1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年六月二十一日(土曜日)
午前十一時十九分開議
出席委員
委員長 竹尾 弌君
理事 岡延右エ門君 理事 甲木 保君
理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君
柏原 義則君 鹿野 彦吉君
坂田 道太君 首藤 新八君
高木 章君 田中 啓一君
圓谷 光衞君 東井三代次君
長野 長廣君 平島 良一君
水谷 昇君 井出一太郎君
稻葉 修君 笹森 順造君
渡部 義通君 坂本 泰良君
小林 進君 浦口 鉄男君
出席政府委員
文部事務官
(管理局長) 近藤 直人君
委員外の出席者
文部事務官
(管理局著作権
課長) 柴田小三郎君
専 門 員 石井 勗君
専 門 員 横田重左衞門君
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六月二十一日
委員志賀健次郎君辞任につき、その補欠として
稻葉修君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一八八号)
連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法
律案(内閣提出第一四五号)(参議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/0
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001・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 これより会議を開きます。
竹尾委員長がふぐあいのため、私が委員長代理を勤めさせていただきます。
議事日程の順序を変更して、文化財保護法の一部を改正する法律案を議題とするに、賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/1
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002・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 起立多数。よつて議事日程は変更せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/2
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003・小林信一
○小林(信)委員 野党の方たちがあまり見えないのですが、実はきのう教育委員会法の審議をしました際に、私は幸いにして、十分でないのですが発言を多少得られたのですが、しかし、あと野党の方たちが大部分発言を要望しておりまして、ちようど時間がおそくなつたというので、切つてしまつたので、大分憤慨しておられたのです。多分教育委員会法につきまして、相当な質問があると思うのです。何か事情で、きようは出て来られないと思うのですが、やはり本来ならば教育委員会法の審理を続けていただくのが、至当だと思うのです。今不幸にして、與党の諸君から、強引に議事進行の形がとられたのですが、ぜひとも教育委員会法を続けて審議することは認めて、とりはからいいただくことを希望いたしまして、よろしく御配慮をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/3
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004・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 小林委員の御発言ごもつともと思いますから、教育委員会法及び特例法等につきましては、他の機会において十分審議あるいは質疑を継続することにいたします。さよう御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/4
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005・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 これより文化財保護法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
この際お諮りいたします。本案に対する質疑はこの程度にとどめ、終了することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/5
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006・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 起立多数。よつて本案の質疑は終了するに決しました。
若林義孝君より、本案に対する修正案が提出せられております。この際修正案の趣旨弁明を求めます。若林義孝君。
まず案文につきましては、お手元に提出いたしておりますので、速記録に掲載をいたしていただくことにしまして、朗読を省略いたしたいと思います。
その提案の理由を申し述べてみますと、まず第一に、文化財保護の重要性と文化財の多種複雑性とにかんがみまして、委員会の任務遂行に支障のないようにするとともに、また行政整理の趣旨をも勘案いたしまして、原案の委員長外二名の専任制を改めまして、委員長一人を専任とし、委員は従前通り四人を存続するが、この四人はこれを非常勤としようとするものであります。
第二点といたしましては、東京国立博物館奈良分館は、京都国立博物館に比較いたしまして、その規模、内容、歴史等におきまして、決して劣つていないのみならず、また奈良の地は、古来大和文化の中心地としての伝統を具備いたしておることにかんがみまして、東京国立博物館から独立せしめ、奈良国立博物館に改めようとするものであります。しかも定員、経費の点については、特に増員、増額を要せず、東京国立博物館の既定の定員、予算中に含まれておる奈良分館分を、そのまま分割して充てようとするものであります。
それから第三は、本改正案を実施するために、一般の例に従いまして、相当の準備期間を必要とするのでありまして、原案の七月一日からとあるものを、一箇月延ばしまして、八月一日からと改めようとするものであります。
何とぞ満場の御賛同をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/6
