1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月二十八日(金曜日)
午前十一時二十七分開議
出席委員
委員長 松浦 東介君
理事 遠藤 三郎君 理事 河野 謙三君
理事 平野 三郎君 理事 小林 運美君
理事 井上 良二君 小笠原八十美君
小淵 光平君 川西 清君
坂田 英一君 坂本 實君
千賀 康治君 幡谷仙次郎君
原田 雪松君 高倉 定助君
竹村奈良一君
出席政府委員
農林事務官
(大臣官房長) 渡部 伍良君
委員外の出席者
專 門 員 難波 理平君
專 門 員 岩隈 博君
專 門 員 藤井 信君
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本日の会議に付した事件
急傾斜地帶農業振興臨時措置法案(坂本實君外
四十六名提出、衆法第二一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X02019520328/0
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001・松浦東介
○松浦委員長 これより農林委員会を開会いたします。
坂本實君外四十六名提出、急傾斜地帯農業振興臨時措置法案を議題といたし、審査に入ります。
まず本案の趣旨について提出者の説明を求めます。坂本質君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X02019520328/1
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002・坂本實
○坂本(實)委員 ただいま議題と相なりました坂本實外四十六名提出急傾斜地帶農業振興臨時措置法案に関しまして、提案の理由を御説明申し上げます。
御承知のごとく、急傾斜農地は、わが国の地形が急峻であることの必然の結果といたしまして、全国至るところに分布しておるのであります。すなわち、これを畑面積についてみますると、その約四五%、西日本におきましては、その八〇%強が、傾斜農地であり、しかもそのうちの少からざる部分が急傾斜農地に属するのであります。
従いまして、これら急傾斜地帶の農業は、きわめて劣悪な條件下に生産を続けておりますにもかかわらず、今日まで平坦地の農業に伍して食糧その他の農産物の生産に貢献して参つているのであり、これらの急傾斜地の農業生産を無視しては、畑作農業を語り、また食糧自給度の向上を云為することはできないと思うのであります。
しかして、過去現在を通じましてこれらの特殊な環境に包まれる地帯の農業について、国が一定の体系の下に特別の施策を講じたという例は絶無でありまして、いわば農業行政の盲点とも申すべく、我が国農業の特質にかんがみまして甚だ遺憾とする次第であります。
講和條約の発効に伴いまして、食糧自給度の向上は独立達成上喫緊の要務として宣伝され、また農業経営の安定と農民生活の安定は、農村民主化の最大の課題といたされておりまする等の事実にかんがみ、これらの特殊環境下の農業をしてその生産基盤の整備と苛烈な労働條件の緩和とをはかることと相なりまするならば、これらの地域の農民は喜んでその天職に精進することととなり、農業生産力の向上はもとより、民心の安定にも役立ち得るものと確信いたす次第であります。
これらの問題の解決に資しまするために、ここに、本法律案を提出いたした次第でありまするが、以下、その内容のおもなる点について申し述べることといたします。
第一條は、本法律案の目的を規定いたしております。すなわち急傾斜地帶における農業生産の基礎條件をすみやかにかつ総合的に整備して農業生産力を高め、経営の安定と農民生活の改善をはかることがそれであります。
第二條は急傾斜地帶の定義を規定し、この法律で急傾斜地帶とは、土地の傾斜度及び土壤侵触度が政令で定める基準以上であつて、かつ過重な労働を必要とする農地が集団的に存在する地帯であるとしております。
第三條から第九條、第十二條から第十五條の各條は、積雪寒冷単作地蔕振興臨時措置法に準拠し、第三條に急傾斜地帶の指定を、第四條、第五條、第六條にそれぞれ市町村長、都道府県知事、農林大臣の定める農業振興計画を、第七條、第八條、第九條にそれぞれ定めた農業振興計画の変更並びに事情変更の原則を適用せねばならない場合の計画の変更を掲げております。
第十二條に委任事項を、第十三條に全部事務組合及び役場事務組合の特例を、第十五條に急傾斜地帶農業振興対策審議会の組織を規定しておるのであります。
第十條は、本法の目的、並びに急傾斜地蔕の定義に関連して、急傾斜地帶農業振興計画の内容を規定いたしております。すなわち同條第一号、同第二号において急傾斜地蔕における農業生産の基礎條件を整備する事項を規定し、急傾斜地帶農業が具有する土地及び労働の生産性低位の問題、農地の侵蝕保全の問題、平坦地農業に比べ平均三倍以上の過重労働の軽減ないし平均化の問題等、特有の生産阻害條件に対しまして、粗製畦畔の改良、農業用道路の開発、排水路承水溝、土砂だまり、貯水槽等の設置、農業用索道の架設等一を計画するようにいたしたのであります。同條第三号においては、急傾斜農地適応の農業技術の改良と農業経営の合理化が積極的に計画できるようにいたし、同條第四号とあわせて農民生活の改善を期することができるよう規定しておるのであります。
以上簡単に御説明申し上げましたが、御愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X02019520328/2
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003・松浦東介
○松浦委員長 本案に関する質疑は次会よりこれを行うことにいたします。
本日はこれをもつて散会いたします。
午前十一時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X02019520328/3
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