番は、電話を持つておればもうかるから、電話を持つて、そして電信の損なところは公社がする。それは考えがそこにはございますまいけれども、この際次官は責任を持つてこのことは御答弁はないかもしれないけれども、お聞きしておきます。今後いかなる場合であつても、公社であるところの電信電話株式会社は一私企業にすることはない。あつても、考えてみるとおつしやつてくだされば、さらに国民は決心するだろうと思います。その点に対する政府としての御説明を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/175
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176・靱勉
○靱説明員 その点につきましては、すでに大臣からも御答弁になつたことと考えておりますが、公社法の第一条に、この公社にするということは「合理的且つ能率的な経営の体制を確立し、」という言葉で、決してこれは民営に行くことの前提でないことを裏から言つていることと考えますし、提案の説明にも民営に移行することを前提として公社に持つて行くというような考えは毛頭ないのであります。
それから先ほど非常にもうかつている仕事を持つて行つて、公社が非常に苦境に立つ、これは現実の問題として先日来御説明申し上げているように、十三億以上の利益がある。しかしながらこの利益というものは、現在の施設サービスのもとにおいて上つている、あるいは現在の職員の給与その他の状態においてそういうものが上つているというふうに考えられるのでありまして、利用者の立場から見ますれば、国際通信の料金というものは、何と申しましても相当高いことは事実でございます。従いまして料金が安くなれば、それだけの収入が上つて来ないのでありまして、公社が持つておりましても、料金というものは、われわれとしてはもう少し安くして行くということが考えられるのではないかというふうに考えますが、これは一つの料金政策あるいは国際協定の問題でございます。そこでなお相当直通回路を開設して行く、あるいは機械の非常に優秀なのにとりかえて行くというふうになりますれば、必ずしもその利益は現在あるものが常に維持できるというふうには考えないのであります。私ども利益というものはできるだけ利用者のサービスに還元して行く、これを所有している人の利益に還元することでなくて、利用者のサービスの改善に還元して行くということが本来の趣旨かと存じます。そこで現在のままにおきましては、公社としては明らかに収入減になりますが、この点につきましては、ただもうかるからこれを民営に移すという政府の考え方では絶対にないのでありまして、午前も御説明いたしましたような国際通信の特殊性というものから、かかる特殊会社として、さらにわが国の国際通信のサービスを改善し、また諸外国に対抗して、わが国の国際通信を発展させようという趣旨であります。公社におきまして、電話だけまた民営に持つて行くというような考えは毛頭ないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/176
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177・石川金次郎
○石川委員 一体国営には八十年の経験があります。八十年の経験の中にはすぐれたものがあるだろうと思う。悪い点もあつたでありましよう。しかしその八十年の間日本は電信電話を国営として来た理由には、そしてまた国際通信業務が始まつて参りまするや、これを半分は国家の援助でやつて、それをさらに国営にいたしました理由については、おそらく国民のためであつて、国家構成員全部の福祉のために国家による経営をして来たことだろうと思います。かつそう説明しておつたのでありますが、しかるに今突然と申してもよいが、去年ごろから国営にこれこれの欠陥がある。その欠陥の排除に努力するよりも、欠陥を——八十年の経験のあつたそのものの欠点のみを指摘いたしまして、企業体もしくは一個の私営に移つて行くということは、はなはだ遺憾なものがあると考えております。もちろん私どもはみなの共同の福祉にいいのであれば反対しないのでありますが、非常に疑問を持つております。本来通信機関が公共の福祉に重大なる関係がありますことは、当局がしばしば御説明になつおる通りで、産業あるいは政治、文化の根幹をなしておる施設であることは言うまでもありませんが、それが国民共同の財産として、国民共同のために、その利益は国民にただちに帰つて来るように、こういう制度こそが私たちの望んでやまない制度であると私は考えておるのであります。ところが政府が今日これを分断して、一は私企業にまかせようとしておるのであります。このことに対してどうしても私は首肯し得ないものがあります。政府は民営であつても効率を上げるならば、そうして安く行くならば、迅速に行くならば、公共の福祉に益するのだ、こういう御説明でありました。しかしながらそれは資本主義が成長期ならば、その言葉も確かに当つております。資本主義がすでに爛熟した末期に来たというような見方に対しましては、これはだれも争わないのであります。非常に成熟した、爛熟した結果、いろいろな弊害が起つておることは申し上げるまでもありません。政府が、新しい日本の建設に努力しておる日本の国民に対して、国際電信電話の経営の形態は、官営よりもこれは私営の方が最善である、こう見られたことは、どうしても私は理解できないものでありまして、政府の十五万の従業員諸君もこれに反対しておる。その反対にどうして耳をかされなかつたのでありましようか。どうしてその声を聞いて検討しなかつたのでありましようか。国民の大多数が、国家でやつて来たこの財産をかえるということになりまして、どういうわけだろうと思つておるだろうと思うのであります。こういう姿というものは、政府の目に映らなかつたのであろうかと私は思うのであります。私は私の質問を打切るにあたりまして、もう一度次官や皆さんにお願いいたします。この法律案が正義にかなつておるでしようか。正義の要請にこたえられておるでしようか。政治力の行使の正しさというものがこの法案を生み出して来なければならないであろう。国民生活を鼓舞向上せしめるということに、どうしてもこの法案は必要であるだろうか、私はこの答弁は求めません。その通りだとおつしやることはわかつておりますから。ただ私はこの趣旨の立場において、今まで御質問申し上げましたが、長い間御質問をして、非礼の点はたくさんあつたろうと存じますが、最後にこれをおわび申し上げまして、私の質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/177