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007・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 これより原案並びに修正案を一括議題といたし、討論に付します。
討論の通告もございませんから、これにて討論を省略し、採決いたします。
まず若林義孝君提出の修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/7
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008・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 起立総員。よつて若林義孝君提出の修正案は可決せられました。
次に、ただいま可決せられました修正案の修正部分を除く原案に対し、採決いたします。賛成の諸君の御起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/8
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009・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 起立総員。よつて原案は修正議決せられました。
なお報告及び報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/9
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010・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさようにとりはからいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/10
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011・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 次に、連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律案を議題とし、残余の質疑を許します。坂田道太君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/11
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012・坂田道太
○坂田(道)委員 先般参考人の出席を求めまして意見を聞いたのでございますが、それを拝聽しますと、この前政府から御答弁になつたことにつきまして、若干疑問の点もございますし、不明確な点もあると考えますので、この際はつきりした政府の答弁を求めておきたいと思う次第でございます。
参考人の一人でございます東博士はこの法律案が法律として成立することに反対を表明されたのでありますが、その理由の一つは、この法律案が対日平和條約の解釈としては、あまりに日本国にとつて有利であり、そのために、かえつて諸外国から不信をこうむるおそれがあるというような趣旨であつたと記憶をいたしておるのであります。その点につきまして、政府はどういうふうに考えておられますか、はつきりした御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/12
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013・近藤直人
○近藤(直)政府委員 政府といたしましては、その点につきまして、参考人の一人でございました高野助教授の意見の通りに考えております。すなわち、対日平和條約の解釈は、その両政府の責任においてなし得るわけでございますので、日本国が法律をもちまして対日平和條約の條項を解釈した場合に、万一異議が外国から起りますれば、これはむろん最終的には国際司法裁判所の問題になりまして、そこで付議されるわけでございますが、この法律案が法律として成立した場合には、国際司法裁判所がこの法律を否定するまでは、日本政府のこの平和條約に対する解釈が、国際的に承認されたこととなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/13
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014・坂田道太
○坂田(道)委員 それならば、この国内法ができまして、これが日本には有利であつても、それは国際的に見て、諸外国に日本の不信を抱かせるようなことはないというふうに了解してさしつかえございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/14
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015・近藤直人
○近藤(直)政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/15
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016・坂田道太
○坂田(道)委員 次に、参考人の意見の中に、この問題は結局三十年後、あるいは翻訳権の問題については十年後、それに戰争中の十年四箇月五十二日の期間を加えた期間をということでありますので、たとえば戰争期間中に発生した著作権の場合につきましては、これは一、二年の間には別段さしつかえはないのであつて、それならば、今ただちにこれを立法する必要はないじやないか、こういうような意見であつたと思うのでありますが、この点については、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/16
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017・柴田小三郎
○柴田説明員 お答えいたします。その点についてだけのみならば、あるいはそういうふうな意見も成り立つかと存じますけれども、この法案の第三條、第六條、第七條という規定の点から行きますと、そういうふうな意見は成り立たずに、むしろ今立法した方がよろしかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/17
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018・坂田道太
○坂田(道)委員 次に、この法律案が法律として成立しなくても、平和條約による拘束があるから、特別に立法しなくてもいいじやないかという意見がありますが、この点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/18
