1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月十三日(木曜日)
議事日程 第十九号
午後一時開議
第一 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
第二 国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
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●本日の会議に付した事件
鉄道建設審議会委員の選挙
日程第一 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
日程第二 国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
日本輸出銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後一時二十四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/0
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001・林讓治
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/1
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002・林讓治
○議長(林讓治君) 鉄道建設審議会委員に欠員がありましたので、この際鉄道建設審議会委員の選挙を行います。
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003・福永健司
○福永健司君 鉄道建設審議会委員の選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/3
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004・林讓治
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/4
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005・林讓治
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて議長は、鉄道建設審議会委員に益谷秀次君及び水田三喜男君を指名いたします。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/5
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006・林讓治
○議長(林讓治君) 日程第一、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事奧村又十郎君
〔奧村又十郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/6
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007・奧村又十郎
○奧村又十郎君 ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本法律案は、昭和二十五年度において風水害等が異常に発生いたしましたため、農業共済再保険特別会計の農業勘定における再保険金の支払い財源に七億一千七百八十七五五千円の不足を生ずる結果となりましたので、均衡財政の見地より、これを一般会計からの繰入金によつて補填いたそうとするものでありまして、なおこの繰入金につきましては、将来農業勘定の経理状態が健全となり、決算上の剰余が生じました場合には、この会計の再保険金支払い基金勘定に繰入れるべき金額を除き、これを一般会計へ繰りもどさなければならないことといたしております。
本案につきましては、去る四日、政府当局より提案理由の説明を聴取し、慎重審議の結果、昨十二日、質疑を打切り、討論を省略の上、ただちに採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。
簡単でございますが、右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/7
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008・林讓治
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/8
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009・林讓治
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/9
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010・林讓治
○議長(林讓治君) 日程第二、国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長佐瀬昌三君。
〔佐瀬昌三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/10
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011・佐瀬昌三
○佐瀬昌三君 国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の一部を改正する法律案に関する法務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
政府の提案理由を委員会として説明を求めました結果、国の利害に関係のある訴訟が年々増加いたしまして、これを担任する法務総裁が直接その衝に当ることがきわめて煩雑であるために、訴訟代理人として弁護士を選任する権限を付与されたいという趣旨のことでございました。当委員会におきましては、この提案理由の説明に基いて、あらゆる角度から慎重審議いたしましたる結果、その提案理由が妥当であると認めまして、討論を省略いたしまして採決の結果、全員一致賛成の上、これを可決いたした次第であります。
詳細の経過については、これを議事録に譲りまして、以上簡単でございますけれども、法務委員会における本案に関する審議の経過と結果を御報告申し上げた次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/11
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012・林讓治
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/12
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013・林讓治
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/13
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014・福永健司
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、日本輸出銀行法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/14
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015・林讓治
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/15
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016・林讓治
○議長(林讓治君) 異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
日本輸出銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐藤重遠君。
〔佐藤重遠君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/16
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017・佐藤重遠