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178・松井政吉
○松井(政)委員 私はまだ公社の内容、それから会社法についての質問を一つもしておりません。従つてたくさん残つておるのでありまするが、内容について一点、それから政府に対してこの公社以外のことで一点、二点だけ質問申し上げたいと思います。
〔「あしたやれよ」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/178
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179・高塩三郎
○高塩委員長代理 簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/179
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180・松井政吉
○松井(政)委員 あしたでもあさつてでも一週間後でも、いつでもけつこうです。御要望に応じます。応じますが、ついでだから一点だけ質問いたします。
先ほど関連質問をしようと思いましたけれども、石川先生の時間でありましたのでやめたのですが、九条から十四条までは、御承知のように認可に関する事項をうたつております。この認可に関する事項は監督でありますから、監督の条文で全部つづられておりますが、この監督の条文の中で、罰則を先ほど来引例せられて御答弁なさつておられまするが、それもけつこうでございます。けつこうですが、先ほど来申し上げているように、この種の事業というものはあくまでもやはり公共的なものであり、公共性を保たなければならない、この公共性を保つということについては、政府もわれわれも考え方が一緒なんですね。そうした場合に、たとえばこの国策会社がいずれかの事情によつて——国策会社というような言葉は少しきついかもしれませんが、われわれはそのような形態だと思つておりますから、言葉については御了承願います。国策会社がいずれかの事情によつて、その機能をサボタージュするような状態が起きた場合、あるいは解散のやむなきに至つた場合、あるいは一部なり全体の事業、営業そのものをやめなければならなかつた場合、その場合の措置条項というものが一項目もありません。監督の条文の中にどこを見てもない。その場合に条文は必要ないのか、これはやめるわけに行きません。会社はぐあいが悪かつたら、この部分だけは営業をやめようじやないかということはできない性質のものなんです。その場合のことが条文に、監督の条項の中に必要であるかないか、必要でないとするならば、必要でない見解をお伺いしておきたいと思います。これが一点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/180
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181・靱勉
○靱説明員 その点は非常に御心配の点かと存じます。十五条の「業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」という意味は、この業務を今までやつていたのを、まつたく理由なく、ただ営業上の困るとか、そういうようなことで、相手方から——これは国際通信でございますから、相手があるのであります。東京とボンベイとの通信を向うがやめようといつた場合に、これはやむを得ない、それだけれども会社に正当な理由なくして、そういう業務をやめる場合は、監督上必要な命令で業務をやることを命令することができるというふうに考えております。停止の場合におきましても、同様に私どもは考えております。それに違反した場合には十六条の四号の規定があるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/181
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182・松井政吉
○松井(政)委員 十六条の罰則はよくわかつております。罰則で解決つく問題じやないのです。やめるわけに行かない事業なのですから。そうでございましよう。だから罰則で、十万円かの罰金で解決できる問題じやない。そこで私は郵政大臣が命令を発して、その場合に企業が継続の救済策を講ずるということも、この命令の範囲に含まれているかのごときただいまの御答弁であります。たとえばそういう命令というものは明らかに行政府としての郵政大臣の命令、それは明確にやめることのできない企業である。どんなことがあつてもやめてはならないという行政監督者の大臣の命令ではなくて、少くとも立法府が決定する条文にうたつて置く必要はないか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/182
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183・靱勉