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019・近藤直人
○近藤(直)政府委員 お答えいたします。その点については、当初この法律案を提出いたしました当時に、提案理由といたしまして申し上げましたごとく、平和條約の第十五條(c)の解釈だけでは、その意味が不十分でありますし、また足りない点が多々ございますので、この平和條約第十五條(c)の義務を確実に履行する意味におきまして、この法律はぜひとも必要でございます。われわれは、この法律をつくらないでおきますと、十五條の解釈を、連合国が有利に解釈して、従つて日本国にとつて不利に解釈されるという懸念がございますので、その点につきまして、やはり立法措置によりまして、十五條の解釈を明確にする、かつまた日本国にとつて有利にするという意味におきまして、この法律はぜひ必要と考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/19
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020・坂田道太
○坂田(道)委員 日本側といたしまして不利益になるというような場合は、たとえば、どういうような場合でございましようか。もし事例がありましたら、お示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/20
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021・近藤直人
○近藤(直)政府委員 たとえば、この法律に規定されております連合国の著作権が、第三者に讓渡あるいは質入れされた場合に、この質入れ、譲渡の登録がありませんと、それによりまして日本国が不測の損害を受ける。質入れした事実がはつきりいたしません場合、不測の損害を受ける。従いまして、質入れした場合には、これを登録して第三者に対抗し得るという規定がなければならぬわけでございます。その点につきまして、この法律案では、その点を明確にいたしておりますので、まずその懸念はない。
それからもう一点は、この十五條(c)の、戰争期間の延長の特典に浴し得るものは、連合国並びに連合国民だけである。その連合国並びに連合国民が、これを第三者に譲渡した場合には、その特典に浴させないというねらいがございます。そういう規定を設けておきませんと、不用意にこの十五條の解釈が拡張されまして、これはやはりわが方にとつて不利益であるという意味におきまして、さような規定を設けてございます。
それから、この規定によります著作権の特例の規定は、これは著作権法による著作権の全部または一部である。その中にございます出版権につきましては、この規定から除外してございます。これはやはりさような規定を設けておきませんと、出版権につきましても、当然平和條約十五條の規定が適用、されるというおそれがございますので、その点もはつきりこれを除外してございます。さような点が、大体大きな積極性のあるこの法律の特色であろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/21
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022・坂田道太
○坂田(道)委員 これをもちまして質疑を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/22
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023・小林進
○小林(進)委員 議事進行について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/23
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024・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 この法案に関連しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/24
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025・小林進
○小林(進)委員 もちろん関係します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/25
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026・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 この法案に直接関係しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/26
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027・小林進
○小林(進)委員 全部関係します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/27
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028・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 それでは小林君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/28
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029・小林進
○小林(進)委員 これはもちろんこの法案にも関係いたしますが、文部委員会のそれ自体に関係する重大問題であります。
実は委員長も御承知のように、きのうの衆議院におきまして、会議を開いて十日間の会期を延長するよう決定せられた。ところが、その会期延長を決定する決議の前には、参議院の方で、何か会期を十日間延長するがごとくに決定せられたからという、参議院の議院運営委員長の話に基いて、衆議院がその決議をなした。ところが、あにはからんや、衆議院の方では、十日間の会期の延長というようなことは、決議されていないということで、従つて、国会それ自体のあり方として、両院の協議がととのわないのでありますから、本日、国会の委員会並びに本会議を開くということは、憲法上違反じやないか、国会法違反じやないかという重大な疑義が生じておるのでありまして、今、野党は、議長にその申入れを正式にいたしておりまするとともに、両院の法規委員長に、この両院の協議がととのわない場合の本会議並びに委員会の開催というものは違法ではないか、本日から衆議院というものは、当然閉会になつているのではないかという疑義の点を、両院法規委員長に解釈を要求しております。それまで