○佐藤重遠君 ただいま議題となりました日本輸出銀行法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。日本輸出銀行は、わが国のプラント設備等機械輸出の促進をはかるために、昭和二十五年十二月二十八、資本金百五十億円をもつて設立され、去る第十二国会におきまして、さらに資本金を百七十億円に増加する措置をとつたのであります。しかしながら、わが国経済の発展をはかるためには、重要原材の外国からの継続的な輸入を確保することがぜひとも必要でありますので、このたび日本輸出銀行を日本輸出入銀行に改め、同銀行が新たに輸入金融業務をもあわせて行うことができることとしようとするものであります。
本案の要点を申し上げますと、第一に、わが国の輸出の振興に役立つ原材料その他の物資の外国からの輸入に関しまして、特定の場合において輸入金融業務を行うこととしましたこと、第二に、わが国のプラント輸出契約の実情にかんがみまして、その融資期間を最短期間六箇月から三箇月に短縮しましたこと、第三に、新たに債務保証業務を行い得ることとしたこと、第四に、政府からの資金の借入れ及び外国からの外貨資金の借入れを認めることとしましたこと、第五に、国庫納付金制度を設けまして、利益金の一定割合を国庫に納付させることとし、これに伴い法人税等の非課税の取扱いをすることとしたこと等がおもなる点であります。本案は、去る五日、本委員会に付託せられ、同七日、政府当局より提案理由の説明を聴取して、爾来慎重審議を重ねました後、十一日質疑を終了し、本日討論に入りましたところ、深澤委員は日本共産党を代表して本案に反対の旨述べられました。
次いで採決いたしました結果、起立多数をもつて本案は原案の通り可決いたしました次第でござやます。以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/17
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018・林讓治
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。深澤義守君。
〔深澤義守君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/18
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019・深澤義守
○深澤義守君 私は、ただいま上程になりました日本輸出銀行法の一部を改正する法律案に対しまして、日本共産党を代表いたしまルて反対の意見を述べんとするものでございます。
本法案は、従来アメリカの東南アジア計画の方向に沿つて、日本から機械設備の輸出を東南アジア等にいたす場合におい長期の金融を行つて来たのであります。これを今般輸出入銀行として、輸入に対しましても長期金融をするということでありまするが、政府答弁によりまして明らかになつた事実は、この東南アジア各地の地下に眠るところの鉄鉱石や、あるいは銅や粘結炭、工業塩等、重要原材料の開発資金に対して重点的に融資するということになつておるのであります。その政府の提案理由を見ますると、わが国経済の拡大発展を将来にわたつて確保するために、輸出の振興をはかるとともに重要原材料の外国からの継続的な輸入をする必要があるというのであります。しかし、われわれは、このように政府がりつぱに言つておりますが、現在の日本の置かれている立場というものを明確にすることなしに、政府の日本経済の運営の実態をつかむことはできないと考えるのであります。
御承知のごとく、講和によつて日本がアメリカの極東——の重要基地になつたことは明らかであります。アメリカの駐留軍の任務と、これと結合するところの日本の再軍備とは、吉田内閣が何と強弁しようとも、——の方向に向つて進んでおることは明らかな事実であります。従つてまた、日本経済もこの方向へ向つて軍需化されて行くということもまた必然の道であるとわれわれは考えるのであります。かつて、アメリカノボルテモア・サンという新聞の主筆のハミルトン・オーエンスという人が、アメリカはそのイニシアチーヴのもとに一種のアジア共栄圏をつくり、その中心を日本に置く、アメリカは日本に資本と技術を与えて、それを日本の低賃金労働力と結合させて、それによつて生産される商品をアジア市場に販売する一方、アジア市場から原料を獲得するような方向に行くべきであると書いておるのでありますが、その通りに行つておるのであります。このアメリカの新版大東亜共栄圏計画の先頭に、今、日本が立たされておるということは明らかであります。吉田内閣の懇請にもかかわらず、アメリカは借款も許さない。マーカット将軍の帰国報告によつても明らかなことく、外資の導入もはなはだ困難の事情にあるのであります。こういうような、まる裸の中で、しかもアメリカの——によつて日本の経済がいよいよ軍事工場化されるということは明らかな事実であります。このような要求が、今般日本輸出銀行を日本輸出入銀行として、このアメリカの—————に基く新版大東亜共栄圏の先頭を勧める役割にこの日本輸出入銀行が利用されるという結果になることは明らかであります。
こういうことは、従来輸出銀行の業績の中を見ましても、はつきりしておるのであります。六十一億円の融資の総額中、米軍の基地である沖縄に、発電機械を中心として十二億が融資されております。またパナマ国の造船に関係して輸出をしたのでありますが、これは船籍はパナマにありますけれども、事実上はアメリカの船であるタンカーのために十四億二千万円というものが融資されておるのであります。全額の二分の一に近いものが、こういうぐあいに使われている。これは日本のためではなくて、まつたくアメリカのために役立つておるということが言えるのであります。また、このたびの輸入金融は資源開発のみに融資されるということになつておるのであります。その開発の目的が鉄鉱石、粘結炭、工業塩等にあつて、それに血眼になつておるのでありますが、これは日本政府みずからが中共貿易を禁止しまして、その結果としてアメリカ方面から高い鉄鉱石や粘結炭を買いまして、そうして日本の労働者には低賃金を押しつけたが、それでも国際価格より高くて商売にならないということで四苦八苦しておる。この抜け道を、この日本輸出入銀行によつて東南アジアの開発に求めようとしていることは明らかであります。
しかしまた政府は、インドに何かあるから開発をする、フィリピンに何かあるから開発する、ビルマやインドネシアに何かあるから開発するといつて、かつてなことを言つておるが、現在日本の立場というものはどうなつておるか。先ほども申し上げましたように、日本が極東——の拠点となつて、再軍備をして、軍事工場化して行くことに対して、極東の諸国は決して好意を持つていない。講和の批准につきましても、現在の極東の諸国というものは、講和批准に対して好意を持つていない。日本は今極東の孤児になりつつあるということは、もはや明らかな事実であります。そこで、日本の政府が、アメリカの大きな力を背景として、とらの威を借りて、この開発を強行しようとするならば、あの中東において、イギリス帝国主義に対して、あの中東の民族運動が一大反撃を加えたように、やがて日本も東南アジア諸国の民族運動のために一大反撃を受けるということは必至であるということをわれわれは断言する。われわれは、このような見地から、この法案はきわめて危険にして、日本経済のために悪影響をもたらす結果を包蔵するものであるということを主張するのであります。われわれは、日本が自主独立の見地に立つて、通商貿易自由の原則的立場を確立いたしまして、中共貿易再開を前提とするところの極東やおける諸国と平和友好の関係に立つことこそが日本経済の今後の発展の上に最も重大であるということを主張いたしまして、本法案のごときに対しましては断固として反対するのであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/19
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020・林讓治
○議長(林讓治君) ただいまの深澤君の発言中、不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当の処置をとることといたします。これにて討論は終局いたしました。採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/20
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021・林讓治
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02019520313/21
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