○靱説明員 法律的な体制といたしまして、そういう心配がある場合に規定するということは、一つの方法としてもちろんその必要があるかと存じますが、本会社法案におきましては、十五条の命令によりまして、この会社の役員等がそれに従つて行動されるものというふうに考えておるわけであります。なおまた十一条におきましては、役員の選任、解任につきまして、効力発生上認可が必要である。いろいろな面から、この会社の目的というものが国際通信をやるという目的があるのであります。その目的に反するようなことを役員がやることを前提として特別の規定を設けなかつた、この会社の役員は、会社の目的を達成するために十分にその使命を果すものということで、規定を設けてないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/183
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184・松井政吉
○松井(政)委員 今の問題でももつと質問がありますが、これは後日に譲りまして、一つ重要なことをお伺いします。われわれが当委員会において正式に決定をしまして、電気通信事業をどうするかという建前から、小委員会が設置されたことは政府も御承知だと思う。以来一年、小委員会は第一次案から第八次案まで研究されて、八次案をさらに修正されたものが、すなわち今回の公社案の原案のように私は考えております。ところが第五次案ですか、そのころまでと記憶しておりますが、国際電信電話株式会社をつくるというようなことは、当初何も政府からの説明を承つた記憶がない。従つて当初には電気通信事業を公社にして能率を上げた方がよろしいか、国営のままにしておいた方がよろしいか、どういう企業形態で今日の苦境を打開するかという根本的な考え方は現われて来なかつたわけであります。ところがこれが現われて来た。これが一点、それからもう一つは、電信電話公社法案ないし施行法案とともにわれわれが研究した中に、重要なる営業法案というものがあつたはずであります。与党の諸君とも打合せをして、与党の方々から督促をしていただく方がよろしいという考え方のもとに、理事会でも話をいたしました。非公式でも与党の委員とわれわれの間に話がありました。それでできるだけ公社法案、施行法案、国際電信電話株式会社法案と並行して審議をするように督励をしよう、ひとつ野党の君の方からも督励をしてくれということで相談をして参つたのであります。ところがいまだに営業法案が出て来ない、なぜ出て来ないか、これが第二点、第三点は、幾たびか株式会社法案、公社法案について、多くの委員の人たちが真剣に質問しておりますが、営業法案を提出してさえおれば、質問しなくても事足りると思われるもの並びに電信法に関する条項等も、営業法案が出て来ればさらに明らかになるのではないかと思われる節が多々あるのであります。ところがその重要なる、審議の過程に必要とする営業法案は、いまだに顔を見せない。しかし政府の立場もあろうと思つて、われわれは与党側の委員諸君とも打合せしながら、がまんしてやつて来ておる。苦しい答弁をし、しなくてもいい質問までしなければならない苦心を払わせておきながら、何ゆえに営業法案を出さないのであるか。本日この三点だけを明らかにしていただいて、あとは次会に延ばしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/184
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185・靱勉
○靱説明員 お答え申し上げます。営業法案の問題につきましては、私どもも当初の考えといたしましては、関係法案を一括して国会の御審議をお願いいたすということでやつて参つたわけであります。御承知のように公社の問題は行政機構改革の問題として、政府の大きな政策として取上げられたために、その行政機構の改革の基本方針がきまらない限りにおきましては、他の省との折衝をして閣議決定に持つて行くというような方向にも参りません。従つて政府としましては、法案の提出を非常に急いで参つたわけでございますが、まず機構改正に伴うものを出す。そこで国会の会期というものも定められておるのでございますから、それを考えまして、どうしても営業法案等が間に合わない場合も考慮しまして、附則等におきまして、電信法の必要な改正をして御審議をお願いした、こういう形になつております。そこで今御指摘の通り営業法案等には、業務の執行等に対する公共的な制約と申しますか、そういうものがかなり盛られてあるわけでありますが、それは目下事務手続を急いでおりまして、何とか近々に国会に御審議を願えるように、私ども最善を尽しておりますので、遅れた点につきましてははなはだ申訳ない次第でありますが、御了承を願いたいと思います。
第一点につきましては、これはもちろん小委員会にそういう問題を発議をして御説明しておつたのではなくて、まつたく行政機構改革に伴いまして、八十年来のこの事業形態というものをかえて行くことは、これはもう明らかに政府の大きな政策の問題でございます。そこで政府におきまして慎重検討した結果、公社以外に国際通信は特殊会社をもつてするのが適当であるという決定をなされましたので、それに従いまして急速に法案を提出した、こういう形になつております。これはまつたく政府の大きな政策の決定によるものでありまして、小委員会におきまして御審議を願いました当時におきましては、その方針がまだ決定していなかつた。われわれ事務当局としましても、一応事務的な調査を進めておつたのであります。当時政府におきまして、公社案にするということが最終的にきまつてないということは、小委員会にも私からよく御説明し、御了解を得ておつたところかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/185
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186・高塩三郎
○高塩委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十九日午前十時より質疑を続行いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304847X03019520528/186
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