本会議及び各委員会は、しばらく野党は持たないというのが妥当な解釈ではないかということになつておるのでありますが、それが、あにはからんや、文部委員会では、こうして昨日とかわりないように委員会が続行せられておる。これは実に憲法上重大なる誤りを犯しておるにあらずや、国会法違反をやつておるのじやないか。この点を、いかに委員長は解釈せられるか、私はまずそれを伺つておかなければならない。これは重大なる議事進行であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/29
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030・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 小林君にお答え申し上げます。ただいまの問題は、国会全体の問題でありまして、当委員会の問題だけではない。それで、かかる問題は、議長云々というお話もありましたが、当然議長の諮問にこたえるべき委員会は、議院運営委員会でございますから、その方において論議せららるのは御自由でございますけれども、われわれといたしましては、きのうの問題は、衆議院の優先権がどこまでもあるものと確信しておりますから、この会議は続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/30
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031・若林義孝
○若林委員 ただいま議題になつております連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律案というのは、名前が示しておりますように、国民一般から考えますと、ほとんど無関心であり、というて、当事者、著作権を持つております関連する当人にとりましては、非常に重大な問題であると思うのであります。その意味において、この審議だけは、はなやかなものではございませんけれども、非常に重大なことだと考えますので、浦口委員、坂田委員から相当詳細なる御質疑があつたのでありますが、この間の参考人の御意見などを中心として、いま一度明確にいたしておきたい点が数点ありますので、お伺いをいたしておきたいと思います。明確にお答えを願いたいと思うのであります。
第一、先ほど坂田君の質疑の中にもあつたのでありますが、この法律案が法律として成立した後におきまして、国際司法裁判所によつて否定せられるようなことがあつたならば、日本の不名誉となるというような考え方がせられないでもないのでありますが、この点について、政府の所見を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/31
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032・近藤直人
○近藤(直)政府委員 ただいま御質問のありました点につきましては、先般参考人の高野雄一氏が述べられました見解に、全然同感であります。すなわち、対日平和條約十五條(c)を客観的に解釈いたしますと、当然の事理といた
しまして、この法律案の内容が引出されて来ると考えております。従いまして、当然諸外国の了承を得られるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/32
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033・若林義孝
○若林委員 次に、東博士が、次の諸点につきまして疑問を表明せられたと解釈いたしておるのであります。すなわち第一が、條約に「生じ」とあるのを、何ゆえに法律案では「取得」と表現をしておるか。それから第二が、第二條の定義におきまして、かなで「もの」となつておるものと、漢字で「者」という字を書くものとの両方の書き方がしてあるのは、どういうわけであるかということであります。それから第三は、商法の四百八十二條に規定されております外国会社とこの法律との関係はどういうふうになつておるかということでございます。第四点は、第三條第三項の「著作権法に基く権利の全部又は一部」とあるのは適切ではないと思う、こういうことでございます。第五が、第六條の規定とその見出しとの関係が適当でない、妥当でないということ。それから第六が、第七條に規定しておりますところの登録に関する手続の要求及び登録税の賦課は、條約の解釈としては行き過ぎではないか。こういう点において発言があつたのでありますが、この諸点につきまして、政府の御所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/33
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034・近藤直人
○近藤(直)政府委員 お答えいたします。まず第一点の、條約に「生じた」という言葉が使つてございましたが、それを法律案では「取得した」という表現に、なぜなつておるかということでございますが、これは條約では「文学的及び美術的著作権」が主語となつておりますので、これは生じたというのでございます。しかしながら、この法律案では「連合国及び連合国民」が主語となつておりますので、従つて取得したという表現を使つたのでございまして、意味におきましては、まつたく同じでございます。
次に第二点の、ひらがなの「もの」と漢字の「者」という使いわけでございますが、これは漢字の「者」は、法律上の人格を持つ対象をさすものでございます。また法人を含む意味に用いてあります。ひらがなの「もの」は、抽象的なものを表現する場合、または外国語の関係代名詞に当る言葉として使用しておりますので、この法律案におきまして「もの」とかあるいは「者」の使いわけは、これは、われわれは正当なものと考えております。
次に第三点の商法四百八十二條の外国会社は、この法律案の第二條第二項第二号の條項に該当いたしますので、この法律によりまして、連合国民としての権利を主張することができるのでございます。
次に第四点といたしまして、著作権の「全部又は一部」という表現でございますが、これは著作権法の第二條にも採用されておるのであります。すなわち「著作権ハ其ノ全部又ハ一部ヲ譲渡スルコトヲ得」とございます。平和條約にありましては、單に「文学的及び美術的著作権」とございまして、その部分をどう扱うかにつきましては、何ら規定がございません。しかしながら、著作権につきましては、内国民的待遇が原則であります。日本国としましては、日本著作権法のみを考えておるならばよいわけでありますので、外国人の間に部分権の譲渡があつた場合には、日本著作権法第二條の規定通り、日本国においては部分権に対してもこの法律の利益を與えるという意味におきまして、かような規定を設けて、疑問の生ずる余地をなからしめたのであります。次に第五点といたしまして、見出しと法文の内容とがそぐわないという御質問でございますが、これは第六條は連合国及び連合国民の著作権が、平和條約の発効前に連合国民及び連合国民以外の者に譲渡された場合には、その連合国及び連合国民以外の者の著作権は、平和條約に規定する期間延長の利益を受けないという規定でございます。このことを、第六條は、連合国または連合国民の側から規定しておりますが、この側からは適当な見出しをつけることが困難でありましたので、規定の実質から考えまして、案のような見出しにしたのでございます。あるいは御指摘のように、見出しの点と内容の点とは、多少そぐわない感じもしないわけではないのでございますが、この際その意味におきましてまつたく同じでありますので、かような見出しをつけたのでございます。この点を御了承願いたい。
次に、最後の点でございますが、第三者の対抗要件についての、著作権法第十五條の規定の適用及び登録税の賦課は、当然の事理でありまして、平和條約の規定に反することはないと考えております。すなわち平和條約第十五條(c)の期間延長の利益を享有するために、何らの手続または手数料を課してはならないと書いてあるだけであります。外国におきましては、著作権の譲渡が非常に多数行われますので、日本国民の利益を正当に守るためには、第七條の規定を設ける必要があるのでございます。外国という遠隔の土地におきまして行われます権利の移転の事実は、日本ではこれを知る由がないのでありますから、日本国民が不慮の不利益をこうむらないためには、やはり同様の法律関係に対する、日本人に対する法規を、外国人にも適用することといたしました次第で、決して無理な規定ではなく、條理の問題として外国人も納得するものと考えております。またこの規定を設けまして、かつ登録税を徴收するという点につきましては、これはただいまは條約が発効しておりますが、この法案をつくります前に、司令部もこれは十分了承しておつたような次第でございます。
以上お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/34
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035・若林義孝
○若林委員 最後に、われわれこれは提案理由の説明を拝聽いたしましたときには、この法案に対しますところの下地になります何らの知識もなくて拝聽いたしたのであります。しかし、るる御説明を伺つておる間に、相当の疑問点その他が出て来たというような次第でございますので、あるいは提案理由の中で御説明のあつたことと重なるとも思いますが、重複いたしましようとも、御遠慮なしに省略せずに御説明願いたいと思います。
最後にお尋ねいたしたいと思いますのは、政府は、国際的に承認される範囲で條約を解釈したというのでありますが、この條約に明文のない点について立法したという点について、具体的に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/35
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036・近藤直人
○近藤(直)政府委員 平和條約十五條(c)の、これは解釈規定でございます。趣旨におきましては、平和條約十五條(c)とまつたく同一と考えております。しかしながら、平和條約十五條(c)を日本政府が有利に解釈いたしますと、いろいろな点におきまして問題が出て参りますので、それらの点を明確にいたしまして、日本国民をして不便不都合なからしむるために、この著作権法の特例法というものを立案した次第であります。しからば、いかなる点が問題になりますか、その点を簡單に申し上げます。
第一は、自然人については「連合国の国篇を有する者」と規定して、国籍を限定した点でございます。連合国が海外領土、植民地、保護領、信託統治地域またはその国が外交関係に責任を有する土地等に、著作権に関する国際條約を適用する場合がありますので、この規定がありませんと、平和條約の効力を及ぼす対象がはつきりいたしませんので、この第二條の定義に平和條約十五條(a)に記述されております連合国財産補償法の定義を、そのまま採用した次第でございます。この点が、平和條約十五條(c)の内容以上に、このたびこの法律に規定した一点であります。
次に、第二点といたしまして、第四條第二項で戰争期間中に生じました連合国または連合国民が取得しました著作権につきまして、その生じた日から平和條約が効力を生ずる日の前日までの期間を延長すればよいこととしておる点でございます。この点につきましては、條約には特別の規定がございません。條約は、一律に態争期間だけは延長するという規定があるだけでございますが、もしこの規定だけにいたしますと、條約上、日本の義務とせられたであろうところの外国人の権利を、戰後において日本が保護すべき旨を規定したものと解釈されますので、この
第二項の規定は、條理上当然引出されて来ると考えております。外国著作権が生じた日または外国人が著作権を取得した日というのは、著作者本人しか知らないことでございますので、この点は、日本の著作権法上の著作権を日本人が取得する場合も同様であります。このような解釈規定を設けておきますと、外国著作権を使用する場合に、日本国民が気づくこととなりまして、外国人と交渉しまして、延長期間を戰争期間よりも短縮し得るという便利が多いと考える次第であります。
次に、第三といたしまして指摘いたしたいのは、第六條に関する点でございます。これは諸外国では、著作権の立法が日本より半世紀ぐらい早く、従つて権利意識が発達しておりまして、譲渡の場合が非常に多いのでございます。譲渡の場合には、非連合国民から連合国民への場合と、連合国民から非連合国民への場合がありますが、いずれにしましても、平和條約による期間延長の利益は、その譲渡の時期によつて享有し得るか、いなかが決せられることとなるのであります。たとえば、スイス人からアメリカ人への著作権譲渡が一九五〇年に行われた場合には、アメリカ人はその著作権について期間延長の利益を享有いたしますが、日本の主権回復後に行われた場合には、期間延長の利益を享有できません。反対に、アメリカ人がアメリカ著作権法上の権利をスイス人に譲渡した場合、その譲渡が一九五〇年に行われたときは、スイス人は期間延長の利益を享有し得ないこととなりますが、その譲渡が日本の主権回復後に行われた
ものでありますれば、スイス人も平和條約による期間延長の利益を享有し得ることとなるのであります。従いまして、かような規定がぜひ必要であるわけでございます。
次に第四点といたしましては、第七條に関する点でございます。今までお話申し上げましたように、外国では著作権譲渡が非常に多いのでございまして、日本国民は、著作権使用料につきまして、二重支払いを請求される危險がありますので、譲渡の事実につきまして、第三者の対抗要件に関する日本の法律を適用する旨を明示したわけでございます。登録手続に関しまして、外国人に対して登録税を課することは、当然のことと考えますが、條約に明文がない点にかんがみまして、念のために規定した次第でございます。
なおこの法律の期間計算が、日数計算になつている点につきまして、先般公述人から、実務上不便であるという意見が表明せられたと了解いたしておりますが、この点は、條約そのものが日から日となつておりますので、立法技術上、條約によるほかはないと考えた次第でございます。米国の著作権は最初の発行の日が起算点となつておりまして、それから二十八年というのが原則でございます。つまり著作権が、日で終るわけであります。現行の日本著作権法の基礎でありますローマ規定は、著作権の起算点に関する規定を持つておりません。従いまして、べルヌ條約の諸国にありましても、日本のように、発行または興行、あるいは死亡の年の翌年の一月一日を起算点とするという国もありますし、日に始まつて日に終る著作権期間の計算方法をとつておる国もあります。このようなわけで、平和條約の解釈に関する立法をいたします以上は、日から日の期間について規定せざるを得なかつた次第でございます。
以上あげました五点が、これが平和條約十五條(c)に十分規定されておりませんので、日本政府が独自の見解をもつてこれを有利に規定した次第でございます。従いまして、今回御審議を願つております著作権法の特例法も、さような意味合いを持つておりますので、その点につきましては、いろいろ御意見があつたようでございますが、われわれは、この法律がありますことによりまして、連合国人に対する著作権法上の義務を十分履行し得て、何らその間不慮の不利益というようなこともないだろうというふうに確信いたしておりますので、ぜひこの法律案が成立いたしますことを希望する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/36
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037・若林義孝
○若林委員 過般の公述人の公述によりまして、われわれ疑問を生じておりました点を、坂田委員と私から大体お尋ねをしたと思いますので、一応私の質疑はこれをもつて打切ることといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/37
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038・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 他に質疑はございませんか。
〔「議事進行」「さつきの関連」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/38
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039・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 関連ではないはずです。中間にたくさんの質疑が入りましたから……。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/39
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040・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 それでは坂本泰良君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/40
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041・坂本泰良
○坂本(泰)委員 途中で若林委員から質問を遮断されたから、関連でないことになりますが、先ほど小林委員からの、本日の委員会は無効ではないかという点であります。参議院においては、本会議を開かずに終つておる。今度の十日間の会期延長につきましては、これは非常に疑義がありまして、野党連合では、無効といたしまして、現在議長にその申入れをいたしておるような状態であるのであります。従つてわれわれは、この国会法第十三條の議決に至らなかつたということは、これは二院制度の本質からいたしまして、本会議を開いてその議決が否決された、そういう場合に初めて十三條が適用されるのでありまして、昨日の参議院においては、本会議がただ開かれただけで終つておるのでありまして、議事に入つていないのであります。従つて、本日のこの会期延長は無効であるという建前をとつておるのであります。この点について、委員長は、確信を持つておると言われたのでありますが、いかなる確信を持つておられるか。この国会法十三條の解釈を、いかなる確信でやつておられるか。自由党の偉い人の方できまつたから、委員長は確信を持つておると言われるのか。この文部委員会は、文部委員会として独自のものであるのであります。この神聖なる文部委員会の現在の審議状態は、教育委員会法の一部改正法律案にいたしましても、まつたく文部委員会の独自性がなくて、自由党の総務会で決定をしていないから、まだできない。昨日、日教組の全国の代表の方々と、私も一緒に益谷総務会長に面会をいたしましたが、益谷総務会長の言われるのには、すみやかに総務会を開いてやる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/41
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042・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 なるだけ議題について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/42
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043・坂本泰良
○坂本(泰)委員 そういうわけで、まつたく委員長の、確信を持つて有効な会期である、従つて有効な委員会がここに構成されているという、その確信をお伺いしたい。ただ自由党の偉い人がこうだと言うから、その通りやるのだという確信では、この神聖な文部委員会は相ならない、かように解するのであります。従つて、文部委員長の御見解をはつきりいたしまして、そうしてこの委員会を進行いたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/43
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044・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 お答えいたします。先ほど小林進君に対してお答えしたのでありますが、私はその際、自由党の偉い方かそういうふうに解釈をしたから云々ということは、一言もつけ加えておりません。私は坂本君御指摘の国会法というものは、参議院が異なる決議をしたときもさようでありますけれども、議決するに至らなかつたときにも、やはり衆議院の議決が優先するという確信を持つております。その意味におきまして、会期は延長せられたものとして、この委員会を継続いたしておるような次第であります。決して自由党のお歴々が云々というようなことは、全然考えておりません。また本日それらのいわゆるお歴々にお会いしてもおりません。その点は非常に違います。私の確信をもつてやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/44
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045・渡部義通
○渡部委員 坂本君の動議ですか、質問ですか、これと関連しておるのですが、われわれは両院の意見が一致しないから、それで、これを両院法規委員会によつて疑義を明らかにすべきである。それが明らかにされない限りは、とにかくこの委員会は無効である。これはたとえば第十三国会の延長であつても、このような委員会は、私は無効であるという考えを持つておるわけです。しかし、われわれの考えが、両院法規委員会においてどうこうなり、またその後議運でどうこうというふうに決定した後に、国会が明らかに延長して開かれるべきであるという決定を見た上ならば、われわれは委員会に出席するが、そうでない限りは、われわれはこれは成規の委員会として出席できない。(「出て来ているじやないか」と呼ぶ者あり)今ここに出て来たのは、このような不法な委員会をやることに対する反対の意思を述べなければならぬ。これは委員会に出て来ているのではないのだ、不法な一方的な自由党のやり方に対してわれわれは抗議しなければならぬという立場から、ここに出て来ておる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/45
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046・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 渡部君に申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/46
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047・渡部義通
○渡部委員 こういうことは、私は両院として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/47
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048・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 発言をやめてください。われわれは、これは正当な委員会としてやつておるのでありまして、渡部君が不規則発言に来たというのでありますれば、発言を許しません。従つて渡部君に答弁する義務は私にはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/48
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049・坂本泰良
○坂本(泰)委員 今、委員会は無効と主張するから、それではそこに出て発言する義務はないじやないか——これは違うと思います。この委員会の有効、無効は、これは別といたしまして、この委員会がここに開かれる以上は、その成立について疑義がありましたならば、それはやはり堂々と無効を主張する者もここに来て、そしてその意見を主張する。これは当然なことでありまして、これは自由党の方々が、委員会を否認するならば、ここに発言の権利がないなんと言うのは、これは法の解釈が誤つておるわけであります。従つて、有効を主張する人も、無効を主張する人も、ここに出て、そうしてその所見を明らかにして、この委員会がほんとうに成立するかどうか疑義がありますから、疑義のある点について、それをはつきりするために発言をし、それが動議として出ましたならば、それを処理する、それはやはりやるべき当然の権利があり、また義務である。私はこういうふうに解釈いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/49
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050・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 坂本君に申し上げます。ただいまの坂本君の御発言ならば、まことにごもつともであります。しかし、渡部君は、これを委員会として認めないというのでありますから、それならば不規則発言として認めない、こういうのであります。私はこれを有効と解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/50
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051・小林進
○小林(進)委員 議事進行について——私はけんかに来たわけじやないので、ひとつゆつたりした気持で申し上げます。この委員会の成立に疑義ありということで申し述べます。
参議院の方からは、この国会の延長は成立しない、疑義の点がありますから、衆議院の方では、本日委員会も本会議も開くことをひとつ中止して、画然たる法規の解釈ができるまで延期してくれないかという正式の申出が野党側からありました。これに対して、衆議院の野党の協議会を開きまして——中にはやはり委員長の言われるように、第十三條の解釈で行つて、衆議院が優先権を持つというような結論を出したいという意見もありましたが、やはり両院というものがあつて、両院の一致でこの国会を運営して行く限り、十三條で衆議院のみの優先権を認めるというところに若干の疑義があるから、これは両院法規委員長に正式に野党側から申し入れて、一致した解釈をつくつてもらう、同時に議長にも申し入れて、きようの本会議並びにその他の行事に対しては善処してもらうように申し述べよう、そうして両院法規委員長並びに衆議院議長の確信ある回答が発表せられるまで、野党側は本会議に出席することも、各委員会に出席することも御遠慮申し上げよう、立法府としての国会の尊嚴を守るために、各委員長にそのことを正式に申し入れようじやないかという話合いがあるのであります。この文部委員会において、われわれ野党が、その決定に基いて総退場すればよろしいのでありますけれども、和気あいあいに與党、野党が超然的に手を握つて来たこの文部委員会で、われわれのみが退場するということは、ひいては委員長の信用、将来の委員会の運営に重大なる影響を及ぼしますから、この点は賢明なる委員長の裁定に基いて、しばらくこの問題の結論の出るまで延期ないしは休憩をして、本会議並びに他の委員会と同調せらるるように、私はこの点を提議いたしたいと思うのであります。もしこの点がいれられないならば、われわれは残念ながらも総退場という強硬なる方針をとらなければならぬであろうことを、一言申し伝えておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/51
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052・田中啓一
○田中(啓)委員 関連して——どうも今の小林さんのお話は、質問の域を脱して、動議を提出しておられるようであります。(「動議だ」と呼ぶ者あり)また坂本さんの方からは、とにかく意見が異なる場合には、何か委員会できめたらいいじやないか、こういう御発言のようにも承知されます。ただいままでは、委員長の見解をただしておられる程度でありましたので、委員長の御答弁でよろしいかと思つておつたのでありますが、そこは委員長の御判断にまかせまして、委員長の御見解を明らかにされるなり、あるいはまたこれについては討論の必要もないと思いますから、採決をとるなり、適当に御処置をなすつたらよろしかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/52
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053・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 小林君のは動議ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/53
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054・小林進
○小林(進)委員 動議です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/54
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055・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 動議じやなくて、こういうことでどうですか。小林君のおつしやるところにも半面の理があるのですから、晝も過ぎましたし、この辺で休憩いたしましようか。
それから、はつきりしておきたいのでありますが、ただいま審議中の著作権法案につきましては、まだ相当の質疑があるそうでございます。
それからもう一つ、小林さん初め野党の委員の諸君の御心配の点、すなわち教育委員会法及び特例法等につきましては、これをやつたならば、質疑等を打切るんじやないかという御心配のようでありますが、決してそんなことはありません。われわれといたしましては、誠に誠意これを継続して行くつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/55
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056・小林信一
○小林(信)委員 本日の日程は、これは今委員長からも御配慮があつたのですが、これは委員長としては当然の御発言で、本日の日程は明らかに教育委員会法が第一に掲げられておるわけなんです。それから、きのうまでの経過からしますならば、きのう自由党の方たちが主として発言なさつて、野党においては私が簡單に、わずかな質問の時間をいただいただけで、あと五、六人が全部打切られたわけなんです。非常に重大な問題が検討されつつあつたのです。きようまたここへ来ますと、ただいまいろいろ問題が出たのですが、とにかく與党の絶対多数で押し切られまして、急に日程が変更され、教育委員会法というものは、またどこかへ行きそうになるのです。せつかく審議が一応軌道に乘りつつある問題を、とかく自由党の方たちの意向でもつて葬り去られやすいのですが、この点は、こういう終末に近づいて来ておるのですから、理事会等でよく打合せをしていただいて、野党も了解の上で議事が進行できるように——今日あたりも実に不愉快な進行状態で、私は遺憾な点があるのです。ただいま代理委員長が、その点御配慮くださいまして、必ずこの問題もやると仰せられるのです。ひとつただいまの動議の点は、これはお互いに慎重に検討しなければならないのですが、もしこれが委員会再開という形になりますならば、実は政府委員もどういう意図か知らぬけれども、久保田局長も文部大臣も来ておられないのです。これは明らかに政府の方へも自由党の意向というものが伝わつておるような形であつて、われわれは、この点は非常に遺憾な点があるわけです。これは委員長から、すぐひとつ用意しておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/56
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057・岡延右エ門
○岡(延)委員長代理 了承いたしました。
これにて休憩いたします。
午後零時二十三分休憩
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〔休憩後は開会に至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305115X03819520621/57
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